説明

電源装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】電源装置内の複数のDCDCコンバータのうち、一部で出力異常が発生したとき、確実に全DCDCコンバータを停止させ、誤動作や、デバイスの破損を防ぐ。
【解決手段】電源装置は、出力電圧が正常範囲に有るか否かを示すパワーグッド信号を出力するパワーグッド信号出力部を有する複数のDCDCコンバータと、各DCDCコンバータの起動、停止を行う電源シーケンス回路と、を含み、最前段以外のDCDCコンバータは、前段のDCDCコンバータのパワーグッド信号の状態が、正常範囲に有る旨の状態になると、起動し、正常範囲に無い旨の状態になると、電圧出力を停止し、最前段のDCDCコンバータは、電源シーケンス回路の指示に基づき起動し、最後段のDCDCコンバータのパワーグッド信号が、正常範囲に有る旨の状態から正常範囲に無い旨の状態に遷移すると電圧出力を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のDCDCコンバータを含む電源装置に関する。又、この電源装置を含むプリンタ、複写機、複合機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、複合機、ファクシミリ装置等の画像形成装置などには、多様な電気部品、電子部品が搭載される。これらの電気、電子部品には、駆動に必要な電圧の大きさ(の範囲)が予め定められる。そのため、画像形成装置には、コンセントから供給された商用電源から、複数種の電圧を生成する電源装置が搭載される場合がある。このような、入力電圧を変換して異なる複数種の電圧を出力する電源装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、各々が異なる負荷に対する電力供給を行う複数の電源回路を備え、電源装置に対する電力の供給および停止の切り替えを行うリセットスイッチと、複数の電源回路各々に対応して設けられた個々の電源回路に対する電力の供給および停止の切り替えを行う複数のスイッチ素子と、電源装置の複数の位置に設置された異常を検出する複数の動作検出部と、動作検出部からの検出信号に基づいて異常判定処理を実行する異常監視部と、異常監視部からの制御信号に基づいてリセットスイッチを駆動するリセットスイッチ駆動部と、異常監視部からのスイッチ素子を特定した制御信号に基づいて複数のスイッチ素子を選択的に制御するスイッチ制御回路とを有し、異常監視部は動作検出部からの検出信号に基づく異常判定を条件とした異常判定処理シーケンスを実行し、異常判定処理シーケンスにおいてリセットスイッチおよび複数のスイッチ素子を選択的に制御して異常発生箇所を特定するため の処理を実行する電源装置が記載されている。この構成により、ユーザまたはオペレータによる異常の発生箇所の検出処理を実行することなく、異常発生箇所を特定し、最適な電源遮断および異常通知を行おうとする(特許文献1:請求項1、段落0027等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−282893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、基板には様々なデバイス(例えば、CPU、LSI、ASIC、メモリ、チップ、ICなどの回路や素子)が実装される。そして、駆動電圧は、デバイスごとに異なる場合がある。このような場合、基板を動作させるには、複数種の電圧を用意する必要がある。そのため、出力電圧が異なる複数個のDCDCコンバータを組み合わせた電源装置を設けることがある。このような電源装置は、基板に付随して設けられる(例えば、基板内に設けられる)。
【0006】
そして、順序を守らないと、DCDCコンバータの出力を受けて駆動するデバイスの誤動作や破損などが生ずる場合があるため、基板内のデバイスには電力の供給順や遮断順が決められる。そして、予め定められた起動/遮断の順序に従い、各DCDCコンバータは順序立てて起動され、停止される。言い換えると、各DCDCコンバータの駆動のON/OFFを正確にコントロールすることが求められる場合がある。
【0007】
一方で、電源装置内のDCDCコンバータのうち、一部のDCDCコンバータで出力異常が生ずる場合がある(例えば、過電流や出力停止等)。尚、DCDCコンバータには、何らかの出力異常が生ずると、出力を停止させるラッチオフ回路が、保護回路として、搭載されることも多い。
【0008】
ここで、DCDCコンバータの起動/遮断の順序を予め定めるように、複数のDCDCコンバータを含む電源装置で、一部のDCDCコンバータが停止したものの、他のDCDCコンバータが動作していると、DCDCコンバータの出力を受けて駆動するデバイスの誤動作や破損が生ずる場合がある。
【0009】
しかし、従来、電源装置のうち、一部のDCDCコンバータで出力異常が発生しても、全てのDCDCコンバータを停止させるようにはなっていないという問題がある。そのため、デバイスの誤動作や破損が生ずる場合があるという問題がある。
【0010】
尚、特許文献1記載の発明をみると、スイッチ素子の制御により、電源遮断は行われるものの、複数のDCDCコンバータを組み合わせたような電源装置で、一部で出力異常が発生したとき、全てのDCDCコンバータを停止させるものではない。又、特許文献1記載の発明は、異常発生箇所を特定するため、構成が複雑である(スイッチ素子、リセットスイッチ、動作検出部や、異常監視部、スイッチ制御回路など)。複数のDCDCコンバータのうち、一部で出力異常が発生したとき、電源装置の全体を停止させるには大かがりであり、設置スペース、コスト等の点を考慮すると、現実的ではない。従って、特許文献1記載の発明では、上記の問題を解決することはできない。
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、電源装置内の複数のDCDCコンバータのうち、一部で出力異常が発生したとき、確実に全DCDCコンバータを停止させ、誤動作や、デバイスの破損を防ぐことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に係る電源装置は、出力電圧が正常範囲に有るか否かを示すパワーグッド信号を出力するパワーグッド信号出力部を有する複数のDCDCコンバータと、予め定められた起動順序及び停止順序に基づき、各前記DCDCコンバータの起動、停止を行う電源シーケンス回路と、を含み、最前段以外の前記DCDCコンバータは、前段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号の状態が、正常範囲に有る旨の状態になると、起動し、正常範囲に無い旨の状態になると、電圧出力を停止し、最前段の前記DCDCコンバータは、前記電源シーケンス回路の指示に基づき起動し、最後段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号が、正常範囲に有る旨の状態から正常範囲に無い旨の状態に遷移すると電圧出力を停止することとした。
【0013】
この構成によれば、最前段以外のDCDCコンバータは、前段のDCDCコンバータのパワーグッド信号の状態が、正常範囲に無い旨の状態になると、電圧出力を停止し、最前段のDCDCコンバータは、最後段のDCDCコンバータのパワーグッド信号が、正常範囲に有る旨の状態から正常範囲に無い旨の状態に遷移すると電圧出力を停止する。これにより、電源装置内のいずれかのDCDCコンバータで出力異常が生じると、一段ずつ停止し、最後段に至ると最前段に戻り、1段ずつ停止してゆく。従って、最終的に、全てのDCDCコンバータが停止し、一部のDCDCコンバータが停止しても他のDCDCコンバータが動作し続けることによるデバイスの誤動作や破損を防ぐことができる。
