説明

電気的な接続デバイス及びコネクター

【課題】大電流を伝導するため、接触ポイントで十分な冷却能力を有し、スペースの小さいプラグ・タイプの接続デバイスを提供する。
【解決手段】コネクターの接続状態において電気的な接続を作り出すための、接触形成要素4,6を有している。コネクター2,3は、接続状態において、接続領域で互いに接触し合う。コネクター2,3の内の少なくとも一つは、冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイント9,10を備えた冷却剤ライン8を有し、この冷却剤ライン8は、接触形成要素4,6の間の接触ポイントから熱を放散させるために、接触形成要素に設けられている。冷却剤ライン8のアクセス・ポイント9,10の全ては、接続領域の外側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な接続デバイス及びコネクターに係り、特に、大電流を伝導するための電気的な接続を作り出すためのコネクターに係る。
【背景技術】
【0002】
電気的なプラグ・タイプの接続部は、様々な用途を有している。それらの接続は、互いに相補的な接続要素を手動で互いに結合することにより、電気的なデバイスまたはアセンブリを接続することを可能にする。そのために、前記要素は、大きな力が使用されることなく、互いに結合されることが可能である。要求される差込みの力は、可能な限り低くなるようにデザインされる。しかしながら、これは、そのようなプラグ・タイプの接続部において、接触力が、例えば、ネジ・タイプの接続部またはクランピング式の接続の場合と比べて、低いことを意味している。
【0003】
プラグ・タイプの接続部におけるより低い接触力は、接触ポイントに接触抵抗の増大をもたらし、その接触ポイントに電流が流れる場合に、電圧低下により電力損失が発生する。これは、プラグ・タイプの接続部の接触ポイントに加熱を生じさせ、この加熱は、酸化、または、使用される接触材料の構造の変化の結果として、接触の劣化の加速をもたらし、最終的に接触の熱的な破壊をもたらすことがある。
【0004】
接触ポイントの過剰な加熱による問題を避けるために可能なやり方は、プラグ・タイプのコネクターの冷却にある。例えば、文献 US 2006/035488 は、空冷式のプラグを規定し、このプラグは、接触ポイントの加熱を減らすように意図されている。このプラグは、冷却積層品を有していて、この冷却積層品は、接点に熱的に接続されている。一つの弱点は、この冷却積層品が、プラグの物理的なサイズにネガティブな影響を有していると言うことであり、もう一つの弱点は、この冷却積層品によりプラグの絶縁がより困難になると言うことである。
【0005】
もし、プラグ・タイプの接続部が液体冷却剤で、好ましくは水で、冷却される場合には、接触ポイントの冷却の改善が実現されることになる。文献 EP 0 401 640 には、相補的な接続要素を備えたそのような液体冷却式のプラグ・タイプの接続部が開示されている。組み立ての間、接続要素の間に、電気的な接続と冷却剤経路の接続とが作り出される。接続状態において、冷却剤ラインがプラグ・タイプの接続部を通るときに、冷却剤経路の接続が存在する。
【0006】
しかしながら、一つの弱点は、プラグ・タイプの接続部が切り離されるとき、電流経路に加えて、冷却剤チャネルもまた開かれと言う事実にあり、その結果、切り離しの前に、液体冷却剤が取り除かれることが必要になることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第 US 2006/035488 号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第 EP 0 401 640 号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、改良された接続デバイス提供することにあり、この接続デバイスは、コネクターの接触ポイントで十分な冷却能力を有し、スペースの要求が低く、且つ、準備的な処置を伴わずに、互いに結合されそして切り離されることが可能である。
【0009】
この目的は、請求項1に基づく接続デバイスにより、及び同等の請求項に基づくコネクターにより、実現される。
【0010】
本発明の更なる優位性のある形態は、従属請求項の中に規定されている。
【0011】
