説明

電気能動フォロプターを使用して視覚を補正するための方法および装置

患者の視覚処方を測定するため、電気能動フォロプターを使用する電気能動フォロプターおよびその方法が開示されている。電気能動フォロプターは個々に指定可能な一連の電気能動レンズ220、230を含んでいる。レンズは電位がレンズを横切って与えられたとき、正または負の倍率を有し、電位が与えられないとき、中性の倍率を有する。各レンズは患者がフォロプターを通して観察するとき一連のレンズの実質的な倍率の一部である倍率を提供する。フォロプターの倍率は患者が所望のレベルの明瞭度を得て視覚処方が決定されるまで倍率の増加または減少を行うため一連の異なるレンズを横切る電位の分布を変化させることにより段階的に調節されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚補正の分野に関し、特に電気能動フォロプターを使用して視覚を補正するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚処方を決定するための通常の装置は典型的に、検眼士またはその他の眼科の専門家が患者の眼の正面で機械的または電子機械的に移動する異なる球面および円筒形倍率のレンズを使用している機械的なフォロプターを含んでいる。フォロプターの種々のレンズは患者が視力検査表をレンズを通して観察しながら、患者の眼の正面でひっくり返されるかまたは回転されることができる。視覚処方はその後、各眼に対して満足できる適切な視覚補正を患者に与えたレンズの倍率に基づいて、その患者に対して決定されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気能動フォロプターを使用して視覚の処方を決定するシステムおよび方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
視覚の処方を決定するための本発明の電気能動フォロプターは、個々に指定可能な一連の電気能動レンズと、各電気能動レンズに接続されて、電位を各電気能動レンズを横切って与え、各電気能動レンズに正、負、または中性の倍率を生成する電源とを具備している。
【0005】
電気能動フォロプターを使用して視覚の処方を決定する方法も開示されている。この方法は、個々に指定可能な一連の電気能動レンズと、各電気能動レンズに接続されて、各電気能動レンズに正、負、または中性の倍率の1つを個々に生成する電源とを具備している電気能動フォロプターを使用する。この方法は、0ジオプタ以外の一連の電気能動レンズに実質的な倍率を発生するために電力を少なくとも1つの電気能動レンズに供給し、所望のレベルの視覚補正が実現されるまで実質的な倍率の段階的変化を患者の眼に対して発生するために各電気能動レンズに対する電力を個々に変化し、所望のレベルの視覚補正における一連のレンズの実質的な倍率に対応する視覚処方を記録するステップを含んでいる。幾つかのケースでは、適切な倍率はゼロジオプタであってもよいことを認識すべきである。
【0006】
本発明の特徴を、添付図面で示されているその例示的な実施形態を参照にしてさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の例示的な実施形態は患者の視覚処方の決定のための電気能動フォロプターおよびその使用に関する。“フォロプター”は例えば屈折装置として知られている装置を含んだ、個人の視覚を測定し補正するための任意の眼科用機器である。フォロプターは一連の電気能動レンズを具備している。各電気能動レンズはそれらが一連の他のレンズと独立して倍率を有するように個々に指定可能である。各レンズの倍率は正、負、または0(中性)の倍率である。倍率はその特定の電気能動レンズを横切って生成される電位により各電気能動レンズで個々に変化される。フォロプターはまた種々の電気能動レンズを横切って電位を生成するために電気能動レンズに接続されている電源を具備している。
【0008】
電気能動レンズはレンズの倍率の変更に使用されることのできる電気能動材料を含んでいる。電気能動材料は例えば電位がそれらに与えられたとき特定の方法で方向性を有するネマチック液晶のような変更可能な屈折率を有する材料を含んでいる。電位が電気能動材料を含んでいるレンズの領域を横切って与えられるとき、方位の変化は材料の屈折率の変化を生成し、それに応答してレンズの倍率に変化を生じる。
【0009】
各電気能動レンズは一連の1以上の他の電気能動レンズを横切って与えられる電位が異なるか全くない状態で、1つの電位が1つの電気能動レンズを横切って与えられることができるように個々に指定可能である。各レンズの倍率はそれぞれ異なる倍率を有する付加的な一連のレンズであり、各個々のレンズの倍率の合計である実質的な倍率を生成する。
【0010】
本発明の幾つかの実施形態では、電気能動レンズは微細に画素化されることができる。これらの実施形態では、電気能動材料は複数の微細な画素を生成するためにグリッドに分割される。微細な画素のグリッドはレンズの任意の領域をカバーし、したがってレンズは完全に、または大部分、または部分的に画素化される。
【0011】
各微細な画素は別々の電極に接続され、個々に指定可能であり、したがって異なる電位が一連のレンズ中の異なるレンズに与えられるだけでなく、異なる電位はある微細な画素だけを付勢することにより同一のレンズの異なる領域に与えられることができる。これは通常の場合とは異なった屈折誤差、またはコマ収差、球面収差等の高次の収差の測定および補正には特に有効である。
【0012】
