説明

電解装置及び電解方法

【課題】電解によって発生した気泡が電極表面に付着し電極の有効面積が減少することよる電解効率の低下を防止する電解技術を提供する。
【解決手段】電解装置20において、電解槽1に保持される電解液Lに浸漬され電圧が付与される電極2と、電解反応により前記電極2の表面に生成し付着した気泡を剥離させる剥離手段を構成する気液分離部7,気液分離部7で分離された電解液Lを電解層1に導く第1経路11,および、分離された生成ガスの少なくとも一部を導入ガスGとして第1経路11に合流させる第2経路12と、を備えることを特徴とする電極表面に付着する生成ガスの剥離手段を含む電解装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極に電圧を印加して電解液を電気分解する電解技術に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素排出量が少なくエネルギー源の枯渇の心配がないことから、再生可能エネルギーを利用した発電システムの導入が進められている。そして、潜在的なエネルギー量が期待される発電システムとして、太陽光発電及び風力発電が注目されている。
2007年において、太陽光発電は9GWが、風力発電は96GWが、世界的に導入されている。
【0003】
そして、今後これら発電システムは、さらなる普及が予想され、2030年における世界的な設備容量は、太陽光発電が244GW、風力発電は600GWになると見込まれている(例えば、非特許文献1)。
しかし、太陽光や風力は、時々刻々と変化するために発電電力量が大きく変動し、電気の供給と需要のバランスが崩れ、電気の質の低下や停電の発生が懸念される。このため、再生エネルギーを利用した発電システムを導入する際は、電力平滑化システムと電力系統の強化が不可欠である。
【0004】
この電力平滑化システムとしては、アルカリ水電解装置による水素電力貯蔵、及び蓄電池による電力貯蔵等が、具体的に挙げられる。また、電力系統を強化する方法としては、発電施設に火力発電所を併設すること等が、具体的に挙げられる。
これら電力平滑化システムのメリットは、様々な規模の発電システムに設置が可能で電力変動に対し短時間のうちに対応できる点がある。
【0005】
なかでもアルカリ水電解装置は、蓄電池と対比して、小規模から大規模にわたる発電システムへの対応が可能であり、またそのような電力貯蔵の目的の他、製造した水素の燃料利用を図ることで水素社会にも対応することができる。
このためアルカリ水電解装置は、再生可能エネルギーを利用する発電システムに用いられる電力平滑化システムとして、導入が有力視されている。
【0006】
アルカリ水電解装置は、供給電力が過剰である場合に水を電解して電力を水素として貯蔵し、供給電力が不足している場合にこの貯蔵した水素を用いて発電することにより不足電力を補償するシステムである。
水の電解は、伝導率を高めた電解液に電圧を印加することにより、水素と酸素を発生させる方法であり、電解液として酸性水溶液、アルカリ性水溶液などを使用できるが、工業的には材料の腐食の観点からアルカリ性水溶液を用いたアルカリ水電解が行われている。
【0007】
また、水素や酸素を個別に回収する場合は、発生したガスの混合を防ぐために、隔膜を用いて陰極と陽極を隔てる。アルカリ水電解は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを25〜30wt%添加した電解液を用い、80〜200℃に温度設定し、陰極と陽極に電圧を印加して行う。
【0008】
ここで、電気分解が行われる陰極と陽極に付与される電圧を電解電圧、水を電解する際に理論的に算出される理論電解電圧を電解電圧で割ったものを電解効率という。また、工業的に使用されるアルカリ水電解の電解電圧は1.8V〜2.5V、電解効率は60%〜85%である。
そして、水素や酸素を安価に製造する要求に応えるために、より高い電解効率を発揮する電解装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−149932号公報
【特許文献2】特開2009−242922号公報
【特許文献3】特開2006−159072号公報
【特許文献4】特開2009−144214号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】IEA World Energy Outlook 2009
【非特許文献2】Kai Zeng Progress in energy and combustion science xxx, p1-20(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、電解装置において電解効率が低下する要因としては、電解液や隔膜などの電気抵抗や反応抵抗による電圧降下などが挙げられる。
