説明

電磁波減衰筐体の設計方法、電磁波減衰筐体、及び画像形成装置

【課題】箱体のフランジ部と蓋部のねじ止めのみによって、安価で簡便な手法で、しかもばらつきが少なく電磁波を減衰させることができるようにする。
【解決手段】画像形成装置の制御用電装基板を箱体320と蓋体330の上側フランジ部331と下側フランジ部332との間でねじ340で固定するとき、ねじのピッチ間隔a、フランジ部の幅寸法z、必要な電磁波の減衰量をr(dB)として、減衰量rがzの値に略比例しaの値に略反比例する実験式を満足するようにa、zの値を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波減衰筐体の製造方法、電磁波減衰筐体、及び画像形成装置に係り、特に適正に電磁波の漏洩を防止することができる電磁波減衰筐体の設計方法、電磁波減衰筐体、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OA製品、電機製品には、製品内部に組み込まれた電子回路からの漏洩電磁波をシールドすることが求められている。これは、漏洩電磁波が他のOA装置、電機商品を誤作動させる可能性があるだけでなく、心臓ペースメーカなどの電子機器を誤作動させて、使用している人へ影響を及ぼす可能性があるためである。
【0003】
この漏洩電磁波を低減する方法として、大きく次の手法が採用される。第1には、電子回路からの漏洩電磁波が発生しない回路設計にする方法であり、第2には回路から発生した電磁波をシールドするために、電磁波源となる電子回路を電磁波シールドケースで覆う方法である
【0004】
パーソナルコンピュータ、画像形成装置の制御回路などは、動作周波数の高周波化が著しく、CPUから電磁波ノイズが発生し易くなっており、電磁波の発生のない回路設計は困難となっている。
【0005】
特に画像形成装置において、各種駆動部を駆動制御する電装基板は、金属製の筐体に収納され、画像形成装置に取り付けられている。近年画像形成装置の高速化に伴い電装基板の動作周波数も高いものとなってきており、電装基板から高周波数、高エネルギーの電磁波ノイズが発生する。
【0006】
このため、上述したパーソナルコンピュータや画像形成装置の電装基板等の電波発生源を電磁波シールドケースで覆うことがなされる。電磁波シールドケースで覆う一般的な方法は、電磁波の発信源を、周囲に縁部を形成した金属製の箱体に収納し、金属製の蓋体で覆い、箱体の縁部と蓋体とを適宜個所でねじ止めして密着させ電磁波を減衰させるものであり、安価な方法として多くのOA・電機製品に採用されている。
【0007】
このように、電波発生源からの電波をシールドするものとして、特許文献1には、内層と外層とからなる一端開口の箱状をなし、前記内層は、磁性金属紛またはフェライト紛が樹脂中に混入された樹脂成形体からなり、前記外層は前記樹脂成形体の表面に形成された金属膜からなり、前記内層のうち対抗する2つの面に実装基板取り付け用の溝を有し、前記溝に電子部品が搭載された実装基板の両側を挟めて実装基板を内部に装着し、前記一端の開口面に固定される蓋により実装基板を抜け止めする方法が記載されている。
【0008】
この方法は、電磁波発源から発生する電磁波が内層を通過する際に、磁性金属紛またはフェライト紛による磁気損失によって電磁波ノイズを減衰し、また外層で電磁波ノイズを反射して、電磁波ノイズの外部への漏れを防止するものである。しかし、特許文献1の方法では、磁性金属紛またはフェライト紛を使用するため、そのぶん費用が高くなる。
【0009】
また、電磁波発生源を周囲に縁部を備えた金属製の箱体内に収納し、金属製の蓋体を前記縁部に締結部材で締結する場合、締結特許文献2に示す用に、縁部と蓋体との間に電磁波シールド用ガスケットを挟むことが有効である。しかし、この方法ではガスケットに費用が嵩むほか、ガスケットの取付け作業が必要となり、製品の生産性を低下させるという問題がある。
【0010】
【特許文献1】特開平11−261270号公報
【特許文献2】特開平10−284869号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、電磁波の発信源を、縁部のある金属製の箱体に収納し、金属製の蓋体で覆い、箱の縁部と蓋体とをねじ止め等の締結材で締結して電磁波を減衰させる方法にあっては、縁部の寸法、蓋体の寸法と、締結材の穴ピッチ間隔と、電磁波の減衰量との関係が明確ではない。このため、電磁波が所定の値に減衰しないときには、縁部の幅寸法を大きくしたり、締結具を狭い間隔で多数取り付けることが行われる。
【0012】
しかしながら、このような筐体を格納する空間の寸法には限りがあり、むやみに縁部を大きくすることができず、所定の縁部の寸法に対して、有効な電磁波シールド効果を備える適正な締結材の穴ピッチ間隔を簡単に求めることができる金属筐体の設計方法が要望されている。
【0013】
そこで、本発明は金属製の箱体のフランジ部と金属製の蓋部のねじ止めのみによって、安価で簡便な手法で、しかもばらつきが少なく電磁波を減衰させることができる電磁波減衰筐体の製造方法、電磁波減衰筐体、及び画像形成装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】
【0014】
発明者らは、電磁波シールド用ガスケットあるいは、金属紛を使用せず、金属製の箱のふちと金属製の蓋をねじ止め等の締結のみによって、ばらつきが少なく電磁波を減衰させる方法を検討した。その結果、締結要素の間隔をa(m)、透過する電磁波の周波数をf(Hz)、箱のふちと蓋が重なっている部分の、電磁波が透過する方向の長さをz(m)とした場合、測定される電磁波の減衰量r(dB)は、
【0015】
【数2】

