説明

電話装置、その応答制御方法及び応答制御プログラム

【課題】電話番号等の識別情報を利用する応答制御に関し、受信者が多様な自動応答の形態を選択可能にし、迷惑電話の回避等、応答の容易化を図る。
【解決手段】電話装置であって、通話先の識別情報を記憶する識別情報記憶部(電話番号記憶領域862)と、複数の応答パターンを記憶する応答パターン記憶部(応答パターン記憶領域864)と、識別情報毎に応答パターンが設定され、着信により取得した通話先の識別情報が識別情報記憶部にある場合、その識別情報に設定された応答パターンを以て応答する応答部(制御部6)と、操作ボタンの選択操作に応じて応答パターン記憶部から応答パターンを選択する応答パターン選択部(制御部6)とを備える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号等の識別情報を利用する電話装置の応答制御に関し、特に、発信側から通知される電話番号等の識別情報に応じて応答する電話装置、その応答制御方法及び応答制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
発信者側から電話番号の通知機能(ナンバーディスプレイ機能)を備える電話装置が普及し、着信時、不明な電話番号である場合には着信拒否や電話番号通知設定に切り替える発信を促すガイダンス送出等、電話番号に非通知設定をした発信者によるいわゆる迷惑電話は減少傾向にある。電話番号通知が普及しても、電話番号の通知を問題にしない発信者からの勧誘電話等の迷惑電話は後を絶たず、回避することができない。
【0003】
このような電話応答に関し、先行技術として特許文献1、2が存在し、特許文献1では、発信者向けに予め複数のメッセージを生成又は記憶し、受信者が直ちに電話機を取ることができない場合に選択したメッセージを送信相手に送出する構成である。また、特許文献2では、着信時、表示部に表示される発信元を確認し、その発信元に対応するメッセージを表示部に表示させた後、送出する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−274459号公報
【特許文献2】特開平9−84140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電話番号の通知機能(ナンバーディスプレイ機能)は、通話先に発信者の電話番号を通知する機能であって、それが不要電話を減少させる契機となったとしても、それ自体が迷惑電話を直接的に撃退するものではない。そのため、迷惑電話を受ける受信者は、留守番電話設定、電話番号記憶、着信拒否設定、着信拒否自動返答、不快音の発信、着信音消去等、様々な対応を強いられてきた。
【0006】
着信拒否の設定では、通話終了後、着信記録から電話番号を呼び出し、電話番号や発信者の名前毎に、着信拒否の設定操作をする必要がある。この設定には、着信記録の呼出し、名前の登録、拒否設定等に多数のキー操作を要し、煩雑な手順を踏むことになる。また、着信拒否にはその設定数に限りがあり、しかも、既述の操作手順の後、着信拒否の方法を選択する、という手間がある。迷惑電話を回避する受信者には、煩わしい操作が必要となる。
【0007】
斯かる要求や課題について、特許文献1、2にはその開示や示唆はなく、それを解決する構成等についての開示や示唆はない。
【0008】
そこで、本発明の第1の目的は、電話番号等の識別情報を利用する応答制御に関し、受信者が多様な自動応答の形態を選択可能にし、迷惑電話の回避等、応答の容易化を図ることにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、電話番号等の識別情報を利用する応答制御に関し、着信中にも応答設定を可能にし、その応答設定の容易化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、発信先から通知された電話番号等の識別情報を記憶部に記憶するとともに、その記憶情報毎に応答パターンやメッセージの設定を通話中にも可能にし、その識別情報に対応した応答パターンで応答する構成である。斯かる構成から上記目的を達成している。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の側面は、電話装置であって、通話先の識別情報を記憶する識別情報記憶部と、複数の応答パターンを記憶する応答パターン記憶部と、識別情報毎に前記応答パターンが設定され、着信により取得した通話先の識別情報が前記識別情報記憶部にある場合、その識別情報に設定された前記応答パターンを以て応答する応答部と、着信中に操作される操作ボタンと、前記操作ボタンの選択操作に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択する応答パターン選択部とを備える構成である。斯かる構成によれば、登録された識別情報毎に応答パターンが設定されているので、発信先を識別情報で特定し、予め設定された応答パターンを以て応答することができ、上記目的を達成できる。
【0012】
