説明

非チャイルドレジスタント操作に転換できるチャイルドレジスタントクロージャ、容器およびパッケージ

チャイルドレジスタントパッケージは、開口と、該開口から広がる開口の周りの円錐外面(34)と、円錐外面から延びる壁(30)と、を有する容器(22)を含む。クロージャ(24)は、ベース壁(40)と、ベース壁に隣接した第1の部分(44)および第1の部分に取り外し可能に連結された第2の部分(46)を有する周囲スカート(42)と、を有する。第1の環状壁(54)が、容器の円錐外面とバネ係合/密封係合するためにスカートから半径方向内方の位置でベース壁から延びる。第2の壁(56)が、第1の壁から半径方向内方の位置で、且つ好ましくはベース壁に対して外方円錐角度でベース壁から延びる。スカートの第2の部分および容器の壁は結合要素(52、38)を有し、該結合要素は、第1の壁に、結合要素を外す力がなければチャイルドレジスタント操作モードでクロージャの容器からの取り外しに抵抗する。スカートの第2の部分は、結合要素をスカートから取り外すために第1の部分から脆く取り外すことができ、クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードで第2の壁をスナップ嵌めによって容器口内に受け入れて容器に固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非チャイルドレジスタント操作に転換できるチャイルドレジスタントパッケージに関し、およびそのようなパッケージ用クロージャおよび容器に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2005/0103741号は、容器口に隣接した少なくとも1つの雄ネジ部と、容器口から間隔をへだてた偏向可能な外部係止要素と、を含むチャイルドレジスタントパッケージを開示する。クロージャは、容器とのネジ係合のための少なくとも1つの雌ネジ部を有する第1の部分と、容器の偏向可能な係止要素との係合のための係止要素を有する、第1の部分に脆く連結された第2の部分と、を有する周囲スカートを有する。クロージャスカートの第2の部分が第1の部分に連結され、パッケージは、クロージャを容器のネジ係合から外すために容器の係止要素の偏向を要求するチャイルドレジスタント操作をするようになっている。クロージャスカートの第2の部分が使用者によって取り外されたとき、クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードで、単に容器にネジで止めるおよび容器からネジを外すことができる。本開示の一般的な目的は、非チャイルドレジスタントモードでスナップキャップ操作するようになっているチャイルドレジスタントパッケージ、クロージャおよび容器を提供することにある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、互いに別々にあるいは組み合わせて実施することができる、多数の態様あるいは発明を具体化する。
【0004】
本開示の第1の態様によれば、チャイルドレジスタントパッケージは、開口と、該開口から広がる開口の周りの円錐外面と、円錐外面から延びる壁と、を有する容器を含む。クロージャは、ベース壁と、ベース壁に隣接した第1の部分および第1の部分と取り外し可能に連結された第2の部分を有する周囲スカートと、を有する。第1の環状壁が、容器の円錐外面とバネ係合/密封係合するためにスカートから半径方向内方の位置でベース壁から延びている。第2の壁は、第1の壁から半径方向内方の位置で、且つ好ましくはベース壁に対して外方円錐角度でベース壁から延びている。スカートの第2の部分および容器の壁は結合要素を有し、該結合要素は、第1の壁に、結合要素を外す力がなければチャイルドレジスタント操作モードでクロージャの容器からの取り外しに抵抗する。スカートの第2の部分は、結合要素をスカートから取り外すために第1の部分から脆く取り外すことができ、クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードで、第2の壁をスナップ嵌めによって容器口内に受け入れて容器に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本開示は、その付加的な目的、特徴、利点および態様と一緒に、以下の記載、添付した特許請求の範囲および添付図面から最も良く理解されるであろう。
【0006】
