説明

電気的な生物活性の検出およびこの生物活性に影響を与えるためのシステム並びに生物の組織に植え込み可能な装置

生物の組織に植え込み可能である、電気的な生物活性を検出するためおよびこの生物活性に影響を与えるための装置と、少なくとも2個のかかる装置を備えた、電気的な生物活性を検出するためおよび/またはこの生物活性に影響を与えるためのシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載した、電気的な生物活性を検出するための、生物の組織に植え込み可能な装置と、請求項10の前提部分に記載した、電気的な生物活性に影響を与えるための、生物の組織に植え込み可能な装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部分に記載した装置は特許文献1によって公知であり、請求項10の前提部分に記載した装置は特許文献2によって公知である。しかしながら、これらの公知の装置はかなり大きいので、例えば中枢神経系のような生物学的な系内においてはこれらの装置の集積度では不十分である。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0114769号明細書
【特許文献2】国際公開第00/13585号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明の根底をなす課題は、生物学的な系と、その外側にある、例えば測定機器、監視機器、いわゆる刺激器または効果器のような機器との間で信号交換をするための装置を小型化することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、請求項1の前提部分に記載された装置において、エネルギーレシーバとトランスミッタとが時間的に並列運転するように構成され、両測定電極とトランスミッタとの間に電圧感知スイッチが接続され、この電圧感知スイッチは、電気的な生物活性の時間的な経過または変化に関する情報をトランスミッタの1つまたは複数の送信特性の変化の形に、そしてトランスミッタのアイデンティティに関する情報をトランスミッタの1つまたは複数の送信特性の形にアナログ符号化するように、トランスミッタを切り換えるよう構成されていることによって、上記課題が解決される。それによって、電圧差の時間的な経過を、例えば送信振幅、送信波長、送信周波数の変化に、並びにあるいは個々のパルス等の形および高さにアナログ符号化または表示することができる。
【0005】
さらに、請求項10の前提部分に記載した装置の場合、エネルギーレシーバと制御情報レシーバが時間的に並列運転するように構成され、制御情報レシーバと両電極間に電圧感知スイッチが接続され、この電圧感知スイッチは、エネルギーレシーバから電極への電流の流れを制御情報レシーバによって制御して切り換えるように構成され、制御情報レシーバのアイデンティティと、電気的な生物活性に影響を与える量とが、制御情報信号の周波数および/または振幅によってアナログ符号化されていることによって上記課題が解決される。
【0006】
組織はもちろん、動物または人間の内側または外側の組織でもよい。特に、脳、心臓および筋肉内に植え込むための装置であるので、医学的な診断や神経生理学の分野やプロテーゼの制御の際に使用可能である。
【0007】
電気的な生物活性とは、細胞、例えば神経細胞の膜電位(またはその時間的な変化)を意味する。
【0008】
電気的な生物活性を検出する装置の場合は特に、送信特性は送信振幅および/または送信周波数である。
【0009】
電気的な生物活性を検出する装置の場合、検出された電位差が前もって定めることができる電圧閾値を上回るかまたは下回るときに、スイッチがトランスミッタをオン/オフするように構成されている。それによって、活動電位の存在、すなわち例えば脳の内外の神経細胞の場合のような膜電位の急激な変化が検出され、送信される。そのとき、スイッチは1ビットスイッチのように作用する。
【0010】
さらに、トランスミッタは特にマイクロ波および電波のための閉鎖共振器を備えている。
【0011】
あるいは、トランスミッタは特に赤外線(IR)、紫外線(UV)および可視光線のためのフォトダイオードを備えていてもよい。
【0012】
さらに、トランスミッタは発光ダイオード(LED)を備えていてもよい。
【0013】
さらに、あるいは、トランスミッタは量子井戸構造を備えていてもよい。この量子井戸構造は例えば量子レーザーである。
【0014】
同様に、トランスミッタは量子細線構造を備えていてもよい。
【0015】
異なるアナログ送信特性(送信振幅および/または送信周波数)に基づいて区別可能である少なくとも2個のトランスミッタが設けられていると有利である。それによって、一方では組織内で装置の一層高い集積度が達成され、他方では多大な部品コストおよび信号処理コストを必要とせずに、トランスミッタの一義的な識別が達成される。
【0016】