1つの好ましい実施形態では、微細に画素化された電気能動レンズは個々に指定可能な固定されたパターンに画素化された電気能動レンズと組合わせて使用されることが認識されるべきである。この場合、個々に指定可能な固定されたパターンに画素化された電気能動レンズは必要とされる主要な倍率を測定および補正し、微細に画素化された電気能動レンズは高次の収差を測定および補正する。別の実施形態では、微細に画素化された電気能動レンズは複数の通常のレンズと組合わせて使用される。これらの実施形態では、通常のレンズは通常の屈折誤差を測定および補正し、微細に画素化された電気能動レンズは高次の収差を測定および補正する。これは通常のレンズにより補正される眼の球面または非点誤差の微調節にも使用されることができる。
【0013】
一連のレンズ間の距離は典型的に最小にされ、相互に隣接して一連のレンズを積層することが好ましい。レンズ間の距離の減少は患者が一連のレンズを通して観察するときの歪みを減少させる。さらに、相互に隣接するレンズの積層はさらに薄いフォロプターの構造を許容し、これはレンズ自体の幅程度の厚さだけを必要とする。しかしながらレンズを積層するとき、1つの電気能動レンズの電界が隣接する電気能動レンズの電界に実質的に影響を与えないようにするためレンズ間に十分な電気的絶縁を設けることに注意する必要がある。この影響を少なくするためにレンズは接地電位面層により分離されることができる。
【0014】
電気能動フォロプターは患者が眼、典型的には一時に片目で観察できる単一の一連のレンズを具備し、したがって常に患者の単眼の視覚的要求を決定する。しかしながら好ましい実施形態では、フォロプターは患者の単眼および両眼のどちらか一方またはその両者の屈折誤差を測定および補正することによって、患者の単眼および両眼のどちらか一方またはその両者の視覚要求を決定するように整列される。
【0015】
好ましくは、フォロプターは各眼に対して1つづつの2つの別々の一連のレンズを具備し、それ故、患者やフォロプターを動かす必要なく、両眼が個別または共に試験されることができるように並んだ方法で配置されている。個々の眼は例えばパッチまたは遮蔽体のような不透明の物体で一連のレンズの1端部をカバーすること等によって、試験を受けない眼の一連のレンズによる視覚を遮断することにより試験されることができる。2つの一連のレンズを具備するフォロプターはまた両眼の視覚としても知られている患者の両眼の視覚を同時に測定および補正する利点を有する。これは正常な視覚では通常のケースであるように患者が両眼で観察しているとき、各眼で測定された視覚補正が正確な測定であることを確認することを可能にする。これはまた患者が新しい視覚処方がどのように現れるかを確めることを可能にする。
【0016】
フォロプターの電気能動レンズは患者の視線へまたは視線外に容易に移動されることのできる単一ユニットを形成するためにフレームまたは他の形式の支持体に取り付けるかその内部に含まれてもよい。レンズを一連のレンズ中へまたは一連のレンズから機械的に回転する必要が本発明のある実施形態では減少されあるいは除去されるので、一連のレンズは図1に示されているように患者が屈折過程中に装着できる眼鏡フレームのようなフレーム内に位置されることができる。フォロプター100はそれぞれフォロプターフレーム110内に適合するように生成されている2組の一連のレンズ120と130を有している。フォロプターフレーム110は患者101により容易に装着されることができ、各一連のレンズ内のレンズは電源として作用する導体140の束により制御装置150に接続され、各眼に所望の倍率を生成するために一連のレンズ120と130の各電気能動レンズに電力を提供する。
【0017】
別の例示的な実施形態では、支持体は患者がフォロプター支持体を装着しないがそれを通して観察するように一連のレンズを保持し、これは図2に示されているようにさらに通常のフォロプターハウジングに似ている。フォロプター200は2つの一連のレンズ220と230を具備し、それぞれフォロプターハウジング210内に収容されている。フォロプターハウジング210は眼に関する専門家がフォロプターハウジング210を上げ下げして患者が椅子205に座りながら一連のレンズ220と230を患者の眼の前方に位置することを可能にする蝶番を付けられたフレームアセンブリ215に接続されることができる。拡張ロッド240または他の装置が一連のレンズ220と230の間の距離を増加または減少させるために使用されることができる。これによってフォロプターハウジング210は例えば瞳孔間の距離を変化するように異なる顔面特性を有する患者による使用のために調節することが可能である。フォロプター200はまた制御装置250を含むこともでき、これは蝶番を付けられたフレームアセンブリ215を通してフォロプターハウジング210内の各電気能動レンズまでの長さの導体255の束によって一連のレンズ220と230に接続される電源を含んでいる。
【0018】
フォロプターハウジング210は1以上の通常のレンズ260、262を含むこともでき、これらは例示では非点誤差を補正し、0.125ジオプタ内の正確度まで処方を微細にし、または電気能動レンズによる生成では非実用的な大きい屈折パワーを発生するためにレンズ220と230を一連のレンズ列内へまたはレンズ列から機械的または電子機械的に回転されることができる。
【0019】
図3に示されているように本発明の1つの例示的な実施形態では、電気能動フォロプターは4つのレンズ310、320、330、340の一連のレンズ300を具備している。レンズの少なくとも3つは電気能動性である。この実施形態では、電気能動フォロプターは0.25Dのステップで−10.0から+10.0ジオプタ(D)の範囲の実質的な球面倍率を発生できる。この倍率の範囲は視覚補正を必要としている患者およびレンズを使用して視覚補正されることのできる患者のほぼ全ての患者の範囲に対応している。測定のインクリメント、0.25Dは倍率を増加または減少する最も普通の測定のインクリメントを表している。
