電球形蛍光ランプ
【課題】発光効率を向上させることができる電球形蛍光ランプを提供する。
【解決手段】口金2が装着される透光性のカバー3と;放電路の内側に空洞14が画成された発光管5と;カバーに装着されて発光管を収容するグローブ4と;発光管の空洞開口端部14a内側を固定させて保持する一方、カバーに固定されるホルダー6と;口金内に配設される点灯回路6と;を具備している。
【解決手段】口金2が装着される透光性のカバー3と;放電路の内側に空洞14が画成された発光管5と;カバーに装着されて発光管を収容するグローブ4と;発光管の空洞開口端部14a内側を固定させて保持する一方、カバーに固定されるホルダー6と;口金内に配設される点灯回路6と;を具備している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は白熱電球用等の口金を有する電球形蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の電球形蛍光ランプは、白熱電球等の一般照明用電球のソケットに装着可能な口金を有するカバーを備えている。そして、このカバー内に点灯回路を収納し、かつ、カバーの開口部に発光管を固定したホルダーを取り付けるとともに発光管を収容するグローブの開口縁部を取り付け、カバーとグローブとを接着剤で接着した電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
そして、近年では、さらなる発光効率向上のために、ホルダーに透光性を付与したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−288801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の電球形蛍光ランプでは、ホルダーが透光性を有していても、このホルダーの大部分が不透光性のカバー内に収容されているので、この透光性のホルダーを透過した可視光は不透光のカバーにより遮光されてしまい、外部に光が出光されにくい。このために、発光効率の向上が必ずしも大きくないという課題がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、発光効率を向上させることができる電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、発光管の放電路の内側には、空洞が画成されており、この空洞側から発光管を支持することで蛍光ランプからの可視光を効率よく放射させるものである。この空洞部内に照射される可視光は発光管のバルブに囲まれているため互いに吸収し合い、外部へ放射される割合が低い。したがって、この空洞部で発光管を支持すれば、外部に放射される可視光がこの支持部材により遮光されることを低減できる点に着目してなされたものである。
【0007】
請求項1に係る発明は、口金が装着される透光性のカバーと;放電路の内側に空洞が画成された発光管と;上記カバーに装着されて上記発光管を収容するグローブと;上記発光管の空洞開口端部内側を固定させて保持する一方、上記カバーに固定されるホルダーと;上記口金内に配設される点灯回路と;を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプである。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記発光管は、複数本のバルブを連結してこのバルブ内に単一の放電路を形成する連結部を有し、上記ホルダーは、この発光管の連結部を支持する連結部支持部を有することを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプであるである。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記ホルダーは、上記発光管の空洞側一端部内側を固定させて保持するランプ固定部と;このランプ固定部を支持する一方、上記カバー内に固定される支持基体と;を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプである。
【0010】
請求項4に係る発明は、上記支持基体が上記点灯回路の点灯回路部品を実装する点灯回路基板であることを特徴とする請求項3記載の電球形蛍光ランプである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、発光管の空洞部内側から発光管をホルダーにより保持するので、このホルダーにより発光管からの可視光を遮蔽することを抑制し、可視光の多くを放射することができる。さらに、カバーが透光性であるので、発光管から照射される可視光を効率よく外部に照射でき、発光効率を向上させることができる。
【0012】
また、不透光性の点灯回路を、不透光性の口金内に配設するので、発光効率を一層向上させることができる。
【0013】
すなわち、本発明によれば、口金以外の殆どの部分を発光させることができるので、発光効率を向上させることができるうえに、白熱電球の配光特性に近似した配光特性を得ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、発光管の連結部に、ホルダーの連結部支持部を当接し支持させることにより、発光管に対するホルダーの取付位置を簡単に位置決めすることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、ホルダーを、発光管の空洞部内側を固定させるランプ固定部と、カバー内に固定される支持基体とを具備しているので、このランプ固定部を発光管に固定させる作業と、支持基体をカバーに固定させる作業とを2工程で行なうことができる。このために、ホルダーの組付作業の作業性と確実性を共に向上させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、ホルダーの支持基体として点灯回路基板を兼用するので、部品点数の削減を図ることができる。このために、電球形蛍光ランプの組立工数と組立コストの削減を共に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0018】
図1は本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1の概略縦断面図、図2は図1の要部拡大底面図である。
