説明

電球形蛍光ランプおよび照明器具

【課題】発光管14とホルダ15との十分な固定強度を確保でき、光取出効率を向上できる電球形蛍光ランプ11を提供する。
【解決手段】ホルダ15に突設した一対のリブ48の内側に発光管14の一対の電極封装端部33を嵌合し、リブ48の内側で接着剤52により電極封装端部33を固定する。リブ48をホルダ15の中央域に突設した凸部47に連続して突設することでリブ48自体の強度を向上させ、発光管14とホルダ15との十分な固定強度を確保する。凸部47やリブ48で光を遮るのを少なくし、光取出効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般照明用電球に置き換えて使用できる電球形蛍光ランプ、およびこの電球形蛍光ランプを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電球形蛍光ランプは、軸方向の一端側に配置される一対の電極封装端部に一対の電極が封装されたバルブを有する発光管、この発光管を支持するホルダ、一端側に口金が取り付けられるとともに他端側にホルダが支持されるカバー、このカバー内に収容される点灯装置、および発光管を覆って一端側がカバーに支持されるグローブを備えている。
【0003】
発光管のバルブ形状としては、螺旋状に形成されたものがあり、このバルブをホルダで支持するには、バルブの一対の電極が封装された部分を含む一対の電極封装端部をホルダの内側に大きく挿入して接着剤で固定している(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2004−311032号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルブをホルダで支持する場合、バルブの一対の電極が封装された部分を含む一対の電極封装端部をホルダの内側に大きく挿入して接着剤で固定しているため、バルブの電極封装端部側から出射する光がホルダで遮られ、電球形蛍光ランプとして外部へ光を取り出す光取出効率が低下する問題がある。
【0005】
また、単にバルブの一対の電極封装端部をホルダに挿入する量を少なくしただけでは、固定強度が低下するだけで、十分な光取出効率の向上が得られない。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、発光管とホルダとの十分な固定強度を確保でき、ホルダに電極封装端部を挿入する従来に比べて光取出効率を向上できる電球形蛍光ランプ、およびこの電球形蛍光ランプを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の電球形蛍光ランプは、一端側に一対の電極封装端部が設けられるバルブおよび一対の電極封装端部に封装された一対の電極を有する発光管と;他端側へ向けて、中央域から凸部が突設されているとともに、発光管の一対の電極封装端部を嵌合する一対のリブが凸部に連続して突設され、リブの内側に電極封装端部を接着剤で固定するホルダと;一端側に口金が取り付けられるとともに他端側にホルダが支持されたカバーと;カバー内に収容された点灯装置と;を具備しているものである。
【0008】
発光管のバルブは、螺旋形に屈曲した形状のバルブや、複数のU字形の管体を並設する屈曲した形状のバルブなどのいずれでもよい。また、バルブの外形をグローブの形状に沿った形状に形成すれば、放電路長が長くなり、発光効率が高くなる。
【0009】
ホルダのリブは、ホルダの外周方向に開口した断面略C字形や、筒形などいずれでもよいが、光取出効率を向上させるうえで断面略C字形が好ましい。リブは、発光管の電極封装端部の外周面との接着剤による接着面積を確保するとともに接着剤のはみ出しを少なくする。
【0010】
ホルダの凸部は、一対のリブ間に沿うように例えば略8の字形の外形となるように形成してもよく、ホルダの一端側で凸部の内側には点灯装置の一部の部品を配置してもよい。リブの内側に電極封装端部を固定する接着剤は、酸化カルシウムやケイ素化合物を主成分とするセメントや、シリコーン樹脂など、いずれでもよい。
【0011】
口金は、E形と称されるねじ込みタイプが通常使用されるが、一般照明用電球が装着されるソケットに取付可能であればこれに限定されない。
【0012】
カバーは、発光管をホルダを介して間接的に支持する。
【0013】
点灯装置は、例えば、10kHz以上の高周波電力を発光管に印加して発光管を点灯させる電子部品を主体としたインバータ回路などで構成してもよい。
