説明

電源分離型電子機器

【課題】片手の操作で筐体から電源回路部を容易に取り外すことができて作業性を向上する。
【解決手段】筐体と、略直方体形状を有して筐体に着脱可能に収納される電源回路部180と、筐体に収納され、電源回路部180から給電される増幅部190とを備える。電源回路部180は、周側部のうち長手方向に平行な一対の側部の各々に、互いに対向するように、係止用突起を含む係止部200,210を有する。筐体は、係止用突起に係止可能な係止溝を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源部が電子機器から分離可能である電源分離型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電源部を分離可能に構成された電源分離型増幅器を開示した先行文献として特許文献1がある。特許文献1に記載された電源分離型増幅器においては、電源部は、ケースが合成樹脂により形成されており、ケースの左右両側部に弾力性を持たせた可動フックが形成されている。筐体には、可動フックに対応する部分に切欠きが設けられ、この切欠き部分の上端部に係止爪が形成されている。
【0003】
上記の構成により、電源部を筐体内に収納した際、可動フックが筐体の係止爪と嵌合して電源部が固定されるようになっている。可動フックを両側から手で内側方向に押すと係止爪から可動フックが外れて、電源部を筐体から取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−341396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された電源分離型増幅器においては、電源部を筐体から取り外す際に、可動フックを両側から内側方向に押す必要があり、両手で作業しなければならず、片手では外すことができない。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、片手の操作で筐体から電源部を容易に取り外すことができて作業性を向上できる、電源分離型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく電源分離型電子機器は、筐体と、筐体に収納され、略直方体形状を有して筐体に着脱可能に収納される電源部と、筐体に収納され、電源部から給電される被給電部とを備える。電源部は、周側部のうち長手方向に平行な一対の側部の各々に、互いに対向するように、係止用突起または係止溝を含む係止部を有する。筐体は、係止部に係止可能な係止溝または係止用突起を有する。
【0008】
本発明の一形態においては、電源部は係止用突起を含む係止部を有する。筐体は係止溝を有する。好ましくは、係止部は、電源部の一方の主表面から他方の主表面の近傍まで延在している。
【0009】
好ましくは、電源部は、上記一対の側部の係止部に対向する位置に凹部を有し、かつ、係止部を凹部側に押圧して傾斜させることにより係止用突起と筐体の係止溝との係止を解除した状態において、係止部の他方の主表面側の先端部と対向するように、他方の主表面に凹部から延出する延出部を有する。本発明の一形態においては、筐体は、係止部の先端部に対応する位置に切欠き部を有する。また、被給電部は、高周波信号を増幅する増幅部である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源部に設けられた係止部を片手で操作することにより、電源部を筐体に容易に収納または取り外しできるため、電源分離型電子機器の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る電源分離型増幅器の外観を示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る電源分離型増幅器において筐体蓋部を開けた状態を示す斜視図である。
【図3】同実施形態に係る電源分離型増幅器において電源部を筐体から取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】同実施形態に係る電源部の外観を示す平面図である。
【図5】図4の電源部をV−V線矢印方向から見た断面図である。
【図6】同実施形態に係る筐体本体部の外観を示す平面図である。
【図7】同実施形態に係る筐体本体部の外観を示す斜視図である。
【図8】同実施形態に係る電源部の係止部を押圧した状態を示す断面図である。
【図9】同実施形態に係る電源部の係止用突起と筐体本体部の係止溝とが互いに係止している状態を示す断面図である。
