電界放出型光源
【課題】蛍光体の温度上昇を防止して、高い発光効率での発光が継続的に可能となる電界放出型光源を提供すること。
【解決手段】円筒形真空封止容器と、上記円筒形真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極と、上記アノード電極上に形成された蛍光体層と、上記円筒形真空封止容器の中心軸に対して平行に配設され、ワイヤ形状を有し、表面の一部に電子放出膜が形成されたカソード電極と、上記円筒形真空封止容器の外周面上に、上記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設された放熱部材とを有することを特徴とする、電界放出型光源。
【解決手段】円筒形真空封止容器と、上記円筒形真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極と、上記アノード電極上に形成された蛍光体層と、上記円筒形真空封止容器の中心軸に対して平行に配設され、ワイヤ形状を有し、表面の一部に電子放出膜が形成されたカソード電極と、上記円筒形真空封止容器の外周面上に、上記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設された放熱部材とを有することを特徴とする、電界放出型光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明や表示に使用可能な電界放出型光源(Field Emission Light:以下FELという)に関する。
【背景技術】
【0002】
FELは、真空蛍光ディスプレイ(Vacuum Fluorescent Display)やブラウン管(Cathode Ray Tube)と同じく、電子線照射によって励起された蛍光体の発光、すなわちカソードルミネセンスを利用するものであるが、電子放出源としてフィラメントではなく、量子的な効果で電子放出を行う電界電子放出素子を使用することに特徴がある。
【0003】
電界電子放出素子を使用すると、ブラウン管のようにフィラメントの加熱を必要とせずに大きな電流を取り出せるため、低消費電力で高輝度な発光を得ることができ、耐久性も高いことが知られている。
【0004】
一般的なFELには、ガラスなどの可視光に対して透過性のある材料で形成された真空封止容器内の一部に、透明導電膜などにより電気導電性を付加された蛍光体層を形成し、その蛍光体層に、真空封止容器内部に配置された電子放出源からの電子を照射することで蛍光体を発光させ、この光を蛍光体塗布面のガラスを通して外部に取り出すことで発光を得る構造のものがある。以下、このような構造のFELを透過光利用型FELと呼ぶ。
【0005】
また、FELとして、蛍光体層を金属などで形成された電極上に形成し、この蛍光体層に電子線照射することで得られる発光を、真空封止容器の蛍光体層以外の部分に設けられた光を取り出すための窓(フェイスガラス)を通して、光を外部に取り出す構造のものがある。以下このような構造をもつFELを電子照射面発光利用型FELと呼ぶ。
この電子照射面発光利用型FELは透過光利用型FELに比べて、発光強度の高い、電子照射面側の蛍光体粒子の発光を、蛍光体層中で損失させることなく利用できる点で、有利である。
【0006】
特許文献1には、電子照射面発光利用型FELの一例が開示されている。
特許文献1には、管壁の一部に透光性の光取り出し部が形成され、内部が密閉された透光性容器2と、上記管壁の上記光取り出し部を除く側壁部分に形成された反射層を兼ねたアノード層4と、このアノード層4に積層されて形成された蛍光体層6と、上記透光性容器2内に配置され上記蛍光体層6の面に対して電子を放出する電子放出源10bを有するカソード5とを具え、上記電子放出源10bは、給電部の表面に植設された柱状炭素繊維により形成されていることを特徴とする電界放出型光源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−236721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された電子照射面発光利用型FELでは、蛍光体層に電子が衝突することによって熱が発生する。蛍光体は基本的に温度が高くなるほど発光効率が減少するため、蛍光体の温度が高くなるにつれて輝度が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、蛍光体の温度上昇を防止して、高い発光効率での発光が継続的に可能となる電界放出型光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電界放出型光源は、円筒形真空封止容器と、上記円筒形真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極と、上記アノード電極上に形成された蛍光体層と、上記円筒形真空封止容器の中心軸に対して平行に配設され、ワイヤ形状を有し、表面の一部に電子放出膜が形成されたカソード電極と、上記円筒形真空封止容器の外周面上に、上記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設された放熱部材とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の電界放出型光源では、円筒形真空封止容器の外周面上の、蛍光体層が形成された部位に対応する部位に、放熱部材が配設されている。
この部位に放熱部材が配設されていると、蛍光体層に電子が衝突することによって生じた熱は、蛍光体層からアノード電極、円筒形真空封止容器を経て、放熱部材に伝わり、放熱部材から速やかに放熱される。そのため、蛍光体層の温度が上昇することが防止される。その結果、高い発光効率での発光が継続的に可能となる。
【0012】
本発明は、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けることによって、蛍光体層の温度上昇を効率的に防止することができる点に特徴を有する。
通常、真空封止容器の材質はガラスであり、ガラスは熱伝導率があまり高くない材料であるため、蛍光体層から他の部位への熱伝導が妨げられやすく、蛍光体層には熱がこもる傾向がある。
本発明では、真空封止容器の外周面上に放熱部材を設けているため、蛍光体層から熱が最短距離で放熱部材にまで伝わり、蛍光体層からの放熱が効率的に行われる。
【0013】
真空封止容器の形状を円筒形とすると、大気による圧縮応力に対して強い構造となるため、真空封止容器の厚さを薄くすることができる。真空封止容器の厚さを薄くすることによって、真空封止容器の熱抵抗が減少し、蛍光体層から放熱部材に速やかに熱が移動することになるため、蛍光体層からの放熱がより効率的に行われる。
また、真空封止容器の厚さが薄くなると、容器全体の重量を軽くすることができる。
【0014】
このような放熱構造は、特に、電子照射面発光利用型FELにおいて有効である。
透過光利用型FELでは、蛍光体塗布面のガラスを通して発光を得るため、本発明において放熱部材が配設される部位に放熱部材を設けると放熱部材が発光を遮ることになる。そのため、本発明の放熱構造を透過光利用型FELにおいて採用することはできない。
すなわち、本発明者らは、電子照射面発光利用型FELにおいて、蛍光体層の位置と放熱部材の位置を同時に考慮して、蛍光体層から効率よく放熱を行うことができ、かつ、光の取り出し効率を低下させないように放熱部材を配設することができる構成を見出した。
