説明

電池充電コントローラおよび電池バランス充電コントローラ

【課題】本発明は電池のバランス充電を達成するための電池充電コントローラを開示する。
【解決手段】電池バランス充電コントローラは、電池参照電圧発生装置、電圧バランスモジュール及びバランス判断回路を含み、電池参照電圧発生装置が提供する参照電圧で電池モジュールのうちのどの電池ユニットの電池電圧が不足しているのかを判断すると共に、バランス判断回路で電圧バランスモジュールを制御して、各電池の電圧を一致させるように、低電圧の電池ユニットの充電電流を高電圧の電池ユニットの充電電流より大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池充電コントローラ及び電池バランス充電コントローラに関し、特に電池をバランス充電する電池バランス充電コントローラ、及びその電池バランス充電コントローラを応用した電池充電コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯式電子機器の発展に伴い、充電式電池の需要も高まっている。充電式電池は、従来のニッケルカドミニウム蓄電池、その後続けて開発されたニッケル水素蓄電池、リチウムイオン二次電池、及び最新型のリチウムポリマー(Li−Polymer)電池を含む。異なる種類の充電式電池が提供する電圧も同様ではなく、携帯式電子機器に必要な操作電圧も異なっている。そのため、電池製造業者は、携帯式電子機器の操作電圧に合わせて、いくつかの電池を直列に連結させる電池モジュールにし、必要な電圧を提供する。
【0003】
電池モジュールが貯蔵している電気エネルギーを消耗した時、充電器を用いて再び充電して、再度使用できる。しかし、電池は、製造や使用によって蓄電量の相違が生じる。例を挙げると、7.4Vリチウム電池モジュールは、2つの3.7Vのリチウム電池を直列連結させて組み合わさっている。出荷する際、2つの電池の蓄電量はそれぞれ80%と70%である。リチウム電池は、充電しすぎると電池本体を損なうため、リチウム電池充電器が、どちらか1つのリチウム電池が満充電である時、すぐ充電を停止すると、この時、2つの電池の蓄電量はそれぞれ100%(充放電範囲の最上限値)と90%である。しかし、使用時には、どちらか1つの電池蓄電量が0%(充放電範囲の最下限値)まで下がると、電池モジュールはすぐに使用できなくなるため、この2つの電池の蓄電量がそれぞれ10%と0%まで下がった時、再び充電しなければまた使用することはできない。
【0004】
上述の例から分るように、電池モジュールの電池の蓄電量が異なる時、電池モジュールの実際に使用できる電気エネルギーは、蓄電量が最低の電池によって決まる。しかし、上述の出荷時、電池モジュールの各電池の蓄電量が異なる以外、電池は未使用時にも自然放電するため、全ての電池の自然放電の速度が異なる状況下では、各電池の間の蓄電量が次第にアンバランスになり、電池モジュールの実際の使用可能な電気エネルギーも、電池の使用時間に伴って徐々に少なくなり、電池モジュールの充電効率の低下、使用時間の短縮などを招く。
【0005】
図1を参照すると、これは、IntersilがそのISL9208の商品仕様書(Datasheet)の中で提示するデジタル電池バランスコントローラである。デジタル電池バランスコントローラ10は、電池バランスマイクロプロセッサ5及びトランジスタスイッチS1−S7を含む。トランジスタスイッチS1−S7はそれぞれ、抵抗器R1−R7を通して電池BAT1−BAT7と並列する。電池BAT1−BAT7の電圧レベルはアナログ−デジタル変換回路(A/D Converter)を通して、デジタル信号に転換され、その電池バランスマイクロプロセッサ5は、電池BAT1−BAT7の電圧レベルのデジタル信号に基づいて、内蔵の演算法を通して比較し、そのうち電圧レベルが高いほうの電池を出し、高いほうの電圧の電池と並列するトランジスタスイッチをオンにし、各電池の充電電流に、各電池の電圧に基づいて調整し、バランス充電を達成する機能を与える。
【0006】
しかし、電池電圧がデジタルの電池バランスマイクロプロセッサ5が処理を行うことができるように、アナログ−デジタル変換回路を経由して、デジタル信号に転換しなければならない。しかし、アナログ−デジタル変換回路が、そのデジタル電池バランスコントローラ10のチップサイズを大幅に増加するため、コストが相当に高くなるのが欠点である。また、デジタルの電池バランスマイクロプロセッサ5は、当初の設計に限られるため、例えば、ISL9208は、5から7つの電池セルが組み合わさった電池モジュールしか支援できず、応用範囲もその制限を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のデジタル電池バランスコントローラのコストが高額である問題の見地から、本発明はアナログの電池充電コントローラを使用して、電池のバランス充電を達成した。アナログの判断回路はアナログ−デジタル変換回路に比べて、そのチップサイズが相当に小さく、コスト面でも相当優勢であり、しかも任意で異なる電池数量を組み合わせて組成される電池モジュールは、応用できる範囲も相当に広い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述のメリットを達成するために、本発明は、電池バランス充電コントローラ、第1電池及び第2電池をバランスよく充電を提供し、そのうち上記第1電池のマイナス端子と第2電池のプラス端子は、電気的に接続して接続点を形成し、上記第1電池のプラス端子は第1端子を形成し、上記第2電池のマイナス端子は第2端子を形成する。上記電池バランス充電コントローラは、電池参照電圧発生装置、電圧バランスモジュール、及びバランス判断回路を含む。上記電池参照電圧発生装置は、上記第1端子及び第2端子の間に接続され、上レベル参照電位、下レベル参照電位を提供し、その上レベル参照電位は下レベル参照電位より高い。上記電圧バランスモジュールは、第1バランス電流ユニット及び第2バランス電流ユニットを含み、第1バランス電流ユニットは上記第1端子と接続点を接続し、上記第2バランス電流ユニットは、上記第2端子と接続点を接続する。上記バランス判断回路は、上記接続点、上記電池参照電圧発生装置、及び上記電圧バランスモジュールを接続し、上記バランス判断回路は、接続点の電位、上レベル参照の電位、及び下レベル参照の電位に基づいて、第1電池及び第2電池の電圧のバランスがとれているかを判断し、第1電池及び第2電池の電圧がアンバランスであると判断した場合には、電圧バランスモジュールが、第1バランス電流ユニットまたは第2バランス電流ユニットを通して、バランス電流を第1電池及び第2電池の電圧の低いほうへ提供する。