上記目的を達成するためには、上記電話装置において、好ましくは、前記応答パターンは、着信拒否、着信後応答拒否、回線切断、自動着信後メッセージ応答、不在応答又は着信後録音の何れかを含む構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するためには、上記電話装置において、好ましくは、着信中、前記操作ボタンの操作により、前記識別情報に前記応答パターンを設定するパターン設定部を備える構成としてもよい。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記電話装置において、前記応答パターンに応じて選択されるメッセージを記憶するメッセージ記憶部を備え、前記応答部は、前記識別情報により、前記メッセージ記憶部から選択されたメッセージにより応答する構成としてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の側面は、電話装置の応答制御方法であって、通話先の識別情報を記憶部に記憶するステップと、複数の応答パターンを応答パターン記憶部に記憶するステップと、前記識別情報毎に前記応答パターンを設定し、着信により取得した通話先の識別情報が前記記憶部にある場合、その識別情報に設定された前記応答パターンを以て応答するステップと、着信中に操作される操作ボタンの選択操作に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択するステップとを含む構成である。斯かる構成によっても、上記目的を達成することができる。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第3の側面は、コンピュータにより実行される、電話装置の応答制御プログラムであって、通話先の識別情報を記憶部に記憶するステップと、複数の応答パターンを応答パターン記憶部に記憶するステップと、前記識別情報毎に前記応答パターンを設定し、着信により取得した通話先の識別情報が前記記憶部にある場合、その識別情報に設定された前記応答パターンを以て応答するステップと、着信中に操作される操作ボタンの選択操作に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択するステップとを含む構成である。斯かる構成によっても、上記目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0018】
(1) 受信者は多様な自動応答の応答パターンを選択することにより設定でき、迷惑電話の回避等、応答の容易化が図られる。
【0019】
(2) 応答パターンやメッセージは、通話中にも、発信者に対応して設定することができ、次回の着信からその応答パターンによる応答やメッセージを送出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態に係る電話装置の構成を示すブロック図である。
【図2】記憶部の構成例を示すブロック図である。
【図3】電話装置の構成例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第3の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第4の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】表示部のガイダンス表示を示す図である。
【図9】第5の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】第6の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第7の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】第8の実施の形態に係る電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】その他の実施の形態に係る電話装置を示すブロック図である。
【図14】その他の実施の形態に係る電話装置を示す図である。
【図15】その他の実施の形態に係る携帯電話装置を示すブロック図である。
【図16】その他の実施の形態に係る携帯電話装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1の実施の形態〕
【0022】
本発明の第1の実施の形態について、図1、図2、図3及び図4を参照して説明する。図1は、電話装置の構成を示すブロック図、図2は、記憶部の構成例を示すブロック図、図3は、電話装置の構成例を示す図、図4は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0023】
この電話装置2は、送受信部4、制御部6、記憶部8、表示部10、操作入力部12、音声処理部14等を備え、発信者側から通知される電話番号等の識別情報に対応した応答パターンにより自動応答を実現したものである。
【0024】
送受信部4は、電話回線16に接続されて制御部6により制御され、基地局からの受話信号を受信するとともに、送話信号を電話回線16に送出する。即ち、この送受信部4を通して応答パターンにおける音声応答やメッセージ送出が行われる。
【0025】
制御部6はCPU(Central Processing Unit )等を備えるコンピュータシステムで構成され、記憶部8に記憶したプログラムの実行により、後述の複数の応答パターンから選択された応答パターンや、複数のメッセージから選択されたメッセージによる自動応答、記憶部8に対する電話番号等の識別情報の書込み制御、記憶部8にある識別情報から発信者を特定する検索処理、不在(留守番)応答及び受話音声の録音制御等の制御を行う。従って、この制御部6は、応答部、応答パターン設定部及び応答パターン選択部、メッセージ選択部、書込み部等の各種の機能部として構成されている。