【0016】
と表せることを見出した。ここで、電磁波の減衰量(r(dB))は、箱のふちと蓋が重なっている部分を透過する前と、透過した後の電磁波の電界強度をEin、Eoutとして
【0017】
【数3】

である。
【0018】
電磁波の減衰が大きくなる程、透過前の電界強度(Ein)に対して、透過後の電界強度(Eout)が小さくなり、減衰量(r)は負の小さな値となる。この式より、締結要素の間隔(a)と、箱のふちと蓋が重なっている部分の長さ(z)の組み合わせによって、電磁波の減衰量が調整できることが分かる。zを大きくすれば電磁波の減衰は大きくなるが、箱のふちが大きくなる。寸法の制限によって、箱のふちを大きくできない場合は、aを小さくすることで、電磁波を減衰させることができる。逆に、aを小さくできない場合zを大きくすることで電磁波を減衰させることができる。
【0019】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、請求項1の発明は、電磁波減衰筐体の製造方法において、開口を備え該開口の周部にフランジ部を備え、内部に電磁波を放出する電磁波放出部材を収納する金属製の箱体と、前記箱体の開口部をフランジ部と重なって塞ぐ蓋体とを有し、前記フランジ部と蓋体とを複数の締結要素を所定間隔で配置して接合し、前記フランジ設置方向の電波の減衰量が所定値rとなるよう決定する電磁波減衰筐体の製造方法において、前記フランジ部と前記蓋体とが重なっている電磁波漏洩方向の寸法をzとし、前記連結材の配置間隔をaとしたとき、減衰量rの値がaに反比例しzの値に比例するとして、a及びzの値を決定することを特徴とする電磁波減衰筐体の製造方法である。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の電磁波減衰筐体の製造方法において、前記締結要素の間隔をa(m)、透過する電磁波の周波数をf(Hz)、フランジ部と蓋体とが重なっている部分の、電磁波が透過する方向の長さをz(m)、必要な電磁波の減衰量をr(dB)とし、下記の式を満足するようにaの値を決定することを特徴とする。
【0021】
【数4】