言い換えると、本発明は、電子照射面発光利用型FELでは、蛍光体層の裏側が光を取り出す部位として利用されない部位であるため、可視光透過性の低い部材を配置しても光の取り出しに関して不利にならないことに着目したこと、及び、蛍光体層の裏側が、蛍光体層からの距離が近く、蛍光体層にこもった熱を放熱させるための放熱部材を配設するための部位として適していることに着目したこと、の2つの着目点に基づいて、電子照射面発光利用型FELにとって適した放熱構造を見出したことによってなされたものである。
本発明の構成では、放熱部材が配設されることによって蛍光体層からの放熱性が向上するため、印加できる電力の上限が向上し、透過光利用型FELに比べ、より高い輝度で発光することが可能となる。にもかかわらず、放熱部材は光の取り出しの妨げにならないため、照明としての利用に適した構造となる。
また、LED照明の放熱構造として、ヒートシンク等の放熱部材を設ける場合があるが、この場合は配線基板にヒートシンク等をはんだ等で固定して、配線基板から生じた熱を放熱しているのであり、放熱の対象物及び放熱構造は全く異なる。
【0015】
本発明の電界放出型光源において、上記放熱部材は、放熱フィンを備えた金属シートであることが望ましい。
また、本発明の電界放出型光源において、上記放熱部材は、熱伝導率が高い金属部材からなるブロックであることが望ましい。
また、上記ブロック内に電界放出型光源を構成する部品が収納されていることが望ましい。
また、上記放熱部材が、熱伝導率が高いペースト材料により封止容器の外周面と接着されていることが望ましい。
【0016】
放熱部材として、放熱フィンを備えた金属シートや熱伝導率が高い金属部材からなるブロックを用いると、蛍光体からの熱を好適に放熱させることができる。
また、放熱部材として上記ブロックを用いた場合に、電界放出型光源を構成する部品を収納させることができる。特に、排気管や電流導入端子といった脆弱な部品を収納させることで、これらの部品の破損を防止することができる。
また、放熱部材が、熱伝導率が高いペースト材料により封止容器の外周面と接着されていると、蛍光体からの熱の放熱性がより向上するため好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電界放出型光源では、蛍光体層の温度が上昇することが防止され、高い発光効率での発光が継続的に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の電界放出型光源の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度の推移を示すグラフである。
【図6】図6は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度と輝度の関係を示すグラフである。
【図7】図7(a)は、本発明の電界放出型光源の別の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、真空封止容器の中心軸と平行な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
【図8】図8は、真空封止容器と放熱ブロックの間をペースト材料で接着した場合の例を模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
【図10】図10は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
【図11】図11は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第一実施形態)
以下、本発明の電界放出型光源の一実施形態である第一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電界放出型光源の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
図1に示す電界放出型光源1は、内部を真空に封止する真空封止容器10と、真空封止容器10内に配設されたカソード電極11と、カソード電極11の表面の一部に形成された電子放出膜12と、真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極14と、アノード電極14上に形成された蛍光体層13とを備えており、さらに、真空封止容器11の外周面上には、放熱フィン15dを備えた金属シート15が配設されている。放熱フィン15dを備えた金属シート15は、放熱部材である。
【0020】
真空封止容器10は、円筒形であり、可視光に対して高い透過率を持つガラスで形成されている。
【0021】
カソード電極11は、真空封止容器10の中心に配設された電極である。
カソード電極の種類、形状は特に限定されるものではなく、FELのカソード電極として用いられる電極を用いることができる。カソード電極の形状の例としては、円柱形状、多角柱形状、平板形状等が挙げられる。
図1に示すカソード電極11は、真空封止容器10の内径よりもカソード電極11の外径が小さい、いわゆるワイヤ形状の電極である。
ワイヤ電極は、平行平板形の電極と比較して、電極表面に高い電界強度を発生させることができるため有利である。
【0022】
カソード電極11の表面には、電子を放出する部位である電子放出膜12が形成されている。電子放出膜12は、金属、又は、導電性セラミックス等からなるワイヤ電極の基体の表面にカーボンナノチューブ、花弁状のグラフェンシート層、ナノダイヤモンド粒子層などを形成させたものである。
電子放出膜12は、蛍光体層13に対向する部位、図1における下側にのみ形成されている。
【0023】
アノード電極14は、金属膜、又は、金属酸化物膜からなり、真空封止容器の内壁面の一部、具体的には、円筒の下半分以下の部位に形成されている。
アノード電極を構成する金属膜の種類としては、アルミニウム膜、炭素膜等が挙げられる。
金属酸化物膜の種類としては、SnO2、In2O3等が挙げられる。
これらの金属膜、金属酸化物膜は、蒸着法、スパッタ法等の方法を材料に応じて選択することによって好適に形成することができる。
また、真空封止容器の径が小さい場合などは、蒸着法、スパッタ法等の方法に代えてゾルゲル法や無電解めっき法を適用することもできる。
【0024】
蛍光体層13としては、例えば、P15蛍光体(ZnO:Zn)、P22蛍光体(青:ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al、緑:ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、赤:Y2O2S:Eu3+)、P53蛍光体(Y3Al5O12:Tb3+)、P56蛍光体(Y2O3:Eu3+)等を用いることができる。その他、電子線照射により発光する蛍光体であればその種類は特に限定されるものではない。
また、蛍光体層13の表面には、透明保護膜が形成されていてもよい。
透明保護膜は、蛍光体層13の電子線照射による劣化を抑制するもので、透明でかつ高い電気伝導度をもつ酸化スズ・インジウム、酸化亜鉛、又は酸化スズのいずれかの材料で構成されている。これらの材料を100〜200nm厚で蛍光体層13上に付着させることで、カソード電極11から放出された電子が、蛍光体層13に到達するとともに、蛍光体層13で発光した光を遮蔽なしに取り出すことが可能になる。又、蛍光体層13における蛍光体の劣化速度を大幅に低減できる。
【0025】