【0019】
図1に示すように電球形蛍光ランプ1は、白熱電球等の一般照明用電球のソケットに装着可能なE26形の口金2を備えた透光性を有するカバー3、透光性を有するグローブ4、グローブ4内に収容された蛍光ランプの発光管5、カバー3またはグローブ4、あるいはこれらの境界部内で発光管5を支持するホルダー6、口金2内に収容された点灯回路7を備えている。カバー3とグローブ4とから構成される外囲器は、一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されるものである。以下、口金2側を下側、グローブ4側を上側として説明する。
【0020】
カバー3は、ポリカーボネイト(PC)やポリエチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにより透明に形成されたカバー本体3aと、口金端部3bとを一体に連成している。カバー本体3aは、図3中上方に拡開するほぼ円筒形状をなし、口金下端部3b外面に、E26形などの口金2が外嵌され、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0021】
カバー3およびグローブ4は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂からなり、グローブ4は一般照明用電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな球面状に形成され、下部開口部の縁部がカバー3の上端の開口部の内側に嵌合されて接着剤gにより固着されている。なお、カバー3およびグローブ4は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上させることもできる。
【0022】
このような透光性を有するカバー3およびグローブ4と後述する発光管5との組合せによって、口金2の方向に照射される光出力が増加し、一般照明用電球に近い配光特性を得ることができる。
【0023】
図1,2に示すように、発光管5は、ガラス製のバルブ8を有し、このバルブ8の内面に蛍光体(蛍光体層)が形成され、バルブ8内に封入ガスとして、例えばアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入され、バルブ8の両端に一対の電極9,9がピンチシール等によって封装されている。
【0024】
バルブ8は、例えば並列4U管に構成されており、4本のU字状屈曲形バルブ10,11,12,13を所要の間隔を置いて並設している。これらバルブ10〜13の端部は同一円周上に配置され、4本のバルブ10〜13により囲まれた空洞部14が画成されている。この空洞部14は、U字バルブ10〜13の屈曲側に位置する一端が半球状の略円筒形状をなし、他端面には空洞開口端14aが形成されている。
【0025】
これらバルブ10〜13は、その図1中下端部近傍同士を連結管15により順次連結して1本の連続した放電路を形成している。なお、図1では図示の便宜上、4本のU字状屈曲形バルブ10〜13のうち、1本のみを図示し、その他を図示省略している。これは後述する図3,6〜9においても同様である。
【0026】
U字状屈曲形バルブ10〜13の少なくとも1本の軸方向一端には、所要数の排気管とも称される後述の円筒状細管がそれぞれバルブ内と連通状態となるよう突設されている。バルブ7内の排気は、この細管を通じて行なわれるとともに、封入ガスが封入されて置換された後、各細管を溶断することによって封止される。なお、この細管内に後述する主アマルガムを封入していても構わない。
【0027】
各電極9は、例えばタングステン(W)ワイヤを三重巻きしたトリプルコイルからなるフィラメントコイルを有し、このフィラメントコイルがビーズステムによって固定された一対のウエルズ(導入線)により支持されている。各ウエルズがU字状屈曲形バルブ10〜13の軸方向端部のガラスに封着されたジュメット線を介して、各U字状屈曲形バルブ10〜13の外部に導出された4本のアウターリード16,16,…に接続されている。これらアウターリード16,…は点灯回路7に接続される。
【0028】
点灯回路7は、口金2の開口端部内にて図1中、水平状に配置固定される円板状の回路基板7aを備え、この回路基板7aに、複数の点灯部品(電気部品)7b,7b…を実装して、高周波点灯を行なうインバータ回路(高周波点灯回路)に構成されている。
【0029】
そして、図1に示すようにホルダー6は、発光管5の図1中下端部に固定されて保持するランプ固定部6aと、透光性カバー3内に固定される支持基体の一例である支持基板6bと、この支持基板6bにランプ固定部6aを連結して、このランプ固定部6aを支持基板6bにより支持する連結支柱6cと、を透明または不透明のPBTやPC、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂により一体に連結連成している。
【0030】
図2に示すようにランプ固定部6aは、発光管5のほぼ円形状の空洞開口端14a内に若干挿入されて、各U字状ガラスバルブ10〜13の下端部内周面に、側周面が内接する所要厚の円板に形成され、この円板側周面に、シリコン接着剤等の接着剤gにより各ガラスバルブ10〜13の下端部内周面を固着している。また、各ガラスバルブ10〜13の図1中下端部外周面には、ランプ固定部6aとほぼ同じ高さにて、透光性を有するシレコン接着剤等の接着剤gにより固着している。
【0031】
さらに、ランプ固定部6aは、隣り合うU字状ガラスバルブ10〜13の下端部同士を連結する連結管15の図1中下方へそれぞれ突出して、これら連結管15を下方から支持する連結管支持部6dをそれぞれ一体に突設している。これらランプ固定部6aの連結管支持部6aと発光管5の連結管15とは接着剤gにより固着してもよく、固着せずに単に載置させてもよい。
【0032】
ランプ固定部6aは、その図1中下面中央部に、連結支柱6cを一体に連成し、この連結支柱6cの図1中下端には、円板状の支持基板6bの図1中上面中央部を一体に連成している。
【0033】
支持基板6bは透光性カバー3の口金2側端部(図1ではカバー3の下端部)内に嵌合され、または接着剤により固着されて固定されている。支持基板6bは、その板厚方向に貫通する4個のワイヤ挿通孔6eを穿設し、これらワイヤ挿通孔6e内に、アウターリード16をそれぞれ挿通させるようになっている。
