説明

電離放射線下での架橋により布基材を機能化する方法

本発明は、活性成分を用いて布基材を機能化する方法であって、膜内に活性成分を含むマイクロカプセル製剤を調製する工程であって、この膜が、電離放射線下で反応する反応基の一種を含む材料をベースとしており、この製剤が、電離放射線下で反応する反応基を2種類有する架橋結合剤を少なくとも1つ含む、工程と、布基材にマイクロカプセル製剤を含浸させる工程と、含浸した布基材に電離放射線を照射して反応基を反応させ、基材上にマイクロカプセルを架橋結合する工程とを包含する、方法に関する。本発明はまた、この方法によって得られる、機能化された布基材、およびこの布基材で作られた布製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、活性成分を用いて布基材を機能化する方法、この方法を用いて機能化された布基材、およびこの布基材で作られた布製品に関する。
【0002】
本発明は、同じ温度調節特性を与えるための布基材の機能化に、特に適用される。このために、相変化材料組成を有するマイクロカプセルを布基材に固定することが知られている。実際に、この布基材は、材料の相が変化する間の熱エネルギーの吸収−返還を使って、温度変化を遅らせ、温度快適性を提供することができる。
【0003】
マイクロカプセルを布基材に固定するために、マイクロカプセルが分散されているポリマー結合剤層のコーティングが知られており、特に、文献EP−0 0611 330に記載されている。この結合剤は布基材に接着されている。
【0004】
しかし、結合剤層が存在するため、この解決法は布基材の柔軟性の観点では完全に満足であるとはいえない。しかも、コーティングされた布基材の重量はひどく増加する。最後に、結合剤層は気密であるため、布基材の通気性も悪化する。これらの全ての制限から、この布基材では、好適な布製品、とくに人間の体に近接して着用される布製品を作ることができない。
【0005】
また、文献EP−1 275 769に、個々のマイクロカプセルを布基材に固定する方法が記載されている。このために、マイクロカプセルを固定剤で分散し、この分散を布基材に含浸させる。そして、紫外線を照射し、固定剤を活性化させて、個々のマイクロカプセルが確実に布基材に固定されるようにする。
【0006】
この方法は、上述の方法の問題を解決するが、固定することができるマイクロカプセルの量に関して限界がある。
【0007】
本発明の目的は、布基材の柔軟性と通気性とを大幅に制限することなく、活性成分を大量に組み込むことができる、布基材の機能化の方法を提案し、先行技術の不利な点を改善することである。
【0008】
この目的を達成するために、第一の実施形態によれば、本発明は、活性成分を用いて布基材を機能化する方法であって、
−膜内に活性成分を含むマイクロカプセル製剤を調製する工程であって、該膜が、電離放射線で反応する反応基の一種を含む材料をベースとしており、該製剤がさらに、電離放射線で反応する反応基を2種類有する架橋剤を少なくとも1つ含む、工程と、
−布基材に前記マイクロカプセル製剤を含浸させる工程と、
−含浸した布基材に電離放射線を照射し、反応基を反応させて、前記基材上に前記マイクロカプセルを架橋する工程とを包含する、方法を提案する。
【0009】
第二の実施形態によれば、このような方法によって機能化された布基材であって、前記基材は、前記活性成分を含む10g/mを超える量のマイクロカプセルが組み込まれており、前記マイクロカプセルが、該マイクロカプセルの膜と該基材の繊維との間の架橋により結合されている、布基材を提案する。
【0010】
第三の実施形態によれば、本発明は、このような布基材で作られた布製品であって、前記布基材の片側には内側繊維層を含み、該基材のもう一方の側には一定の空気量を捕捉するように作られた外側繊維層を含む、布製品を提案する。
【0011】
本発明のその他の特異性と有利な点は、後述の、様々な具体例についての説明によって明らかになるであろう。
【0012】
本発明は、活性成分を使用して布基材を機能化する方法に関する。特に、活性物質が布基材に温度調節特性を与えることが可能であってよい。他の用途では、この活性物質が、例えば衛生または快適性に関連する他の機能を持っていてもよい。実施形態の例では、この活性物質は、エッセンシャルオイル(特に呼吸を向上させるため)、香料、防虫剤(特に蚊に対するもの)、伝導性電荷または帯電防止電荷、銀塩などの静菌剤、防臭剤を含んでいてもよい。
【0013】
この方法は、活性成分を膜内に含むマイクロカプセル製剤を調製することを想定しており、マイクロカプセルの大きさは20μm未満、特に平均1μmと10μmとの間である。
