説明

電気除毛器

本発明は、実質的に、主本体と、モータと、減速歯車セットと、弓形シャフトと、一組の単一片とを有する電気除毛器を提供する。弓形シャフトは本体のシャフト台座上に支持される。減速歯車セットの第1段の歯車はモータの駆動輪と噛み合い、最終段の歯車は最端位置に配置された単一片に取り付けられる。各々の単一片は、切取り表面と支持部を有する。単一片の組の全体は、切取り表面が互いに向き合うように配置される。二つの単一片の向き合う表面の間に切取りギャップが形成される。単一片の組の全体は、固定部材によって連結され、同期して回転する。単一片の組の全体は一緒に弓形シャフト上に取り付けられる。この電気除毛器は、形彫り放電加工が容易であり、組立てに便利で、製造コストが低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気除毛器に関し、詳しくは、型彫り加工が容易であり、組立てに便利で、製造コストが低い電気除毛器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術には、種々の構造を有する様々な電気除毛器があり、また、除毛器に関する多くの特許が存在する。図1は、従来品中の除毛器の一形式を示す。除毛器は、主本体1’と、モータ2’と、減速歯車セット3’と、弓形シャフト4’と、一組のベース部品(ベースピース)5’と、薄い切取り部品(クリッピングピース:せん断部品)6’とを有する。各々の切取り部品6’は、対応するベース部品5’の上に取り付けられ、即ち、薄い切取り部品6’はベース部品5’上に支持され、それによって、駆動され一致して動く。全部のベース部品5’は、シフト・ヨーク(図示せず、又は、軸受ハウジング、若しくは、シャフト・ピンによって)によって互いに連結されて、同期して回転する。全部のベース部品5’及び薄い切取り部品6’は、主本体1’のシャフト台座上に支持された弓形シャフト4’の上に取り付けられる。減速歯車セット3’の第1段の歯車は、モータ2’の駆動輪と噛み合い、最終段の歯車は、一番端に位置するベース部品5’に取り付けられる。
【0003】
モータ2’の駆動輪は、駆動電圧を励起されたとき、ベース部品5’の全体の組、及びベース部品5’上に支持されている薄い切取り部品6’を、減速歯車セット3’を介して駆動し、弓形シャフト4’の周りで回転させる。それにより、弓形シャフト4’の次第に狭くなる側の上にある切取り部品6’は、ベース部品5’に押し付けられる過程で切取り動作をさせられ、弓形シャフト4’の次第に広くなる側の上にある切取り部品は解放動作をさせられる。このようにして、体毛は弓形シャフト4’の次第に狭くなる側で、切取り部品6’によって迅速に除毛され、一方、除毛された体毛は、弓形シャフト4’の次第に広くなる側で、体毛収集箱中に投入される。従って、そのような除毛器は迅速に除毛することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述の除毛器は、その構造を詳細に調べると、以下の欠点をもつことが容易に分かる。
除毛器は、圧力の移転及び運動の機能を遂行する複数のベース部品5’と、該ベース部品5’によって支持され除毛機能を遂行する複数の薄い切取り部品6’とを有する。さらに、複数のベース部品5’及び切取り部品6’は、以下の様式で交互に配置されている。一つのベース部品5’→二つの薄い切取り部品6’ → 一つのベース部品5’・・・など。このように、ベース部品5’を形成するばかりでなく、薄い切取り部品6’を形成するためにも型彫り加工する必要のある、あまりに多くの部材がある。従って、型彫り加工することは困難である。さらに、除毛器の構造が複雑であり、かつ、薄い切取り部品6’は一般に金属製であるため、製造コストが高くなる。さらにその上、一つのベース部品5’ → 二つの薄い切取り部品6’ → 一つのベース部品5’・・・などの様式における互い違いの配置のために、組立て方法が面倒なものとなる。
【0005】
従来技術の上記の不都合な点を考慮して、本発明の目的は、型彫り加工が容易であり、組立てに便利で、製造コストの低い電気除毛器を提供することである。
上記の目的の一つ又はそれ以上の態様を達成するために、本発明は以下の技術スキームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電気除毛器は、実質的に、主本体と、モータと、減速歯車セットと、弓形シャフトと、一組の単一片(シングルピース)とを有する。弓形シャフトは、主本体のシャフト台座に支持される。減速歯車セットの第1段の歯車はモータの駆動輪と噛み合い、最終段の歯車は、最端位置に配置された単一片上に固定される。各々の単一片は、切取り表面及び支持部を有する。全ての組の単一片は、切取り表面が互いに向き合うように配置される。二つの単一片の向き合う表面の間に切取りギャップが形成される。全ての単一片は、固定部材で互いに連結されて、同期して回転する。全ての組の単一片は、一緒に弓形シャフトの上に取り付けられる。
【0007】
固定部材は、各々の単一片の両側に形成されるシフト・ヨークである。一つの単一片上の一つのシフト・ヨークは、隣接する単一片の別のシフト・ヨークの中に挿入されて固定され、従って、全ての単一片は互いに連結されて同期して回転する。
固定部材は、その中心に、弓形シャフトの位置に相当するシャフト穴を備えたフォーク状部材(フォーク・ボディ)である。各々の単一片は、両側にフォーク形スロットを備えている。各フォーク状部材の両側は、二つの隣り合う単一片の二つのフォーク形スロットに挿入されて固定されて、単一片の組の全体は互いに連結されて同期して回転する。
【0008】
