説明

電解コンデンサの製造方法

【課題】製造工数が小さく、ESRを低くできる電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】誘電体被膜が形成された陽極箔11及び陽極箔11に対向する対向陰極箔12がセパレータ13を介して巻回されたコンデンサ素子10を導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬し、陽極箔11及び対向陰極箔12の一方または両方に電圧を印加して導電性ポリマーを電気泳動により析出して導電性ポリマー層を形成する導電性ポリマー層形成工程を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサの製造方法に関し、特に導電性ポリマー層を有する巻回型の電解コンデンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性ポリマー層を有する従来の電解コンデンサは特許文献1に開示されている。この電解コンデンサは電極箔を巻回したコンデンサ素子を密封されたケース内に配した巻回型に構成される。コンデンサ素子は陽極箔及び陽極箔に対向する対向陰極箔がセパレータを介して巻回される。陽極箔の表面には誘電体被膜が形成されている。
【0003】
陽極箔及び対向陰極箔が巻回されたコンデンサ素子は分散体含浸工程で導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬される。分散液はポリピロール等の導電性ポリマーの粒子を水等の媒質中に分散して形成される。これにより、コンデンサ素子の陽極箔及び対向陰極箔の表面に導電性ポリマー及び媒質が付着する。
【0004】
次に、コンデンサ素子が分散液から取り出され、乾燥工程で例えば、80℃〜300℃に昇温してコンデンサ素子の乾燥が行われる。これにより、媒質が蒸発し、陽極箔及び対向陰極箔の表面に導電性ポリマー層が形成される。
【0005】
次に、導電性ポリマー層が形成されたコンデンサ素子は電解液含浸工程で電解液に浸漬され、導電性ポリマー層の隙間に電解液が含浸される。これにより、導電性ポリマー層が形成されていない領域が電解液により覆われる。また、誘電体被膜の欠陥部分に電解液が入り込み、誘電体被膜の欠陥部の修復性を向上させることができる。
【0006】
次に、コンデンサ素子をケースに収納して密封し、エージング処理を行って電解コンデンサが完成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−10657号公報(第4頁−第13頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の電解コンデンサによると、導電性ポリマーが分散した分散液にコンデンサ素子を浸漬した後に乾燥して陽極箔及び対向陰極箔の表面に導電性ポリマー層が形成される。このため、導電性ポリマーの粒子が陽極箔及び対向陰極箔の表面上に不均一に付着する。これにより、導電性ポリマー層の被覆率が小さく、電解コンデンサのESR(等価直列抵抗)が高くなる問題があった。分散体含浸工程及び乾燥工程を複数回繰り返すことによって導電性ポリマー層の被覆率を向上させることも可能であるが、製造工数が大きくなる問題がある。
【0009】
本発明は、製造工数が小さく、ESRを低くできる電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、誘電体被膜が形成された陽極箔及び前記陽極箔に対向する対向陰極箔がセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子を導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬し、前記陽極箔及び前記対向陰極箔の一方または両方に電圧を印加して前記導電性ポリマーを電気泳動により析出して導電性ポリマー層を形成する導電性ポリマー層形成工程を備えたことを特徴としている。
【0011】
この構成によると、コンデンサ素子は陽極箔及び対向陰極箔がセパレータを介して巻回して形成される。陽極箔には誘電体被膜が形成されている。導電性ポリマー層形成工程でコンデンサ素子は導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬される。そして、陽極箔及び対向陰極箔の一方または両方に電圧が印加される。これにより、電気泳動によって電圧を印加した陽極箔または対向陰極箔の表面に導電性ポリマーが析出して導電性ポリマー層が形成される。
【0012】
また本発明は、上記構成の電解コンデンサの製造方法において、前記導電性ポリマー層形成工程において、前記陽極箔及び前記対向陰極箔に同じ極性の電圧を印加したことを特徴としている。この構成によると、陽極箔及び対向陰極箔に導電性ポリマーの粒子と反対の極性の電圧が印加され、導電性ポリマーが析出する。
【0013】