放熱部材である金属シート15は、蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設されている。「蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設されている」とは、真空封止容器を介して、蛍光体層の位置の裏側に放熱部材が配設されるという意味であるが、蛍光体層からの発熱を放熱することができる限りにおいて、蛍光体層が形成された部位に対向する部位の大部分に放熱部材が配設されていれば充分であることを意味している。
すなわち、蛍光体層が形成された部位に対向する部位の全てに放熱部材が配設されることを必須とするものではない。
【0026】
図2、図3及び図4は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
なお、図2、図3及び図4では、放熱フィン15dを省略して示しているが、放熱部材は放熱フィンを備えた放熱シートであり、放熱部材の構成は図1に示す電界放出型光源と同様である。
図2に示す電界放出型光源2では、蛍光体層13が形成された部位に対して、真空封止容器を介して対応する同じ部位に放熱部材15aが配設されている。
図3に示す電界放出型光源3では、蛍光体層13が形成された部位よりも、放熱部材15bが配設された部位が広くなっている。この場合、放熱部材による放熱効果が高くなる点では好ましい。しかしながら、通常、放熱部材は可視光を透過しない材料からなるため、放熱部材が配設された部位が広くなると、光の取り出し効率が低くなるという点では不利となる。
また、印加電圧によっては、可視光線の他にX線が生じて真空封止容器の外部に漏洩することが問題になることがある。放熱部材が配設された部位が広いと、X線を遮蔽して、X線が真空封止容器外に漏洩することを防止することができる場合がある。
図4に示す電界放出型光源4では、蛍光体層13が形成された部位よりも、放熱部材15cが配設された部位が狭くなっている。この場合、蛍光体層13の端部において放熱部材による放熱効果が得られにくくなるという点で不利となるが、放熱部材が配設されていない部位から光を取り出すことができるため、光の取り出し効率が高くなるという点で好ましい。
すなわち、蛍光体層が形成された部位に対して放熱部材が配設された部位を同じにするか、広くするか、狭くするかは、必要な放熱効果、光の取り出し効率等を勘案して、設計することができる。
【0027】
金属シート15は、熱伝導率が高い金属材料からなる金属シートである。金属シート15が放熱フィン15dを備えていると、その表面積が高くなるため、大気への放熱特性に特に優れることとなる。
放熱フィン15dは、金属シートと同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。同じ材料とした場合は、金属シートとの境界なく連続的に形成されたものであってもよい。
また、金属シートは、その熱伝導率が高いほうが望ましく、例えば、熱伝導率が10〜1000W/mKであることが望ましく、230〜400W/mKであることがより望ましい。熱伝導率が高いと、蛍光体からの熱を好適に放熱させることができるため、好ましい。
熱伝導率が高い金属材料として、アルミニウム、銅等が挙げられる。
【0028】
金属シートは柔軟性に富むため、真空封止容器の外周面(ガラス管壁)に密着させることが可能であり、真空封止容器との間に熱伝導を阻害する非接触な部位を生じさせないという利点を有する。
また、放熱フィンを備える金属シートに代えて、金属シートを筐体などのヒートシンクへ接触させたものを放熱部材として使用することもできる。
【0029】
また、金属シートは、可視光反射率が90%以上であるアルミニウム膜であることが特に望ましい。反射率が高いと、アノード電極として金属酸化物膜のような透明な膜を使用した場合に、真空封止容器を経て放熱部材側に放出された光を反射して真空封止容器側に戻し、反対側から光を放出することができるため、光の取り出し効率を高くすることができる。
このような、反射率の高い材料からなる金属シートは、反射層としても機能する。
【0030】
金属シート15は、真空封止容器の外周面上に、シリコーン樹脂(図示せず)を用いて接着されていることが好ましい。このような、シリコーン樹脂は、熱伝導率が高いため、蛍光体層からの発熱が効率的に金属シートに伝わる。
放熱部材の接着に用いるシリコーン樹脂の熱伝導率は、高いほうが望ましく、例えば、0.1〜100W/mKであることが望ましく、0.5〜15W/mKであることがより望ましい。
【0031】
上記構造の電界放出型光源1では、カソード電極11の電子放出膜12から放出された電子線は、蛍光体層13に向かい、蛍光体層13に衝突して蛍光体が発光する。
蛍光体からの発光は蛍光体層と反対側(図1の上側)から、真空封止容器を介して外部に取り出される。
蛍光体からの発光のうち、図1の下側に向かった光子は、アノード電極14がアルミニウム膜のような可視光反射率の高い膜からなる場合は、アノード電極14で反射して上側に向かう。従って、このような光子も蛍光体層13と反対側(図1の上側)から、真空封止容器10を介して外部に取り出される。
また、アノード電極14が金属酸化物膜のような透明な膜からなる場合は、アノード電極14、真空封止容器10を通過して、反射率の高い放熱部材15で反射して上側に向かう。従って、このような光子も蛍光体層と反対側(図1の上側)から、真空封止容器10を介して外部に取り出される。
そして、このような発光過程において発生した熱は放熱部材15から速やかに放熱されるため、蛍光体層13の温度は低い状態で保たれる。
このような電界放出型光源では、高い発光効率での発光が継続的に可能となる。
【0032】
(実施例)
円筒形の真空封止容器の内面の一部に、アノード電極としてのアルミニウム膜を蒸着法により形成し、蛍光体層として、陰極管に使用される蛍光体であるP22蛍光体を含む蛍光体層を形成し、真空封止容器の中心にワイヤ形状のカソード電極を配設して電界放出型光源を作製した。
この電界放出型光源の真空封止容器の外周面上、蛍光体層が形成された部位に対向する部位に、厚さ0.1mmのアルミニウム製のテープをシリコーン樹脂を用いて接着して、放熱部材とした。
この放熱部材には、厚さ0.1mmのアルミニウム製のテープからなる、高さ1cmの放熱フィンが2カ所に設けられていた。
【0033】
このようにして作製した、放熱部材を備えた電界放出型光源と、放熱部材を配設していない電界放出型光源について、発光させた際の発光面の平均温度の時間推移を比較した。
その結果を図5に示す。
図5は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度の推移を示すグラフである。
この結果から、放熱部材を有する場合には、発光面の温度がより低い温度で飽和することが明らかであった。
すなわち、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けることによって、蛍光体層から放熱部材に熱を移動させて、蛍光体層の温度を低下させることができた。
【0034】
また、表面温度の測定と同時に発光時の平均輝度を測定した。
図6は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度と輝度の関係を示すグラフである。
このグラフに示すように温度低下とともに発光面の平均輝度は大きくなっている。
図5に示した実験結果と合わせると、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けることによって、発光面(蛍光体層)の温度を低下させることができるので、発光面の平均輝度を大きくすることができることがわかる。