【図10】本実施形態の変形例に係る電源部の係止溝と筐体本体部の係止用突起とが互いに係止している状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る電源分離型電子機器について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。なお、本実施形態の説明においては、電源分離型電子機器として電源分離型増幅器について説明するが、電源分離型電子機器は増幅器に限られず、たとえば、光ケーブルを用いたシステムに使用される光・電気変換装置などの電子機器を含む。なお、電源分離型電子機器とは、電源部を筐体の内部に収納した状態および筐体の外部に取り出した状態の両方で使用可能なように、電源部が電子機器とは分離されて構成された電子機器である。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る電源分離型増幅器の外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る電源分離型増幅器において筐体蓋部を開けた状態を示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る電源分離型増幅器において電源部を筐体から取り外した状態を示す斜視図である。なお、図3においては、筐体蓋部を図示していない。
【0014】
図1,2に示すように、本実施形態に係る電源分離型増幅器100は、筐体本体部120および筐体蓋部130を含む筐体110を有している。筐体本体部120は、略矩形状の底部と、この底部の外縁から立設した4つの側部とを有する。筐体蓋部130は、矩形状の天井部と、この天井部の外縁から立設した3つの側部とを有する。
【0015】
筐体蓋部130の互いに対向する側部のそれぞれには、一方の端部に孔部131が形成されている。筐体本体部120の側部には、筐体蓋部130の孔部131に対応する位置に、軸部121が形成されている。孔部131に軸部121が挿入されることにより、軸部121を回転軸として、筐体蓋部130が筐体本体部120に対して回動可能に支持されている。筐体蓋部130が筐体本体部120に対して回動させられることにより、筐体110の開閉が行なわれる。
【0016】
筐体蓋部130の天井部の内壁には、筐体の内方に突出した梁部が設けられ、その梁部の中央にスナップフィットの突起部が形成されている。筐体本体部120の側部には、スナップフィットの突起部に対応した段差部が形成されている。スナップフィットの突起部と段差部とを係合または係合解除することにより、筐体110の開閉操作を行なうことができる。
【0017】
筐体110は閉じた状態において、筐体本体部120の4つの側面のうちの3つの側面が筐体蓋部130で覆われて、略直方体形状を有している。筐体本体部120の4つの側面のうちの筐体蓋部130に覆われない側面には、4つの開口部が形成されている。本実施形態においては、筐体本体部120および筐体蓋部130をAES(Acrylonitrile-Ethylene-Styrene)樹脂を用いて形成したが、材料はこれに限られず、耐候性および所望の機械的強度を有する材料であればよい。
【0018】
図1〜3に示すように、電源分離型増幅器100においては、上記の4つの開口部を貫通して筐体110の外部に突出するように4つの接続端子141〜144が設けられている。接続端子141〜144は、筐体本体部120内の開口部側に固定された増幅部190に設けられている。増幅部190は、接続端子141〜144に供給された高周波信号(下り信号、上り信号)を増幅する機能を有している。
【0019】
具体的には、接続端子141は、下り信号に対して入力端子、上り信号に対して出力端子となる。接続端子142は、BS(Broadcasting Satellite)/CS(Communications Satellite)受信信号に対して入力端子となる。接続端子143は、図示しない同軸ケーブルが接続される端子であり、上り信号に対して入力端子となり、下り信号およびBS/CS受信信号に対して出力端子となる。接続端子143は、電源部180が筐体110から取り出されて電源供給器として使用される場合の直流電圧受電端子を兼ねている。接続端子144は、下り信号およびBS/CS受信信号の出力レベルをレベルチェッカーなどの測定器を用いて測定するためのモニター端子である。また、接続端子144は、上り信号の出力レベルをレベルチェッカーなどの測定器を用いて測定するための端子として機能する場合もある。
【0020】
図2,3に示すように、筐体本体部120内において、増幅部190に隣接して電源部180が着脱可能に収納されている。筐体本体部120の底部には、増幅部190に給電するための給電クリップ150が設けられいる。給電クリップ150は、筐体本体部120の底部の面に対して直交する方向に突出するように形成されている。電源部180の下部には、給電クリップ150が挿入される図示しない挿入口が形成されている。電源部180は、挿入口に給電クリップ150が挿入された状態で筐体本体部120内に収納される。筐体本体部120内に電源部180が収納された状態において、給電クリップ150を介して電源部180と被給電部である増幅部190とが電気的に接続される。
【0021】
電源部180の側部には、電源ケーブル170が接続されている。電源ケーブル170は、筐体110の外部に導出されており、図示しない商用交流電源に接続される。
【0022】
以下、本実施形態に係る電源分離型増幅器における電源部の構造について詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る電源部の外観を示す平面図である。図5は、図4の電源部をV−V線矢印方向から見た断面図である。
【0023】