【0014】
更に、いずれかのDCDCコンバータで出力異常が発生したとき、ソフトウェア的な制御によってではなく、電源装置内のハードウェア構成に基づき、全てのDCDCコンバータを停止させることができる。例えば、暴走、故障等によりソフトウェア的な制御が無効な状態でも、安全、確実に全てのDCDCコンバータを停止させることができる。尚、各DCDCコンバータにおける「前段」、「後段」の関係は、パワーグッド信号の伝達経路からみて定められたものである。
【0015】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、各前記DCDCコンバータは、出力に異常が生ずるとラッチオフするラッチオフ部を含み、前記パワーグッド信号出力部は、前記ラッチオフ部がラッチオフを行うと、正常範囲に無い旨の前記パワーグッド信号を出力することとした。
【0016】
この構成によれば、パワーグッド信号出力部は、ラッチオフ部がラッチオフを行うと、正常範囲に無い旨のパワーグッド信号を出力する。これにより、DCDCコンバータは、過電圧(過電流)や出力停止など、出力異常が生ずると、出力を停止し、DCDCコンバータから電力を受けて動作するデバイスを保護することができる。又、出力電圧が正常範囲に無い旨のパワーグッド信号が出力されることにより、1段ずつ全てのDCDCコンバータの出力を停止させることができる。
【0017】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、各前記DCDCコンバータに対し、論理回路が設けられ、最前段以外の前記DCDCコンバータに対応する前記論理回路は、前段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号と、前記電源シーケンス回路から出力されるイネーブル信号を受け、2つの信号の論理積がとれるとき、対応する前記DCDCコンバータを動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないとき、対応する前記DCDCコンバータを停止させる旨の信号を出力し、最前段以外の前記DCDCコンバータは、対応する前記論理回路の出力信号に基づいて動作することとした。
【0018】
この構成によれば、最前段以外のDCDCコンバータに対応する論理回路は、前段のDCDCコンバータのパワーグッド信号と、電源シーケンス回路から出力されるイネーブル信号を受け、2つの信号の論理積がとれるときDCDCコンバータを動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないときDCDCコンバータを停止させる旨の信号を出力する。これにより、全てのDCDCコンバータの出力に異常がなく、予め定められた順番で通常どおり各DCDCコンバータの起動、遮断を行えばよいとき、誤動作やデバイスの破損がないように、電源シーケンス回路は、各DCDCコンバータの起動/停止を行える。
【0019】
又、請求項4に係る発明は、請求項3の発明において、主電源投入後、まず最前段の前記DCDCコンバータを動作させる旨の信号を、次に、最後段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号が、正常範囲に有る旨の状態に成った後、正常範囲に無い旨の状態に変化したとき、最前段の前記DCDCコンバータを停止させる旨の信号を、最前段の前記DCDCコンバータに対応する前記論理回路に出力する最前段停止部を有し、最前段の前記DCDCコンバータに対応する前記論理回路は、前記最前段停止部の出力信号と、前記電源シーケンス回路から出力されるイネーブル信号を受け、論理積がとれると、前記DCDCコンバータを動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないとき前記DCDCコンバータを停止させる旨の信号を出力することとした。
【0020】
この構成によれば、最前段のDCDCコンバータに対応する論理回路は、最前段停止部の出力信号と、電源シーケンス回路から出力されるイネーブル信号を受け、論理積がとれると、DCDCコンバータを動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないときDCDCコンバータを停止させる旨の信号を出力する。これにより、いずれかのDCDCコンバータの出力異常で、最後段のDCDCコンバータが停止すると、最前段のDCDCコンバータに戻り、最前段のDCDCコンバータから順に、停止してゆく。従って、確実に全てのDCDCコンバータが停止される。
【0021】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記最前段停止部は、フリップフロップであることとした。
【0022】
この構成によれば、最前段停止部は、フリップフロップである。これにより、最前段停止部は、ハードウェアであって、簡易、安価、堅牢なフリップフロップとされる。従って、一部のDCDCコンバータで出力異常があったとき、確実に全てのDCDCコンバータを停止させるようにすることができる。
【0023】
又、請求項6に係る画像形成装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置を含むこととした。
【0024】
この構成によれば、画像形成装置は、上述の電源装置を含む。これにより、いずれかのDCDCコンバータで出力異常が生じても、一段ずつ停止し、最後段に至ると最前段から1段ずつ停止してゆき、最終的に、全てのDCDCコンバータが停止する電源装置を含ませることができる。従って、電源装置のDCDCコンバータが生成する電圧で駆動する基板やデバイスの誤動作や破損のない画像形成装置を提供することができる。
【0025】
又、請求項7に係る画像形成装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置を含む基板を複数含み、各前記基板は、いずれかの前記基板と通信可能に接続され、通信可能に接続された前記基板と通信できなくなったとき、通信できなくなった基板の異常を検知することとした。
【0026】
この構成によれば、各基板は、いずれかの基板と通信可能に接続され、通信可能に接続された基板と通信できなくなったとき、通信できなくなった基板の異常を検知する。これにより、電源装置の一部に異常があり、全体が停止した基板の異常を検知することができる。これにより、故障要因を容易に特定でき、修理、点検しやすい画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
上述したように、電源装置に含まれる複数のDCDCコンバータのうち、一部で出力異常が発生したとき、確実に全DCDCコンバータを停止させることができる。従って、電源装置や画像形成装置の誤動作や、デバイスの破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態に係る複合機の概略構造を示す模型的正面断面図である。
【図2】実施形態に係る複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る複合機の電力供給系統の一例を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係る電源装置の一例を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係る電源装置の正常動作時の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】実施形態に係る電源装置の出力異常発生時の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る電源装置1、画像形成装置を図1〜図6を用いて説明する。以下では、画像形成装置として複合機100を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0030】
