説明

霧化システム

【課題】超音波霧化装置Aを、複数の設備(遊技機等)が設置された施設(遊技店等)内に設置する場合に、その超音波霧化装置Aによる液体2の霧化量の調整を、施設の担当者を煩わせることなく木目細かく行って、液体2を無駄に霧化しないようにしつつ、十分な消臭効果や空気清浄効果が得られるようにする。
【解決手段】施設内に設置された複数の設備の各稼動状況情報を取得して該稼動状況情報の処理を行う情報処理装置(ターミナルコントローラ61)を利用して、超音波霧化装置Aの作動を制御することにより、前記稼動状況情報に応じて前記液体2の所定時間当たりの霧化量を自動的に変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の設備(遊技機等)が設置された施設(遊技店等)内に、消臭剤又は空気清浄化剤からなる液体の霧化により発生した霧を噴霧する超音波霧化装置を備えた霧化システムに関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液体を超音波の付与により霧化する超音波霧化装置はよく知られており、このものは、例えば特許文献1に示されているように、超音波振動子により超音波を発生させて、この超音波により液体にキャピラリー波を形成することで、液体を霧化するようになっている。
【0003】
前記のような超音波霧化装置を多数の客が集まる遊技店等の施設に設置して、消臭剤又は空気清浄化剤からなる液体の霧化により発生した霧を施設内に噴霧するようにすれば、タバコ臭等の不快な臭いが消され、この結果、タバコ臭が苦手な客も店内に入り易くなって客数が増えるという効果が得られる。
【特許文献1】特開2006−130393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の超音波霧化装置では、通常、施設の担当者(遊技店の店員等)が手動で霧化量の変更設定ができるようになっており、この霧化量設定に応じて、連続作動か間欠作動かを切り換えたり、超音波振動子に付与する電圧を切り換えたりして、所定時間(例えば1ないし2時間)当たりの霧化量を変更するようになっている。そして、施設の担当者が施設内における空気の汚れ等の状況に応じて、霧化量の変更設定を行うようにしている。
【0005】
しかし、担当者が手動で霧化量の変更設定する方法では、変更設定の操作が煩わしく、また、液体の霧化量を木目細かく設定することができず、霧化量を多く設定して液体を無駄に霧化したり、霧化量を少なく設定して十分な消臭効果や空気清浄効果が得られくなったりするという問題がある。
【0006】
尚、不快な臭いは、複数の物質が混じり合って発生するものであり、臭いの状態を機器によって直接測定することは困難であり、このため、消臭剤等を噴霧する霧化システムにおいては、例えばエアコンのように室温を検知してON/OFFを切り換えるといった制御は不可能である。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波霧化装置を遊技店等の施設内に設置する場合に、その超音波霧化装置による液体の霧化量の調整を、施設の担当者を煩わせることなく木目細かく行って、液体を無駄に霧化しないようにしつつ、十分な消臭効果や空気清浄効果が得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、この発明では、施設内に設置された複数の設備の各稼動状況情報を取得して該稼動状況情報の処理を行う情報処理装置(パチンコホール等の遊技店においては、ターミナルコントローラと呼ばれている)を利用して、超音波霧化装置の作動を制御することにより、前記稼動状況情報に応じて前記液体の所定時間当たりの霧化量を自動的に変化させるようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、施設内に設置された複数の設備の各稼動状況情報を取得して該稼動状況情報の処理を行う情報処理装置と、該情報処理装置により作動制御可能に構成され、消臭剤又は空気清浄化剤からなる液体の霧化により発生した霧を該施設内に噴霧する超音波霧化装置とを備えた霧化システムを対象とする。
【0010】
そして、前記超音波霧化装置は、前記液体の所定時間当たりの霧化量を変更可能に構成されており、前記情報処理装置は、前記超音波霧化装置の作動を制御することにより、前記稼動状況情報に応じて該超音波霧化装置による前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるように構成されているものとする。
【0011】