マイクロ効果器またはマイクロ刺激器とも呼ばれる、電気的な生物活性に影響を与えるための装置の場合、電極間に電圧パルスが発生するように、スイッチが制御情報レシーバによって制御可能である。電圧パルスが充分な強さで短いと、周囲の細胞が生物活性を受ける。しかしもちろん、電圧パルスの代わりに、組織の外側から制御される電圧変化を周囲の組織に与えるまたは起こすことができる。
【0017】
さらに、制御情報レシーバが特にマイクロ波および電波のための閉鎖共振器を備えていてもよい。
【0018】
あるいは、制御情報レシーバが特に赤外線(IR)、紫外線(UV)および可視光線のためのフォトダイオードを備えていてもよい。
【0019】
異なるアナログ受信特性(振幅および/または周波数)に基づいて別々に応答可能である少なくとも2個の制御情報レシーバが設けられていると有利である。それによって、制御情報レシーバの一層高い集積度と、制御情報レシーバの分離制御が達成される。
【0020】
エネルギーレシーバが特にマイクロ波および電波のための閉鎖共振器を備えていると有利である。
【0021】
あるいは、エネルギーレシーバが特に赤外線(IR)、紫外線(UV)および可視光線のためのフォトダイオードを備えていてもよい。
【0022】
さらに、エネルギーレシーバが音波のための圧電結晶を備えていてもよい。
【0023】
特に簡単な実施形態では、電圧感知スイッチが電圧感知抵抗を備えていてもよい。
【0024】
あるいは、電圧感知スイッチが、電界効果トランジスタの開放連鎖を備えていてもよい。
【0025】
さらに、電圧感知スイッチが電気光学スイッチを備えていてもよい。
【0026】
その際特に、電気光学スイッチは発光ダイオード(LED)とフォトダイオードを備えていてもよい。
【0027】
装置が集積回路(IC)として形成されていると有利である。
【0028】
測定電極または電極の接触部を除いて、装置全体が電気的に絶縁性の材料、特に塗料で塗られていると有利である。それによって、組織、特に脳組織の刺激が最小限に抑えられる。
【0029】
測定電極または電極が末端部として形成されていると有利である。それによって、組織刺激をさらに抑えることができる。
【0030】
あるいは、測定電極または電極はコンデンサとしてまたはコンデンサを備えた末端部として構成することが可能である。
【0031】
本発明では、組織または生物に植え込まれた、上記請求項のいずれか1項に記載の少なくとも2個の装置を備えている、電気的な生物活性を検出するためおよび/またはこの生物活性に影響を与えるためのシステムが提案される。特に、組織または生物の外側に、少なくとも1個のエネルギー送出装置と少なくとも1個の生物活性検出装置および/または少なくとも1個の生物活性に影響を与える装置が設けられていてもよい。生物活性に影響を与える装置は制御情報信号を送信する。
【0032】
本発明は、電圧感知スイッチを設けることによって、並びにエネルギーレシーバとトランスミッタまたは制御情報レシーバを構成することによって、情報をトランスミッタの送信特性(送信振幅および/または送信周波数)および制御情報信号および/または制御情報レシーバの特性にアナログ符号化するように、エネルギーレシーバとトランスミッタまたは制御情報レシーバが時間的に並列運転可能であり、電気的な生物活性を検出するかまたはこの生物活性に影響を与えるための装置の小型化が実現可能であるという驚くべき認識に基づいている。さらに、トランスミッタまたは制御情報レシーバの機能からのエネルギーレシーバの機能の分離は、各装置にトランスミッタまたは制御情報レシーバが1個だけ設けられているときに、装置相互の一義的な識別または装置の分離制御を可能にし、植え込み可能な各装置に、2個以上のトランスミッタまたは2個以上の制御情報レシーバが設けられているときに、トランスミッタの一義的な識別または制御情報レシーバの分離制御を可能にする。
【0033】
さらに、特に伝送される情報のアナログ符号化のために、トランスミッタの送信特性または制御情報信号および/または制御情報レシーバの特性(振幅および/または周波数)に基づいて、きわめて少数のコンポーネントが信号処理に関与しているので、本発明による装置は応答がきわめて迅速であり、従って一層現状に近い電気的な生物活性の検出または生物活性に対する影響付与を可能にする。
【0034】
本発明の他の特徴および効果は、特許請求の範囲および以下の記載から明らかになる。以下の記載では、概略図に基づいて2つの実施形態を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1および図2から明らかなように、本発明の一つの実施形態による、電気的な生物活性を検出するための生物に植え込み可能な装置10は、エネルギーレシーバ12と、電圧感知スイッチ14と、図1においては符号16でまとめて示されている2個の測定電極16a、16bと、トランスミッタ18とを備えている。エネルギーレシーバ12は組織(図示せず)の外側から電磁波20を受け取り、この電磁波を電気エネルギーに変換する。この電気エネルギーは以下の例では電気エネルギーとして例えば1個または複数個のコンデンサ(図示せず)に蓄えられ、そして必要に応じて、例えばトランスミッタ18が情報を伝送するときにトランスミッタに送られる。あるいは、エネルギーレシーバ12が受け取った電気エネルギーを、一時的に蓄えないでトランスミッタ18に直接送ってもよい。もちろん、エネルギーレシーバ12を介してではなく、生体特有の物質代謝によってエネルギー供給を行ってもよい。