(複合機100の概要)
まず、図1に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合機100の概略構造を示す模型的正面断面図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態の複合機100は、上部に画像読取部2A、さらに、上方に原稿搬送部2Bが装着される。又、機体内には、給紙部3A、搬送路3B、画像形成部4A、定着部4Bを備える。又、破線で示すように、複合機100の正面上部に操作パネル2Cが備えられる。
【0032】
まず、原稿搬送部2Bには、使用者が複写を行おうとする各種、各サイズの原稿が載置される。そして、操作パネル2Cに複写設定や画像データの送信設定等が入力され、ジョブが開始されると、原稿搬送部2Bは、原稿を1枚ずつ分離し、原稿搬送部2Bの下方に設けられる画像読取部2Aによる送り読取用コンタクトガラス21に向けて搬送する。
【0033】
画像読取部2Aは、内部に、露光ランプ、反射板、ミラー、レンズ、イメージセンサ(不図示)等が設けられ、送り読取用コンタクトガラス21を通過する原稿を光学的に読み取り、画像データを得る。尚、原稿搬送部2Bは、図1の紙面奥側に支点を有し、持ち上げ可能であり、画像読取部2Aの上面の載置読取用コンタクトガラス22に書籍等の原稿を1枚ずつ載置して原稿の読み取りを行うことも可能である。
【0034】
給紙部3Aは、画像形成部4Aに向けて用紙を供給する。給紙部3Aは、各サイズの用紙等の用紙が収納されるカセット31(図1で上方のものに31A、下方のものに31Bの符号を付す)を含む。又、給紙部3Aの各カセット31は、用紙を1枚ずつ搬送路3Bに送り出す給紙ローラ32(図1で上方のものに32A、下方のものに32Bの符号を付す)等を備える。
【0035】
例えば、使用者が、操作パネル2Cで使用する用紙(用紙)のサイズを選択し、スタートキーを使用者が押すと、モータ(不図示)等により給紙ローラ32が回転駆動し、用紙が搬送路3Bに供給される。搬送路3Bは、用紙を、画像形成部4A、定着部4Bを経て排出トレイ33まで搬送する。搬送路3Bには、ガイド(不図示)、複数の搬送ローラ対34〜37等が設けられる。
【0036】
画像形成部4Aは、搬送路3Bよって搬送されてきた用紙に対して所定の画像形成を行う。具体的に、画像形成部4Aは、図1中に示す矢印方向に回転可能に支持された感光体ドラム41、感光体ドラム41の周囲に配設された帯電装置42、現像装置43、露光装置44、転写ローラ45、クリーニング装置46を備える。
【0037】
感光体ドラム41は、画像形成部4Aの略中心に設けられ、所定方向に回転駆動される。まず、感光体ドラム41の右上方の帯電装置42は、感光体ドラム41の表面を所定電位に均一に帯電させる。帯電装置42の右方の露光装置44は、画像読取部2Aで読み取られた画像データ等に基づき、レーザ光を出力し、感光体ドラム41を走査露光する。その結果、静電潜像が感光体ドラム41表面に形成される。感光体ドラム41の右下方の現像装置43は、静電潜像に向けトナーを供給する。その結果、静電潜像はトナー像として現像される。感光体ドラム41の左下方に設けられる転写ローラ45と感光体ドラム41との間ではニップが形成され、このニップを用紙が通過するとき、感光体ドラム41上のトナー像が用紙に転写される。クリーニング装置46は、転写後の感光体ドラム41の表面を清掃する。
【0038】
定着部4Bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態の定着部4Bは、主として、発熱体を内蔵する加熱ローラ47と、加熱ローラ47に圧接してニップを形成する加圧ローラ48とで構成される。そして、トナー像の転写された用紙が、このニップを通過することで、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。
【0039】
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図2に示すように、本実施形態に係る複合機100は、主制御部5(主制御基板)を有する。主制御部5は、装置全体の動作を統括し、複合機100の各部の制御を司る。そして、主制御部5には、例えば、中央演算処理装置としてメインCPU51(図3参照)などが設けられる。又、主制御部5は、例えば、ROMやRAM等のメモリ52や画像処理部53などの素子、回路を実装する(詳細は後述)。
【0041】
又、主制御部5は、原稿の読取に関し、原稿を搬送する原稿搬送部2Bや、原稿を読み取る画像読取部2Aと通信可能に接続される。主制御部5は、原稿搬送部2Bや画像読取部2Aに指示を与える。この指示を受けて、原稿搬送部2Bは、原稿の搬送を、画像読取部2Aは、原稿読取を実際に制御する。
【0042】
又、主制御部5は、操作パネル2Cとも通信可能に接続される。例えば、操作パネル2Cには、液晶表示部23の表示を制御し、又、各種ハードキー(スタートキー等)の押下を認識し、タッチパネル部24の出力電圧に基づき、押下位置(座標)を検知する表示制御部25が設けられる。そして、操作パネル2Cになされた設定内容を示すデータは、主制御部5に送られ、主制御部5は、使用者の設定どおりに動作するように、複合機100を制御する。
【0043】
又、主制御部5は、記憶装置としてのHDD54等と通信可能に接続される。HDD54は、画像データの記憶やプログラム、各種管理データを記憶する(例えば、数十Gバイト以上)。HDD54は、主制御部5が制御のため実行するプログラムや、装置固有の各種パラメータなどの各種制御用データを記憶してもよい。
【0044】
又、主制御部5は、用紙搬送や印刷を実際に制御するエンジン制御部40と通信可能に接続される。主制御部5は、印刷や給紙の指示をエンジン制御部40に与える。この指示を受け、エンジン制御部40は、給紙部3A、搬送路3B、画像形成部4A、定着部4B等を制御して、各種回転体(搬送ローラ対34〜37や感光体ドラム41等)を回転させ、用紙搬送や画像形成に関しての制御を行う。
【0045】
又、複合機100は、外部との通信インターフェイスとしての通信部50を含む。通信部50は、例えば、外部のコンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)と、ネットワークやケーブルにより、通信可能に接続される。そのため、通信部50は、例えば、コネクタ、通信制御用のCPUやチップを含む(詳細は後述)。そして、複合機100は、コンピュータ200等から画像データ等を含む印刷用データを受け印刷を行うことができる(プリンタ機能)。又、画像読取部2Aでの読み取りで得られた画像データ等を複合機100からコンピュータ200に送信できる(スキャナ機能)
【0046】
又、通信部50には、モデムや、画像データのファクシミリに対応した形式への変換や、受信データの伸張のための回路、チップ等を含ませ、相手方FAX装置300と通信を行えるようにすることができる(FAX機能)。
【0047】
又、主制御部5は、複合機100に内蔵される1次電源部PW1と通信可能に接続され、1次電源部PW1の動作を制御することができる。
【0048】
(電力供給系統)