前記の構成により、稼動状況情報より、施設内において設備を稼動させている人の数(遊技店では、遊技機で遊戯している人の数)が分かり、その人数が多いときには、通常、タバコ臭等の不快な臭いがひどくなるので、液体の霧化量を多くすることで、素早く消臭したり浄化したりすることができ、人数が少ないときには、霧化量を少なくすることで、液体を無駄に霧化しないようにすることができる。また、パチンコホール等の遊技店においては、稼動状況情報より、大当たりや特賞が発生している遊技機の台数が分かり、そのような台数が多いと、通常、タバコを吸っている人が多いので、霧化量を多くすることで、素早く消臭したり浄化したりすることができる。したがって、超音波霧化装置による液体の霧化量の調整を、施設の担当者を煩わせることなく自動で木目細かく行うことができる。
【0012】
ここで、前記情報処理装置は、パチンコホール等の遊技店においては、通常、従来より設置されているものであって、遊技機の稼動状況情報の処理により各遊技機71の管理を初め、売上管理や各種分析を行えるようにするものであり、このような情報処理装置に超音波霧化装置を作動制御可能に接続するだけで、本発明の霧化システムを容易に構成することが可能である。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記情報処理装置は、前記稼動状況情報に基づいて、前記施設内の全設備に対する、稼動している施設の割合である稼動率を算出して、該稼動率に応じて前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるように構成されているものとする。
【0014】
このことで、稼動率により施設内の人数が的確に分かり、超音波霧化装置による液体の霧化量の調整を、より一層木目細かく行うことができるようになる。
【0015】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、前記情報処理装置は、前記稼動率に応じて前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を多量及び少量の2段階に変化させるとともに、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量が少量であるときにおいて、前記稼動率が第1所定値よりも大きくなったときには、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を多量にさせる一方、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量が多量であるときにおいて、前記稼動率が前記第1所定値よりも小さい第2所定値よりも小さくなったときには、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を少量にさせるように構成されているものとする。
【0016】
このことにより、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量の切換えにヒステリシスを持たせることで、霧化量が頻繁に切り換わるのを防止しつつ、最適な霧化量で効率良く消臭したり浄化したりすることができる。
【0017】
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれか1項の発明において、前記情報処理装置は、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量が互いに異なるように予め設定された複数の作動パターンの中から、前記稼動状況情報に応じて1つを選択して、該選択した作動パターンで前記超音波霧化装置を作動させるように構成されているものとする。
【0018】
このことにより、液体の霧化量を容易に変更することができる。また、複数の作動パターンとしては、連続作動及び間欠作動があり、間欠作動の場合には、実作動時間及び停止時間の少なくとも一方を異ならせることで、液体の所定時間当たりの霧化量を容易に異ならせることができる。また、連続作動であっても、超音波霧化装置の超音波振動子に付与する電圧を切り換えたり、電圧を付与する超音波振動子の数を変えたりすることで、液体の所定時間当たりの霧化量を異ならせることができる。この結果、超音波霧化装置による液体の霧化量の調整を、稼動状況に応じて木目細かく行うことが容易にできるようになる。
【0019】