【0009】
本発明はまた、電池充電コントローラを提供し、複数個の電池ユニットを有する電池モジュール充電に対して用いられ、上記電池充電コントローラは、各電池ユニットのプラス端子及びマイナス端子を接続する。上記電池充電コントローラは、電池充電コントロールユニット及び電池バランス充電コントロールユニットを含む。上記電池充電コントロールユニットは、電池電流検知信号及び電池電圧検知信号に基づいて、上記電池モジュールの充電電流の大きさをコントロールし、イネーブル信号を生じる。上記電池バランス充電コントロールユニットは、各電池ユニットのプラス端子及びマイナス端子及び上記電池充電コントロールユニットを接続し、上記イネーブル信号を受信した時は、N個の直列の上記電池ユニットの電圧によって、これらN個の直列する上記電池ユニットの充電電流の大きさを調整するかどうかが決まり、そのうち最低電圧の電池ユニットの充電電流を、最高電圧の電池ユニットより大きくし、そのうちNは整数で、且つ1より大きい。
【0010】
本発明はまた、電池バランス充電コントローラを提供し、直列する複数個の電池ユニットの充電電流の大きさを調節するのに使われる。この電池バランス充電コントローラは、電池参照電圧発生装置、電圧バランスモジュール、及びバランス判断回路を含む。上記電池参照電圧発生装置は、上記の直列する複数個の電池ユニットのプラス端子、及びマイナス端子に接続され、複数組の上レベル参照電位、下レベル参照電位を提供し、各組の中の上レベル参照電位は、下レベル参照電位より高い。上記電圧バランスモジュールは、上記電池モジュールのプラス端子、及びマイナス端子、及びどれか2つの電池ユニットの複数個の接続点を接続する。上記バランス判断回路は、これら接続点、上記電池参照電圧発生装置、及び上記電圧バランスモジュールを接続し、上記バランス判断回路は、これら接続点電位、これら上レベル参照電位、及びこれら下レベル参照電位に基づいて、各電池ユニットの充電電流の大きさを調整するかが決まる。
【0011】
以上の概述と以下の詳細説明は、共に模範的性質を持ち、本発明の特許申請範囲をより一層説明するためである。本発明に関連するその他の目的とメリットは、後半の説明と図式で詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のデジタル電池バランスコントローラの回路概略図である。
【図2】(A)は、本発明の好ましい実施例による電池バランス充電コントローラの回路概略図を示し、(B)は、本発明の別の好ましい実施例による電池バランス充電コントローラの回路概略図を示している。
【図3】本発明のバランス判断回路の判断信号の概略図である。
【図4】本発明の別の好ましい実施例による電池バランス充電コントローラの回路概略図である。
【図5】本発明の別の好ましい実施例による電池バランス充電コントローラの回路概略図である。
【図6】本発明の電池バランス充電コントローラを内蔵した電池充電コントローラの回路概略図である。
【図7】本発明の電池バランス充電コントローラを内蔵した別の電池充電コントローラの回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図2(A)を参照すると、これは本発明の比較的好ましい実施例に基づく電池バランス充電コントローラである。上記電池バランス充電コントローラ100は、電池参照電圧発生装置(包含第1抵抗器Ra、第2抵抗器Rb、第3抵抗器Rc)、バランス判断回路180、及び電圧バランスモジュール190を含む。上記第1抵抗器Raは、第1電池ユニットBAT1のプラス端子(第1端子)まで接続され、上記第3抵抗器Rcは、第2電池ユニットBAT2のマイナス端子(第2端子)まで接続され、そのうち、上記第2抵抗器Rbは、上記第1抵抗器Raを接続して、上レベル参照電位V+を生じ、また上記第3抵抗器Rcを接続して、下レベル参照電位V−を生じ、上記第1抵抗器Ra及び第3抵抗器Rcの電気抵抗率は等しいが、上記第2抵抗器Rbの電気抵抗率は第1抵抗器の電気抵抗率より小さく、比較的好ましいのは、Ra:Rb:Rc=100:1:100である。上記電圧バランスモジュール190は、第1バランス電流ユニット、及び第2バランス電流ユニットを含み、上記第1バランス電流ユニットは、上記第1端子と第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点とを接続し、上記第2バランス電流ユニットは、上記第2端子と上記接続点を接続し、それによってバランス電流を提供し、それは上記第1バランス電流ユニットまたは第2バランス電流ユニットを流れる。そのうち上記第1バランス電流ユニットは、第1スイッチQ1を含み、また上記第2バランス電流ユニットは、第2スイッチQ2を含み、上記第1スイッチQ1は、上記第1電池ユニットBAT1のプラス端子の上記第1端子と上記第1電池ユニットBAT1、及び上記第2電池ユニットBAT2の接続点まで接続され、上記第2スイッチQ2は、上記第2電池ユニットBAT2のマイナス端子の上記第2端子と上記接続点まで接続される。上記第1スイッチQ1または上記第2スイッチQ2に流れる電流の大きさを制限するために、比較的好ましいのは、上記電圧バランスモジュール190が抵抗器Rextを通って上記接続点まで接続され、このように過大な充電電流、電池の破壊や、電池バランス充電コントローラ100が過熱するのを防ぐことができる。
【0014】