【0014】
以下に記載する製剤では、活性物質は、人間の体温近傍での温度調整を確実にするために、融点が15℃と38℃との間、選択的には22℃と35℃との間である相変化材料を含む。
【0015】
従来の方法を用いれば、この組成物はパラフィンをベースとしていてもよく、特に所望の融点に従って炭素原子数が16から22である。このようにすると、大気の温度が上昇したときは、組成物の液化によって準一定の温度での熱エネルギーの吸収が可能になり、大気の温度が下降したときは、前記組成物の固化によって熱エネルギーが元に戻る。別の実施形態では、特に非火気用途向けに、パラフィンを含まない耐火性の相変化材料を使用することができる。
【0016】
また、マイクロカプセルの膜は、電離放射線で反応する反応基型を有する材料をベースにしている。特に、このような基は、電離放射線の影響下で反応性遊離基を形成する不飽和結合を含んでもよい。実施形態の例において、電離放射線で反応する反応基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アミン基、アミド基、イミド基、ウレタン基、スチレン基からなる群から選択される。別の実施形態では、膜は、電離放射線で反応する反応基を数種含んでもよい。
【0017】
記載された製剤は2種類のマイクロカプセルを含む。それぞれの種類のマイクロカプセルの相変化材料同士は融点が互いに異なる。特に、両種類のマイクロカプセルは、参考のBASFのLurapret TX PMC 28とLurapret TX PMC 35とでもよく、Lurapret TX PMC 28の融点は28℃、Lurapret TX PMC 35の融点は35℃である。この目的のため、相変化材料はそれぞれn−オクタデカンおよびn−エイコサンであり、熱量保存量または返還量はおよそ170J/gである。また、マイクロカプセルの膜は、電離放射線で反応する反応性アクリレート基を含むポリメタクリル酸メチル(PMMA)をベースとしている。
【0018】
マイクロカプセル製剤はまた、電離放射線で反応する反応基を2種類有する架橋剤を少なくとも1つ含み、該種類は任意で同一または異なるものである。膜については、電離放射線で反応する反応基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アミン基、アミド基、イミド基、ウレタン基、スチレン基からなる群より選択される。また、少なくともいくつかの反応基は、熱反応性であるように選択されてもよい。
【0019】
より具体的には、マイクロカプセル製剤は、架橋剤の混合物を含んでいてもよく、特に、アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジル(AGLY、MAGLY)、ポリエチレングリコール200、400、600ジアクリレート(PEG200 DA、PEG400 DA、PEG600 DA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、スルホプロピルメタクリレートカリウム(SPMK)、ラウリルメタクリレートまたはアクリレートからなる群より選択される。
【0020】
特に、AGLYまたはMAGLYは、エポキシ基とアクリレートまたはメタクリレート基とをもつ二官能性架橋剤であり、PEG DAは、マイクロカプセルと繊維との間の結合鎖を延ばすことによって架橋をおこなう一因となる二官能性内部可塑剤である。したがって、2種類の架橋剤を組み合わせて使用することにより、マイクロカプセル沈着の柔軟性を高めることができる。
【0021】
架橋剤とマイクロカプセルとの質量比は、選択的には0.5未満、とくに0.10と0.30との間である。
【0022】
また、マイクロカプセル製剤は、溶媒(特に水)に分散されたマイクロカプセルを、30重量%と60重量%との間、とくに40重量%と50重量%との間の量含んでいてもよい。マイクロカプセル製剤はまた、分散の安定性を高める薬剤を少なくとも1つ含んでいてもよい。この薬剤としては例えば、電離放射線で反応するアニオン性単量体であるスルホプロピルメタクリレート(SPM)もしくはスルホプロピルアクリレート(SPA)、または、マイクロカプセルと基材との間の架橋を行う際に架橋剤によってマイクロカプセルがよく湿るようにする、アクリルラテックス(HYCAR 26319の商標名で販売されているものなど)が挙げられる。別の実施形態では、前記薬剤はゲル状のポリアクリレート、またはポリウレタンの分散でもよい。
【0023】
