説明

電池パック、電池パックを装着可能な電気機器及びラッチ構造体

【課題】電気機器に脱着可能な電池パックのラッチ部材において、導電性部材が脱落した場合の導電性部材の移動を阻止し、短絡を防止して信頼性を高めた電池パックを得る。
【解決手段】電池パックは、電池セルと、電池セルを内蔵する本体ケースと、本体ケースに内蔵され、電池セルに接続される回路基板と、電池パックと電気機器本体との連結機構を備える。また、連結機構は、電気機器本体に電気パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁材であるラッチ部材と、外力のない状態でラッチ状態を保持するためにラッチ部材をラッチ位置に弾性的に付勢するための導電性を有する弾性部材と、を備える。さらにラッチ部材は、弾性部材を回路基板から絶縁する隔離部を有するよう形成されており、隔離部は、ラッチ部材の移動に連動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セルを複数直列及び/又は並列に接続した電池パックに関し、特にノートパソコン等の携帯用機器に使用される電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコンや携帯電話等の携帯型電気機器の電源として、複数の電池セルを電気接続して高出力化した電池パック(パック電池)あるいは組電池が使用されている。これらの電池パックは、電気機器本体とコネクタを介して電気的、機械的に接続される。また、電池パックを電気機器本体に脱着自在に接続するため、可動式のラッチ機構を備えるものがある。例えばノート型パソコンのバッテリパックは、スライド式にラッチ爪を操作して、バッテリパックのラッチ(ロック)状態(ON状態)、解除状態(OFF状態)を切り替える。図10及び図11は、電池パックの上ケースを省略した図であり、電池パック100に設けられたこのようなラッチ機構の斜視図を示している。これらの図において、図10はラッチ状態にあるラッチ爪101の位置、図11はラッチ状態を解除した位置を、それぞれ示している。この可動ラッチは、ラッチ状態を保持するためにスプリング103などの弾性部材を備えており、弾性部材の応力で非操作時のラッチ位置を保持している。このようなスプリング式のラッチ機構の詳細を一部断面斜視図を図12に示す。なお、図12に示される電池パック100は、電池パックの上ケースが省略されている。この図に示すように、スプリングラッチ機構はラッチ爪101、ラッチ爪101をユーザが手で操作するためのノブ104、ラッチ爪101をラッチ位置に押圧するスプリング103で構成される。このラッチ機構は構成が比較的単純で、安価且つ容易に利用できる利点がある。
【特許文献1】特開2005−129464号公報
【特許文献2】特開2003−17018号公報
【特許文献3】特開2003−317680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ノブ104が破損したり、脱落する等してラッチ爪101の固定が外れると、ラッチ爪101はフリー状態となる。この結果、スプリング103がラッチ爪101から外れて、電池パック100内部を自由に移動できるようになる。スプリング103は一般に金属製であるため、導電性を有する。一方で電池パック100内部には一般に、電池セルの充放電を管理し過充電、過放電から保護するための保護回路を実装した回路基板105が設けられる(図13参照)。このような回路基板105に導電性のスプリング103が接触すると、短絡等を生じるおそれがあった。このような問題を防止するため、従来は図13に示すように、電池パック100内部に隔壁106を設け、ラッチ機構102と回路基板105を空間的に隔離することが行われている。この図の例では、スプリングラッチ機構102をリブ107で囲むことにより回路基板105から隔離しているので、スプリング103がフリーとなっても回路基板105側に移動せず、接触することがない。
【0004】
しかしながら、電池パックのデザインや部材のレイアウトによっては、このような隔壁106をスプリングラッチ機構102と回路基板105との間に設けることが困難な場合がある。このような場合は、隔壁106を用いることなくスプリングと基板との接触を防止する構造が別途必要となり、構造の複雑化やコスト上昇を招くという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、ラッチ機構の導電性部材である弾性部材が外れた際の移動を阻止し、短絡を防止して信頼性を高めた電池パック、電池パックを装着可能な電気機器及びラッチ構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の電池パックは、電気機器本体に脱着自在な連結機構を備える電池パックであって、電池セルと、電池セルを内蔵する本体ケースと、本体ケースに内蔵され、電池セルに接続される回路基板と、電池パックと電気機器本体との連結機構を備える。