次に、図3を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100での電力供給系統の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る複合機100の電力供給系統の一例を示すブロック図である。尚、図3において、電力の流れを白抜矢印で示している。
【0049】
まず、1次電源としての1次電源部PW1は、メインスイッチMSがONされると商用電源と接続される。使用者は、1次電源部PW1と商用電源との接続、遮断をメインスイッチMSで行える。例えば、メインスイッチMSは、複合機100の側面等に設けられ、使用者の操作によって、機械的に1次電源部PW1と商用電源の接続、遮断を切り替える。尚、メインスイッチMSは機械式のスイッチに限られず、1次電源部PW1と商用電源の接続、遮断を行えればよい。
【0050】
そして、1次電源部PW1は、整流回路や平滑回路等を有し、商用電源が接続されると直流電圧を出力する(例えば、モータ駆動用のDC24Vや、制御部などを駆動させるためのDC5V)。尚、モータ駆動用の電圧の配線については、便宜上、図示を省略する。
【0051】
そして、1次電源部PW1は、複合機100内の各種基板に応じて設けられる電源装置1に直流電圧を入力する。詳細は後述するが、電源装置1は、複数のDCDCコンバータ10を組み合わせ、各基板で必要とされる電圧を複数種生成する。尚、生成すべき電圧の個数の差により、基板でのDCDCコンバータ10の個数は、異なり得る。
【0052】
例えば、主制御部5内には、メインCPU51や、制御用プログラムやデータを記憶するROMやRAMからなるメモリ52や、チップや集積回路からなる画像処理部53といった、デバイス(素子、部品、回路、各種ICなど)が設けられる。画像処理部53は、例えば、画像処理専用の回路(例えばASIC)や画像処理用メモリ等(不図示)を含む。そして、画像処理部53は、例えば、濃度変更や拡大縮小等の各種画像処理を画像データに施す。尚、画像処理部53が行える画像処理は多岐にわたるので、公知の複合機100に関する画像処理をおこなえるものとして、実行可能な画像処理の詳細の説明は省略する。
【0053】
この主制御部5(主制御基板)に対して、電源装置1が設けられる。そして、本実施形態の複合機100では、メインCPU51、メモリ52、画像処理部53などの各デバイスを駆動させるうえで必要な電圧が異なる(例えば、DC3.3V、2.5V、1.8V、1.2Vなど)。又、例えば、コア用とI/O用というように、メインCPU51に、複数種の駆動電圧を与える場合もある。
【0054】
そこで、主制御部5の電源装置1は、1次電源部PW1が生成する電圧(例えば、DC5V)を変換して、複数種の電圧を生成する。そして、生成された複数種の電圧が対応するデバイスに与えられる。
【0055】
又、図3に示すように、例えば、エンジン制御部40内には、エンジンCPU401、制御用のプログラムやデータを記憶するROMやRAMを含むメモリ402や、ASIC403(印刷処理用途のために設計、製造された集積回路)が設けられる。このエンジン制御部40(エンジン基板)に対して、電源装置1が設けられる。そして、エンジン制御部40でも、エンジンCPU401、メモリ402、ASIC403などのデバイス(素子、部品、回路等)を駆動させるうえで必要な電圧が異なる。
【0056】
そこで、エンジン制御部40の電源装置1は、1次電源部PW1が生成する電圧(例えば、DC5V)を変換して、複数種の電圧を生成する。そして、生成された複数種の電圧が、エンジン制御部40内の対応するデバイス(素子、部品、回路等)に与えられる。
【0057】
又、図3に示すように、例えば、スキャナ制御部20内には、スキャナCPU26、ROM27、RAM28や、ASIC29(画像読取や画像処理用途のために設計、製造された集積回路)が設けられる。そして、スキャナ制御部20(スキャナ基板)に対し、電源装置1が設けられる。そして、スキャナ制御部20でも、スキャナCPU26、ROM27、RAM28、ASIC29等のデバイスを駆動させるうえで必要な電圧が異なる。
【0058】
そこで、スキャナ制御部20の電源装置1は、1次電源部PW1が生成する電圧(例えば、DC5V)を変換し、複数種の電圧を生成する。そして、生成された複数種の電圧が、スキャナ制御部20内の対応するデバイスに与えられる。
【0059】
又、図3に示すように、例えば、通信部50内には、通信CPU501、通信用プログラムを記憶するROM502、RAM503や、通信用のドライバIC504(通信用チップ)が設けられる。この、通信部50(通信基板)にも電源装置1が設けられる。そして、通信部50でも、通信CPU501、ROM502、RAM503、ドライバIC504などのデバイス(素子、部品、回路)を駆動させるうえで必要な電圧が異なる。
【0060】
そこで、通信部50の電源装置1は、1次電源部PW1が生成する電圧(例えば、DC5V)を変換して、複数種の電圧を生成する。そして、生成された複数種の電圧が、通信部50内の対応するデバイスに与えられる。
【0061】
尚、図3を用いた説明は、一例であり、複合機100内に、他種の基板を設けてもよい(例えば、操作パネル2Cに、表示用基板)。又、主制御部5、エンジン制御部40、スキャナ制御部20、通信部50内に、更に別種のデバイスが設けられてもよい。
【0062】
(電源装置1の構成)
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係る電源装置1の一例を説明する。図4は、本発明の実施形態に係る電源装置1の一例を示すブロック図である。
【0063】
尚、本説明では、1次電源部PW1の出力を受ける4つのDCDCコンバータ10から4種類の電圧を出力する電源装置1を例に挙げて説明する(1入力4出力)。電源装置1が出力する電圧は、4種類未満でもよいし、5種類以上でもよく、必要な電圧の種類数に応じてDCDCコンバータ10が設けられる。
【0064】
又、例えば、図4に示す電源装置1は、主制御部5のものである。しかし、以下の説明は、主制御部5以外の基板(エンジン制御部40やスキャナ制御部20や通信部50)に設けられ、複数のDCDCコンバータ10を含む電源装置1に同様に当てはまる。
【0065】
基板内の各デバイス(素子、回路、部品等)の駆動用電圧を生成のため、本実施形態の電源装置1内に、複数のDCDCコンバータ10が設けられる。そして、図4の説明において、便宜上、最前段から順に、DCDCコンバータ10A(最前段)、DCDCコンバータ10B(第2段)、DCDCコンバータ10C(第3段)、DCDCコンバータ10D(最後段)の符号を付す。
【0066】
各DCDCコンバータ10A〜10Dには、1次電源部PW1の出力が入力される(1次電源部PW1からの配線の図示は省略)。そして、各DCDCコンバータ10A〜10Dには、予め定められた電圧を生成する電圧生成部11(例えば、チョッパ回路)が設けられる。例えば、電圧生成部11は、半導体スイッチ、出力すべき電圧にあわせた周期で半導体スイッチのスイッチングを行うコントローラ、ダイオード、コイル、コンデンサ等を組み合わせて構成される
【0067】
各電圧生成部11に関し、図4では、DCDCコンバータ10Aのものには電圧生成部11Aと、DCDCコンバータ10Bのものには電圧生成部11Bと、DCDCコンバータ10Cのものには電圧生成部11Cと、DCDCコンバータ10Dのものには電圧生成部11Dの符号を付す。又、図4では、DCDCコンバータ10Aの出力に「Vout1」、DCDCコンバータ10Bの出力に「Vout2」、DCDCコンバータ10Cの出力に「Vout3」、DCDCコンバータ10Dの出力に「Vout4」の符号を付す。
【0068】
