説明

電解質および電池

【課題】 充放電効率を向上させることができる電解質およびそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】 正極21と負極22とがセパレータ23を介して積層されている。セパレータ23には電解液が含浸されている。電解液にはポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体が含まれている。このアセトフェノン誘導体としては、3’−(トリフルオロメチル)アセトフェノン、2’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノン、3’−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトフェノン、または7’−(トリフルオロメトキシ)アセトナフトンなどが挙げられる。これにより負極22に良好な被膜を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒を含む電解質およびそれを用いた電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話,PDA(personal digital assistant;個人用携帯型情報端末機器)あるいはノート型コンピュータに代表される携帯型電子機器の小型化および軽量化が精力的に進められ、その一環として、それらの駆動電源である電池、特に二次電池のエネルギー密度の向上が強く望まれている。
【0003】
高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、例えば、リチウム(Li)を電極反応物質として用いた二次電池が知られている。中でも、負極に炭素材料などのリチウムを吸蔵および離脱することが可能な材料を用いたリチウムイオン二次電池は、広く実用化されている。また更なる高容量化を図るために、負極にリチウムと合金を形成可能な材料を用いることも検討されており、更に、負極にリチウムを吸蔵および離脱することが可能な材料を用いると共に、その充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより充電の途中で負極にリチウムが析出するようにした二次電池も開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
ところで、これらの二次電池では、電池特性を向上させるために、電解液に種々の添加剤を添加することが検討されている。例えば、特許文献2には、ガスの発生を抑制するためにケトンを添加することが記載されている。
【特許文献1】国際公開第WO 01/22519 A1号パンフレット
【特許文献2】特開2003−197259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらのケトンでは、充放電効率、ひいてはサイクル特性を十分に向上させることができないという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、充放電効率を向上させることができる電解質およびそれを用いた電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による電解質は、ポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体を含む溶媒を含有するものである。
【0008】
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、電解質は、ポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体を含む溶媒を含有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電解質によれば、ポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体を含むようにしたので、例えば電池に用いた場合には、負極の表面に良好な被膜を形成することができる。よって、負極における副反応を抑制することができ、充放電効率を向上させることができる。
【0010】
特に、溶媒におけるアセトフェノン誘導体の含有量を0.05質量%以上10質量%以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、電極反応物質としてリチウムを用いたいわゆるリチウムイオン二次電池について説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
【0013】
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0014】
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
【0015】
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0016】
正極活物質層21Bは、正極活物質として、例えば電極反応物質であるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料を含んで構成されている。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウムリン酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、一般式Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表されるリチウム複合酸化物あるいはリチウムリン酸化物が好ましい。なお、式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を表し、例えば、コバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn),鉄,アルミニウム,バナジウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種が好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10の範囲内の値である。
【0017】
リチウム複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNiv Co1-v 2 ;0.7<v<1.0)、あるいはスピネル型結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。また、リチウムリン酸化物の具体例としては、LiFePO4 あるいはLiFe0.5 Mn0.5 PO4 などが挙げられる。
【0018】
正極活物質層21Bは、また、例えば導電剤を含んでおり、必要に応じて更に結着剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
【0019】
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0020】
負極活物質層22Bは、負極活物質として、例えば電極反応物質であるリチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて、例えば正極活物質層13Bと同様の結着剤を含んでいてもよい。
【0021】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛,難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるので好ましい。黒鉛は、人造黒鉛でも天然黒鉛でもよい。
【0022】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含むものが挙げられる。この負極材料は、金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れた充放電サイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0023】
リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素としては、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズ。
【0024】
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料が挙げられる。他の金属化合物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブデンなどの酸化物や、あるいはLiN3 などが挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレンなどが挙げられる。
【0025】
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0026】
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含んでいる。
【0027】
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiBF4 ,LiClO4 , LiAsF6 ,LiN(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 ,LiB(C6 5 4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiClあるいはLiBrなどのリチウム塩が挙げられる。電解質塩には、1種を単独で用いてもよいが、2種以上混合して用いてもよい。
【0028】
溶媒としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステルあるいはフルオロベンゼンなどの非水溶媒が挙げられる。溶媒には、1種を単独で用いてもよいが、2種以上混合して用いてもよい。
【0029】
中でも、溶媒には、環状炭酸エステルを含むようにすることが好ましく、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、および炭酸ビニレンのうちの少なくとも1種を含むようにすることが好ましい。優れた充放電容量および充放電サイクル特性を得ることができるからである。
【0030】
また、本実施の形態では、溶媒にポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体が含まれている。負極22に良好な被膜を形成することにより充放電効率を向上させることができるからである。このポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体というのは、化1に示したアセトフェノンにポリフルオロアルキル基を有する官能基を置換させたもの、またはアセトフェノンのメチル基の水素をフッ素で置換したものを言い、更に他の置換基を有していてもよい。
【0031】
【化1】