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか1項の発明において、前記超音波霧化装置は、前記液体を収容するタンクと、該タンクに前記液体が補充されたことを検出する液体補充検出手段とを有し、前記情報処理装置は、前記超音波霧化装置の作動時間に基づいて、前記液体補充検出手段により前記液体の補充を検出してからの前記液体の累計霧化量を算出して、該累計霧化量が前記タンクの容量よりも小さい基準量以上になったときに、該情報処理装置に接続されたディスプレイに前記液体の補充を促す表示を行うように構成されているものとする。
【0020】
このことで、基準量をタンクの容量に近い値に設定しておくことで、タンク内の液体の残量(タンクの容量から基準量を引いた量)が少なくなったときに、ディスプレイに前記液体の補充を促す表示がなされるので、補充のタイミングが分かり、液体がない状態で超音波霧化装置が作動するのを防止することができる。
【0021】
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか1項の発明において、前記施設は、遊技店であり、前記設備は、遊技機であるものとする。
【0022】
すなわち、特に遊技店では、タバコ臭がひどくて効率良く消臭したり浄化したりすることが要求されるが、本発明の霧化システムでは、この要求を十分に満足させることができ、本発明の作用効果を有効に発揮させることができる。また、遊技店には、前記の如く、情報処理装置が設置されているので、簡単な構成で本発明の霧化システムを実現することができる。
【0023】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、前記情報処理装置は、前記遊技店の開店から一定時間が経過するまでの間は、前記稼動状況情報に関わらず、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を所定量以上にさせるように構成されているものとする。
【0024】
すなわち、遊技店では、閉店中は、通常、超音波霧化装置の作動を停止するので、開店当初(超音波霧化装置の作動開始当初)はタバコ臭等が残っている可能性がある一方、開店当初は遊技店内に多くの客が居る可能性が低く、稼動状況情報に応じて霧化量を変更したのでは、霧化量が少なくなる可能性が高くなる。しかし、本発明では、開店当初は、稼動状況情報に関わらず、液体の所定時間当たりの霧化量を所定量以上にするので、開店当初の不快な臭いを素早く消すことができる。
【0025】
請求項8の発明では、請求項6の発明において、前記情報処理装置は、前記稼動状況情報と前記遊技店の開店からの経過時間とに応じて、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるように構成されているものとする。
【0026】
このことにより、例えば、開店当初の霧化量を、稼動状況情報のみに応じた霧化量よりも多くし、その後、遊技店内にそれ程多くの客が居ない状態が開店から継続している場合には、開店からの経過時間に応じて霧化量を少なくしていくことができる。こうすれば、請求項7の発明と同様に開店当初の不快な臭いを素早く消すことができるとともに、開店当初に霧化量を多くしたことで、消臭効果や空気清浄効果が持続されるので、開店からの経過時間に応じて霧化量を少なくしていくことで、液体をより一層無駄に霧化しないようにしつつ、十分な消臭効果や空気清浄効果が得られるようにすることができる。また、例えば、開店から或る決まった経過時間に、大当たりや特賞が発生する遊技機の数が多くなる時間帯(タバコを吸う客が多くなる時間帯)となる場合、霧化量を、稼動状況情報のみに応じた霧化量よりも多くすることで、消臭効果や空気清浄効果をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、本発明の霧化システムによると、施設内に設置された複数の設備の各稼動状況情報を取得して該稼動状況情報の処理を行う情報処理装置が、超音波霧化装置の作動を制御することにより、前記稼動状況情報に応じて液体の所定時間当たりの霧化量を変化させるようにしたので、超音波霧化装置による液体の霧化量の調整を、施設の担当者を煩わせることなく自動で木目細かく行うことができ、液体を無駄に霧化しないようにしつつ、十分な消臭効果や空気清浄効果が得られるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係る霧化システムの全体構成を示し、この霧化システムは、本実施形態では、パチンコホールやゲームセンター等の遊技店に適用されたものである。
【0030】