上記バランス判断回路180は、上記電池参照電圧発生装置及び上記電圧バランスモジュール190の間に接続され、第1コンパレータ110、第2コンパレータ115、NANDゲート120、及びANDゲート125を含む。上記第1コンパレータ110のノンインバータ端子は、上記第2抵抗器Rb及び第3抵抗器Rcの接続点を接続し、インバータ端子は、上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点を接続する。上記第2コンパレータ115のインバータ端子は、上記第2抵抗器Rb及び第1抵抗器Raの接続点を接続し、ノンインバータ端子は、上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点を接続する。
【0015】
電池バランス充電コントローラ100を正常に操作することを確保するために、電池バランス充電コントローラ100は更に処理装置105を含み、その処理装置105は、過温保護ユニット、低電圧ロックユニット、及びイネーブル検知回路を含む。この過温保護ユニットは、電池バランス充電コントローラ100の温度を検知し、その温度が過温保護温度を超えた後、上記過温保護ユニットは、過温保護信号を発し、電池バランス充電コントローラ100が過度に熱くなり破損するのを防ぐ。上記低電圧ロックユニットは、上記第1電池ユニットBAT1のプラス端子及び上記第2電池ユニットBAT2のマイナス端子を接続し、この二端の電位の差が、予定したイネーブル電圧より低い時、上記低電圧ロックユニットは、低電圧信号を発し、操作電圧が不足した時、電池バランス充電コントローラ100が正常に動作しなくなるのを防ぐ。上記イネーブル検知回路は、高レベルのイネーブル信号EAを受信した後、上記電池バランス充電コントローラ100を始動し、電池バランス充電コントローラ100が、上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2が充電状態に入った時初めて動作するように確保する。従って、イネーブル信号EA(またはイネーブル信号EAが低レベルである)がない時、電池バランス充電コントローラ100が内蔵する回路はほどんとスイッチオフ(Off)状態であるため、電池バランス充電コントローラ100は電気をほぼ消耗しない。このため、電池充電状態でない時、電池バランス充電コントローラ100は電池の電力を消耗せず、好ましい省エネのメリットを得る事ができる。
【0016】
上記NANDゲート120は、上記処理装置105及び第1コンパレータ110を接続し、処理装置105及び第1コンパレータ110が送信する信号に基づいて、上記第1スイッチQ1の切換えをコントロールする。上記NANDゲート120が送信する信号のレベルが過度に低く、上記第1スイッチQ1を破損するのを防ぐため、上記NANDゲート120は、上記第2電池ユニットBAT2マイナス端子電圧より高い電圧Vr1に接続でき、過度に低レベルの信号を送信するのを防ぐ。上記ANDゲート125は、上記処理装置105及び第2コンパレータ115を接続し、処理装置105及び第2コンパレータ115が送信する信号に基づいて、上記第2スイッチQ2の切換えをコントロールする。上記ANDゲート125が送信する信号のレベルが過度に高くなり、上記第2スイッチQ2を破損するのを防ぐため、上記ANDゲート125は、上記第1電池ユニットBAT1プラス端子の電圧より低い操作電圧Vr2に接続でき、過度に高レベルの信号を送信するのを防ぐ。上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2が同時にオンになって、大きな電流が流れたりして上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2を破損するのを防ぐため、電池バランス充電コントローラ100は遅延ユニットを含むことができ、上記バランス判断回路180及び電圧バランスモジュール190を接続し、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2のどちらかがオンになるタイミングを、もう一つのオフになるタイミングより予定された時間遅れて、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2が同時にオンになる問題を防ぐ。
【0017】
続いて、電池バランス充電コントローラ100の操作を説明する。イネーブル信号EAが高レベルで、上記電池モジュールの上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2が、充電状態に入ることを表す時、上記処理装置105は、上記電池モジュールの第1端子(即ち第1電池のプラス端子)及び第2端子(即ち第2電池のマイナス端子)の電圧差が、予定されたイネーブル電圧より低いかどうか、また電池バランス充電コントローラ100の温度が過度に高すぎないかどうか等の異常状態を判断する。もし全て正常であれば、上記処理装置105は高レベル信号を発信して、電池バランス充電コントローラ100の起動を開始するか、そうでなければ、低レベル信号を発信して、電池バランス充電コントローラ100の運転を停止する。
【0018】
仮に、充電する上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2が、共にリチウム電池で、定額電圧が3.7V、充電完了時の電圧が4.2V、また現在上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の電圧はそれぞれ2.8Vと2.5Vであるとする。上記電池モジュールが充電台で充電されている時、その電池モジュールが提供する電圧は5.3V(=2.8V+2.5V)であり、このため上記上レベル参照電位V+は5.3V*(Rb+Rc)/(Ra+Rb+Rc)≒2.663Vで、上記下レベル参照電位V−は5.3V*Rc/(Ra+Rb+Rc)≒2.639Vで、そのうちRa:Rb:Rc=100:1:100である。この時、上記第1電池ユニットBAT1と第2電池ユニットBAT2の接続点の電圧信号DETは2.5Vで、このため、上記第1コンパレータ110は高レベルの第1比較信号を送信し、上記第2コンパレータ115は低レベルの第2比較信号を送信する。