【0014】
請求項2記載の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、ホルダの一対のリブが並ぶ方向に対して交差する方向の凸部の外形は、リブより突出しかつホルダの外周部より内側に離反して設けられているものである。
【0015】
ホルダの一対のリブが並ぶ方向に対して交差する方向の凸部の外形は、リブより突出していないと、リブを十分に補強できず、また、ホルダの外周部より内側に離反していないと、一端側へ向かう光を遮って光取出効率が低下してしまう。
【0016】
請求項3記載の電球形蛍光ランプは、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプにおいて、ホルダの一端側の内面に難燃材が設けられているものである。
【0017】
難燃材は、ホルダの一端側の内面に同前を主成分とするセメントやシリコーン樹脂などを塗布して形成したり、別体の難燃材を配置してもよい。
【0018】
請求項4記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプにおいて、発光管を収容するとともに一端側にカバーには係止する係止構造が設けられているグローブを具備しているものである。
【0019】
グローブは、透光性を有する樹脂製で、例えば、他端側である頂部側が球形で、カバーに支持される一端側に頂部側の最大径部より小径となる縮径部が形成される。縮径部は、発光管の最大径部より小径でも大径でもよい。小径の場合には、発光管を収容可能にグローブが複数に分割される。
【0020】
係止構造は、凹凸嵌合構造、ねじ螺合構造、これらの組み合わせなどのいずれでもよい。
【0021】
請求項5記載の照明器具は、器具本体と;器具本体に取り付けられたソケットと;ソケットに接続された請求項1ないし4いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;を具備しているものである。
【0022】
器具本体は、例えば、ダウンライトなどであるが、一般照明用電球を使用する器具本体であればこれに限定されない。ソケットは、E形と称されるねじ込みタイプが通常使用されるが、一般照明用電球が装着されるソケットであればこれに限定されない。
【発明の効果】
【0023】
請求項1記載の電球形蛍光ランプによれば、ホルダに突設した一対のリブの内側に発光管の一対の電極封装端部を嵌合し、このリブの内側で接着剤により電極封装端部を強固に固定できるとともに、リブをホルダの中央域に突設した凸部に連続して突設することでリブ自体の強度を向上させることができるため、十分な固定強度を確保でき、ホルダに電極封装端部を挿入する従来に比べて光取出効率を向上できる。
【0024】
請求項2記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、ホルダの一対のリブが並ぶ方向に対して交差する方向の凸部の外形は、リブより突出しかつホルダの外周部より内側に離反して設けるため、リブの強度の向上させることと、凸部によって光を遮るのを防止することとをバランスよく両立できる。
【0025】
請求項3記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1または2記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、ホルダの一端側の内面に難燃材を設けるため、点灯装置の発熱によってホルダが熱影響を受けるのを低減できる。
【0026】
請求項4記載の電球形蛍光ランプによれば、請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプの効果に加えて、グローブの一端側にカバーに係止する係止構造を設けるため、グローブをカバーに容易に組み立てることができて組立性を向上でき、係止を解除すればグローブを分離できてリサイクル性を向上できる。
【0027】
請求項5記載の照明器具によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の電球形蛍光ランプの作用を有する照明器具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0029】