【0034】
したがって、この電球形蛍光ランプ1によれば、発光管5の空洞部14側の開口端部14aをホルダー6のランプ固定部6aにより保持し、発光管5の外周を囲む外周壁を有しないので、発光管5から外部へ照射される可視光をこの外周壁により遮光することを抑制することができる。このために、このランプ固定部6aにより発光効率を低減させることを抑制することができる。
【0035】
一方、発光管5からの発光を受光するカバー3が透光性であるので、カバー3側に向った可視光、発光効率を向上させることができる。
【0036】
また、不透光性の点灯回路7を、不透光性の口金2内に配設したので、この点灯回路7をカバー3内に配設して点灯回路7により遮光量が増大する場合よりも、発光効率を向上させることができる。
【0037】
すなわち、この電球形蛍光ランプ1によれば、口金2以外の殆どの部分を発光させることができるので、発光効率を向上させることができるうえに、白熱電球の配光特性に近似した配光特性を得ることができる。
【0038】
さらに、発光管5の連結管15に、ホルダー6の連結管支持部6dを当接し支持させることにより、ホルダー6による発光管5の支持強度と確実性を向上させることができる。さらに、発光管5に対するホルダー6の取付位置を簡単に位置決めすることができる。
【0039】
また、ホルダー6を、発光管5を固定させるランプ固定部6aと、カバー3内に固定される支持基板6bとを具備しているので、このランプ固定部6aを発光管5に固定させる作業と、支持基板6bをカバー3に固定させる作業とを2工程で行なうことができる。このために、ホルダーの組付作業の作業性と確実性を共に向上させることができる。
【0040】
また、これらランプ固定部6aと支持基板6bとにより発熱量の多い発光管5と点灯回路7とを離間配置したので、電球形蛍光ランプ1全体としての高温昇温を抑制することができる。
【0041】
図3は本発明の第2の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Sの概略縦断面図である。この電球形蛍光ランプ1Sは、上記図1,2で示す電球形蛍光ランプ1において、ホルダー6を第2のホルダー6Sに改良した点に主な特徴がある。
【0042】
すなわち、第2のホルダー6Sは、発光管5の空洞側下端部を固定する第2のランプ固定部6aSを円筒状に形成して、その内部に空気層6aSaを形成している。また、この第2のランプ固定部6aSを支持する第2の支持基体6bSを、カバー本体3aの下部の一部を形成するように円筒状に構成し、連結支柱6cを省略している。
【0043】
第2のランプ固定部6aSは、発光管5の空洞開口端部14a内に所要長突出し、その突出部の外側周面に、発光管5のU字状ガラスバルブ10〜13のU字状内面を透明性を有するシリコン接着剤等の接着剤gにより固着している。
【0044】
第2の支持基体6bSは、その開口上端を円筒状の第2のランプ固定部6aSの開口端に一体に連結形成して、カバー3の下部と同径の逆円錐台形に形成され、カバー3の下半部を形成している。
【0045】
そして、第2のランプ固定部6aSは、その図3中下部の側面に、貫通孔の横孔17を穿設し、この横孔17に、発光管5の細管18を挿通させ、細管18内の先端部には主アマルガム19を収容している。
【0046】
主アマルガム19は、ビスマス、インジウムおよび水銀により構成される合金であり、細管18の開口部よりも大径のほぼ球形状に形成され、バルブ8内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する機能を有している。なお、主アマルガム18は、ビスマス、インジウムの他に、錫、鉛を組み合わせた合金によって形成したものを用いてもよい。ここで、点灯始動時の光束立上り特性を良好にするために、主アマルガム19の温度が25℃のときに、0.01Pa以上、100℃のときに0.4〜1.0Paの水銀蒸気圧特性を呈するものを選定・使用することが望ましい。また、主アマルガム19の水銀含有量は主アマルガム19全質量に対し、3.0質量%以上とし、水銀蒸気圧特性を高くするのが有利である。
【0047】
一方、第2の支持基体6bSは、その直胴円筒状の下底6bSa部を口金2が外嵌固定される口金嵌合部に形成されている。
【0048】
したがって、この電球形蛍光ランプ1Sによれば、主アマルガム19を円筒状の第2のランプ固定部6aS内の空気層6aSa内に配設しているので、空気層6aSaの断熱効果により、発光管5からの発熱が主アマルガム19へ熱伝導されることを低減することができる。このために、点灯中主アマルガム19を最適な温度に保つことができ、管内の水銀蒸気圧を最適に抑制することができる。また、主アマルガム19として水銀蒸気圧の高いアマルガムを使用することができるので、立上り特性を向上させることができる。
【0049】
図4は本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Tの正面図、図5は同要部拡大縦断面図である。
【0050】
この電球形蛍光ランプ1Tは、上記図1で示す電球形蛍光ランプ1のホルダー6を第3のホルダー6Tに構成した点に特徴があり、これ以外はこの電球形蛍光ランプ1とほぼ同様の構成である。すなわち、第3のホルダー6Tは、その一部を外気に露出させた点に特徴がある。
【0051】
この第3のホルダー6Tは、上記第2のホルダー6Sの第2のランプ固定部6aSとほぼ同様の構成の第3のランプ固定部6aTと、この第3のランプ固定部6aTとほぼ同径の直胴円筒状の第3の支持基体6bTと、を一体に連成してなる。この第3の支持基体6bTは、上記第2の支持基体6bSの口金嵌合部6bSaと同様の口金嵌合部6bTaを一体に連成している。
【0052】
そして、第3のカバー3Tは、その下底部3bTを、第3の支持基体6bTの途中に固着して、ホルダー6の支持基体6bTの一部を外気に露出させた点に特徴があり、これ以外は上記図1で示すカバー3と同様の構成である。このために、カバー3の底部3bTとの固着部から口金2の図5中上端部までの第3の支持基体6bTの一部は外気に露出させた外気露出部6bTaに形成され、この外気露出部6bTaによる外気への放熱効果の向上を図ることができる。