【0026】
記憶部8は、各種プログラム、識別情報、応答パターン、メッセージ等を記録する記録媒体であって、例えば、図2に示すように、ROM(Read-Only Memory)82、RAM(Random-Access Memory)84、不揮発性メモリ86等を備えている。ROM82には、オペレーティングシステム(OS)の他、応答制御プログラム822、その他のプログラム824が格納されている。RAM84は、ワークエリアとして用いられる。不揮発性メモリ86には、識別情報記憶部として、電話番号記憶領域862、各種の応答パターンを記憶する応答パターン記憶領域864、応答メッセージを記憶するメッセージ記憶領域866、不在時の音声を録音する録音領域868等が設定されている。
【0027】
表示部10は例えば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成され、制御部6の表示制御により、発信先から通知された電話番号等の識別情報、入力電話番号表示、選択される応答パターンやメッセージが文字や記号によって表示される。
【0028】
操作入力部12は例えば、キーボードで構成され、この実施の形態では、テンキー122、応答パターンを選択する操作ボタンとして迷惑キー124等を備えている。例えば、迷惑キー124の操作によって応答パターンが選択され、選択された応答パターンに対応して複数のメッセージから特定のメッセージがテンキー122の操作によって選択される。
【0029】
音声処理部14は制御部6によって制御され、受話器18及びスピーカ20を備えて送話信号の入力、受話信号の送出等を行う。受話器18はマイクロフォン182、スピーカ184を備え、スピーカ20は電話装置2の本体側に設置されている。例えば、スピーカ20は、受話器18が本体側に置かれていれば、フックスイッチにより音声出力状態となる。また、この音声処理部14は、制御部6から着信呼出音信号を受け、スピーカ20から再生させる。
【0030】
そして、この電話装置2には、図3に示すように、装置本体22の前面部に受話器18の着脱部24が形成されているとともに、表示部10、操作入力部12のテンキー122、迷惑キー124、再生キー126、留守キー128、スピーカ20等が設置されている。この場合、着脱部24にはフックスイッチが備えられている。
【0031】
次に、この電話装置2の動作を説明する。
【0032】
電話装置2は、電源投入により、待受け状態となる。この場合、応答制御の処理手順は、図4に示すように、電話装置2が待受け状態(ステップS1)から着信に移行し(ステップS2)、発信先から識別情報として電話番号が通知されると、その電話番号が電話番号記憶領域862にあるか否か、即ち、既知の電話番号か否かを判断する(ステップS3)。発信者の電話番号が電話番号記憶領域862にある場合には、着信応答を行う(ステップS4)。この着信応答は、電話番号に対して予め設定された応答パターンにより行われる。
【0033】
発信者の電話番号が電話番号記憶領域862に登録されていなければ、受話器18を挙げ、通話を開始し(ステップS5)、受信者が発信者に対して何らかの対応が必要であると判断すれば、操作入力部12にある例えば、迷惑キー124を押下する。そこで、キー入力があったか否かが判断され(ステップS6)、キー入力があれば(ステップS6のYES)、着信応答の設定が行われ(ステップS7)、ステップS6に戻る。この着信応答の設定では、着信により取得された発信者の電話番号、その電話番号に対する応答パターンが設定される。応答パターンの選択は、迷惑キー124の押下回数や、各応答パターンに対応させたテンキー122を選択して押下すればよい。
【0034】
そして、キー入力がなければ(ステップS6のNO)、そのまま通話を終了し(ステップS8)、受話器18を下ろすことにより、ステップS1の待受け状態に復帰する。
【0035】
ところで、ステップS7の着信応答設定は、通話中、待機状態に維持されているので(ステップS6、S7)、通話中に何度も異なる応答パターンに変更し、設定することが可能であり、予め定められた複数の着信応答パターンの中から適当と思われるものを選択することができる。
【0036】
発信者の電話番号に対し、発信者に応じた応答パターンの選択(又は未選択)の後、通話を終了し(ステップS8)、待受け状態(ステップS1)に戻る。
【0037】
このような応答設定がされた電話装置2では、次回の着信から電話番号に応じた応答形態が取られることになる。
【0038】
ステップS7で設定される応答パターンを例示すれば次の通りである。
【0039】
(1) 応答パターン1(無鳴動モード)
この応答パターン1は、発信者には呼出し音が発生(鳴動)しているように聞こえ、着信側の電話装置2は、呼出し音の発生はなく、発信者には受信者が留守であると判断させるモードである。
【0040】
(2) 応答パターン2(着信拒否の応答メッセージモード)