図1は電球形蛍光ランプの断面図、図2は電球形蛍光ランプのホルダの他端側を示す斜視図、図3はホルダの一端側を示す斜視図、図4は電球形蛍光ランプのホルダとカバーとの組立構造を示す断面図、図5は電球形蛍光ランプを用いた照明器具の断面図である。
【0030】
図1において、11は電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプ11は、電球形蛍光ランプ11の軸方向(高さ方向)の一端に口金12が取り付けられたカバー13と、このカバー13の他端側に支持された発光管14と、この発光管14の一端側を支持してカバー13の他端側に取り付けられたホルダ15と、発光管14を収容してカバー13の他端側に取り付けられたグローブ16と、口金12、カバー13およびホルダ15の内側に収納された点灯装置17とを備えている。そして、定格電力が例えば40Wタイプ、60Wタイプ、100Wタイプの白熱電球などの一般照明用電球に近い寸法と外観に形成されている。この一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている。
【0031】
そして、口金12は、例えばエジソンタイプのE26形などで、ねじ山を備えた筒状のシェル21、このシェル21の一端側の頂部に絶縁部22を介して設けられたアイレット23を備えている。シェル21の他端側はカバー13の一端部に被せてかしめまたは接着などにより固定されている。
【0032】
また、カバー13は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂にて形成され、一端側には口金12のシェル21が取り付けられる円筒状の口金取付部26が形成され、他端側には拡開した円環状のカバー部27が形成され、このカバー部27の内側にはグローブ16を取り付ける複数の係止爪部28が形成されている。カバー13の一端側には、カバー13の中心からオフセットした位置に一対の基板保持部29が突設されている。
【0033】
また、発光管14は、1本のバルブ31を有し、このバルブ31には螺旋形部32および両端の一対の電極封装端部33が形成されている。
【0034】
螺旋形部32は、1本のバルブ31を二等分するようにバルブ31の中央領域が屈曲されるとともに、このバルブ31の屈曲された中央領域を頂部34としてバルブ31の両端側が螺旋状に湾曲された2重螺旋形状に形成されている。この螺旋形部32の成形は、1本の直管状のバルブ31を加熱軟化させてやわらかくした状態で、バルブ31を中央領域で二等分するように屈曲し、さらに屈曲した中央領域を頂部34としてバルブ31の両端側を型の螺旋状に形成された溝に沿わせて巻き付けることにより螺旋形に形成している。さらに、螺旋形部32の形状は、軸直交方向の最大径部がグローブ16の一端側の開口部寸法よりも大径で、グローブ16の形状に沿った形状であって軸方向の中間部の径が一端側および頂部34側の径より大きい略球形となるように形成されている。螺旋形部32の頂部34を他端方向に膨出させて最冷部を形成してもよい。
【0035】
一対の電極封装端部33は、頂部34と反対側の一端方向へ向かって軸方向と平行に突出されている。
【0036】
バルブ31の内面には、例えば3波長形の蛍光体膜が塗布形成されている。
【0037】
バルブ31の内部には、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、あるいはクリプトン(Kr)などの希ガスや水銀などを含む封入ガスが封入されている。
【0038】
バルブ31の一対の電極封装端部33には、例えばフレアステムによって一対の電極35が封装されている。各電極35は、フレアステムに封装された一対のウエルズに懸架されたフィラメントコイルを有している。一対のウエルズは、フレアステムから外部に導出されて点灯装置17に接続される一対のワイヤに接続されている。
【0039】
バルブ31の各電極封装端部33には、フレアステムに取り付けられた排気管とも呼ばれる円筒状の細管36が連通状態に突設されている。これら各細管36は、発光管14の製造過程で溶断によって順次封止され、各細管36のうちの封止されていない一部を通じて発光管14内の排気がなされるとともに、封入ガスが封入されて置換された後に、その細管36を溶断することによって封止される。
【0040】