各DCDCコンバータ10A〜10Dには、保護回路として電圧生成部11の出力を受け、出力電圧の大きさの監視を行うラッチオフ部6が設けられる。各ラッチオフ部6に関し、図4では、DCDCコンバータ10Aのものにはラッチオフ部6Aと、DCDCコンバータ10Bのものにはラッチオフ部6Bと、DCDCコンバータ10Cのものにはラッチオフ部6Cと、DCDCコンバータ10Dのものにはラッチオフ部6Dの符号を付す。
【0069】
各ラッチオフ部6A〜6Dは、各電圧生成部11が出力するとして設定された範囲(正常範囲)の電圧をいったん出力した後、正常範囲外の電圧を出力する異常や、予め定められた規定値よりも大きな電流(過電流)が流れる異常が発生すると、DCDCコンバータ10での電圧の生成を停止させる。
【0070】
又、各DCDCコンバータ10A〜10Dには、電圧生成部11の出力を受け、出力監視用の信号であるパワーグッド信号PGを出力するパワーグッド信号出力部7が設けられる。各パワーグッド信号出力部7に関し、図4では、DCDCコンバータ10Aのものにはパワーグッド信号出力部7Aと、DCDCコンバータ10Bのものにはパワーグッド信号出力部7Bと、DCDCコンバータ10Cのものにはパワーグッド信号出力部7Cと、DCDCコンバータ10Dのものにはパワーグッド信号出力部7Dの符号を付す。
【0071】
各パワーグッド信号出力部7A〜7Dは、例えば、電圧生成部11の出力電圧値が、電圧生成部11が出力すると設定された(設計された)電圧値(規定出力電圧値)の±9〜10%程度の範囲から外れると、正常範囲外にある旨(Low)を出力し、範囲内にあると、正常範囲に有る旨(High)を出力する。図4に示すように、パワーグッド信号出力部7Aは、パワーグッド信号PG1を出力する。パワーグッド信号出力部7Bは、パワーグッド信号PG2を出力する。パワーグッド信号出力部7Cは、パワーグッド信号PG3を出力する。パワーグッド信号出力部7Dは、パワーグッド信号PG4を出力する。
【0072】
各パワーグッド信号出力部7A〜7Dは、対応する電圧生成部11が出力するとして設定された範囲(正常範囲)の電圧を生成しているときと、生成していないときで、異なる信号を出力する。例えば、各パワーグッド信号出力部7A〜7Dは、正常範囲の電圧が生成されているとHighを出力し、生成されていないときLowを出力する。即ち、各DCDCコンバータ10A〜10Dは、出力に異常が生ずるとラッチオフするラッチオフ部6を含み、パワーグッド信号出力部7は、ラッチオフ部6がラッチオフを行うと、正常範囲に無い旨のパワーグッド信号PGを出力する。
【0073】
又、各DCDCコンバータ10A〜10Dに対応し、AND回路8(論理回路に相当)が設けられる。各AND回路8に関し、図4では、DCDCコンバータ10AのものにはAND回路8Aと、DCDCコンバータ10BのものにはAND回路8Bと、DCDCコンバータ10CのものにはAND回路8Cと、DCDCコンバータ10DのものにはAND回路8Dの符号を付す。
【0074】
各AND回路8A〜8Dの一方の入力端子には、電源シーケンス回路9からのイネーブル信号ENがそれぞれ入力される。図4では、AND回路8Aに対するものにはイネーブル信号EN1と、AND回路8Bのものにはイネーブル信号EN2と、AND回路8Cのものにはイネーブル信号EN3と、AND回路8Dのものにはイネーブル信号EN4の符号を付す。
【0075】
ここで、電源シーケンス回路9は、各DCDCコンバータ10A〜10Dを、順番に起動、停止させる回路である。電源シーケンス回路9は、1次電源部PW1が生成した電圧の供給を受け、各イネーブル信号EN1〜EN4のHigh/Lowを切り替える動作を行う回路である。
【0076】
各パワーグッド信号出力部7A〜7Cが出力するパワーグッド信号PG1〜PG3は、後段のDCDCコンバータ10に対応するAND回路8B〜8Dに向けて出力される。各DCDCコンバータ10における前段、後段の関係は、パワーグッド信号PGの伝達経路からみて定められる。
【0077】
又、パワーグッド信号出力部7Dが出力するパワーグッド信号PG4は、フリップフロップ12(最前段停止部に相当)に入力される。フリップフロップ12は、複合機100への主電源投入(メインスイッチMSのON)にともない(フリップフロップ12の/PR端子がHighとなるのに伴い)、Highを出力する(出力QがHighとなる)。
【0078】
各AND回路8A〜8Dは、論理上、入力端子がいずれもHighとなると、Highを出力する。各AND回路8A〜8Dの出力は、対応するDCDCコンバータ10の電圧生成部11に入力される。従って、各DCDCコンバータ10A〜10D(電圧生成部11A〜11D)は、対応するAND回路8がHighを出力すると、電圧の生成と出力を行い、Lowを出力すると、停止する。
【0079】
尚、電源シーケンス回路9が、出力異常発生が発生しておらず、通常通り、各イネーブル信号EN1〜EN4を立ち下げて、各DCDCコンバータ10A〜10Dを停止させるとき、フリップフロップ12は、イネーブル信号EN4の立ち下がりにより、出力QをHighとする(詳細は後述)。そのため、フリップフロップ12の「/CLR」端子には、イネーブル信号EN4が入力され、フリップフロップ12は、イネーブル信号EN4の状態を認識する。
【0080】
又、フリップフロップ12は、パワーグッド信号PG4の入力を受ける。そして、各イネーブル信号EN1〜EN4がHighのまま、出力異常が生じたとき(詳細は後述)、フリップフロップ12は、パワーグッド信号PG4の立ち下がりにより(DCDCコンバータ10Dが停止により)、出力QをLowとする。一方、フリップフロップ12のLow出力により、DCDCコンバータ10Aに対応するAND回路8Aの出力はLowとなり、DCDCコンバータ10Dの停止により、DCDCコンバータ10Aも停止される。
【0081】
即ち、各DCDCコンバータ10A〜10Dに対し、論理回路(AND回路8A〜8D)が設けられ、最前段以外のDCDCコンバータ10B〜10Dに対応する論理回路(AND回路8B〜8D)は、前段のDCDCコンバータ10のパワーグッド信号PGと、電源シーケンス回路9から出力されるイネーブル信号ENを受け、2つの信号の論理積がとれるとき、対応するDCDCコンバータ10を動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないとき、対応するDCDCコンバータ10を停止させる旨の信号を出力し、最前段以外のDCDCコンバータ10B〜10Dは、各論理回路(AND回路8B〜8D)の出力信号に基づいて動作する。又、主電源投入後、まず最前段のDCDCコンバータ10Aを動作させる旨の信号を、最後段のDCDCコンバータ10Dのパワーグッド信号PG4が、正常範囲に有る旨の状態に成った後、正常範囲に無い旨の状態に変化したとき、最前段のDCDCコンバータ10Aを停止させる旨の信号を、最前段のDCDCコンバータ10Aに対応する論理回路(AND回路8A)に出力する最前段停止部(フリップフロップ12)を有し、最前段のDCDCコンバータ10Aに対応する論理回路(AND回路8A)は、最前段停止部(フリップフロップ12)の出力信号と、電源シーケンス回路9から出力されるイネーブル信号EN1を受け、論理積がとれると、DCDCコンバータ10を動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないときDCDCコンバータ10を停止させる旨の信号を出力する。
【0082】
(正常動作時のDCDCコンバータ10の動作)
次に、図5を用いて、本発明の実施形態に係る電源装置1の正常動作時(各DCDCコンバータ10A〜10Dで、出力異常が生じていないとき)の動作を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る電源装置1の正常動作時の動作の一例を示すタイミングチャートである。尚、本説明でも、図4を用いて説明した4種類の出力電圧(Vout1〜Vout4)の電源装置1を例に挙げて説明する。