この応答パターン2は、発信者に対し、発信者の番号が拒否されていることを予め保存又は別途保存した音声にてアナウンスするモードである。また、この応答パターン2には複数のモードを設定し、複数の着信メッセージから状況に合った一つのメッセージを選択することも可能である。例えば、「電話をお受けすることができません」、「現在留守にしております。再度お電話をお願い致します」等のモード選択を可能とする。
【0041】
(3) 応答パターン3(留守番電話モード)
この応答パターン3は、留守番電話機能を機能させ、発信者のメッセージを内部のメッセージ記憶領域866に保存するモードである。
【0042】
(4) 応答パターン4(着信切断モード)
この応答パターン4は、発信者に対し、着信と同時に即座に電話回線を切断するモードである。
【0043】
この場合、迷惑キー124を押すことにより、上記着信応答パターンを循環的に選択(サイクリック選択)、即ち、押下回数で上記応答パターンを選択することが可能となる。
【0044】
このような種々のモードが設定されたことにより、次のような対応が可能であり、例えば、ストーカー行為等や執拗な電話勧誘等には応答パターン2、4の選択、その他応答パターン1、3の選択等、通話の質や通話相手に応じた対応が可能となろう。特に、電話番号の変更では効果のない執拗な発信者の撃退にはこれらの組み合わせ等が効果的であろう。
【0045】
このような応答パターンの選択を通話中のキー操作により行え、発信者に対して次回から着信拒否を含む着信応答を簡単な方法で設定することが可能であり、迷惑電話を撃退するための面倒な電話番号登録作業や設定が不要であり、着信者の迷惑電話に対する臨機応変な対応が可能である。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
【0047】
本発明の第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。図5は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。図5において、図4と同一部分には同一符号を付してある。
【0048】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0049】
この実施の形態では、迷惑キー124に既述の応答パターン1〜4の選択キーが割り付けられており、その押下回数によって応答パターン1〜4が選択される構成である。
【0050】
そこで、ステップS5において、通話中、迷惑キー124からのキー入力があれば(ステップS6のYES)、そのキーの押下回数が判定され(ステップS71)、迷惑キー124の1回目の押下で(ステップS72)、応答パターン1が設定され(ステップS73)、迷惑キー124の2回目の押下で(ステップS74)、応答パターン2が設定され(ステップS75)、迷惑キー124の3回目の押下で(ステップS76)、応答パターン3が設定され(ステップS77)、迷惑キー124の4回目の押下で(ステップS78)、応答パターン4が設定される(ステップS79)。
【0051】
この場合、キーの押下回数が5回になると、応答パターン1に戻り、通話中であれば、受信者の意思により、所望の応答パターン1〜4に設定することができる。これら応答パターン1〜4は、現在、通話中の電話番号に対して設定され、応答パターン記憶領域864に格納される。
【0052】
このような応答パターン1〜4が設定された電話番号の着信があれば、設定された応答パターン1〜4で自動応答することができる。
【0053】
従って、この実施の形態によっても、面倒な迷惑電話の電話番号登録作業や設定を行うことなく、様々な迷惑電話に対する設定が可能となり、着信者の迷惑電話に対する臨機応変な対応を取ることができる。
【0054】
〔第3の実施の形態〕
【0055】
本発明の第3の実施の形態について、図6を参照して説明する。図6は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0057】
この実施の形態では、図6に示すように、着信した電話番号が電話番号記憶領域862に無い場合には、通話の完了後(ステップS11)、一つ又は複数の操作ボタンを押すことにより(ステップS12)、着信応答設定をすることができる(ステップS13)。この着信応答設定では、既述した通り、複数の応答パターン1〜4から、所望する応答パターン1〜4を選択し、設定する。
【0058】
この処理は所定時間内に行えばよく(ステップS14のNO)、ステップS12において、操作ボタンが押下されず、所定時間が経過した場合には(ステップS14のYES)、この処理を終了する。
【0059】
また、この処理は、通話中に応答パターン1〜4の選択、判断ができなかった場合には、通話後、迷惑キー124を押下することにより、通話先の電話番号に対して応答パターン1〜4の何れかを設定することができる。
【0060】
〔第4の実施の形態〕
【0061】
本発明の第4の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャート、図8は、表示部のガイダンス表示を示す図である。図8において、図1及び図3と同一部分には同一符号を付してある。
【0062】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0063】
