説明

電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法、およびその製造装置

【課題】エッチング箔のエッチング倍率を高めた場合でもエッチング箔から粘着テープが剥がれることのない電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法、およびその製造装置を提供する。
【解決手段】電解コンデンサ用エッチング箔を製造するにあたって、エッチング槽3でアルミニウム箔1を交流電解してエッチング箔とした後、超音波洗浄槽41で水を洗浄液として超音波洗浄する。その際、超音波洗浄槽41内の水は、冷却装置によって所定温度に保持する。次に、アルミニウム箔1をノズル9から噴射された水によって気中でノズル洗浄した後、浸漬洗浄する。次に、ケミカル洗浄槽4でケミカル洗浄液により浸漬洗浄した後、水洗浄および乾燥を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法、およびその製造装置に関するものである。特に、エッチング箔に対する洗浄技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電解コンデンサ用エッチング箔は、一般に陽極用、陰極用とも、塩酸を含むエッチング液中でアルミニウム箔を電解して表面を粗面化することにより製造される。その際、エッチング液には、塩素イオンの他、リン酸、硝酸、硫酸、シュウ酸等を配合することもある。
【0003】
アルミニウム箔に対するエッチングのうち、直流エッチング法の場合には、アルミニウム箔に正の電圧を印加する一方、エッチング液中で対向配置された電極板に負の電圧を印加した状態で電極板の間にアルミニウム箔を通過させる。
これに対して、交流エッチング法の場合には、アルミニウム箔と、エッチング液中で対向配置された電極板との間に交流電圧を印加した状態で電極板の間にアルミニウム箔を通過させる。
また、交流エッチング法の場合には、エッチング液中で対向配置された電極板に交流を印加し、その間にアルミニウム箔を通過させる場合もある(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
【0004】
また、いずれのエッチング法においても、エッチング工程を終えたエッチング箔には塩化物が付着しているため、エッチング箔は、エッチング工程の後、硝酸またはリン酸などのケミカル洗浄液に浸漬される(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
従って、従来のエッチング機においては、図3に示すように、アルミニウム箔1の走行方向に沿って、エッチング槽3、水洗浄槽4、ケミカル洗浄槽8、水洗浄槽(図示せず)がこの順に配置され、エッチング槽3でエッチング箔とされたアルミニウム箔1は、水洗浄槽4で浸漬洗浄された後、ケミカル洗浄槽8でケミカル洗浄される。
なお、図3に示すエッチング機は、交流エッチング用であり、エッチング液中で対向配置された電極対に対して、交流電源2により交流を印加し、その間にアルミニウム箔1を通過させるようになっている。
【0006】
ここで、コンデンサ素子は、陽極箔または陰極箔のいずれか一方を電解紙と称せられるセパレータ、2枚で挟み込んで巻回した後、その端部を粘着テープで止める方法が広く採用されている(例えば、非特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2002−260969公報(第2−10項、第4図―第7図)
【非特許文献1】電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ、永田伊佐也著、日本蓄電器工業株式会社、平成9年2月24日、第2版第1刷(第250−252項)
【非特許文献2】電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ、永田伊佐也著、日本蓄電器工業株式会社、平成9年2月24日、第2版第1刷(第247−249項)
【非特許文献3】電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ、永田伊佐也著、日本蓄電器工業株式会社、平成9年2月24日、第2版第1刷(第352−354項)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コンデンサ素子においては、最外周にセパレータが位置し、セパレータを粘着テープで止める構造の他、最外周に陰極箔が位置し、陰極箔を粘着テープで止める構造が採用される場合もある。