【0032】
ポリフルオロアルキル基を有する官能基は、フェニル基の水素と置換されていても、メチル基の水素と置換されていてもよい。また、他の置換基も、フェニル基の水素と置換されていても、メチル基の水素と置換されていてもよく、化2に示した1−アセトナフトンまたは化3に示した2−アセトナフトンのように縮合環を形成していてもよい。
【0033】
【化2】

【0034】
【化3】

【0035】
ポリフルオロアルキル基を有する官能基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、n−ペンタフルオロプロピル基、イソ−ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、あるいはn−ペンタフルオロプロポキシ基が挙げられる。ポリフルオロアルキル基の炭素数は、1個から3個が好ましい。炭素数が増加して分子量が大きくなると、分子の排除体積が大きくなり、分子運動性が低下して電解液中での分子の移動がスムーズに行われなくなるので、負極22への効率的な被膜形成能が弱くなるからである。
【0036】
このようなアセトフェノン誘導体の具体例としては、例えば、化4に示した3’−(トリフルオロメチル)アセトフェノン、化5に示した2’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノン、化6に示した3’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノン、化7に示した4’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノン、化8に示した3’−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトフェノン、化9に示した7’−(トリフルオロメトキシ)アセトナフトン、または化10に示した6’−(トリフルオロメトキシ)アセトナフトンが挙げられる。これらアセトフェノン誘導体は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
【化6】