【0083】
まず、主電源投入に伴い、最前段のDCDCコンバータ10Aが起動する。具体的に、フリップフロップ12の出力QがHighとなり(T1の時点)、電源シーケンス回路9も、DCDCコンバータ10Aを起動させるため、イネーブル信号EN1をHighとする(T2の時点)。これにより、AND回路8Aの出力がHighとなり、DCDCコンバータ10Aが起動する。そして、DCDCコンバータ10Aの出力電圧が上昇し、正常範囲に収まる電圧を出力すると、DCDCコンバータ10Aは、Highのパワーグッド信号PG1を出力する(T3の時点)。
【0084】
パワーグッド信号PG1は、次段のDCDCコンバータ10Bに対応するAND回路8Bに入力される。又、イネーブル信号EN2もHighに立ち上がる(T4の時点)。これにより、AND回路8Bの出力がHighとなり、2段目のDCDCコンバータ10Bが起動する。そして、正常範囲に収まる電圧を出力すると、DCDCコンバータ10Bは、Highのパワーグッド信号PG2を出力する(T5の時点)。
【0085】
以後、最後段のDCDCコンバータ10Dまで、同様のシーケンスが繰り返される。簡潔に言うと、パワーグッド信号PG2は、次段のDCDCコンバータ10Cに対応するAND回路8Cに入力される。又、イネーブル信号EN3もHighに立ち上がる(T6の時点)。これにより、3段目のDCDCコンバータ10Cが起動する。そして、DCDCコンバータ10Cは、Highのパワーグッド信号PG3を出力する(T7の時点)。又、パワーグッド信号PG3は、最後段のDCDCコンバータ10Dに対応するAND回路8Dに入力される。又、イネーブル信号EN4もHighに立ち上がる(T8の時点)。これにより、3段目のDCDCコンバータ10Cが起動する。そして、DCDCコンバータ10Dは、Highのパワーグッド信号PG4を出力する(T9の時点)。
【0086】
まず、最前段のDCDCコンバータ10Aが起動し、その後、前段のDCDCコンバータ10のHigh状態のパワーグッド信号PGと、High状態のイネーブル信号ENの起動しようとするDCDCコンバータ10に対応するAND回路8への入力により、1段ずつのDCDCコンバータ10の起動と、起動したDCDCコンバータ10のパワーグッド信号PGのHighへの立ち上がりが繰り返される。
【0087】
このように、電源装置1に含まれる全てのDCDCコンバータ10の順序だてた起動が完了する。尚、AND回路8A〜8Dの存在により、前段のDCDCコンバータ10でパワーグッド信号PGがHighとなり、次段のDCDCコンバータ10のAND回路8に伝達されないと、次段のDCDCコンバータ10は起動しないので、各イネーブル信号EN1〜EN4は、順序さえ守ればよく、任意の時点でHighとしてもよい。又、例えば、電源シーケンス回路9は、各イネーブル信号EN1〜EN4をT1の時点で一斉にHighとしてもよい。
【0088】
次に、各DCDCコンバータ10A〜10Dの停止を説明する。本説明では、起動と同じ順序で(10A→10B→10C→10D)、各DCDCコンバータ10A〜10Dを停止させる例を代表例として説明する。
【0089】
この順序で停止を行うとき、電源シーケンス回路9は、EN1→EN2→EN3→EN4の順で、各イネーブル信号EN1〜EN4をLowにする(例えば、一定間隔)。これにより、電源装置1に含まれる全てのDCDCコンバータ10は、順序だてて、停止される。
【0090】
ここで、上述したように、DCDCコンバータ10Dの停止のため、イネーブル信号EN4が立ち下がると、フリップフロップ12の「/CLR」端子に、Lowのイネーブル信号EN4が入力される。これにより、フリップフロップ12の出力Qは、Highとなる。具体的に、図5に示すように、イネーブル信号EN4の立ち下がりにより、パワーグッド信号PG4がLowに成ったとしても、フリップフロップ12の出力QはHighで維持される(T16〜T18の時点)。
【0091】
このように、電源シーケンス回路9の制御により、各イネーブル信号EN1〜EN4を立ち下げて、通常の全DCDCコンバータ10A〜10Dの停止が行われると、出力Qは、Highで維持される。そのため、AND回路8Aの入力端子の一方は、Highで維持される。従って、任意の時点で、電源シーケンス回路9は、各DCDCコンバータ10A〜10Dを予め定められた順序(10A→10B→10C→10D)で、再起動することができる。
【0092】
(出力異常発生時の各DCDCコンバータ10の動作)
次に、図6を用いて、本発明の実施形態に係る電源装置1の出力異常発生時の動作を説明する。図6は、本発明の実施形態に係る電源装置1の出力異常発生時の動作の一例を示すタイミングチャートである。尚、本説明でも、図4を用いて説明した4種類の出力電圧(Vout1〜Vout4)の電源装置1を例に挙げて説明する。
【0093】
各DCDCコンバータ10A〜10Dでは、故障などにより、出力異常が生じ得る。出力異常が生ずると、各DCDCコンバータ10A〜10Dのラッチオフ部6A〜6Dは、出力を停止させる。これにより、出力異常が生じたDCDCコンバータ10から電力供給を受けるデバイスの故障、破損、ショートは防がれる。
【0094】
しかし、基板全体としてみると、電源装置1に含まれるDCDCコンバータ10のうち1系統でも停止すると、全てのDCDCコンバータ10を停止させた方が好ましい。
【0095】
例えば、CPUにコア用の駆動電圧とI/O用の駆動電圧を与えるとき、例えば、コアに電圧が印加されていない状態でI/Oを動作させると、電流が流れてはいけない方向に流れることや、CPUから異常な信号が出力されることがある。これは、故障や誤動作の原因となり得る。そのため、CPUに関し、起動時はコア用の駆動電圧から供給し、停止時はI/O用の駆動電圧から切断することが推奨される場合がある。
【0096】
又、電力供給を受けたままのデバイス(チップやCPU等)からの信号が、DCDCコンバータ10の異常で停止したデバイスに入力されることがある。このような電力回り込みによって、誤動作や故障が、デバイスで発生する場合もある。
【0097】
そこで、図6を用いて一部のDCDCコンバータ10で過電流や、過電圧や出力電圧ドロップ等の異常が生じた場合の本実施形態の電源装置1の動作を説明する。本説明では、2段目のDCDCコンバータ10Bで出力異常が生じたときの動作を述べる。尚、何れかのDCDCコンバータ10で出力異常が生じたとき、各DCDCコンバータ10A〜10Dを動作させている状態である。そのため、図6には、図示をしないが、電源シーケンス回路9は、Highの各イネーブル信号EN1〜EN4を出力している。
【0098】
まず、図6において、主電源投入後、各DCDCコンバータ10A〜10Dが順に起動する点は、図5と同様である(T1〜T9)。そして、DCDCコンバータ10Bで出力電圧Vout2の異常が生ずると、ラッチオフ部6Bが動作し、DCDCコンバータ10B(電圧生成部11B)は停止される。これにより、DCDCコンバータ10Bの出力電圧Vout2は降下する(T20の時点)。又、パワーグッド信号PG2は、DCDCコンバータ10Bの出力が正常範囲内ではない旨を知らせるため、立ち下がる(Lowとなる)(T21の時点)
【0099】
Lowとなったパワーグッド信号PG2が、次段のDCDCコンバータ10Cに対応するAND回路8Cに入力される。これにより、DCDCコンバータ10Cの出力電圧Vout3も降下を始める(T22の時点)。又、パワーグッド信号PG3は、DCDCコンバータ10Cの出力が正常範囲内ではない旨を知らせるため、立ち下がる(Lowとなる)(T23の時点)
