説明

電源装置

【課題】負荷短絡の発生を素早く且つ確実に検出し、高速に負荷への電力供給を停止することができる電源装置を提供する。
【解決手段】 直流電源1と、スイッチ回路2と、限流リアクトル3と、負荷4に直流エネルギーを供給するため、スイッチ回路2にオンオフ指令を与える制御手段7と、負荷電圧を検出する電圧検出手段5と、信号絶縁手段6とで構成する。制御手段7は、オンオフ指令の基準信号を出力するスイッチ制御回路71と、信号絶縁手段6の出力を受け、電圧信号を出力する信号処理手段73と、この電圧信号が所定値以下のとき論理レベルHを出力する比較手段74と、スイッチ制御回路71の出力を所定時間オンディレイさせたオンオフ信号を出力するオンディレイ手段76とを有し、比較手段74の出力がHで且つオンディレイ手段76の出力がオンのとき、当該制御手段7の出力をオフするようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源装置に係り、特にスイッチ回路をオンオフさせることにより直流電圧を断続的に負荷に供給するようにした電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、クライストロン等の真空管にパルスパワーを供給する高電圧電源装置や、核融合の中性粒子入射装置に使用される高電圧電源装置においては、通常時スイッチ回路をオンオフさせることにより直流電源のエネルギーを断続的に負荷に供給する。このような負荷では、しばしば電圧印加中に負荷が短絡することがある。負荷が短絡状態となったまま負荷への電力供給が継続すると、負荷の電極等が損傷する恐れがある。このため、負荷短絡が発生した場合、高速にこれを検出し、スイッチ回路をオフすることにより負荷への電流流入を遮断する必要がある。
【0003】
また、負荷短絡が発生したとき、負荷短絡時の電流上昇率を制限する限流リアクトルのリアクタンスをL、入力電圧をVinとすると、電流増加率Vin/Lに従って時間と共に電流が増加する。例えば、スイッチ回路のスイッチとして半導体スイッチング素子を使用した場合、負荷短絡に伴い増加する遮断電流の許容値、及び電流遮断時にスイッチ両端に発生するサージ電圧の許容値が制限されるため、できる限り高速に電流を遮断することによりスイッチに対する責務を低減することが重要な課題となる。
【0004】
この対策として、電流検出手段を用いて負荷に流れる電流を検出し、正常時に流れる電流から負荷短絡時にVin/Lの割合で増加する電流がある閾値を超えたことを検出して負荷短絡が発生したと判断し、負荷への電力供給を停止させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、負荷に印加される電圧を検出し、この検出電圧と基準電圧とを比較し、検出電圧が基準電圧より低い値になったとき、負荷短絡と判断して負荷への電力供給を停止させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−343848号公報(第4−6頁、図1)
【特許文献2】特開2000−14134号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示された方法は、負荷に流れる電流を検出し、ある閾値を超えた場合に負荷短絡と判断して、スイッチを停止することにより負荷への電力供給を停止させている。しかしながら、特許文献1に示す方法には高速遮断という点において問題がある。すなわち、負荷短絡が発生し、限流リアクトルL及び入力電圧Vinとで決まる電流増加率Vin/Lにより電流が増加し、ある閾値を超えたとき、初めて負荷短絡と判断し、負荷への電力供給を停止することが可能となる。従って、閾値に到達するまでの時間は不感時間となり、負荷への電力供給が継続してしまう。更に、定常状態の負荷電流値と、閾値との差異が小さい場合には、検出器の検出誤差やノイズ及び負荷の状態変化などにより誤検出する恐れがある。閾値はこのような影響を考慮した上で決定されるため、定常状態の負荷電流値に比べて数10%程度大きな値を選定する必要がある。これは、例えば、スイッチとして半導体スイッチング素子を使用した場合、遮断電流の許容値及び、電流遮断時にスイッチ両端に発生するサージ電圧の点から不利となる。
【0007】