図4,5に示すように、電源部180は、略直方体形状を有している。具体的には、電源部180は、互いに対向する他方の主表面である上部181と一方の主表面である下部182との間に周側部を有している。周側部は、電源部180の長手方向に平行な第1側部183および第2側部184と、電源部180の長手方向に直交する第3側部185および第4側部186とから構成されている。上述の通り、下部182には給電クリップ150が挿入される挿入口が形成されている。
【0024】
電源部180の第3側部185には、接続端子171,172が設けられている。接続端子171,172は、電源部180を筐体110から取り外して電源供給器として動作させるときに使用される。接続端子171は、下り信号およびBS/CS受信信号の入力端子と直流電圧の出力端子とを兼ねている。
【0025】
図5に示すように、電源部180は、外側に位置する上部181、下部182および周側部からなるケースを有している。本実施形態においては、ケースはABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂から構成されているが、ケースの材料はこれに限られず、電気絶縁性、耐熱性、および所望の弾性を有する材料であればよい。
【0026】
電源部180の第1側部183には、係止部200が形成されている。本実施形態においては、係止部200は、電源部180の長手方向において、第1側部183の中央の位置に形成されている。また、係止部200は、下部182から上部181の近傍まで延在している。さらに、係止部200は、延在方向の中央部に係止用突起201を有している。ただし、係止用突起201は、係止部200の延在方向の中央部に限られず、たとえば、上部181側に偏った位置に形成されていてもよい。係止部200において、係止部200の先端部202から係止用突起201までの間の部分である押圧部203は、外表面が平面状に形成されている。
【0027】
同様に、電源部180の第2側部184には、係止部210が形成されている。本実施形態においては、係止部210は、電源部180の長手方向において、第2側部184の中央の位置に形成されている。また、係止部210は、下部182から上部181の近傍まで延在している。さらに、係止部210は、延在方向の中央部に係止用突起211を有している。ただし、係止用突起211は、係止部200の延在方向の中央部に限られず、たとえば、上部181側に偏った位置に形成されていてもよい。係止部210において、係止部210の先端部212から係止用突起211までの間の部分である押圧部213は、外表面が平面状に形成されている。
【0028】
電源部180の第1側部183には、係止部200に対向する位置に凹部187が形成されている。凹部187は、係止部200が電源部180の内側に押圧されて傾斜した際に、係止部200の傾斜を妨げない程度の深さを有している。電源部180の上部181は、凹部187から延出する延出部181aを含む。
【0029】
電源部180の第2側部184には、係止部210に対向する位置に凹部188が形成されている。凹部188は、係止部210が電源部180の内側に押圧されて傾斜した際に、係止部210の傾斜を妨げない程度の深さを有している。電源部180の上部181は、凹部188から延出する延出部181bを含む。
【0030】
以下、本実施形態に係る電源分離型増幅器における筐体本体部の構造について詳細に説明する。図6は、本実施形態に係る筐体本体部の外観を示す平面図である。図7は、本実施形態に係る筐体本体部の外観を示す斜視図である。
【0031】
図6,7に示すように、筐体本体部120においては、電源部180が配置される領域と増幅部190が配置される領域とを区分けする境界板125a,125bが、底部から立設するように形成されている。境界板125aと境界板125bとは、互いに隙間を開けて配置されており、その隙間に給電クリップ150に繋がった接続配線が設けられている。
【0032】
図7に示すように、筐体本体部120の境界板125aと対向する側面の、電源部180の係止部200の係止用突起201に対応した位置に係止溝123が形成されている。境界板125aの、電源部180の係止部210の係止用突起211に対応した位置に係止溝124が形成されている。
【0033】
本実施形態においては、筐体本体部120の側面の、電源部180の係止部200の先端部202に対応する位置に切欠き部122が形成されている。具体的には、筐体本体部120に電源部180が収納された状態において、係止部200の押圧部203を押圧することができるように、切欠き部122が形成されている。
【0034】
以下、本実施形態に係る電源分離型増幅器における電源部の着脱動作について詳細に説明する。図8は、本実施形態に係る電源部の係止部を押圧した状態を示す断面図である。図9は、本実施形態に係る電源部の係止用突起と筐体本体部の係止溝とが互いに係止している状態を示す断面図である。
【0035】
図8に示すように、電源部180を筐体本体部120に取付ける際には、電源部180の係止部200の押圧部203に、矢印220で示す方向である電源部180の内部方向に力を加える。同時に、電源部180の係止部210の押圧部213に、矢印230で示す方向である電源部180の内部方向に力を加える。
【0036】