【0100】
更に、Lowとなったパワーグッド信号PG3が、次段のDCDCコンバータ10Dに対応するAND回路8Dに入力される。これにより、DCDCコンバータ10Dの出力電圧Vout4も降下を始める(T24の時点)。又、パワーグッド信号PG4は、DCDCコンバータ10Dの出力が正常範囲内ではない旨を知らせるため、立ち下がる(Lowとなる)(T25の時点)。
【0101】
パワーグッド信号PG4は、フリップフロップ12に入力される。フリップフロップ12は、パワーグッド信号PG4(最後段のパワーグッド信号PG)が立ち下がると、Lowを出力する(T26の時点)。そして、フリップフロップ12の出力は、最前段のDCDCコンバータ10Aに対応するAND回路8Aに入力される。AND回路8AがLowを出力することになり、これにより、DCDCコンバータ10Aの出力電圧Vout1も降下を始める(T27の時点)。そして、DCDCコンバータ10Aのパワーグッド信号PG1もLowとなる(T28の時点)。
【0102】
即ち、本発明に係る電源装置1、画像形成装置は、出力電圧が正常範囲に有るか否かを示すパワーグッド信号PGを出力するパワーグッド信号出力部7を有する複数のDCDCコンバータ10と、予め定められた起動順序及び停止順序に基づき、各DCDCコンバータ10の起動、停止を行う電源シーケンス回路9と、を含み、最前段以外のDCDCコンバータ10B〜10Dは、前段のDCDCコンバータ10のパワーグッド信号PGの状態が、正常範囲に有る旨の状態になると、起動し、正常範囲に無い旨の状態になると、電圧出力を停止し、最前段のDCDCコンバータ10Aは、電源シーケンス回路9の指示に基づき起動し、最後段のDCDCコンバータ10Dのパワーグッド信号PG4が、正常範囲に有る旨の状態から正常範囲に無い旨の状態に遷移すると電圧出力を停止する
【0103】
各パワーグッド信号PG1〜PG3を後段に向けて出力すると、出力異常が生じたDCDCコンバータ10よりも後段のDCDCコンバータ10(本説明では、DCDCコンバータ10B〜10D)であれば、一段ずつ停止してゆく。しかし、パワーグッド信号PGを後段に伝達してゆくだけであれば、出力異常が生じたDCDCコンバータ10よりも前段のDCDCコンバータ10(本説明では、DCDCコンバータ10A)は、動作したままとなる。
【0104】
しかし、本実施形態の電源装置1、複合機100では、最前段以外のDCDCコンバータ10が出力異常で停止したとき、フリップフロップ12によって、最前段のDCDCコンバータ10Aも停止される。具体的に、出力異常発生時、各イネーブル信号EN1〜EN4は、Highのまま(各DCDCコンバータ10A〜10Dを動作させる状態のまま)である。そのため、フリップフロップ12は、パワーグッド信号PG4の立ち下がりとともに、出力QをLowとする(T26の時点)。これにより、DCDCコンバータ10Aに対応するAND回路8Aの出力はLowとなり、DCDCコンバータ10Dが停止により、DCDCコンバータ10Aも停止される(T27、T28の時点)。このように、電源装置1に含まれるDCDCコンバータ10の全てが確実に停止し、フリップフロップ12は、最前段のDCDCコンバータ10Aを停止させる最前段停止部として機能する。
【0105】
(基板間の異常検知)
次に、図2に基づき、基板間での異常検知の一例を説明する。
【0106】
図2に示すように、本実施形態では、主制御部5、エンジン制御部40、スキャナ制御部20を含む画像読取部2A、通信部50等がバス等によって相互に通信可能とされる。
【0107】
そして、本実施形態の主制御部5、エンジン制御部40、スキャナ制御部20、通信部50等の各基板は、本発明に係る電源装置1を有する。そのため、電源装置1に含まれるDCDCコンバータ10のうち、1つでも出力異常があれば、全てのDCDCコンバータ10が停止する。これにより基板全体が停止する。そうすると、停止した基板とは通信できなくなる。
【0108】
そのため、主制御部5、エンジン制御部40、スキャナ制御部20、通信部50等のいずれかの基板は、通信できなくなった基板で異常が生じたことを検知する。この検知により、操作パネル2Cにて異常発生を報知(表示)してもよいし、通信部50から外部のコンピュータ200やサーバに異常発生の旨を送信させてもよい。尚、基板で異常が生じたことの検知は、全ての基板が行わず、主制御部5(主制御基板)のみが行うようにしてもよい。即ち、画像形成装置(例えば、複合機100)は、本発明に係る電源装置1を含む基板(主制御部5、エンジン制御部40、スキャナ制御部20、通信部50等)を複数含み、各基板は、いずれかの基板と通信可能に接続され、通信可能に接続された基板と通信できなくなったとき、通信できなくなった基板の異常を検知する。
【0109】
このようにして、本発明によれば、最前段以外のDCDCコンバータ10B〜10Dは、前段のDCDCコンバータ10のパワーグッド信号PGの状態が、正常範囲に無い旨の状態になると、電圧出力を停止し、最前段のDCDCコンバータ10Aは、最後段のDCDCコンバータ10Dのパワーグッド信号PG4が、正常範囲に有る旨の状態から正常範囲に無い旨の状態に遷移すると電圧出力を停止する。これにより、電源装置1内のいずれかのDCDCコンバータ10で出力異常が生じると、一段ずつ停止し、最後段に至ると最前段に戻り、1段ずつ停止してゆく。従って、最終的に、全てのDCDCコンバータ10が停止し、一部のDCDCコンバータ10が停止しても他のDCDCコンバータ10が動作し続けることによるデバイスの誤動作や破損を防ぐことができる。
【0110】
更に、いずれかのDCDCコンバータ10で出力異常が発生したとき、ソフトウェア的な制御によってではなく、電源装置1内のハードウェア構成に基づき、全てのDCDCコンバータ10を停止させることができる。例えば、暴走、故障等によりソフトウェア的な制御が無効な状態でも、安全、確実に全てのDCDCコンバータ10を停止させることができる。尚、各DCDCコンバータ10における「前段」、「後段」の関係は、パワーグッド信号PGの伝達経路からみて定められたものである。
【0111】
又、パワーグッド信号出力部7は、ラッチオフ部6がラッチオフを行うと、正常範囲に無い旨のパワーグッド信号PGを出力する。これにより、DCDCコンバータ10は、過電圧(過電流)や出力停止など、出力異常が生ずると、出力を停止し、DCDCコンバータ10から電力を受けて動作するデバイスを保護することができる。又、出力電圧が正常範囲に無い旨のパワーグッド信号PGが出力されることにより、1段ずつ全てのDCDCコンバータ10の出力を停止させることができる。
【0112】
又、最前段以外のDCDCコンバータ10B〜10Dに対応する論理回路(AND回路8B〜8D)は、前段のDCDCコンバータ10のパワーグッド信号PGと、電源シーケンス回路9から出力されるイネーブル信号ENを受け、2つの信号の論理積がとれるときDCDCコンバータ10を動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないときDCDCコンバータ10を停止させる旨の信号を出力する。これにより、全てのDCDCコンバータ10の出力に異常がなく、予め定められた順番で通常どおり各DCDCコンバータ10の起動、遮断を行えばよいとき、誤動作やデバイスの破損がないように、電源シーケンス回路9は、各DCDCコンバータ10の起動/停止を行える。
【0113】
