説明

電解槽用の堰

【課題】堰板受けの底に固形物が堆積しにくい電解槽用の堰を提供する。
【解決手段】電解槽Eの電解液排出部に設けられる堰1であって、電解槽E内の電解液が流出する開口部11が形成された堰板10と、電解槽E内の電解液が流出する開口部23が形成され堰板10が挿入される箱形の堰板受け20とを備え、堰板受け20にはその内部に流入した固形物を排出する排出口24が形成されている。堰板受け20に流入した固形物が排出口24から排出され、堰板受け20の底に堆積しにくい。固形物が堰板受け20の底に堆積したとしても、その堆積物を排出口24から排出できるので、堆積物の除去が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解槽用の堰に関する。さらに詳しくは、電解槽内の電解液の液面高さを調整するための電解槽用の堰に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、銅の電解精製においては、電解液を満たした電解槽に粗銅アノードと純銅カソードを挿入し、アノードとカソードとの間に通電して、カソード上に銅を析出させる。均一かつ高品質な電着を得るために、電解液は電解液循環系内を循環しており、電解槽から排出された電解液は浄液工程で不純物が除去され、再度電解槽に供給される。
【0003】
ここで、電解槽内の電解液の液面高さを同一レベルに維持した状態で電解を続けると、電解液の液面近傍において、電気銅が他の部分よりも厚くなったり、電解液成分が液面付近で濃縮、析出され、結晶として電気銅に固着したりと、得られる電気銅の外観品質が悪化するという問題がある。
そのため、従来から、電解液の液面高さを定期的に上下動させ、過剰な電着や結晶の固着を防止し、得られる電気銅の外観品質を向上させることが行われていた(例えば、特許文献1)。
【0004】
電解液の液面高さを調整する装置として、図7および図8に示すような堰が知られている。
図7および図8に示すように、電解槽Eの電解液排出部には、その側壁の上縁に凹部が形成されており、その凹部に排液ボックスBが嵌め込まれている。排液ボックスBは電解槽Eの内側(図7における右側)は壁面がなく開放されており、電解槽Eの外側(図7における左側)に突出して設けられている。排液ボックスBには、電解槽Eの内側寄りに堰101が設けられており、電解槽Eの内部と排液ボックスBはこの堰101により仕切られている。また、排液ボックスBの底面には、電解槽Eの外側に排液配管Pが接続されている。
【0005】
堰101は堰板110と、堰板受け120とから構成されている。堰板110は、板状の部材であり、その中央付近に下縁がV字形の開口部111が形成されている。また、堰板受け120は、堰板110が上部から挿入される箱型の部材であり、電解槽E側および排液ボックスB側の側壁に、それぞれ中央上方寄りに開口部123が形成されている。なお、開口部123の下方は閉塞されている。
【0006】
図9(a)に示すように、電解槽E内の電解液は、堰板110の開口部111および堰板受け120の開口部123を通って排液ボックスBに流出し、排液配管Pから排出される。そのため、堰板110の開口部111の高さ位置によって電解槽E内の電解液の液面高さが決まる。そこで、図9(b)に示すように、堰板110を堰板受け120に対して上方に持ちあげて開口部111の高さ位置を高くすることにより、電解液の液面高さを高くすることができる。このように、堰板110の高さ位置を段階的に調整することで、電解液の液面高さを調整することができる。
【0007】
しかるに、上記堰板101を長期間使用すると、電解液中の浮遊物や析出物などの固形物が堰板受け120の底に堆積してくる。そうすると、その堆積物の上に堰板110が挿入されることになり、堆積物の厚さの分だけ堰板110が持ち上がり電解液の液面高さが高くなる。そのため、電解液の液面高さの調整精度が悪くなるという問題がある。
