説明

電線付端子の挿入方法及び電線掻き分け装置

【課題】挿入済の電線付端子の電線部分を傷付けることなく掻き分けて、次の電線付端子を挿入済の電線付端子の下方に位置する端子収容室に挿入することができる電線付端子の挿入方法及び電線掻き分け装置を提供する。
【解決手段】電線付端子11を電線付端子把持部16で把持してコネクタハウジング12の端子収容室13に挿入する電線付端子11の挿入方法において、コネクタハウジング12の端子収容室13に挿入済の電線付端子11の電線部分15に電線掻き分け装置19の電線癖付ロッド20で下方への曲げ癖を付けながら、該ロッド20に装着された電線掻き分け爪21を前記電線部分15の傍を通して下方に進入させ、電線掻き分け爪21を側方に寄せて前記電線部分15を掻き分けた後、次の電線付端子11を前記挿入済の電線付端子11の下方に位置する端子収容室13に挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタハウジングの端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分を掻き分けて、電線付端子を所望の端子収容室に挿入する電線付端子の挿入方法及び電線掻き分け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の端部に圧着等により電気的に接続された電線付端子をコネクタハウジングの端子収容室に挿入する場合には、図3に示すように、電線付端子1を端子挿入口が横向きになったコネクタハウジング2の端子収容室3に決められた配列通りに挿入している。そうすると、電線付端子1をコネクタハウジング2の上段に位置する端子収容室3に挿入した後、次の電線付端子1を挿入済の電線付端子1の下方に位置する端子収容室3に挿入する際、挿入済の電線付端子1の電線部分4が該端子1の下方の端子収容室3の端子挿入口に被さって端子挿入の邪魔になり、その電線付端子1を下方の端子収容室3に挿入できないことがある。このような問題が起きないように電線付端子1の挿入を端子収容室3の下段側から優先的に行う工夫をしているが、コネクタハウジング2の端子収容室3には決まった配列があるため、問題解決には限界がある。
【0003】
そこで、図4に示すように、電線付端子1を電線付端子把持部5の一対の把持チャック6、7で把持して、端子挿入口が横向きになるように横置き固定されたコネクタハウジング2の所定の端子収容室3に挿入し、次いで、電線付端子把持部5と一体的に固定されてその把持部5と共に昇降する電線掻き分け装置8の一対の電線掻き分け爪9、10を下降(矢印方向)させて、前記電線部分4の傍を通して下方に進入させ、これら電線掻き分け爪9、10を開いて前記電線部分4を掻き分け、その電線部分4が前記挿入済の電線付端子1の下方に位置する端子収容室3の端子挿入口に被さらないように端子挿入スペースを確保した後、次の電線付端子1を電線付端子把持部5で把持して、前記挿入済の電線付端子1の下方に位置する端子収容室3に挿入するようにした電線付端子1の挿入方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−134771号公報(発明の詳細な説明の項の段落番号0002及び図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図4に示すような電線付端子1の挿入方法によると、電線掻き分け装置8の一対の電線掻き分け爪9、10を下降させて、挿入済の電線付端子1の電線部分4を左右に掻き分けるために、その電線部分4の傍を通して下方に進入させる際、電線掻き分け爪9、10が前記電線部分4の外面に当接することが多い。そうすると、電線掻き分け爪9、10と当接する電線部分4の部位は挿入済の電線付端子1の後部近傍に位置してほぼ水平状態に維持されることが多く(図4参照)、このため電線掻き分け爪9、10が電線部分4に対してほぼ垂直に(直交状態で)当接して突き当たり、その電線部分4に衝撃を与えてその部分4を傷付ける恐れがあった。