特に異常がない状態では、上記処理装置105はまた高レベル信号を送信し、このように、上記ANDゲート125は低レベル信号を送信して、上記第2スイッチQ2(本実施例ではN型MOSFET)をオフし、上記NANDゲート120は低レベル信号を送信して、上記第1スイッチQ1(本実施例ではP型MOSFET)をオンし、バランス充電電流は第1スイッチQ1を流れる。このように、低いほうの電池電圧の上記第2電池ユニットBAT2は、高いほうの電池電圧の上記第1電池ユニットBAT1の充電電流に、バランス充電電流を1つ増やし、それによって充電過程は、徐々に2つの電池の電池電圧を近づけることができる。上述の例は、上記接続点の電圧信号DETの電位が、上記下レベル参照電位V−より低い時、上記バランス充電電流は第1スイッチQ1を流れることを表す。また上記接続点の電圧信号DETの電位が上記上レベル参照電位V+より高い時,上記第1電池の電池電圧は比較的低く、上記バランス充電電流は上記第2スイッチQ2を流れる。
【0019】
本発明は、利用抵抗器の分圧を利用しているので、抵抗器の電気抵抗率の割合によって参照電位を生じ、上記バランス充電電流が均等に充電しているかどうかを判断し、従って、上記第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニット2の電池電圧の差が予定された比率まで近づいた後、電池バランス充電コントローラ100は、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2をオフし、上述の例では、その予定された比率は1%である。
【0020】
上記第1電池ユニットBAT1と第2電池ユニットBAT2の電池電圧が充電過程にあったり、(上記バランス充電電流が上記電圧バランスモジュール190を流れることや、またはその他の要素のために)電池バランス充電コントローラ100の温度が予定の過温保護温度より高くなる、或いは(回路異常のために)電池バランス充電コントローラ100の操作電圧を予定されたイネーブル電圧より低くなる時、イネーブル信号EAを低レベルの状態に変化させて、上記処理装置105は、低レベル信号を送信して上記電池バランス充電コントローラを、上述の状態が解除されるまで停止する。回路上のいくつかのノイズで、上記接続点の電圧信号DETのレベルを上記下レベル参照電位V−より低くし、同時に上記上レベル参照電位V+より高くする可能性があるので、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2は同時にオンになる恐れがある。このため、電池バランス充電コントローラ100は、第1遅延器130及び第2遅延器135によって組成される遅延ユニットを増加して、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2が同時にオンになるという問題を防ぐ。例えば、上記NANDゲート120が低レベル信号を送信して、上記第1スイッチQ1をオンにすると同時に、上記ANDゲート125は低レベル信号を送信し、上記第2スイッチQ2をオフする。そして、上記NANDゲート120が送信した信号を高レベルに変更し、上記第1スイッチQ1をオフするが、上記ANDゲート125は、上記NANDゲート120の送信した高レベル信号が上記第1遅延器130を通し、予定された遅延時間を過ぎた後、上記ANDゲート125に伝送され、その後初めて高レベル信号を送信して上記第2スイッチQ2をオンにする。従って、上記第2スイッチQ2をオフするタイミングは上記第1スイッチQ1をオンするタイミングより予定された遅延時間を遅れるので、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2が同時にオンになるという問題を防ぐことができる。同様に、上記ANDゲート125が高レベル信号を送信して上記第2スイッチQ2をオンにすると同時に、上記NANDゲート120に高レベル信号を送信させ、上記第1スイッチQ1をオフする。そして、上記ANDゲート125が送信した信号を低レベルに変更し、上記第2スイッチQ2をオフするが、上記NANDゲート120は、上記ANDゲート125の送信した高レベル信号が上記第2遅延器135を通して、予定された延長時間を過ぎた後、上記NANDゲート120に伝送され、その後初めて低レベル信号を送信し、上記第1スイッチQ1をオンにする。このように、上記第1スイッチQ1及び第2スイッチQ2のどちらかがオンになるタイミングが、もう一方がオフになるタイミングより予定された時間遅くなるように確保し、同時にオンになるという問題を防ぐ。
【0021】
その他、各電池の貯蓄電力を更に接近させるために、図2(B)を参照するが、これは本発明の比較的好ましい実施例に基づいた電池バランス充電コントローラである。図2(A)の実施例を比較すると、上記電池バランス充電コントローラ100は更に、第1マルチプレクサ140及び第2マルチプレクサ145を含むことができる。その他、第4抵抗器Rdと第5抵抗器Reを増加し、上記第1抵抗器Ra、第2抵抗器Rb、第3抵抗器Rcで電池参照電圧発生装置160を構成する。第4抵抗器Rdと第5抵抗器Reは、上記第1電池ユニットBAT1のプラス端子及び第2電池ユニットBAT2のマイナス端子の間に直列連結され、また第4抵抗器Rdと第5抵抗器Reの接続点にバランス参照電位Vを発生し、第4抵抗器Rdと第5抵抗器Reの電気抵抗率は同じであるため、バランス参照電位Vは、第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の平均電圧電位に等しい。
【0022】