すなわち、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けたことによって、発光面の輝度低下を抑制して、高い発光効率での発光が継続的に可能となることが明らかであった。
【0035】
(第二実施形態)
図7(a)は、本発明の電界放出型光源の別の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、真空封止容器の中心軸と平行な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
図7(a)及び図7(b)に示す電界放出型光源5は、放熱部材の構造が異なる他は第一実施形態で説明した電界放出型光源1と同様の構成を有している。
電界放出型光源5では、放熱部材は金属製の放熱ブロック16であり、放熱ブロック16には、真空封止容器の形状に対応する形状の凹みが設けられている。上記凹みは、蛍光体層が形成された部位に対向する部位を覆うようになっている。
【0036】
放熱ブロック16は、第一実施形態の放熱部材である放熱フィン15dと同様に可視光に対して反射率が高く、かつ、熱伝導率が高い金属材料であることが望ましく、放熱部材として機能するとともに、反射層としても機能することができる。具体的な材料としては、純アルミ、アルミニウム合金、純銅、銅合金等が挙げられる。この中では、アルミニウム合金であるシルミン又はジュラルミンであることが好ましい。シルミンは鋳造性に優れ、ジュラルミンは強度、加工性に優れるためである。
放熱ブロック16は、その熱伝導率が高いほうが望ましく、例えば、熱伝導率が10〜1000W/mKであることが望ましく、230〜400W/mKであることがより望ましい。
図7(b)に示すように、電界放出型光源5の右側面又は左側面には、排気管17や電流導入端子18が設けられている。電流導入端子18は電源19に電気的に接続されている。
電界放出型光源5では、電界放出型光源5を構成する部品である排気管17や電流導入端子18が放熱ブロック16に収納されている。これらの部品は脆弱な部品である場合があるのでこれらの部品を放熱ブロック16に収納させることによって、これらの部品の破損を防止することができる。
【0037】
放熱ブロック16を真空封止容器に配設する方法は特に限定されるものではない。
図7(a)及び図7(b)に示す電界放出型光源5では、放熱ブロック16は真空封止容器10に機械的に固定されている。
その他の配設方法として、図8に示す電界放出型光源6のように、真空封止容器10と放熱ブロック16の間をペースト材料20で接着する方法も挙げられる。ペースト材料20は、その熱伝導率が高い材料を有機樹脂に配合した導電性ペーストであることが望ましい。
ペースト材料の熱伝導率は、高いほうが望ましく、例えば、0.1〜200W/mK以上であることが望ましく、1〜120W/mK以上であることがより望ましい。
なお、第一実施形態では、真空封止容器と放熱部材を接着する材料としてシリコーン樹脂を挙げたが、第二実施形態においてシリコーン樹脂を用いても良いし、第一実施形態において上記ペースト材料を用いてもよい。
【0038】
(その他の実施形態)
本発明の電界放出型光源では、真空封止容器の形状が円筒形であり、円筒形真空容器の内壁面の一部に蛍光体層が設けられている。そして、放熱部材は蛍光体層が形成された部位に対応して設けられているため、放熱部材も真空封止容器の内壁面の一部に設けられることになる。
放熱部材は、通常、可視光を透過しない材料からなるが、本発明では、円筒形真空容器の外周面上において放熱部材の占める割合がそれほど高くならないので、可視光を取り出すことができる領域が広くなり、光の取り出し効率を高めることができる。
【0039】
真空封止容器が円筒形真空容器である場合に、蛍光体層及び放熱部材をどの程度の領域に設けるかは、必要とされる発光量と光の取り出し効率を勘案して決定することができる。
図9、図10及び図11は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
これらの図面においては、真空封止容器の形状は円筒形真空容器とし、カソード電極の位置は円筒形真空容器の中心軸の位置Oと一致することとし、蛍光体層の一方の端点をA、蛍光体層の他方の端点をB、AとBの中点をO’と定める。
また、蛍光体層13が形成された部位に対して、真空封止容器を介して対応する同じ部位に放熱部材15aが配設されているとする。
この場合に、蛍光体層を設ける広さは∠AOO’で表される角度θによって表現される。
図9は、θが小さい場合、図10はθが中程度の場合、図11は、θが大きい場合を模式的に示している。
図9に示す電界放出型光源7のようにθが小さいと、反射層(アノード電極14及び/又は放熱部材15aが該当する)の広さが狭く、可視光が遮蔽されにくいため、発生した光の多くが透明の真空封止容器10を経て放出される。そのため、光の取り出し効率が高くなる。
しかしながら、発光面の面積が小さいため、発光量が小さくなる。
図11に示す電界放出型光源9のようにθが大きい場合は、θが小さい場合とは反対に、反射層の広さが大きく、光を取り出すことのできる領域が狭いため、光の取り出し効率が低くなる。
しかしながら、発光面の面積は大きいため、発光量は大きくなる。
図10に示す電界放出型光源8のようにθが中程度の場合は、それらの中間である。
【0040】
本明細書では、真空封止容器を円筒形真空容器として本発明を説明したが、真空封止容器が円筒形でない場合であっても、放熱部材を真空封止容器の外周面上に、上記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設することによって、蛍光体層の温度が上昇することを防止する効果を得ることは可能である。
蛍光体層からの発光を均一にするためには、カソード電極から蛍光体層までの距離を均一にすることが好ましいので、カソード電極と蛍光体層の両端で形成される図形が扇形(図9、10、11における扇形OAB)となることが望ましい。一方、その他の部位も含めて真空封止容器の外形状が円弧である必要はなく、電界放出型光源の設置態様等に合わせて真空封止容器の形状を変更してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1〜9 電界放出型光源
10 真空封止容器
11 カソード電極
12 電子放出膜
13 蛍光体層
14 アノード電極
15 金属シート(放熱部材)
15a、15b、15c放熱部材(金属シート)
15d 放熱フィン(放熱部材)
16 放熱ブロック(放熱部材)
20 ペースト材料
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明や表示に使用可能な電界放出型光源(Field Emission Light:以下FELという)に関する。
【背景技術】
【0002】
FELは、真空蛍光ディスプレイ(Vacuum Fluorescent Display)やブラウン管(Cathode Ray Tube)と同じく、電子線照射によって励起された蛍光体の発光、すなわちカソードルミネセンスを利用するものであるが、電子放出源としてフィラメントではなく、量子的な効果で電子放出を行う電界電子放出素子を使用することに特徴がある。
【0003】
電界電子放出素子を使用すると、ブラウン管のようにフィラメントの加熱を必要とせずに大きな電流を取り出せるため、低消費電力で高輝度な発光を得ることができ、耐久性も高いことが知られている。