連結機構として、電気機器本体に電気パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁性を有するラッチ部材と、外力のない状態でラッチ状態を保持するためにラッチ部材をラッチ位置に弾性的に付勢するための導電性を有する弾性部材と、を備えることができる。また、ラッチ部材は、弾性部材を回路基板から絶縁する隔離部を有するよう形成されており、隔離部は、ラッチ部材の移動に連動することができる。この構成により、連結機構を構成する弾性部材が何らかの理由でフリーになっても、回路基板と隔離することにより、ショートなどを引き起こす事態を防止できる。また、ラッチ部材の隔離部でもって、弾性部材と回路基板とを絶縁しているため、双方を分離して絶縁するための隔離部材を別個に設ける必要がなく、短絡防止の構造を省スペースに配設でき、電池パックを小型化できる。
【0007】
また電池パックは、好ましくは回路基板の端縁が、ラッチ部材に対して当接する姿勢で、かつ回路基板端縁とラッチ部材との間に、弾性部材の通過が阻害される大きさのクリアランスを形成される。この構成により、仮にラッチ部材の固定が外れたとしても、回路基板の端縁でラッチ部材が浮き上がるのが阻止され、導電性の弾性部材の移動が依然として阻止され、安全性が高められる。また、回路基板端縁とラッチ部材との間にクリアランスを設けることで、平時においてはラッチ爪の移動が回路基板との摩擦により阻害されることもない。このように、クリアランスはラッチ爪の移動は阻害せず、かつ弾性部材の通過は阻害する大きさに設定される。
【0008】
加えて、電池パックはさらにラッチ爪を物理的に移動させて、ラッチ状態からラッチ解除状態に手動で切り替えるための操作部を備えることもできる。
【0009】
さらに電池パックは、電気機器本体に脱着自在な連結機構を備える電池パックであって、電池セルと、電池セルを内蔵する本体ケースと、本体ケースに内蔵され、前記電池セルに接続される回路基板と、電池パックと電気機器本体との連結機構を備える。連結機構として、電気機器本体に電池パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在としたラッチ部材と、外力のない状態でラッチ状態を保持するためにラッチ部材をラッチ位置に弾性的に付勢するための導電性を有する弾性部材と、を備えることができる。また、ラッチ部材は、電気機器本体に対して、ラッチ状態に連結するために突出可能であり、かつ互いに離間して配置された一対の突起と、この一対の突起同士を固定し、突起と共に移動する平板状の絶縁性を有する隔離部と、を備え、回路基板と弾性部材との間に隔離部を位置させることができる。この構成により、ラッチ部材を構成する突起の移動によって、電池パックを電気機器本体に対して脱着自在に装着可能とすると共に、ラッチ部材の一部であって、突起と共に移動する隔離部によって、導電性の弾性部材と回路基板とを絶縁状態にできる。つまり一のラッチ部材でもって、ラッチ機能と絶縁機能を併用できる。
【0010】
また電池パックは、さらに、回路基板と隔離部材との間に、弾性部材の通過が阻害される大きさのクリアランスを形成することができる。この構造であれば、隔離部と回路基板との間に、弾性部材の通過が阻害される大きさのクリアランスを介して、隔離部と回路基板との双方を近接させることができる。これにより、ラッチ部材のスライド移動は実現しつつ、ラッチ部材の固定が解除された際のラッチ部材の意図しない移動を回路基板でもって抑制できる。すなわち回路基板により隔離部の配置状態を維持できるため、万一、ラッチ部材の固定が解除され、これに連鎖して弾性部材の固定が解除された場合においても、回路基板でもって、近接する隔離部の浮き上がりを阻止できる。加えて、導電性の弾性部材がクリアランスを通過して回路基板と接触するのを抑制できる。言い換えると、導電性の弾性部材と回路基板を絶縁しつつ、双方を近接させる構造が可能となり、絶縁構造を省スペースに達成できる。
【0011】
また、本発明の電気機器は、電池パックに装着可能な電気機器であって、電気機器に内蔵される電子回路を備える回路基板と、電池パックとの連結機構を備える。連結機構としては、電池パックに電気機器をラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁材であるラッチ部材と、外力のない状態でラッチ状態を保持するために前記ラッチ部材をラッチ位置に弾性的に移動するための導電材からなる弾性部材と、を備えており、ラッチ部材が、弾性部材を回路基板から絶縁する隔離部を有するよう形成できる。この構造により、電池パックを電気機器に自在に脱着できる。また、電気機器に内蔵された導電性の回路基板及び弾性部材とを、絶縁性であるラッチ部材でもって隔離しているため、省スペースに短絡防止のシステムを構築できる。
【0012】