また本発明は、上記構成の電解コンデンサの製造方法において、前記導電性ポリマーがポリピロール、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体から成ることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の電解コンデンサの製造方法において、前記導電性ポリマー層の隙間に電解液を含浸する電解液含浸工程を備えたことを特徴としている。この構成によると、導電性ポリマー層が形成されたコンデンサ素子は電解液含浸工程で電解液に浸漬され、導電性ポリマー層の隙間に電解液が含浸される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、導電性ポリマー層形成工程でコンデンサ素子を導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬し、陽極箔または対向陰極箔に電圧を印加して導電性ポリマーを電気泳動により析出して導電性ポリマー層が形成される。これにより、容易に陽極箔または対向陰極箔の表面に均一に導電性ポリマー層を形成することができる。従って、電解コンデンサの製造工数を大きくすることなく、ESRを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の電解コンデンサを示す側面断面図
【図2】本発明の実施形態の電解コンデンサのコンデンサ素子を示す分解斜視図
【図3】本発明の実施形態の電解コンデンサの製造工程を示す工程図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の電解コンデンサを示す側面断面図である。電解コンデンサ1はコンデンサ素子10がアルミニウム製のケース2に収納され、ケース2の開口部にゴムパッキン3を配して封止される。
【0018】
図2はコンデンサ素子10の分解斜視図を示している。コンデンサ素子10は陽極箔11及び対向陰極箔12を電解紙等のセパレータ13を介して巻回して形成される。陽極箔11または対向陰極箔12の終端は巻き止めテープ14によって固定される。陽極箔11はアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属から成り、表面に誘電体皮膜が形成される。対向陰極箔12はセパレータ13を介して陽極箔11に対向し、アルミニウム等により形成される。
【0019】
また、陽極箔11の誘電体皮膜の表面及び対向陰極箔12の表面には導電性ポリマー層が形成され、導電性ポリマー層の隙間に電解液が含浸される。導電性ポリマー層を形成する導電性ポリマーは例えば、ポリピロール、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体等が用いられる。
【0020】
陽極箔11及び対向陰極箔12にはそれぞれリードタブ21a、22aを介してリード線21、22が取り付けられている。リード線21、22によって陽極端子及び陰極端子が形成される。
【0021】
図3は電解コンデンサ1の製造工程を示す工程図である。陽極化成工程ではアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン等の弁作用金属から成る陽極箔11の表面がエッチング処理により粗面化される。エッチング処理を施した陽極箔11は化成液中で陽極酸化され、表面に酸化膜から成る誘電体皮膜が形成される。
【0022】
次に、端子形成工程では陽極箔11及び対向陰極箔12の一端にリード線21、22のリードタブ21a、22aがカシメによって接合される。次に、巻回工程では陽極箔11及び対向陰極箔12がセパレータ13を介して巻回され、終端が巻き止めテープ4によって固定される。これにより、コンデンサ素子10の素体が形成される。次に、素子化成工程ではコンデンサ素子10を化成液中に浸漬して陽極酸化する。これにより、巻回工程等で欠損した誘電体皮膜が修復される。
【0023】
次に、導電性ポリマー層形成工程では、コンデンサ素子10を導電性ポリマーの粒子が分散された分散液に浸漬する。そして、陽極箔11及び対向陰極箔12に電圧を印加して導電性ポリマーを電気泳動により析出し、表面に導電性ポリマー層を形成する。
【0024】
分散液は例えば、ポリピロール、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体から成る導電性ポリマーの粒子を有機溶媒や無機溶媒から成る媒質に混合して形成される。媒質は導電性ポリマーを溶解しないことが望ましく、取り扱い性や導電性ポリマーの分散性等を考慮して水を用いるとより望ましい。
【0025】
また、ポリピロール及びポリチオフェンは水を含む殆どの媒質に対して不溶性であるため、導電性ポリマーとしてポリピロールまたはポリチオフェンを用いると望ましい。導電性ポリマーの粒子径は特に制限されるものではないが、誘電体皮膜の欠陥部に入り込まない程度の粒子径とすると短絡を防止できるのでより望ましい。尚、分散液に分散剤や帯電補助剤を添加してもよい。
【0026】
導電性ポリマーの微小な粒子は正または負に帯電する。このため、陽極箔11及び対向陰極箔12に導電性ポリマーと逆の極性の電圧を印加すると、電気泳動により導電性ポリマーを表面に析出させることができる。尚、ポリピロール及びポリチオフェンの粒子は分散液に分散したコロイド状態で帯電し易いため、容易に析出させることができる。また、印加電圧には直流または交流が用いられる。交流の場合は正弦波交流または非正弦波交流のいずれも用いることができ、その際に直流電圧を重畳してもよい。
【0027】
次に、乾燥工程でコンデンサ素子10を例えば、80℃〜300℃に昇温して乾燥する。これにより、コンデンサ素子10の内部に浸透した媒質が除去される。分散液の媒質が水の場合は乾燥温度を沸点以上の温度である100℃〜200℃にするとよい。