第一のアスペクトによれば、接続デバイス、特に高負荷のプラグ・タイプの接続部が設けられる。この接続デバイスは、第一のコネクター及び第二のコネクターを有し、それらは、コネクターの接続状態において電気的な接続を作り出すために、接触形成要素を、それぞれ有している。これらのコネクターは、接続状態において、接続領域で互いに接触し合う。これらのコネクターの内の少なくとも一つは、冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイントを備えた冷却剤ラインを有している。この冷却剤ラインは、前記接触形成要素の間の接触ポイントから熱を放散させるために、前記接触形成要素に結合されている。前記冷却剤ラインのアクセス・ポイントの全ては、前記接続領域の外側に配置されている。
【0012】
本発明の一つのコンセプトは、接続デバイスのためのコネクターの内の少なくとも一つの中に、冷却剤ラインを設けることにあり、この冷却剤ラインは、切り離されそして組み立てられる接続デバイスにより損なわれることが無く、その結果、接続デバイスが、接続された状態または接続されていない状態のどちらにあるかに関係無く、冷却剤がそれぞれのコネクターの中に留まることになる。前記冷却剤ラインは、前記接続デバイスの接触ポイントの近くに配置され、その結果、そこで発生した熱が、前記冷却剤ラインの中を流れる冷却剤により、移送されて取り除かれることになる。
【0013】
更にまた、第一のコネクターは、雌コネクターの形態であることが可能であり、そして、第二のコネクターは、雄コネクターの形態であることが可能である。
【0014】
一つの実施形態によれば、冷却剤ラインが、別個の冷却ユニットの中に配置され、この冷却ユニットは、前記少なくとも一つのコネクターの接触形成要素の上に固定される。
【0015】
第一のコネクターは、ハウジングを有していて、接触形成要素がその中に収容され、冷却剤ラインの一部が、前記ハウジングと前記接触形成要素の間に形成されている。前記ハウジングは、第二のコネクターの接触形成要素を収容するための経路を有している。この経路は、接続状態において、冷却剤の出現を防止するように、第二のコネクターの接触形成要素により閉鎖されるように、デザインされている。閉鎖要素が、非接続状態において、冷却剤の出現を防止するように、前記経路を閉鎖するために、更にまた設けられている。
【0016】
更にまた、この閉鎖要素は、スプリング要素により、予めストレスが与えられることが可能であり、このスプリング要素は、非接続状態において、前記経路を閉鎖するために、前記経路の中で、前記閉鎖要素を停止部材に対して押し付ける。
【0017】
第二のコネクターの接触形成要素は、例えば、円筒状の形態を有することが可能である。
【0018】
前記経路には、冷却剤の出現を防止するように、前記経路をシールするために、シール要素が設けられることが可能である。
【0019】
更なる実施形態によれば、冷却剤ラインの更なる一部は、前記接触形成要素の中に形成される。
【0020】
更なるアスペクトによれば、電気的な接続を作り出すための電気的なコネクター、特に、高負荷のプラグが設けられる。この電気的なコネクターは、接続された状態で、電気的な接続を作り出すように、更なるコネクターの更なる接触形成要素と接触するための接触形成要素を有している。接続領域が、接続状態において、前記更なるコネクターの対応する更なる接続領域を押すように設けられる。前記コネクターは、更にまた、冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイントを備えた冷却剤ラインを有している。この冷却剤ラインは、前記接触形成要素の接触ポイントから熱を放散させるために、前記接触形成要素に結合されている。前記冷却剤ラインのアクセス・ポイントの全ては、前記接続領域の外側に配置されている。
【0021】
更にまた、前記冷却剤ラインは、別個の冷却ユニットの中に配置されることが可能であり、この冷却ユニットは、前記接触形成要素上に固定される。
【0022】
一つの実施形態によれば、接触形成要素が中に収容されたハウジングが設けられ、冷却剤ラインの一部が、前記ハウジングと前記接触形成要素の間に形成され、このハウジングは、前記更なるコネクターの接触形成要素を収容するための経路を有している。非接続状態において、この経路は、冷却剤の出現を防止するように、閉鎖要素の助けにより閉鎖されることが可能である。
【0023】