上レベル参照電位V+及びバランス参照電位Vは、それぞれ上記第2マルチプレクサ145の入力端まで伝送され、下レベル参照電位V−及びバランス参照電位Vは、それぞれ上記第1マルチプレクサ140の入力端まで伝送される。上記第2マルチプレクサ145の選択端子Sは、上記ANDゲート125の出力信号を受信し、出力端は、第2コンパレータ115のインバータ端子まで接続される。上記第2マルチプレクサ145は、上記ANDゲート125の送信する信号が高レベルである時、バランス参照電位Vを選択して出力し、上記ANDゲート125の送信する信号が低レベルである時、上レベル参照電位V+を選択して出力する。上記第1マルチプレクサ140の選択端子Sは、上記NANDゲート120の出力信号を受信し、出力端は第1コンパレータ110のノンインバータ端子まで接続される。上記第1マルチプレクサ140は、上記NANDゲート120の送信する信号が高レベルである時、バランス参照電位Vの送信を選択して出力し、上記NANDゲート120の送信する信号が低レベル時、下レベル参照電位V−を選択して出力する。
【0023】
電池バランス充電コントローラ100が動作する時、もし接続点の電圧信号DETが上レベル参照電位V+より高ければ、第2スイッチQ2がオンになり、バランス電流は第2スイッチQ2を流れ、第2マルチプレクサ145は、バランス参照電位Vを選択して送信する。このため、第2コンパレータ115は、バランス参照電位Vと電圧信号DETを比較する。電圧信号DETがバランス参照電位Vのレベルまで下がった後、第2マルチプレクサ145は、上レベル参照電位V+を選択して送信する。第2コンパレータ115は、上レベル参照電位V+及び電圧信号DETを比較することに回復する。
【0024】
反対に、電池バランス充電コントローラ100が動作する時、もし接続点の電圧信号DETが下レベル参照電位V−より低ければ、第1スイッチQ1はオンになり、バランス電流が第1スイッチQ1に流れ、第1マルチプレクサ140はバランス参照電位Vを選択して送信する。このため、第1コンパレータ110は、バランス参照電位V及び電圧信号DETを比較する。電圧信号DETがバランス参照電位Vのレベルまで上がった後、第1マルチプレクサ140は、下レベル参照電位V−を選択して送信する。第1コンパレータ110は、下レベル参照電位V−及び電圧信号DETを比較することに回復する。
【0025】
更に明晰に図2(B)が示す実施例の回路動作を説明するために、図3を参照するが、これは本発明のバランス判断回路が信号を判断する概略図で、そのうち黒い実線で、電池バランス充電コントローラ100の操作時の判断参照電位を表す。タイミングt0において、電池バランス充電コントローラ100は始動し、この時、電池電圧が判断する上下レベル参照電位はそれぞれ上レベル参照電位V+及び下レベル参照電位V−である。初期の電圧信号DETは、下レベル参照電位V−よりも低いため、上下レベル参照電位は、上レベル参照電位V+及びバランス参照電位Vに変化する。その後、電圧信号DETは、バランス充電のために徐々に上昇し、タイミングt1ではバランス参照電位Vまで上がり、この時電池バランス充電コントローラ100は、バランス充電を停止し、上下レベル参照電位は、上レベル参照電位V+及び下レベル参照電位V−に回復する。しかし、電池充電の過程には若干アンバランスがあるため、電圧信号DETは徐々に上昇し、タイミングt2では上レベル参照電位V+まで上がる。この時、電池バランス充電コントローラ100は再度バランス充電を行い、また上下レベル参照電位は、バランス参照電位Vと下レベル参照電位V−に変化する。電圧信号DETは、バランス充電のためバランス参照電位Vに接近し、それはタイミングt3がバランス参照電位Vに戻るまで続き、この時電池バランス充電コントローラ100は再度バランス充電を停止し、上下レベル参照電位は、上レベル参照電位V+及び下レベル参照電位V−に回復する。
【0026】
このため、上述のように、もし接続点の電圧信号DETは上レベル参照電位V+より高い、または下レベル参照電位V−より低いから、電池バランス充電コントローラ100が第1状態(即ち第1電池ユニットBAT1と第2電池ユニットBAT2との電圧差が予定された割合より高い)である時、電池バランス充電コントローラ100がオンになり、バランス電流を第1電池ユニットBAT1と第2電池ユニットBAT2の中の電圧が低いほうへ提供し、電池電圧の低いほうの充電電流が、電池電圧の高いほうの充電電流より大きくなり、それは2者の電池電圧が同じになるまで続く。もし接続点の電圧信号DETが上レベル参照電位V+と下レベル参照電位V−の間に介在するから、電池バランス充電コントローラ100が第2状態(即ち第1電池ユニットBAT1と第2電池ユニットBAT2の電圧差が予定された割合以内である)に入る時、電池バランス充電コントローラ100は、バランス電流を停止する。
【0027】
上述の実施例において、第1電池ユニットBAT1と第2電池ユニットBAT2のバランスのよい充電の判断は、それぞれ上レベル参照電位V+とバランス参照電位V(第1組の電池バランス判断信号)、及びバランス参照電位Vと下レベル参照電位V−(第2組の電池バランス判断信号)に基づき、そのうち第1組の電池バランス判断信号と第2組の電池バランス判断信号は、バランス参照電位Vを共用する。実際の応用においては、第1組の電池バランス判断信号と第2組の電池バランス判断信号はまた、いくつかの回路上の誤判を回避できるように参照電位を共用しなくてもよい。
【0028】
図4を参照すると、これは本発明のもうひとつの比較的好ましい実施例に基づく電池バランス充電コントローラ回路の概略図である。図2の実施例を比較すると、第1組の電池バランス判断信号は、上高レベル参照電位V++及び上低レベル参照電位V+−で、第2組の電池バランス判断信号は、下高レベル参照電位V−+及び下低レベル参照電位V−−で、そのうち上高レベル参照電位V++は上低レベル参照電位V+−より高く,下高レべル参照電位V−+は下低レベル参照電位V−−より高い。比較的好ましい状況は、上低レベル参照電位V+−はまた下高レベル参照電位V−+よりも高いことである。電池参照電圧発生装置160’は抵抗器Ra’、Rb’、Rc’、Rd’、Re’を含み、それによって上記上高レベル参照電位V++、上低レベル参照電位V+−、下高レベル参照電位V−+及び下低レベル参照電位V−−を発生する。