図1〜2は、容器22およびチャイルドレジスタント操作モードで容器に固定されたクロージャ24を含むものとして、本開示の例示的実施形態によるパッケージ20を示す。容器22(図1〜5)は、いかなる適当な構造および形態の側壁28から延びるほぼ円筒形の口部26を含む。口部26は、好ましくは、円筒壁30を含み、該円筒壁30の上端から半径方向内方にテーパする円錐壁部分32が延びている。(「上」および「下」のような方向を示す言葉は、図面に示すパッケージ、容器およびクロージャの直立方向に対して、説明の、および限定しない目的で用いられる。「半径方向」および「軸線方向」のような方向を示す言葉は、必要に応じて容器口部および/またはクロージャスカートの軸線に対して、説明の、および限定しない目的で用いられる。)円錐壁部分32は、容器の上端の開放口から広がる円錐外面34を有する。内側ビード36、好ましくは円周方向に連続する内側ビードが、円錐壁部分32の開放上端に隣接した容器口の内周の周りに延びる。外側係合要素38が、チャイルドレジスタント操作モードで容器クロージャによる係合のために、口部壁30の外面の周りに配置される。図面に示す特定の係合要素38は、米国特許第4,059,198号および同第4,485,932号に示されたものと同様であるが、他のチャイルドレジスタント係合要素を用いてもよい。容器22は、好ましくは、一体的に成形されたワンピースのプラスチック構造のものである。例示としてのみ、容器円錐面34は、容器口部の軸線に対して25°の公称角度であるのがよい。
【0007】
クロージャ24は、一体的に成形されたワンピースのプラスチック構造のものであり、ベース壁40および周囲スカート42を含む。周囲スカート42は、ベース壁40に隣接した第1の部分あるいは上部分44と、ベース壁40から遠方の第2の部分あるいは下部分46と、を有する。第2のスカート部分46は、例えば、線50(図2、6および7)に沿って刻み目をつけることによって脆くするリーダ48によって第1のスカート部分44に脆く連結される。変形例では、スカート部分44、46は、互いに間隔をへだてた要素として成形され、且つ脆いリーダ48によって相互連結されてもよい。係合要素52は、容器22の要素38と係合するために第2のスカート部分46に配置される。図面に示す特定の実施形態では、係合要素52は、容器係合要素38のポケットに選択的に係合する内部ラグの形態である。
【0008】
円周方向に連続する第1の環状壁54が、第1のスカート部分44内でベース壁40から延びている。第1の壁54は、可撓性且つ弾性であり、好ましくは成形されるときベース壁40から半径方向内方、且つ軸線方向下方の円錐角度で延びている。第2の環状壁56が、第1の壁54から半径方向内方にベース壁40から延びている。第2の壁56は、壁54よりも短い軸線寸法のものであり、好ましくはベース壁40に対して軸線方向内方且つ半径方向外方の円錐角度で延びている。(例示的実施形態ではベース壁40を平らに示すが、所望ならば起伏があってもよい。)壁54、56は、好ましくは円周方向に連続し、互いに同心であり、且つ第1のスカート部分44と同心である。壁54、56は、好ましくは0.010インチの公称厚さのような均一な厚さのものである。例示としてのみ、壁54は成形されるときクロージャスカート42の軸線に対して10°の公称角度であるのがよく、壁56は、成形されるとき、クロージャ軸線に対して20°の公称角度であるのがよい。
【0009】
スカート部分46がそこなわれていない、すなわち、スカート部分44から分離されていない、図1〜2に示すチャイルドレジスタント操作モードでは、第1のクロージャ壁54が、容器口部26の円錐外面34に係合して、パッケージを密封し、且つ結合要素38、52を係合状態に保つバネ力を与える。壁54は、可撓性且つ弾性であり、好ましくは円錐面34と係合した下部分で、半径方向外方に撓み、第1の壁の上部分は、円錐内方角度のままである。クロージャを容器から取り外すために、クロージャ係合要素52が容器係合要素38を離れるまで、表面34に向う壁54のバネ力に抗して、容器22に対してクロージャ24に手で下方に力を加えると、クロージャを容器から取り外すことができる。第2のクロージャスカート部分46の軸線方向下方に面した肩部58が、容器22の係合要素38と協働して、第1の壁54に加えることのできる圧縮ストロークを制限する。クロージャが容器から取り外された非チャイルドレジスタント操作(図8および9)では、第2のスカート部分46が第1のスカート部分44から脆く恒久的に取り外される。次いで、第2のクロージャ壁56が、スナップ嵌めによって容器口内のビード36の上に受け入れられる。第2のクロージャ壁56は、好ましくは円周方向に連続しているので、壁56は容器口の周りの内側ビード36に対して密封する。第1のクロージャ壁54は、また、非チャイルドレジスタント操作モードで二次的な密封を作る。かくして、クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードでスナップキャップとして機能する。
【0010】
かくして、非チャイルドレジスタント操作に転換できる、且つ先に述べた全ての目的および意図を完全に満たす、チャイルドレジスタントパッケージ、クロージャおよび容器を開示した。本開示を、現在好ましい例示的実施形態に関連して提示し、多数の変形および変更を議論してきた。他の変形および変更が、前記議論を考慮して、当業者の頭に浮かぶであろう。本開示は、全てのそのような変形および変更を、添付特許請求の範囲の精神および広い範囲の内であるように、含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の例示的実施形態によるチャイルドレジスタントパッケージの側面図である。
