説明

電気防食における被防食体の電位の測定方法、電位測定装置、電気防食方法及び装置

【課題】外部電源方式の電気防食におけるオーム降下分を除いた被防食体の電位を正確に測定することができる、被防食体の電位測定方法を提供する。
【解決手段】外部電源方式の電気防食における被防食体の電位測定方法に関する。防食用電源2の陽極端子21に陽極3を接続するとともに、被防食体5を陰極とし電源2の陰極端子22に接続し、電源2から供給する電流を制御用パルス波で繰り返しオンオフ制御しながら被防食体5及び陽極3間に通電し、制御されたパルス電流のオフ時に同期させて被防食体5の電位を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源方式の電気防食における被防食体の電位測定方法、電気防食方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
腐食環境下に置かれた被防食体に外部電源方式の防食を施した場合、当該被防食体が適正に防食されているかどうかを把握する必要がある。この防食の達成状況の把握は、防食電位や防食電流密度に基づく判定により行われることが多く、種々の規格において防食達成電位等が提唱されている。
【0003】
ところで、海水中のように電気伝導度の高い(低抵抗の)腐食環境に置かれた被防食体については、ある程度正確に防食電位を測定することができるため、防食達成状況の把握が可能であるが、土壌、コンクリート又は淡水中等のように電気伝導度の低い(高抵抗の)腐食環境に置かれた被防食体については、通電時のオーム降下(IR降下)が電極電位に加算されてしまい、正確な防食電位の測定が困難となるため、防食達成状況の把握が正確に行えない問題がある。また、このような電気伝導度の低い腐食環境に置かれた被防食体は、不可視であったり、表面に塗覆装がなされていることが多く、被防食体の表面積を正確に求めることができないため、全防食電流は測定できても電流密度への換算ができず、防食電流密度に基づく判定も困難となる。
【0004】
防食電位や防食電流密度による判定に代えて、電気防食の通電(オン)状態から通電を切った(オフ)状態に移行した直後の電位値(インスタントオフ電位)と、オフ後十分に時間経過後の電位(オフ電位)の両者を求め、インスタントオフ電位とオフ電位の差(シフト値)から防食達成状況を把握することが広く行われ、工業規格等でも採用されてきた(下記非特許文献1参照)。シフト値の算出において、最大の問題はインスタントオフ電位の計測にある。刻々と変化するオフ電位に対して読みとりまでの時間についての許容量が明確でなく、そのため読みとり値は個人差も大きかった。また、下記非特許文献2のように、オシロスコープなど高速記録媒体による測定も提案されているが、現場測定に不向きであり、実用化されていない。
【0005】
一方、下記特許文献1、2のように、直流電源装置の防食電流に含まれる交流成分を利用し、照合電極で検出された被防食体の電位からオーム降下誤差を除去し、得られる防食電位に基づいて電気防食を行う技術が提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの技術は、測定されるオーム降下が電源回路に内蔵される平滑回路に依存するという欠点を有している。また、低水分下の土壌やコンクリート中の鋼材で界面に存在する電気化学的時定数が小さい場合には、測定値に誤差を生じやすい。
【0007】
【非特許文献1】米国腐食技術者協会国際推奨実施基準(NACE,RP)、0169−2002、セクション6(6.2.2.1.3、6.2.3.1、6.2.4)
【非特許文献2】(社)日本材料学会 腐食防食部門委員会編、「実験で学ぶ腐食防食の理論と応用」、1999年、p219〜220
【特許文献1】実公昭63−19323号公報
【特許文献2】特開平9−268387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、外部電源方式の電気防食における被防食体の電位を正確に測定することができる、被防食体の電位測定方法、電気防食方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、外部電源方式の電気防食における被防食体の電位測定方法であって、電源の陽極端子に陽極を導通可能に接続するとともに、被防食体を陰極として前記電源の陰極端子に導通可能に接続し、前記電源から供給する電流を制御用パルス波で繰り返しオンオフ制御しながら前記陽極と前記被防食体との間に通電し、制御されたパルス電流のオフ時に同期させて前記被防食体の電位を測定する被防食体の電位測定方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0010】
また、本発明は、上記本発明の被防食体の電位測定方法を実施するための電位測定装置であって、防食用電源から供給される防食電流を制御用パルス波に基づいて前記電源から供給される防食電流をオンオフ制御する制御部と、前記電源の陰極端子に導通可能に接続された被防食体の電位を制御されたパルス電流のオフ時に同期して計測する電位計測部とを備えている電位測定装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の被防食体の電位測定方法で測定された前記被防食体の電位を制御電位として防食印可電圧を設定し、防食を行う電気防食方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0012】