【0053】
したがって、第3のホルダー6Tは、その内部の空気層6aSaと主アマルガム19を、外気露出部6bTaにより冷却することができるので、主アマルガム19の最冷部を温度をさらに低下させることができる。
【0054】
図6は本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Uの概略縦断面図である。この電球形蛍光ランプ1Uは、上記図1で示す電球形蛍光ランプ1のホルダー6を、そのカバー3を兼用する第4のホルダー6Uに構成した点に特徴があり、これ以外は第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1と同様の構成である。
【0055】
すなわち、第4のホルダー6Uは発光管5の空洞14側端部(図6中下端部)を嵌入させて固定支持する支持溝6Uaを形成する一方、この支持溝6Uaの外側壁6Ubの高さを低くして、この外側壁6Ubにより発光管5の発光が遮光される遮光量の低減を図っている。また、この外側壁6Ub上にグローブ4の開口端を直接固着して透光性カバー3を省略している。第3のホルダー6Uの下端部外周面には、直接、口金2の開口上端部を外嵌して、かしめや接着剤等により固着している。
【0056】
さらに、この第3のホルダー6Uを回路基板7の上に直接載置することにより、図1で示す第1の支持基体6bを省略している。これにより、部品点数の削減と組立工数の削減とを共に図ることができる。
【0057】
図7は本発明の第5の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Vの概略縦断面図である。この電球形蛍光ランプ1Vは、図1で示す電球形蛍光ランプ1のホルダー6を第5のホルダー6Vに構成した点に特徴がある。
【0058】
すなわち、第5のホルダー6Vは、これを図6で示す電球形蛍光ランプ1Uと同様に図1で示すカバー3として兼用することにより、このカバー3を省略すると共に、第5のホルダー6Vを構成するPBTやPET,PC等合成樹脂に、金属製等の放熱性フィラーを例えば40質量%以上混合させることにより、放熱性を向上させた点に特徴がある。これにより、点灯回路7の回路温度を低減して信頼性を向上させることができる。
【0059】
図8,図9,図10は本発明の第6の実施形態に係る発光管5Wの正面図、同底面図、同展開図である。
【0060】
この発光管5Wは並列4U形のU字バルブの中央配列のバルブ11W,12Wの管内径を、その両端配列のバルブ10W,13Wの管内径よも太径に形成した点に特徴がある。
【0061】
すなわち、一般に、バルブ10W〜13Wの管内径を細くすると、ランプ電圧が上昇して発光効率が上昇するものの、ランプ電圧が上昇するために、点灯回路7に昇圧部品を追加しなければならず、回路温度とコスト面で不利である。
【0062】
そこで、4本のU字バルブ10W〜13Wを並列に配列して連結管15により順次接続して単一の放電路を形成する発光管5Wにおいて、放電路長が長くなる中央部のバルブ11W,12Wの管内径を、大きくすることにより、ランプ電圧の過上昇を防止することができると共に、発光管5W全体としての管内径を小さくし、小形化を図ることができる。
【0063】
なお、上記各実施形態では、いわゆる4U並列形の発光管5,5Wを使用する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば図11で示すスパイラル形の蛍光ランプ5Sを発光管として使用してもよい。
【0064】
すなわち、このスパイラル形の蛍光ランプ5Sにも、その内方には空洞14があり、その一端(図12では下端)には、その空洞に連通する開口端14aが形成されているので、この空洞開口端14a内に上記ホルダー6,6S〜6Vのランプ固定部6a,6aS〜6aVを挿入して固着することができる。
【0065】
また、本発明はU字バルブの本数も限定されるものではなく、1本以上であれば、2,3,4,5,6,7本でもよく、8本以上でもよい。さらに、U字バルブの配列についても上記並列配置に限定されるものでなく、空洞開口端が三角形をなすデルタ配置や四角形、または四角形以上の多角形をなす多角形配置でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図2】図1で示すホルダーのランプ固定部の底面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図5】図4の要部拡大縦断面図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る発光管の正面図。
【図9】図8の底面図。
【図10】図8で示す発光管の展開図。
【図11】その他の発光管としてのスパイラル形発光管の正面図。
【符号の説明】
【0067】
1,1S,1T,1U,1V…電球形蛍光ランプ、2…口金、3…遮光性カバー、4…グローブ、5…発光管、6,6S,6T,6U,6V…ホルダー、6a,6aS,6aT…ランプ固定部、6b,6bS,6bT…支持基体、6d…連結部支持部、7…点灯回路、7a…回路基板、7b…点灯回路部品、9…電極、10,11,12,13…U字状バルブ、14…空洞、14a…空洞開口端、15…連結管、g…接着剤。
【技術分野】
【0001】
本発明は白熱電球用等の口金を有する電球形蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の電球形蛍光ランプは、白熱電球等の一般照明用電球のソケットに装着可能な口金を有するカバーを備えている。そして、このカバー内に点灯回路を収納し、かつ、カバーの開口部に発光管を固定したホルダーを取り付けるとともに発光管を収容するグローブの開口縁部を取り付け、カバーとグローブとを接着剤で接着した電球形蛍光ランプが知られている。
【0003】