更にまた、この閉鎖要素は、スプリング要素により、予めストレスが与えられることが可能であり、このスプリング要素は、非接続状態において、前記経路の中で、前記閉鎖要素を停止部材に対して押し付ける。
【0024】
更なるアスペクトによれば、上記の一つまたは二つ以上の電気的なコネクターを備えた接続モジュールが設けられ、このコネクターは、冷却剤ラインを介して、冷却剤ポンプ及び熱交換器に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1a】図1aは、接続された状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示し、この例では、接続要素に冷却剤ラインが設けられている。
【図1b】図1bは、接続されていない状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示し、この例では、接続要素に冷却剤ラインが設けられている。
【図2a】図2aは、接続された状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示す、この例では、二つの相補的な接続要素に冷却剤ラインが設けられている。
【図2b】図2bは、接続されていない状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示す、この例では、二つの相補的な接続要素に冷却剤ラインが設けられている。
【図3a】図3aは、接続された状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示し、この例では、別個の要素として冷却剤ラインを備えた冷却ユニットが、接続要素上に取り付けられている。
【図3b】図3bは、接続されていない状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示し、この例では、別個の要素として冷却剤ラインを備えた冷却ユニットが、接続要素上に取り付けられている。
【図4a】図4aは、接続された状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示し、この例では、冷却剤が接触ポイントの周りを直接に流れる。
【図4b】図4bは、接続されていない状態で、プラグ・タイプの接続部の概略図を示し、この例では、冷却剤が接触ポイントの周りを直接に流れる。
【図5】図5は、複数のプラグ・タイプの接続部を備えたプラグ・タイプの接続システムの図を示し、これらの接続は、冷却剤ポンプにそれぞれ接続されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好ましい実施形態が、以下において、添付図面を参照しながら、より詳細に説明される。
これらの図面において、同じ参照符号は、同一のまたは同様の機能を備えた要素を示している。
【0027】
図1a及び1bは、第一の接続要素(コネクター)2及び第二の接続要素3を備えたプラグ・タイプの接続部1を、差し込まれた状態即ち結合された(接続された)状態で(図1a)、及び分離された(接続されていない)状態で(図1b)、示している。
【0028】
第一の接続要素2は、二つの互いに対向するコンタクト・アーム4を有し、これらのアームは、切除部5の周りに配置されている。コンタクト・アーム4は、二つの接触形成領域7を有し、これらの接触形成領域は、二つのコンタクト・アーム4の上に、互いの方向に向いた突出部として配置されている。第二の接続要素3は、接触ピン6を有している。
【0029】
第二の接続要素3の接触ピン6は、第一の接続要素2の切除部5の中に挿入されることが可能であり、その結果、コンタクト・アーム4の接触形成領域7が、接触ピン6に沿ってスライドし、完全に接続された状態において、接触ピン6のそれぞれの接触面を押すことになる。二つの接続要素2,3が一緒に結合されたとき、コンタクト・アーム4が弾性的に変形され、その結果、接触形成領域7が、ある接触力で、接触ピン6のそれぞれの接触面に対して押し付けられることになる。結果として、二つの接続要素2,3のコンタクト・アーム4と接触ピン6の間の接触ポイントでの電気的な接続が、接続領域の中で作り出される。
【0030】
一般的に、接続要素2,3は、即ち、接触形成領域7の間の距離、コンタクト・アーム4の弾性、及び接触ピン6の厚さは、二つの接続要素2,3を、大きな力を要することなく、手動で一緒に結合することが可能性であるようにデザインされる。しかしながら、これは、接触形成領域7と接触ピン6の間の、可能性のある接触力を制限する。
