説明

静電付着特性を備える結束テープ具

【課題】使用時に美観を損なわず、また、コンパクトに収納可能な結束テープ具等を提供する。
【解決手段】結束テープ具2は、巻物状に巻かれ、静電付着特性を有するテープ21を有する。テープ21は、複数の第1の引裂線22と、第1の引裂線22により分割される複数の結束切片23を有する。それぞれの結束切片23は、第1の引裂線22の一つに隣接するラベル部分232を有する。結束切片23は、第1の引裂線22により切り離し可能である。それぞれの結束切片23は、目的物の周りに伸びるのに適した輪を形成するように、屈曲及び自己付着可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結束テープ具、特に、静電付着特性を持つテープを有する結束テープ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な家庭電化製品は、相互に絡まりやすく、それゆえ美観性と安全性に影響を与える電気コードを備える。
図1に示すように、プラスチック素材により被われたビニールタイ(twist metal tie)1は、主に必要以上に長い電気コード2に巻きつけて使用する。
図2に示すように、面ファスナーバンド(hook−and−loop band)3を用いて電気コード2を結束し、面ファスナー方式で貼り付けるという方法がある。
また、特許文献1では、結束留め具と、この結束留め具に挿通してコードを固定するための結束バンドからなり、結束留め具の上部に前記結束バンドの溝を係止する係止部を設け、結束バンドは伸縮弾性をもった帯状に溝を適宣、間隔をおいて配設したコード結束具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−321557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ビニールタイ1や特許文献1で開示されたコード結束具を用いる方法では、使用中の美観性に問題がある。
また、面ファスナーバンド3の製造費用は比較的高いという問題がある。
更に、大量のビニールタイ1や面ファスナーバンド3、特許文献1に開示されたコード結束具を収納する場合、乱雑になってしまい、また、収納に必要な容量も大きくなって不便であるという問題がある。
【0005】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、使用時に美観を損なわず、また、コンパクトに収納可能な結束テープ具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、巻物状に巻かれ、静電付着特性を有するテープ(21)を有し、前記テープ(21)は、複数の第1の引裂線(22)と、前記第1の引裂線(22)により分割される複数の結束切片(23)とを有し、それぞれの前記結束切片(23)は、前記第1の引裂線(22)の一つに隣接するラベル部分(232)を有し、前記結束切片(23)は、前記第1の引裂線(22)に沿って切り離し可能であり、前記結束切片(23)は、目的物の周りに伸びるのに適した輪を形成するように、屈曲及び自己付着可能であることを特徴とする結束テープ具である。
【0007】
また、前記第1の引裂線(22)は、平行に、相互に間隔をおいて、前記テープ(21)の長さに沿って配置されることが好ましい。
【0008】
また、前記第1の引裂線(22)を横断する方向に相互に間隔をおいて配置される第2の引裂線(25)を有し、前記第2の引裂線(25)は、前記テープ(21)を、前記第1の引裂線(22)および前記結束切片(23)をそれぞれ有する複数のサブテープ(21’)に分割することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、使用時に美観を損なわず、また、コンパクトに収納可能な結束テープ具等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術に係るビニールタイ1により結束された電気コード2を示す斜視図。
【図2】従来技術に係る面ファスナーバンド3により結束された電気コード2を示す斜視図。
【図3】本発明に係る結束テープ具の第1の実施形態を示す斜視図。
【図4】第1の実施形態のテープから切り離された結束切片により結束された電気コードを示す斜視図。
【図5】本発明に係る結束テープ具の第2の実施形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面に基づいて、本発明に係る結束テープ具の実施形態を詳細に説明する。尚、以下の説明および図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0012】
最初に、図3、4を参照しながら、本発明に係る結束テープ具(bundling tape device)の第1の実施形態について説明する。
図3は、本発明に係る結束テープ具の第1の実施形態を示す斜視図、図4は、第1の実施形態のテープから切り離された結束切片により結束されたコードを示す斜視図である。
本発明に係る結束テープ具2は、巻物状になるように巻かれる(wound into a plurality of loops one around the other)テープ(tape)21を有する。テープ21は、断面が丸い心棒(mandrel)20の周りに伸びており、静電付着特性(electrostatic adhesion property)を有する。本実施形態において、テープ21はポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような柔軟性のあるシート素材からなる。テープ21の色は濃い(dark)。もちろん、テープ21は透明あるいは他の色でもよい。