【0020】
−10.0から+10.0Dの倍率を説明したが、より広いまたは狭い範囲の倍率がフォロプターにレンズを付加するか除去することにより、または使用されるレンズの倍率を増加または減少することによって可能であることが認識されるべきである。レンズの付加が所望ならば、これらは通常のものでも電気能動であってもよい。
【0021】
この実施形態の第1の電気能動レンズ310はそれが付勢されるとき0.25Dの倍率を有する。“付勢”とはレンズを横切って電位を発生し、レンズの電気能動材料の屈折率を変化させる方法で方向性を与えるために、電力が電源から電気能動レンズに与えられることを意味する。付勢された電気能動レンズの倍率は電気能動レンズ310を横切って与えられる電位の分布にしたがって、正(収斂)または負(発散)倍率のうちの1つである。
【0022】
例えば正の倍率の+0.25Dはある電位プロフィールが電気能動レンズ310を横切って与えられるとき発生され、一方、負の倍率−0.25Dはそれと反対のプロフィールが、電気能動レンズ310を横切って与えられることにより発生される。いずれの場合においても、電気能動レンズ310を横切る電位は、電位がレンズを横切って与えられないときのレンズに比較してレンズを通しての観察が倍率に0.25Dの差を生成するような方法で、電気能動レンズ310内の電気能動材料を方向性を与える。各電気能動レンズはレンズを横切って与えられる電位がないときのように電子能動レンズが付勢されないとき、倍率をもたないことを認識すべきである。
【0023】
この実施形態の第2の電気能動レンズ320はそれが付勢されるとき0.75Dの倍率を有し、第3の電気能動レンズ330はそれが付勢されるとき2.25Dの倍率を有する。各電気能動レンズの倍率が正または負の倍率であるかは各レンズを横切って与えられる電位の分布に依存しており、これは前述したように他のレンズに与えられる電位の分布とは独立している。第4のレンズ340は6.75Dの倍率を有する。レンズ310、320、330、340は倍率が増加して配置されているように図3に示されているが、レンズの倍率は順序にかかわりなく常に付加的であり、これらは任意の方法で配置されることができることが認識されるべきである。
【0024】
本発明のある実施形態では、電気付勢レンズが付勢されるとき、6.75Dの倍率を有する第4のレンズ340のような電気付勢レンズを使用することが望ましい。他の状態では、第4のレンズ340として通常のレンズを使用することが望ましい。これらの実施形態では、6.75の倍率を有する正または負の通常のレンズは所望の実質的な倍率を発生するために電気能動レンズのレンズ列へまたはレンズ列から外へ回転されることができる。
【0025】
表1に示されているように、−10.0から+10.0Dの間の倍率は0.25Dのインクリメントで有効であり、各電気能動レンズを横切って与えられる電位プロフィールは特定の患者の適切な視覚補正を実現するのに必要であるように変更されることができる。表1は0と+10.0Dとの間の光学的倍率だけを示しているが、適切な負の倍率は各レンズの電位の方向を決定するために図の倍率の符号を単に反転することにより得られる。例えば実質的な倍率+0.50Dが所望ならば、0.25Dの電気能動レンズを横切る電位は−0.25Dの倍率を生成するように指令され、0.75Dの電気能動レンズを横切る電位は+0.75Dの倍率を電気能動レンズに与えるように指令される。患者がレンズ列を通して観察するとき、実質的な倍率はレンズ列の全ての倍率の合計であり、所望の+0.50Dを発生する。横切る電位をもたない一連のレンズを通して観察することは患者に対して現れるとき倍率に変化を生成せず、実質的な倍率に影響しない。−0.50Dの実質的な倍率が所望であるならば、0.25Dと0.75Dのレンズを横切る電位の方向は、各付勢レンズにより発生される倍率が−0.50Dの実質的な倍率でそれぞれ+0.25Dと−0.75Dであるように切換えられる。
【表1】

【0026】
個人の視覚処方を決定する正確度をさらに改良するために、付加的なレンズ、好ましくは0.125Dの倍率を有する電気能動レンズが付加されることができる。0.125Dの倍率を有するレンズは時には、当業者により0.12Dレンズとして示されるが、倍率は実際には0.125Dであることが認識されるべきである。
【0027】
0.125Dレンズの付加により、0.125Dのインクリメントで−10.0Dと+10.0Dとの間で視覚補正の測定と、したがって視覚処方の決定とが許容される。これはより正確な視覚処方を患者に与えるために患者の視覚補正の微調節において眼科の専門家のフレキシブル性を増加させる。所望ならば、付加的な弱いレンズがフォロプターのレンズ列に付加され、それぞれ付加された以前のレンズの半分の倍率を提供し、さらにインクリメントを減少させ、倍率の変化は例えば0.0625Dレンズの付加のように視覚処方を決定するために患者に与えられる。
【0028】
0.125Dレンズはフォロプターのレンズ列内に含まれることのできる電気能動レンズであってもよいことも認識されるべきである。代りに、0.125レンズが通常のレンズであるならば、これは眼の検査中の適当な時間に眼科の専門家によって、フォロプター内に含まれるレンズ列の正面の位置に自動的または手動でひっくり返されるか、または回転される。
【0029】