さらに、本発明のラッチ構造体は、電気機器本体に電池パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁性であるラッチ本体と、外力のない状態でラッチ状態を保持するために、ラッチ本体をラッチ位置に弾性的に移動するための弾性部材と、ラッチ本体と連結され、ラッチ本体をラッチ状態からラッチ解除状態に手動で切り替えるための操作部と、を備える。また、ラッチ本体は、電池パックに内蔵された回路基板と、弾性部材とを絶縁する隔離部を有するよう形成でき、また、回路基板の端縁が、ラッチ本体に対して当接する姿勢で、かつ回路基板端縁とラッチ本体との間に、弾性部材の通過が阻害される大きさのクリアランスを形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電池パック、電池パックを装着可能な電気機器及びラッチ構造体を例示するものであって、本発明は電池パック、電池パックを装着可能な電気機器及びラッチ構造体を以下のものに特定しない。また特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施の形態)
【0014】
図1に、本発明の実施の形態に係る電池パック1の外観斜視図を示す。電池パックは、各種携帯型電気機器30のバッテリ取付部(図2)に連結機構9を介して脱着可能に装着され、各種携帯型電気機器30のバッテリとして利用できる。実施の形態では、各種携帯型電気機器30として、ノート型パソコンPC30a用のバッテリに適用した電池パックを一例として示す。
【0015】
図1に示す電池パック1は、電池セル(図4参照)を収納する長方形をした皿状の底カバー21と、この底カバー21を覆うように固定された箱状の上カバー22からなる本体ケース20を備える。また、底カバー21の短辺側側面には、ノート型パソコン30aに電力を供給するためのコネクタ3と、電池パック1をノートパソコン30aに脱着するための連結機構9を備える。
【0016】
この連結機構9は、電気機器本体であるノートパソコンに電池パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁材であるラッチ部材10と、外力のない状態でラッチ状態を保持するためにラッチ部材10をラッチ位置に弾性的に移動するための導電材からなる弾性部材14とを備える。
【0017】
図2及び図3は、電池パック1と、これを脱着可能なノート型パソコン30aを底面側から見た概略斜視図である。図2に示すように、連結機構9であるラッチ部材10は、本体ケース20の一方の短辺側に設けられ、外側方向に突出した可動型の突起11、11’と、他方の短辺側であって、突起11、11’の突出方向と反対方向に突出された不動型の爪7、7’とを有する。また、ノートパソコン30a側のバッテリ取付部33には、電池パック1の突起11、11’及び爪7、7’にそれぞれ対応した嵌合穴31、31’、32、32’が形成されている。この嵌合穴31、31’、32、32’に、電池パック1側の突起11、11’及び爪7、7’とが係合することにより、電池パック1をノートパソコン30aに取り付けることができる。また、図1及び図2に示すようにラッチ部材10は、底カバー21の外面側に露出した操作部13を有する。ユーザが操作部13を移動させることにより、操作部13と一体に連結された突起11、11’が、本体ケース20に対して出入りする方向に移動され、これにより電池パック1とノートパソコン30aとの脱着を可能にさせる。一方、図1に示すように、コネクタ3は、複数の端子板がフィン状に配置されたものであり、ノートパソコン30a側に装着されたコネクタ3とはめ合わせによって電気的に連結され、電池パック1からノートパソコンへと給電を行うことができる。
【0018】
或いは、図3に示すように、突起と嵌合穴を逆に構成することもできる。即ち、ノートパソコン30a側に突起111、111’を有するラッチ部材34を設け、これに脱着可能な嵌合穴131、131’を電池パック側1に形成することもできる。図3に示すノートパソコン30aは、この動作を制御する電子回路を備えたマザーボード等の回路基板など、導電性を有する電子部材を備える。また、連結機構9としてのラッチ部材34は、図1の電池パック1におけるラッチ部材10と同様の構造である。このラッチ部材10の構造については後述するが、ラッチ部材10を有する連結機構9を備えることにより、ノートパソコン30aに内蔵された回路基板と、ラッチ部材34をラッチ状態に保持するための導電材からなる弾性部材とが、ラッチ部材34の一部である絶縁材からなる隔離部によって絶縁され、導電性を有する回路基板及び弾性部材との短絡を省スペースに防止できる。
【0019】