一方、特許文献2に示す検出方法は、負荷の短絡状態を出力電圧により検出している。負荷が短絡した場合、負荷のインピーダンスはきわめて小さな値となるため、負荷の両端に発生する電圧は、瞬時にしてほぼ0Vとなる。このため、高速遮断の点では有利である。しかしながら、特許文献2に示された方式においては以下の問題がある。
【0008】
まず、負荷に供給される電圧は直流である必要があり、本発明が適用されるような負荷に断続的に電力を供給する電源装置に適用することが困難である。
【0009】
更に、本発明が適用されるような高電圧の電源装置においては、負荷短絡が発生した場合、負荷の電位が変動し、制御部との間に電位差が生じる恐れがある。この電位差は数kVに達する場合もあり、電子回路の誤動作や破損等の原因となり、信頼性の問題がある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、負荷短絡の発生を素早く且つ確実に検出し、高速に負荷への電力供給を停止することができる電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の発明である電源装置は、直流電源と、この直流電源と負荷の間に限流リアクトルを介して接続されたスイッチ回路と、前記負荷に所望の直流エネルギーを供給するため、前記スイッチ回路にオンオフ指令を与える制御手段と、前記負荷に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の出力信号を電気的に絶縁して前記制御手段に与える信号絶縁手段とから構成され、前記制御手段は、前記オンオフ指令の基準信号を出力するスイッチ制御回路と、前記信号絶縁手段の出力から所望の電圧信号を得る信号処理手段と、前記電圧信号が所定の短絡検出閾値以下のとき論理レベルHを出力する第1の比較手段と、前記スイッチ制御回路が出力するオンオフ指令がオフからオンに変わるとき、所定の時間だけ遅らせるようにしたオンオフ信号を出力するオンディレイ手段とを有し、前記第1の比較手段の出力がHで且つ前記オンディレイ手段の出力がオンのとき、当該スイッチ制御回路の出力をオフするようにしたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の第2の発明である電源装置は、直流電源と、この直流電源と負荷の間に限流リアクトルを介して接続されたスイッチ回路と、前記負荷に所望の直流エネルギーを供給するため、前記スイッチ回路にオンオフ指令を与える制御手段と、前記負荷に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段によって検出された電圧が所定の短絡検出閾値以下のとき論理レベルHを出力する第2の比較手段と、前記第2の比較手段の出力信号を電気的に絶縁して前記制御手段に与える信号絶縁手段とから構成され、前記制御手段は、前記オンオフ指令の基準信号を出力するスイッチ制御回路と、前記信号絶縁手段の出力から所望の論理レベルの信号を得る信号処理手段と、前記スイッチ制御回路のオンオフ指令信号がオフからオンに変わるとき、所定の時間だけ遅らせるようにしたオンオフ信号を出力するオンディレイ手段とを有し、前記信号処理手段の出力がHで且つ前記オンディレイ手段の出力がオンのとき、当該スイッチ制御回路の出力をオフするようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、負荷短絡の発生を素早く且つ確実に検出し、高速に負荷への電力供給を停止することができる電源装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
以下、本発明の実施例1に係る電源装置を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本発明の実施例1に係る電源装置のブロック構成図である。
【0016】
所望の電圧に充電された直流電源1の電圧を、スイッチ回路2をオンオフすることにより負荷4に断続的に供給する。スイッチ回路2と直列に、負荷短絡時に電流上昇率を制限する限流リアクトル3が接続されている。スイッチ回路2に使用されるスイッチには通常は半導体スイッチング素子が使用されるが、機械的スイッチであっても、また電子管であっても良い。またスイッチは1個であるとは限らない。このスイッチ回路2に与えるオンオフ指令は、その詳細を後述する制御部7によって生成される。
【0017】
負荷4の両端電圧を検出するために電圧検出器5が設けられ、この電圧検出器5によって検出された電圧信号を信号絶縁回路6により、電圧検出器5とは電気的に絶縁された信号に変換して制御部7に信号伝送する。