電気能動フォロプターはまた正または負の倍率を生じるように電気能動レンズを横切って電位を生成できる各電気能動レンズに個々に接続されている電源を備えている。再度図2を参照すると、典型的に電気能動レンズは例えば束にされた導体255等によってフォロプター200の電気能動レンズに結合されている単一の制御装置250によって制御されている。制御装置250は眼科の専門家がフォロプターの実質的な倍率を漸進的に変更するように各電気能動レンズに与えられる電力を容易に調節できるように位置されている。患者が視力検査表でフォロプター200のレンズ220、230のレンズ列を通して観察するとき、患者は特定の倍率で観察するイメージの明瞭度に基づいて口頭のフィードバックを与えることができる。レンズ列220、230の実質的な倍率は各眼に対する倍率を増加または減少するためにダイアル265と266のような任意の多くの方法で変更されることができる。各電気能動レンズの切換えは所望の倍率に基づいて表1に示されているように各電気能動レンズを横切って与えられる電位を内部で調節するように制御装置250を構成することにより制御装置250へプログラムされることができる。このようにして、眼科の専門家はどの電気能動レンズが正または負の倍率を有するかを覚える必要がなく、各眼の倍率を増加または減少するためにダイヤル265および266を使用することしか必要としない。1以上の通常のレンズ260と262が使用される実施形態では、眼科の専門家は依然として、所望の実質的な倍率を発生するために通常のレンズ列260、262をレンズ列220と230へまたはレンズ列から外に機械的に回転する必要がある。
【0030】
球面誤差のような通常の屈折誤差の補正に関して、患者は所望の視覚補正を行うために、フォロプター200のレンズ列220と230の付勢または消勢について直接的な制御を与えられることを認識すべきである。例えばフォロプターの特定のレンズを横切って与えられる電位を発生するために電力を各電気能動レンズに送る制御装置250は、各眼の倍率を増加または減少させるために例えばユーザがボタンを押すかダイアルを回すことを許容することができる。
【0031】
本発明の別の例示的な実施形態では、電気能動フォロプターは6個の電気能動レンズのレンズ列を使用し、視覚補正を行い、0.25Dステップで−10.0Dと+10.0Dの間で視覚処方を決定する。図4に示されているように、6個の電気能動レンズ410、420、430、440、450、460のレンズ列400がフォロプターで使用される。図3に関して説明した前述の実施形態のように、3個の電気能動レンズ410、420、430はそれぞれ0.25D、0.75D、2.25Dの倍率を有する。しかしながら図4に示されているように、6.75Dレンズはそれぞれ2.25Dの倍率を有する3つの付加的な電気能動レンズ440、450、460で置換されている。フォロプターにより発生される実質的な倍率は、所望の実質的な倍率を発生するための各レンズが正、負、ゼロの倍率を発生しているかまたは発生していないかの設定と共に、表2に示されている。
【表2】

【0032】
前述したように、0.25Dよりも弱い付加的なレンズは視覚補正のインクリメントを減少することによって視覚処方の正確度を改良するためにレンズのシリーズで使用されることができる。
【0033】
先の実施形態に関して説明した電気能動レンズは任意のタイプの電気能動レンズでよいが、典型的に図5のaおよびbに示されているように固定されたパターンに画素化された電気能動レンズである。固定されたパターンに画素化されて配列された電気能動レンズは透明な電極530と535との間に配置されている電気能動材料520を含んでいるレンズ基板510を有している。レンズ基板510は例えばガラスまたはアクリルのような眼鏡を製造するのに適切な任意の剛性で光学的に透明の材料から製造されることができる。電気能動材料520は電気能動レンズ400で使用するのに適切な液晶、例えばネマチックまたはスメクチック液晶、コレステリック液晶、電気光学的ポリマー、ポリマー液晶、または与えられた電位に応答して屈折率の変化を受ける任意の他の光学的に透明な材料を含んでいる。電極530と535は例えば酸化錫、酸化インジウムまたは酸化インジウム錫、或いは透明な導電性ポリマーのような材料から製造される光学的に透明な導電電極である。
【0034】
球面補正のような通常の屈折誤差の補正では、電極530と535は典型的に同心リングである。電極のリングはレンズ500の中心からレンズの外部へ外方向に延在し、レンズの外部部分は複数の円形画素を発生するために電気能動材料を含んでいる。レンズ500はその正面505および背面506の部分だけをカバーするために電気能動材料520を含んでいればよいが、レンズ自体のエッジ508まで外方向に延在する電気能動材料520も含むこともできる。固定されたパターンに画素化されて配列された電気能動レンズ500は電気能動材料520を含み、光学的倍率が正、負または中性の倍率のうちの1つであるレンズの全領域にわたって同一の倍率を有する。
【0035】
電極の各同心リングはレンズ500から外方に延在し、電池のパワーを使用できる制御装置のような電源に接続する導体540により接続されてもよく、標準的な出口にプラグで接続されてもよい。電流が電極530、535を通過するとき、レンズを横切って電位が生成され、これは電気能動材料を屈折率およびしたがって所望の光学的倍率の変更を生成するように方向付けさせる。レンズを横切って各電極に設けられた電位にしたがって、異なる屈折率のプロフィールがレンズを横切って発生され、発生される倍率の符号と大きさに直接影響する。
【0036】