また、堰板受け120の底の堆積物を除去することにより液面高さの調整精度が回復するが、堰板受け120の内部は幅が狭いため、堆積物の除去が困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−014036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、堰板受けの底に固形物が堆積しにくい電解槽用の堰を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の電解槽用の堰は、電解槽の電解液排出部に設けられる堰であって、前記電解槽内の電解液が流出する開口部が形成された堰板と、前記電解槽内の電解液が流出する開口部が形成され、前記堰板が挿入される箱形の堰板受けと、を備え、前記堰板受けには、その内部に流入した固形物を排出する排出口が形成されていることを特徴とする。
第2発明の電解槽用の堰は、第1発明において、前記排出口は、前記堰板受けの側壁に形成されていることを特徴とする。
第3発明の電解槽用の堰は、第1発明において、前記排出口は、前記堰板受けの底に形成されていることを特徴とする。
第4発明の電解槽用の堰は、第1発明において、前記排出口は、前記堰板受けの角に形成されていることを特徴とする。
第5発明の電解槽用の堰は、第2または第3発明において、前記排出口は、横長のスリット状に形成されていることを特徴とする。
第6発明の電解槽用の堰は、第2または第3発明において、前記排出口は、円形に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、堰板受けに排出口が形成されているので、堰板受けに流入した固形物がその排出口から排出され、堰板受けの底に堆積しにくい。また、固形物が堰板受けの底に堆積したとしても、その堆積物を排出口から排出できるので、堆積物の除去が容易である。
第2発明によれば、排出口は堰板受けの側壁に形成されているので、堰板を堰板受けから抜き差しするだけで、排出口から堆積物を排出でき、堆積物の除去が容易である。
第3発明によれば、排出口は堰板受けの底に形成されているので、堰板受けに流入した固形物が堰板受けの底に堆積しにくい。
第4発明によれば、排出口は固形物が滞留しやすい堰板受けの角に形成されているので、堰板受けに流入した固形物が堰板受けの底に堆積しにくい。
第5発明によれば、排出口は横長のスリット状に形成されているので、板状に固化した堆積物を排出口から排出でき、堆積物の除去が容易である。
第6発明によれば、排出口は円形に形成されているので、ホールソーやドリルなどで容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は電解槽の全体像の説明図、(b)は本発明の第1実施形態に係る堰の側面視断面図である。
【図2】(a)は図1(b)におけるIIa-IIa線矢視図、(b)は図1(b)におけるIIb-IIb線矢視断面図、(c)は図1(b)におけるIIc-IIc線矢視図である。
【図3】同堰の(a)堰板を挿入した状態、(b)堰板を持ち上げた状態の説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る堰の正面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る堰の正面図である。
【図6】他の実施形態に係る堰の正面図である。
【図7】従来の堰の側面視断面図である。
【図8】(a)は図7におけるVIIIa-VIIIa線矢視図、(b)は図7におけるVIIIb-VIIIb線矢視断面図、(c)は図7におけるVIIIc-VIIIc線矢視図である。
【図9】従来の堰の(a)堰板を挿入した状態、(b)堰板を持ち上げた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1(a)に示すように、本発明に係る堰は、銅、金、ニッケル、コバルト、鉛、亜鉛などの電解精製または電解採取に用いられる電解槽Eの電解液排出部に設けられるものである。ここで、電解液排出部とは、電解精製や電解採取に使用された後の電解液を電解槽Eから排出する部分を意味する。なお、電解液は電解液循環系内を循環しており、電解液排出部から排出された電解液は浄液工程で不純物が除去され、再度電解槽に供給される。
【0014】
(第1実施形態)