一方の細管36は、先端部が口金12の内側まで延設されるように長く形成され、その先端部には封止する際にアマルガムとしての主アマルガム37が封入されている。この主アマルガム37は、ビスマス、錫および水銀にて構成される合金であり、略球形状に形成され、発光管14内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する作用を有している。なお、主アマルガム37としては、ビスマス、錫の他に、インジウム、鉛などを組み合わせた合金によって形成したものを用いてもよい。また、電極35のウエルズに、水銀吸着放出作用を有する補助アマルガムを取り付けてもよい。
【0041】
また、ホルダ15は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂材料にて形成され、円板状の基板部41、およびこの基板部41の周縁部から一端側に突出する円筒状の筒部42を備えている。
【0042】
このホルダ15には、グローブ16に取り付けるために、筒部42の周面に複数のストッパ部43が突設されているとともに、筒部42から一端側に突出する複数の取付片44が突設されている。これら取付片44の先端外面には係止爪部45が突設されている。
【0043】
ホルダ15の内側には、ホルダ15の中心線からオフセットした位置に、溝状の基板保持部46がホルダ15の中心線に沿って形成されている。
【0044】
ホルダ15の基板部41には、他端側へ向けて、基板部41の中央域から凸部47が突設されているとともに、発光管14の一対の電極封装端部33を軸方向から差し込み嵌合する一対のリブ48が凸部47に連続して突設されている。
【0045】
凸部47は、一対のリブ48が並ぶ方向に対して交差する方向の外形が凸円弧状で、一対のリブ48が並ぶ方向が凹円弧状に形成された略8の字形に形成されている。この凸部47によって、ホルダ15の一端面には同形状の凹部49が形成されている。一対のリブ48が並ぶ方向に対して交差する方向の凸部47の外形寸法は、リブ48より突出しかつホルダ15の外周部より内側に離反して設けられている。凸部47の他端面には、各リブ48の外側に沿って遮熱体係合部50が突設されている。
【0046】
一対のリブ48は、凸部47と同じ高さに突出されるとともに両端部がホルダ15の外周側へ向けて凸部47から延設され、ホルダ15の他端側および外周側に開口する断面略C字形に形成されている。一対のリブ48の中央部で基板部41には、発光管14の各細管36およびワイヤが挿通される一対の挿通孔51が形成されている。
【0047】
一対のリブ48には発光管14の一対の電極封装端部33が差し込まれ、それら電極封装端部33の一端面およびリブ48内に対向する内面側を支持するとともに、酸化カルシウム、シリカ、アルミナや、これらの混合化合物などを主成分とするセメントなどの接着剤52により接着固定されている。
【0048】
ホルダ15の一端側の内面には、発光管14との組立後に、酸化カルシウム、シリカ、ケイ素化合物などを主成分とするセメントやシリコーン樹脂など難燃材が塗布されて設けられる。
【0049】
また、グローブ16は、透明または光拡散性を有する例えばポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンなどの樹脂材質により、白熱電球などの一般照明用電球のガラス球の形状に近い滑らかな曲面状に形成されている。すなわち、グローブ16には、他端側である頂部側に球形部61が形成され、一端側に球形部61より漸次縮径された縮径部62が形成されている。縮径部62の一端側には開口部63が開口された開口端部64が形成され、この開口端部64がカバー13の内側に嵌合される。この開口端部64には、カバー13の複数の係止爪部28と係止する係止構造として複数の係止孔65が形成されている。さらに、開口端部64の内側に、ホルダ15のストッパ部43が当接する当接部66が形成されているとともに、開口端部の一端側に、このホルダ15のストッパ部43が当接部66に当接する状態でホルダ15の複数の係止爪部45が係止する係止溝67が形成されている。
【0050】
グローブ16は、グローブ16の軸方向に直交する方向で球形部61の最大径部を分割線として、グローブ16の軸方向に頂部側グローブ部68と縮径部側グローブ部69とに2分割形成されている。これら頂部側グローブ部68と縮径部側グローブ部69とは、ホルダ15に支持した発光管14を収容するように軸方向から被せて組み合わされて例えば超音波溶着により固着されている。
【0051】