図10のaおよびbは、固定されたパターンに画素化された電気能動レンズを横切る電位の分布が、実効的な屈折率が電圧の増加と共に増加される電気能動材料の正または負の倍率を与えるように変更される態様についてさらに詳細に示している。“実効的な屈折率”は光がレンズを通過するときに受ける屈折率を意味している。それぞれの場合、分布はルート二乗平均(rms)電圧対レンズの中心からの半径方向の距離の特性が示されるときの電極の各リングの反復プロフィールを生成する。電気能動材料が付勢されるとき、負の倍率を発生する図10のaの発散性の電気能動レンズに関しては、電圧がrms電圧を有するrms電圧プロフィールを発生するために各リングに与えられ、rms電圧はレンズの中心付近で最低であり、レンズの中心から離れる程増加する。同様に、図10のbは与えられた電位がレンズの中心に対してリングの距離が最も近い各リングで最大であり半径方向の距離の増加と共に減少する収斂性のレンズプロフィールを示している。rms電圧プロフィールは電極の各リング内の種々の点で与えられる電圧を切換えることによって発散レンズから収斂レンズへ変更するように切換えられることができる。例えば発散性のレンズが増加する電圧を有する各リングで4つの電圧1V、2V、3V、4Vを使用するならば、同一の倍率を発生するための収斂性のレンズは同一の4つの点で与えられる電圧を有するが、逆の順序、即ち4V、3V、2V、1Vである。これは所望の結果を得るために、rms電圧プロフィールをひっくり返し、電気能動材料の屈折率を変更する効果を有する。図10のaおよびbは例示であり、多数の電極が均一なrms電圧プロフィールを生成し、良好な光効率を実現するために使用されることができることを認識すべきである。
【0037】
本発明の別の実施形態は微細に画素化された電気能動レンズのような他の画素化された電気能動レンズを有効に含むことができる。図6は単一の微細に画素化された電気能動レンズ610が0.25Dおよび0.75Dの倍率の固定されたパターンに画素化された電気能動レンズを置換している電気能動レンズ600のレンズ列の例示的な実施形態を示している。微細に画素化された電気能動レンズ610は調節可能であり、単なる例示であるが−1.0Dと+1.0Dとの間の任意の倍率に調節されることができる。これは任意のジオプタインクリメントで−10.0Dと+10.0Dとの間で視覚補正を行うことのできる電気能動フォロプターを提供する。
【0038】
微細に画素化されている電気能動レンズでは、電気能動レンズは電気能動材料の個々の画素を生成するために透明な絶縁材料を使用して電気能動材料のグリッドアレイを構成している。各画素は絶縁材料により隣接画素から分離され、個々に電極に接続されている。この方法では、各画素はアレイの特定のグリッドセクション内の電気能動材料の屈折率を変化するように個々に指定可能である。個々の微細な画素のそれぞれの倍率を調節することにより、フォロプターは単なる例示としてはコマ、不規則な非点収差、球面収差、三葉、四葉、五葉、六葉等のような高次の収差として知られている通常ではない屈折誤差の補正にも使用されることができる。これらおよび他の電気能動レンズの種々の実施形態は米国特許第6,619,799号明細書に詳細に説明されており、その全体がここで参考文献とされている。
【0039】
本発明の別の例示的な実施形態では、フォロプターはそれぞれ2.50Dの最大の倍率を有している4個の電気能動レンズを具備している。この実施形態では、図7に詳細に示されているように、電気能動レンズのレンズ列700の各電気能動レンズ710、720、730、740は微細に画素化されている。この実施形態では、各電気能動レンズが個々に指定可能であるだけでなく、レンズ列700の各電気能動レンズはさらに微細な画素702のアレイで構成され、各微細な画素はそれ自体が個々に指定可能である。したがって、各画素は正、負またはゼロの倍率を独立して提供できる。さらに、微細に画素化されたレンズの使用はまた、固定されたパターンに画素化された電気能動レンズが付勢されるときに単一の大きさの倍率を有する固定されたパターンに画素化されて配列された電気能動レンズと異なって、電気能動レンズの各画素を横切る電位がレンズの最大および最小の倍率間にある任意の倍率を生成するように調節されることも可能にする。
【0040】
各微細に画素化された電気能動レンズは−2.5Dから+2.5Dまでの連続的な倍率を生成することができ、それによって一連のレンズ700は増加または減少する倍率の任意の所望のステップでインクリメントされることのできる−10.0Dと+10.0Dとの間の実質的な倍率を発生することができる。所望の倍率を得るために同時に多数のレンズを横切った電位を調節するのではなく、眼科の専門家は例えば0.25Dのような段階的な光ステップで単一のレンズを調節できる。1つの電気能動レンズが任意のより大きな大きさの倍率を提供することができないとき、その電気能動レンズは最大の倍率のままにされ、レンズ列の別の電気能動レンズが付勢されて、患者が視力検査表を明瞭に観察でき、視覚処方が決定されるまで実質的な倍率の大きさを増加される。
【0041】
例えば、図7を再度参照すると、正の視覚補正を必要とする患者が多数の微細に画素化された電気能動レンズを有するフォロプターを通して観察するとき、第1のレンズ710はレンズが最大の倍率+2.50Dに到達するまで+0.25Dのステップで付勢されることができる。患者が依然として明瞭な視覚をもたないならば、眼科の専門家は+2.50Dに第1のレンズ710を維持し、患者が明瞭に見ることができるまで実質的な倍率を生成するためにレンズ列700の次の電気能動レンズ720を付勢する。眼科の専門家は適切な倍率を生成するために必要に応じてレンズ列700の第3および第4の電気能動レンズ730および740を付勢することができる。
【0042】
二焦点および多焦点レンズに対する視覚処方は、患者と、視覚の明瞭度の決定に使用される視力検査表またはその他のオブジェクトとの間の距離を単に変化することにより本発明の種々の実施形態を使用して類似の方法で得られる。異なる焦点で患者の視覚補正を行う倍率は、倍率の適切な組合せを有する多焦点眼鏡、コンタクトレンズ、接眼レンズを生成するために使用されることのできるその患者に対する完全な視覚処方を得るために測定されることができる。