本体ケース20は、図1の例では上下に2分割するケースを使用し、内部に電池セル10を必要な数だけ収納できる空間を設けている。本体ケース20は耐衝撃性と絶縁性に優れた材質で構成でき、例えばプラスチック等の樹脂が利用できる。図4は、本体ケース20の上カバー22を外した状態の電池パック1の外観斜視図である。底カバー21は、略長方形の基底部21a(図5参照)と、この基底部21aの周縁に立設された周壁21bにより構成され、周壁21bによって囲まれる電池収納領域6(図5参照)に電池セル2が複数本併設できる。図4の例では、電池セル2が、底カバー21の長手方向に平行に並べられて、電池セル列を構成している。また電池セル2同士の端面の正極と負極とを、リード4を介して接続する電極連結面とし、さらに平行する電池セル列同士で、電極連結面を同一面に一致させて、一のリード4が電池セル列を跨ぐように挿入される。ここで、本明細書において「スライド方向」とは、主に、周壁21bの短辺側から、電池収納領域6側であって、スライド部材10のスライドする方向を意味する。
【0020】
(電池セル)
また、電池セル2は、円筒型の外装缶に被覆された略矩形の角形電池が利用される。このような電池セルには、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池、ニッカド電池等の二次電池が利用できる。また一次電池としてもよい。電池セル2の電極端子は、直列又は並列に結線される。さらに電池パック1の端部で制御回路に接続され、制御回路によって各電池セル2の電圧、電流、温度等を測定し、電池容量及び必要充放電量等を決定して、充放電等の制御が行われる。図4に示される電池パック1では、保護回路を備える回路基板5が、電池セル2とコネクタ3との間に挿入されている。
【0021】
この回路基板5を介して電池セル2とコネクタ3とが電気的に接続されており、保護回路は、電池セル2の電流及び電圧ならびに温度検出部(図示せず)が検出する温度を定期的に監視し、各値が所定値以下もしくは以上となった場合にコネクタ3の接続を切断するように制御することにより、電池セル2の過充電および過放電を防止する回路構成となっている。
【0022】
さらに、図4の電池パック1において、電池セル2及びコネクタ3を外した状態を図5に、また図5における、ラッチ部材10周辺が拡大された斜視図を図6に示す。図5、図6に図示されるように、回路基板5は、長手方向の略中央部において、幅方向の両端部に、コの字状に切りかかれた切り欠き部5b、5b’を有する。双方の切り欠き部5b、5b’の内、底カバー21の基底部21aと対向する側(図5及び図6の下側)の切り欠き部5bと、基底部21aとで構成される隙間にはめ込まれるよう、ラッチ部材10が配置されている。すなわち、図6に示すように、ラッチ部材10の上面10aには、後述する所定のクリアランスCを介して、回路基板5が直立した配置構成となり、ラッチ部材10の上面10aの外面は、切り欠き部5bにおける、回路基板5の厚みを構成する端縁5aと、離間しつつ対向している。
【0023】
さらに、図6における回路基板5が省略された、ラッチ部材10周辺の拡大斜視図を図7に、また、電池パック1のラッチ部材10周辺における、ラッチ部材10及び底カバー21の展開斜視図を図8に示す。なお、図7ではラッチ部材10の上面10aが透過状態に図示されている。
【0024】
(ラッチ本体)
図7及び図8に示されるように、ラッチ部材10は、主に、ラッチ本体12、操作部13、弾性部材14から構成される。また、図8に示すように、底カバー21の上面側に装着されるラッチ本体12は、略長方形の平板状であり、また、ラッチ本体12の上面10aから立設して、ラッチ本体12の厚みを構成するラッチ端面12aを有する。ラッチ端面12aの長手方向における両端部からは、側面視略三角形状の一対の突起11、11’が、ラッチ本体12の外方(図8の左手前側)へと突出して設けられている。この一対の突起11、11’は、互いに離間して配置されており、かつ、図2に示すように、電気機器30本体に対して、近接あるいは離間する方向に移動できる。つまり、突起11、11’は電気機器30の嵌合穴31、31’に係合され、突起11、11’の移動により、電池パック1を電気機器30に対してラッチ状態に連結・離脱可能とする。さらに、図7及び図8に示すように、ラッチ本体12の上面10aは、絶縁性を有する平板状の隔離部8を構成する。この隔離部8は、一対の突起11、11’に対して架橋状態に連結され、この一対の突起11、11’を固定しており、一対の突起11、11’と共に移動する。
【0025】
一方、底カバー21の周壁21bにおける短辺側側面には、一対の突起11、11’を本体ケース20の外部に表出させる開口部として、略コ字状の一対の切り欠き部26、26’が形成されている。したがって、突起11、11’の外方への突出量tは、図7に示すように、ラッチ部材10が周壁21bと当接した状態で、突起11、11’が切り欠き部26、26’にはめ合わされて、周壁21bの外方へに突出するよう、且つ、ラッチ部材10が電池収納領域6側へと移動された時に、突起11、11’が切り欠き部26、26’の中に退避される範囲内に設定されている。
【0026】
(スライドピン及び弾性部材)
また、ラッチ端面12aにおいて、突起11、11’が形成されている外面側と反対の内面側には、その略中央域に、棒状のスライドピン15の一端が結合されている。スライドピン15の他端はラッチ本体12から、突起11、11’の突出方向と反対方向(図8の右奥側)へと突出されおり、さらに、スライドピン15は、弾性部材14としての役割を担うスプリング14aの、軸芯における空洞領域に挿通される。