本実施形態の電源部180においては、係止部200および係止部210が電源部180の短手方向に直交する両側部183,184に形成されているため、上記の矢印220および矢印230で示す方向に力を加えることを片手で行なうことができる。
【0037】
従来の電源部は、係止部である可動フックが電源部の長手方向に直交するの両側部に形成されていたため、両手を用いて可動フックを電源部の内側方向に押さなければならなかったが、本実施形態の電源部180においては、片手で係止部200,210を押すことができる。
【0038】
また、本実施形態の電源部180の係止部200,210は、下部182から上部181の近傍まで延在するように形成されているため、係止部200,210の長さが長い。そのため、係止部200,210が押圧されて傾斜する際に、傾斜の起点となる下部182の端部から、係止部200,210の押圧部203,213までの長さを長く確保することができる。
【0039】
このように係止部200,210を形成することにより、てこの原理に基づいて小さな力で係止部200,210を傾斜させることができる。そのため、片手で容易に係止部200,210を電源部180の内部方向に傾斜させることができる。
【0040】
係止部200,210を傾斜させた状態で電源部180を筐体本体部120内に収納した後、係止部200,210の押圧を解除すると、係止部200,210は自らの弾性により元の形状に戻る。その結果、図9に示すように、電源部180の係止部200の係止用突起201と筐体本体部120の係止溝123とが係止され、かつ、電源部180の係止部210の係止用突起211と筐体本体部120の係止溝124とが係止されることにより、電源部180が筐体本体部120に取付けられる。
【0041】
図9に示すように電源部180が筐体本体部120に取付けられた状態から電源部180を筐体本体部120から取り出すには、まず図8に示すように、電源部180の係止部200,210を傾斜させる。
【0042】
ここで、本実施形態の電源部180の上部181は、上述の通り、延出部181aおよび延出部181bを含む。図8に示すように、係止部200を凹部187側に押圧して傾斜させることにより、係止用突起201と筐体本体部120の係止溝123との係止を解除した状態において、係止部200の先端部202と対向するように延出部181aが位置する。
【0043】
同様に、係止部210を凹部188側に押圧して傾斜させることにより、係止用突起211と筐体本体部120の係止溝124との係止を解除した状態において、係止部210の先端部212と対向するように延出部181bが位置する。
【0044】
電源部180の係止部200,210の押圧部203,213を片手の指で押圧して係止部200,210を傾斜させた状態において、電源部180を上部181側に引き上げる際に、延出部181a,181bは指の引っ掛かりとなって滑り止めの役割を果たす。
【0045】
また、上述の通り、係止部200,210は、係止用突起201,211が係止部200,210の延在方向の中央部に形成されている。さらに、押圧部203,213の外表面が平面状に形成されている。そのため、係止部200,210において広いフラットな領域を確保することができ、その領域を指で容易に押圧することができる。
【0046】
さらに、係止部200,210は、長い長さを有しており、その中央部に係止用突起201,211が形成されているため、係止部200,210を傾斜させた際の係止用突起201,211の移動ストロークを大きく確保することができる。そのため、係止部200,210の押圧部203,213を押圧することにより、係止用突起201,211と係止溝123,124との係止を確実に解除することができる。
【0047】
上述の通り、筐体本体部120の側部には、切欠き部122が設けられている。また、境界板125aは、係止部210の押圧部213に指をかける際に障害とならない程度の高さで形成されている。よって、電源部180が筐体本体部120に収納されている状態において、電源部180の係止部200,210の押圧部203,213に容易に片手の指をかけることができる。
【0048】
本実施形態の電源分離型増幅器によれば、片手で容易に電源部180と筐体本体部120との係止を解除して、そのまま上方に持ち上げることにより給電クリップ150を電源部180から抜いて、電源部180を筐体110から取り外すことができる。
【0049】
逆に、片手で電源部180の係止部200,210を傾斜させた状態で保持しつつ、電源部180を下方に移動させて給電クリップ150と電源部180とを接続した後、片手を電源部180から離して係止部200,210を元の形状に戻すことにより、電源部180を筐体本体部120に装着することができる。その後、筐体蓋部130を回動させて閉めることにより、電源部180を筐体110内に収納することができる。このように、本実施形態の電源分離型増幅器100によれば、片手の操作で筐体110から電源部180を容易に収納または取り外すことができて作業性を向上することができる。
【0050】
本実施形態の電源分離型増幅器においては、電源部180における給電クリップ150が挿入される挿入口の位置が、係止部200と係止部210とを結ぶ直線上からずれた位置に形成されている。この挿入口を上記の直線上に形成した場合には、係止部200,210を片手で押圧しつつ給電クリップ150から電源部180を抜く際の荷重バランスが良くなるため、片手で安定して電源部180を保持して筐体本体部120から取り出すことができる。
