説明

電流を用いたスイッチの制御方法

【課題】電流が特定の経路で発生する磁場現象を利用して磁性作用を受けることができるスイッチを制御する、電流を用いたスイッチの制御方法の提供。
【解決手段】本発明の電流を用いたスイッチの制御方法は、電流にある経路1を通過させて磁場を発生し、前記磁場の作用範囲内に第一電極21と第二電極22を含むスイッチ2を設置し、前記第一電極21と第二電極22の少なくともいずれかが前記磁場の変化を受けてその磁性を検知し、前記第一電極21と第二電極22が磁性の変化により相互に接触或いは分離してスイッチを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電流を用いたスイッチの制御方法に関し、詳細には、電流が流れる経路が発生する磁場を利用し、磁場範囲内に位置するスイッチの第一電極と第二電極に磁性の変化によって相互接触或いは分離を行わせ、スイッチの開閉を制御する、電流を用いたスイッチの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気に関連する設備は、例えば家電、過負荷保護器、コンセント、スイッチ、延長コード、プラグ、コンピュータ等、その電源回路が少なくとも活線及び中性線を含み、中には接地線を設けたものもある。各電気関連の設備はその使用時において、電流が電源回路を流れ、アンペールの法則とアンペールの右手の法則(Amper’s right-hand rule)に基づき、電流が流れる直線導線の周囲には磁場が発生し、その磁力線の形状は閉じた同心円であり、且つ、磁場の方向と電流の方向は相互に垂直であり、その形成される磁場の強弱は、導線上の電流の大小に正比例し、導線間の距離と反比例する。しかしながら、現在この電流が発生する磁場現象を利用して近隣のリードスイッチを制御する方法は公開されたことがなく、特に、異なる形式の電流経路に合わせたリードスイッチの制御方法は関連文献にも見受けられない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、主に電流がある特定経路において発生する磁場現象を利用して磁性作用を受けることができるスイッチを制御する、電流を用いたスイッチの制御方法を提供することにある。
【0004】
本発明はさらに、上述のスイッチの動作に基づき、前記スイッチと相互に組み合わせる回路を制御する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電流を用いたスイッチの制御方法は、電流にある経路を通過させて磁場を発生し、前記磁場の作用範囲内に第一電極と第二電極を含むスイッチを設置し、前記第一電極と第二電極の少なくともいずれかが前記磁場の変化を受けてその磁性を検知し、前記第一電極と第二電極が磁性の変化により相互に接触或いは分離してスイッチを制御する。
【0006】
上述の経路は、前記第一電極と第二電極の所在箇所の片側に位置することができる。
【0007】
上述の経路は、前記第一電極と第二電極の所在箇所を局部的に包囲することができる。
【0008】
上述の経路は、前記第一電極と第二電極の所在箇所を接触せずに少なくとも1周囲むことができる。
【0009】
上述の経路は、前記第一電極と第二電極の所在箇所の両側にそれぞれ位置し、且つ、前記両側の経路の電流方向が相反するようにすることができる。
【0010】
上述の磁場の変化は、磁場の「強弱」の変化或いは磁場の「有無」の変化を指す。
【0011】
また、電流に制御されるスイッチは、別途特定の信号を発生できる回路に接続され、導通後の電流を利用し、前記特定信号回路に特定の信号を発生させ、前記特定の信号が、光信号、音声信号、コンピュータネットワークで伝送可能なパケット式信号、無線通信協定に符合する信号、有線通信ネットワークで伝送可能な信号等を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明には次のような利点がある。
1. 本発明において電流を流通させる経路は多くの型態があり、各型態の経路がそれぞれ異なる磁場強度を発生してリードスイッチに検知させ、リードスイッチを確実に制御することができる。
2. 本発明の電流が発生する磁場を利用したリードスイッチの制御は、作動動力が磁力であるため、前記リードスイッチの作動を「非接触式作動」とすることができる。
3. 磁場が特定値に達しなければリードスイッチを動作させることはできず、「電流が大きいほど磁場も大きい」という現象を利用し、一定位置のリードスイッチの作動から反対にそのときの作業電流の大きさを推計することができ、この現象を利用し、リードスイッチの動作の是否に基づき、作業電流の状態を把握することができ、これにより電流負荷と関連する電流制御装置や電流制御方法、電流警告装置、電流警告方法、電流表示装置、電流表示方法等を開発することができる。
4. 製造上のさまざまな要素により、リードスイッチの駆動磁力には誤差があるが、本発明においては、設置にあたりリードスイッチと電流経路間の距離を調整することにより、「距離が大きいほど磁場が小さい」という現象を利用して上述の駆動磁力の誤差を帳消しにすることができる。
【実施例1】
【0013】
図1に示すように、本発明の電流を用いたスイッチの制御方法は、電流に経路1を通過させるが、図中の直線矢印が電流の方向を示す。前記経路1は実質上導電性の金属片または金属線等とする。前記経路1を通過する電流は磁場(図中の円形の輪)を発生し、前記磁場の方向と電流の方向は相互に垂直を成し、前記経路1の片側且つ上述の磁場の作用範囲内にリードスイッチ2を設置し、前記リードスイッチ2は第一電極21と第二電極22を含み、前記リードスイッチ2に作用する磁場強度が充分に大きいとき、第一電極21と第二電極22の重なり箇所が極性の相反する磁性を検知し、両者が相互に吸引されて1つの接点が形成され、リードスイッチ2を導通状態とする(図2参照)。前記リードスイッチ2に作用する磁場強度が消失または弱くなると、前記第一電極21と第二電極22の重なり箇所の磁性もそれに伴い消失または弱くなり、前記第一電極21と第二電極22の重なり箇所が接触しなくなって前記リードスイッチ2が導通しない状態となる(図3参照)。