【0008】
しかしながら、後者の構造を採用した場合には、陰極箔を粘着テープで止めようとしたときに粘着テープが剥がれてしまい、コンデンサ素子において箔やセパレータが巻き弛んで素子がほどけてしまうことがある。このような不具合は、陰極箔のエッチング倍率が高くなるほど発生しやすいため、早急に解決する必要がある。
【0009】
このような課題を種々検討した結果、本願発明者は、エッチング倍率が高くなるほどエッチング箔の表面が目減りしてエッチングピット内にアルミニウム粉が残る状態や、脆くて容易に剥離してしまう部分が存在する状態になりやすいため、粘着テープの接着強度(以下、テープ接着性という)が低下するという知見を得た。
【0010】
そこで、本発明の課題は、エッチング箔のエッチング倍率を高めた場合でも、エッチング箔から粘着テープが剥がれることのない電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法、およびその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明では、塩素イオンを含むエッチング液中でアルミニウム箔を電解してエッチング箔とするエッチング工程と、前記エッチング箔表面を酸性またはアルカリ性のケミカル洗浄液で洗浄するケミカル洗浄工程とを有する電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法において、前記エッチング工程の後、洗浄液中で前記エッチング箔に超音波洗浄を行う超音波洗浄工程を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明では、アルミニウム箔の搬送方向に沿って、塩素イオンを含むエッチング液中で前記アルミニウム箔を電解してエッチング箔とするエッチング槽と、前記エッチング箔表面を酸性またはアルカリ性のケミカル洗浄液で洗浄するケミカル洗浄槽とが配置された電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置において、前記エッチング槽より前記アルミニウム箔の搬送方向下流側に、洗浄液中で前記エッチング箔に超音波洗浄を行う超音波洗浄槽が配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明では、エッチング工程の後、超音波洗浄を行うと、エッチング工程によりエッチング箔表面の目減りにより付着していたアルミニウム粉や、剥離しやすい状態にあったエッチング部分を除去できる。従って、エッチング箔の粘着テープとの接着強度が高い。
【0014】
本発明において、前記エッチング工程の後、前記ケミカル洗浄工程の前に前記超音波洗浄を行うことが好ましい。すなわち、本発明に係る製造装置において、前記超音波洗浄槽は、前記エッチング槽と前記ケミカル洗浄槽との間に配置されていることが好ましい。ケミカル洗浄工程の途中、あるいはケミカル洗浄工程の後に超音波洗浄を行うと、ケミカル洗浄によって崩壊しやすくなったエッチング部分が超音波洗浄によってさらに崩壊しやすい状態になり、粘着テープの接着強度が低下するおそれがある。従って、超音波洗浄工程は、エッチング工程の後、ケミカル洗浄工程の前に設けることが好ましい。
【0015】
本発明において、超音波洗浄工程で用いる洗浄液は水であることが好ましい。すなわち、本発明に係る製造装置において、前記超音波洗浄槽には洗浄液として水が貯留されていることが好ましい。超音波洗浄工程で用いる洗浄液は、アルミニウムに対する溶解性を有しているものであってもよいが、水による超音波洗浄であれば、その物理力のみで洗浄できるので、エッチング箔の表面が過度に溶解してしまうことを回避することができる。
【0016】
本発明において、前記超音波洗浄工程では、洗浄液を冷却しながら超音波洗浄を行うことが好ましい。すなわち、本発明に係る製造装置において、前記超音波洗浄槽には、前記洗浄液に対する冷却装置が構成されていることが好ましい。
超音波洗浄工程では、超音波により洗浄液が発熱し、アルミニウム箔と水(洗浄液)との水和反応が起こるおそれがあるが、洗浄液を冷却すれば、かかる反応を防止できる。
また、超音波洗浄工程で、アルミニウムに対する溶解性を有する洗浄液を用いた場合には、超音波により洗浄液が発熱し、アルミニウム箔表面で溶解反応を起こるおそれがあるが、洗浄液を冷却すれば、かかる反応を防止できる。
【0017】