図1(b)および図2に示すように、電解槽Eの電解液排出部には、その側壁の上縁に凹部が形成されており、その凹部に排液ボックスBが嵌め込まれている。排液ボックスBは電解槽Eの内側(図1(b)における右側)は壁面がなく開放されており、電解槽Eの外側(図1(b)における左側)に突出して設けられている。排液ボックスBの内部には、電解槽Eの内側寄りに本発明の第1実施形態に係る堰1が設けられており、電解槽Eの内側と排液ボックスBはこの堰1により仕切られている。また、排液ボックスBの底面には、電解槽Eの外側に排液配管Pが接続されている。
【0015】
堰1は堰板10と、堰板受け20とから構成されている。堰板10は、板状の部材であり、その中央付近に下縁がV字形の五角形の開口部11が形成されている(図2(b)、(c)参照)。また、堰板受け20は、堰板10が上部から挿入される箱型の部材であり、電解槽E側および排液ボックスB側の側壁21、22に、それぞれ左右中央上方寄りに矩形の開口部23が形成されている(図2(b)、(c)参照)。
【0016】
また、堰板受け20には、電解槽E側の側壁21に、開口部23の下方に横長のスリット状の排出口24が形成されている(図2(c)参照)。この排出口24は、その下縁が堰板受け20内部の底面と段差が生じないように、同じ高さに形成されている。なお、堰板受け20の排液ボックスB側の側壁22には、排出口が形成されておらず、開口部23以外の部分は閉塞されている(図2(b)参照)。
【0017】
図3(a)に示すように、電解槽E内の電解液は、堰板10の開口部11および堰板受け20の開口部23を通って排液ボックスBに流出し、排液配管Pから排出される。そのため、堰板10の開口部11の高さ位置によって電解槽E内の電解液の液面高さが決まる。なお、開口部11はその下縁がV字形に形成されているので、電解槽Eに供給される電解液の流量が少ない場合には、開口部11に対して電解液の液面が下がり開口部11から排出される電解液の幅が狭くなり、電解槽Eに供給される電解液の流量が多い場合には、開口部11に対して電解液の液面が上がり開口部11から排出される電解液の幅が広くなる。そのため、開口部11から排出される電解液の幅から、電解槽Eに供給、排出される電解液の流量を確認できる。
【0018】
図3(b)に示すように、堰板10を堰板受け20(22)に対して上方に持ちあげて開口部11の高さ位置を高くすることにより、電解槽E内の電解液の液面高さを高くすることができる。ここで、堰板10にはピン挿入穴が形成されており、そのピン挿入穴にピン25を挿入すると、堰板10の表面からピン25の先端を突出させることができるようになっている。そのため、堰板10を堰板受け20に対して上方に持ち上げてピン25をピン挿入穴に挿入すれば、そのピン25が堰板受け20の上縁に係止し、堰板10を堰板受け20に対して上方に持ちあげた状態で維持できる。堰板10には、ピン挿入穴が1ヶ所または高さ違いに複数箇所形成されている。そのため、堰板10は、ピン25が挿入されていない状態、およびピン25が挿入されている状態、さらにはピン25が挿入される高さによって、段階的に高さ位置が調整できる。そして、堰板10の高さ位置を段階的に調整することで、電解槽E内の電解液の液面高さを段階的に調整することができる。
【0019】
以上のように、堰板受け20には側壁21に排出口24が形成されているため、堰板受け20の内部と電解槽Eとが排出口24を介して連通している。そのため、電解液中の浮遊物や析出物などの固形物が堰板受け20の内部に流入しても、その固形物を排出口24から電解槽Eに排出することができる。そのため、固形物が堰板受け20の底に堆積しにくい。
【0020】
また、固形物が堰板受け20の底に堆積したとしても、その堆積物を排出口24から電解槽Eに排出できる。ここで、排出口24は堰板受け20の側壁21に形成されているので、堰板10を堰板受け20から抜き差しするだけで、排出口24から堆積物を排出できる。また、排出口24は横長のスリット状に形成されているので、板状に固化した堆積物でも排出口24から排出できる。このように、堆積物の除去が容易にできる。なお、堰板10の抜き差しは、電解槽E内の電解液の液面高さを上下動させるために、定期的に行われる操作であるので、作業員が特に意識することなく、堆積物の除去が行われる。
【0021】
以上のように、堰板受け20の底に固形物が堆積しにくいので、堆積物の上に堰板10が挿入されて堰板10が持ち上がることを抑制でき、電解液の液面高さの調整精度の悪化を防止できる。そのため、例えば、銅の電解精製において、電解槽E内の電解液の液面高さを精度よく調整でき、得られる電気銅の外観品質を向上させることができる。