【0036】
電圧感知スイッチ14は、測定電極16とトランスミッタ18との間に配置されている。電圧感知スイッチ14は例えば電圧感知抵抗またはコンデンサである。
【0037】
測定電極16の周囲の例えば神経組織(図示せず)の電気的な生物活性が装置10によって検出され、この情報がトランスミッタ18に伝えられる。神経組織の電位差が所定の電位差閾値に達すると、スイッチ14はトランスミッタ18をスイッチオンする。電圧感知スイッチ14がコンデンサである場合、測定電極16によって周囲の神経組織で検出された電圧変化がトランスミッタ18の情報伝達信号から読み取られ得るように、トランスミッタ18はスイッチ14によって影響を与えられる。
【0038】
トランスミッタ18の役目はエネルギーレシーバ12からの電流を電磁波22に変換することである。電磁波は、測定電極16によって検出された例えば活動電位または電圧差の変化に関する情報を含んでおり、従って情報伝達信号を送信する。本実施形態では、トランスミッタ18は開放共振器(図示せず)を備えている。2個以上のこのような装置または2個以上のトランスミッタが使用されるときには、この装置またはトランスミッタは例えば異なる波長またはパルス信号によって区別できるように構成することが可能である。
【0039】
原理的には、電気的な生物活性を検出するためのこのような1個の装置に、複数のエネルギーレシーバ、電圧感知スイッチおよびトランスミッタを設けることができる。それによって例えば、局所的な生物活性の空間的な分布に関する情報を得ることができる。その際、装置の密度は実質的に、(例えば異なる波長を有する)トランスミッタの異なる情報信号の分離可能性と、装置の製造サイズとによって制限される。
【0040】
装置10は集積回路(IC)としておよびナノシステム技術/マイクロシステム技術によって製造可能である。
【0041】
図2からわかるように、装置10は頭部分24と末端部28を備えている。この頭部分内において、エネルギーレシーバ12と電圧感知スイッチ14とトランスミッタ18とがプリント回路基板状の構造体26上に設けられている。末端部は細く、頭部分24から長く延びている。上記の末端部はそれぞれ接触部30または32を有する両測定電極16a、16bを備えている。装置10全体はこの接触部30、32を除いて、電気的に絶縁性の塗料で塗られている。この塗料は、周囲の組織(図示せず)の刺激作用を低減するような特性を有する。装置10は、その滑りを回避するために、逆鉤(図示せず)を備えているのが好ましい。末端部28は、測定電極16a、16bおよび接触部30、32以外の部品を備えていないのが有利である。
【0042】
このような装置10を、例えば脳のような組織内に互いに密接させ、可変の間隔をおき、そして位置を固定して多数配置することができる。
【0043】
装置10によって、例えば神経細胞の作用の現状に近い検出と、トランスミッタ18からのこの対応する情報信号の送信が可能である。
【0044】
このような装置10が多数使用されると、装置毎に、例えばエネルギー供給用の電磁波のために1つの周波数を、そしてトランスミッタ18から放射される電磁波のために固有の1つの周波数(固有の1つのチャンネル)を使用することができる。それによって、各装置から外部への少なくともほぼ連続的な情報伝達ができる。すなわち、送信休止なしにおよびほとんど応答時間なしに情報伝達をすることができる。
【0045】
電気的な生物活性に影響を与えるための図3に示した装置34は、エネルギーレシーバ12と、電圧感知スイッチ14と、符号36でまとめて示されている2個の電極と、制御情報レシーバ38を備えている。
【0046】
図1および図2に示されている装置の場合と同様に、エネルギーレシーバ12は外部から電磁波20を受け取り、この電磁波を電気エネルギーに変換する。受け取ったこのエネルギーは電気エネルギーとして例えば1個または複数個のコンデンサ(図示せず)に蓄えられ、例えば組織または生物の電気的な生物活性に影響を与える場合には必要に応じて送られる。あるいは、受け取った電気エネルギーを、一時的に蓄えないで電極36に直接送ってもよい。さらに、生体特有の代謝作用によってエネルギー供給を行うこともできる。
【0047】
制御情報レシーバは、電磁波40の形態の制御情報を受け取り、この電磁波を電流に変換する。この電流は電圧感知スイッチ14を制御するために使用される。2個以上の装置34または2個以上の制御情報レシーバ38を使用する場合、例えば電磁波40の他の波長と異なる全く所定の波長にのみ応答するように、制御情報レシーバ38を形成することができる。
【0048】
電圧感知スイッチ14は例えば抵抗もしくはコンデンサである。このスイッチは、例えば制御信号を抵抗値に変換することによって、エネルギーレシーバ12から組織内の電極36への電流の流れを制御するために、制御情報レシーバ38の制御信号によって制御される。その際、制御信号は電磁波40によって伝えられる制御情報に依存する。
【0049】