【0043】
説明したように電気能動レンズのレンズ列を使用して通常の屈折誤差を測定することに加えて、フォロプターの例示的な実施形態はまた非点誤差を測定し、補正するために使用されることもできる。これらの実施形態では、フォロプターは非点誤差を補正するためにシリンダ倍率を有する少なくとも1つのレンズを具備している。このレンズは球面エラーを補正するために使用されるフォロプターのレンズ列中へまたはそのレンズ列から外に回転されることができ、それに続いて後シリンダ軸を調節するために眼の正面にある状態でレンズを回転させる通常のレンズである。代りに、レンズは固定されたパターンに画素化された電気能動レンズ、または非点収差を測定し補正するように設計され付勢される微細に画素化された電気能動レンズのような電気能動レンズであってもよい。
【0044】
非点エラーを補正するための電気能動レンズを含んでいる本発明の例示的な実施形態では、図8に示されている電気能動レンズ800のような固定されたパターンで画素化された電気能動レンズが使用されることができる。この電気能動レンズ800は楕円形対称の電極810を有し、これは付勢されるとき、シリンダ補正を決定するために眼科の専門家によって使用されることのできる倍率が増加された楕円領域を生成する。電位がレンズ800を横切って与えられないとき、倍率を生成せず、非点誤差が測定されないとき、レンズはレンズ列から除去される必要はない。固定されたパターンに画素化された電気能動レンズ800が付勢され、非点誤差を補正し測定するために使用されるとき、レンズ800は眼の正面に位置した状態で回転される必要がある。この回転は適切なシリンダ補正を決定するために楕円の軸補正の方位を調節する。レンズ800の回転は通常の機械的または電気機械的方法により行われることができる。
【0045】
反対に、通常の非点誤差を測定するために微細に画素化された電気能動レンズを使用することによって、レンズの回転は必要ではない。その代りに、楕円または円環倍率は楕円または円環の倍率を生成するために微細に画素化された電気能動レンズの適切な画素を付勢または消勢することにより軸回転されることができる。これは実際に他のレンズを回転するのと同一の機能を実現する。図9のaおよびbは、レンズ基板部分910を含んでいる電気能動レンズ900を示している。電気能動レンズはほとんど画素化され、中心から外方向に延在する微細に画素化された領域920を有し、レンズ面積の50%以上の領域をカバーしている。
【0046】
図9のaに示されているように、電気能動レンズ900のある画素は楕円または円環倍率を与えるために垂直な主軸を有する楕円パターン910を生成するために最初に付勢されることができる。楕円の軸補正の方位を調節するために電気能動レンズ900の機械的または電気機械的回転の代りに、楕円パターンは図9のbに示されているように第2の楕円パターン920に対応する異なる画素セットを付勢することによって回転され、ここでは楕円の主軸はある度数だけ傾斜されている。楕円パターンは患者の非点倍率誤差および軸が決定されるまで画素を付勢し消勢する方法で回転され続けることができる。
【0047】
類似の方法で、プリズム屈折はプリズム誤差の測定のために電気能動フォロプターに通常のプリズムレンズを含むことにより実現されることができる。その代りに、固定されたパターンに画素化された電気能動レンズはプリズム電極パターンを有して使用されることができる。固定されたパターンに画素化された電気能動レンズは非点補正に関して説明したように機械的な回転を必要とする。また非点補正のように、微細に画素化された電気能動レンズが使用され、それにおいてプリズムパターンは画素の付勢および消勢により電気能動レンズに関して任意の方位で生成されることができる。微細に画素化されたレンズにより発生される種々のプリズムパターンは種々の角度で患者に示されることができ、適切なプリズム倍率とプリズムの方位を提供し、決定する。
【0048】
患者の視覚処方の決定はまた電気能動フォロプターの種々の実施形態と組合わせた波頭解析装置の使用のような高次の収差の測定を含むことができる。任意の波頭解析の技術を使用することができる。波頭解析は患者の波屈折誤差のマップを生成する。幾つかの場合において、人は、単なる例示であるが、コマ等により眼の他の部分よりも目の一部で異なる視覚補正が要求される眼の領域上における収差を有する。患者の高次の収差の測定および補正を含む眼全体の完全な視覚処方の決定によって、患者の視覚は例えば20/15または20/10のように20/20よりも良好に補正されることができ、視覚補正の理論的な限界である20/8にさえも接近することができる。
【0049】
波頭解析が患者の眼に対して行われると、フォロプターの電気能動レンズ列の個々の画素はその画素を通して観察する眼の特定の領域に対する患者の視覚処方を補正するために調節されることができる。患者はほとんど同時的な方法でフォロプターを通して視力検査表を観察することができ、それによって波頭解析装置で決定された視覚処方の部分が所望の強化された視覚補正を行うか否かを助け、測定し、確認し、患者に付いて決定された視覚処方全体が通常および通常でない両者の屈折率を補正することを確認する。“ほとんど同時的な方法”とは波頭解析装置が電気能動フォロプターにデータおよび測定結果を与えながら、フォロプターが電気能動レンズを調節して、患者が波頭解析装置により示唆されている補正をほぼ実時間で観察することを可能にすることを意味している。これによって患者の客観的検査と、明瞭さに基づく患者からの入力を使用する患者の主観的な検査の一方または両者が可能になる。