【0031】
接触形成領域7と接触ピン6の間の接触ポイントでの接触力は、接触抵抗を決定するクリティカルな目安であって、この接触抵抗は、次に、プラグ・タイプの接続部の全体の抵抗に実質的に影響を及ぼす。それ故に、プラグ・タイプの接続部を通って大電流が流れる場合に、熱の形態のかなりの電力損失が、特に、接触ポイントで発生する。熱が接触形成領域7および/または接触ピン6の劣化または破壊をもたらすことがないように、前記熱は、それ故に、適正なやり方で放散される必要がある。
【0032】
熱を放散するために、図1a及び1bに示されているプラグ・タイプの接続部の場合に、本発明は、冷却デバイスが第二の接続要素3の中に組み込まれることを提供し、この冷却デバイスは、冷却剤ライン8の形態である。冷却剤ライン8は、入口開口9及び出口開口10を有し、これらの開口を介して、冷却剤が供給され、そして排出される。プラグ・タイプの接続部1の操作の間、冷却剤は、冷却剤ライン8を通ってガイドされ、その結果、第二の接続要素の中にある熱が放散されることになる。
【0033】
入口開口9及び出口開口10は、プラグ・タイプの接続部1のそれぞれの接続状態に関係無く、それらがアクセス可能であるように、第二の接続要素3上に配置される。即ち、接続要素2,3が一緒に結合され即ち互いに結合されたとき、第二の接続要素3の中にある冷却剤ライン8の、入口開口9及び出口開口10のいずれもが、第一の接続要素2の中に覆われまたは収容されることがない。更にまた、第一の接続要素2から第二の接続要素3へ伸びる冷却剤ラインも無い。これは、先ず冷却剤サイクルを停止することなく、および/または、冷却剤を接続要素3から排出することなく、プラグ・タイプの接続部を切り離すことを可能にする。
【0034】
図1a及び1bに示された実施形態において、入口開口9及び出口開口10は、第二の接続要素3の側面上に配置される。この側面は、接続要素2,3が互いに結合される方向に対して実質的に平行に伸びている。入口開口9及び出口開口10が、第二の接続要素3のそれぞれ異なる側面上に配置されること、または、接触ピン6の反対側第二の接続要素3の裏側上に配置されることもまた、可能性である。
【0035】
冷却剤ライン8は、第二の接続要素3の中で、ループ状に配置されることが可能であり、その結果、冷却剤ライン8が、第二の接続要素3の中を曲がりくねった形態で伸びることになる。結果として、冷却剤ライン8と周囲を取り巻く材料の間の界面が増大され、その結果、熱の放散の改善が可能になることになる。
【0036】
図2a及び2bに示されているように、二つの接続要素2,3に、対応する冷却剤ライン8が設けられることが可能であり、その結果、冷却が、第二の接続要素3の接触ピン6を介して、及び第一の接続要素2のコンタクト・アーム4を介しての両方で、行われることが可能になる。冷却剤ライン8は、同じ形態でまたは異なる形態で、デザインされることが可能である。当然、第一の接続要素2の一つだけに、冷却デバイスが設けられることもまた、可能性である。冷却デバイスが一つだけの設備の場合に、前記冷却デバイスは、接続要素2,3の中で、接触ポイントから冷却デバイスへのより良い熱の放散が確保される接触要素の中に、設けられるべきである。
【0037】
図3a及び3bは、プラグ・タイプの接続部14の更なる変形形態を、一緒に結合された状態で(図3a)、及び切り離された状態で(図3b)、示している。図3a及び3bに示されたプラグ・タイプの接続部14において、高い熱伝導性の材料から作られた別個の冷却要素15の形態の冷却デバイスが、示されている。冷却要素15は、接続要素2,3の内の一つの上に固定され、その結果、熱が、冷却要素21を介して、コンタクト・アーム4と接触ピン6の間の接触ポイントから放散されることが可能になる。
【0038】
冷却要素15は、冷却剤ライン16を有し、その中を通って、冷却剤が入口開口17を介して導入され、冷却剤が出口開口18を介して排出される。冷却剤ライン16は、冷却剤ライン16と冷却要素15の材料の間の界面を増大させるために、ループを有することが可能であり、その結果、冷却要素15の材料からの熱の放散が改良されることになる。それに代ってまたはそれに付け加えて、冷却剤ライン16と冷却要素15の材料の間の界面を増大させるための更なる措置、例えば、積層品などのようなものが、設けられることも可能である。
【0039】