【0027】
(ラッチ本体の貫通孔)
さらに、図7、図8のラッチ本体12では、ボルト16、16’をラッチ本体12の上下面に連通させるための貫通孔16a、16a’が形成されている。貫通孔16a、16a’は、ラッチ本体12の上面からの平面視における両側域に、ラッチ本体12の厚み方向において貫通されて2箇所設けられている。
【0028】
(操作部)
一方、図8に示すように、底カバー21の底面側と当接される操作部13は、略長方形状の平板であり、ラッチ本体12の貫通孔16a、16a’を挿通したボルト16、16’が嵌合される埋め込みナット16b、16b’を有する。埋め込みナット16b、16b’は平板から上方に突出して固定されている。また、操作部13は、操作部13を含むラッチ部材10のスライド移動を補助するための、スライドレール18、18’を有することもできる。図8の操作部13では、スライド方向、すなわち、すなわち底カバー21の周壁21b側から電池収納領域6側へと略直線状に隆起した一対のスライド突起18、18’が、スライド方向と直交する幅方向に、間隔をあけて並列に設けられている。このスライドレール18、18’は基底部21aの底面側に設けられた一対のスライド溝(図示せず)に当接され、スライド自由に摺動する。この構造によりラッチ部材10の傾斜が抑制され、スライド移動が安定してスムースに達成される。
【0029】
(ラッチケース)
また、図8に示すように、底カバー21の周壁21bにおける一短辺側の中央域には、ラッチ本体12と操作部13とを支持可能なラッチケース23が形成されている。このラッチケース32における基底部21aの表裏面を、上記のラッチ本体12及び操作部13でもって狭みこんだ状態で、ラッチ本体12と操作部13の双方が連結される。また、ラッチケース23の一の主面側(図8における上面側)は、後述する所定の第2のクリアランスC’(図9参照)を介して、ラッチ本体12の外周面を包含できる略矩形の枠体リブ25を備える。さらに、図8の電池パックでは、ラッチケース23の底面に、一対のスライド孔24、24’が、スライド方向、すなわち底カバー21の周壁21b側から電池収納領域6側へと略直線状に穿設せられ、各々は平行に配置されている。
【0030】
(ラッチ部材)
上述のように、ラッチケース23の上下面側(図7及び図8における上下)を、ラッチ本体12及び操作部13で挟み込み、ラッチケース23のスライド孔24、24’から、操作部13の埋め込みナット16b、16b’を突出させた状態で、ラッチ部材10の上面側から、ボルト16、16’をラッチ本体12の貫通孔16a、16a’に挿通し、さらに操作部13の埋め込みナット16b、16b’に嵌合させることによって、ラッチ本体12と操作部13とが一体に連結され、ラッチ部材10を構成する。また、スライド孔24、24’の短手方向における開口幅は、埋め込みナット16b、16b’の外径よりも大きい。この構造により、ユーザが電池パックの手前、或いは奥へと操作部13を移動させることにより、埋め込みナット16b、16b’が、基底部21aのスライド孔24、24’の壁面にスムースに案内されて、ラッチ部材10がスライド方向に摺動される。これに連動され、ラッチ部材10の突起11、11’は、周壁21の外方側(図7における手前側)へと突出され、或いは電池収納領域6側へと引き込まれる。。
【0031】
(ピン受容体)
さらに、図8に示すように、ラッチケース23の枠体リブ25における電池収納領域6側には、ラッチ本体12に装着されたスライドピン15を支持するための、ピン受容体27が設けられている。ピン受容体27は、直線状に開口し、且つ、この開口部の内壁面でもって、スライドピン15の外周面の少なくとも一部をカバーする溝壁27aが形成される。溝壁27aは、スライドピン15を軸方向にスライド可能に支持しつつ、その移動方向をガイドできる。溝壁27aの短手方向における開口幅は、溝壁27aに挿入されたスライドピン15が、その軸方向にスライドできるよう、スライドピン15の外径と比べて若干大きく設定し、ピン受容体27とスライドピン15との間に若干の隙間が生じるようにすることが好ましい。これにより、ピン受容体27の内壁面がスライドピン15の移動方向をガイドしつつ、スライドピン15がピン受容体27内をスムースにスライドできる。
【0032】
具体的には、図7に示すように、スライドピン15が溝壁27aにはめ込まれた状態では、溝壁27aの内周面とスライドピン15の外周面とが対向した状態、すなわち、溝の内周面がスライドピン15の外周面の一部を囲む状態となる。したがって、スライドピン15は、その軸方向にだけスライド可能な状態で、ピン受容体27に支持される。また、図9は、図6におけるラッチ部材10周辺の平面図である。図7乃至図9に示すように、ピン受容体27は、溝壁27aの開口径を構成する内壁面の一端から連続した、溝壁27aよりも大きい開口幅を有する弾性体受けリブ27bを有する。溝壁27aから弾性体受けリブ27bへの連続域は、開口幅が平面視において略凸形状に広がっている。また、図示されるように、弾性体受けリブ27bの開口部は、奥側(電池収納領域6側)に溝壁27aと連続した凹みをなしており、凹みの入り口両端部は、両側の外方向に翼状に広げられている。