前記霧化システムは、前記遊技店内に設置された複数の遊技機71(パチンコ遊技機やゲーム機等)の各稼動状況情報(遊技機71が客によって稼動されているか否か(遊技機71の前に遊戯中の客が居るか否か)の情報を初め、遊技機71の大当たり情報や特賞情報、玉貸情報等を含む)を取得して該稼動状況情報の処理を行う情報処理装置としてのターミナルコントローラ61を備えている。このターミナルコントローラ61には、キーボードやマウス等の入力手段62が接続されて、この入力手段62を介して遊技店の担当者が操作した内容の情報がターミナルコントローラ61に入力されるようになっている。また、ターミナルコントローラ61には、液晶表示器等のディスプレイ63が接続されて、このディスプレイ63に前記稼動状況情報の処理結果等が表示されるようになっている。さらに、ターミナルコントローラ61には、前記稼動状況情報や該稼動状況情報の処理結果情報を含む各種情報や、後述の超音波霧化装置Aの複数の作動パターンの情報、超音波霧化装置Aの実際の作動情報等を記憶するデータベース64が該情報の授受可能に接続されている。
【0031】
前記遊技店の担当者は、前記入力手段62による操作により、前記稼動状況情報の処理結果情報を前記ディスプレイ63に表示させるようにすることができ、これにより、各遊技機71の管理を行うことができるとともに、売上管理や各種分析を行うことができる。
【0032】
前記遊技店には、消臭剤又は空気清浄化剤からなる液体2(希釈液又は原液)の霧化により発生した霧(液滴)を該遊技店内に噴霧する超音波霧化装置Aが設置されている。この超音波霧化装置Aは、略矩形箱状の本体ケース1を備えており、この本体ケース1内の下部には、前記液体2が収容された水槽3が設けられており、該水槽3内の液体2を霧化するための超音波を発生する超音波振動子を含む霧化ユニット7が、複数個(本実施形態では、4つ)、水槽3内に臨むように配設されている。これら霧化ユニット7(超音波振動子)は、互いに独立に駆動することが可能になっている。
【0033】
前記霧化ユニット7の駆動により発生した霧は、ファン15による送風によって、前記本体ケース1の上面に形成された噴出し口21から遊技店内に噴き出すようになっている。尚、本体ケース1の側面の下部には、ファン15による送風用の空気を本体ケース1内に取り入れるための空気取入れ口40が設けられている。
【0034】
図示は省略するが、前記本体ケース1には、前記液体2を収容するタンクが本体ケース1に対して着脱可能に取り付けられている。このタンクから液体2が前記水槽3内に供給されるようになっている。そして、タンク内の液体2の残量が少なくなったとき(後述の如くディスプレイ63に、前記液体2の補充を促す表示がなされたとき)に、遊技店の担当者がタンクを本体ケース1から外して、不図示の供給口からタンク内に液体2を補給することができるようになっている。
【0035】
前記本体ケース1には、前記タンクの着脱に対応してON/OFFするタンク着脱スイッチ52が設けられており、このタンク着脱スイッチ52によるタンクの着脱情報が、後述の霧化装置制御ユニット51を介して前記ターミナルコントローラ61に入力されるようになっている。本実施形態では、タンクに前記液体2が補充されたことの検出を、前記タンク着脱スイッチ52によるタンクの装着の検出で代用している。このことで、タンク着脱スイッチは液体補充検出手段を構成することになる。尚、液体補充検出手段は、必ずしもタンク着脱スイッチにより構成する必要はなく、例えばタンク内の液体の量を検出するものであってもよい。
【0036】
前記本体ケース1内には、前記霧化ユニット7やファン15の駆動を制御する、マイクロプロセッサ−等を含む霧化装置制御ユニット51が設けられている(尚、図1では、便宜上、霧化装置制御ユニット51を本体ケース1の外側に記載している)。この霧化装置制御ユニット51の制御により、超音波霧化装置Aは、前記液体2の所定時間当たりの霧化量(以下、霧化量という)を変更可能に構成されている。
【0037】
前記霧化装置制御ユニット51は、各種情報の授受可能に前記ターミナルコントローラ61と接続されている。そして、ターミナルコントローラ61は、霧化装置制御ユニット51を介して超音波霧化装置Aの作動を制御するようになっている。本実施形態では、ターミナルコントローラ61は、超音波霧化装置Aの作動を制御することにより、後述の稼動率に応じて前記霧化量を多量及び少量の2段階に変化させる。
【0038】
具体的には、前記データベース64に、前記霧化量が多量になる第1作動パターンと、該霧化量が少量になる第2作動パターンとが予め記憶されている。これら第1及び第2作動パターンは、本実施形態では、共に、霧化ユニット7を10分駆動した後に10分停止する動作を繰り返す間欠作動であるが、霧化ユニット7に印加する電圧が互いに異なり、その電圧の大小により、前記霧化量が多量になったり少量になったりする。
【0039】