そして、近年では、さらなる発光効率向上のために、ホルダーに透光性を付与したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−288801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の電球形蛍光ランプでは、ホルダーが透光性を有していても、このホルダーの大部分が不透光性のカバー内に収容されているので、この透光性のホルダーを透過した可視光は不透光のカバーにより遮光されてしまい、外部に光が出光されにくい。このために、発光効率の向上が必ずしも大きくないという課題がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、発光効率を向上させることができる電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、発光管の放電路の内側には、空洞が画成されており、この空洞側から発光管を支持することで蛍光ランプからの可視光を効率よく放射させるものである。この空洞部内に照射される可視光は発光管のバルブに囲まれているため互いに吸収し合い、外部へ放射される割合が低い。したがって、この空洞部で発光管を支持すれば、外部に放射される可視光がこの支持部材により遮光されることを低減できる点に着目してなされたものである。
【0007】
請求項1に係る発明は、口金が装着される透光性のカバーと;放電路の内側に空洞が画成された発光管と;上記カバーに装着されて上記発光管を収容するグローブと;上記発光管の空洞開口端部内側を固定させて保持する一方、上記カバーに固定されるホルダーと;上記口金内に配設される点灯回路と;を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプである。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記発光管は、複数本のバルブを連結してこのバルブ内に単一の放電路を形成する連結部を有し、上記ホルダーは、この発光管の連結部を支持する連結部支持部を有することを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプであるである。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記ホルダーは、上記発光管の空洞側一端部内側を固定させて保持するランプ固定部と;このランプ固定部を支持する一方、上記カバー内に固定される支持基体と;を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプである。
【0010】
請求項4に係る発明は、上記支持基体が上記点灯回路の点灯回路部品を実装する点灯回路基板であることを特徴とする請求項3記載の電球形蛍光ランプである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、発光管の空洞部内側から発光管をホルダーにより保持するので、このホルダーにより発光管からの可視光を遮蔽することを抑制し、可視光の多くを放射することができる。さらに、カバーが透光性であるので、発光管から照射される可視光を効率よく外部に照射でき、発光効率を向上させることができる。
【0012】
また、不透光性の点灯回路を、不透光性の口金内に配設するので、発光効率を一層向上させることができる。
【0013】
すなわち、本発明によれば、口金以外の殆どの部分を発光させることができるので、発光効率を向上させることができるうえに、白熱電球の配光特性に近似した配光特性を得ることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、発光管の連結部に、ホルダーの連結部支持部を当接し支持させることにより、発光管に対するホルダーの取付位置を簡単に位置決めすることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、ホルダーを、発光管の空洞部内側を固定させるランプ固定部と、カバー内に固定される支持基体とを具備しているので、このランプ固定部を発光管に固定させる作業と、支持基体をカバーに固定させる作業とを2工程で行なうことができる。このために、ホルダーの組付作業の作業性と確実性を共に向上させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、ホルダーの支持基体として点灯回路基板を兼用するので、部品点数の削減を図ることができる。このために、電球形蛍光ランプの組立工数と組立コストの削減を共に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0018】
図1は本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1の概略縦断面図、図2は図1の要部拡大底面図である。
【0019】
図1に示すように電球形蛍光ランプ1は、白熱電球等の一般照明用電球のソケットに装着可能なE26形の口金2を備えた透光性を有するカバー3、透光性を有するグローブ4、グローブ4内に収容された蛍光ランプの発光管5、カバー3またはグローブ4、あるいはこれらの境界部内で発光管5を支持するホルダー6、口金2内に収容された点灯回路7を備えている。カバー3とグローブ4とから構成される外囲器は、一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されるものである。以下、口金2側を下側、グローブ4側を上側として説明する。
【0020】
カバー3は、ポリカーボネイト(PC)やポリエチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにより透明に形成されたカバー本体3aと、口金端部3bとを一体に連成している。カバー本体3aは、図3中上方に拡開するほぼ円筒形状をなし、口金下端部3b外面に、E26形などの口金2が外嵌され、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0021】
カバー3およびグローブ4は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂からなり、グローブ4は一般照明用電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな球面状に形成され、下部開口部の縁部がカバー3の上端の開口部の内側に嵌合されて接着剤gにより固着されている。なお、カバー3およびグローブ4は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上させることもできる。
【0022】