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、挿入済の電線付端子の電線部分を傷付けることなく掻き分けて、次の電線付端子を挿入済の電線付端子の下方に位置する端子収容室に挿入することができる電線付端子の挿入方法及び電線掻き分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載された発明は、電線付端子を電線付端子把持部で把持してコネクタハウジングの端子収容室に挿入する電線付端子の挿入方法において、コネクタハウジングの端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分に電線掻き分け装置の電線癖付ロッドで下方への曲げ癖を付けながら、該ロッドに装着された電線掻き分け爪を前記電線部分の傍を通して下方に進入させ、電線掻き分け爪を側方に寄せて前記電線部分を掻き分けた後、次の電線付端子を前記挿入済の電線付端子の下方に位置する端子収容室に挿入することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項2に記載された発明は、コネクタハウジングと電線付端子把持部との間に前記電線付端子把持部と独立して配設され、コネクタハウジングの端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分に下方への曲げ癖を付ける電線癖付ロッド及び電線癖付ロッドに装着され、前記電線部分を掻き分ける電線掻き分け爪と、電線癖付ロッドを下降させて前記電線部分に下方への曲げ癖を付けながら、電線掻き分け爪を前記電線部分の傍を通して下方に進入させる電線癖付ロッド第1駆動手段と、電線癖付ロッドをその長手方向に進退させて、電線癖付ロッドに装着された電線掻き分け爪を側方に寄せて前記電線部分を掻き分ける電線癖付ロッド第2駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項3に記載された発明は、請求項2記載の電線掻き分け装置において、前記電線癖付ロッド第1駆動手段が、電線癖付ロッドの長手方向に、電線掻き分け爪が間に装着されるように間隔をおいて支持された一対の回動アームと、その回動アームを回動させて電線癖付ロッドを昇降させる回動駆動源とを備え、前記電線癖付ロッド第2駆動手段が、前記第1駆動手段のいずれか一方の回動アームに設けられて電線癖付ロッド及び電線掻き分け爪を電線癖付ロッドの長手方向に進退させる直線駆動源を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載された電線付端子の挿入方法によると、端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分に電線癖付ロッドで下方への曲げ癖を付けながら、電線掻き分け爪を前記電線部分の傍を通して下方に進入させるので、電線掻き分け爪が斜め下方にわん曲した状態の前記電線部分に斜めに当接することになり、前記電線部分に与える衝撃が緩和されて、電線掻き分け爪と当接する電線部分が傷付き難くなる。従って、挿入済の電線付端子の電線部分を傷付けることなく掻き分けて、次の電線付端子を挿入済の電線付端子の下方に位置する端子収容室に容易に挿入することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載された電線掻き分け装置によると、端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分に下方への曲げ癖を付ける電線癖付ロッド及び前記電線部分を掻き分ける電線掻き分け爪を備えるので、挿入済の電線付端子の電線部分を傷付けることなく掻き分けて、次の電線付端子を挿入済の電線付端子の下方に位置する端子収容室に容易に挿入することができる。
【0012】
また、電線癖付ロッド及び電線掻き分け爪が電線付端子把持部と別個に配設され、その端子把持部と独立して駆動及び制御が可能なほか、電線癖付ロッドが電線掻き分け爪の支持部材としての機能を有するので、電線掻き分け装置の構造を簡単にすることができる。
【0013】
更に、電線掻き分け爪が電線癖付ロッドに装着されるので、複数個の電線掻き分け爪を電線癖付ロッドの長手方向に並列して設けて、複数個の電線付端子の電線部分を同時に掻き分けることが可能になる。従って、コネクタハウジングが複数個ある場合とか、コネクタハウジングの端子収容室が多い場合には、電線付端子の挿入能率を向上させることができる。
【0014】
本発明の請求項3に記載された電線掻き分け装置によると、電線癖付ロッド第1駆動手段の回動駆動源により回動アームを回動させて、電線癖付ロッドの昇降及び電線掻き分け爪の上下方向の進退を行うと共に、電線癖付ロッド第2駆動手段が前記第1駆動手段に設けられ、前記第2駆動手段の直線駆動源により電線癖付ロッド及び電線掻き分け爪を進退させるので、装置の構成部品が少なくなり、構造を軽量小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面により詳細に説明する。図1は本発明に係る電線付端子の挿入方法の一実施形態を示す斜視図である。