尚、第1作動パターンを連続作動とし、第2作動パターンを間欠作動としてもよい。この場合、霧化ユニット7に印加する電圧は、第1及び第2作動パターンで同じであってもよく、異なっていてもよい。或いは、第1作動パターンと第2作動パターンとで、間欠作動の実作動時間(霧化ユニット7の駆動時間)及び停止時間の少なくとも一方を異ならせてもよく、駆動する霧化ユニット7の数を異ならせてもよい。
【0040】
前記所定時間としては、第1作動パターンと第2作動パターンとで間欠作動の実作動時間及び停止時間の少なくとも一方が異なる場合でも、前記霧化量が異なるように、間欠作動の1周期(数分ないし20分程度が好ましい)よりも長い時間であることが好ましい。但し、所定時間が長くなりすぎると、1日の中で霧化量を木目細かく制御できなくなるので、例えば、間欠作動の数周期分で、1ないし2時間程度が好ましい。
【0041】
前記ターミナルコントローラ61は、前記稼動状況情報(ここでは、遊技機71が客によって稼動されているか否かの情報)に基づいて、前記遊技店内の全遊技機71に対する、稼動している遊技機71(客が遊技している遊技機71)の割合である稼動率を算出する。そして、ターミナルコントローラ61は、この稼動率に応じて前記第1及び第2作動パターンのいずれか一方を選択して、その選択した作動パターンで霧化ユニット7を駆動するように霧化装置制御ユニット51に指示を送信する。すなわち、前記霧化量が少量であるときにおいて、前記稼動率が第1所定値(本実施形態では、70%)よりも大きくなったときには、前記霧化量を多量にさせるように、霧化装置制御ユニット51に第1作動パターンで霧化ユニット7を駆動させる指示を送信する一方、前記霧化量が多量であるときにおいて、前記稼動率が前記第1所定値よりも小さい第2所定値(本実施形態では、40%)よりも小さくなったときには、前記霧化量を少量にさせるように、霧化装置制御ユニット51に第2作動パターンで霧化ユニット7を駆動させる指示を送信する。ターミナルコントローラ61から前記指示を送信された霧化装置制御ユニット51は、その指示の通りの作動パターンで霧化ユニット7を駆動する。
【0042】
このように、本実施形態では、前記霧化量の切換えにヒステリシスを持たせており、前記霧化量が頻繁に切り換わるのを防止しつつ、最適な霧化量で効率良く消臭したり浄化したりできるようにしている。尚、前記稼動率が所定値(例えば50〜60%)よりも大きいときに、前記霧化量を多量にさせ、該所定値以下のときに、前記霧化量を少量にさせるようにしてもよい。
【0043】
前記ターミナルコントローラ61による超音波霧化装置Aの作動制御の処理について図2のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、遊技店の開店時にスタートし、閉店時に終了する。
【0044】
最初のステップS1では、霧化装置制御ユニット51に第2作動パターンで霧化ユニット7を駆動させる指示を送信する。この指示を受けて、霧化装置制御ユニット51は、第2作動パターンで霧化ユニット7を駆動する。これにより、超音波霧化装置Aによる前記霧化量を少量にさせる。また、霧化装置制御ユニット51は、第2作動パターンで霧化ユニット7の駆動を開始した旨の情報をターミナルコントローラ61に送信する。
【0045】
次のステップS2では、前記稼動状況情報に基づいて前記稼動率を算出し、次のステップS3で、その稼動率が70%よりも大きいか否かを判定する。このステップS3の判定がNOであるときには、前記ステップS2に戻る一方、ステップS3の判定がYESであるときには、ステップS4に進む。
【0046】
前記ステップS4では、霧化装置制御ユニット51に第1作動パターンで霧化ユニット7を駆動させる指示を送信する。この指示を受けて、霧化装置制御ユニット51は、第1作動パターンで霧化ユニット7を駆動する。これにより、超音波霧化装置Aによる前記霧化量を多量にさせる。また、霧化装置制御ユニット51は、第1作動パターンで霧化ユニット7の駆動を開始した旨の情報をターミナルコントローラ61に送信する。
【0047】
次のステップS5では、再び前記稼動率を算出し、次のステップS6で、その稼動率が40%よりも小さいか否かを判定する。このステップS6の判定がNOであるときには、前記ステップS5に戻る一方、ステップS6の判定がYESであるときには、前記ステップS1に戻る。
【0048】
前記ターミナルコントローラ61による超音波霧化装置Aの作動制御により、前記稼働率が70%よりも大きいとき、つまり遊技店内に多くの客が居てタバコ臭等の不快な臭いがひどくなるような状況にあるときには、前記霧化量を多くすることで、素早く消臭したり浄化したりするようにする。一方、前記稼働率が40%よりも小さいとき、つまり遊技店内にはそれほど多くの客が居なくて臭いがひどくならないような状況にあるときには、前記霧化量を少なくすることで、液体2を無駄に霧化しないようにする。