【0018】
信号絶縁回路6の内部構成の一例を図2に示す。電圧検出器5で得られた電圧信号は、A/D変換器61によってデジタル信号に変換され、このデジタル信号はE/O変換器62によって電気信号から光信号に変換される。そしてこの光信号は光ファイバ63を経由して制御部7に伝送される。
【0019】
以下、制御部7の内部構成について説明する。
【0020】
スイッチ制御回路71は、スイッチ回路2に与えるべきオンオフ指令の基準信号を生成し、出力オフ回路72を介して信号レベルが“H”の場合にスイッチ回路2がオンし、“L”の場合にスイッチ回路2がオフするようなオンオフ指令をスイッチ回路2に与える。
【0021】
一方、信号絶縁回路6によって伝送された光信号は、信号処理回路73によって再び電気信号に変換され、比較回路74に与えられる。尚、ここで信号処理回路73の出力信号はアナログ/デジタルの種別を問わない。このため、後段の信号処理は、アナログ回路、デジタル回路どちらであっても適用可能である。本実施例においては、アナログ回路として以下記載する。
【0022】
比較回路74においては、入力された信号と内部で設定された所定の短絡検出閾値とを比較し、入力された信号が短絡検出閾値以下であればAND回路75の一方の入力にロジック信号“H”を出力し、そうでなければ“L”を出力する。AND回路75の他方の入力には、スイッチ制御回路71の出力であるオンオフ指令信号がオンディレイ回路76を介して与えられる。前述したようにオンオフ指令信号のオン、オフはロジック信号“H”、“L”に夫々対応している。そしてAND回路75の出力は出力オフ回路72にその制御入力として与えられ、AND回路75がロジック信号“H”を出力したとき、出力オフ回路72はスイッチ回路2に与えるオンオフ指令信号をオフして負荷4への電力の供給を停止する。
【0023】
尚、上記比較回路74に代えて、図3に示すように比較回路内のアンプの入出力を短絡する短絡器を設けた比較回路74aを用い、オンディレイ回路76の出力レベルが“L”のときこの短絡器を短絡して比較回路74aの出力を“L”に固定するようにすれば、比較回路74aの出力が図1のAND回路75の出力と等価となるのでAND回路75を省略することが可能となる。尚、本発明においてAND回路75の機能を実現する手法は他にも多数あるが、他の方法についての説明は省略する。
【0024】
以上説明した実施例1の構成における動作を図4に示す動作タイムチャートに従って以下に説明する。
【0025】
図4の動作タイムチャートにおいて、時刻t=T0でスイッチ制御回路71がオン指令を出力し、時刻t=T3においてオフ指令を出力する場合を考える。
【0026】
直流電源1の出力電圧をVout、限流リアクトル3のインダクタンスをL、負荷4の等価抵抗をRとしたとき、負荷4に印加される負荷電圧VLは、
VL=Vout×{1−exp(L/R ×t)}・・・(1)
となる。ここで、比較回路74の短絡検出閾値をVthとすると、負荷電圧VLが短絡検出閾値Vthに到達するまでの時間Tは、(1)式のVLにVthを、tにTを代入して解くことにより、
T=−L/R ×ln{(Vout−Vth)/ Vout}・・・(2)
と表すことができる。従って図4において負荷電圧VLが短絡検出閾値Vthに到達する時刻をt=T1とすると、T=T1−T0となる。
【0027】
この時間Tの間は、スイッチ制御出力回路71がオン指令を出力している状態ではあるが、負荷電圧が短絡検出閾値Vth以下であるので、比較回路74は電圧低下異常を検出し、実際の負荷短絡の有無に拘らずロジック信号“H”を出力する。このとき、出力オフ回路72がオンオフ指令信号をオフしないようにするため、オンディレイ回路76を設け、そのディレイ時間が上記時間Tよりも大きくなるように選定する。このようにすると、図4に示したように時刻t=T2(但し、T2≧T1)においてオンディレイ回路76の出力がオン(“H”レベル)となり、時刻T2からT3までの期間だけ負荷短絡検出機能が有効となる。
【0028】
以上説明したようにこの実施例1によれば、誤検出を防止して確実に負荷短絡を検出し、スイッチ回路2をオフして装置保護を行なうことが可能となる。
【0029】
尚、短絡電流が立ち上がる前に装置保護を行なうためには、上記における時間Tは、なるべく短くすることが好ましい。このためには短絡検出閾値Vthを誤検出の生じない範囲で最小化することが肝要となる。