さらに、原理的には、1個の装置34に複数のエネルギーレシーバ12、電圧感知スイッチ14および制御情報レシーバ38を設けることができるので、例えば局所的な生物活性に対して空間的に影響を与えることができる。
【0050】
装置34の密度は異なる制御信号の分離可能性と、異なる制御情報レシーバと、装置34の大きさとによって制限される。
【0051】
電気的な生物活性を検出するための装置と、電気的な生物活性に影響を与えるための装置は両方共、無線のエネルギー供給部と、無線の制御信号伝送部と、小さな寸法とを有し、検出個所または影響を与える個所における高い集積度を可能にする。
【0052】
上記明細書、図面および特許請求の範囲に開示した本発明の特徴は、単独でも任意の組み合わせでも、本発明をそのいろいろな実施形態で実現するために重要である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一つの実施形態による電気的な生物活性を検出するための装置の概略図
【図2】図1の装置の構造を詳細に示す図
【図3】本発明の他の実施形態による電気的な生物活性に影響を与えるための装置の概略図
【符号の説明】
【0054】
10 電気的な生物活性を検出するための装置
12 エネルギーレシーバ
14 電圧感知スイッチ
16 測定電極
18 トランスミッタ
24 頭部分
28 末端部
30,32 接触部
34 電気的な生物活性に影響を与えるための装置
38 制御情報レシーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織または生物内の電圧差を検出するための2個の測定電極(16)と、
組織または生物から外側へ情報を伝達するために、前記測定電極(16)によって検出された電圧差に基づいて電気的な生物活性に関する情報を無線で送信するように形成されたトランスミッタ(18)と、
組織または生物の外側から電気エネルギーを前記トランスミッタ(18)に供給するために、エネルギーを無線で受け取るように構成されたエネルギーレシーバ(12)とを少なくとも備えた、前記生物の組織に植え込み可能である電気的な生物活性を検出するための装置(10)において、
前記エネルギーレシーバ(12)と前記トランスミッタ(18)とが時間的に並列作動されるように構成され、前記両測定電極(16)と前記トランスミッタ(18)との間に電圧感知スイッチ(14)が接続され、該電圧感知スイッチ(14)は、かつ前記電気的な生物活性の時間的な経過または変化に関する情報を前記トランスミッタ(18)の1つまたは複数の送信特性の変化の形に、そして前記トランスミッタ(18)のアイデンティティに関する前記情報を前記トランスミッタ(18)の1つまたは複数の送信特性の形にアナログ符号化するように、前記トランスミッタ(18)を切り換えるよう構成されていることを特徴とする前記装置(10)。
【請求項2】
前記送信特性が、送信振幅および/または送信周波数であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出された電圧差が前もって定めることができる電圧閾値を上回るかまたは下回るときに、前記スイッチ(14)が、前記トランスミッタ(18)をオン/オフするように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記トランスミッタ(18)が、マイクロ波および電波のための閉鎖共振器を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記トランスミッタ(18)が、赤外線(IR)、紫外線(UV)および可視光線のためのフォトダイオードを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記トランスミッタ(18)が、発光ダイオード(LED)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記トランスミッタ(18)が、量子井戸構造を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記トランスミッタ(18)が、量子細線構造を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
異なる送信特性に基づいて区別可能である少なくとも2個のトランスミッタ(18)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
電気的な生物活性に影響を与えるために組織または生物内に電圧をかけるための2個の電極(36)と、
前記組織または前記生物の外側から電気エネルギーを2個の電極(36)に供給するために、エネルギーを無線で受け取るように構成されたエネルギーレシーバ(12)と、
電気的な生物活性に影響を与えるための組織または生物の外側からの制御情報信号を無線で受け取るように構成された制御情報レシーバ(38)とを少なくとも備えた、前記生物の組織に植え込み可能である、電気的な生物活性に影響を与えるための装置(34)において、