【0049】
前記ターミナルコントローラ61は、前記第1及び第2作動パターンで霧化ユニット7を駆動したときのそれぞれの作動時間(本実施形態では、間欠作動の停止時間を含んだ時間及び停止時間を含まない実作動時間の両方を含む)を、超音波霧化装置Aの実際の作動情報としてデータベース64に記憶していく。
【0050】
また、ターミナルコントローラ61は、超音波霧化装置Aの作動制御中、超音波霧化装置Aの作動時間(ここでは、前記実作動時間)に基づいて、前記タンク着脱スイッチ52によりタンクの装着を検出(つまりタンクに前記液体2が補充されたことを検出)してからの前記液体2の累計霧化量を算出する。そして、ターミナルコントローラ61は、この累計霧化量が前記タンクの容量よりも小さい基準量以上になったときに、前記ディスプレイ63に前記液体2の補充を促す表示を行う。前記基準量は、タンクの容量に近い値(例えばタンクの容量の90%)に設定しておく。すなわち、タンクの容量から基準量を引いた量である、タンク内の液体2の残量が、補充が必要な量になったとき、補充を促す表示を行うようにしている。
【0051】
したがって、本実施形態では、遊技店内における複数の遊技機71の各稼動状況情報を取得して該稼動状況情報の処理を行うターミナルコントローラ61が、超音波霧化装置Aの作動を制御することにより、その稼動状況情報(稼動率)に応じて前記霧化量を変化させるように構成したので、超音波霧化装置Aによる前記霧化量の調整を、遊技店の担当者を煩わせることなく木目細かく自動で行って、液体2を無駄に霧化しないようにしつつ、十分な消臭効果や空気清浄効果が得られるようにすることができる。また、ターミナルコントローラ61は、パチンコホール等の遊技店においては、従来より設置されているものであり、このようなターミナルコントローラ61に超音波霧化装置Aを作動制御可能に接続するだけで、本発明の霧化システムを容易に構成することができる。
【0052】
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。
【0053】
例えば、前記実施形態では、超音波霧化装置Aの作動開始時(遊技店の開店時)は、第2作動パターンで霧化ユニット7を駆動させるようにしているが、第1作動パターンで霧化ユニット7を駆動させるようにしてもよい。すなわち、遊技店では、通常、1日のうち閉店している時間帯があり、この閉店中は、超音波霧化装置Aの作動を停止させる。このため、開店当初(超音波霧化装置Aの作動開始当初)はタバコ臭等が残っている可能性がある一方、開店当初は稼動率が前記第1所定値を超える可能性が低く、稼動率に応じて前記霧化量を変更したのでは、前記霧化量が少量になる可能性が高くなる。そこで、遊技店の開店から一定時間(消臭効果や空気清浄効果が得られるような時間(例えば2時間))が経過するまでの間は、前記稼動状況情報(稼動率)に関わらず、前記霧化量が所定量以上になるように(本実施形態では、霧化量が多量になるように)、霧化装置制御ユニット51に第1作動パターンで霧化ユニット7を駆動させる指示を送信する。そして、開店から前記一定時間が経過した後に、前記ステップS1に進むようにする。このときの霧化ユニット7の駆動の様子を模式的に示すと、図3のようになる(図3では、前記一定時間を2時間としている)。
【0054】
また、前記稼動率と前記遊技店の開店からの経過時間とに応じて、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるようにしてもよい。例えば、開店当初(例えば前記一定時間と同じ時間)の前記霧化量を、稼動率のみに応じた霧化量よりも多くする。これにより、開店当初に稼動率が前記第1所定値を超えていなくても、例えば第1作動パターンで霧化ユニット7を駆動させることで、第2作動パターンよりも多い霧化量にすることができ、開店当初の不快な臭いを素早く消すことができる。その後において、前記稼働率が前記第1所定値を超えない状態が、前記開店から例えば前記一定時間の2倍の時間(例えば4時間)経過しても維持されているときには、前記霧化量を前記第2作動パターンによる霧化量よりも少なくし、更に前記一定時間と同じ時間が経過しても前記稼働率が前記第1所定値を超えていないときには、前記霧化量を更に少なくする。