本発明において、前記超音波洗浄工程に続いて、前記エッチング箔に対して気中でノズルから水を噴射するノズル洗浄を行うことが好ましい。すなわち、本発明に係る製造装置において、前記超音波洗浄槽から気中に出てきた前記エッチング箔に対して水を噴射するノズルが配置されていることが好ましい。
超音波洗浄後、ノズルより洗浄水をエッチング箔に噴射、洗浄すれば、超音波洗浄で除去しきれなかったアルミニウム粉をエッチング箔表面から確実に除去することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、エッチング工程の後、超音波洗浄を行うため、エッチング工程によりエッチング箔表面の目減りにより付着していたアルミニウム粉や、剥離しやすい状態にあったエッチング部分を除去できる。従って、エッチング箔の粘着テープとの接着強度が高い。
それ故、コンデンサ素子を作製した際、当該エッチング箔が外周にあって、このエッチング箔に粘着テープが止められている場合でも、粘着テープがエッチング箔から剥がれることがないので、コンデンサ素子の巻回状態を確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(エッチング箔の製造装置の構成)
図1は、本発明を適用したエッチング機(電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置)の要部の構成を模式的に示す説明図である。
【0020】
図1に示すエッチング機において、アルミニウム箔1は、駆動ローラやガイドローラ等によって仕掛けロール(図示せず)から巻上げロール(図示せず)に向けて、複数の槽内を通過しながら走行するようになっており、本形態では、複数の槽として、アルミニウム箔1の走行方向に沿って、エッチング槽3、水洗浄槽4、硝酸またはリン酸等のケミカル洗浄液が貯留されたケミカル洗浄槽8、仕上げ洗浄を行うための水洗浄槽(図示せず)が配置されている。
【0021】
エッチング槽3には、塩素イオンを含むエッチング液が貯留されており、エッチング液中には、対向配置された電極板7からなる電極対が複数対、配置されている。エッチング液には、塩酸の他、リン酸、硝酸、硫酸、シュウ酸等が配合されることもある。
図1に示すエッチング機は、交流エッチング用であり、エッチング液中で対向配置された電極対に対して、交流電源2により交流を印加し、その間にアルミニウム箔1を通すようになっている。
【0022】
このように構成したエッチング機において、本形態では、水洗浄槽4が2段に分割されており、その前段は超音波洗浄槽41として構成され、後段は浸漬洗浄槽42として構成されている。
【0023】
超音波洗浄槽41には、洗浄液としての水が貯留され、また、洗浄液中に超音波発生器5が配置されており、矢印6で模式的に示すように、超音波発生器5は、アルミニウム箔1に洗浄水を介して超音波振動を与え、超音波洗浄を行うように構成されている。
さらに本形態では、超音波洗浄槽41に対しては、超音波洗浄槽41内の洗浄水を冷却するための冷却装置(図示せず)が付加されている。このような冷却装置は、例えば、超音波洗浄槽41に貯留されている洗浄水を直接、冷却する構成、超音波洗浄槽41に貯留されている洗浄水の循環経路で洗浄水を冷却する構成、または超音波洗浄槽41に洗浄水を供給する経路で洗浄水を冷却する構成を備えている。
【0024】
浸漬洗浄槽42にも、洗浄液としての水が貯留されている。ここで、浸漬洗浄槽2の上方位置には、超音波洗浄槽41から上がってきたアルミニウム箔1の両面の各々に対して気中で水を噴射可能な複数のノズル9が配置されており、これらのノズル9は、制御装置(図示せず)の制御の下、所定の圧力で水をアルミニウム箔1に噴射する。
【0025】
(エッチング箔の製造方法)
このように構成したエッチング機を用いて電解コンデンサ用エッチング箔を製造するには、まず、エッチング槽3において、アルミニウム箔1を交流電解して表面を粗面化したエッチング箔とする(エッチング工程)。
【0026】
次に、アルミニウム箔1(エッチング箔)は、超音波洗浄槽41において、水を洗浄液として超音波洗浄が行われる(超音波洗浄工程)。その際、超音波洗浄槽41内の水は、冷却装置(図示せず)によって所定の温度(例えば、室温)に保持される。
【0027】
次に、アルミニウム箔1(エッチング箔)は、ノズル9から噴射された水によって気中でノズル洗浄される(ノズル洗浄工程)。
【0028】
次に、アルミニウム箔1(エッチング箔)は、浸漬洗浄槽42において水への浸漬洗浄が行われた後(浸漬洗浄工程)、ケミカル洗浄槽8において、所定温度に加温されたケミカル洗浄液により、浸漬洗浄される(ケミカル洗浄工程)。