【0004】
一般的なFELには、ガラスなどの可視光に対して透過性のある材料で形成された真空封止容器内の一部に、透明導電膜などにより電気導電性を付加された蛍光体層を形成し、その蛍光体層に、真空封止容器内部に配置された電子放出源からの電子を照射することで蛍光体を発光させ、この光を蛍光体塗布面のガラスを通して外部に取り出すことで発光を得る構造のものがある。以下、このような構造のFELを透過光利用型FELと呼ぶ。
【0005】
また、FELとして、蛍光体層を金属などで形成された電極上に形成し、この蛍光体層に電子線照射することで得られる発光を、真空封止容器の蛍光体層以外の部分に設けられた光を取り出すための窓(フェイスガラス)を通して、光を外部に取り出す構造のものがある。以下このような構造をもつFELを電子照射面発光利用型FELと呼ぶ。
この電子照射面発光利用型FELは透過光利用型FELに比べて、発光強度の高い、電子照射面側の蛍光体粒子の発光を、蛍光体層中で損失させることなく利用できる点で、有利である。
【0006】
特許文献1には、電子照射面発光利用型FELの一例が開示されている。
特許文献1には、管壁の一部に透光性の光取り出し部が形成され、内部が密閉された透光性容器2と、上記管壁の上記光取り出し部を除く側壁部分に形成された反射層を兼ねたアノード層4と、このアノード層4に積層されて形成された蛍光体層6と、上記透光性容器2内に配置され上記蛍光体層6の面に対して電子を放出する電子放出源10bを有するカソード5とを具え、上記電子放出源10bは、給電部の表面に植設された柱状炭素繊維により形成されていることを特徴とする電界放出型光源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−236721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された電子照射面発光利用型FELでは、蛍光体層に電子が衝突することによって熱が発生する。蛍光体は基本的に温度が高くなるほど発光効率が減少するため、蛍光体の温度が高くなるにつれて輝度が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、蛍光体の温度上昇を防止して、高い発光効率での発光が継続的に可能となる電界放出型光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電界放出型光源は、円筒形真空封止容器と、上記円筒形真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極と、上記アノード電極上に形成された蛍光体層と、上記円筒形真空封止容器の中心軸に対して平行に配設され、ワイヤ形状を有し、表面の一部に電子放出膜が形成されたカソード電極と、上記円筒形真空封止容器の外周面上に、上記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設された放熱部材とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の電界放出型光源では、円筒形真空封止容器の外周面上の、蛍光体層が形成された部位に対応する部位に、放熱部材が配設されている。
この部位に放熱部材が配設されていると、蛍光体層に電子が衝突することによって生じた熱は、蛍光体層からアノード電極、円筒形真空封止容器を経て、放熱部材に伝わり、放熱部材から速やかに放熱される。そのため、蛍光体層の温度が上昇することが防止される。その結果、高い発光効率での発光が継続的に可能となる。
【0012】
本発明は、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けることによって、蛍光体層の温度上昇を効率的に防止することができる点に特徴を有する。
通常、真空封止容器の材質はガラスであり、ガラスは熱伝導率があまり高くない材料であるため、蛍光体層から他の部位への熱伝導が妨げられやすく、蛍光体層には熱がこもる傾向がある。
本発明では、真空封止容器の外周面上に放熱部材を設けているため、蛍光体層から熱が最短距離で放熱部材にまで伝わり、蛍光体層からの放熱が効率的に行われる。
【0013】
真空封止容器の形状を円筒形とすると、大気による圧縮応力に対して強い構造となるため、真空封止容器の厚さを薄くすることができる。真空封止容器の厚さを薄くすることによって、真空封止容器の熱抵抗が減少し、蛍光体層から放熱部材に速やかに熱が移動することになるため、蛍光体層からの放熱がより効率的に行われる。
また、真空封止容器の厚さが薄くなると、容器全体の重量を軽くすることができる。
【0014】
このような放熱構造は、特に、電子照射面発光利用型FELにおいて有効である。
透過光利用型FELでは、蛍光体塗布面のガラスを通して発光を得るため、本発明において放熱部材が配設される部位に放熱部材を設けると放熱部材が発光を遮ることになる。そのため、本発明の放熱構造を透過光利用型FELにおいて採用することはできない。
すなわち、本発明者らは、電子照射面発光利用型FELにおいて、蛍光体層の位置と放熱部材の位置を同時に考慮して、蛍光体層から効率よく放熱を行うことができ、かつ、光の取り出し効率を低下させないように放熱部材を配設することができる構成を見出した。
言い換えると、本発明は、電子照射面発光利用型FELでは、蛍光体層の裏側が光を取り出す部位として利用されない部位であるため、可視光透過性の低い部材を配置しても光の取り出しに関して不利にならないことに着目したこと、及び、蛍光体層の裏側が、蛍光体層からの距離が近く、蛍光体層にこもった熱を放熱させるための放熱部材を配設するための部位として適していることに着目したこと、の2つの着目点に基づいて、電子照射面発光利用型FELにとって適した放熱構造を見出したことによってなされたものである。
本発明の構成では、放熱部材が配設されることによって蛍光体層からの放熱性が向上するため、印加できる電力の上限が向上し、透過光利用型FELに比べ、より高い輝度で発光することが可能となる。にもかかわらず、放熱部材は光の取り出しの妨げにならないため、照明としての利用に適した構造となる。
また、LED照明の放熱構造として、ヒートシンク等の放熱部材を設ける場合があるが、この場合は配線基板にヒートシンク等をはんだ等で固定して、配線基板から生じた熱を放熱しているのであり、放熱の対象物及び放熱構造は全く異なる。
【0015】
本発明の電界放出型光源において、上記放熱部材は、放熱フィンを備えた金属シートであることが望ましい。
また、本発明の電界放出型光源において、上記放熱部材は、熱伝導率が高い金属部材からなるブロックであることが望ましい。
また、上記ブロック内に電界放出型光源を構成する部品が収納されていることが望ましい。
また、上記放熱部材が、熱伝導率が高いペースト材料により封止容器の外周面と接着されていることが望ましい。
【0016】
放熱部材として、放熱フィンを備えた金属シートや熱伝導率が高い金属部材からなるブロックを用いると、蛍光体からの熱を好適に放熱させることができる。
また、放熱部材として上記ブロックを用いた場合に、電界放出型光源を構成する部品を収納させることができる。特に、排気管や電流導入端子といった脆弱な部品を収納させることで、これらの部品の破損を防止することができる。