また、本発明は、上記本発明の電気防食方法を実施するための装置であって、防食用電源と、該電源の陽極端子に導通可能に接続された陽極と、制御用パルス波に基づいて前記電源から供給される防食電流をオンオフ制御する制御部と、前記電源の陰極端子に導通可能に接続された陰極の電位を制御されたパルス電流のオフ時に同期して計測する電位計測部とを備えている電気防食装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0013】
また、本発明は、外部電源方式により電気防食を行うときに使用する陰極電位の測定方法であって、入力される交流を整流し且つ平滑化せずに出力する電源の陽極端子に陽極を導通可能に接続するとともに、被防食体を陰極として前記電源の陰極端子に導通可能に接続し、前記電源で前記陽極と前記被防食体との間に通電しながら、前記交流に対応する出力のゼロクロス時に同期させて前記陰極の電位を測定する陰極電位の測定方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0014】
また、本発明は、上記本発明の被防食体の電位測定方法で測定された被防食体の電位を制御電位として防食印可電圧を設定し、防食を行う電気防食方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0015】
上記本発明の電気防食方法を実施するための装置であって、入力される交流を整流し且つ平滑化せずに出力する防食用電源と、該電源の陽極端子に導通可能に接続された陽極と、前記電源の陰極端子に導通可能に接続された被防食体の電位を前記交流に対応する出力のゼロクロス時に同期して計測する電位計測部とを備えている電気防食装置を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、高抵抗環境下の被防食体に電気防食を行いつつオーム降下分を除いた被防食体の電位測定を行うことができ、該電位に基づいて効果的に電気防食を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を、その好ましい実施の形態に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の電気防食装置の第1実施形態を模式的に示したものである。図1において、符号1は電気防食装置を示している。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の電気防食装置1は、防食用電源2と、電源2の陽極端子21に導通可能に接続された陽極3と、制御用パルス波に基づいて電源2から供給される防食電流をオンオフ制御する制御部4と、電源2の陰極端子22に導通可能に接続された被防食体5の電位を制御されたパルス電流のオフ時に同期して計測する電位計測部6とを備えている。
【0020】
防食用電源2及び陽極3は、被防食体5及び被防食体5が配される腐食環境に応じて選択される。
【0021】
制御部4は、制御信号となるパルス波を発生させる制御用パルス信号発生部41と、防食電流をオンオフ制御する防食電流パルス発生部42とを備えている。制御用パルス信号発生部41は、パルスジェネレータ等が好ましい。防食電流パルス発生部42は、制御用パルス信号発生部41の出力部に接続されるトランジスタ42aと、電源2の陽極端子21と陽極3との間に流れる電流を制御する電界効果型トランジスタ(FET)42bと、トランジスタ42aとFET42bとの間を絶縁状態で接続するフォトカプラ42cとを備えており、制御用パルス信号発生部41で発生したパルス波に基づいて電源2から供給される防食電流をオンオフ制御する。
【0022】
電位計測部6は、被防食体5の近傍に配される照合電極61と、制御されたパルス電流のオフ時に同期して被防食体5の電位(インスタントオフ電位)の値を保持する電位保持回路とを備えている。該電位保持回路には、ピークホールド回路(ネガティブピークホールド回路)、サンプルホールド回路等が用いられる。照合電極61は被防食体及び該被防食体が配される腐食環境に応じて選択される。
【0023】
次に、上記電気防食装置1における被防食体5の電位の測定及び該電位を用いた電気防食方法について説明する。
【0024】
先ず、図1に示すように電気防食装置1をセットし、防食用電源2の陽極端子21に陽極3を制御部4を介して導通可能に接続するとともに、被防食体5を陰極として電源2の陰極端子22に導通可能に接続する。
【0025】
次に、制御用パルス信号発生部41から発生される制御用パルス波で、電源2から供給する電流を繰り返しオンオフ制御しながら陽極3と被防食体5との間に通電し、制御されたパルス電流のオフ時に同期させて電位計測部6で被防食体5の電位(電極電位)を測定する。
【0026】
前記制御されたパルス電流のオン/オフ時間比は40以上であることが好ましく、40〜200であることがより好ましい。パルス電流のオン/オフ時間比が斯かる範囲内であると、実用上、防食電流をオフすることを意識することなくインスタントオフ電位の測定が可能である。パルス電流のオフ時間は、低水分下の土壌やコンクリート中の鋼材では界面に存在する電気化学的時定数が非常に小さい場合があることや、測定ケーブルが長くなる場合もあることなどを考慮すると0.1〜10msが好ましい。また、パルス電流のオン時間は、オン/オフ時間比を可能な限り大きくすることを考慮すると4ms〜2sが好ましい。パルス電流は、矩形波であることが好ましい。
【0027】