冷却要素15は、可能な限り低い熱的な抵抗で、第二の接続要素3上に固定される。固定は、例えば、接着、または、例えば、クランピング接続またはネジ・タイプの接続部19のような他の機械的な接続により、行われることが可能である。
【0040】
更なる実施形態において、プラグ・タイプの接続部14(図3a及び3bに示されている)はまた、二つの接続要素2,3上に対応する冷却要素15を有することも可能である。
【0041】
図4a及び4bは、更なるプラグ・タイプの接続部20を示す。更なるプラグ・タイプの接続部20は、第一の接続要素21を有し、この第一の接続要素は、相補的な第二の接続要素22に接続されることが可能である。第一の接続要素21は、ハウジング23を有し、このハウジングの中に、電気的に伝導性の導電体要素24が固定されて配置されている。ハウジング23の断面は、円形の筒状または四辺形、または他の形態を有していても良い。
【0042】
導電体要素24は、コンタクト・アーム25を有し、このコンタクト・アームには、それぞれ、接触形成領域26が設けられている。コンタクト・アーム25は、切除部の周りを取り囲み、この切除部の中に、更なるプラグ・タイプの接続部20の接続状態において、第二の接続要素の接触ピン29が収容される。接触形成領域26は、更なるプラグ・タイプの接続部20の接続状態において、接触ポイントで接触ピン29と接触し、かくして、電気的な接続を作り出す。図4a及び4bに示された実施形態において、接続状態において接続要素21,22が互いに接触し合う面が、接続領域を表している。
【0043】
導電体要素24の中に、冷却剤を導くための第一の冷却剤ライン・セクション27が設けられている。ハウジング23の内側の壁と導電体要素24の間の空間は、第二の冷却剤ライン・セクション28として、更にまた使用され、この第二の冷却剤ライン・セクションを通って、冷却剤が導入される。第二の冷却剤ライン・セクション28は、周辺の周りを(接続方向に対して)接線方向に伸びるように、または特定の領域のみで伸びるように、設けられることが可能である。
【0044】
好ましくは、接触ポイントで発生した熱を可能な限り効果的に放散することを可能にするために、第二の冷却剤ライン・セクション28の一部が、ハウジング23とコンタクト・アーム25の一つまたは二つ以上の間に形成される。第一の冷却剤ライン・セクション27及び第二の冷却剤ライン・セクション28は、冷却剤ラインの部分であり、それらの部分を通って、冷却剤が、接触ポイントで発生した熱を放散するために導かれる。冷却剤ライン・セクション27,28の中での冷却剤の流れの方向は、基本的に随意に定められる。
【0045】
ハウジング23は、収容開口34の形態の経路を有している、接続要素21,22が一緒に結合されたときに、この経路により、第二の接続要素22の接触ピン29が切除部の中に収容されることが可能である。収容開口34は、実質的に、接触ピン29の断面を有し、その結果、接触ピン29が、僅かな遊びを介して、収容開口34の中に収容されることが可能になる。更にまた、収容開口34には、もし、接触ピン29がその中に収容された場合に、冷却剤の損失を防止するように、収容開口34をシールするためのシール要素35が設けられることが可能である。
【0046】
更なるプラグ・タイプの接続部20の接続状態において、接触ピン29は、コンタクト・アーム25の間の収容開口34を通って到達し、その結果、コンタクト・アーム25の接触形成領域26が接触ピン29と接触し、ある接触力で、接触ピン29を(接続方向に対して)横方向に押すことになる。接触力は、接触ピン29が収容されたときに、例えば、コンタクト・アーム25の弾性変形により、作り出されることが可能である。
【0047】
更なるプラグ・タイプの接続部20の切り離された状態において、冷却剤ラインの中に供給された冷却剤が流出することを避けるために、閉鎖要素36が設けられ、この閉鎖要素は、閉鎖セクション37及び停止部材38を有している。閉鎖要素36は、更なるプラグ・タイプの接続部20の切り離された状態において、収容開口ための閉塞部材として振舞う。
【0048】
閉鎖セクション37は、スプリング39の助けにより、ハウジング23の収容開口34の中に押し込まれ、閉鎖要素36の停止部材38は、閉鎖要素36がハウジング23の中に留まることを確保する。更なるプラグ・タイプの接続部20が切り離された状態において、停止部材38は、例えば、適正な拘束要素により、導電体要素24を押すことが可能である。その代わりに、一方または双方のコンタクト・アーム25の接触形成領域26が、閉鎖要素36のための拘束要素として振舞うことも可能である。