この電解液の電気抵抗は、温度の上昇に伴い低下することが知られており、より高温で運転する試みが行われている。このように高温でアルカリ水電解を行う場合、強アルカリの耐性及び高い活性が電極に要求されるために、電極構造や組成等を工夫する試みが行われている(例えば、特許文献1)。しかし、この技術においては、電解効率が低下する現象を充分に解消することができない課題がある。
【0012】
また、隔膜の両面に陽極物質と陰極物質を密着させた電解槽を用いることで電極間隔を短くすることにより電解液の電気抵抗を低減する試みがなされている(例えば、特許文献2)。しかし、この技術においては、電解時に発生する気泡の影響で電解電圧が上昇する課題がある。
【0013】
また、電解により発生する気泡は、電圧降下を引き起こすことが知られている(例えば、非特許文献2)。この電極表面に付着した気泡は、電極の有効面積を減少させ、反応抵抗を上昇させる課題がある。また電極表面から電解液に放出された気泡は、電解液密度を低下させ、見かけの電気抵抗を増大させる課題がある。
【0014】
一方において、電極槽内の圧力を上昇させて気泡の生成を抑え、電極表面への気泡の付着を抑制する提案がなされている(例えば、特許文献3)。しかし、高圧下においては、気泡の発生が抑制されるものの、一度発生した気泡を除去することが困難な課題がある。
また、電極表面を複数の凸状構造にすることにより気泡の影響を低減する手法が提案されている(例えば、特許文献4)。しかし、凸状構造の間に付着した気泡の除去が困難となる課題がある。
さらに、上述した公知技術においては、一度付着した気泡を除去する機構を持たないため、長期間の使用において気泡が電解槽内に滞留する課題がある。
【0015】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、電界効率の優れる電解技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施形態である電解装置は、電解槽に保持される電解液に浸漬され電圧が付与される電極と、電解反応により前記電極の表面に生成し付着した気泡を剥離させる剥離手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電界効率の優れる電解技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る電解装置の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】第2実施形態に係る電解装置を示すブロック図。
【図3】第3実施形態に係る電解装置を示すブロック図。
【図4】第4実施形態に係る電解装置を示すブロック図。
【図5】第5実施形態に係る電解装置を示すブロック図。
【図6】第6実施形態に係る電解装置において、(A)は実施例として親水化処理がなされた電極における気泡生成のプロセスを示す図、(B)は比較例として親水化処理がなされて無い電極における気泡生成のプロセスを示す図。
【図7】第7実施形態に係る電解装置を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1のブロック図に示すように、電解装置20は、電解槽1に保持される電解液Lに浸漬され電圧が付与される電極2(陰極2a,陽極2b)と、電解反応により電極2の表面に生成し付着した気泡B(図6参照)を剥離させる剥離手段と、を備えている。
【0020】
第1実施形態における剥離手段は、電解槽1に導入ガスG(Ga,Gb)を導くガス導入部であり、このガス導入部は、電解反応による生成ガス及び電解液Lの気液混合体を、生成ガス及び電解液Lのそれぞれに分離する気液分離部7と、分離された電解液Lを電解槽1に導く第1経路11と、分離された生成ガスの少なくとも一部を導入ガスGとして第1経路11に合流させる第2経路12と、を有している。
【0021】
電解液Lは、例えば水酸化カリウム水溶液等が用いられ、所定の電圧を付与する電源5に接続された陰極2aでは(1)式、陽極2bでは(2)式に示される電解反応により、それぞれ水素、酸素が発生する。
電解槽1に保持されている電解液Lは、イオンのみが通過することのできる隔膜4によって隔てられており、生成した水素及び酸素(生成ガス)は互いに混ざり合うことなく循環する電解液Lとともに電解槽1の外に送り出される。
【0022】
[化1]
陰極:2H2O+2e- → H2 + 2OH- (1)
陽極:2OH- → 1/2 O2 + H2O + 2e- (2)
【0023】
そして、第1経路11には、電解液Lを循環させるポンプ6と、電解槽1に導かれる電解液Lの流量調整部9とが設けられている。さらに、第1経路11には、電解反応により消費された水を補充する補充路3が設けられている。