すなわち、第2作動パターンよりも前記霧化量を更に少なくすることが可能な1つ又は複数の作動パターン(例えば間欠作動の実作動時間を第2作動パターンよりも小さくしたもの)を、第1及び第2作動パターンとは別に設定しておいて、前記開店からの経過時間に応じて、前記霧化量を次第に少なくするように作動パターンを選択していく。このようにしても、前記一定時間の間に前記霧化量を多量にしたことで、消臭効果や空気清浄効果が持続されるので問題はなく、前記液体2をより一層無駄に霧化しないようにしつつ、十分な消臭効果や空気清浄効果が得られるようにすることができる。また、例えば、開店から或る決まった経過時間に、大当たりや特賞が発生する遊技機71の数が多くなる時間帯(タバコを吸う客が多くなる時間帯)となる場合には、前記霧化量を、稼動率のみに応じた霧化量よりも多くする(第1作動パターンよりも前記霧化量が更に多くなる作動パターン(例えば連続作動)で霧化ユニット7を駆動させる)ことで、消臭効果や空気清浄効果をより一層高めることができる。
【0055】
さらに、前記超音波霧化装置Aは、同装置の能力や遊技店の規模に応じて、複数台、遊技店内に設置されてもよい。複数の超音波霧化装置Aが設置された場合、該複数の超音波霧化装置Aがターミナルコントローラ61によって一括して作動制御されてもよく、各超音波霧化装置Aが設置されたエリア(遊技島)毎の稼動率に応じて、個別に作動制御されてもよい。
【0056】
また、超音波霧化装置Aの霧化装置制御ユニット51とターミナルコントローラ61との接続手段としては、専用の通信線を設けたり無線通信機能を持たせたりしてもよく、それ以外に、遊技機71や玉貸装置とターミナルコントローラ61とを接続する通信線に連結してもよい。
【0057】
さらに、遊技店の担当者が入力手段62により作動パターンを変更設定できるようにしてもよく、また、遊技店の担当者が、特定の時間帯(例えば特賞が発生し易い時間帯等)に、特定の作動パターンで霧化ユニット7を駆動させることができるようにしてもよい。
【0058】
さらにまた、3つ以上の作動パターンを予め設定しておいて、稼動率が大きくなるに連れて段階的に前記霧化量が多くなるようにしてもよい。
【0059】
さらに、稼動率以外の稼動状況情報、例えば大当たりや特賞が発生している遊技機71の台数に応じて、前記霧化量が変化するように、超音波霧化装置Aの作動を制御するようにしてもよい。
【0060】
また、超音波霧化装置Aに、遊技店の担当者が該超音波霧化装置Aの電源をONしたりOFFしたりするための電源スイッチを設けて、遊技店の担当者が、この電源スイッチにより超音波霧化装置Aの作動を停止できるようにしてもよい。この場合、霧化装置制御ユニット51は、電源スイッチにより超音波霧化装置Aの作動を停止した情報を、ターミナルコントローラ61に送信し、ターミナルコントローラ61は、その停止時の作動パターン等の情報をデータベース64に記憶しておき、電源がONしたときに、停止前の状態から継続して超音波霧化装置Aの作動制御を行う。或いは、電源がONしたときには、開店時と同様に最初から超音波霧化装置Aの作動制御を行うようにしてもよい。或いは、別の制御を遊技店の担当者が入力手段62により個別に設定できるようにしてもよい。
【0061】
加えて、前記実施形態では、パチンコホールやゲームセンター等の遊技店に本発明の霧化システムを適用したが、遊技機71が設置された遊技店に限らず、人によって稼動される複数の設備が設置された施設(例えば飲食物の自動販売機や券売機が設置された食堂や休憩施設等)に本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、人によって稼動される複数の設備が設置された施設に適用する場合に有用であり、特にパチンコホールやゲームセンター等の遊技店に適用する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る霧化システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】ターミナルコントローラによる超音波霧化装置の作動制御の処理を示すフローチャートである。
【図3】遊技店の開店から一定時間が経過するまでの間に液体の所定時間当たりの霧化量を所定量以上(多量)にする場合の、霧化ユニットの駆動の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
A 超音波霧化装置
2 液体
7 霧化ユニット
51 霧化装置制御ユニット
52 タンク着脱スイッチ(液体補充検出手段)
61 ターミナルコントローラ(情報処理装置)