そして、被防食体5の電位測定方法で測定された被防食体5の電位を制御電位として電源2の防食印可電圧を調節・設定し、防食を引き続き行う。電源2の防食印可電圧の調節・設定は、手動で行うこともできるし、電気的制御回路により自動化することもできる。
【0028】
このように、本実施形態の被防食体の電位測定方法によれば、高抵抗環境下に置かれた被防食体であっても、その電気防食を行いつつオーム降下分を除いた被防食体5の正確な電位測定を繰り返し行うことができる。従って、得られた被防食体の電位が制御電位(防食電位)になるようにコントロールすることによって防食性の高い電気防食を安定的に行うことができる。
【0029】
図2は、本発明の電気防食装置の第2実施形態を模式的に示したものである。図2において、前記第1実施形態と共通する部分については同一符号を付している。よって、特に説明のない部分については、前記第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0030】
図2に示すように、本実施形態の電気防食装置1’は、入力される交流を整流し且つ平滑化せずに出力する防食用電源2’と、電源2’の陽極端子21に導通可能に接続された陽極3、電源2’の陰極端子22に導通可能に接続された被防食体5の電位を前記交流のゼロクロス時に同期して計測する電位計測部6’と、電源2のトランスを介して前記交流のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部7とを備えている。
【0031】
電源2’の備える整流回路で用いる整流素子はゼロクロス電位で不感域が明瞭に現れるシリコン素子が好ましく、ダイオードあるいはサイリスタなど素子が用いられる。例えば、図2に示すようなシリコンダイオードがブリッジ接続された全波整流回路が挙げられる。
【0032】
電位計測部6’は、被防食体5の近傍に配される照合電極61と、電源2’の陰極端子22に導通可能に接続された被防食体5の電位を前記交流のゼロクロス時に同期して計測する電位計測回路とを備えている。この電位計測回路には、電位の同期計測する目的からサンプルホールド回路等が用いられる。
【0033】
次に、上記電気防食装置1’における被防食体の電位測定及び該電位を用いた電気防食方法について説明する。
【0034】
先ず、図2に示すように電気防食装置1’をセットし、防食用電源2の陽極端子21に陽極3を導通可能に接続するとともに、被防食体5を陰極として電源2の陰極端子22に導通可能に接続する。
【0035】
次に、前記電源2’で陽極2と被防食体5との間に通電しながら、ゼロクロス検出部7からの検出出力に同期させ、前記交流のゼロクロス時に同期させて電位計測部6’で被防食体5の電極電位を測定する。
【0036】
そして、被防食体5の電位測定方法で測定された被防食体5の電位を制御電位として電源2の防食印可電圧を調節・設定し、防食を引き続き行う。電源2の防食印可電圧の調節・設定は、手動で行うこともできるし、整流回路でサイリスタを用いている場合は点弧位置調整することにより自動化することもできる。
【0037】
このように、本実施形態の被防食体の電位測定方法によれば、高抵抗環境下に置かれた被防食体であっても、その電気防食を行いつつオーム降下分を除いた被防食体5の正確な電位測定を繰り返し行うことができる。従って、得られた被防食体の防食電位を制御電位として被防食体5に防食印可電圧を負荷することにより、防食性の高い効果的な電気防食を安定的に行うことができる。
【0038】
本発明は、外部電源方式の電気防食における被防食体の電位測定方法を実施するための装置の好ましい実施形態として、前記実施形態の電気防食装置1における、制御用パルス波に基づいて電源2から供給される防食電流をオンオフ制御する制御部4と、電源2の陰極端子22に導通可能に接続された被防食体5の電位を制御されたパルス電流のオフ時に同期して計測する電位計測部6とを具備する電位測定装置を含むものであり、当該電位測定装置を既存の外部電源方式の電気防食方法における防食回路に組み込んで被防食体の電位測定及び電気防食を行うこともできる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0040】
〔実施例1〕
電気防食下の水道水中の炭素鋼(被防食体)の電位を測定するために、図1の電気防食装置をセットし、電流密度350mA/m2で防食電流を流しながら、オン/オフ時間比=50(ms)/1(ms)で防食電流のスィッチングを行った。陽極には白金めっきチタン電極、照合電極には飽和甘こう電極(SCE)を用いた。図3は、そのときの被防食体の電位値(vs.SCE)の波形をオシロスコープにより計測した結果を示したものである。パルス状のピークは電流オフ時の電位値に対応している。オフ時の炭素鋼の電位は約−0.72V(vs.SCE)であった。電位計測部6に内蔵される電位保持回路を通して、オフ時間に同期する電位値を保持(HOLD)させることによって、オフ時の被防食体の電位を低速のディジタル電圧計によって十分安定に測定することができた。
【0041】
〔実施例2〕
電気防食下のコンクリート中の鉄筋(被防食体)の電位を測定するために、図1の電気防食装置をセットし、1.2Aの電流を流しながら、オン/オフ時間比=100(ms)/1(ms)で防食電流のスィッチングを行った。陽極には酸化イリジウム被覆の酸化物電極、照合電極には二酸化マンガン電極を用いた。そして、そのときの電位波形と電位計測部6に内蔵される電位保持回路で保持された電位値を図4(a)及び(b)に示す。これらの図は同一の実験条件で測定されたものであるが異なる時間幅で記録されている。(a)はオフ時間幅に合わせて短時間の記録であるのに対し、(b)は3回のスィッチングが含まれる時間幅で記録されたものである。被防食体のインスタントオフ電位はスィッチングにほとんど影響されず一定の値を示し、−1.28V(vs.MnO2)であった。