【0051】
本実施形態においては、係止部200,210に係止用突起201,211が形成され、筐体本体部120に係止溝123,124が形成されているが、筐体本体部120に係止用突起が形成され、係止部200,210に係止溝が形成されていてもよい。また、係止溝123,124は、貫通孔でもよいし、凹部状に形成されていてもよい。
【0052】
図10は、本実施形態の変形例に係る電源部の係止溝と筐体本体部の係止用突起とが互いに係止している状態を示す断面図である。図10に示すように、変形例の電源部380の第1側部には、係止部400に対向する位置に凹部387が形成されている。凹部387は、係止部400が電源部380の内側に押圧されて傾斜した際に、係止部400の傾斜を妨げない程度の深さを有している。電源部380の上部381は、凹部387から延出する延出部381aを含む。
【0053】
電源部380の第2側部には、係止部410に対向する位置に凹部388が形成されている。凹部388は、係止部410が電源部380の内側に押圧されて傾斜した際に、係止部410の傾斜を妨げない程度の深さを有している。電源部380の上部381は、凹部388から延出する延出部381bを含む。
【0054】
変形例の筐体本体部320の境界板325aと対向する側面の、電源部380の係止部400の係止溝401に対応した位置に係止用突起323が形成されている。境界板325aの、電源部380の係止部410の係止溝411に対応した位置に係止用突起324が形成されている。
【0055】
電源部380を筐体本体部320に取付ける際には、電源部380の係止部400の押圧部403に、電源部380の内部方向に力を加える。同時に、電源部380の係止部410の押圧部413に、電源部380の内部方向に力を加える。
【0056】
係止部400,410を傾斜させた状態で電源部380を筐体本体部320内に収納した後、係止部400,410の押圧を解除すると、係止部400,410は自らの弾性により元の形状に戻る。電源部380の係止部400の係止溝401と筐体本体部320の係止用突起323とが係止され、かつ、電源部380の係止部410の係止溝411と筐体本体部320の係止用突起324とが係止されることにより、電源部380が筐体本体部320に取付けられる。
【0057】
上記の変形例においても、片手の操作で筐体から電源部380を容易に収納または取り外すことができて作業性を向上することができる。
【0058】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100 電源分離型増幅器、110 筐体、120,320 筐体本体部、121 軸部、122 切欠き部、123,124,401,411 係止溝、125a,125b,325a 境界板、130 筐体蓋部、131 孔部、141,142,143,144,171,172 接続端子、150 給電クリップ、170 電源ケーブル、180,380 電源部、181,381 上部、181a,181b,381a,381b 延出部、182 下部、183 第1側部、184 第2側部、185 第3側部、186 第4側部、187,188,387,388 凹部、190 増幅部、200,210,400,410 係止部、201,211,323,324 係止用突起、202,212 先端部、203,213,403,413 押圧部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
略直方体形状を有して前記筐体に着脱可能に収納される電源部と、
前記筐体に収納され、前記電源部から給電される被給電部と
を備え、
前記電源部は、周側部のうち長手方向に平行な一対の側部の各々に、互いに対向するように係止用突起または係止溝を含む係止部を有し、
前記筐体は、前記係止部に係止可能な係止溝または係止用突起を有する、電源分離型電子機器。
【請求項2】
前記電源部は前記係止用突起を含む前記係止部を有し、
前記筐体は前記係止溝を有する、請求項1に記載の電源分離型電子機器。
【請求項3】
前記係止部は、前記電源部の一方の主表面から他方の主表面の近傍まで延在している、請求項1または2に記載の電源分離型電子機器。
【請求項4】
前記電源部は、前記一対の側部の前記係止部に対向する位置に凹部を有し、かつ、前記係止部を前記凹部側に押圧して傾斜させることにより前記係止用突起と前記筐体の前記係止溝との係止を解除した状態において、前記係止部の前記他方の主表面側の先端部と対向するように、前記他方の主表面に前記凹部から延出する延出部を有する、請求項1から3のいずれかに記載の電源分離型電子機器。
【請求項5】
前記筐体は、前記係止部の前記先端部に対応する位置に切欠き部を有する、請求項4に記載の電源分離型電子機器。
【請求項6】
前記被給電部が、高周波信号を増幅する増幅部である、請求項1から5のいずれかに記載の電源分離型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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