各々のフォーク状部材に薄肉部品が取り付けられる。薄肉部品及びフォーク状部材は、全ての単一片と共に、弓形シャフトの上に取り付けられる。薄肉部品は、二つの単一片の二つの向き合った切取り表面の間に入れられ、二つの切取りギャップが、それぞれ、各々の薄肉部品の両側と二つの単一片の切取り表面との間に形成される。
前記固定部材は、軸受ハウジング(ベアリングハウジング)である。全ての単一片は、軸受ハウジングによって、互いに連結されて、同期して回転する。
固定部材は、シャフト・ピンである。全ての単一片は、シャフト・ピンによって互いに連結されて同期して回転する。
【0009】
上記の構造により、モータの駆動輪は、駆動電圧を励起されたとき、減速歯車セットを介して、全ての単一片を駆動して弓形シャフトの周りに回転させる。その結果、弓形シャフトの次第に狭くなる側にある単一片は切取り動作をさせられ、弓形シャフトの次第に広くなる側にある単一片は解放動作をさせられる。このようにして、体毛を迅速に切り取るように単一片の切取り表面を直接用いて、弓形シャフトの次第に狭くなる側で体毛が迅速に切り取られる。
【0010】
本発明による電気除毛器は、従来技術に対して次の利点を有する。本発明による電気除毛器だけが、複数の単一片を有する。換言すれば、従来技術における二つの型の部品、即ち、圧力移動及び運動機能を遂行するベース部品と、ベース部品によって支持され、体毛切取り機能を遂行する薄い切取り部品とが、一つの型の単一片として単純化される。その結果、薄い切取り部品はなくなる。従って、部材の数が少なくなり、単一片を形成するダイだけが必要となるので、型彫り加工が容易になる。さらに、構造は大いに簡単化され、組立て工程において、単一片を組合せることだけが必要となる。従って、組立ての手順が簡単になり、製造コストは低くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
図2と図3に示されるように、本発明の一つの好ましい実施形態による電気除毛器は、主本体1と、モータ(図示せず)と、減速歯車セット3と、弓形シャフト4と、一組の単一片5とを備える。
弓形シャフト4は、主本体1のシャフト台座11上に取り付けられる。
減速歯車セット3の第1段の歯車31は、モータの駆動輪(図示せず)と噛み合い、最終段の歯車32は、最端位置に配置された単一片上に固定される。
【0012】
各々の単一片5は、図4から図8に示されるように、切取り表面51及び支持部52を有する。全ての単一片5は、切取り表面が互いに向き合うように配置される。図2及び図3に示されるように、二つの単一片5の向き合った表面51の間に切取りギャップ「A」が形成される。全ての単一片5は、固定部材によって互いに連結されて、同期して回転する。固定部材は、様々な特定的構造をもつことができる。この実施形態の図4から図8に示されるように、固定部材は各々の単一片5の両側に形成されるシフト・ヨーク53である。各々の単一片5上の一つのシフト・ヨーク53は、隣接する単一片5上の別のシフト・ヨーク53の中に挿入されて固定され、従って、全ての単一片5が互いに連結されて、同期して回転する。別の実施形態においては、固定部材は図14に示されるフォーク状部材54であってもよく、このフォーク状部材は、それぞれ3つのフォーク脚542をもち、その中心に、弓形シャフト4の挿入位置に相当するシャフト穴541を備えている。図12及び図13に関連して示されているように、各々の単一片5は、その両側にフォーク形スロット501を備えている。各々のフォーク状部材(即ち、3つのフォーク脚542)の両側が、二つの隣接する単一片5の二つのフォーク形スロット501に挿入されて固定され、従って、全ての単一片5が互いに連結されて、同期して回転する。固定部材はまた、図示されていないが、軸受ハウジングであってもよく、それによって、全ての単一片5が互いに連結されて、同期して回転する。固定部材はまた、図示されていないが、シャフト・ピンであってもよく、それによって、全ての単一片5が互いに連結されて、同期して回転する。図9及び図11を参照すると、全ての単一片5は、全部一緒に弓形シャフト4の上に取り付けられる。
【0013】
単一片5を組合せてセットを組み立てるステップを促進するために、本実施形態においては、初めに、全ての単一片5を弓形シャフト4によってシャフト台座11上に取り付けて、スプリング6によって固定する。次に、弓形シャフト4、減速歯車セット3、及びシャフト台座11がケース12で覆われ、全ての単一片5だけが除毛のために露出する。従って、本除毛器は、図10に示されるように良好な外観を呈する。
【0014】
本実施形態による前記の構造体において、駆動電圧を励起されると、モータの駆動輪が減速歯車セット3を介して全ての単一片5を駆動して、弓形シャフト4の周りを回転させる。その結果、弓形シャフトの次第に狭くなる側にある単一片5は、切取り動作をさせられ、弓形シャフトの次第に広くなる側にある単一片は、解放動作をさせられる。このようにして、体毛を迅速に切り取るように単一片5の切取り表面を直接用いて、弓形シャフトの次第に狭くなる側で体毛が切り取られる。従来技術における二つの型の部品、即ち、ベース部品5’及び薄い切取り部品6’が、本発明においては、一つの型の単一片として単一化され、薄い切取り部品6’はなくなる。従って、部材の数が減少し、その結果、単一片5を作るためのダイだけが必要となるので、形彫り加工が促進されることになる。さらに、構造が大いに簡単になり、組立て工程において、単一片5を組合せることだけが必要となる。従って、組立てが容易になり、製造コストは低減される。
【0015】