この実施の形態では、通話後、着信した電話番号が電話番号記憶領域862にあるか否かを判定し(ステップS21)、その電話番号が電話番号記憶領域862に無かった場合には、電話回線16を切断した直後に、表示部10にガイダンスを表示し(ステップS22)、そのガイダンス表示に従って着信応答設定(ステップS23)を行うことができる。
【0064】
この場合、ガイダンス表示として、例えば、図8に示すように、表示部10の表示画面26にメッセージ28として「迷惑キーを押下して着信設定を選択して下さい」と表示すれば、ユーザはその表示に従って容易に着信応答設定をすることができる。
【0065】
〔第5の実施の形態〕
【0066】
本発明の第5の実施の形態について、図9を参照して説明する。図9は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0068】
通話完了後、通話先の電話番号が電話番号記憶領域862にあるか否かを判断し(ステップS31)、その電話番号が電話番号記憶領域862になければ、音声ガイダンスを行い(ステップS32)、この音声ガイダンスでは、その旨及び「迷惑キーを押下して着信設定を選択して下さい」をスピーカ20より出力させる。この音声ガイダンスにガイドされ、ユーザは容易に着信応答設定(ステップS33)を行うことができる。
【0069】
〔第6の実施の形態〕
【0070】
本発明の第6の実施の形態について、図10を参照して説明する。図10は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0072】
この実施の形態は、不在着信により、着信履歴が存在する場合の処理である。そこで、この場合、着信履歴があるか否かを判断し(ステップS41)、着信履歴があれば(ステップS41のYES)、音声又は表示によりガイダンスを生起させ(ステップS42)、そのガイダンスから電話番号を選択し(ステップS43)、その電話番号に対して着信応答設定(ステップS44)をする。このような処理によれば、過去の着信履歴に遡って電話番号を選択し、応答パターン1〜4の設定をすることができる。
【0073】
〔第7の実施の形態〕
【0074】
本発明の第7の実施の形態について、図11を参照して説明する。図11は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0076】
この実施の形態の処理は、応答パターンの選択と相俟ってメッセージを選択して設定する処理である。そこで、通話中であるか否かが判定され(ステップS51)、通話中である場合、マークボタンとして迷惑キー124が押下されたか否かを判断し(ステップS52)、迷惑キー124が押下されれば(ステップS52のYES)、応答パターン2(着信拒否選択モード)が選択される(ステップS53)。
【0077】
この応答パターン2において、他のボタンが押下されたか否かが監視され(ステップS54)、テンキー122の数字キー1〜4に異なるメッセージが割り付けられているものとすれば、数字キー1〜4の選択により、所望のメッセージが選択される。この場合、メッセージは表示部10に表示し(ステップS55)、複数の着信応答メッセージから所望の着信応答メッセージを選択し(ステップS56)、このメッセージが通話中の電話番号に設定される(ステップS57)。
【0078】
〔第8の実施の形態〕
【0079】
本発明の第8の実施の形態について、図12を参照して説明する。図12は、電話装置の応答制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
この実施の形態においても、図1及び図3に示す電話装置2、図2に示す記憶部8を用いる。
【0081】
この実施の形態では、通話を終了して電話回線16を切断し(ステップS61)、マークボタンとして迷惑キー124等の押下が監視され(ステップS62)、迷惑キー124の押下により、表示又は音声によるガイダンスを生じ(ステップS63)、そのガイダンスから所望の応答パターン1〜4を選択し(ステップS64)、通話した電話番号に対して応答パターン1〜4が設定される(ステップS65)。
【0082】
このような構成によっても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
【0083】
〔その他の実施の形態〕
【0084】
(1) 本発明は、図13及び図14に示すように、ファクシミリ機能部30を備える電話装置2に適用してもよく、同様の効果が得られる。図13及び図14において、図1及び図3と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0085】
(2) 上記実施の形態では、有線電話を例示したが、本発明は、例えば、図15及び図16に示すように、無線電話装置として例えば、携帯電話装置32に適用してもよい。携帯電話装置32では、図15に示すように、送受信部34にアンテナ36を備え、無線信号によって基地局と通信する構成である。
【0086】
この携帯電話装置32は、図16に示すように、筐体部38、40をヒンジ部42で連結して開閉可能に構成され、筐体部38には、操作入力部12やスピーカ20等が設置され、筐体部40には、表示部10等が設置されている。
【0087】
(3) 上記実施の形態では、迷惑キー124の押下回数によって応答パターン1〜4を選択しているが、迷惑キー124の押下を応答パターンの選択の契機とし、応答パターンの選択には、予め割り付けられた数字キー等、他のキーを以て選択する構成としてもよい。