これにより、気液分離部7で分離された電解液Lは、補充路3から水の補充を適宜うけながら循環し、電解槽1において再び電気分解される。
【0024】
気液分離部7で電解液Lから分離された水素及び酸素(生成ガス)は、圧力調整弁8の後段に設けられる回収層(図示略)において最終的に回収されることとなる。
また一方において、分離された生成ガスの一部は、圧力調整弁8の後段から分岐する第2経路12を経由して、ポンプ6により導入ガスGとして、電解槽1に戻される。
【0025】
そして、この電解槽1に戻された導入ガスGは、電解液Lに含まれる気泡となって導入され、それぞれの電極2(陰極2a,陽極2b)の表面に衝突する。
この電極2の表面に衝突した導入気泡は、電解反応(上記、反応式(1)(2))に基づき新たに電極表面に生じた生成ガスを剥離させる。
【0026】
圧力調整弁8は、その開閉動作に基づいて、電解槽1及び第1経路11で閉じられた系から、生成した水素及び酸素(生成ガス)を取り出して、電解槽1の内部圧力を調整する機能を有する。
そして、圧力調整弁8の絞り加減を調整して、電解槽1の内部圧力を調整することにより、導入ガスGの泡径を調節することができ、電極表面の生成ガスの剥離の進行状態をコントロールすることができる。
このように、圧力調整弁8を通過した生成ガスは、回収槽(図示略)に回収されるものと、第2経路12を経由して生成ガス循環部10により電解槽1に供給される導入ガスGとに分けられる。
【0027】
生成ガス循環部10は、第2経路12の途中経路に設けられ、電解槽1に供給される導入ガスGを、ポンプ6の入り口の近傍で電解液Lと合流させて気液混合体とする。そして、この生成ガス循環部10による導入ガスGの供給量により気液混合体に含まれる導入ガスGの比率を調整することができる。
さらに、ポンプ6の後段に位置する流量調整部9によって、電解槽1に流入する導入ガスGと電解液Lの気液混合体の流量が規定される。
【0028】
このように、導入ガスGと電解液Lの気液混合体の流量並びに含まれる導入ガスGの比率を調整することにより、電極2及び隔膜4の近傍に滞留する生成ガスを効率的に剥離することができる。
また、電極2の周囲を所定の流速で電解液Lが流動しているために、生成ガスは短時間のうちに電解槽1の外に放出されることになる。
【0029】
これにより得られる効果として、電解装置20を、長期間運転し続けても、電解による生成ガスの気泡が、電解槽1の内部に滞留し続けることがない。
そのため、この気泡が、電極面積を減少させたり、電解液Lに放出して電解液密度を低下させ見かけの電気抵抗を増大させたり、隔膜4の表面に付着して電気抵抗を増大させたりする現象が回避される。
よって電解装置20は、長期間運転を続けても電解効率が低下せず、さらに生成ガスの生成量を維持するのに電源5における印加電圧の上昇を必要としない。このため、電源5の制御回路を安価なもので構成することができる。
【0030】
(第2実施形態)
図2のブロック図は、第2実施形態に係る電解装置20を示している。なお、図2において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、導入ガスGを供給する第2経路12は、流量調整部9に接続されている。
【0031】
そして、この流量調整部9には、生成ガス循環部10から供給される導入ガスGとポンプ6から供給される電解液Lとを混合させる混合部13が設けられている。
この混合部13としては、具体的にラインミキサーやエダクターが挙げられる。
ここで、ラインミキサーとは、複数の流体を微細化して均一にするものである。
エダクターとは、流路に断面積を小さくした絞り部を設け、この絞り部を流体が通過することにより流速が上がり、それにより生じた低圧部に他の流体を流れ込ませることにより、両者を混濁状態にするものである。
【0032】
これにより、電解槽1に供給される流体は、気液二相流となり、この気液二相流が電極2、隔膜4の表面に噴射されることで、その表面を撹乱し、電解反応による生成ガスを剥離することができる。
さらに、導入ガスGの気泡と生成ガスの気泡との再合一が促進され、気泡の上昇速度が大きくなって、電解槽1から抜けやすくなる。
以上の作用により、第2実施形態に係る電解装置20においては、第1実施形態の場合よりもさらに発展した効果が得られることになる。
【0033】
(第3実施形態)
図3のブロック図は、第3実施形態に係る電解装置20を示している。なお、図3において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
この第3実施形態においては、第2経路12から電解槽1に至るガス導入部のいずれかの部位に、電解液Lに含まれる導入ガスGの泡径を制御する泡径制御部14が設けられている。