【0040】
【化7】

【0041】
【化8】

【0042】
【化9】

【0043】
【化10】

【0044】
中でも、ポリフルオロアルキル基を有する官能基として、ポリフルオロアルコキシ基を有するものが好ましい。エーテル結合により不純物イオンを安定に溶媒和し、電池特性の劣化を抑制することができるからである。ポリフルオロアルコキシ基の導入位置は、ベンゼン環の2位または3位が好ましく、最も好ましいのは2位である。カルボニル基の酸素とエーテル基の酸素との間にイオンを配位することができるからである。
【0045】
このアセトフェノン誘導体の溶媒における含有量は、0.05質量%以上10質量%以下、更には0.1質量%以上9質量%以下とすることが好ましい。この範囲内においてより高い効果を得ることができるからである。
【0046】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0047】
まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
【0048】
次いで、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
【0049】
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1,2に示した二次電池が完成する。
【0050】
この二次電池は次のように作用する。
【0051】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが離脱し、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。その際、負極22には、上述したアセトフェノン誘導体による被膜が形成され、負極22と電解液との間に生じる不可逆反応が抑制される。
【0052】
このように本実施の形態によれば、ポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体を含むようにしたので、負極22に良好な被膜を形成することができ、負極22における副反応を抑制することができる。よって、充放電効率を向上させることができ、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
【0053】
特に、ポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体、特にベンゼン環の2位にポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体を含むようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0054】
また、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量を0.05質量%以上10質量%以下、更には0.1質量%以上9質量%以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0055】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。
【0056】
正極リード31および負極リード32は、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されており、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されている。
【0057】
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
【0058】
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0059】
図4は、図3に示した巻回電極体30の一部を拡大して表すものである。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものである。
【0060】
正極33は、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有しており、負極34も、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有している。正極33と負極34とは、正極活物質層33Bと負極活物質層34Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A,正極活物質層33B,負極集電体34A,負極活物質層34Bおよびセパレータ35の具体的な構成は、第1の実施の形態における正極集電体21A,正極活物質層21B,負極集電体22A,負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
【0061】
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液(すなわち溶媒および電解質塩など)の構成は、上述した第1の実施の形態と同様である。高分子材料としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンの重合体、またはポリアクリロニトリルが挙げられ、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ化ビニリデンの重合体などのフッ素系高分子化合物を用いることが望ましい。
【0062】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0063】
まず、第1の実施の形態と同様にして正極33および負極34を形成したのち、正極33および負極34のそれぞれに、高分子化合物に電解液を保持させた電解質層36を形成する。次いで、正極集電体33Aの端部に正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aの端部に負極リード32を取り付ける。続いて、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層したのち、長手方向に巻回して巻回電極体30を形成する。そののち、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3,4に示した二次電池が完成する。
【0064】
また、この二次電池は、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、外装部材40の間に挟み込んだのち、外装部材40の開放口から電解液と高分子化合物の原料であるモノマーとを含む電解質組成物を注入して、モノマーを重合させることにより電解質層36を形成するようにしてもよい。
【0065】
この二次電池は、第1の実施の形態と同様に作用し、第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【実施例】
【0066】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0067】
(実施例1−1〜1−9)
図3,4に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。まず、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を用い、このリチウム・コバルト複合酸化物と、導電剤であるグラファイトと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを混合して正極合剤を調製した。次いで、この正極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとしたのち、アルミニウム箔よりなる正極集電体33Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層33Bを形成し、正極33を作製した。
【0068】
また、負極活物質として人造黒鉛を用意し、この人造黒鉛と、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを混合して負極合剤を調製した。次いで、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、銅箔よりなる負極集電体34Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層34Bを形成し、負極34を作製した。
【0069】
続いて、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付け、正極活物質層33Bおよび負極活物質層34Bの上に電解質層36を形成した。電解質層36は、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとを6:4の質量比で混合し、これにアセトフェノン誘導体である化6に示した3’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノンと、電解質塩であるLiPF6 とを加えて調製した電解液を、ヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとの共重合体に保持させたゲル状の電解質により形成した。
【0070】
その際、3’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノンの溶媒における含有量を、実施例1−1〜1−9で表1に示したように0.05質量%〜10.0質量%の範囲内で変化させた。また、LiPF6 の含有量は0.7mol/kgとし、共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの割合は、6.9質量%とした。
【0071】
次いで、セパレータ35、正極33、セパレータ35、負極34の順に積層して巻回し、巻回電極体30を形成したのち、巻回電極体30を外装部材40の間に封入した。これにより実施例1−1〜1−9の二次電池を得た。
【0072】
実施例1−1〜1−9に対する比較例1−1として、電解液にアセトフェノン誘導体を添加しないことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。また、比較例1−2〜1−4として、電解液に3−メトキシアセトフェノンを添加したことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。その際、比較例1−2〜1−4で溶媒における3−メトキシアセトフェノンの含有量を0.1質量%、1.0質量%、または9.0質量%と変化させた。
【0073】
作製した実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−4の二次電池について、充放電を行い、初回充放電効率を調べた。充電は23℃で0.08A、上限4.2Vの定電流定電圧充電を行い、放電は23℃で0.16Aの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行った。初回充放電効率は、1サイクル目の充電容量に対する放電容量の比率、すなわち(1サイクル目の放電容量/1サイクル目の充電容量)×100から求めた。得られた結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
表1に示したように、ポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体を添加した実施例1−1〜1−9によれば、アセトフェノン誘導体を添加しない比較例1−1に比べて、初回充放電効率を大幅に向上させることができた。これに対して、ポリフルオロアルコキシ基を有していないアセトフェノン誘導体を添加した比較例1−2〜1−4では、実施例1−1〜1−9ほど向上が見られなかった。すなわち、電解液にポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体を含むようにすれば、充放電効率を向上させることができることが分かった。
【0076】
また、実施例1−1〜1−9を比較すれば分かるように、アセトフェノン誘導体の含有量を増加させると、初回充放電効率は向上したのち低下する傾向が見られた。すなわち、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量は、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上9.0質量%以下とすればより好ましいことが分かった。
【0077】
(実施例2−1〜2−6)
アセトフェノン誘導体の種類を代えたことを除き、他は実施例1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、実施例2−1では化4に示した3’−(トリフルオロメチル)アセトフェノンを用い、実施例2−2では化5に示した2’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノンを用い、実施例2−3では化7に示した4’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノンを用い、実施例2−4では化8に示した3’−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトフェノンを用い、実施例2−5では化9に示した7’−(トリフルオロメトキシ)アセトナフトンを用い、実施例2−6では化10に示した6’−(トリフルオロメトキシ)アセトナフトンを用いた。なお、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量は1質量%である。
【0078】
作製した実施例2−1〜2−6の二次電池についても、実施例1−4と同様にして充放電試験を行い、初回充放電効率を調べた。それらの結果を実施例1−4および比較例1−1,1−3の結果と共に表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
表2に示したように、実施例2−1〜2−6についても、実施例1−4と同様に、比較例1−1,1−3よりも初回充放電効率を向上させることができた。すなわち、ポリフルオロアルコキシ基を有する他のアセトフェノン誘導体を用いても、同様の効果を得られることが分かった。
【0081】
また、実施例1−4,2−1〜2−6を比較すれば分かるように、中でも、2’−(トリフルオロメトキシ)アセトフェノンを用いた実施例2−2が最も高い値が得られた。すなわち、ベンゼン環の2位にポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体を用いるようにすれば、より好ましいことが分かった。
【0082】
(実施例3−1〜3−9)
負極活物質として、人造黒鉛に代えてスズを45質量%含むスズ合金を用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。その際、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量は、実施例3−1〜3−9で表3に示したように0.05質量%〜10.0質量%の範囲内で変化させた。
【0083】
実施例3−1〜3−9に対する比較例3−1として、電解液にアセトフェノン誘導体を添加しないことを除き、他は実施例3−1〜3−9と同様にして二次電池を作製した。また、比較例3−2〜3−4として、電解液に3−メトキシアセトフェノンを添加したことを除き、他は実施例3−1〜3−9と同様にして二次電池を作製した。その際、比較例3−2〜3−4で溶媒における3−メトキシアセトフェノンの含有量を0.1質量%、1.0質量%、または9.0質量%と変化させた。
【0084】
作製した実施例3−1〜3−9および比較例3−1〜3−4の二次電池についても、実施例1−1〜1−9と同様にして充放電試験を行い、初回充放電効率を調べた。それらの結果を表3に示す。
【0085】
【表3】