【0030】
また、本実施例によれば、アナログ信号をデジタル変換し、更に光信号に変換して光ファイバによって伝送することにより、電圧検出器5と制御部7との間の電気的絶縁を取ることができ、信号伝送中の耐ノイズ性に対しても、非常に優れた構成とすることができる。尚、アナログ信号からデジタル信号への変換時間は数マイクロ秒であるので、本発明が期待する負荷短絡状態を高速に検出する目的を損なうことはない。
【実施例2】
【0031】
以下、本発明の実施例2に係る電源装置を図5及び図6を参照して説明する。
【0032】
図5は本発明の実施例2に係る電源装置のブロック構成図である。この実施例2の各部について、図1の本発明の実施例1に係る電源装置のブロック構成図の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。この実施例2が実施例1と異なる点は、比較回路74を制御部7内には設けず、電圧検出器5の出力側に電圧検出器5と同一絶縁電圧レベルの比較回路5aを設け、この比較回路5aの出力を信号絶縁回路6aに与える構成とした点である。
【0033】
この実施例2における信号絶縁回路6aの内部構成図の一例を図6に示す。比較回路5aの出力はロジック信号であるので、信号絶縁回路6aはこのロジック出力を光信号に変換するE/O変換器62によって電気信号から光信号に変換し、この光信号を光ファイバ63を介して制御部7a内の信号処理回路73aに伝送する。ここで信号処理回路73aは、光信号を電気的ロジック信号に変換してAND回路75に出力する。
【0034】
この実施例2においては、電圧検出器5で検出した電圧信号を絶縁する前に比較回路5aによって電圧信号が短絡検出閾値以下かどうかをチェックする構成としたので、比較回路5aと電圧検出器5が同一絶縁電圧レベルとなり、また信号絶縁回路6aで扱う信号がロジック信号のみとなるため、全体の回路構成の簡素化を図ることが可能となる。
【実施例3】
【0035】
以下、本発明の実施例3に係る電源装置を図7及び図8を参照して説明する。
【0036】
図7は本発明の実施例3に係る電源装置のブロック構成図であり、図8は実施例3で用いられる信号絶縁回路6bの内部構成図である。この実施例3の各部について、図5の本発明の実施例2に係る電源装置のブロック構成図及び図6の実施例2で用いられる信号絶縁回路6aの内部構成図の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。この実施例3が実施例2と異なる点は、図8の信号絶縁回路6bにおいて、比較回路5aのロジック出力信号をパルス変換回路64によってパルス整形し、その出力をパルストランス65に与え、そしてパルストランス65の2次出力を制御部7bの信号処理回路73bに与える構成とした点である。
【0037】
ここでパルス変換回路64は、比較回路5aのロジック出力信号をパルストランス65の入力として適した信号、例えばパルストランス65が鉄心飽和を起こさないような適切なパルス幅を有するパルス信号にパルス整形する。
【0038】
また、この実施例3における信号処理回路73bは、その入力が光信号でなく電気信号であるので、必要に応じて信号をロジックレベルに変換する機能があれば十分である。
【0039】
以上説明した実施例3によれば、光信号変換を用いていないので、例えば、電気/光、光/電気変換の遅れ時間などを考慮する必要が無く高速に信号を伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1に係る電源装置のブロック構成図。
【図2】本発明の実施例1に用いられる信号絶縁回路の内部構成図。
【図3】本発明の実施例1に用いられるコンパレータの他の一例を示す回路構成図。
【図4】本発明の動作を説明するためのタイムチャート。
【図5】本発明の実施例2に係る電源装置のブロック構成図。
【図6】本発明の実施例2に用いられる信号絶縁回路の内部構成図。
【図7】本発明の実施例3に係る電源装置のブロック構成図。
【図8】本発明の実施例3に用いられる信号絶縁回路の内部構成図。
【符号の説明】
【0041】
1 直流電源
2 スイッチ回路
3 限流リアクトル
4 負荷
5 電圧検出器
5a 比較回路
6、6a、6b 信号絶縁回路
61 A/D変換器
62 E/O変換器
63 光ファイバ
64 パルス変換回路