【0034】
この泡径制御部14は、導入ガスGの温度又は圧力を可変させるもので構成したり、導入ガスGの気泡を制御するのに最適化した開口サイズの障害物を充填したもので構成したりすることができる。
以上の作用により、第3実施形態に係る電解装置20においては、第1実施形態の場合よりもさらに発展した効果が得られることになる。
【0035】
(第4実施形態)
図4のブロック図は、第4実施形態に係る電解装置20を示している。なお、図4において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
この第4実施形態においては、電解槽1の内部に、電極2に向かって案内される導入ガスGの方向を調整するガス案内部15が設けられている。
【0036】
このガス案内部15は、電解槽1の内部において、電極2に向かって案内される導入ガスG及び電解液Lの気液二相流の噴射角度が調整されることで、電極2及び隔膜4の表面が撹乱され、電解反応による生成ガスを剥離することができる。
以上の作用により、第4実施形態に係る電解装置20においては、第1実施形態の場合よりもさらに発展した効果が得られることになる。
【0037】
(第5実施形態)
図5のブロック図は、第5実施形態に係る電解装置20を示している。なお、図5において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
この第5実施形態における生成ガスの剥離手段は、鉛直方向に沿って配列する電極2の下側に配置される発熱体16である。
この発熱体16は、電極2の材質よりも電気抵抗の大きな材質で形成され、電源5からの電圧は、この発熱体16を介して電極2に付与される。
【0038】
発熱体16は、電極2の下部で発熱することにより、電解液Lを上部に向かわせる自然対流を生じさせる。この発熱体16は、それぞれの電極2(陰極2a,陽極2b)の下端に溶接され、電源5の導線が接続されている。
そして、電圧が印加されるとそれぞれの電極2(2a,2b)の表面において電解反応による水素、酸素が生成すると同時に、自然対流による上向きの流れにより電極表面の生成ガスの気泡を剥離させるドライビングフォースとなる。
これにより、電極2の表面の気泡を速やかに取り除き、電解効率の向上に寄与することとなる。
【0039】
なお、図5は、電極2と発熱体16とが一体化したものが例示されているが分離したものであってもよく、また、電源5もそれぞれ別々にしてもよい。
また図5は、第1実施形態のようなガス導入部や、電解液Lを循環させる機構を省略しているが、これらを併設することも可能である。
【0040】
(第6実施形態)
図6(A)は、第6実施形態に係る電解装置20の電極2を示している。
この第6実施形態における生成ガスの剥離手段は、電極2の表面に設けられた親水性被膜17である。
この親水性被膜17上では、電解反応により生成ガスの気泡Bが発生すると、その親水性により気泡Bとの界面に電解液Lが入り込み、接触角θが数度程度となる。このため気泡Bは、比較例として示す図6(B)の非親水化電極2cと対比して、電極表面との接触面積が小さくなる。そして、発生した気泡Bの接触面積が小さいことは、気泡Bの泡径が小さいうちに電極2から剥離され易くなる。
以上の作用により、第6実施形態では、生成ガスの電極表面に対する接触面積が小さく、さらに接触時間を短縮させることができ、電解効率の向上に寄与する。
【0041】
一方、比較例として示す図6(B)では、非親水化電極2cの表面において生成ガスの気泡Bは、徐々に成長する。そして、気泡Bの接触角θは60度程度であるために、気泡Bがある程度大きくなるまでは、電極表面から離れることができない。このため、電解液Lに非接触な電極表面の面積は気泡Bの最大断面積の1/3程度にまで達してしまう。
【0042】
(第7実施形態)
図7のブロック図は、第7実施形態に係る電解装置20を示している。なお、図7において図1と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、すでにした記載を援用して、詳細な説明を省略する。
この第7実施形態における生成ガスの剥離手段は、電解液Lを振動させる振動付与部21である。
【0043】
この振動付与部21は、電解槽1の外側表面に取り付けられている。そして、電解槽1の容器を通じて電解液Lを振動させる。この振動により電極2、隔膜4に付着していた気泡は剥離され、電解効率が向上することとなる。
ところで、振動付与部21が付与する振動の周波数領域については、超音波領域(20kHz〜200MHz)から外れていることが望ましい。これは、超音波を電解液Lに付与することにより、キャビテーション(気泡)が発生して電解液Lの見かけの密度が低下するために、電気抵抗が増加し電解効率が低下するからである。