このような透光性を有するカバー3およびグローブ4と後述する発光管5との組合せによって、口金2の方向に照射される光出力が増加し、一般照明用電球に近い配光特性を得ることができる。
【0023】
図1,2に示すように、発光管5は、ガラス製のバルブ8を有し、このバルブ8の内面に蛍光体(蛍光体層)が形成され、バルブ8内に封入ガスとして、例えばアルゴンなどの希ガスおよび水銀が封入され、バルブ8の両端に一対の電極9,9がピンチシール等によって封装されている。
【0024】
バルブ8は、例えば並列4U管に構成されており、4本のU字状屈曲形バルブ10,11,12,13を所要の間隔を置いて並設している。これらバルブ10〜13の端部は同一円周上に配置され、4本のバルブ10〜13により囲まれた空洞部14が画成されている。この空洞部14は、U字バルブ10〜13の屈曲側に位置する一端が半球状の略円筒形状をなし、他端面には空洞開口端14aが形成されている。
【0025】
これらバルブ10〜13は、その図1中下端部近傍同士を連結管15により順次連結して1本の連続した放電路を形成している。なお、図1では図示の便宜上、4本のU字状屈曲形バルブ10〜13のうち、1本のみを図示し、その他を図示省略している。これは後述する図3,6〜9においても同様である。
【0026】
U字状屈曲形バルブ10〜13の少なくとも1本の軸方向一端には、所要数の排気管とも称される後述の円筒状細管がそれぞれバルブ内と連通状態となるよう突設されている。バルブ7内の排気は、この細管を通じて行なわれるとともに、封入ガスが封入されて置換された後、各細管を溶断することによって封止される。なお、この細管内に後述する主アマルガムを封入していても構わない。
【0027】
各電極9は、例えばタングステン(W)ワイヤを三重巻きしたトリプルコイルからなるフィラメントコイルを有し、このフィラメントコイルがビーズステムによって固定された一対のウエルズ(導入線)により支持されている。各ウエルズがU字状屈曲形バルブ10〜13の軸方向端部のガラスに封着されたジュメット線を介して、各U字状屈曲形バルブ10〜13の外部に導出された4本のアウターリード16,16,…に接続されている。これらアウターリード16,…は点灯回路7に接続される。
【0028】
点灯回路7は、口金2の開口端部内にて図1中、水平状に配置固定される円板状の回路基板7aを備え、この回路基板7aに、複数の点灯部品(電気部品)7b,7b…を実装して、高周波点灯を行なうインバータ回路(高周波点灯回路)に構成されている。
【0029】
そして、図1に示すようにホルダー6は、発光管5の図1中下端部に固定されて保持するランプ固定部6aと、透光性カバー3内に固定される支持基体の一例である支持基板6bと、この支持基板6bにランプ固定部6aを連結して、このランプ固定部6aを支持基板6bにより支持する連結支柱6cと、を透明または不透明のPBTやPC、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂により一体に連結連成している。
【0030】
図2に示すようにランプ固定部6aは、発光管5のほぼ円形状の空洞開口端14a内に若干挿入されて、各U字状ガラスバルブ10〜13の下端部内周面に、側周面が内接する所要厚の円板に形成され、この円板側周面に、シリコン接着剤等の接着剤gにより各ガラスバルブ10〜13の下端部内周面を固着している。また、各ガラスバルブ10〜13の図1中下端部外周面には、ランプ固定部6aとほぼ同じ高さにて、透光性を有するシレコン接着剤等の接着剤gにより固着している。
【0031】
さらに、ランプ固定部6aは、隣り合うU字状ガラスバルブ10〜13の下端部同士を連結する連結管15の図1中下方へそれぞれ突出して、これら連結管15を下方から支持する連結管支持部6dをそれぞれ一体に突設している。これらランプ固定部6aの連結管支持部6aと発光管5の連結管15とは接着剤gにより固着してもよく、固着せずに単に載置させてもよい。
【0032】
ランプ固定部6aは、その図1中下面中央部に、連結支柱6cを一体に連成し、この連結支柱6cの図1中下端には、円板状の支持基板6bの図1中上面中央部を一体に連成している。
【0033】
支持基板6bは透光性カバー3の口金2側端部(図1ではカバー3の下端部)内に嵌合され、または接着剤により固着されて固定されている。支持基板6bは、その板厚方向に貫通する4個のワイヤ挿通孔6eを穿設し、これらワイヤ挿通孔6e内に、アウターリード16をそれぞれ挿通させるようになっている。
【0034】
したがって、この電球形蛍光ランプ1によれば、発光管5の空洞部14側の開口端部14aをホルダー6のランプ固定部6aにより保持し、発光管5の外周を囲む外周壁を有しないので、発光管5から外部へ照射される可視光をこの外周壁により遮光することを抑制することができる。このために、このランプ固定部6aにより発光効率を低減させることを抑制することができる。
【0035】
一方、発光管5からの発光を受光するカバー3が透光性であるので、カバー3側に向った可視光、発光効率を向上させることができる。
【0036】
また、不透光性の点灯回路7を、不透光性の口金2内に配設したので、この点灯回路7をカバー3内に配設して点灯回路7により遮光量が増大する場合よりも、発光効率を向上させることができる。
【0037】
すなわち、この電球形蛍光ランプ1によれば、口金2以外の殆どの部分を発光させることができるので、発光効率を向上させることができるうえに、白熱電球の配光特性に近似した配光特性を得ることができる。
【0038】
さらに、発光管5の連結管15に、ホルダー6の連結管支持部6dを当接し支持させることにより、ホルダー6による発光管5の支持強度と確実性を向上させることができる。さらに、発光管5に対するホルダー6の取付位置を簡単に位置決めすることができる。
【0039】
また、ホルダー6を、発光管5を固定させるランプ固定部6aと、カバー3内に固定される支持基板6bとを具備しているので、このランプ固定部6aを発光管5に固定させる作業と、支持基板6bをカバー3に固定させる作業とを2工程で行なうことができる。このために、ホルダーの組付作業の作業性と確実性を共に向上させることができる。
【0040】
また、これらランプ固定部6aと支持基板6bとにより発熱量の多い発光管5と点灯回路7とを離間配置したので、電球形蛍光ランプ1全体としての高温昇温を抑制することができる。