65 パルストランス
7、7a、7b 制御部
71 スイッチ制御回路
72 出力オフ回路
73、73a、73b 信号処理回路
74、74a 比較回路
75 AND回路
76 オンディレイ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、
この直流電源と負荷の間に限流リアクトルを介して接続されたスイッチ回路と、
前記負荷に所望の直流エネルギーを供給するため、前記スイッチ回路にオンオフ指令を与える制御手段と、
前記負荷に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の出力信号を電気的に絶縁して前記制御手段に与える信号絶縁手段と
から構成され、
前記制御手段は、
前記オンオフ指令の基準信号を出力するスイッチ制御回路と、
前記信号絶縁手段の出力から所望の電圧信号を得る信号処理手段と、
前記電圧信号が所定の短絡検出閾値以下のとき論理レベルHを出力する第1の比較手段と、
前記スイッチ制御回路が出力するオンオフ指令がオフからオンに変わるとき、所定の時間だけ遅らせるようにしたオンオフ信号を出力するオンディレイ手段と
を有し、
前記第1の比較手段の出力がHで且つ前記オンディレイ手段の出力がオンのとき、当該制御手段の出力をオフするようにしたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
直流電源と、
この直流電源と負荷の間に限流リアクトルを介して接続されたスイッチ回路と、
前記負荷に所望の直流エネルギーを供給するため、前記スイッチ回路にオンオフ指令を与える制御手段と、
前記負荷に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、
この電圧検出手段によって検出された電圧が所定の短絡検出閾値以下のとき論理レベルHを出力する第2の比較手段と、
前記第2の比較手段の出力信号を電気的に絶縁して前記制御手段に与える信号絶縁手段と
から構成され、
前記制御手段は、
前記オンオフ指令の基準信号を出力するスイッチ制御回路と、
前記信号絶縁手段の出力から所望の論理レベルの信号を得る信号処理手段と、
前記スイッチ制御回路のオンオフ指令信号がオフからオンに変わるとき、所定の時間だけ遅らせるようにしたオンオフ信号を出力するオンディレイ手段と
を有し、
前記信号処理手段の出力がHで且つ前記オンディレイ手段の出力がオンのとき、当該制御手段の出力をオフするようにしたことを特徴とする電源装置。
【請求項3】
前記信号絶縁手段は、
前記電圧検出手段によって検出された電圧信号をデジタル変換し、このデジタル変換された信号を光信号に変換して光ファイバを介して信号伝送するようにし、
前記信号処理手段は、
前記光ファイバの出力を電気信号に変換して前記第1の比較手段の入力とするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
前記信号絶縁手段は、
前記第2の比較手段の出力を光信号に変換して光ファイバを介して信号伝送するようにし、
前記信号処理手段は、
前記光ファイバの出力を電気信号に変換するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項5】
前記信号絶縁手段は、
前記第2の比較手段の出力をパルス信号に変換し、このパルス信号をパルストランスを介して信号伝送するようにし、
前記信号処理手段は、
前記パルストランスの2次側の信号を必要に応じて所定の電圧レベルに変換するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項6】
前記オンディレイ手段におけるオンディレイ時間Tは、
前記直流電源の出力電圧をVout、前記短絡検出閾値をVth、前記負荷の等価抵抗をR、前記限流リアクトルのインダクタンスをLとしたとき、
T ≧ −L/R ×ln{(Vout−Vth)/ Vout}
を満たすように選定したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−33826(P2009−33826A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193388(P2007−193388)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】