【0016】
電線付端子11は電線の端部に圧着等により機械的、電気的に接続されたものであり、本実施形態の電線付端子11の挿入方法を図1に基づいて説明する。先ず電線付端子11の端子部分14を電線付端子把持部16の端子把持チャック17で把持し、電線付端子11の電線部分15を電線把持チャック18で把持し、電線付端子把持部16を上下、左右及び前後方向に適宜移動させて、電線付端子11を端子挿入口が横向きになるように横置き固定され、上下2段に計8個の端子収容室13を有するコネクタハウジング12の所定の端子収容室13、例えば、上段の4個の端子収容室13に順次挿入する。
【0017】
次に、下段の例えば図1で左端に位置する端子収容室13に次の電線付端子11を挿入する場合には、その端子収容室13の端子挿入口に、後記する電線掻き分け装置19の電線癖付ロッド20に装着された電線掻き分け爪21が対向するようにして、電線癖付ロッド20を前記挿入済の電線付端子11の各電線部分15にまたがらせて水平に配置する。この場合、電線癖付ロッド20は電線付端子11の後部近傍(端子部分14の近傍)に配置することが望ましい。
【0018】
次に、電線癖付ロッド20を下降(矢印A方向)させて前記挿入済の電線付端子11の電線部分15を上方から押し付け、電線癖付ロッド20でこれら電線部分15に下方へわん曲する曲げ癖を付けながら、電線掻き分け爪21をその下降により左端の電線部分15の右傍、即ち、左端の電線部分15とその右側に隣接する電線部分15間を通して下方に進入させる。
【0019】
次に、電線癖付ロッド20を左方(矢印B方向)に移動させて、電線掻き分け爪21を左側方に寄せて、上段の左端に位置する端子収容室13に挿入された電線付端子11のわん曲した電線部分15を左方に掻き分け、その上段側の電線部分15が下段の左端に位置する端子収容室13の端子挿入口に被さらないように端子挿入スペースを確保する。
【0020】
次に、新たに挿入すべき電線付端子11を電線付端子把持部16で把持して、上段の左端に位置する端子収容室13に挿入済の電線付端子11の下方(本実施形態は真下)に位置する端子収容室13、即ち、下段の左端に位置する端子収容室13にその電線付端子11を挿入する。
【0021】
なお、新たな電線付端子11を下段の左端に位置する端子収容室13の右側に隣接する端子収容室13に挿入する場合には、電線癖付ロッド20を右方(矢印C方向)に移動させて、電線掻き分け爪21を右側方に寄せて、上段の左端から右方へ2番目の端子収容室13に挿入済の電線付端子11から導出されて下方へわん曲した電線部分15を右方に掻き分け、その電線付端子11(上段の左端から2番目の電線付端子11)の下方(真下)に位置する端子収容室13、即ち、下段の左端から右方へ2番目の端子収容室13に新たな電線付端子11を挿入すればよい。
【0022】
このようにして、挿入の邪魔になる電線部分15を掻き分けて電線付端子11の端子収容室13への挿入が終了したら、電線付端子把持部16の前記把持チャック17、18を開放して該把持部16を元の待機位置に戻すと共に、電線掻き分け装置19の電線癖付ロッド20及び電線掻き分け爪21を上昇、後退させて元の待機位置に戻す。以後、予め設定された配列パターンに応じて同様な電線付端子11の挿入動作を必要回数繰り返し行い、端子挿入を完了する。
【0023】
本発明の電線付端子11の挿入方法によると、上記実施形態に示すように、端子収容室13に挿入済の電線付端子11の電線部分15に電線癖付ロッド20で下方への曲げ癖を付けながら、電線掻き分け爪21を前記電線部分15の傍を通して下方に進入させるので、電線掻き分け爪21が斜め下方にわん曲した状態の前記電線部分15に斜めに当接することになり、前記電線部分15に与える衝撃が緩和されて、電線掻き分け爪21と当接する電線部分15が傷付き難くなる。従って、挿入済の電線付端子11の電線部分15を傷付けることなく掻き分けて、次の電線付端子11を挿入済の電線付端子11の下方に位置する端子収容室13に容易に挿入することができる。
【0024】