【0088】
(4) 上記実施の形態では、応答パターン1〜4を選択し、設定する構成としているが、応答パターンとしては、これ以外の応答パターンを設定してもよく、4未満の応答パターンを設定する構成としてもよい。
【0089】
次に、以上述べた本発明の実施の形態から抽出される技術的思想を請求項の記載形式に準じて付記として列挙する。本発明に係る技術的思想は上位概念から下位概念まで、様々なレベルやバリエーションにより把握できるものであり、以下の付記に本発明が限定されるものではない。
【0090】
(付記1) 通話先の識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
識別情報毎に応答パターンが設定され、着信により取得した通話先の識別情報が前記識別情報記憶部にある場合、その識別情報に設定された応答パターンを以て応答する応答部と、
着信中に操作される操作ボタンと、
着信中、前記操作ボタンの操作により、前記識別情報を前記識別情報記憶部に書き込む書込み部と、
を備えることを特徴とする電話装置。
【0091】
(付記2) 付記1の電話装置において、
前記応答パターンは、着信拒否、着信後応答拒否、回線切断、自動着信後メッセージ応答、不在応答又は着信後録音の何れかを含むことを特徴とする電話装置。
【0092】
(付記3) 付記1の電話装置において、
着信中、前記操作ボタンの操作により、前記識別情報に前記応答パターンを設定する応答パターン設定部を備えることを特徴とする電話装置。
【0093】
(付記4) 付記1の電話装置において、
着信中、前記操作ボタンの操作により、前記識別情報に対応するメッセージを設定するメッセージ設定部を備えることを特徴とする電話装置。
【0094】
(付記5) 付記1の電話装置において、
識別情報毎に複数の応答パターンを記憶する応答パターン記憶部を備えることを特徴とする電話装置。
【0095】
(付記6) 付記1の電話装置において、
複数の応答パターンを記憶する応答パターン記憶部と、
前記操作ボタンの選択操作又は操作回数に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択する応答パターン選択部と、
を備えることを特徴とする電話装置。
【0096】
(付記7) 付記1の電話装置において、
前記応答パターンに応じて選択されるメッセージを記憶するメッセージ記憶部を備え、前記応答部は、前記識別情報により、前記メッセージ記憶部から選択されたメッセージにより応答することを特徴とする電話装置。
【0097】
(付記8) 付記1の電話装置において、
前記識別情報は、電話番号であることを特徴とする電話装置。
【0098】
(付記9) 通話先の識別情報を記憶部に記憶するステップと、
前記識別情報毎に応答パターンを設定し、着信により取得した通話先の識別情報が前記記憶部にある場合、その識別情報に設定された応答パターンを以て応答するステップと、
着信中、操作ボタンの操作を受け、前記識別情報を前記記憶部に書き込むステップと、
を含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【0099】
(付記10) 付記9の電話装置の応答制御方法において、
着信中、前記操作ボタンの操作を受け、前記識別情報に前記応答パターンを設定するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【0100】
(付記11) 付記9の電話装置の応答制御方法において、
着信中、前記操作ボタンの操作を受け、前記識別情報に対応するメッセージを設定するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【0101】
(付記12) 付記9の電話装置の応答制御方法において、
識別情報毎に複数の応答パターンを記憶部に記憶するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【0102】
(付記13) 付記9の電話装置の応答制御方法において、
前記操作ボタンの選択操作又は操作回数により、記憶部から応答パターンを選択するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【0103】
(付記14) 付記9の電話装置の応答制御方法において、
前記応答パターンに応じて選択されるメッセージを記憶するステップと、
前記識別情報により、選択された前記メッセージにより応答するステップと、
を含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【0104】
(付記15) コンピュータにより実行される、電話装置の応答制御プログラムであって、
通話先の識別情報を記憶部に記憶するステップと、
前記識別情報毎に応答パターンを設定し、着信により取得した通話先の識別情報が前記記憶部にある場合、その識別情報に設定された応答パターンを以て応答するステップと、
着信中、操作ボタンの操作を受け、前記識別情報を前記記憶部に書き込むステップと、
を含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。
【0105】
(付記16) 付記15の電話装置の応答制御プログラムにおいて、