【0041】
図3は本発明の第2の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Sの概略縦断面図である。この電球形蛍光ランプ1Sは、上記図1,2で示す電球形蛍光ランプ1において、ホルダー6を第2のホルダー6Sに改良した点に主な特徴がある。
【0042】
すなわち、第2のホルダー6Sは、発光管5の空洞側下端部を固定する第2のランプ固定部6aSを円筒状に形成して、その内部に空気層6aSaを形成している。また、この第2のランプ固定部6aSを支持する第2の支持基体6bSを、カバー本体3aの下部の一部を形成するように円筒状に構成し、連結支柱6cを省略している。
【0043】
第2のランプ固定部6aSは、発光管5の空洞開口端部14a内に所要長突出し、その突出部の外側周面に、発光管5のU字状ガラスバルブ10〜13のU字状内面を透明性を有するシリコン接着剤等の接着剤gにより固着している。
【0044】
第2の支持基体6bSは、その開口上端を円筒状の第2のランプ固定部6aSの開口端に一体に連結形成して、カバー3の下部と同径の逆円錐台形に形成され、カバー3の下半部を形成している。
【0045】
そして、第2のランプ固定部6aSは、その図3中下部の側面に、貫通孔の横孔17を穿設し、この横孔17に、発光管5の細管18を挿通させ、細管18内の先端部には主アマルガム19を収容している。
【0046】
主アマルガム19は、ビスマス、インジウムおよび水銀により構成される合金であり、細管18の開口部よりも大径のほぼ球形状に形成され、バルブ8内の水銀蒸気圧を適正な範囲に制御する機能を有している。なお、主アマルガム18は、ビスマス、インジウムの他に、錫、鉛を組み合わせた合金によって形成したものを用いてもよい。ここで、点灯始動時の光束立上り特性を良好にするために、主アマルガム19の温度が25℃のときに、0.01Pa以上、100℃のときに0.4〜1.0Paの水銀蒸気圧特性を呈するものを選定・使用することが望ましい。また、主アマルガム19の水銀含有量は主アマルガム19全質量に対し、3.0質量%以上とし、水銀蒸気圧特性を高くするのが有利である。
【0047】
一方、第2の支持基体6bSは、その直胴円筒状の下底6bSa部を口金2が外嵌固定される口金嵌合部に形成されている。
【0048】
したがって、この電球形蛍光ランプ1Sによれば、主アマルガム19を円筒状の第2のランプ固定部6aS内の空気層6aSa内に配設しているので、空気層6aSaの断熱効果により、発光管5からの発熱が主アマルガム19へ熱伝導されることを低減することができる。このために、点灯中主アマルガム19を最適な温度に保つことができ、管内の水銀蒸気圧を最適に抑制することができる。また、主アマルガム19として水銀蒸気圧の高いアマルガムを使用することができるので、立上り特性を向上させることができる。
【0049】
図4は本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Tの正面図、図5は同要部拡大縦断面図である。
【0050】
この電球形蛍光ランプ1Tは、上記図1で示す電球形蛍光ランプ1のホルダー6を第3のホルダー6Tに構成した点に特徴があり、これ以外はこの電球形蛍光ランプ1とほぼ同様の構成である。すなわち、第3のホルダー6Tは、その一部を外気に露出させた点に特徴がある。
【0051】
この第3のホルダー6Tは、上記第2のホルダー6Sの第2のランプ固定部6aSとほぼ同様の構成の第3のランプ固定部6aTと、この第3のランプ固定部6aTとほぼ同径の直胴円筒状の第3の支持基体6bTと、を一体に連成してなる。この第3の支持基体6bTは、上記第2の支持基体6bSの口金嵌合部6bSaと同様の口金嵌合部6bTaを一体に連成している。
【0052】
そして、第3のカバー3Tは、その下底部3bTを、第3の支持基体6bTの途中に固着して、ホルダー6の支持基体6bTの一部を外気に露出させた点に特徴があり、これ以外は上記図1で示すカバー3と同様の構成である。このために、カバー3の底部3bTとの固着部から口金2の図5中上端部までの第3の支持基体6bTの一部は外気に露出させた外気露出部6bTaに形成され、この外気露出部6bTaによる外気への放熱効果の向上を図ることができる。
【0053】
したがって、第3のホルダー6Tは、その内部の空気層6aSaと主アマルガム19を、外気露出部6bTaにより冷却することができるので、主アマルガム19の最冷部を温度をさらに低下させることができる。
【0054】
図6は本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Uの概略縦断面図である。この電球形蛍光ランプ1Uは、上記図1で示す電球形蛍光ランプ1のホルダー6を、そのカバー3を兼用する第4のホルダー6Uに構成した点に特徴があり、これ以外は第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1と同様の構成である。
【0055】
すなわち、第4のホルダー6Uは発光管5の空洞14側端部(図6中下端部)を嵌入させて固定支持する支持溝6Uaを形成する一方、この支持溝6Uaの外側壁6Ubの高さを低くして、この外側壁6Ubにより発光管5の発光が遮光される遮光量の低減を図っている。また、この外側壁6Ub上にグローブ4の開口端を直接固着して透光性カバー3を省略している。第3のホルダー6Uの下端部外周面には、直接、口金2の開口上端部を外嵌して、かしめや接着剤等により固着している。
【0056】
さらに、この第3のホルダー6Uを回路基板7の上に直接載置することにより、図1で示す第1の支持基体6bを省略している。これにより、部品点数の削減と組立工数の削減とを共に図ることができる。
【0057】
図7は本発明の第5の実施形態に係る電球形蛍光ランプ1Vの概略縦断面図である。この電球形蛍光ランプ1Vは、図1で示す電球形蛍光ランプ1のホルダー6を第5のホルダー6Vに構成した点に特徴がある。
【0058】
すなわち、第5のホルダー6Vは、これを図6で示す電球形蛍光ランプ1Uと同様に図1で示すカバー3として兼用することにより、このカバー3を省略すると共に、第5のホルダー6Vを構成するPBTやPET,PC等合成樹脂に、金属製等の放熱性フィラーを例えば40質量%以上混合させることにより、放熱性を向上させた点に特徴がある。これにより、点灯回路7の回路温度を低減して信頼性を向上させることができる。