【0049】
スプリング39は、導電体要素24上で、閉鎖要素36と保持エッジ40の間に配置され、好ましくは、予めストレスが与えられる。保持エッジ40は、例えば、第一の冷却剤ライン・セクション27の断面の段差の付けられた拡大部により、形成されることが可能である。
【0050】
接続要素21,22が一緒に結合されるとき、接触ピン29の端面が閉鎖要素36の端面を押し、閉鎖要素36の端面を、スプリング39により作用するスプリング力に抗して、第一の接続要素21の切除部の中へ押し込む。この場合、端面は、互いに対してぴったり接触する。結果として、接触ピン29が、ハウジング23の収容開口34の中の閉鎖要素36に取って代わり、その場合、冷却剤が収容開口34を通ってハウジング23から流出することが可能になる期間が無い。
【0051】
その代わりに、閉鎖要素36及び接触ピン29の端面に、互いに相補的な形態が設けられることが可能であり、接続要素が一緒に結合されたときに、端面が滑って互いから離れることを避けるために、特に、相補的な円錐状の形態を有することができる。
【0052】
好ましくは、閉鎖要素36は、ハウジング23と同様に、非導電性の材料から形成され、その結果、更なるプラグ・タイプの接続部20の切り離された状態において、十分な絶縁が実現されることが可能になる。
【0053】
図5において、複数のプラグ・タイプの接続部を備えた接続システム50が設けられる。第一の接続要素51は、第一の接続モジュール52の中に設けられ、第二の接続要素53は、第二の接続モジュール54の中に設けられる。第一及び第二の接続要素51,53のそれぞれは、上述のやり方の内の一つで、構築されることが可能である。接続要素51,53は、それらが接続方向に差し込まれることにより相補的な接続モジュールに接続されることが可能であるように、それぞれの接続モジュール52,5の中に配置される。
【0054】
第一の接続要素51は、第一の冷却剤ライン60を介して、第一の冷却剤ポンプ55に結合され、その結果、第一の接続モジュール52のそれぞれの第一の接続要素51の中の冷却剤チャネルが、冷却剤サイクルに対して直列の状態で接続されることになる。第一の冷却剤ポンプ55は、第一の接続モジュール52の中に配置されることが可能であり、または、それとは別個に配置されることも可能である。第一の冷却剤ライン60は、第一の接続要素51から放散された熱を放散するために、第一の熱交換器62の中を通る。
【0055】
第二の接続要素53は、第二の冷却剤ライン61を介して、第二の冷却剤ポンプ56に結合され、その結果、第二の接続モジュール54のそれぞれの第二の接続要素53の中の冷却剤チャネルが、冷却剤サイクルに対して直列の状態で同様に接続されることになる。第二の冷却剤ポンプ56は、第二の接続モジュール52の中に配置されることが可能でありまたは、それとは別個に配置されることも可能である。第二の冷却剤ライン61は、第二の接続要素53から放散された熱を放散するために、第二の熱交換器63の中を通る。
【0056】
接続モジュール52,54の個々の接続要素51,53の間に、十分な電気的な絶縁を確保するために、非導電性の冷却剤ライン60,61、または、接続要素から十分に絶縁された冷却剤ライン、及び非導電性の冷却剤が、好ましくは使用される。特に、電気的に絶縁性の液体、例えば、水、油、弗素化合物液体などは、大量の熱を吸収し、それと同時に、高い電圧を絶縁することが可能である。
【0057】
図5に示されたデザインの変形として、接続システム50の唯一つの接続モジュール52,54に、冷却デバイスまたは冷却剤ポンプが設けられることもまた、可能である。
【0058】
更なる代替形態によれば、唯一つの冷却剤ポンプ55または56が設けられ、この冷却剤ポンプが、両方の接続モジュール52,54を通る冷却液体の循環を確保することもまた、可能である。その場合、冷却剤ポンプ55は、接続モジュール52,54から離れて配置されることが可能であり、または、二つの接続モジュール52,54の内の一つの中に配置されることも可能である。その場合、接続モジュール52,54は、インタフェースとしての完全な切り離しのために、冷却剤ライン(前進流れ及び戻り流れ)の中に、対応する更なる切り離しポイントを有している。
【符号の説明】
【0059】