また、放熱部材が、熱伝導率が高いペースト材料により封止容器の外周面と接着されていると、蛍光体からの熱の放熱性がより向上するため好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電界放出型光源では、蛍光体層の温度が上昇することが防止され、高い発光効率での発光が継続的に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の電界放出型光源の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
【図5】図5は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度の推移を示すグラフである。
【図6】図6は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度と輝度の関係を示すグラフである。
【図7】図7(a)は、本発明の電界放出型光源の別の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、真空封止容器の中心軸と平行な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
【図8】図8は、真空封止容器と放熱ブロックの間をペースト材料で接着した場合の例を模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
【図10】図10は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
【図11】図11は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第一実施形態)
以下、本発明の電界放出型光源の一実施形態である第一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電界放出型光源の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
図1に示す電界放出型光源1は、内部を真空に封止する真空封止容器10と、真空封止容器10内に配設されたカソード電極11と、カソード電極11の表面の一部に形成された電子放出膜12と、真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極14と、アノード電極14上に形成された蛍光体層13とを備えており、さらに、真空封止容器11の外周面上には、放熱フィン15dを備えた金属シート15が配設されている。放熱フィン15dを備えた金属シート15は、放熱部材である。
【0020】
真空封止容器10は、円筒形であり、可視光に対して高い透過率を持つガラスで形成されている。
【0021】
カソード電極11は、真空封止容器10の中心に配設された電極である。
カソード電極の種類、形状は特に限定されるものではなく、FELのカソード電極として用いられる電極を用いることができる。カソード電極の形状の例としては、円柱形状、多角柱形状、平板形状等が挙げられる。
図1に示すカソード電極11は、真空封止容器10の内径よりもカソード電極11の外径が小さい、いわゆるワイヤ形状の電極である。
ワイヤ電極は、平行平板形の電極と比較して、電極表面に高い電界強度を発生させることができるため有利である。
【0022】
カソード電極11の表面には、電子を放出する部位である電子放出膜12が形成されている。電子放出膜12は、金属、又は、導電性セラミックス等からなるワイヤ電極の基体の表面にカーボンナノチューブ、花弁状のグラフェンシート層、ナノダイヤモンド粒子層などを形成させたものである。
電子放出膜12は、蛍光体層13に対向する部位、図1における下側にのみ形成されている。
【0023】
アノード電極14は、金属膜、又は、金属酸化物膜からなり、真空封止容器の内壁面の一部、具体的には、円筒の下半分以下の部位に形成されている。
アノード電極を構成する金属膜の種類としては、アルミニウム膜、炭素膜等が挙げられる。
金属酸化物膜の種類としては、SnO2、In2O3等が挙げられる。
これらの金属膜、金属酸化物膜は、蒸着法、スパッタ法等の方法を材料に応じて選択することによって好適に形成することができる。
また、真空封止容器の径が小さい場合などは、蒸着法、スパッタ法等の方法に代えてゾルゲル法や無電解めっき法を適用することもできる。
【0024】
蛍光体層13としては、例えば、P15蛍光体(ZnO:Zn)、P22蛍光体(青:ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al、緑:ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、赤:Y2O2S:Eu3+)、P53蛍光体(Y3Al5O12:Tb3+)、P56蛍光体(Y2O3:Eu3+)等を用いることができる。その他、電子線照射により発光する蛍光体であればその種類は特に限定されるものではない。
また、蛍光体層13の表面には、透明保護膜が形成されていてもよい。
透明保護膜は、蛍光体層13の電子線照射による劣化を抑制するもので、透明でかつ高い電気伝導度をもつ酸化スズ・インジウム、酸化亜鉛、又は酸化スズのいずれかの材料で構成されている。これらの材料を100〜200nm厚で蛍光体層13上に付着させることで、カソード電極11から放出された電子が、蛍光体層13に到達するとともに、蛍光体層13で発光した光を遮蔽なしに取り出すことが可能になる。又、蛍光体層13における蛍光体の劣化速度を大幅に低減できる。
【0025】
放熱部材である金属シート15は、蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設されている。「蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設されている」とは、真空封止容器を介して、蛍光体層の位置の裏側に放熱部材が配設されるという意味であるが、蛍光体層からの発熱を放熱することができる限りにおいて、蛍光体層が形成された部位に対向する部位の大部分に放熱部材が配設されていれば充分であることを意味している。
すなわち、蛍光体層が形成された部位に対向する部位の全てに放熱部材が配設されることを必須とするものではない。
【0026】
図2、図3及び図4は、電界放出型光源において、蛍光体層が形成された部位と放熱部材が配設された部位の位置関係を模式的に示す断面図である。
なお、図2、図3及び図4では、放熱フィン15dを省略して示しているが、放熱部材は放熱フィンを備えた放熱シートであり、放熱部材の構成は図1に示す電界放出型光源と同様である。
図2に示す電界放出型光源2では、蛍光体層13が形成された部位に対して、真空封止容器を介して対応する同じ部位に放熱部材15aが配設されている。
図3に示す電界放出型光源3では、蛍光体層13が形成された部位よりも、放熱部材15bが配設された部位が広くなっている。この場合、放熱部材による放熱効果が高くなる点では好ましい。しかしながら、通常、放熱部材は可視光を透過しない材料からなるため、放熱部材が配設された部位が広くなると、光の取り出し効率が低くなるという点では不利となる。
また、印加電圧によっては、可視光線の他にX線が生じて真空封止容器の外部に漏洩することが問題になることがある。放熱部材が配設された部位が広いと、X線を遮蔽して、X線が真空封止容器外に漏洩することを防止することができる場合がある。