【図2】図1のパッケージの断片的な断面図である。
【図3】図1のパッケージの容器の、部分的に断面図の正面図である。
【図4】図3の領域4内の部分の拡大断面図である。
【図5】図4の領域5内の部分の拡大断面図である。
【図6】図1および2のパッケージのクロージャの、部分的に断面図の正面図である。
【図7】図6の領域7内の部分の拡大断面図である。
【図8】非チャイルドレジスタント操作モードの図1のパッケージの正面図である。
【図9】図8のパッケージの断片的な断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口と、前記開口から広がる前記開口の周りの円錐外面(34)と、前記円錐外面から延びる壁(30)と、を有する容器(22)と、
ベース壁(40)と、前記ベース壁に隣接した第1の部分(44)および前記第1の部分に取り外し可能に連結された第2の部分(46)を有する周囲スカート(42)と、前記円錐外面とバネ係合/密封係合するための前記スカートから半径方向内方の位置で前記ベース壁から延びる第1の環状壁(54)と、前記第1の壁から半径方向内方の位置で、且つ前記ベース壁に対して外方円錐角度で前記ベース壁から延びる第2の壁(56)と、を有するクロージャ(24)と、を含み、
前記スカートの前記第2の部分および前記容器の前記壁は、結合要素(52、38)を有し、該結合要素は、前記第1の壁に、前記結合要素を外す力がなければチャイルドレジスタント操作モードで前記クロージャの前記容器からの取り外しに抵抗し、
前記スカートの前記第2の部分は、前記結合要素を前記スカートから取り外すために前記第1の部分から脆く取り外すことができ、前記クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードで前記第2の壁をスナップ嵌めによって前記容器口内に受け入れて前記容器に固定することができる、
ことを特徴とするチャイルドレジスタントパッケージ。
【請求項2】
前記クロージャの前記第2の壁(56)は、円周方向に連続している、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記容器は、前記非チャイルドレジスタント操作モードで前記クロージャの前記第2の壁による係合のための内側ビード(36)を前記開口の周りに有する、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記容器は、前記開口の周りに円錐壁部分(32)を有し、前記円錐外面(34)は、前記円錐壁部分の外面である、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記非チャイルドレジスタント操作モードでスナップ嵌めによる前記クロージャの前記第2の壁(56)の受け入れのための内側ビード(36)を前記円錐壁部分(32)の周りに含む、請求項4に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記スカート(42)の前記第2の部分(46)は、前記第1の部分(44)に脆く取り外し可能に連結される、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項7】
開口と、前記開口から広がる前記開口の周りの円錐外面(34)と、前記円錐外面から延びる壁(30)と、を有する容器(22)と、
ベース壁(40)と、前記ベース壁に隣接した第1の部分(44)および前記第1の部分に脆く取り外し可能に連結された、前記ベース壁から遠方の第2の部分(46)と、を有する周囲スカート(42)と、前記円錐外面とバネ係合−密封係合するための、前記スカートから半径方向内方の位置で前記ベース壁から延びる可撓性弾性の第1の環状壁(54)と、前記第1の壁から半径方向内方の位置で、且つ前記ベース壁に対して外方円錐角度で前記ベース壁から延びる円周方向に連続する第2の環状壁(56)と、を有するクロージャ(24)と、を含み、
前記スカートの前記第2の部分および前記容器の前記壁は、結合要素(52、38)を有し、該結合要素は、前記第1の壁が前記円錐外面とバネ係合/密封係合して、且つ前記第1の壁に、前記結合要素を外す力がなければ前記クロージャの前記容器からの取り外しに抵抗するために前記結合要素が係合して、チャイルドレジスタント操作モードで前記クロージャを前記容器に固定し、
前記スカートの前記第2の部分は、前記結合要素を前記スカートから取り外すために前記第1の部分から脆く恒久的に取り外すことができ、前記クロージャが前記容器から取り外されて、前記クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードで前記第2の壁をスナップ嵌めによって前記容器口内に受け入れて前記容器に固定することができる、
ことを特徴とするチャイルドレジスタントパッケージ。
【請求項8】