【0050】
最終的な視覚処方が決定されると、これは患者がその処方を調整してもらうことができるように記録される。処方は視覚的にスクリーン上に表示されるか、制御装置に接続され、手動で眼科の専門家によって記録されてもよい。本発明の他の例示的な実施形態では、処方は例えばディスクのようなメモリ記憶装置にそれを保存するなどにより電子的に記録されることができる。視覚処方はレンズ製造のために、電子メール等により眼科の専門家から患者および/または検眼士或いは研究所へ電子的に送信されることもできる。別の、または他の処方記録方法と組合わせて、フォロプターは眼科の専門家が署名し、患者が検眼士に調節してもらうために持参するスクリプトのような視覚処方の印刷物を生成することにより視覚処方を記録してもよい。
【0051】
視覚処方がディスクその他のメモリ記憶装置へ保存され、患者が電気能動眼鏡、接眼レンズまたはコンタクトレンズを所望するならば、保存された視覚処方は患者の新しい処方を直接的にプログラムするために使用されることができる。眼鏡の電気能動対が図1に示されているように使用されているようなある状態では、視覚処方はコンピュータチップのような電気能動の眼鏡のフレームおよび/またはレンズ部分上のメモリ装置に直接記録されることができる。フレームおよび/またはレンズ部分はその後、電池のような可動電源に接続され、制御装置から接続を解除され、患者は新しい電気能動眼鏡に既にプログラムされた新しい処方を持ち去ることができる。同様に、患者は後に電気能動眼鏡を戻し、それを制御装置に再度接続し、新しい視覚処方を決定して直接眼鏡に記録することができる。したがって、患者は電気能動眼鏡の試験を行い、その試験によって、電気能動眼鏡は試験の完了後すぐに適切な処方にプログラムされることができる。
【0052】
本発明はここで説明した特別な実施形態によって技術的範囲を限定されない。事実、本発明の種々の変形は、ここでの説明に加えて前述の説明および添付図面から当業者に明白であろう。したがってこのような変形は特許請求の範囲に記載された技術的範囲内に入ることを意図されている。さらに、本発明をここでは特定の目的に対する特定の環境における特別な構造に関して説明したが、当業者はその有効性はそれらに限定されず、本発明は任意の多くの目的で任意の多数の環境で有効に実施されることができることを認識するであろう。したがって記載された特許請求の範囲はここで説明したような本発明の十分な技術的範囲を考慮して解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の例示的な実施形態にしたがった電気能動眼鏡を示す説明図。
【図2】本発明の例示的な実施形態にしたがった電気能動フォロプターの概略図。
【図3】本発明の例示的な実施形態にしたがった電気能動フォロプターの一連のレンズの概略図。
【図4】本発明の別の例示的な実施形態にしたがった電気能動フォロプターの一連のレンズの概略図。
【図5】本発明の例示的な実施形態で使用するための固定したパターンに画素化された電気能動レンズの概略図。
【図6】微細に画素化され、固定したパターンで画素化された電気能動レンズを含んでいる本発明の例示的な実施形態にしたがった電気能動フォロプターの一連のレンズの概略図。
【図7】本発明の例示的な実施形態にしたがったフォロプターの一連の微細に画素化されたレンズの概略図。
【図8】本発明の例示的な実施形態にしたがった非点誤差の補正用の固定したパターンに画素化された電気能動レンズの概略図。
【図9】本発明の例示的な実施形態にしたがった非点誤差の補正用の微細に画素化された電気能動レンズの図。
【図10】発散性の画素化された電気能動レンズと、収斂性の画素化された電気能動レンズとの空間電圧プロフィールを示す特性図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚処方を決定するためのフォロプターにおいて、
直列に配置された個々に指定可能な一連の電気能動レンズと、
前記一連の電気能動レンズを支持するためのハウジングと、
各電気能動レンズに接続されて、電位を各電気能動レンズを横切って与え、各電気能動レンズに正、負、または中性の倍率を生成させる電源と具備しているフォロプター。
【請求項2】
少なくとも3つの直列に配置された電気能動レンズを具備している請求項1記載のフォロプター。
【請求項3】
少なくとも第4のレンズを具備している請求項2記載のフォロプター。
【請求項4】
第4のレンズは通常のレンズである請求項3記載のフォロプター。
【請求項5】
第4のレンズは電気能動レンズである請求項3記載のフォロプター。
【請求項6】
各電気能動レンズは微細に画素化されており、−2.50Dと+2.50Dとの間の倍率を有している請求項5記載のフォロプター。
【請求項7】
さらに第5の電気能動レンズを具備しており、4つの電気能動レンズは固定されたパターンに画素化された電気能動レンズであり、第4の固定されたパターンに画素化された電気能動レンズのそれぞれは−2.25D、0Dまたは+2.25Dのうち1つの倍率を有し、第5の電気能動レンズは微細に画素化された電気能動レンズであり、−1.0Dと+1.0Dとの間の倍率を有している請求項5記載のフォロプター。
【請求項8】
さらに第5および第6の電気能動レンズを具備しており、各4つの電気能動レンズは−2.25D、0Dまたは+2.25Dのうち1つの倍率を有し、第5の電気能動レンズ−0.75D、0Dまたは+0.75Dのうち1つの倍率を有し、第6の電気能動レンズは−0.25D、0Dと+0.25Dのうち1つの倍率を有している請求項5記載のフォロプター。
【請求項9】