【0042】
〔実施例3〕
実施例2とは別の電気防食が適用されたコンクリート構造物において、図2の電気防食装置をセットし、コンクリート中の鉄筋について、交流電圧が0Vを示す点の近傍(ゼロクロシング)に同期させて被防食体の電位を測定した。被防食体の電位は−362mV(vs.MnO2)であった。図5は、その時の各種パラメータの波形をオシロスコープにより計測した結果を示したものである。交流のゼロクロシングに同期させて計測された被防食体の電位は、防食電流0の時の被防食体の電位と一致した。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、腐食環境下、特に、土壌、コンクリート、淡水等の電気伝導度の低い腐食環境下に置かれた被防食体に外部電源方式の電気防食を施すときに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の電気防食装置の第1実施形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明の電気防食装置の第2実施形態を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施例における防食電位の測定結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例における防食電位の測定結果を示す図である。
【図5】本発明の実施例における防食電位の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1、1’ 電気防食装置
2、2’ 電源
21 陽極端子
22 陰極端子
3 陽極
4 制御部
41 制御用パルス信号発生部
42 防食電流パルス発生部
42a トランジスタ
42b 電界効果型トランジスタ
42c フォトカプラ
5 被防食体(陰極)
6、6’ 電位計測部
7 ゼロクロス検出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源方式の電気防食における被防食体の電位測定方法であって、
電源の陽極端子に陽極を導通可能に接続するとともに、被防食体を陰極として前記電源の陰極端子に導通可能に接続し、前記電源から供給する電流を制御用パルス波で繰り返しオンオフ制御しながら前記陽極と前記被防食体との間に通電し、制御された前記電流のオフ時に同期させて前記被防食体の電位を測定する電気防食における被防食体の電位測定方法。
【請求項2】
前記パルス波のオン/オフ時間比が40以上であり、オン時間が4ms〜2sであり、オフ時間が0.1ms〜10msである請求項1記載の電気防食における被防食体の電位測定方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電気防食における被防食体の電位測定方法を実施するための電位測定装置であって、
防食用電源から供給される防食電流を制御用パルス波に基づいてオンオフ制御する制御部と、前記電源の陰極端子に導通可能に接続された被防食体の電位を制御された前記防食電流のオフ時に同期して計測する電位計測部とを備えている電位測定装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の電気防食における被防食体の電位測定方法で測定された被防食体の電位を制御電位として防食印可電圧を設定し、防食を行う電気防食方法。
【請求項5】
請求項4記載の電気防食方法を実施するための装置であって、
防食用電源と、該電源の陽極端子に導通可能に接続された陽極と、制御用パルス波に基づいて前記電源から供給される防食電流をオンオフ制御する制御部と、前記電源の陰極端子に導通可能に接続された被防食体の電位を制御された前記防食電流のオフ時に同期して計測する電位計測部とを備えている電気防食装置。
【請求項6】
外部電源方式の電気防食における被防食体の電位測定方法であって、
入力される交流を整流し且つ平滑化せずに出力する電源の陽極端子に陽極を導通可能に接続するとともに、被防食体を陰極として前記電源の陰極端子に導通可能に接続し、前記電源で前記陽極と前記被防食体との間に通電しながら、前記交流に対応する出力のゼロクロス時に同期させて前記被防食体の電位を測定する電気防食における被防食体の電位測定方法。
【請求項7】
請求項6記載の電気防食における被防食体の電位測定方法で測定された被防食体の電位を制御電位として防食印可電圧を設定し、防食を行う電気防食方法。
【請求項8】
請求項7記載の電気防食方法を実施するための装置であって、
入力される交流を整流し且つ平滑化せずに出力する防食用電源と、該電源の陽極端子に導通可能に接続された陽極と、前記電源の陰極端子に導通可能に接続された被防食体の電位を前記交流に対応する出力のゼロクロス時に同期して計測する電位計測部とを備えている電気防食装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−257532(P2006−257532A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−80350(P2005−80350)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000211891)株式会社ナカボーテック (42)
【Fターム(参考)】