前記容器は、前記非チャイルドレジスタント操作モードで前記クロージャの前記第2の壁(56)による係合のための内側ビード(36)を前記開口の周りに有する、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記容器は、前記開口の周りに円錐壁部分(32)を有し、前記円錐外面(34)は、前記円錐壁部分の外面である、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記非チャイルドレジスタント操作モードでスナップ嵌めによる前記クロージャの前記第2の壁(56)の受け入れのための内側ビード(36)を前記円錐壁部分(32)の周りに含む、請求項9に記載のパッケージ。
【請求項11】
開口と、前記開口を取り囲み且つ前記開口から広がる外面(34)を有する円錐壁部分(32)と、前記円錐壁部分から延びる壁(30)と、を有する容器(22)と、
ベース壁(40)と、前記ベース壁に隣接した第1の部分(44)および前記第1の部分に脆く取り外し可能に連結された、前記ベースから遠方の第2の部分(46)を有する、前記ベースから延びる周囲スカート(42)と、前記円錐外面とバネ係合/密封係合するための、前記スカートから半径方向内方の位置で前記ベース壁から延びる可撓性弾性の第1の環状壁(54)と、前記第1の壁から半径方向内方の位置で前記ベース壁から延びる円周方向に連続する第2の環状壁(56)と、を有するクロージャ(24)と、を含み、
前記スカートの前記第2の部分および前記容器の前記壁は、結合要素(52、38)を有し、該結合要素は、前記第1の環状壁が前記円錐外面とバネ係合/密封係合して、且つ前記第1の壁に、前記結合要素を外す力がなければ前記クロージャの前記容器からの取り外しに抵抗するために前記結合要素が係合してチャイルドレジスタント操作モードで前記クロージャを前記容器に固定し、
前記スカートの前記第2の部分は、前記結合要素を前記スカートから取り外すために前記第1の部分から脆く取り外すことができ、前記クロージャは、非チャイルドレジスタント操作モードで前記第2の環状壁をスナップ嵌めによって前記容器口内に受け入れて前記容器に固定することができる、
ことを特徴とするチャイルドレジスタントパッケージ。
【請求項12】
前記第2の壁(56)は、前記ベース壁に対して外方円錐角度で前記ベース壁から延びる、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記非チャイルドレジスタント操作モードでスナップ嵌めによる前記第2の壁(56)の受け入れのための内側ビード(36)を前記円錐壁部分の周りに含む、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項14】
一体的に成形されたワンピースのプラスチック構造のクロージャ(24)であって、
ベース壁(40)と、
前記ベース壁に隣接した第1の部分(44)および前記第1の部分に脆く連結された第2の部分(46)を有する、前記ベース壁から延びる周囲スカート(42)と、
容器の外面とバネ係合/密封係合するための、前記ベース壁に対して内方円錐角度で、且つ前記スカートから半径方向内方の位置で前記ベース壁から延びる第1の環状壁(54)と、
前記第1の壁から半径方向内方の位置で、且つ前記ベース壁に対して外方円錐角度で前記ベース壁から延びる円周方向に連続する第2の環状壁(56)と、
クロージャを容器に固定するべく、容器の対応する要素と係合して結合するための前記スカートの前記第2の部分の要素(52)と、を含む、
ことを特徴とするクロージャ。
【請求項15】
前記スカート(42)、前記第1の壁(54)および前記第2の壁(56)は同心である、請求項14に記載のクロージャ。
【請求項16】
一体的に成形されたワンピースのプラスチック構造の容器(22)であって、
開口と、前記開口を取り囲み、且つ前記開口から広がる円錐外面(34)を有する円錐壁部分(32)と、前記円錐外面から延びる壁(30)と、クロージャを容器に固定すべくクロージャに係合するための前記壁の外側係合要素(38)と、を含む、
ことを特徴とする容器。
【請求項17】
前記容器口の周りに延びる前記円錐壁の内側ビード(36)を含む、請求項16に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−540274(P2008−540274A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511324(P2008−511324)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/018107
【国際公開番号】WO2006/124467
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(599006683)レクサム プリスクリプション プロダクツ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】