【0013】
テープ21は、複数の第1の引裂線(tearing line)22と、第1の引裂線22により分割される複数の結束切片(bundling section)23を有する。結束切片23はテープ21の長さに沿って相互に連結されるように、第1の引裂線22は互いに平行に、テープ21の長さに沿って相互に間隔をおいて配置される。それぞれの結束切片23は実質的には濃い色で、第1の引裂線22の一つに隣接するラベル部分(label portion)232と、ラベル部分232の反対の接合端(attachment end)231を有する。結束切片23は、第1の引裂線22に沿って切り離し可能である。それぞれの結束切片23は、屈曲可能であり、静電付着により自己付着し、輪を形成する。
【0014】
図4に示すように、使用時、電気コード4がきちんとコンパクトな収納形状に束ねられた場合、テープ21は繰り出され、第1の引裂線22の一つに沿って切り取られることにより結束切片23の一つがテープ21から切り離され、個別の結束切片(individual bundling section)24が得られる。個別の結束切片24の接合端231を電気コード4に貼り付けた後、輪を形成するまで、個別の結束切片24は電気コード4の周りに巻き着けられる。個別の結束切片24は、静電付着の効果により自身にしっかりと貼り付く。ラベル部分232は、非付着部分でも付着部分でもよい。第1の実施形態では、ラベル部分232は結束切片23の残りの部分とは異なる色を有する。
【0015】
結束切片23のラベル部分232により、ユーザは一つの結束切片23を繰り出す開始点、あるいは一つの結束切片23を切り取った点を、容易にかつ明確に特定することが可能となる。更に、電気コード4が個別の結束切片24を用いて部分的に結束され、使用時に結束されない部分を有する場合、ラベル部分232を操作することにより結束されない部分の長さを長くしたり短くしたりし、個別の結束切片24をほどくことができ、電気コード4の結束した部分を外すことができる。その後、電気コード4は個別の結束切片24を用いて再び結束することが可能である。
更に、第1の引裂線22の効果により、結束切片23は使用前に巻物状に巻かれ、収納スペースを小さくし、持ち運ぶにも便利で、また、使用時には容易に個別の結束切片24に切り離すことが可能である。
【0016】
次に、図5を参照しながら、本発明に係る結束テープ具の第2の実施形態について説明する。
図5は、本発明に係る結束テープ具の第2の実施形態を示す斜視図である。
本発明の第2の実施形態は、テープ21が第1の引裂線22を横断する方向に相互に間隔をおいて配置される複数の第2の引裂線25を有する点で、第1の実施形態のテープ21と異なる。第2の実施形態において、テープ21は断面が板状の心棒20’の周りに巻きつけられる。平行に配置される3つのサブテープ21’があり、第2の引裂線25により分割される。それぞれのサブテープ21’は、第1の引裂線22と、結束切片23を有する。
【0017】
以上で説明された発明について、本発明の精神から離れることなく各種の変更例又は修正例に到達可能であることは明らかである。したがって、本発明は、列挙された特許請求の範囲のみにより限定されることを意図する。
【符号の説明】
【0018】
1………ビニールタイ
2………電気コード
2………結束テープ具
3………面ファスナーバンド
4………電気コード
20、20’………心棒
21………テープ
21’………サブテープ
22………第1の引裂線
23………結束切片
231………接合端
232………ラベル部分
24………個別の結束切片
25………第2の引裂線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻物状に巻かれ、静電付着特性を有するテープ(21)を有し、
前記テープ(21)は、複数の第1の引裂線(22)と、前記第1の引裂線(22)により分割される複数の結束切片(23)とを有し、
それぞれの前記結束切片(23)は、前記第1の引裂線(22)の一つに隣接するラベル部分(232)を有し、
前記結束切片(23)は、前記第1の引裂線(22)に沿って切り離し可能であり、
前記結束切片(23)は、目的物の周りに伸びるのに適した輪を形成するように、屈曲及び自己付着可能であることを特徴とする結束テープ具。
【請求項2】
前記第1の引裂線(22)は、平行に、相互に間隔をおいて、前記テープ(21)の長さに沿って配置されることを特徴とする請求項1に記載の結束テープ具。
【請求項3】
更に、前記第1の引裂線(22)を横断する方向に相互に間隔をおいて配置される第2の引裂線(25)を有し、
前記第2の引裂線(25)は、前記テープ(21)を、前記第1の引裂線(22)および前記結束切片(23)をそれぞれ有する複数のサブテープ(21’)に分割することを特徴とする請求項1に記載の結束テープ具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−100339(P2010−100339A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−242369(P2009−242369)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【出願人】(594136561)
【Fターム(参考)】