図4に示す電界放出型光源4では、蛍光体層13が形成された部位よりも、放熱部材15cが配設された部位が狭くなっている。この場合、蛍光体層13の端部において放熱部材による放熱効果が得られにくくなるという点で不利となるが、放熱部材が配設されていない部位から光を取り出すことができるため、光の取り出し効率が高くなるという点で好ましい。
すなわち、蛍光体層が形成された部位に対して放熱部材が配設された部位を同じにするか、広くするか、狭くするかは、必要な放熱効果、光の取り出し効率等を勘案して、設計することができる。
【0027】
金属シート15は、熱伝導率が高い金属材料からなる金属シートである。金属シート15が放熱フィン15dを備えていると、その表面積が高くなるため、大気への放熱特性に特に優れることとなる。
放熱フィン15dは、金属シートと同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。同じ材料とした場合は、金属シートとの境界なく連続的に形成されたものであってもよい。
また、金属シートは、その熱伝導率が高いほうが望ましく、例えば、熱伝導率が10〜1000W/mKであることが望ましく、230〜400W/mKであることがより望ましい。熱伝導率が高いと、蛍光体からの熱を好適に放熱させることができるため、好ましい。
熱伝導率が高い金属材料として、アルミニウム、銅等が挙げられる。
【0028】
金属シートは柔軟性に富むため、真空封止容器の外周面(ガラス管壁)に密着させることが可能であり、真空封止容器との間に熱伝導を阻害する非接触な部位を生じさせないという利点を有する。
また、放熱フィンを備える金属シートに代えて、金属シートを筐体などのヒートシンクへ接触させたものを放熱部材として使用することもできる。
【0029】
また、金属シートは、可視光反射率が90%以上であるアルミニウム膜であることが特に望ましい。反射率が高いと、アノード電極として金属酸化物膜のような透明な膜を使用した場合に、真空封止容器を経て放熱部材側に放出された光を反射して真空封止容器側に戻し、反対側から光を放出することができるため、光の取り出し効率を高くすることができる。
このような、反射率の高い材料からなる金属シートは、反射層としても機能する。
【0030】
金属シート15は、真空封止容器の外周面上に、シリコーン樹脂(図示せず)を用いて接着されていることが好ましい。このような、シリコーン樹脂は、熱伝導率が高いため、蛍光体層からの発熱が効率的に金属シートに伝わる。
放熱部材の接着に用いるシリコーン樹脂の熱伝導率は、高いほうが望ましく、例えば、0.1〜100W/mKであることが望ましく、0.5〜15W/mKであることがより望ましい。
【0031】
上記構造の電界放出型光源1では、カソード電極11の電子放出膜12から放出された電子線は、蛍光体層13に向かい、蛍光体層13に衝突して蛍光体が発光する。
蛍光体からの発光は蛍光体層と反対側(図1の上側)から、真空封止容器を介して外部に取り出される。
蛍光体からの発光のうち、図1の下側に向かった光子は、アノード電極14がアルミニウム膜のような可視光反射率の高い膜からなる場合は、アノード電極14で反射して上側に向かう。従って、このような光子も蛍光体層13と反対側(図1の上側)から、真空封止容器10を介して外部に取り出される。
また、アノード電極14が金属酸化物膜のような透明な膜からなる場合は、アノード電極14、真空封止容器10を通過して、反射率の高い放熱部材15で反射して上側に向かう。従って、このような光子も蛍光体層と反対側(図1の上側)から、真空封止容器10を介して外部に取り出される。
そして、このような発光過程において発生した熱は放熱部材15から速やかに放熱されるため、蛍光体層13の温度は低い状態で保たれる。
このような電界放出型光源では、高い発光効率での発光が継続的に可能となる。
【0032】
(実施例)
円筒形の真空封止容器の内面の一部に、アノード電極としてのアルミニウム膜を蒸着法により形成し、蛍光体層として、陰極管に使用される蛍光体であるP22蛍光体を含む蛍光体層を形成し、真空封止容器の中心にワイヤ形状のカソード電極を配設して電界放出型光源を作製した。
この電界放出型光源の真空封止容器の外周面上、蛍光体層が形成された部位に対向する部位に、厚さ0.1mmのアルミニウム製のテープをシリコーン樹脂を用いて接着して、放熱部材とした。
この放熱部材には、厚さ0.1mmのアルミニウム製のテープからなる、高さ1cmの放熱フィンが2カ所に設けられていた。
【0033】
このようにして作製した、放熱部材を備えた電界放出型光源と、放熱部材を配設していない電界放出型光源について、発光させた際の発光面の平均温度の時間推移を比較した。
その結果を図5に示す。
図5は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度の推移を示すグラフである。
この結果から、放熱部材を有する場合には、発光面の温度がより低い温度で飽和することが明らかであった。
すなわち、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けることによって、蛍光体層から放熱部材に熱を移動させて、蛍光体層の温度を低下させることができた。
【0034】
また、表面温度の測定と同時に発光時の平均輝度を測定した。
図6は、電界放出型光源点灯時の発光面の平均温度と輝度の関係を示すグラフである。
このグラフに示すように温度低下とともに発光面の平均輝度は大きくなっている。
図5に示した実験結果と合わせると、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けることによって、発光面(蛍光体層)の温度を低下させることができるので、発光面の平均輝度を大きくすることができることがわかる。
すなわち、発熱源となる蛍光体層が形成された部位に対応する部位に放熱部材を設けたことによって、発光面の輝度低下を抑制して、高い発光効率での発光が継続的に可能となることが明らかであった。
【0035】
(第二実施形態)
図7(a)は、本発明の電界放出型光源の別の一例を、真空封止容器の中心軸と垂直な面で切断した断面を模式的に示す断面図であり、図7(b)は、真空封止容器の中心軸と平行な面で切断した断面を模式的に示す断面図である。
図7(a)及び図7(b)に示す電界放出型光源5は、放熱部材の構造が異なる他は第一実施形態で説明した電界放出型光源1と同様の構成を有している。
電界放出型光源5では、放熱部材は金属製の放熱ブロック16であり、放熱ブロック16には、真空封止容器の形状に対応する形状の凹みが設けられている。上記凹みは、蛍光体層が形成された部位に対向する部位を覆うようになっている。
【0036】
放熱ブロック16は、第一実施形態の放熱部材である放熱フィン15dと同様に可視光に対して反射率が高く、かつ、熱伝導率が高い金属材料であることが望ましく、放熱部材として機能するとともに、反射層としても機能することができる。具体的な材料としては、純アルミ、アルミニウム合金、純銅、銅合金等が挙げられる。この中では、アルミニウム合金であるシルミン又はジュラルミンであることが好ましい。シルミンは鋳造性に優れ、ジュラルミンは強度、加工性に優れるためである。
放熱ブロック16は、その熱伝導率が高いほうが望ましく、例えば、熱伝導率が10〜1000W/mKであることが望ましく、230〜400W/mKであることがより望ましい。
図7(b)に示すように、電界放出型光源5の右側面又は左側面には、排気管17や電流導入端子18が設けられている。電流導入端子18は電源19に電気的に接続されている。