【0086】
表3に示したように、実施例3−1〜3−9についても、実施例1−1〜1−9と同様に、比較例1−1〜1−4よりも初回充放電効率を向上させることができた。すなわち、他の負極活物質を用いた場合においても、同様の効果を得られることが分かった。また、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量も、同様に、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上9.0質量%以下とすればより好ましいことが分かった。
【0087】
(実施例4−1〜4−9)
図1,2に示した円筒型の二次電池を作製した。その際、電解液を高分子化合物に保持させずにそのまま用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−9と同様にして二次電池を作製した。その際、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量は、実施例4−1〜4−9で表4に示したように0.05質量%〜10.0質量%の範囲内で変化させた。
【0088】
実施例4−1〜4−9に対する比較例4−1として、電解液にアセトフェノン誘導体を添加しないことを除き、他は実施例4−1〜4−9と同様にして二次電池を作製した。また、比較例4−2〜4−4として、電解液に3−メトキシアセトフェノンを添加したことを除き、他は実施例4−1〜4−9と同様にして二次電池を作製した。その際、比較例4−2〜4−4で溶媒における3−メトキシアセトフェノンの含有量を0.1質量%、1.0質量%、または9.0質量%と変化させた。
【0089】
作製した実施例4−1〜4−9および比較例4−1〜4−4の二次電池についても、実施例1−1〜1−9と同様にして充放電試験を行い、初回充放電効率を調べた。それらの結果を表4に示す。
【0090】
【表4】