1…プラグ・タイプの接続部、2…第一の接続要素、3…第二の接続要素、4…コンタクト・アーム、5…切除部、6…接触ピン、7…接触形成領域、8…冷却剤ライン、9…入口開口、10…出口開口、14…プラグ・タイプの接続部、15…冷却要素、16…冷却剤ライン、17…入口開口、18…出口開口、19…ネジ・タイプの接続部、20…プラグ・タイプの接続部、21…第一の接続要素、22…第二の接続要素、23…ハウジング、24…導電体要素、25…コンタクト・アーム、26…接触形成領域、27…第一の冷却剤ライン・セクション、28…第二の冷却剤ライン・セクション、29…接触ピン、34…収容開口、35…シール要素、36…閉鎖要素、37…閉鎖セクション、38…停止部材、39…スプリング、50…接続システム、51…第一の接続要素、52…第一の接続モジュール、53…第二の接続要素、54…第二の接続モジュール、55…第一の冷却剤ポンプ、56…第二の冷却剤ポンプ、60…第一の冷却剤ライン、61…第二の冷却剤ライン、62…第一の熱交換器、63…第二の熱交換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のコネクター(2;21)及び第二のコネクター(3;20)を備えた接続デバイス(1;20)、特に、高負荷のプラグ・タイプの接続デバイスであって;
コネクターの接続状態において電気的な接続を作り出すための、接触形成要素(4,6;25,29)をそれぞれ有し;
前記コネクター(2;21,3;22)は、接続状態において、接続領域で互いに接触し合い;
前記コネクター(2;21,3;22)の内の少なくとも一つは、冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイント(9,10)を備えた冷却剤ライン(8;27,28)を有し;
この冷却剤ライン(8;27,28)は、前記接触形成要素(4,6;24,29)の間の接触ポイントから熱を放散させるために、前記接触形成要素に設けられている;
接続デバイスにおいて、
前記冷却剤ライン(8;27,28)のアクセス・ポイント(9,10)の全てが、前記接続領域の外側に配置されていること;及び、
第一のコネクター(21)が、接触形成要素(24)が中に収容されたハウジング(23)を有し、前記冷却剤ライン(28)の一部が、このハウジング(23)と前記接触形成要素(24)の間に形成され、前記ハウジング(23)は、第二のコネクター(22)の接触形成要素(29)を収容するための経路を有していること;
前記経路(34)は、冷却剤の出現を防止するように、接続状態において、第二のコネクター(22)の接触形成要素(29)により閉鎖されるように形成されていること;及び、
冷却剤の出現を防止するように、非接続状態において、前記経路(34)を閉鎖するための閉鎖要素(36)が設けられていること;
を特徴とする接続デバイス(1;20)。
【請求項2】
第一のコネクター(2;21)及び第二のコネクター(3;20)を備えた接続デバイス(1;20)、特に、高負荷のプラグ・タイプの接続部であって、
コネクターの接続状態において電気的な接続を作り出すための、接触形成要素(4,6;25,29)をそれぞれ有し;
前記コネクター(2;21,3;22)は、接続状態において、接続領域で互いに接触し合い;
前記コネクター(2;21,3;22)の内の少なくとも一つは、冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイント(9,10)を備えた冷却剤ライン(8;27,28)を有し;
この冷却剤ライン(8;27,28)は、前記接触形成要素(4,6;24,29)の間の接触ポイントから熱を放散させるために、前記接触形成要素に設けられている;
接続デバイスにおいて、
前記冷却剤ライン(8;27,28)のアクセス・ポイント(9,10)の全てが、前記接続領域の外側に配置されていること;及び、
前記冷却剤ライン(8;27,28)は、別個の冷却ユニットの中に配置され、この冷却ユニットは、前記少なくとも一つのコネクター(2,3;21,22)の接触形成要素(4,6;24,29)上に固定されていること;
を特徴とする接続デバイス(1;20)。
【請求項3】
下記特徴を有する請求項1または2に記載の接続デバイス(1;20):
第一のコネクター(2;21)は、雌コネクターの形態であり、第二のコネクターは、雄コネクター(3;20)の形態である。
【請求項4】