【0033】
この弾性体受けリブ27bの凹み内には、中央部に孔を有する円盤形状の弾性止17が、その主面を溝壁27aの端面と当接した状態で配置されており、さらに弾性止17の中央孔と溝壁27aの開口幅、及び中心軸はほぼ同一である。これにより弾性止17の中央孔及び溝壁27aを貫通するスライドピン15が、双方の開口部をスムースにスライドでき、弾性止17の中央孔より大きい径を有する部材が、溝壁27a側へと進入するのを防止できる。また、弾性止17の外周径は、弾性体受けリブ27bの内径と、平面視においてほぼ同一である。これにより弾性止17の円弧状の外周端面が、弾性体受けリブ27bを構成する内壁面と当接され、弾性止17が弾性体受けリブ27bにはめ合わされて、固定される。
【0034】
(スプリング)
図9に示すように、スプリング14aを挿通したスライドピン15がピン受容体27にはめ込まれた状態において、スプリング14aは、ラッチ本体12の内面側における、ラッチ端面12aから溝壁27aの入り口までの間に配置されている。具体的には、スプリング14aの一端はラッチ端面12aの内面側に当接し、他端は、弾性体受けリブ27bにはめ合わされた弾性止17に当接される。また、スプリング14aと、該スプリング14aの中空を挿通するスライドピン15との双方は、スライドピン15がスライド移動した際に、スライドピン15の外面とスプリング14aの内面とが摺動できる程度の若干の隙間を有する。さらに、スプリング14aはスライドピン15の外径よりも若干大きい内径を有しており、且つ、圧縮された状態で、スライドピン15の外周に巻き付いて装着されている。したがって、スプリング14aの両端部は、スプリング14aの復元力により、外方向にほぼ同等の力で付勢されている。このスプリング14aの弾性当接により、スプリング14aがラッチケース23内に安定して支持されるため、ラッチ部材10のスライド移動に伴って脱落することを抑止できる。
【0035】
また、スプリング14aは、弾性止17の中央孔よりも大きい外径を有するため、スライドピン15aが電池収納領域6方向(図9における上方)へとスライドされた際にも、スプリング14aは溝壁27a内へと進入できない。スプリング14aは弾性止17へと付勢されて弾性圧縮される。すなわち、弾性体受けリブ27bに固定された弾性止17によって、弾性止17の中央孔を挿通できるスライドピン15のみが、溝壁27a側へとスライド進入・後退できる構造となる。
【0036】
また、スプリング14aは、ラッチ本体の上面10aと、ラッチケース23の底面及び枠体リブ25でもって構成される内部空間内に配置される。すなわち、スプリング14aの直上はラッチ本体の上面10aによってカバーされており、さらにラッチ本体12の上面10aは、回路基板5が所定のクリアランスC(図6参照)を介して立設されている。言い換えると、弾性部材14と回路基板5は、ラッチ本体の上面10aによって隔離されており、すなわち、ラッチ本体の上面10aが、弾性部材14と回路基板5とを絶縁する隔離部8の役割を担う。また、隔離部8はラッチ部材10を構成する一部であるため、ラッチ部材10と共に移動する。
【0037】
なお、実施の形態においては、弾性部材14としてスプリング14aを用いて、スライドピン15にはめ込むように装着させたが、弾性部材14はスプリングに限定されず、板バネなどを用いることもできる。また、スライドピン15及び弾性部材14の数量も特に限定されず、例えば複数個として、各々のスライドピン15にスプリング14aを装着させることで、ラック機構10の傾きを抑制し、一層安定した機構とすることもできる。
【0038】
(スライド機構)
ラッチ部材10は、ラッチ部材10とラッチケース23に当接する弾性部材14によって弾発付勢されているため、操作部13の動きに合わせて、突起11、11’が周壁21bより突出あるいは引き込むように構成されている。この突起11、11’が、ノートパソコン側の嵌合穴31、31’(図2参照)と係合することによって、電池パック1がノートパソコン30aに掛止した状態で取り付けられる。電池パック1を取り外す場合には、操作者が、操作部13を弾性部材14による弾発付勢方向と反対にスライドさせる。具体的には、操作部13を、電池パック1の内側方向(図9における上側方向)へと押し込むと、操作部13の埋め込みナット16b、16b’が、ラッチケース23のスライド孔24、24’(図8参照)に案内されてスライドされ、これに連動された突起11、11’が、本体ケース20の切り欠き部26、26’内に退避され、ロックが解除される。つまりラッチ状態が解除され、ノートパソコン側との掛止が開放される。