【0091】
表4に示したように、実施例4−1〜4−9についても、実施例1−1〜1−9と同様に、比較例4−1〜4−4よりも初回充放電効率を向上させることができた。すなわち、電解液をそのまま用いても、高分子化合物に保持させても、ポリフルオロアルコキシ基を有するアセトフェノン誘導体を含むようにすれば、充放電効率を向上させることができることが分かった。また、アセトフェノン誘導体の溶媒における含有量も、同様に、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上9.0質量%以下とすればより好ましいことが分かった。
【0092】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解質として電解液または電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合について説明したが、電解液を無機伝導体に保持させてもよく、また、高分子化合物と無機伝導体との混合物に電解液を保持させるようにしてもよい。無機伝導体としては、例えば、窒化リチウム,ヨウ化リチウムあるいは水酸化リチウムの多結晶、ヨウ化リチウムと三酸化二クロムとの混合物、またはヨウ化リチウムと硫化チリウムと亜硫化二リンとの混合物などを含むものが挙げられる。
【0093】
また、上記実施の形態および実施例では、正極21,33および負極22,34を巻回する場合について説明したが、正極および負極を折り畳んだりあるいは積み重ねるようにしてもよい。更に、上記実施の形態および実施例においては、円筒型またはラミネートフィルム型の二次電池について説明したが、例えば、楕円型、多角形型、コイン型、ボタン型、角型あるいは大型などの他の形状を有する二次電池についても本発明を適用することができる。加えて、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
【0094】
更にまた、上記実施の形態および実施例においては、いわゆるリチウムイオン二次電池、すなわち負極の容量がリチウムの吸蔵および離脱による容量成分で表される二次電池について説明したが、他の電極反応を利用した電池についても本発明を同様に適用することができる。他の電極反応を利用した電池としては、例えば、負極の容量がリチウムの吸蔵および離脱による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分との和により表される電池や、あるいは負極の容量がリチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属電池が挙げられる。
【0095】
このうち、負極の容量がリチウムの吸蔵および離脱による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分との和により表される電池は、例えば、リチウムを吸蔵および離脱可能な負極材料の充電容量が、正極の充電容量よりも小さくなるように調節されることにより、充電の途中において負極にリチウム金属が析出することを除き、他は上述したリチウムイオン二次電池と同様の構成を有している。また、リチウム金属電池は、例えば、負極がリチウム金属などにより構成され、負極においてリチウムの析出・溶解反応を利用することを除き、他は上述したリチウムイオン二次電池と同様の構成を有している。
【0096】
更にまた、上記実施の形態および実施例においては、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表す部分分解斜視図である。
【図4】図3に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
【符号の説明】
【0098】
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33…正極、21A,33A…正極集電体、21B,33B…正極活物質層、22,34…負極、22A,34A…負極集電体、22B,34B…負極活物質層、23,35…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、40…外装部材、41…密着フィルム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体を含む溶媒を含有することを特徴とする電解質。
【請求項2】
前記溶媒におけるアセトフェノン誘導体の含有量は、0.05質量%以上10質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の電解質。
【請求項3】
更に、高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の電解質。
【請求項4】
正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
前記電解質は、ポリフルオロアルキル基を有するアセトフェノン誘導体を含む溶媒を含有することを特徴とする電池。
【請求項5】
前記溶媒におけるアセトフェノン誘導体の含有量は、0.05質量%以上10質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項4記載の電池。
【請求項6】
前記電解質は、更に、高分子化合物を含有することを特徴とする請求項4記載の電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−221936(P2006−221936A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33444(P2005−33444)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】