【0022】
なお、排出口24の幅寸法や高さ寸法は任意に設定できるが、固形物が堆積しにくく、堆積物の除去が容易にできるような寸法に設定することが好ましい。
【0023】
また、本実施形態では、電解槽E側の側壁21に排出口24が形成されているため、堰板受け20の内部に流入した固形物は排出口24から電解槽Eに排出される。一般に、電解槽Eには沈殿物を回収し除去する装置が取り付けられているため、排出口24から電解槽Eに排出された固形物は、その装置により回収され除去される。そのため、排出された固形物を処理する装置を別途設ける必要がない。
【0024】
また、電解槽E側の側壁21に代えて、排液ボックスB側の側壁22に排出口24を形成してもよい。この場合、堰板受け20の内部に流入した固形物は排出口24から排液ボックスBに排出される。排液ボックスB内は電解液の流れが速いため、堰板10を抜き差ししても、それにより電解液が飛散することが少なく、安全である。また、一般に、作業員は電解槽Eの外側から堰板10の抜き差しを行うので、排出口24から固形物が排出されているか否かが確認しやすい。
【0025】
(第2実施形態)
図4に示すように、本発明の第2実施形態に係る堰2は、第1実施形態に係る堰1におけるスリット状の排出口24を、円形の排出口24に代えたものである。排出口24は、電解槽E側の側壁21の下側の角に、2ヶ所形成されている。このような円形の排出口24はホールソーやドリルなどで容易に形成できる。その余の構成は第1実施形態に係る堰1と同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。なお、排出口24は、排液ボックスB側の側壁22に形成してもよい。
【0026】
このように排出口24を円形に形成しても、堰板受け20の内部に流入した固形物を排出口24から電解槽Eに排出することができるため、固形物が堰板受け20の底に堆積しにくい。また、固形物が堰板受け20の底に堆積したとしても、その堆積物を排出口24から電解槽Eに排出できる。
【0027】
(第3実施形態)
図5に示すように、本発明の第3実施形態に係る堰3は、第2実施形態に係る堰2における円形の排出口24を、電解槽E側の側壁21の左右中央に1ヶ所形成したものである。その余の構成は第2実施形態に係る堰2と同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。なお、排出口24は、排液ボックスB側の側壁22に形成してもよい。
【0028】
このように排出口24は、その位置や数を任意に設定できる。ただし、固形物が堆積しにくく、堆積物の除去が容易にできるように設定することが好ましい。
【0029】
(その他の実施形態)
図6に示すように、矩形の排出口24を、側壁21の下側の角に2ヶ所形成してもよい。一般に、堰板受け20の内部に流入した固形物は、堰板受け20の内部の角に滞留しやすい。そのため、その角に排出口24を形成することにより、固形物が排出されやすくなり、堰板受け20の底に堆積しにくくなる。なお、排出口24は、排液ボックスB側の側壁22に形成してもよい。
【0030】
また、上記実施形態では堰板受け20の側壁21、22に排出口24を形成したが、堰板受け20の底に排出口24を形成してもよい。この場合、堰板受け20を電解槽E側、または排液ボックスB側に突出して固定し、堰板受け20の底が電解槽Eまたは排液ボックスBに開放されるようにする必要がある。
堰板受け20の底に排出口24を形成すれば、堰板受けに流入した固形物がより堆積しにくくなる。
【実施例】
【0031】
つぎに、実施例について説明する。
まず、図1に示す第1実施形態に係る堰1(実施例1)を設けた電解槽と、図7に示す従来の堰101(比較例)を設けた電解槽とに、電解液を流量12L/分で供給しながら240時間電解精製を行った。
その後、堰板受けの内部に堆積した固形物の量を測定すると、実施例1は比較例に対して約25%少なかった。これより、本発明に係る堰は、従来の堰に比べて堰板受けに固形物が堆積しにくい構造であることが確認された。
【0032】