このグローブ16の分割構造により、グローブ16の開口部63より大径の螺旋形部32を有する発光管14をグローブ16内に収容することができる。しかも、グローブ16の分割線がグローブ16の軸方向に直交する方向であるため、グローブ16の頂部側から見たとき、分割線が見えず、外観上の美観を確保できるうえに、点灯時に、その分割線の影が投影され難くなり、点灯中の美観を確保できる。
【0052】
また、点灯装置17は、基板71を備え、この基板71の両側面に点灯回路72を構成する複数の電子部品73が実装されている。この基板71は、この基板71の両側縁部がカバー13の基板保持部29およびホルダ15の基板保持部46に差し込み係合されてカバー13およびホルダ15の中心軸の方向に沿って縦形に配置されるとともに、カバー13およびホルダ15の中心線に対してオフセットした位置に配置されている。また、基板71には、発光管14の各電極35の一対のワイヤをそれぞれ巻き付けて接続する4本のラッピングピン74が突設されている。また、電子部品73の一部をホルダ15の凹部49内に配置してもよい。
【0053】
次に、電球形蛍光ランプ11を組み立てるには、発光管14の各電極封装端部33を各遮熱体81に通し、発光管14の各電極封装端部33から突出する細管36およびワイヤをホルダ15の各挿通孔51に通し、発光管14の各電極封装端部33をホルダ15の各リブ48の内側に挿入嵌合する。このとき、予め、ホルダ15の各リブ48の内側にCaおよびSiを主成分とするセメントなどの接着剤52を注入しておくことにより、挿入嵌合する発光管14の各電極封装端部33の周面とリブ48の内側との間で接着剤52が押しつぶされて広がり、これら両者に対して比較的広い面積で接着剤52が接して接着固定する。そして、リブ48を凸部47と同じ高さとするとともに凸部47からホルダの外周側へ向けて延設しているため、接着剤52がはみ出すのを少なくできる。
【0054】
発光管14とホルダ15との組立後には、ホルダ15の一端側の内面全体を覆うように、酸化カルシウムやシリカなどを主成分とするセメントやシリコーン樹脂など難燃材(接着剤52と同一でもよい)を塗布する。このとき、挿通孔51を通じて発光管14の電極封装端部33の端面まで難燃材を塗布し、発光管14とホルダ15との固定強度を向上させる。
【0055】
ホルダ15の内側に基板71を差し込み、ホルダ15の内側に引き出されている発光管14の各ワイヤを基板71の各ラッピングピン74に巻き付けて接続する。
【0056】
グローブ16の頂部側グローブ部68と縮径部側グローブ部69とを、ホルダ15に支持した発光管14を収容するように軸方向から被せて組み合わせて固着する。なお、縮径部側グローブ部69のみをホルダ15に取り付け、後の任意の工程あるいは最後の工程で頂部側グローブ部68を縮径部側グローブ部69と組み合わせて固着してもよい。
【0057】
ホルダ15を縮径部側グローブ部69に取り付けるには、ホルダ15の一端側を縮径部側グローブ部69の大径側から内側に挿入することにより、ホルダ15のストッパ部43が縮径部側グローブ部69の当接部66に当接するとともに、ホルダ15の各係止爪部45が縮径部側グローブ部69の各係止溝67に係止して、これらを機械的に固定する。
【0058】
その後、カバー13を基板71の一端側から差し込むとともに縮径部側グローブ部69の一端側の開口端部64の外側に組み合わせ、カバー13の各係止爪部28を縮径部側グローブ部69の各係止孔65に係止させて、これらを機械的に固定する。
【0059】
基板71と口金12のシェル21およびアイレット23とをそれぞれ配線で接続し、シェル21をカバー13の口金取付部26にかしめや接着によって固着する。
【0060】
このように形成された電球形蛍光ランプ11の具体的構成は次のとおりである。電球形蛍光ランプ11の軸方向の全長が109mm、グローブ16の最大径部の直径が60mm、発光管14の最大径部が54mm、発光管14の軸方向の寸法が64mm、発光管14の放電路長が360〜610mm(バルブ31の径が8mmの場合に放電路長は476mm、9mmの場合に放電路長は374mm)であり、一般照明用電球に近似した外観であって一般照明用電球に置き換えて使用できる。
【0061】
そのため、図5に示すように、電球形蛍光ランプ11は、ダウンライトである照明器具91に使用できる。この照明器具91は、器具本体92を有し、この器具本体92内にソケット93および反射体94が取り付けられ、ソケット93には電球形蛍光ランプ11が装着される。
【0062】