71 遊技機(設備)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に設置された複数の設備の各稼動状況情報を取得して該稼動状況情報の処理を行う情報処理装置と、該情報処理装置により作動制御可能に構成され、消臭剤又は空気清浄化剤からなる液体の霧化により発生した霧を該施設内に噴霧する超音波霧化装置とを備えた霧化システムであって、
前記超音波霧化装置は、前記液体の所定時間当たりの霧化量を変更可能に構成されており、
前記情報処理装置は、前記超音波霧化装置の作動を制御することにより、前記稼動状況情報に応じて該超音波霧化装置による前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるように構成されていることを特徴とする霧化システム。
【請求項2】
請求項1記載の霧化システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記稼動状況情報に基づいて、前記施設内の全設備に対する、稼動している施設の割合である稼動率を算出して、該稼動率に応じて前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるように構成されていることを特徴とする霧化システム。
【請求項3】
請求項2記載の霧化システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記稼動率に応じて前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を多量及び少量の2段階に変化させるとともに、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量が少量であるときにおいて、前記稼動率が第1所定値よりも大きくなったときには、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を多量にさせる一方、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量が多量であるときにおいて、前記稼動率が前記第1所定値よりも小さい第2所定値よりも小さくなったときには、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を少量にさせるように構成されていることを特徴とする霧化システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の霧化システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量が互いに異なるように予め設定された複数の作動パターンの中から、前記稼動状況情報に応じて1つを選択して、該選択した作動パターンで前記超音波霧化装置を作動させるように構成されていることを特徴とする霧化システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の霧化システムにおいて、
前記超音波霧化装置は、前記液体を収容するタンクと、該タンクに前記液体が補充されたことを検出する液体補充検出手段とを有し、
前記情報処理装置は、前記超音波霧化装置の作動時間に基づいて、前記液体補充検出手段により前記液体の補充を検出してからの前記液体の累計霧化量を算出して、該累計霧化量が前記タンクの容量よりも小さい基準量以上になったときに、該情報処理装置に接続されたディスプレイに前記液体の補充を促す表示を行うように構成されていることを特徴とする霧化システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の霧化システムにおいて、
前記施設は、遊技店であり、
前記設備は、遊技機であることを特徴とする霧化システム。
【請求項7】
請求項6記載の霧化システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記遊技店の開店から一定時間が経過するまでの間は、前記稼動状況情報に関わらず、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を所定量以上にさせるように構成されていることを特徴とする霧化システム。
【請求項8】
請求項6記載の霧化システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記稼動状況情報と前記遊技店の開店からの経過時間とに応じて、前記液体の前記所定時間当たりの霧化量を変化させるように構成されていることを特徴とする霧化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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