前記エネルギーレシーバ(12)と前記制御情報レシーバ(38)とが時間的に並列作動されるように形成され、前記制御情報レシーバ(38)と前記両電極(36)との間に電圧感知スイッチ(14)が接続され、該電圧感知スイッチ(14)は、前記エネルギーレシーバ(12)から前記電極(36)への電流の流れを制御情報レシーバ(38)によって制御して切り換えるように構成され、
前記制御情報レシーバのアイデンティティと、電気的な生物活性に影響を与える量とが、制御情報信号の周波数および/または振幅によってアナログ符号化されていることを特徴とする前記装置(34)。
【請求項11】
前記スイッチ(14)が、前記電極間に電圧パルスが発生するように制御情報レシーバ(38)によって制御可能であることを特徴とする請求項10記載の装置(34)。
【請求項12】
前記制御情報レシーバ(38)が、マイクロ波および電波のための閉鎖共振器を備えていることを特徴とする請求項10または11に記載の装置(34)。
【請求項13】
前記制御情報レシーバ(38)が、赤外線(IR)、紫外線(UV)および可視光線のためのフォトダイオードを備えていることを特徴とする請求項10または11に記載の装置(34)。
【請求項14】
異なる受信特性に基づいて別々に応答可能である少なくとも2個の制御情報レシーバが設けられていることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項15】
前記エネルギーレシーバ(12)が、マイクロ波および電波のための閉鎖共振器を備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項16】
前記エネルギーレシーバ(12)が、赤外線(IR)、紫外線(UV)および可視光線のためのフォトダイオードを備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項17】
前記エネルギーレシーバ(12)が、音波のための圧電結晶を備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項18】
前記電圧感知スイッチ(14)が、電圧感知抵抗を備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項19】
前記電圧感知スイッチ(14)が、電界効果トランジスタの開放連鎖を備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項20】
前記電圧感知スイッチ(14)が、電気光学スイッチを備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項21】
前記電気光学スイッチが、発光ダイオード(LED)とフォトダイオードとを備えていることを特徴とする請求項20に記載の装置(10、34)。
【請求項22】
集積回路(IC)として形成されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項23】
前記装置(10、34)全体が、前記測定電極(16)または電極(36)の接触部を除いて、電気的に絶縁性の材料で覆われていることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項24】
前記測定電極(16)または電極(36)が、末端部(28)として構成されていることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項25】
前記測定電極(16)または電極(36)が、コンデンサとしてまたはコンデンサ(28)を備えた末端部として形成されていることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置(10、34)。
【請求項26】
組織または生物に植え込まれた、請求項1〜25のいずれか1項に記載の少なくとも2個の装置(10および/または34)を備えている、電気的な生物活性を検出するためおよび/またはこの生物活性に影響を与えるためのシステム。
【請求項27】
組織または生物の外側に、少なくとも1個のエネルギー送出装置と少なくとも1個の生物活性検出装置および/または少なくとも1個の生物活性に影響を与える装置が設けられていることを特徴とする請求項26に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−530104(P2007−530104A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504248(P2007−504248)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000521
【国際公開番号】WO2005/094669
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(506024412)ウニヴェルジテート ブレーメン (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITAET BREMEN
【Fターム(参考)】