第1マルチプレクサ140の入力端は、上記下高レベル参照電位V−+及び下低レべル参照電位V−−を接続し、選択端子は、上記NANDゲート120の出力端を接続し、出力端は第1コンパレータ110のノンインバータ端子まで接続され、第1コンパレータ110のインバータ端子は上記電圧信号DETを受信する。電圧信号DETが下低レベル参照電位V−−より低い時、第1スイッチQ1がオンになり、バランス電流が第1スイッチQ1を通して上記第2電池ユニットBAT2に流れる。第2マルチプレクサ145の入力端は、上記上高レベル参照電位V++及び上低レベル参照電位V+−を接続し、選択端子は、上記ANDゲート125の出力端を接続し、出力端は、第2コンパレータ115のインバータ端子まで接続され、第2コンパレータ115のノンインバータ端子は、上記電圧信号DETを受信する。電圧信号DETが上高レベル参照電位V++より高い時、第2スイッチQ2がオンになり、バランス電流は第2スイッチQ2を通して上記第1電池ユニットBAT1に流れる。
【0029】
本発明の電池バランス充電コントローラは、2個の直列する電池ユニットのバランスのとれた充電に使用できるのみならず、同時に3個以上の直列する電池ユニットのバランスのとれた充電にも使用できる。(N+1)個の直列形式で接続される電池ユニットに対する時、N個の電池バランス充電コントローラが使用でき、どちらか2個の相互に接続される電池ユニットは共に一組のバランス判断回路を有し、また電池参照電圧発生装置160によって対応する複数組の電池バランス判断信号が生産され、それによって、バランス充電が行われるかどうか、また電圧バランスモジュールをコントロールすることでバランス充電を達成できるかどうかを判断し、各組電池バランス判断信号は、少なくとも1つのバランス判断信号、または多数のバランス判断信号を含み、例えば、上述のように、それは2個のバランス判断信号であり、且つ各組電池バランス判断信号の間には部分的な信号が共用されることでもよい。
【0030】
図5を参照すると、これは本発明のもう一つの比較的好ましい実施例に基づく電池バランス充電コントローラの回路概略図である。電池バランス充電コントローラは、電池参照電圧発生装置160”、バランス判断回路180’、及び電圧バランスモジュール190’を含み、それによって3個の直列する第1電池ユニットBAT1、第2電池ユニットBAT2、第3電池ユニットBAT3の充電のバランスをとる。電池参照電圧発生装置160”は、第1電池ユニットBAT1のプラス端子、第3電池ユニットBAT3のマイナス端子、第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点の電圧信号DET1、第2電池ユニットBAT2及び第3電池ユニットBAT3の接続点の電圧信号DET2に接続され、また、2個の抵抗器Ri、2個の抵抗器Riiによって直列の方式でそれぞれ第1抵抗器組及び第2抵抗器組が構成され、そのうち抵抗器Riの抵抗値は、抵抗器Riiの抵抗値(例えば、Ri:Rii=100:1)より大きい。第1抵抗器組は、第1電池ユニットBAT1のプラス端子、及び第2電池ユニットBAT2及び第3電池ユニットBAT3の接続点の間に接続され、それによって第1上レベル参照電位V1+、第1下レベル参照電位V1−、第1バランス参照電位V1を提供し、第2抵抗器組は、第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点、及び第3電池ユニットBAT3のマイナス端子の間に接続され、これによって第2上レベル参照電位V2+、第2下レベル参照電位V2−、及び第2バランス参照電位V2を提供する。そのうち、第1上レベル参照電位V1+及び第1バランス参照電位V1は、第1組の電池バランス判断信号であり、第1下レベル参照電位V1−及び第1バランス参照電位V1は、第2組の電池バランス判断信号であり、第2上レベル参照電位V2+及び第2バランス参照電位V2は第3組の電池バランス判断信号であり、第2下レベル参照電位V2−及び第2バランス参照電位V2は第4組の電池バランス判断信号である。上記バランス判断回路180’は、第1バランス判断回路ユニット180a及び第2バランス判断回路ユニット180bを含む。上記電圧バランスモジュール190’は、第1電圧バランスユニット190a及び第2電圧バランスユニット190bを含む。第1電圧バランスユニット190aは、第1電池ユニットBAT1のプラス端子、及び第2電池ユニットBAT2及び第3電池ユニットBAT3の接続点の間に接続され、また抵抗器Rext1を通って、第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続端まで接続される。第2電圧バランスユニット190bは、第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点、及び第3電池ユニットBAT3のマイナス端子の間に接続され、また抵抗器Rext2を通って、第2電池ユニットBAT2及び第3電池ユニットBAT3の接続端まで接続される。
【0031】
上記第1バランス判断回路ユニット180aは、第1電池ユニットBAT1のプラス端子及び、第2電池ユニットBAT2と第3電池ユニットBAT3の接続点に接続され、また受信する第1上レベル参照電位V1+、第1下レベル参照電位V1−、第1バランス参照電位V1に基づいて、第1電圧バランスユニット190aをコントロールし、それによって、抵抗器Rext1を通じて、バランス電流が発生し、第1電池ユニットBAT1または第2電池ユニットBAT2まで流れるかどうか決定する。上記第2バランス判断回路ユニット180bは、第1電池ユニットBAT1及び第2電池ユニットBAT2の接続点、及び第3電池ユニットBAT3のマイナス端子を接続し、また受信する第2上レベル参照電位V2+、第2下レベル参照電位V2−、第2バランス参照電位V2に基づいて、第1電圧バランスユニット190bをコントロールし、それによって、抵抗器Rext2を通じて、バランス電流が発生し、第2電池ユニットBAT2または第3電池ユニットBAT3まで流れるかどうかを決定する。従って、バランス判断回路180’を通して、電圧バランスモジュール190’が、低いほうの電圧の電池ユニットに対してバランス電流充電を増やすかどうか判断且つコントロールし、3個の電池ユニットには、最低電圧の電池ユニットの充電電流は、最高電圧の電池ユニットのものより大きくなり、それは3個の電池ユニットの電圧が予定された割合内になるまで続く。