電界放出型光源5では、電界放出型光源5を構成する部品である排気管17や電流導入端子18が放熱ブロック16に収納されている。これらの部品は脆弱な部品である場合があるのでこれらの部品を放熱ブロック16に収納させることによって、これらの部品の破損を防止することができる。
【0037】
放熱ブロック16を真空封止容器に配設する方法は特に限定されるものではない。
図7(a)及び図7(b)に示す電界放出型光源5では、放熱ブロック16は真空封止容器10に機械的に固定されている。
その他の配設方法として、図8に示す電界放出型光源6のように、真空封止容器10と放熱ブロック16の間をペースト材料20で接着する方法も挙げられる。ペースト材料20は、その熱伝導率が高い材料を有機樹脂に配合した導電性ペーストであることが望ましい。
ペースト材料の熱伝導率は、高いほうが望ましく、例えば、0.1〜200W/mK以上であることが望ましく、1〜120W/mK以上であることがより望ましい。
なお、第一実施形態では、真空封止容器と放熱部材を接着する材料としてシリコーン樹脂を挙げたが、第二実施形態においてシリコーン樹脂を用いても良いし、第一実施形態において上記ペースト材料を用いてもよい。
【0038】
(その他の実施形態)
本発明の電界放出型光源では、真空封止容器の形状が円筒形であり、円筒形真空容器の内壁面の一部に蛍光体層が設けられている。そして、放熱部材は蛍光体層が形成された部位に対応して設けられているため、放熱部材も真空封止容器の内壁面の一部に設けられることになる。
放熱部材は、通常、可視光を透過しない材料からなるが、本発明では、円筒形真空容器の外周面上において放熱部材の占める割合がそれほど高くならないので、可視光を取り出すことができる領域が広くなり、光の取り出し効率を高めることができる。
【0039】
真空封止容器が円筒形真空容器である場合に、蛍光体層及び放熱部材をどの程度の領域に設けるかは、必要とされる発光量と光の取り出し効率を勘案して決定することができる。
図9、図10及び図11は、電界放出型光源において蛍光体層及び放熱部材を設ける広さを変更した様子を模式的に示す断面図である。
これらの図面においては、真空封止容器の形状は円筒形真空容器とし、カソード電極の位置は円筒形真空容器の中心軸の位置Oと一致することとし、蛍光体層の一方の端点をA、蛍光体層の他方の端点をB、AとBの中点をO’と定める。
また、蛍光体層13が形成された部位に対して、真空封止容器を介して対応する同じ部位に放熱部材15aが配設されているとする。
この場合に、蛍光体層を設ける広さは∠AOO’で表される角度θによって表現される。
図9は、θが小さい場合、図10はθが中程度の場合、図11は、θが大きい場合を模式的に示している。
図9に示す電界放出型光源7のようにθが小さいと、反射層(アノード電極14及び/又は放熱部材15aが該当する)の広さが狭く、可視光が遮蔽されにくいため、発生した光の多くが透明の真空封止容器10を経て放出される。そのため、光の取り出し効率が高くなる。
しかしながら、発光面の面積が小さいため、発光量が小さくなる。
図11に示す電界放出型光源9のようにθが大きい場合は、θが小さい場合とは反対に、反射層の広さが大きく、光を取り出すことのできる領域が狭いため、光の取り出し効率が低くなる。
しかしながら、発光面の面積は大きいため、発光量は大きくなる。
図10に示す電界放出型光源8のようにθが中程度の場合は、それらの中間である。
【0040】
本明細書では、真空封止容器を円筒形真空容器として本発明を説明したが、真空封止容器が円筒形でない場合であっても、放熱部材を真空封止容器の外周面上に、上記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設することによって、蛍光体層の温度が上昇することを防止する効果を得ることは可能である。
蛍光体層からの発光を均一にするためには、カソード電極から蛍光体層までの距離を均一にすることが好ましいので、カソード電極と蛍光体層の両端で形成される図形が扇形(図9、10、11における扇形OAB)となることが望ましい。一方、その他の部位も含めて真空封止容器の外形状が円弧である必要はなく、電界放出型光源の設置態様等に合わせて真空封止容器の形状を変更してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1〜9 電界放出型光源
10 真空封止容器
11 カソード電極
12 電子放出膜
13 蛍光体層
14 アノード電極
15 金属シート(放熱部材)
15a、15b、15c放熱部材(金属シート)
15d 放熱フィン(放熱部材)
16 放熱ブロック(放熱部材)
20 ペースト材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形真空封止容器と、
前記円筒形真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極と、
前記アノード電極上に形成された蛍光体層と、
前記円筒形真空封止容器の中心軸に対して平行に配設され、ワイヤ形状を有し、表面の一部に電子放出膜が形成されたカソード電極と、
前記円筒形真空封止容器の外周面上に、前記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設された放熱部材とを有することを特徴とする、電界放出型光源。
【請求項2】
前記放熱部材は、放熱フィンを備えた金属シートである請求項1記載の電界放出型光源。
【請求項3】
前記放熱部材は、熱伝導率が高い金属部材からなるブロックである請求項1に記載の電界放出型光源。
【請求項4】
前記ブロック内に電界放出型光源を構成する部品が収納されている請求項3に記載の電界放出型光源。
【請求項5】
前記放熱部材が、熱伝導率が高いペースト材料により封止容器の外周面と接着されている請求項1〜4のいずれかに記載の電界放出型光源。
【請求項1】
円筒形真空封止容器と、
前記円筒形真空封止容器の内壁面の一部に配設されたアノード電極と、
前記アノード電極上に形成された蛍光体層と、
前記円筒形真空封止容器の中心軸に対して平行に配設され、ワイヤ形状を有し、表面の一部に電子放出膜が形成されたカソード電極と、
前記円筒形真空封止容器の外周面上に、前記蛍光体層が形成された部位に対応する部位に配設された放熱部材とを有することを特徴とする、電界放出型光源。
【請求項2】
前記放熱部材は、放熱フィンを備えた金属シートである請求項1記載の電界放出型光源。
【請求項3】
前記放熱部材は、熱伝導率が高い金属部材からなるブロックである請求項1に記載の電界放出型光源。
【請求項4】
前記ブロック内に電界放出型光源を構成する部品が収納されている請求項3に記載の電界放出型光源。
【請求項5】
前記放熱部材が、熱伝導率が高いペースト材料により封止容器の外周面と接着されている請求項1〜4のいずれかに記載の電界放出型光源。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−64464(P2012−64464A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208313(P2010−208313)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(509033169)高知FEL株式会社 (13)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(509033169)高知FEL株式会社 (13)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]