又、最前段のDCDCコンバータ10Aに対応する論理回路(AND回路8A)は、最前段停止部(フリップフロップ12)の出力信号と、電源シーケンス回路9から出力されるイネーブル信号EN1を受け、論理積がとれると、DCDCコンバータ10を動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないときDCDCコンバータ10を停止させる旨の信号を出力する。これにより、いずれかのDCDCコンバータ10の出力異常で、最後段のDCDCコンバータ10が停止すると、最前段のDCDCコンバータ10Aに戻り、最前段のDCDCコンバータ10Aから順に、停止してゆく。従って、確実に全てのDCDCコンバータ10が停止される。
【0114】
又、最前段停止部(フリップフロップ12)は、フリップフロップ12である。これにより、最前段停止部(フリップフロップ12)は、ハードウェアであって、簡易、安価、堅牢なフリップフロップ12とされる。従って、一部のDCDCコンバータ10で出力異常があったとき、確実に全てのDCDCコンバータ10を停止させるようにすることができる。
【0115】
又、画像形成装置(例えば、複合機100)は、上述の電源装置1を含む。これにより、いずれかのDCDCコンバータ10で出力異常が生じても、一段ずつ停止し、最後段に至ると最前段から1段ずつ停止してゆき、最終的に、全てのDCDCコンバータ10が停止する電源装置1を含ませることができる。従って、電源装置1のDCDCコンバータ10が生成する電圧で駆動する基板やデバイスの誤動作や破損のない画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0116】
又、各基板(主制御部5、エンジン制御部40、スキャナ制御部20、通信部50等)は、いずれかの基板と通信可能に接続され、通信可能に接続された基板と通信できなくなったとき、通信できなくなった基板の異常を検知する。これにより、電源装置1の一部に異常があり、全体が停止した基板の異常を検知することができる。これにより、故障要因を容易に特定でき、修理、点検しやすい画像形成装置(例えば、複合機100)を提供することができる。
【0117】
以下、別実施形態について説明する。上述の実施形態では、電源装置1にDCDCコンバータ10が4つ搭載される例を示したが、3つ未満でもよいし、5つ以上、1つの電源装置1にDCDCコンバータ10が搭載されてもよい。この場合、各段数が増減するだけで、前段のパワーグッド信号PGに基づき、次段のDCDCコンバータ10が起動する点、最終段(最後段)のDCDCコンバータ10の出力停止に伴い、フリップフロップ12(最前段停止部)によって最前段(先頭段)のDCDCコンバータ10が停止させられる点は同様とする。
【0118】
又、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、複数のDCDCコンバータ10を含む電源装置1と、この電源装置1を備えた画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
100 複合機(画像形成装置) 1 電源装置
6(6A、6B、6C、6D) ラッチオフ部
7(7A、7B、7C、7D) パワーグッド信号出力部
8(8A、8A、8C、8D) AND回路(論理回路)
9 電源シーケンス回路 10 DCDCコンバータ
10A DCDCコンバータ(最前段)
10B DCDCコンバータ(2段目)
10C DCDCコンバータ(3段目)
10D DCDCコンバータ(最後段)
12 フリップフロップ(最前段停止部)
5 主制御部(基板) 20 スキャナ制御部(基板)
40 エンジン制御部(基板) 50 通信部(基板)
EN(EN1、EN2、EN3、EN4) イネーブル信号
PG(PG1、PG2、PG3、PG4) パワーグッド信号
Vout(Vout1、Vout2、Vout3、Vout4) 出力電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧が正常範囲に有るか否かを示すパワーグッド信号を出力するパワーグッド信号出力部を有する複数のDCDCコンバータと、
予め定められた起動順序及び停止順序に基づき、各前記DCDCコンバータの起動、停止を行う電源シーケンス回路と、を含み、
最前段以外の前記DCDCコンバータは、前段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号の状態が、正常範囲に有る旨の状態になると、起動し、正常範囲に無い旨の状態になると、電圧出力を停止し、
最前段の前記DCDCコンバータは、前記電源シーケンス回路の指示に基づき起動し、最後段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号が、正常範囲に有る旨の状態から正常範囲に無い旨の状態に遷移すると電圧出力を停止することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
各前記DCDCコンバータは、出力に異常が生ずるとラッチオフするラッチオフ部を含み、
前記パワーグッド信号出力部は、前記ラッチオフ部がラッチオフを行うと、正常範囲に無い旨の前記パワーグッド信号を出力することを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
各前記DCDCコンバータに対し、論理回路が設けられ、
最前段以外の前記DCDCコンバータに対応する前記論理回路は、前段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号と、前記電源シーケンス回路から出力されるイネーブル信号を受け、2つの信号の論理積がとれるとき、対応する前記DCDCコンバータを動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないとき、対応する前記DCDCコンバータを停止させる旨の信号を出力し、
最前段以外の前記DCDCコンバータは、対応する前記論理回路の出力信号に基づいて動作することを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
主電源投入後、まず最前段の前記DCDCコンバータを動作させる旨の信号を、次に、最後段の前記DCDCコンバータの前記パワーグッド信号が、正常範囲に有る旨の状態に成った後、正常範囲に無い旨の状態に変化したとき、最前段の前記DCDCコンバータを停止させる旨の信号を、最前段の前記DCDCコンバータに対応する前記論理回路に出力する最前段停止部を有し、
最前段の前記DCDCコンバータに対応する前記論理回路は、前記最前段停止部の出力信号と、前記電源シーケンス回路から出力されるイネーブル信号を受け、論理積がとれると、前記DCDCコンバータを動作させる旨の信号を出力し、論理積がとれないとき前記DCDCコンバータを停止させる旨の信号を出力することを特徴とする請求項3記載の電源装置。
【請求項5】
前記最前段停止部は、フリップフロップであることを特徴とする請求項4記載の電源装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電源装置を含む基板を複数含み、
各前記基板は、いずれかの前記基板と通信可能に接続され、通信可能に接続された前記基板と通信できなくなったとき、通信できなくなった基板の異常を検知することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−115114(P2012−115114A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264579(P2010−264579)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリュ−ションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】