次に、本方法は、マイクロカプセル製剤を布基材に含浸させることを想定している。この含浸は、パディング法で行ってもよい。このパディング法の条件および布基材の特性は、この布基材内に、少なくとも80重量%、選択的には150重量%のマイクロカプセル製剤を上昇させるように適合させられている。このようにして、製剤を非常に高いマイクロカプセル含有量および高い上昇率と組み合わせることで、異なる反応基を用いて、大量のマイクロカプセルを布基材に固定することが可能である。
【0024】
特に、マイクロカプセル製剤は、特に、イソプロパノールなどの液化剤を前記製剤に加えることによって揺変性でもよく、その粘度は130mPa・sから150mPa・sの間である。また、布基材は親水性繊維をベースとしていてもよい。このようにすると、含浸中に、製剤をよく湿らすことができ、布基材において十分に製剤を上昇させることができる。
【0025】
また、布基材において、均一な浸透を伴うマイクロカプセル製剤の高い上昇とマイクロカプセル製剤の分配を可能にするため、パディング法を行う間のカレンダー圧力は比較的低く、特に、およそ1バールから2バールである。実施形態の一例では、布基材に含浸された製剤の量は、単位面積質量が50g/m(50g/mを超えてもよい)であり、とくに50g/mと150g/mとの間である。
【0026】
含浸後、布基材を乾燥させてもよく、乾燥は特に、含浸した布基材に電離放射線を照射する前に赤外線ランプで行う。乾燥はまた、布基材におけるマイクロカプセル製剤の熱処理を可能にする。別の実施形態では、熱処理は電離放射線の照射後に行ってもよく、熱反応性架橋剤を反応させることでマイクロカプセルの処理を完了させるために、例えば100℃から140℃の範囲の温度で行われる。
【0027】
放射線の強さと照射時間は、反応基を活性化して前記基材上のマイクロカプセルを確実に架橋するように設定される。一実施形態によれば、電離放射線は電子加速器から発生するイオン衝撃であり、一回または二回以上のパッセージで行ってもよく、とくに布基材の片側に対して一回のパッセージで行う。また、電離放射線の強さと、様々な反応基の存在との組み合わせにより、大量のマイクロカプセルを布基材に固定することができるようになる。
【0028】
また、膜の反応基と架橋剤との間の反応により、マイクロカプセルの膜と繊維との結合、マイクロカプセル同士の結合、そして任意で架橋剤同士の結合が可能になり、摩擦、および洗濯またはドライクリーニングに対する耐性をもつ、強固な三次元ネットワークが作り出される。
【0029】
最後に、布基材は洗浄および乾燥してもよく、また、後の使用に必要な他の処理を行ってもよい。
【0030】
一実施形態よれば、機能化の方法はまた、マイクロカプセル製剤を通さないという耐性を示す材料を調製する工程と、マイクロカプセルを布基材に含浸させる前に、布基材の表面の少なくとも1つの領域に耐性材料を塗布し、塗布後にその領域にマイクロカプセルが含浸されないようにする工程とを含む。
【0031】
本実施形態によって、マイクロカプセルを含まない領域が該基材の選択的な折り返し領域を形成することができるという点で、機能化された布基材の柔軟性を高めることができる。また、布基材のいくつかの領域は機能化される必要がない。実施形態の一例では、耐性材料を塗布した領域は、布基材の表面に二次元ネットワークを形成することができ、それは例えば長方形または他の形状の不連続な領域の形をとっている。有利には、耐性材料の塗布領域は、布基材の表面全体の5%から40%までを占めていてもよい。
【0032】
また、電離放射線を照射後、耐性材料の少なくとも一部は、マイクロカプセルを含まない領域を形成するために布基材の表面から取り除いてもよい。また、特に温水で洗って耐性材料を取り除くことで、電離放射線の照射中に固定されなかったマイクロカプセルを全て取り除くことができる。この目的のため、材料の溶解および続いて行われる材料の除去を促進する薬剤を少なくとも1つ想定することができる。この薬剤は例えば二酸化チタンおよび/または界面活性剤スルホン酸塩である。
【0033】
耐性材料の一部だけが表面から取り除かれると、特にマイクロカプセルを含む隣接領域間での熱の伝達または水分の伝達に関連して、残った材料の特性の恩恵をさらに受けることができる。
【0034】
一実施形態によれば、耐性材料は、少なくとも一部が加水分解されている、水に溶解しているポリビニルアルコール(PVA)をベースとしており、この溶液がマイクロカプセル製剤の抗接着剤をさらに含んでいる。また別の実施形態では、耐性材料はキトサンまたはキチン誘導体をベースとしている。例えば、抗接着剤はグリセロールであってもよく、材料の粘度は、それによって抗接着剤を閉じ込めて移動しないようにすることが想定される。特に、材料は揺変性で、50dPA.sから300dPA.sまでの粘度を示し、繊維をコーティングするために、布基材を介して移動するペースト状で塗布することができるようになっていてもよい。