【0022】
請求項3の発明は、請求項1または2の電磁波減衰筐体の製造方法において、締結要素はねじ止め、カシメ、リベットまたは溶接であることを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法において、前記フランジ部の幅寸法zを予め定め、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて、減衰量r≦Rを満たすピッチ間隔aを求めることを特徴とする。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法において、前記フランジ部を締結する締結要素のピッチ間隔aを予め定め、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて、減衰量r≦Rを満たすフランジ部の幅寸法zを求めることを特徴とする。
【0025】
請求項6の発明は、請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法において、予め箱体及び蓋体に複数種類の異なるピッチの取付穴を開設しておき、箱体に蓋体を締結した状態で漏洩電磁波を測定し、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、減衰量r≦Rを満たすよう、前記複数種類の締結穴ピッチ間隔の取付穴から締結に使用する取付穴を決定することを特徴とする。
【0026】
請求項7の発明は、請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法において、予め蓋体に電磁波が透過する方向に延設された長穴を開設しておき、箱体に蓋体を締結した状態で漏洩電磁波を測定し、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて、減衰量r≦Rを満たすように、箱体のフランジ部と蓋体との重なり幅寸法zを選択することを特徴とする。
【0027】
請求項8の発明は、請求項1ないし3のいずれか電磁波減衰筐体の製造方法において、筐体に金属板を締結した状態で漏洩電磁波を測定し、所定の周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために最低限必要な減衰量Rの値を求め、その値を元にして、前記aの値及び前記zの値をパラメータとして最も安価に製造できる値を選択することを特徴とする。
【0028】
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法で製造したことを特徴とする電磁波減衰筐体である。
【0029】
請求項10の発明は、請求項9の電磁波減衰筐体を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、金属製の箱体のフランジ部と金属製の蓋部のねじ止めのみによって、安価で簡便な手法で、しかもばらつきが少なく電磁波を減衰させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0032】
以下本発明に係る式を導いた実験について説明する。本例では、図1及び図2に示すシールドボックス100を用意し、内部に発信器10を配置し、所定のねじ止めを行い、漏洩する電波の強度を測定した。
【0033】
シールドボックス100は、下箱110と上箱120とを組み合わせて構成される。本例では下箱110は上部に開口を有し、底板111、底板111の四方に立設される側板112,113,114,115を備え、側板115から幅寸法zのフランジ部116を形成し、フランジ部116に所定のピッチ間隔aでねじ穴117を開設したものである。上箱120は、上記下箱110に被せられるものであり、天板121、天板の三方に垂下した側板122,123,124を備え、天板121を延長して幅寸法zのフランジ部125を形成して、125に所定のピッチ間隔aでねじ穴127を開設したものである。
【0034】
このように形成した下箱110、上箱120を組み合わせて、フランジ部116とフランジ部125とを重ね合わせ、重なったねじ穴117及び穴127にビスを挿通しナットで固定してシールドボックス100を形成する。そして、シールドボックス100内に配置した発信機からの電磁波の強度を測定しEinとし、漏洩する電磁波の強度を測定し、Eoutとして、減衰量を求める。
【0035】
本例では、電磁波として100,500,1000MHzの正弦波を発生し、その減衰量を求めた。本例では間隔aと幅寸法zを変化させて、減衰量rを測定した。減衰量rと間隔aの関係を図3(a)、(b)(c)に示す。
【0036】
図3(a),(b)、(c)に示すように、実験値と下式に基づいて予想した値とはよく一致している。
【数5】