【0032】
その他、電池バランス充電コントローラ100は更に保護コンパレータ170を含むことができ、上記保護コンパレータ170のノンインバータ端子は電圧信号DET2を受信し、インバータ端子は参照電圧Vrefを受信する。上記参照電圧Vrefは、0V以上だが、一般電池が可能な最小電圧より小さく、例えば0.5Vなどである。このように、電圧信号DET2のピンがアースしていれば、すぐに電池バランス充電コントローラ100の動作を停止できる。
【0033】
本発明の電池バランス充電コントローラはまた、一般の電池充電コントローラ内に内蔵され得る。図6を参照すると、これは本発明の電池バランス充電コントローラを内蔵した電池充電コントローラ回路の概略図で、それは各電池ユニットのプラス端子及びマイナス端子を接続し、それによって複数個の電池ユニットを有する電池モジュール充電に対応する。電池モジュールは、直列する第1電池ユニットBAT1、第2電池ユニットBAT2、第3電池ユニットBAT3、第4電池ユニットBAT4、及び第5電池ユニットBAT5を含む。電池充電コントローラ200は、電池バランス充電コントロールユニット100’、及び電池充電コントロールユニット210を含み、この実施例においては、電池バランス充電コントロールユニット100’は、複数個の図5に示される電池バランス充電コントローラを含み、それぞれ第1電池バランス充電コントローラ100a、第2電池バランス充電コントローラ100b、及び第3電池バランス充電コントローラ100cである。上記第1電池バランス充電コントローラ100aは、第1電池ユニットBAT1、第2電池ユニットBAT2と第3電池ユニットBAT3の充電のバランスをとるために用いられ、上記第2電池バランス充電コントローラ100bは、第3電池ユニットBAT3、第4電池ユニットBAT4と第5電池ユニットBAT5の充電のバランスをとるために用いられ、第3電池バランス充電コントローラ100cは使用されず、そのためアースし、動作しなくなる。
【0034】
電池充電コントロールユニット210は、一般的によくある電池充電コントローラにもでき、電池モジュール電圧を検知する電圧検知回路220を利用して生産される電圧検知信号Vse及び、電池モジュール充電電流を検知する電流検知抵抗器Rseが生産する電流検知信号Iseに基づいて、充電の過程をコントロールする。よくある充電方式には、定電圧定電流(CV/CC)充電、定電流定電圧(CC/CV)充電、またはその他の充電方式などがある。これら充電方式は、大体スピード充電の第1充電モード及び、満充電の第2充電モードに区別でき、第1充電モードにおいて、速やかに電池モジュールに対して充電を行うために、平均的に第2充電モードより高い充電電流を提供して充電を行う。定電圧定電流(CV/CC)充電方式を例に挙げると、上記第1充電モードは、定電圧充電モードであり、上記第2充電モードは、定電流充電モードである。もし定電流定電圧(CC/CV)充電方式ならば、上記第1充電モードは定電流充電モードであり、上記第2充電モードは定電圧充電モードである。
【0035】
電池充電コントロールユニット210は、充電過程において、状態に基づいて、バランス充電のイネーブル信号EAを発生し、電池バランス充電コントロールユニット100’に動作を開始させ、充電過程において、過熱、断線、短絡等の回路の異常状態があれば、上記イネーブル信号EAの発生を停止し、また電池バランス充電コントロールユニット100’の動作を停止することができる。その他、電池充電コントロールユニット210もまた、異なる充電方式による異なる段階での充電特性に基づいて、例えば第1充電モードまたは第2充電モードといった、特定の充電モードに設計され、そこで初めて上記イネーブル信号EAを発生できる。
【0036】
上記イネーブル信号EAを受信する時、上記第1電池バランス充電コントローラ100a及び第2電池バランス充電コントローラ100bは、バランス充電を行い始め、直列の複数個の電池ユニット中において、対応する電池ユニットを検知し、最高電圧の電池ユニットと最低電圧の電池ユニットの電圧差が予定された割合を超える時、充電電流を調整し始め、最低電圧の電池ユニットの充電電流を、最高電圧の電池ユニットより大きくし、それは最低電圧の電池ユニットが上昇して最高電圧と等しくなる時まで続く。本実施例においては、上記第1電池バランス充電コントローラ100a及び上記第2電池バランス充電コントローラ100bは共に第3電池ユニットBAT3を検知するため、第1電池ユニットBAT1、第2電池ユニットBAT2、第3電池ユニットBAT3、第4電池ユニットBAT4、及び第5電池ユニットBAT5の間を均等にし、バランス充電の作用を達成することができる。当然、もし電池バランス充電コントローラ間に共通の対応する電池ユニットが無くても、各自バランス充電の効果を達成できるため、実際の回路設計は、実際の調整に基づいて応用し、本発明の実施例の限制は受けない。
【0037】
その他、図6で示す電池充電コントローラ回路は、直列する4個の電池ユニットBAT1、BAT2、BAT3、BAT4の電池モジュールに対して充電する時、図7で示す電池充電コントローラ回路概略図のように、上記第1電池バランス充電コントローラ100a及び第2電池バランス充電コントローラ100bに共通して、第2電池ユニットBAT2及び第3電池ユニットBAT3を検知させる。つまり、本発明の各電池バランス充電コントローラの間の各自対応する複数個の電池ユニット中において、1個あるいはそれ以上の電池ユニットが同じ電池バランス充電コントローラに対応する時、または電池モジュール中で、少なくとも1つの電池ユニットが2個の電池バランス充電コントローラに対応する時、これら電池バランス充電コントローラは共にバランス充電の効果を発揮できる。
【符号の説明】
【0038】