1つの電気能動レンズは−0.25D、0Dと+0.25Dのうち1つの倍率を有し、1つの電気能動レンズは−0.75D、0Dまたは+0.75Dのうち1つの倍率を有し、1つの電気能動レンズは−2.25D、0Dまたは+2.25Dのうち1つの倍率を有し、1つのレンズは−6.75D、0Dまたは+6.75Dのうち1つの光強度を有する請求項3記載のフォロプター。
【請求項10】
さらに−0.125D、0Dと+0.125Dのうち1つの倍率を有するレンズを具備している請求項1記載のフォロプター。
【請求項11】
フォロプターは電子的に患者の視覚処方を記録する請求項1記載のフォロプター。
【請求項12】
電気能動レンズは微細に画素化されている請求項1記載のフォロプター。
【請求項13】
電気能動レンズの個々の画素は個々に指定可能である請求項12記載のフォロプター。
【請求項14】
電気能動レンズは固定されたパターンで画素化された電気能動レンズである請求項1記載のフォロプター。
【請求項15】
2つの一連の電気能動レンズを具備し、各一連のレンズの電気能動レンズは、患者の片目が1つの一連の電気能動レンズを通して観察でき、他方の目が同時に第2の一連の電気能動レンズを通して観察できるように配置されている請求項1記載のフォロプター。
【請求項16】
非点誤差の測定用の少なくとも1つのレンズを具備している請求項1記載のフォロプター。
【請求項17】
非点誤差の測定用の少なくとも1つのレンズは楕円対称電極を有する電気能動レンズを具備している請求項16記載のフォロプター。
【請求項18】
非点誤差の測定のための少なくとも1つのレンズはシリンダ補正を行うために微細に画素化された電気能動レンズを具備している請求項16記載のフォロプター。
【請求項19】
プリズム誤差の測定用の少なくとも1つのレンズを具備している請求項1記載のフォロプター。
【請求項20】
さらに、高次の収差に対する視覚処方を測定し、少なくとも1つの電気能動レンズにより収差を補正するためにフォロプターに結合されている波頭解析装置を具備している請求項1記載のフォロプター。
【請求項21】
各電気能動レンズは各電気能動レンズに与えられる電力の分布にしたがって、固定された正の倍率、固定された負の倍率、または倍率なしのうちの1つを有している請求項1記載のフォロプター。
【請求項22】
個々に指定可能な直列に配置された一連の電気能動レンズと、各電気能動レンズに接続されて、各電気能動レンズに正、負、または中性の倍率の1つを個々に生成する電源とを具備している電気能動フォロプターを使用して視覚の処方を決定する方法において、
0ジオプタ以外の一連の電気能動レンズに実質的な倍率を発生するために電力を少なくとも1つの電気能動レンズに供給し、
所望のレベルの視覚補正が得られるまで実質的な倍率の段階的な変化を患者の眼に対して発生するため各電気能動レンズに対する電力を個々に変化し、
所望のレベルの視覚補正における実質的な倍率に対応する視覚処方を記録する各ステップを含んでいる方法。
【請求項23】
視覚処方は少なくとも部分的に患者から受取った入力により決定される請求項22記載の方法。
【請求項24】
電気能動レンズは固定されたパターンで画素化された電気能動レンズを具備している請求項22記載の方法。
【請求項25】
電気能動レンズは微細に画素化された電気能動レンズを具備している請求項22記載の方法。
【請求項26】
さらに、微細に画素化された電気能動レンズの各画素に対する電力を個々に変化するステップを含んでいる請求項25記載の方法。
【請求項27】
実質的な倍率のインクリメント変化は0.25ジオプタである請求項22記載の方法。
【請求項28】
視覚処方はメモリ記憶装置に記録される請求項22記載の方法。
【請求項29】
視覚処方は1対の電気能動眼鏡のメモリに記録される請求項22記載の方法。
【請求項30】
視覚処方はフォロプタにより印刷される文書に記録される請求項22記載の方法。
【請求項31】
所望のレベルの視覚補正を行うために一連レンズへまたは一連のレンズから通常のレンズを移動させるステップを含んでいる請求項22記載の方法。
【請求項32】
さらに、円筒形の倍率を有する一連のレンズ中のレンズにより非点誤差を測定するステップを含んでいる請求項22記載の方法。
【請求項33】
非点誤差は円筒形の倍率を有する一連のレンズ中のレンズを回転することにより測定される請求項32記載の方法。
【請求項34】
円筒形の倍率を有する一連のレンズ中のレンズは固定されたパターンに画素化された電気能動レンズである請求項33記載の方法。
【請求項35】
円筒形の倍率を有する一連のレンズ中のレンズは微細に画素化された電気能動レンズである請求項32記載の方法。
【請求項36】
電気能動レンズを使用して、個人の通常および通常でない屈折誤差を測定することのできる眼科用機器において、通常の屈折誤差は遠視、近視、乱視、老眼のうちの1つであり、通常でない屈折誤差は高次の収差である眼科用機器。
【請求項37】
電気能動レンズは画素化されている請求項36記載の眼科用機器。
【請求項38】
眼科用機器は波頭解析装置に関連して動作する請求項36記載の眼科用機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−517135(P2006−517135A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503353(P2006−503353)
【出願日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/003322
【国際公開番号】WO2004/072687
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(501079602)イー・ビジョン・エルエルシー (13)