つぎに、本発明に係る堰(実施例2〜6)と、図7に示す従来の堰101(比較例)の堰板受けに固形物を所定量堆積させた後、堰板を10回抜き差しした。ここで、実施例2は図1に示す第1実施形態に係る堰1であって排出口24の幅寸法を155mm、高さ寸法を120mmとしたものであり、実施例3は図1に示す第1実施形態に係る堰1であって排出口24の幅寸法を155mm、高さ寸法を56mmとしたものであり、実施例4は図4に示す第2実施形態に係る堰2であって排出口24の直径を56mmとしたものであり、実施例5は図4に示す第2実施形態に係る堰2であって排出口24の直径を25mmとしたものであり、実施例6は図5に示す第3実施形態に係る堰3であって排出口24の直径を56mmとしたものである。
その後、堰板受けに残留する固形物の量を測定し、堆積させた固形物の量に対する堰板受けから排出された固形物の量の割合を求めると、表1に示す結果となった。
【表1】

【0033】
表1に示すように、堆積させた固形物の量に対する堰板受けから排出された固形物の量の割合は、比較例が20%であるのに対し、実施例2〜6は98〜25%であった。これより、本発明に係る堰は、従来の堰に比べて堰板受けから固形物が排出されやすい構造であることが確認された。また、実施例2では98%の固形物が排出され、特に固形物の排出性能が高いことが分かった。
【0034】
つぎに、本発明に係る堰(実施例4〜6)と、図7に示す従来の堰101(比較例)の堰板受けに固形物21gを堆積させた後、堰板受けの上方からホースで水洗し、固形物の除去にかかる時間を測定した。水洗は、内径20mmのホースを用いて流量0.3L/秒で行った。
その結果、表2に示す結果が得られた。
【表2】

【0035】
表2に示すように、固形物の除去に要した水洗時間は、比較例が5.6秒であるのに対し、実施例4〜5は3.6〜5.2秒であった。これより、本発明に係る堰は、従来の堰に比べて固形物の水洗除去も容易であることが確認された。
【0036】
つぎに、図7に示す従来の堰101の堰板受けに固形物を堆積させ、その固形物の量と、それにより持ち上がった堰板の高さの関係を測定した。
その結果、表3に示す結果が得られた。
【表3】

【0037】
表3に示すように、堰板受けに堆積した固形物の量が多くなるに従い、堰板が持ち上がることが確認された。これより、本発明に係る堰は、堰板受けに固形物が堆積しにくく、堆積した固形物を排出できる構造であるので、堆積物の上に堰板が挿入されて堰板が持ち上がることを抑制でき、電解液の液面高さの調整精度の悪化を防止できることが確認された。
【符号の説明】
【0038】
1、2、3 堰
10 堰板
11 開口部
20 堰板受け
21、22 側壁
23 開口部
24 排出口
25 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解槽の電解液排出部に設けられる堰であって、
前記電解槽内の電解液が流出する開口部が形成された堰板と、
前記電解槽内の電解液が流出する開口部が形成され、前記堰板が挿入される箱形の堰板受けと、を備え、
前記堰板受けには、その内部に流入した固形物を排出する排出口が形成されている
ことを特徴とする電解槽用の堰。
【請求項2】
前記排出口は、前記堰板受けの側壁に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の電解槽用の堰。
【請求項3】
前記排出口は、前記堰板受けの底に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の電解槽用の堰。
【請求項4】
前記排出口は、前記堰板受けの角に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の電解槽用の堰。
【請求項5】
前記排出口は、横長のスリット状に形成されている
ことを特徴とする請求項2または3記載の電解槽用の堰。
【請求項6】
前記排出口は、円形に形成されている
ことを特徴とする請求項2または3記載の電解槽用の堰。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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