【0029】
次に、アルミニウム箔1(エッチング箔)は、水洗浄槽(図示せず)で洗浄されて、ケミカル洗浄液が除去された後(仕上げ洗浄工程)、乾燥炉(図示せず)により乾燥される(乾燥工程)。
【0030】
(評価結果)
図2(a)、(b)は、テープ接着性の評価方法を示す説明図である。図1に示すエッチング機のように超音波洗浄を行って得た陰極用のエッチング箔(実施例)と、図3に示すエッチング機のように超音波洗浄を行わずに得た陰極用のエッチング箔(従来例)について、未化成容量およびテープ接着性を評価した結果を表1に示す。
この評価では、アルミニウム箔1としては、原箔(未エッチングの状態)で純度99.8%、厚さ50μm、幅500mmのものを使用した。また、超音波条件については40kHzとした。
また、テープ接着性を評価するにあたっては、エッチング箔の幅方向の中央部分を長さ方向に沿ってカッターで幅50mm、長さ200mmに裁断した試料を用いた。また、テープ接着性を評価する際には、図2(a)に示すように、エッチング箔の試料10の表面に対して長さ150mmに切断したテープ11をしわが出ないように軽く乗せた後、テープ11上で20N(2.04kgf)のプレスローラ13を1往復させ、均一な荷重で接着した。テープ11と試料10の接着部の長さは100mm以上とした。
次に、接着したテープ11を、図2(b)に示すように、プッシュプルゲージ12によって180°方向に一定速度(10mm/sec)で剥離し、そのときのプッシュプルゲージ12にて引張力の平均値を読みとり、その値を接着強度(テープ接着性)とした。
【0031】
【表1】

【0032】
表1より明らかなように、本発明の実施例1によるエッチング箔(エッチング後の超音波洗浄有、ノズル洗浄有)、実施例2によるエッチング箔(エッチング後の超音波洗浄有、ノズル洗浄無)、従来例によるエッチング箔(エッチング後の超音波洗浄無、ノズル洗浄無)を比較すると、実施例1、2によるエッチング箔は、従来例より未化成静電容量が向上し、テープ接着性も格段に改善されていることが分かる。さらに、超音波洗浄後、ノズル洗浄を行った実施例1はノズル洗浄を行わなかった実施例2より、テープ接着性が向上していることが分かる。
【0033】
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態では、エッチング工程の後、超音波洗浄工程を行うため、エッチング工程によりエッチング箔表面の目減りにより付着していたアルミニウム粉や、剥離しやすい状態にあったエッチング部分を除去できる。従って、エッチング箔の粘着テープとの接着強度が高い。
それ故、コンデンサ素子を作製した際、当該エッチング箔が外周にあって、このエッチング箔に粘着テープが止められている場合でも、粘着テープがエッチング箔から剥がれることがないので、コンデンサ素子の巻回状態を確実に保持することができる。
【0034】
また、本形態では、エッチング工程の後、ケミカル洗浄工程の前に超音波洗浄を行うため、ケミカル洗浄工程の途中、またはケミカル洗浄工程の後に超音波洗浄を行う場合と違って、ケミカル洗浄によって崩壊しやすくなったエッチング部分が超音波洗浄によってさらに崩壊しやすい状態になり、粘着テープの接着強度が低下するという問題を回避できる。
【0035】
また、超音波洗浄工程で用いる洗浄液は、アルミニウムに対する溶解性を有しているものであってもよいが、本形態では、洗浄液として水を用いている。このため、超音波洗浄の物理力のみで洗浄できるので、エッチング箔の表面が過度に溶解してしまうことを回避することができる。
【0036】
さらに、超音波洗浄工程では、洗浄液としての水を冷却しながら超音波洗浄するため、超音波により洗浄水が発熱することを防止でき、アルミニウム箔と水(洗浄液)との水和反応が起こらない。
【0037】
さらにまた、本形態では、超音波洗浄工程に続いてノズル洗浄工程を行うため、超音波洗浄で除去しきれなかったアルミニウム粉をエッチング箔表面から確実に除去することができる。
【0038】
(その他の実施の形態)
上記形態では、アルミニウム箔1に交流エッチングを行う場合を例に説明したが、直流エッチングを行う場合に本発明を適用してもよい。
【0039】
また、上記形態では、超音波洗浄工程で用いる洗浄液として水を用いたが、アルミニウムに対する溶解性を有しているものであってもよい。この場合でも、洗浄液を冷却しながら超音波洗浄すれば、超音波により洗浄液が発熱してアルミニウム箔表面で溶解反応が起こることを回避することができる。
【0040】