【0039】
(クリアランス)
また、図6、図9に示すように、ラッチ本体12の上面10aと、回路基板5の端縁5aとの間に設けられるクリアランスC(図6参照)、また、ラッチ本体12の外面と、ラッチケース23内面との間に設けられる第2のクリアランスC’(図9参照)は、突起11、11’の移動は阻害せず、かつ弾性部材14の通過は阻害する大きさに設定される。このように、ラッチ部材10と回路基板5との間にクリアランスが設けられることにより、ラッチ部材10の移動によるラッチ部材10の上面10aと回路基板5との摩擦が生じるのを防ぎ、また、この摩擦によるラッチ部材10の移動の阻害を抑止できる。さらに、仮に操作部13の破損ネジのはずれ・ゆるみ等により、ラッチ部材10の固定がはずれたとしても、ラッチケース23や、回路基板5の端縁5aで、ラッチ部材10の浮き上がり・移動を物理的に阻止でき、ラッチ部材10の内面側に位置する弾性部材14がラッチ部材10の外側に表出するのを防止できる。これにより、特に、導電性を有する弾性部材14が表出した場合の、回路基板5との接触による短絡を効果的に抑止できる。
【0040】
上記の電池パック1において、回路基板5は、電池の保護機能に加えて、ラッチ部材10の固定を維持する機能を兼用している。また、ラッチ部材10を、電池パック1と電気機器30との連結あるいは離脱させるラッチ機構のみならず、ラッチ部材の少なくとも一部を絶縁性の隔離部8とし、弾性部材14と回路基板5との絶縁機能を併用させている。これにより、双方の隔離部材を別個に設ける必要がないため、部材の点数を削減でき、絶縁機能の省スペース化、相対的に電池パックの小型化が実現できる。これは、短絡の要因となりうる回路基板5と弾性部材14とを大きく離間させることで不具合を低減するのではなく、双方を積極的に近接させることで部材の固定を安定化させつつ、双方が直接に接触しない構造を採用しているからである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の電池パックは、ノートパソコンやPDA等、携帯型電気機器のバッテリーとして好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電池パック及びノート型パソコンの概略斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電池パック及びノート型パソコンの概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す一部拡大斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電池パックの一部展開斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す一部拡大斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電池パックを示す一部拡大平面図である。
【図10】従来の電池パックのラッチ部材を示す斜視図である。
【図11】従来の電池パックのラッチ部材を示す斜視図である。
【図12】従来の電池パックのラッチ部材を示す一部断面斜視図である。
【図13】従来の電池パックのラッチ部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
1…電池パック
2…電池セル
3…コネクタ
4…リード
5…回路基板
5a…回路基板の端縁
5b、5b’…基板の切り欠き部
6…電池収納領域
7、7’…爪
8…隔離部
9…連結機構
10…ラッチ部材
10a…ラッチ部材(ラッチ本体)の上面
11、11’、111、111’…突起
12…ラッチ本体
12a…ラッチ端面
13…操作部
14…弾性部材
14a…スプリング
15…スライドピン
16、16’…ボルト
16a、16a’…貫通孔
16b、16b’…埋め込みナット
17…弾性止
18、18’…スライドレール
20…本体ケース
21…底カバー
21a…基底部
21b…周壁
22…上カバー
23…ラッチケース
24、24’…スライド孔
25…ラッチケースの枠体リブ
26、26’…切り欠き部
27…ピン受容体
27a…溝壁
27b…弾性体受けリブ
30…電気機器
30a…ノート型パソコンPC
31、31’、32、32’、131、131’…嵌合穴
33…バッテリ取付部
34…ラッチ部材
100…電池パック
101…ラッチ爪
102…ラッチ機構
103…スプリング
104…ノブ
105…回路基板
106…隔壁
107…リブ
C…クリアランス
C’…第2のクリアランス
t…突起の突出量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器(30)本体に脱着自在な連結機構(9)を備える電池パックであって、
電池セル(2)と、
前記電池セル(2)を内蔵する本体ケース(20)と、
前記本体ケース(20)に内蔵され、前記電池セル(2)に接続される回路基板(5)と、