5 電池バランスマイクロプロセッサ
10 デジタル電池バランスコントローラ
S1〜S7 トランジスタスイッチ
R1〜R7 抵抗器
BAT1〜BAT7 電池
100 電池バランス充電コントローラ
105 処理装置
110 第1コンパレータ
115 第2コンパレータ
120 NANDゲート
125 ANDゲート
140 第1マルチプレクサ
145 第2マルチプレクサ
160、160’、160” 電池参照電圧発生装置
170 保護コンパレータ
180、180’ バランス判断回路
180a、180b バランス判断回路ユニット
190、190’ 電圧バランスモジュール
190a、190b 電圧バランスユニット
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Ri、Rii、Ra’、Rb’、Rc’、Rd’、Re’ 抵抗器
V+、V1+、V2+ 上レベル参照電位
V−、V1−、V2− 下レベル参照電位
V++ 上高レベル参照電位
V+− 上低レベル参照電位
V−+ 下高レベル参照電位
V−− 下低レベル参照電位
V、V1、V2 バランス参照電位
Q1 第1スイッチ
Q2 第2スイッチ
BAT1〜BAT5 電池
Rext、Rext1、Rext2、Rext3、Rext4 抵抗器
EA イネーブル信号
Vr1 電圧
Vr2 電圧
DET、DET1、DET2、DET3、DET4 電圧信号
S 選択端子
t0、t1、t2、t3 タイミング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電池と第2電池の充電バランスを取るための電池バランス充電コントローラであって、前記第1電池のマイナス端子と前記第2電池のプラス端子が電気的に接続して接続点を形成し、前記第1電池のプラス端子は第1端子を形成し、前記第2電池のマイナス端子は第2端子を形成し、
前記第1端子と前記第2端子の間を接続して、上高レベル参照電位を含む第1組の電池バランス判断信号と前記上高レベル参照電位より低い下低レベル参照電位を含む第2組の電池バランス判断信号を提供する電池参照電圧発生装置と、
前記第1端子と前記接続点を接続する第1バランス電流ユニットと前記第2端子と前記接続点を接続する第2バランス電流ユニットを含む電圧バランスモジュールと、
前記接続点、前記電池参照電圧発生装置及び前記電圧バランスモジュールを接続し、前記接続点電位、前記第1組の電池バランス判断信号及び第2組の電池バランス判断信号により前記第1電池と前記第2電池の電圧がバランスが取れているか否かを判断するバランス判断回路と、
を備え
前記第1電池と前記第2電池の電圧がバランスが取れていないと判断すると、前記電圧バランスモジュールは前記第1電池と前記第2電池のうち電圧の低い方へバランス電流を提供することを特徴とする電池バランス充電コントローラ。
【請求項2】
前記電池参照電圧発生装置がさらにバランス参照電位を生じ、前記第1組の電池バランス判断信号と前記第2組の電池バランス判断信号が何れも前記バランス参照電位を含み、前記バランス判断回路は、前記接続点電位が前記上高レベル参照電位より高く又は前記下低レベル参照電位より低い時、バランス電流を提供することを特徴とする請求項1に記載の電池バランス充電コントローラ。
【請求項3】
前記電池参照電圧発生装置がさらに上低レベル参照電位と下高レベル参照電位を生じ、前記第1組の電池バランス判断信号は前記上低レベル参照電位をさらに含み、前記第2組の電池バランス判断信号は前記下高レベル参照電位をさらに含み、前記バランス判断回路は、前記接続点電位が前記上高レベル参照電位より高く又は前記下低レベル参照電位より低い時、バランス電流を提供し、前記接続点電位が前記上低レベル参照電位より低く又は前記下高レベル参照電位より高い時バランス電流の提供を停止することを特徴とする請求項1に記載の電池バランス充電コントローラ。
【請求項4】
複数個の電池ユニットを有する電池モジュールに充電するための電池充電コントローラであって、前記電池充電コントローラは各前記電池ユニットのプラス端子とマイナス端子に接続し、
電池電流検知信号と電池電圧検知信号によって前記電池モジュールの充電電流の大きさを制御すると共にイネーブル信号を発する電池充電制御ユニットと、
各前記電池ユニットのプラス端子とマイナス端子並びに前記電池充電制御ユニットに接続し、前記イネーブル信号を受信すると、前記電池モジュールのうち何れかN個の直列に接続した前記電池ユニットの電圧によって、前記N個の直列に接続した前記電池ユニットのうち、最低電圧の電池ユニットの充電電流が最高電圧の電池ユニットより大きいように、前記N個の直列に接続した前記電池ユニットの充電電流の大きさを調整する電池バランス充電制御ユニットとを備え
そのうちNは整数で且つ1より大きいことを特徴とする電池充電コントローラ。
【請求項5】
前記電池バランス充電制御ユニットが前記N個の直列に接続した前記電池ユニットのうち、最高電圧の電池ユニットと最低電圧の電池ユニットとの電圧差が予定された割合を超えた時、充電電流の調整を開始することを特徴とする請求項4に記載の電池充電コントローラ。
【請求項6】
前記電池バランス充電制御ユニットが複数の電池バランス充電制御装置を含み、少なくとも2台の電池バランス充電制御装置がそれぞれN個の直列に接続した電池ユニットのバランス充電に対応してこれを制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電池充電コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−136603(P2010−136603A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114909(P2009−114909)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(509131650)グリーン ソリューション テクノロジー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】