電線付端子11の挿入方法に使用する電線掻き分け装置19は、例えば、図2に示すような構成になっている。即ち、例えば、横置き並列配置された3個のコネクタハウジング12と電線付端子把持部16との間に該端子把持部16と別個に配設され、コネクタハウジング12の端子収容室13に挿入済の電線付端子11の電線部分15に下方への曲げ癖を付ける電線癖付ロッド20及び該ロッド20に装着され、前記電線部分15を掻き分ける電線掻き分け爪21を備える。また、電線癖付ロッド20を下降させて前記電線部分15に下方への曲げ癖を付けながら、電線掻き分け爪21を前記電線部分15の傍を通して下方に進入させる電線癖付ロッド第1駆動手段22と、電線癖付ロッド20をその長手方向に進退させて、電線癖付ロッド20に装着された電線掻き分け爪21を側方に寄せて前記電線部分15を掻き分ける電線癖付ロッド第2駆動手段23とを備える。
【0025】
電線癖付ロッド20は鋼、プラスチック製の断面円形棒状体からなり、横置き並列配置された3個のコネクタハウジング12の配列長よりも大きな長さを有する。電線掻き分け爪21は鋼、プラスチック製の矩形板の下部を斜めに面取りしてナイフ状に先細らせた変形台形状に形成される。そして、コネクタハウジング12の個数、端子収容室13の個数や配列状態、挿入される電線付端子11の配列(配置)パターン等に応じて所定個数(本実施形態では6個)有する。これら6個の電線掻き分け爪21は、ナイフ状の先細り部21aが下方を向くようにして、電線癖付ロッド20の長手方向に所定間隔をおいて、該ロッド20に対し長手方向及び周方向に移動しないようにねじ、キー止め等により固定、装着される。
【0026】
前記電線癖付ロッド第1駆動手段22は、電線癖付ロッド20の長手方向に6個の電線掻き分け爪21が間に装着されるように間隔をおいて、例えば、電線癖付ロッド20の長手方向には相対移動が可能だが、周方向には相対移動が拘束されるように、各先端側が支持された一対の回動アーム24、25と、その回動アーム24、25を基部側を回動中心にして回動させて電線癖付ロッド20を昇降させる、即ち、電線部分15を掻き分けるために、電線癖付ロッド20を上方の点線で示す待機位置から下降(矢印A方向)させたり、その掻き分け終了後、元の位置(上方の待機位置)に復帰させるために上昇させたりする回動駆動源26とを備える。回動駆動源26としては、例えば、ギヤドモータ等の減速機付電動モータや流体圧駆動モータが使用され、その出力軸26aに一方の回動アーム24の基部側が連結固定される。そして、回動駆動源26の駆動で回動アーム24と電線癖付ロッド20を介して他方の回動アーム25とを同一方向に同一速度で回動できるようになっている。なお、回動駆動源26としては、回動レバーと流体圧シリンダを組み合わせてなるもの等を使用してもよい。
【0027】
前記電線癖付ロッド第2駆動手段23は、前記第1駆動手段22の他方の回動アーム25の先端側に設けられて電線癖付ロッド20及び電線掻き分け爪21を電線癖付ロッド20の長手方向(矢印BC方向)に進退させる直線駆動源27を備える。直線駆動源27としては、例えば、流体圧シリンダが使用され、そのピストンロッド(図示せず)にカップリング(図示せず)により電線癖付ロッド20の一端部が連結固定され、直線駆動源27の駆動で電線癖付ロッド20が回動アーム24、25に対して長手方向に進退できるようになっている。なお、流体圧シリンダのピストンロッドを延長し、該ピストンロッドで電線癖付ロッド20を兼用させるようにしてもよい。また、直線駆動源27としては、ねじ駆動機構、電磁マグネット等を使用してもよい。また、直線駆動源27は一方の回動アーム25の方に設けるようにしてもよい。
【0028】
本発明の電線掻き分け装置19によると、上記実施形態に示すように、端子収容室13に挿入済の電線付端子11の電線部分15に下方への曲げ癖を付ける電線癖付ロッド20及び前記電線部分15を掻き分ける電線掻き分け爪21を備えるので、挿入済の電線付端子11の電線部分15を傷付けることなく掻き分けて、次の電線付端子11を挿入済の電線付端子11の下方に位置する端子収容室13に容易に挿入することができる。
【0029】
また、電線癖付ロッド20及び電線掻き分け爪21が電線付端子把持部16と別個に配設され、その端子把持部16と独立して駆動及び制御が可能なほか、電線癖付ロッド20が電線掻き分け爪21の支持部材としての機能を有するので、電線掻き分け装置19の構造を簡単にすることができる。
【0030】
更に、電線掻き分け爪21が電線癖付ロッド20に装着されるので、複数個の電線掻き分け爪21を電線癖付ロッド20の長手方向に並列して設けて、複数個の電線付端子11の電線部分15を同時に掻き分けることが可能になる。従って、コネクタハウジング12が複数個ある場合とか、コネクタハウジング12の端子収容室が多い場合には、電線付端子11の挿入能率を向上させることができる。