前記電池パックと電気機器(30)本体との連結機構(9)として、
電気機器(30)本体に電池パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁性を有するラッチ部材(10)と、
外力のない状態でラッチ状態を保持するために前記ラッチ部材(10)をラッチ位置に弾性的に付勢するための導電性を有する弾性部材(14)と、
を備えており、
前記ラッチ部材(10)が、前記弾性部材(14)を前記回路基板(5)から絶縁する隔離部(8)を有するよう形成されており、
前記隔離部(8)は、前記ラッチ部材(10)の移動に連動することを特徴とする電池パック。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パックであって、
前記回路基板(5)の端縁(5a)が、前記ラッチ部材(10)に対して当接する姿勢で、かつ回路基板端縁(5a)とラッチ部材(10)との間に、前記弾性部材(14)の通過が阻害される大きさのクリアランス(C)が形成されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電池パックであって、さらに
前記ラッチ部材(10)を物理的に移動させて、ラッチ状態からラッチ解除状態に手動で切り替えるための操作部(13)を備えることを特徴とする電池パック。
【請求項4】
電気機器(30)本体に脱着自在な連結機構(9)を備える電池パックであって、
電池セル(2)と、
前記電池セル(2)を内蔵する本体ケース(20)と、
前記本体ケース(20)に内蔵され、前記電池セル(2)に接続される回路基板(5)と、
前記電池パックと電気機器(30)本体との連結機構(9)として、
電気機器(30)本体に電池パックをラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在としたラッチ部材(10)と、
外力のない状態でラッチ状態を保持するために前記ラッチ部材(10)をラッチ位置に弾性的に移動するための導電性を有する弾性部材(14)と、
を備えており、
前記ラッチ部材(10)は、
前記電気機器(30)本体に対して、ラッチ状態に連結するために突出可能であり、かつ互いに離間して配置された一対の突起(11,11')と、
前記一対の突起(11,11')同士を固定し、該突起(11,11')と共に移動する平板状の絶縁性を有する隔離部(8)と、を備えており、
前記回路基板(5)と前記弾性部材(14)との間に前記隔離部(8)が位置されていることを特徴とする電池パック。
【請求項5】
請求項4に記載の電池パックであって、
さらに、前記回路基板(5)と前記隔離部材(8)との間に、前記弾性部材(14)の通過が阻害される大きさのクリアランス(C)が形成されていることを特徴とする電池パック。
【請求項6】
電池パック(1)に装着可能な電気機器であって、
前記電気機器に内蔵される電子回路を備える回路基板と、
電池パック(1)との連結機構(9)として、
電池パック(1)に電気機器をラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁材であるラッチ部材(34)と、
外力のない状態でラッチ状態を保持するために前記ラッチ部材(34)をラッチ位置に弾性的に移動するための導電材からなる弾性部材と、
を備えており、
前記ラッチ部材(34)が、前記弾性部材を前記回路基板から絶縁する隔離部(8)を有するよう形成されてなることを特徴とする電気機器。
【請求項7】
電池パック(1)を電気機器(30)に装着可能なラッチ構造体であって、
電気機器(30)本体に電池パック(1)をラッチ状態に連結するため、ラッチ位置とラッチ解除位置の間をスライド自在とした絶縁材であるラッチ本体(12)と、
外力のない状態でラッチ状態を保持するために、前記ラッチ本体(12)をラッチ位置に弾性的に移動するための導電材からなる弾性部材(14)と、
前記ラッチ本体(12)と連結され、前記ラッチ本体(12)をラッチ状態からラッチ解除状態に手動で切り替えるための操作部(13)と、
を備えており、
前記ラッチ本体(12)は、前記電池パック(1)に内蔵された回路基板(5)と、前記弾性部材(14)とを絶縁する隔離部(8)を有するよう形成されており、
前記回路基板(5)の端縁(5a)が、前記ラッチ本体(12)に対して当接する姿勢で、かつ回路基板端縁(5a)とラッチ本体(12)との間に、前記弾性部材(14)の通過が阻害される大きさのクリアランス(C)が形成されてなることを特徴とするラッチ構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−288138(P2008−288138A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134096(P2007−134096)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】