【0014】
実施時には、「過大な作業電流」が上述のリードスイッチ2を作動させるに足る磁場強度を発生することができるため、前記リードスイッチ2が作動されることにより、前記の「過大な作業電流」を反映した情報を発生することができる。
【0015】
「無しから有りへの作業電流」も上述のリードスイッチ2を作動させるに足る磁場強度を発生することができるため、前記リードスイッチ2が作動されることにより、前記の「作業電流の存在」を反映した情報を発生することができる。
【0016】
「作業電流がある値に達した」ときも上述のリードスイッチ2を作動させるに足る磁場強度を発生することができるため、前記リードスイッチ2が作動されることにより、前記の「作業電流がある値に達した」ということを反映した情報を発生することができる。
【実施例2】
【0017】
図4に示すように、電流が通過する経路1は、リードスイッチ2の第一電極21と第二電極22の所在箇所を局部的に包囲しているものも同じ効果がある。この実施例においては、リードスイッチ2が経路1湾曲部分の曲率中心に位置するため、経路1の湾曲部分が発生する磁場が集中的にリードスイッチ2に作用する。
【実施例3】
【0018】
図5に示すように、経路1そのものが接触せずにリードスイッチ2の第一電極21と第二電極22の所在箇所を少なくとも一周囲んでいる場合も同じ効果があり、且つ、経路1の周回の回数が多いほど、その磁場が大きくなる。
【実施例4】
【0019】
図6に示すように、電流が通過する第一経路1Aがリードスイッチ2の第一電極21と第二電極22の所在箇所の第一の側に位置し、別に電流が通過する第二経路1Bがリードスイッチ2の第一電極21と第二電極22の所在箇所の第二の側に位置し、且つ、前記第一経路1Aと第二経路1Bの電流方向が相反するものとする。これにより、前記第一経路1Aと第二経路1Bがそれぞれリードスイッチ2の第一電極21と第二電極22の所在箇所に対し同方向の磁場を発生し、より大きな磁力を形成することができる。上述の第一経路1Aは電源回路中の活線とすることができ、第二経路1Bは電源回路中の中性線とすることができる。
【0020】
図7に示すように、電流を導通させて特定の信号を発生することができる回路は、例えば光信号回路3の場合、前記光信号回路3がダイオード31、コンデンサ32、抵抗器33、発光ダイオード34を含み、前記光信号回路3の一端がリードスイッチ2の第一電極21に接続され、且つ、前記リードスイッチ2の第二電極22が電源回路の活線4Aに接続され、光信号回路3の他端が上述の電源回路の中性線4Bに接続され、そのうち、前記活線4Aと中性線 4Bの電流方向は相反するものとし、電流が活線4Aを流れるとき、その発生する磁場がリードスイッチ2の第一電極21と第二電極22にその磁性を検知させて接触させる。このとき、電流は前記ダイオード31を経て整流され、安定した電流として入力され、前記コンデンサ32がその整流後の電流をフィルタリングしてその電流のノイズを減少し、前記抵抗器33を介して電流の電圧を下げ、前記発光ダイオード34で光信号を発生させる。これにより、上述の電源回路に電流が通過した、或いは前記電源回路の電流負荷がすでにある値に達したことを表示することができる。前述の活線4Aを通過する電流が小さくなり、その発生する磁場強度が前記第一電極21と第二電極22にその磁性を検知させて接触させるに足りない場合、光信号回路3は作用を停止し、光信号が表示されなくなる。または、電流の活線4Aの通過が停止されると、前記第一電極21と第二電極22が磁場の消失により接触しなくなり、光信号回路3も作用が停止し、光信号が表示されなくなる。
【0021】
図8に示すように、電流を導通させて特定の信号を発生することができる回路は、例えば音声信号回路3Aの場合、前記音声信号回路3Aがダイオード31A、コンデンサ32A、ツェナーダイオード33A、トランジスタ34A及びブザー35Aを含み、前記音声信号回路
3Aの一端が前記リードスイッチ2の第一電極21に接続され、且つ、前記リードスイッチ2の第二電極22が電源回路中の活線5Aに接続され、前記音声信号回路3Aの他端が上述の電源回路中の中性線5Bに接続され、そのうち、前記活線5Aと中性線5Bの電流方向は相反するものとする。電流が活線5Aを流れるとき、その発生する磁場が前記リードスイッチ2の第一電極21と第二電極22にその磁性を検知させ、この両者を接触させる。このとき、電流が音声信号回路3Aに入り、電流が前記ダイオード31Aを経て整流され安定した電流となり、前記コンデンサ32Aがこの整流後の電流をフィルタリングして電流のノイズを減少し、さらに前記ツェナーダイオード33Aにより電流に対し限流を行い、前記電流が前記トランジスタ34Aを作動させ、前記トランジスタ34Aが前記ブザー35Aを駆動して音声信号を発生させる。これにより、上述の電源回路に電流が通過した、或いは前記電源回路の電流負荷がすでにある値に達したことを表示することができる。前述の活線5Aを通過する電流が小さくなり、その発生する磁場強度が前記第一電極21と第二電極22にその磁性を検知させて接触させるに足りない場合、音声信号回路3Aは作用を停止し、音声信号が表示されなくなる。または、電流の活線5Aの通過が停止されると、前記第一電極21と第二電極22が磁場の消失により接触しなくなり、音声信号回路3Aも作用が停止し、音声信号が表示されなくなる。
【0022】
このほか、本発明の電流を用いたスイッチの制御方法は、その他の特定信号回路を組み合わせ、次のような別の特定の信号を発生することができる。
1. コンピュータのLANまたはインターネットで伝送可能なパケット式信号。
2.