【0044】
このような、キャビテーションが発生しない超音波領域以外の周波数を持つ振動波を振動付与部21から発生させることにより、電極表面に付着した気泡を速やかに取り除くことができる。これにより、電極表面と電解液Lの接触面積を広く接触時間を長くして電解効率を向上させることができる。
【0045】
本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、共通する技術思想の範囲内において、適宜変形して実施することができる。
実施形態においては、気液分離部7で分離された導入ガスGを、電解槽1に直接供給するように構成しているが、この導入ガスGをガス貯槽(図示略)で一時的に貯めた後、電解槽1に供給してもよい。また、導入ガスGとして生成ガスを用いるのではなく、外部から同一成分のガスを供給してもよい。
また、生成する酸素及び水素を回収する場合を例示したが、第1経路11から電解水を回収することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1…電解槽、2…電極、2a…陰極(電極)、2b…陽極(電極)、2c…非親水化電極、3…補充路、4…隔膜、5…電源、6…ポンプ、7…気液分離部、8…圧力調整弁、9…流量調整部、10…生成ガス循環部、11…第1経路、12…第2経路、13…混合部、14…泡径制御部、15…ガス案内部、16…発熱体、17…親水性被膜、20…電解装置、21…振動付与部、G(Ga,Gb)…導入ガス、L…電解液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解槽に保持される電解液に浸漬され電圧が付与される電極と、
電解反応により前記電極の表面に付着する生成ガスを剥離させる剥離手段と、を備えることを特徴とする電解装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電解装置において、
前記剥離手段は、前記電解槽に導入ガスを導くガス導入部であることを特徴とする電解装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電解装置において、
前記ガス導入部は、
前記生成ガス及び前記電解液の気液混合体をそれぞれに分離する気液分離部と、
前記分離された電解液を前記電解槽に導く第1経路と、
前記分離された生成ガスの少なくとも一部を前記導入ガスとして前記第1経路に合流させる第2経路と、を有することを特徴とする電解装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電解装置において、
前記第1経路には、前記電解液を循環させるポンプと、前記電解槽に導かれる前記電解液の流量調整部と、が設けられ、
前記第2経路は、前記ポンプ又は前記流量調整部に接続されていることを特徴とする電解装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電解装置において、
前記ガス導入部には、前記電解液に含まれる前記導入ガスの泡径を制御する泡径制御部が設けられることを特徴とする電解装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電解装置において、
前記泡径制御部は、前記導入ガスの温度又は圧力を可変させるものであることを特徴とする電解装置。
【請求項7】
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の電解装置において、
前記ガス導入部は、前記電極に向かって案内される前記導入ガスの方向を調整するガス案内部を有することを特徴とする電解装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電解装置において、
前記剥離手段は、鉛直方向に沿って配列する前記電極の下側に配置される発熱体であることを特徴とする電解装置。
【請求項9】
請求項1に記載の電解装置において、
前記剥離手段は、前記電極の表面に設けられた親水性被膜であることを特徴とする電解装置。
【請求項10】
請求項1に記載の電解装置において、
前記剥離手段は、前記電解液を振動させる振動付与部であることを特徴とする電解装置。
【請求項11】
電解槽に保持される電解液に浸漬する電極に電圧を付与するステップと、
電解反応により前記電極の表面に生成し付着した気泡を剥離させるステップと、を含むことを特徴とする電解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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