【0028】
次に、電解液含浸工程ではコンデンサ素子10を電解液中に浸漬し、導電性ポリマー層の隙間に電解液を含浸する。電解液は非水系溶媒と有機塩とを含むとより望ましい。非水系溶媒として、γブチロラクトン、スルホラン、またはこれらの混合物を用いることができる。
【0029】
有機塩として有機アミン塩を用いることができ、特に、有機アミンと有機酸との塩を用いるとより望ましい。有機アミンと有機酸との塩として、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、またはこれらの混合物等を用いることができる。
【0030】
非水系溶媒中の有機塩の濃度は特に制限されるものではなく、例えば、5〜50重量%とすることができる。また、コンデンサ素子10の浸漬時間はサイズに応じて異なるが、例えば、1秒〜数時間、好ましくは1秒〜5分とすることができる。また、コンデンサ素子10の浸漬温度は特に制限されないが、例えば、0℃〜80℃、好ましくは10℃〜40℃とすることができる。
【0031】
次に、組立工程では、一端面を開口した有底筒状のアルミニウム製のケース2にコンデンサ素子10が収納される。そして、ケース2の開口部にゴムパッキン3を装着し、ゴムパッキン3に対向したケース2の周面に絞り加工が施されるとともに開口部の周縁にカーリング加工が施される。これにより、コンデンサ素子10を収納したケース2が封止される。
【0032】
次に、洗浄工程ではケース2の外面に付着した電解液による汚れが洗浄される。次に、エージング工程では、リード線21、22間に定格電圧を印加しながら、例えば、約125℃で約1時間のエージング処理を行う。エージング処理によって陽極箔11の切断面やリード線21の接続部分等に生じる誘電体皮膜の欠陥が修復される。次に、検査工程では電解コンデンサ1の外観及び特性が検査される。これにより、電解コンデンサ1が完成する。
【0033】
本実施形態によると、導電性ポリマー層形成工程でコンデンサ素子10を導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬し、陽極箔11及び対向陰極箔12に電圧を印加して電気泳動により導電性ポリマーを表面に析出して導電性ポリマー層が形成される。これにより、容易に陽極箔11及び対向陰極箔12の表面に均一に導電性ポリマー層を形成することができる。従って、電解コンデンサ1の製造工数を大きくすることなく、ESRを低くすることができる。
【0034】
尚、導電性ポリマー層形成工程で陽極箔11及び対向陰極箔12の一方のみに電圧を印加し、電圧を印加した陽極箔11または対向陰極箔12のみに導電性ポリマー層を形成してもよい。また、電気泳動の電流や時間によってポリマーの析出量を制御することができる。この時、陽極、陰極のポリマー析出量を個々に制御することも可能である。
【0035】
また、導電性ポリマー層形成工程において、陽極箔11及び対向陰極箔12に同じ極性の電圧を印加したので、陽極箔11及び対向陰極箔12に均一に導電性ポリマーを析出させることができる。
【0036】
また、導電性ポリマーがポリピロール、ポリチオフェンまたはこれらの誘電体から成るので、分散液に分散したコロイド状態で帯電しやすく、導電性ポリマーを容易に析出させることができる。
【0037】
また、導電性ポリマー層の隙間に電解液を含浸する電解液含浸工程を備えたので、誘電体被膜の欠陥部が修復されやすくなる。従って、漏れ電流(LC)の小さな電解コンデンサ1を得ることができる。
【0038】
本実施形態において、電解液含浸工程を有した所謂ハイブリッド型の電解コンデンサについて説明しているが、電解液含浸工程のない固体電解コンデンサについても同様に導電性ポリマー層を形成することができる。
【0039】
以下に本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0040】
誘電体皮膜を有する陽極箔11と対向陰極箔12とからなる一対の電極箔をセパレータ13を介して巻回し、定格35V−150μFのコンデンサ素子10を作成した。コンデンサ素子10の完成寸法(アルミニウム製のケース2に収納した状態での電解コンデンサの外形寸法)はφ10mm×H10.5mmとしている。
【0041】
上記のようにして作成したコンデンサ素子10を、ポリエチレンジオキシチオフェン粒子が水に分散された分散液(濃度:10質量%)に25℃で浸漬する。この状態でコンデンサ素子10の陽極のリード線21をプラスとし、分散液の入ったステンレス容器をマイナスとして10Vを10分間印加して導電性ポリマー層を形成した。
【0042】
その後、コンデンサ素子10を分散液から取り出し、125℃の乾燥炉に入れてコンデンサ素子10を乾燥させた。次に、導電性ポリマー層を形成したコンデンサ素子10に、ボロジサリチル酸トリメチルアミンをγ―ブチロラクトンに溶解させた電解液(濃度:15質量%)を含浸させた。
【0043】
ついで、電解液を充填したコンデンサ素子10をアルミニウム製のケース2に収納した。そして、ケース2の開口部にゴムパッキン3を装着してケース2に絞り加工及びカーリング加工を施した後、定格電圧の1.15倍の電圧を印加しながら、約125℃で約1時間エージングすることにより、電解コンデンサ1を作成した。
【実施例2】
【0044】
本実施例では電解コンデンサ1を実施例1と同様に作成し、導電性ポリマー層の形成時に陰極のリード線22をプラスとし、分散液の入ったステンレス容器をマイナスとして10Vを10分間印加した。