【0031】
また、電線掻き分け装置19の電線癖付ロッド第1駆動手段22が、電線癖付ロッド20の長手方向に間隔をおいて支持された一対の回動アーム24、25と、その回動アーム24、25を回動させて電線癖付ロッド20を昇降させる回動駆動源26とを備えていると、その回動駆動源26により回動アーム24、25を回動させて、電線癖付ロッド20の昇降及び電線掻き分け爪21の上下方向の進退を行うことになる。また、電線癖付ロッド第2駆動手段23が、前記第1駆動手段22のいずれか一方の回動アーム24又は25に設けられて電線癖付ロッド20及び電線掻き分け爪21を電線癖付ロッド20の長手方向に進退させる直線駆動源27を備えていると、直線駆動源27により電線癖付ロッド22及び電線掻き分け爪21を進退させることになる。従って、電線掻き分け装置19の構成部品が少なくなり、構造を軽量小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る電線付端子の挿入方法の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の電線付端子の挿入方法に使用する電線掻き分け装置を示す斜視図である。
【図3】従来の電線付端子の挿入方法を示す斜視図である。
【図4】図3とは異なる電線付端子の挿入方法を示す正面図である。
【符号の説明】
【0033】
11 電線付端子
12 コネクタハウジング
13 端子収容室
14 端子部分
15 電線部分
16 電線付端子把持部
17 端子把持チャック
18 電線把持チャック
19 電線掻き分け装置
20 電線癖付ロッド
21 電線掻き分け爪
21a 先細り部
22 電線癖付ロッド第1駆動手段
23 電線癖付ロッド第2駆動手段
24 回動アーム
25 回動アーム
26 回動駆動源
26a 出力軸
27 直線駆動源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線付端子を電線付端子把持部で把持してコネクタハウジングの端子収容室に挿入する電線付端子の挿入方法において、コネクタハウジングの端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分に電線掻き分け装置の電線癖付ロッドで下方への曲げ癖を付けながら、該ロッドに装着された電線掻き分け爪を前記電線部分の傍を通して下方に進入させ、電線掻き分け爪を側方に寄せて前記電線部分を掻き分けた後、次の電線付端子を前記挿入済の電線付端子の下方に位置する端子収容室に挿入することを特徴とする電線付端子の挿入方法。
【請求項2】
コネクタハウジングと電線付端子把持部との間に前記電線付端子把持部と別個に配設され、コネクタハウジングの端子収容室に挿入済の電線付端子の電線部分に下方への曲げ癖を付ける電線癖付ロッド及び該ロッドに装着され、前記電線部分を掻き分ける電線掻き分け爪と、電線癖付ロッドを下降させて前記電線部分に下方への曲げ癖を付けながら、電線掻き分け爪を前記電線部分の傍を通して下方に進入させる電線癖付ロッド第1駆動手段と、電線癖付ロッドをその長手方向に進退させて、電線癖付ロッドに装着された電線掻き分け爪を側方に寄せて前記電線部分を掻き分ける電線癖付ロッド第2駆動手段とを備えたことを特徴とする電線掻き分け装置。
【請求項3】
前記電線癖付ロッド第1駆動手段が、電線癖付ロッドの長手方向に、電線掻き分け爪が間に装着されるように間隔をおいて支持された一対の回動アームと、その回動アームを回動させて電線癖付ロッドを昇降させる回動駆動源とを備え、前記電線癖付ロッド第2駆動手段が、前記第1駆動手段のいずれか一方の回動アームに設けられて電線癖付ロッド及び電線掻き分け爪を電線癖付ロッドの長手方向に進退させる直線駆動源を備えたことを特徴とする請求項2記載の電線掻き分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−32142(P2006−32142A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209819(P2004−209819)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河オートモーティブパーツ株式会社 (571)
【Fターム(参考)】