図15および図16に示されるように、本発明のさらに別の実施形態により、薄肉部品55は、図14に示される各々のフォーク状部材54に取り付けられる。薄肉部品55及びフォーク状部材54は、全ての単一片5と共に、弓形シャフト4の上に取り付けられる。薄肉部品55は、二つの単一片5の二つの向き合った切取り表面51の間に加えられ、二つの切取りギャップ「A」が、それぞれ、各々の薄肉部品55の両面と二つの単一片5の切取り表面51との間に形成される。(即ち、図2のギャップ「A」は二つの部分に分割される。)慣用技術と比較すると、本実施形態においては、二つの薄肉部品がなくなる。従って、形彫り加工が容易となり、組立てに便利で、製造コストが低くなる。さらに、前記の二つの実施形態と比較して、本実施形態は、一つの薄肉部品55だけをさらに導入することによって2倍のギャップ数を有することになる。それゆえ、より優れた除毛機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】通常の電気除毛器の構造をしめす略図である。
【図2】本発明の一実施形態による除毛器の外観を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による除毛器の部分的な分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による単一片の側面図である。
【図5】本発明の一実施形態による単一片の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態による単一片の底面図である。
【図7】本発明の一実施形態による単一片の斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態による単一片の別の斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態による弓形シャフト上に取り付けられた単一片の組の全体の斜視図である。
【図10】組み立てられた図3の部品を部分的に示す図である。
【図11】本発明の別の実施形態による部分的な分解斜視図である。
【図12】本発明の別の実施形態による単一片の斜視図である。
【図13】本発明の別の実施形態による単一片の別の斜視図である。
【図14】本発明の別の実施形態によるフォーク状部材の斜視図である。
【図15】本発明のさらに別の実施形態による部分的な分解斜視図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態による組み立てられたフォーク状部材と薄肉部品を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に、主本体と、モータと、減速歯車セットと、弓形シャフトと、一組の単一片を備え、前記弓形シャフトが前記主本体のシャフト台座上に支持され、前記減速歯車セットの第1段の歯車が前記モータの駆動輪と噛みあい、最終段の歯車が最端位置に配置された前記単一片上に固定され、前記単一片の各々が切取り表面及び支持部を有し、前記単一片の組の全体は切取り表面が互いに向き合うように配置され、二つの前記単一片の向き合う表面の間に切取りギャップが形成され、前記単一片の組の全体が同期して回転するように固定部材によって互いに連結され、前記単一片の組の全体が、全て一緒に前記弓形シャフトに取り付けられることを特徴とする、電機除毛器。
【請求項2】
前記固定部材が、各々の前記単一片の両側に形成されたシフト・ヨークであり、一つの前記単一片上の一つのシフト・ヨークが、隣接する前記単一片上の別のシフト・ヨーク内に挿入されて固定され、前記単一片の組の全体が互いに連結され、同期して回転することを特徴とする、請求項1に記載の電気除毛器。
【請求項3】
前記固定部材が、その中心に、前記弓形シャフトの位置に相当するシャフト穴を備えたフォーク状部材であり、各々の前記単一片が両側にフォーク形スロットを有し、各々の前記フォーク状部材の両側が、二つの隣接する前記単一片の二つのフォーク形スロット中に挿入されて固定されて、前記単一片の組の全体が互いに連結され、同期して回転することを特徴とする、請求項1に記載の電気除毛器。
【請求項4】
各々の前記フォーク状部材に薄肉部品が取り付けられ、前記薄肉部品及び前記フォーク状部材が、前記単一片の組の全体と共に、前記弓形シャフト上に取り付けられ、前記薄肉部品が、二つの単一片の二つの向き合う切取り表面の間に入れられ、二つの切取りギャップが、それぞれ、各々の前記薄肉部品の両面と二つの単一片の切取り表面との間に形成されたことを特徴とする、請求項3に記載の電気除毛器。
【請求項5】
前記固定部材が軸受ハウジングであり、前記単一片の組の全体が同期して回転するように、前記軸受ハウジングによって互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気除毛器。
【請求項6】
前記固定部材がシャフト・ピンであり、前記単一片の組の全体が同期して回転するように前記シャフト・ピンによって互いに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気除毛器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2007−517639(P2007−517639A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501097(P2007−501097)
【出願日】平成17年2月6日(2005.2.6)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000178
【国際公開番号】WO2006/081709
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(506245291)
【Fターム(参考)】