さらに、上記形態では、エッチング工程の後、ケミカル洗浄工程の前に超音波洗浄を行ったが、洗浄条件によっては、ケミカル洗浄工程の途中、またはケミカル洗浄工程の後に超音波洗浄を行ってもよい。また、ケミカル洗浄工程では、酸洗浄に代えて、または酸洗浄に加えてアルカリ洗浄を行ってもよい。
【0041】
また、ノズル洗浄は、浸漬洗浄の入側で行ったが、浸漬洗浄工程の出側や超音波洗浄工程の出側で行ってよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を適用したエッチング機(電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置)の要部の構成を模式的に示す説明図である。
【図2】(a)、(b)は、テープ接着性の評価方法を示す説明図である。
【図3】従来のエッチング機(電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置)の要部の構成を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 アルミニウム箔
2 交流電源
3 エッチング槽
4 水洗浄槽
5 超音波発生器
7 電極板
8 ケミカル洗浄槽
9 ノズル
10 エッチング箔試料
11 テープ
12 プッシュプルゲージ
13 プレスローラ
41 超音波洗浄槽
42 浸漬洗浄槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素イオンを含むエッチング液中でアルミニウム箔を電解してエッチング箔とするエッチング工程と、前記エッチング箔表面を酸性またはアルカリ性のケミカル洗浄液で洗浄するケミカル洗浄工程とを有する電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法において、
前記エッチング工程の後、洗浄液中で前記エッチング箔に超音波洗浄を行う超音波洗浄工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、エッチング工程の後、ケミカル洗浄工程の前に超音波洗浄工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、超音波洗浄工程で用いる洗浄液が水であることを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、超音波洗浄工程で、前記洗浄液を冷却しながら超音波洗浄を行うことを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、超音波洗浄工程に続いて、エッチング箔に対して気中でノズルから水を噴射するノズル洗浄工程を有することを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造方法。
【請求項6】
アルミニウム箔の搬送方向に沿って、塩素イオンを含むエッチング液中で前記アルミニウム箔を電解してエッチング箔とするエッチング槽と、前記エッチング箔表面を酸性またはアルカリ性のケミカル洗浄液で洗浄するケミカル洗浄槽とが配置された電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置において、
前記エッチング槽より前記アルミニウム箔の搬送方向下流側に、洗浄液中で前記エッチング箔に超音波洗浄を行う超音波洗浄槽が配置されていることを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置。
【請求項7】
請求項6において、超音波洗浄槽は、エッチング槽とケミカル洗浄槽との間に配置されていることを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7において、波洗浄槽には洗浄液として水が貯留されていることを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかにおいて、超音波洗浄槽には、洗浄液に対する冷却装置が構成されていることを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかにおいて、超音波洗浄槽から気中に出てきたエッチング箔に対して水を噴射するノズルが配置されていることを特徴とする電解コンデンサ用エッチング箔の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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