無線通信協定に符合する信号、例えばGSM、ブルートゥース、Wi-fi、Wi-max等の信号。
3.
有線通信ネットワークで伝送可能な信号、例えば電話線を利用して伝送されるモデム信号。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の方法の実施例1の模式図である。
【図2】本発明の方法の実施例1においてリードスイッチの第一電極と第二電極が相互に接触した状態を示す模式図である。
【図3】本発明の方法の実施例1においてリードスイッチの第一電極と第二電極が離れた状態を示す模式図である。
【図4】本発明の方法の実施例2において第一電極と第二電極が経路に局部的に包囲された状態を示す模式図である。
【図5】本発明の方法の実施例3において第一電極と第二電極が経路に接触せずに少なくとも一周囲まれた状態を示す模式図である。
【図6】本発明の方法の実施例4において第一電極と第二電極が2つの経路の間に位置し、且つ、この2つの経路の電流方向が相反する状態を示す模式図である。
【図7】本発明において電源回路間に光信号回路を設けた状態を示す回路図である。
【図8】本発明において電源回路間に音声信号回路を設けた状態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0024】
1 経路
1A 第一経路
1B 第二経路
2 リードスイッチ
21 第一電極
22
第二電極
3 光信号回路
31 ダイオード
32 コンデンサ
33 抵抗器
34 発光ダイオード
3A 音声信号回路
31A ダイオード
32A コンデンサ
33A ツェナーダイオード
34A トランジスタ
35A ブザー
4A 活線
4B 中性線
5A 活線
5B 中性線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を経路に通過させて磁場を発生し、前記磁場の作用範囲内に第一電極と第二電極を含むスイッチを設置し、前記第一電極と第二電極の少なくともいずれかが前記磁場の変化を受けその磁性を検知し、前記第一電極と第二電極が磁性の変化により相互に接触または分離し、スイッチを制御する、電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項2】
前記経路が前記第一電極と第二電極の所在箇所の片側に位置する、請求項1に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項3】
前記経路が局部的に前記第一電極と第二電極の所在箇所を包囲する、請求項1に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項4】
前記経路そのものが接触せずに前記第一電極と第二電極の所在箇所を少なくとも一周囲む、請求項1に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項5】
前記経路が前記第一電極と第二電極の所在箇所の両側にそれぞれ位置し、且つ、前記2つの経路の電流方向が相反する、請求項1に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項6】
電流により制御される前記スイッチがさらに特定信号回路に接続され、導通後の電流を利用し、前記特定信号回路に特定の信号を発生させる、請求項1に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項7】
前記特定信号回路が光信号回路である、請求項6に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項8】
電流がダイオードを介して整流され、さらにコンデンサで整流後の電流に対しフィルタリングを行ない、且つ、抵抗器で電流の電圧を下げ、発光ダイオードに光信号を発生させる、請求項7に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項9】
前記特定信号回路が音声信号回路である、請求項6に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項10】
電流がダイオードを介して整流され、さらにコンデンサで整流後の電流に対しフィルタリングを行ない、且つ、ツェナーダイオードで電流に対し限流を行い、電流にトランジスタを作動させ、前記トランジスタがブザーを駆動して音声信号を発生させる、請求項9に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項11】
前記特定信号がコンピュータネットワークで伝送可能なパケット式信号である、請求項6に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項12】
前記特定信号が無線通信協定に符合する信号である、請求項6に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。
【請求項13】
前記特定信号が有線通信ネットワークで伝送可能な信号である、請求項6に記載の電流を用いたスイッチの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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