【0035】
耐性材料は、セリグラフィーで塗布してもよく、その後、布基材にマイクロカプセル製剤を含浸させる前に、材料の少なくとも一部を乾燥させる。沈着された材料の量は5g/mと40g/mとの間であり得る。
【0036】
上述の方法の含浸により、活性成分を含む10g/mを超える量、特に40g/mを超える量のマイクロカプセルが組み込まれた布基材であって、マイクロカプセルが、このマイクロカプセルの膜と該基材の繊維との間の架橋により結合されている布基材を得ることができる。この温度調節布基材によって、5J/gから150J/gを超える熱エネルギーを吸収して回復することができる。
【0037】
実施形態の一例では、布基材は4dtex未満の適定量を有する親水性繊維をベースにしており、マイクロカプセル製剤の柔軟性および吸収性を促進する。
【0038】
特に、繊維はポリエステルまたはポリアミドをベースにしていてもよい。また別の実施形態では、ポリエステル繊維またはポリアミド繊維と、セルロース繊維(特に綿またはビスコース)とを、例えば80%/20%の重量割合で混合した混合物を想定することができる。
【0039】
布基材は、50g/m未満、特に30g/mと80g/mとの間の重さで、0.5mm未満の厚さの不織ラップを含んでいてもよい。ラップの繊維の長さは30mmから60mmの間であってもよい。ラップは注水によって、または耐久性および吸収性のあるラップを得ることができる他の手段(両面編み、適切な結合剤での化学結合、熱結合)によって結合されていてもよい。
【0040】
また、布基材は、機能化を行う前に、特に凝集力および/または湿潤性を高めるために、特定の処理を行ってもよい。また、想定される用途にしたがって、布基材はニットまたは織物で形成されていてもよい。
【0041】
この布基材は、相変化材料を含む活性成分によって機能化されると、温度調節を行うことができるようになる。特に、上述のように、提供される熱調節を高めるように、二種類のマイクロカプセルが布基材に組み込まれていてもよい。
【0042】
布基材は、布製品を作るために使用してもよく、特に枕、掛け布団などのベッドリネン、または衣服(特にスポーツまたは労働用)を作るために使用してもよい。
【0043】
とくに、布製品は、布基材の片側には内側繊維層を、該基材のもう一方の側には綿の詰め物層などの一定の空気量を捕捉するように作られた外側繊維層を有してもよい。このようにすると、内側層が体に面するように配置することで、温度調節機能が最大限に発揮される。また、布製品は、例えば親水性または多孔性疎水性の防水/通気性層を含んでもよい。この防水/通気性層は、液状の水が体に届くことを防いで体が呼吸できるようにするために、外側繊維層に設けられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分を用いて布基材を機能化する方法であって、
膜内に活性成分を含むマイクロカプセル製剤を調製する工程であって、該膜が、電離放射線で反応する反応基の一種を含む材料をベースとしており、該製剤がさらに、電離放射線で反応する反応基を2種類有する架橋剤を少なくとも1つ含む、工程と、
前記布基材に前記マイクロカプセル製剤を含浸させる工程と、
含浸した前記布基材に電離放射線を照射し、前記反応基を反応させて、前記基材上に前記マイクロカプセルを架橋する工程とを包含する、方法。
【請求項2】
前記マイクロカプセル製剤が、少なくとも1種の溶媒に溶解されている30重量%と60重量%との間の量のマイクロカプセルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マイクロカプセル製剤が分散の安定性を高める少なくとも一種の薬剤をさらに含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マイクロカプセル製剤が液化剤をさらに含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記架橋剤と前記マイクロカプセルとの質量比が0.10と0.30との間である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記電離放射線で反応する反応基が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アミン基、アミド基、イミド基、ウレタン基、スチレン基からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロカプセルの成分が、アクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジル(AGLYまたはMAGLY)、ポリエチレングリコール200、400、600ジアクリレート(PEG200 