そして、この電球形蛍光ランプ11では、ホルダ15に突設した一対のリブ48の内側に発光管14の一対の電極封装端部33を嵌合し、このリブ48の内側で接着剤52により電極封装端部33を強固に固定できるとともに、リブ48をホルダ15の中央域に突設した凸部47に連続して突設することでリブ48自体の強度を向上させることができるため、十分な固定強度を確保でき、ホルダ15に電極封装端部33を挿入する従来に比べて光取出効率を向上できる。
【0063】
ホルダ15の一対のリブ48が並ぶ方向に対して交差する方向の凸部47の外形は、リブ48より突出しかつホルダ15の外周部より内側に離反して設けるため、リブ48の強度の向上させることと、凸部47によって光を遮るのを防止することとをバランスよく両立できる。
【0064】
また、ホルダ15の一端側の内面に難燃材を設けるため、点灯装置17の発熱によってホルダ15が影響を受けるのを低減できる。
【0065】
なお、難燃材としては、酸化カルシウムやシリカなどを主成分とするセメントやシリコーン樹脂などを塗布して形成する他に、板状または筒状の別体の難燃材を配置してもよい。別体の難燃材としては、例えばポリエーテルインドや液晶ポリマーなどのホルダ15よりも難燃グレード(94V−5レベル)の高い樹脂製や、アルミなどの金属製が用いることができる。
【0066】
また、グローブ16の一端側にカバー13に係止する係止構造を設けるため、グローブ16をカバー13に容易に組み立てることができて組立性を向上でき、係止を解除すればグローブ16を分離できてリサイクル性を向上できる。
【0067】
なお、グローブ16の一端側にカバー13に係止する係止構造としては、ねじ螺合構造、ねじ螺合構造と凹凸嵌合構造との組み合わせなどのいずれでもよい。ねじ螺合構造の場合には、電球形蛍光ランプ11をソケット93に装着する方向に対して逆ねじにすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電球形蛍光ランプの断面図である。
【図2】同上電球形蛍光ランプのホルダの他端側を示す斜視図である。
【図3】同上ホルダの一端側を示す斜視図である。
【図4】同上電球形蛍光ランプのホルダとカバーとの組立構造を示す断面図である。
【図5】同上電球形蛍光ランプを用いた照明器具の断面図である。
【符号の説明】
【0069】
11 電球形蛍光ランプ
12 口金
13 カバー
14 発光管
15 ホルダ
16 グローブ
17 点灯装置
31 バルブ
33 電極封装端部
35 電極
47 凸部
48 リブ
52 接着剤
65 係止構造としての係止孔
91 照明器具
92 器具本体
93 ソケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に一対の電極封装端部が設けられるバルブおよび一対の電極封装端部に封装された一対の電極を有する発光管と;
他端側へ向けて、中央域から凸部が突設されているとともに、発光管の一対の電極封装端部を嵌合する一対のリブが凸部に連続して突設され、リブの内側に電極封装端部を接着剤で固定するホルダと;
一端側に口金が取り付けられるとともに他端側にホルダが支持されたカバーと;
カバー内に収容された点灯装置と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
ホルダの一対のリブが並ぶ方向に対して交差する方向の凸部の外形は、リブより突出しかつホルダの外周部より内側に離反して設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
ホルダの一端側の内面に難燃材が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
発光管を収容するとともに一端側にカバーには係止する係止構造が設けられているグローブを具備している
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項5】
器具本体と;
器具本体に取り付けられたソケットと;
ソケットに接続された請求項1ないし4いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−224222(P2009−224222A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−68236(P2008−68236)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】