必要な減衰量rを例えば−15dBとすると、a,zを点線より下側の領域とすることで、電磁波を15dB以上減衰させることが可能となる。
【0037】
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。本例に係る画像形成装置200は、図4に示すように、装置本体210の背面部上方に取付けられた筐体300の内部に機械本体の制御用電装基板310、HDD320などが収納されている。この筐体は、図5に示すように、金属製の箱体320と蓋体330とから構成されている。箱体320には開口が形成されており、箱体320に蓋体330がねじ340で固定されている。
【0038】
本例では箱体320には、幅寸法z1の上側フランジ部321と幅寸法z2の下側フランジ部322が形成されている。また蓋体330には、上記上側フランジ部321に重ね合わされる幅寸法z1の上側フランジ部331と、上記下側フランジ部322と重ね合わされる幅寸法z2の下側フランジ部332が形成されている。本例では上記上側フランジ部321と上側フランジ部331、下側フランジ部322と下側フランジ部332とを複数のねじ340でピッチ間隔a1、a2を開けて締結する。
【0039】
上述のように本例に係る制御用電装基板310では内部から放射される電磁波ノイズが所定の値以下である必要がある。このため本例では、重ね合わされる上側フランジ部321,331の幅寸法とねじ止めピッチ間隔a1と、下側フランジ部322,332の幅寸法z2とねじ止めのピッチ間隔a2とを予め定めておく。
【0040】
この寸法とピッチ間隔の決定には上述した電磁波減衰筐体の製造方法に示した手法を用いる。即ち、制御用電装基板310内に配置される電磁波発生源と制御用電装基板310外における電磁波強度とから、必要な減衰量を求めておく。そして、全体寸法の制約などから決定されるフランジ部の幅寸法z1及び幅寸法z2の値に基づいて、ねじ止めのピッチ間隔a1及びねじ止めのピッチ間隔a2を決定する。
【0041】
また、本例では、予めフランジ部の幅寸法z1及び幅寸法z2の値を決定した後ねじ止めピッチa1及びねじ止めピッチ間隔a2を決定したが、この決定順は逆としてもよい。また制御用電装基板に形成するフランジ部の大きさやねじの個数や取付けの手間を考慮して製造費用が最も少なくなる値を選ぶことができる。
【0042】
さらに、予め箱体及び蓋体に複数種類の異なるピッチの取付穴を開設しておき、必要な減衰量Rに基づいて、位置ピッチの取付穴を用いて締結することができる。さらに、フランジ部に長穴を開設しておき、箱体に蓋体を締結した状態で必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて箱体のフランジ部と蓋体との重なり幅寸法zを選択することもできる。
【0043】
尚、上記例では締結手段としてねじを用いる場合を示した。このようにねじを用いて箱体と蓋体とを結合すると、結合の手間や設備を軽減することができる。締結手段としては溶接やカシメを使用することができ、締結手段として溶接やカシメを使用すると箱体と蓋体との結合を強固なものとでき、電磁波減衰筐体の剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例に係る電磁波減衰筐体の製造方法の実験に用いる筐体を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した筐体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図3】図1に示した筐体を用いフランジ部の幅寸法zとねじのピッチ間隔aを変更した場合の電磁波の減衰量を測定したグラフである。
【図4】実施例に係る画像形成装置を示す概略斜視図である。
【図5】図5に示した制御用電装基板の構造を示す斜視図である。
【図6】図5に示した制御用電装基板の構造を示す図5中のA−A線に相当する断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10・・・発信器
100・・・シールドボックス
110・・・下箱
111・・・底板
112,113,114,115・・・側板
116・・・フランジ部
117・・・穴
120・・・上箱
121・・・天板
122,123,124・・・側板
125・・・フランジ部
127・・・穴
200・・・画像形成装置
210・・・装置本体
300・・・筐体
310・・・制御用電装基板
320・・・箱体
321・・・上側フランジ部
322・・・下側フランジ部
330・・・蓋体
331・・・上側フランジ部
332・・・下側フランジ部
340・・・ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を備え該開口の周部にフランジ部を備え、内部に電磁波を放出する電磁波放出部材を収納する金属製の箱体と、前記箱体の開口部をフランジ部と重なって塞ぐ蓋体とを有し、前記フランジ部と蓋体とを複数の締結要素を所定間隔で配置して接合し、前記フランジ設置方向の電波の減衰量が所定値rとなるよう決定する電磁波減衰筐体の製造方法において、
前記フランジ部と前記蓋体とが重なっている電磁波漏洩方向の寸法をzとし、前記連結材の配置間隔をaとしたとき、減衰量rの値がaに反比例しzの値に比例するとして、a及びzの値を決定することを特徴とする電磁波減衰筐体の製造方法。
【請求項2】
締結要素の間隔をa(m)、透過する電磁波の周波数をf(Hz)、フランジ部と蓋体とが重なっている部分の、電磁波が透過する方向の長さをz(m)、必要な電磁波の減衰量をr(dB)とし、下記の式を満足するようにaの値を決定することを特徴とする請求項1の電磁波減衰筐体の製造方法。
【数1】

【請求項3】
締結要素はねじ止め、カシメ、リベットまたは溶接であることを特徴とする請求項1または2の電磁波減衰筐体の製造方法。
【請求項4】
前記フランジ部の幅寸法zを予め定め、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて、減衰量r≦Rを満たすピッチ間隔aを求めることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法。
【請求項5】
前記フランジ部を締結する締結要素のピッチ間隔aを予め定め、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて、減衰量r≦Rを満たすフランジ部の幅寸法zを求めることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法。
【請求項6】
予め箱体及び蓋体に複数種類の異なるピッチの取付穴を開設しておき、箱体に蓋体を締結した状態で漏洩電磁波を測定し、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、減衰量r≦Rを満たすよう、前記複数種類の締結穴ピッチ間隔の取付穴から締結に使用する取付穴を決定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法。
【請求項7】
予め蓋体に電磁波が透過する方向に延設された長穴を開設しておき、箱体に蓋体を締結した状態で漏洩電磁波を測定し、所定周波数fに対して漏洩する電磁波を所定閾値以下にするために必要な減衰量Rの値を求め、その値に基づいて、減衰量r≦Rを満たすように、箱体のフランジ部と蓋体との重なり幅寸法zを選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法。
【請求項8】
筐体に金属板を締結した状態で漏洩電磁波を測定し、所定の周波数fに対して漏洩する電磁波を所定の閾値以下にするために最低限必要な減衰量Rの値を求め、その値を元にして、前記aの値及び前記zの値をパラメータとして最も安価に製造できる値を選択することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか電磁波減衰筐体の製造方法。

【請求項9】
請求項1ないし6のいずれかの電磁波減衰筐体の製造方法で製造したことを特徴とする電磁波減衰筐体。
【請求項10】
請求項9の電磁波減衰筐体を備えることを特徴とする画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−67195(P2007−67195A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−251816(P2005−251816)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】