DA、PEG400 DA、PEG600 DA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、スルホプロピルメタクリレートカリウム(SPMK)、およびラウリルメタクリレートまたはアクリレートからなる群より選択される架橋剤の混合物を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マイクロカプセルの膜がポリメタクリル酸メチル(PMMA)をベースとしている、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記含浸がパディング法で行われ、前記パディング法の条件および前記布基材の特性が、前記布基材内に、少なくとも80重量%、選択的には150重量%のマイクロカプセル製剤を上昇させるように適合させられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
含浸した前記布基材を電離放射線照射前に乾燥させる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくともいくつかの基が熱反応性であって、該基を反応させることによってマイクロカプセルの熱固定を行う工程を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記電離放射線が電子衝撃である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
マイクロカプセル製剤を通さないという耐性を示す材料を調製する工程と、マイクロカプセルを布基材に含浸させる前に、
布基材の表面の少なくとも1つの領域に耐性材料を塗布し、塗布後にその領域にマイクロカプセルが含浸されないようにする工程とを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
電離放射線を照射後、前記耐性材料の少なくとも一部が、マイクロカプセルを含まない領域を形成するために前記布基材の表面から取り除かれ得る、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記耐性材料は、少なくとも一部が加水分解されている、水に溶解しているポリビニルアルコール(PVA)をベースとしており、この溶液が前記マイクロカプセル製剤に対する抗接着剤をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記耐性材料がセリグラフィーで塗布され、その後、前記布基材に前記マイクロカプセル製剤を含浸させる前に、前記耐性材料の少なくとも一部を乾燥させる、請求項13〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法によって機能化された布基材であって、
前記基材は、前記活性成分を含む10g/mを超える量のマイクロカプセルが組み込まれており、前記マイクロカプセルが、該マイクロカプセルの膜と該基材の繊維との間の架橋により結合されている、布基材。
【請求項18】
前記活性成分は、熱調節が確実に行われるように融点が設定されている相変化材料を含んでいる、請求項17に記載の布基材。
【請求項19】
2種類のマイクロカプセルが組み込まれており、それぞれの種類のマイクロカプセルの相変化材料同士は融点が互いに異なっている、請求項18に記載の布基材。
【請求項20】
請求項17〜19のいずれか1項に記載の布基材で作られた布製品であって、
前記布基材の片側には内側繊維層を含み、該基材のもう一方の側には一定の空気量を捕捉するように作られた外側繊維層を含む、布製品。

【公表番号】特表2010−515836(P2010−515836A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545209(P2009−545209)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000025
【国際公開番号】WO2008/099090
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(507191474)
【Fターム(参考)】