【実施例3】
【0045】
本実施例では電解コンデンサ1を実施例1と同様に作成し、導電性ポリマー層の形成時に陽極のリード線21及び陰極のリード線22の両方をプラスとし、分散液の入ったステンレス容器をマイナスとして10Vを10分間印加した。
【実施例4】
【0046】
本実施例では電解コンデンサ1を実施例1と同様に作成し、導電性ポリマー層を形成したコンデンサ素子10に電解液を含浸する工程を省いた。
【0047】
尚、上記各実施例と比較する比較例の電解コンデンサ1を以下の通りに形成した。
【0048】
<比較例1>
電解コンデンサ1を実施例1と同様に作成し、導電性ポリマー層の形成時に陽極及び陰極のどちらにも電圧を印加しなかった。
【0049】
<比較例2>
誘電体皮膜を有する陽極箔11と対向陰極箔12とからなる一対の電極箔をセパレータ13を介して巻回し、定格35V−150μFのコンデンサ素子10を作成した。コンデンサ素子10の完成寸法(アルミニウム製のケース2に収納した状態での電解コンデンサの外形寸法)はφ10mm×H10.5mmとしている。
【0050】
上記のようにして作成したコンデンサ素子10を、ポリエチレンジオキシチオフェン粒子が水に分散された分散液(濃度:10質量%)に25℃で1分間、89kPaの減圧下で浸漬した。これにより、分散液をコンデンサ素子10に含浸させて導電性ポリマー層を形成した。
【0051】
含浸後、コンデンサ素子10を分散液から取り出し、125℃の乾燥炉に入れてコンデンサ素子10を乾燥させた。次に、導電性ポリマー層を形成したコンデンサ素子10に、ボロジサリチル酸トリメチルアミンをγ―ブチロラクトンに溶解させた電解液(濃度:15質量%)を含浸させた。
【0052】
ついで、電解液を充填したコンデンサ素子10をアルミニウム製のケース2に収納した。そして、ケース2の開口部にゴムパッキン3を装着してケース2に絞り加工及びカーリング加工を施した後、定格電圧の1.15倍の電圧を印加しながら、約125℃で約1時間エージングすることにより、電解コンデンサ1を作成した。
【0053】
<比較例3>
電解コンデンサ1を比較例2と同様に作成し、導電性ポリマー層を形成したコンデンサ素子10に電解液を含浸する工程を省いた。
【0054】
上記のようにして作成した各実施例及び各比較例の電解コンデンサについて、静電容量、ESR(等価直列抵抗)、tanδ(損失角の正接)、および漏れ電流(LC)を測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
表1に示されるように、本発明の電解コンデンサ1はESRが大幅に改善されていることが分かる。また、実施例4と比較例3の静電容量を比較すると実施例4の方が格段に大きくなっている。これは導電性ポリマーの充填量が多く、また均一であることを示している。
【0057】
今回開示された実施形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によると、導電性ポリマー層を有する巻回型の電解コンデンサに利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 電解コンデンサ
2 ケース
3 ゴムパッキン
10 コンデンサ素子
11 陽極箔
12 対向陰極箔
13 セパレータ
14 巻き止めテープ
21、22 リード線
21a、22a リードタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体被膜が形成された陽極箔及び前記陽極箔に対向する対向陰極箔がセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子を導電性ポリマーが分散された分散液に浸漬し、前記陽極箔及び前記対向陰極箔の一方または両方に電圧を印加して前記導電性ポリマーを電気泳動により析出して導電性ポリマー層を形成する導電性ポリマー層形成工程を備えたことを特徴とする電解コンデンサの製造方法。
【請求項2】
前記導電性ポリマー層形成工程において、前記陽極箔及び前記対向陰極箔に同じ極性の電圧を印加したことを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項3】
前記導電性ポリマー層形成工程において、前記導電性ポリマーがポリピロール、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体から成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサの製造方法。
【請求項4】
前記導電性ポリマー層の隙間に電解液を含浸する電解液含浸工程を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電解コンデンサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−191127(P2012−191127A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55514(P2011−55514)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(595122132)サン電子工業株式会社 (17)