【0059】
図8,図9,図10は本発明の第6の実施形態に係る発光管5Wの正面図、同底面図、同展開図である。
【0060】
この発光管5Wは並列4U形のU字バルブの中央配列のバルブ11W,12Wの管内径を、その両端配列のバルブ10W,13Wの管内径よも太径に形成した点に特徴がある。
【0061】
すなわち、一般に、バルブ10W〜13Wの管内径を細くすると、ランプ電圧が上昇して発光効率が上昇するものの、ランプ電圧が上昇するために、点灯回路7に昇圧部品を追加しなければならず、回路温度とコスト面で不利である。
【0062】
そこで、4本のU字バルブ10W〜13Wを並列に配列して連結管15により順次接続して単一の放電路を形成する発光管5Wにおいて、放電路長が長くなる中央部のバルブ11W,12Wの管内径を、大きくすることにより、ランプ電圧の過上昇を防止することができると共に、発光管5W全体としての管内径を小さくし、小形化を図ることができる。
【0063】
なお、上記各実施形態では、いわゆる4U並列形の発光管5,5Wを使用する場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば図11で示すスパイラル形の蛍光ランプ5Sを発光管として使用してもよい。
【0064】
すなわち、このスパイラル形の蛍光ランプ5Sにも、その内方には空洞14があり、その一端(図12では下端)には、その空洞に連通する開口端14aが形成されているので、この空洞開口端14a内に上記ホルダー6,6S〜6Vのランプ固定部6a,6aS〜6aVを挿入して固着することができる。
【0065】
また、本発明はU字バルブの本数も限定されるものではなく、1本以上であれば、2,3,4,5,6,7本でもよく、8本以上でもよい。さらに、U字バルブの配列についても上記並列配置に限定されるものでなく、空洞開口端が三角形をなすデルタ配置や四角形、または四角形以上の多角形をなす多角形配置でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図2】図1で示すホルダーのランプ固定部の底面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図5】図4の要部拡大縦断面図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る電球形蛍光ランプの概略縦断面図。
【図8】本発明の第6の実施形態に係る発光管の正面図。
【図9】図8の底面図。
【図10】図8で示す発光管の展開図。
【図11】その他の発光管としてのスパイラル形発光管の正面図。
【符号の説明】
【0067】
1,1S,1T,1U,1V…電球形蛍光ランプ、2…口金、3…遮光性カバー、4…グローブ、5…発光管、6,6S,6T,6U,6V…ホルダー、6a,6aS,6aT…ランプ固定部、6b,6bS,6bT…支持基体、6d…連結部支持部、7…点灯回路、7a…回路基板、7b…点灯回路部品、9…電極、10,11,12,13…U字状バルブ、14…空洞、14a…空洞開口端、15…連結管、g…接着剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金が装着される透光性のカバーと;
放電路の内側に空洞が画成された発光管と;
上記カバーに装着されて上記発光管を収容するグローブと;
上記発光管の空洞開口端部内側を固定させて保持する一方、上記カバーに固定されるホルダーと;
上記口金内に配設される点灯回路と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
上記発光管は、複数本のバルブを連結してこのバルブ内に単一の放電路を形成する連結部を有し、
上記ホルダーは、この発光管の連結部を支持する連結部支持部を有することを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
上記ホルダーは、
上記発光管の空洞側一端部内側を固定させて保持するランプ固定部と;
このランプ固定部を支持する一方、上記カバー内に固定される支持基体と;
を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
上記支持基体が上記点灯回路の点灯回路部品を実装する点灯回路基板であることを特徴とする請求項3記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項1】
口金が装着される透光性のカバーと;
放電路の内側に空洞が画成された発光管と;
上記カバーに装着されて上記発光管を収容するグローブと;
上記発光管の空洞開口端部内側を固定させて保持する一方、上記カバーに固定されるホルダーと;
上記口金内に配設される点灯回路と;
を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】
上記発光管は、複数本のバルブを連結してこのバルブ内に単一の放電路を形成する連結部を有し、
上記ホルダーは、この発光管の連結部を支持する連結部支持部を有することを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】
上記ホルダーは、
上記発光管の空洞側一端部内側を固定させて保持するランプ固定部と;
このランプ固定部を支持する一方、上記カバー内に固定される支持基体と;
を具備していることを特徴とする請求項1または2記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項4】
上記支持基体が上記点灯回路の点灯回路部品を実装する点灯回路基板であることを特徴とする請求項3記載の電球形蛍光ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−114351(P2006−114351A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300691(P2004−300691)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】
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