下記特徴を有する請求項1に記載の接続デバイス(20):
前記閉鎖要素(36)には、スプリング要素(39)により予めストレスが与えられ、このスプリング要素は、非接続状態において前記経路を閉鎖するために、前記閉鎖要素(36)を、前記経路(34)の中で、停止部材に対して押し付ける。
【請求項5】
下記特徴を有する請求項4に記載の接続デバイス(20):
第二のコネクター(22)の接触形成要素(29)は、円筒状の形態を有している。
【請求項6】
下記特徴を有する請求項4または5に記載の接続デバイス:
前記経路(34)には、冷却剤の出現を防止するように、前記経路(34)をシールするために、シール要素(35)が設けられている。
【請求項7】
下記特徴を有する請求項4から6の何れか1項に記載の接続デバイス:
冷却剤ラインの更なる一部(27)が、前記接触形成要素(24)の中に形成されている。
【請求項8】
電気的な接続を作り出すための電気的なコネクター、特に、高負荷のプラグであって:
− 電気的な接続を作り出すように、接続された状態で、更なるコネクターの更なる接触形成要素と接触するための、接触形成要素と;
− 接続状態において、前記更なるコネクターの対応する更なる接続領域を押すように設けられた接続領域と;
− 冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイント(9,10)を備えた冷却剤ライン(8;27,28)と;を有し、
前記冷却剤ライン(8;27,28)は、前記接触形成要素(4,6;24,29)の接触ポイントから熱を放散させるために、前記接触形成要素に設けられた、電気的なコネクターにおいて、
前記冷却剤ライン(8;27,28)のアクセス・ポイントの全てが、前記接続領域の外側に配置され、
接触形成要素(24)が中に収容されたハウジング(23)が設けられ、
前記冷却剤ラインの一部(28)が、前記ハウジングと前記接触形成要素の間に形成され、
前記ハウジング(23)は、前記更なるコネクター(22)の接触形成要素(29)を収容するための経路(34)を有し、
冷却剤の出現を防止するように、非接続状態において前記経路(34)を閉鎖するために、閉鎖要素(36)が設けられていること、
を特徴とする電気的なコネクター。
【請求項9】
電気的な接続を作り出すための電気的なコネクター、特に、高負荷のプラグであって:
− 電気的な接続を作り出すように、接続された状態で、更なるコネクターの更なる接触形成要素と接触するための、接触形成要素と;
− 接続状態において、前記更なるコネクターの対応する更なる接続領域を押すように設けられた接続領域と;
− 冷却剤の供給及び排出のそれぞれのための、一つまたは二つ以上のアクセス・ポイント(9,10)を備えた冷却剤ライン(8;27,28)と;を有し、
前記冷却剤ライン(8;27,28)は、前記接触形成要素(4,6;24,29)の接触ポイントから熱を放散させるために、前記接触形成要素に設けられた、電気的なコネクターにおいて、
前記冷却剤ライン(8;27,28)のアクセス・ポイントの全てが、前記接続領域の外側に配置されていること;及び、
前記冷却剤ライン(8;27,28)は、別個の冷却ユニットの中に配置され、この冷却ユニットは、前記接触形成要素上に固定されていること;
を特徴とする電気的なコネクター。
【請求項10】
下記特徴を有する請求項8に記載のコネクター:
前記閉鎖要素(36)は、スプリング要素(39)により、予めストレスが与えられ、このスプリング要素は、非接続状態において、前記閉鎖要素(36)を、前記経路の中で、停止部材に対して押す。
【請求項11】
請求項8から10の何れか1項に記載された一つまたは二つ以上の電気的なコネクター(51,53)を備えた接続モジュール(52,54)であって、当該電気的なコネクターが、冷却剤ライン(60,61)を介して、冷却剤ポンプ(55,56)及び熱交換器(62,63)に結合されている接続モジュール。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−224333(P2009−224333A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−66233(P2009−66233)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(505056845)アーベーベー・シュバイツ・アーゲー (34)