着信中、前記操作ボタンの操作を受け、前記識別情報に前記応答パターンを設定するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。
【0106】
(付記17) 付記15の電話装置の応答制御プログラムにおいて、
着信中、前記操作ボタンの操作を受け、前記識別情報に対応するメッセージを設定するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。
【0107】
(付記18) 付記15の電話装置の応答制御プログラムにおいて、
識別情報毎に複数の応答パターンを記憶部に記憶するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。
【0108】
(付記19) 付記15の電話装置の応答制御プログラムにおいて、
前記操作ボタンの選択操作又は操作回数により、記憶部から応答パターンを選択するステップを含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。
【0109】
(付記20) 付記15の電話装置の応答制御プログラムにおいて、
前記応答パターンに応じて選択されるメッセージを記憶するステップと、
前記識別情報により、選択された前記メッセージにより応答するステップと、
を含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。
【0110】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によれば、電話番号等の識別情報を利用する電話装置の応答制御に関し、識別情報に対応して所望の応答パターンやメッセージを設定でき、しかも、その設定は、通話中に行うことができ、迷惑電話等に対する対策として有用である。
【符号の説明】
【0112】
2 電話装置
6 制御部
8 記憶部
82 ROM
822 応答制御プログラム
862 電話番号記憶領域
864 応答パターン記憶領域
866 メッセージ記憶領域
124 迷惑キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話先の識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
複数の応答パターンを記憶する応答パターン記憶部と、
識別情報毎に前記応答パターンが設定され、着信により取得した通話先の識別情報が前記識別情報記憶部にある場合、その識別情報に設定された前記応答パターンを以て応答する応答部と、
着信中に操作される操作ボタンと、
前記操作ボタンの選択操作に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択する応答パターン選択部と、
を備えることを特徴とする電話装置。
【請求項2】
請求項1の電話装置において、
前記応答パターンは、着信拒否、着信後応答拒否、回線切断、自動着信後メッセージ応答、不在応答又は着信後録音の何れかを含むことを特徴とする電話装置。
【請求項3】
請求項1の電話装置において、
着信中、前記操作ボタンの操作により、前記識別情報に前記応答パターンを設定するパターン設定部を備えることを特徴とする電話装置。
【請求項4】
請求項1の電話装置において、
前記応答パターンに応じて選択されるメッセージを記憶するメッセージ記憶部を備え、
前記応答部は、前記識別情報により、前記メッセージ記憶部から選択されたメッセージにより応答することを特徴とする電話装置。
【請求項5】
通話先の識別情報を記憶部に記憶するステップと、
複数の応答パターンを応答パターン記憶部に記憶するステップと、
前記識別情報毎に前記応答パターンを設定し、着信により取得した通話先の識別情報が前記記憶部にある場合、その識別情報に設定された前記応答パターンを以て応答するステップと、
着信中に操作される操作ボタンの選択操作に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択するステップと、
を含むことを特徴とする電話装置の応答制御方法。
【請求項6】
コンピュータにより実行される、電話装置の応答制御プログラムであって、
通話先の識別情報を記憶部に記憶するステップと、
複数の応答パターンを応答パターン記憶部に記憶するステップと、
前記識別情報毎に前記応答パターンを設定し、着信により取得した通話先の識別情報が前記記憶部にある場合、その識別情報に設定された前記応答パターンを以て応答するステップと、
着信中に操作される操作ボタンの選択操作に応じて前記応答パターン記憶部から前記応答パターンを選択するステップと、
を含むことを特徴とする電話装置の応答制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−250483(P2011−250483A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200604(P2011−200604)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【分割の表示】特願2006−83553(P2006−83553)の分割
【原出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】