説明

非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置および方法(ApparatusandMethodofautomaticallyextractingsweep/extrude/revolvefeatureshapefromatypicaldigitaldata)

【課題】非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する。
【解決手段】3次元対象物をスキャンして3次元対象物の形状を表す3次元スキャンデータの集合を提供するスキャナー、およびスキャナーから収集された3次元スキャンデータの集合から特徴形状を抽出するコンピューティング装置を含み、コンピューティング装置は、3次元スキャンデータの集合から複数の関心地点を抽出し、それから初期断面を生成する抽出手段と、複数の断面の形状が一致するように整列する整列手段と、初期パスを構築し、初期プロファイルを生成した後、パスを補正する補正手段と、補正されたパスおよびプロファイルを用いてモデリング機能を行うモデリング手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置および方法に関するものであって、さらに詳しくは、特定基準で抽出されたパスおよびプロファイルを、整列された断面の平均形状に繰り返して更新し、これをパスに沿って動かして最終形状を生成することにより、抽出されたパスおよびプロファイルを最適化することができるため、既存の手動作業や測定作業を行う必要がなく、3次元スキャンデータからさらに迅速かつ正確な逆設計モデルを生成することができる、非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、CAD/CAM/CAEを活用するデジタル生産システムを運営することにおいて、部品の3次元キャドモデルのようなデジタルモデルは必ず必要である。特に、手加工で製作した施作品、古い製品、競争製品、身体部分に対する形状測定などは、典型的に逆設計技術を用いた複製作業が活用される代表的な分野である。
【0003】
逆設計過程(reverse engineering)は、原始データの3次元スキャンデータから、さらに数学的に定義された面状または媒介変数の変化で定義される特徴形状を抽出し、他のCADや生産現場で効率的に再活用されるようにする過程を総称する。
【0004】
このような逆設計過程において、3次元スキャナーによって得られた3次元スキャンデータを画面に呼び込むと、その原始データは、形状の外観または境界表現(boundary representation)と呼ばれる情報のかけらからなっている。しかし、この原始データは意味を有する特徴形状ではないため、原始データから他のアプリケーション(application)で使えるデータを作るためには、ユーザーの認識能力や推定値が要求される。
【0005】
このようにモデルを作る場合、相当な時間と手間がかかり、結果においても3次元スキャンの測定値を正確に反映することができないため、使用時に他の問題が発生することもある。
【0006】
3次元スキャンによって獲得した原始データを数学的最適化(data fitting)によって簡潔かつ数学的に定義した形状(cylinder, sphere)は既に、一般的にその解(solution)が知られており、産業的にも多様な分野で利用されている。
【0007】
しかし、断面の進行軌跡が直線や円弧状またはその断面形状が単純な場合、上記した数学的最適化が可能であるが、数学的形態が非定型断面で表現される突出(Extrusion)、回転(Revolve)形状や、自由曲線がスイープ(sweep)形状である場合は、一般的にユーザーが適切な断面を選択し、CADフィーチャー(feature)をモデリングしてみて、手動で各種媒介変数を調節しながら試行錯誤を行う方式でモデリングが進行される。従って、所望する形状を得たとしても試行錯誤の時間がかかり、得られた形状から一定の誤差範囲内でanalytic形状を探し出すのも容易ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、自由度の高い特徴形状を迅速かつ正確に抽出して、時間や手間を減らすことができる非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の形態によると、a)3次元対象物をスキャンして3次元対象物の形状を表す3次元スキャンデータの集合を提供する段階と、b)前記3次元スキャンデータの集合から複数の関心地点を抽出し、それから初期断面を生成する段階と、c)前記複数の断面の形状が一致するように整列する段階と、d)初期パスを構築し、初期プロファイルを生成した後、パスを補正する段階と、e)前記補正されたパスおよびプロファイルを用いてモデリング機能を行う段階とを含むことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記d)段階は、整列された初期断面から同一なローカル座標を抽出し、その座標を結ぶ初期パスを構築することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記d)段階は、初期パスから一定間隔の点を求め、それから再び断面を再抽出し、この断面の平均断面を求めて初期プロファイルを生成することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記d)段階は、再抽出された断面を再び整列した後、同一なローカル座標点を把握して初期パスを補正することを特徴とする。
【0013】
好ましくは、結果物が特定条件に到達するまでプロファイルとパスが継続的に更新されるように、前記b)、c)、d)段階が繰り返して行われるようにする段階をさらに含むことを特徴とする。ここで、2回目の繰り返しからは更新されたパスを入力に戻すことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記モデリング機能は、スイープ(sweep)、突出(extrusion)、回転(revolve)のうち、少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記b)段階は、曲率が目立つ部分を含むようにする特定基準で入力形状上の点をサンプリングし、サンプリングされた点の周辺形状になるべく垂直に通る断面を抽出することを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記d)段階は、整列された初期断面から計算された平均形状にプロファイルを更新し、整列された断面の同一な座標点を抽出してパスを更新することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、3次元対象物をスキャンして3次元対象物の形状を表す3次元スキャンデータの集合を提供するスキャナー、および前記スキャナーから収集された3次元スキャンデータの集合から特徴形状を抽出するコンピューティング装置を含み、前記コンピューティング装置は、前記3次元スキャンデータの集合から複数の関心地点を抽出し、それから初期断面を生成する抽出手段と、前記複数の断面の形状が一致するように整列する整列手段と、初期パスを構築し、初期プロファイルを生成した後、パスを補正する補正手段と、前記補正されたパスおよびプロファイルを用いてモデリング機能を行うモデリング手段とを含むことを特徴とする。
【0018】
好ましくは、前記補正手段は、整列された初期断面から同一なローカル座標を抽出し、その座標を結ぶ初期パスを構築することを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記補正手段は、初期パスから一定間隔の点を求め、それから再び断面を再抽出し、この断面の平均断面を求めて初期プロファイルを生成することを特徴とする。
【0020】
好ましくは、前記補正手段は、再抽出された断面を再び整列した後、同一なローカル座標点を把握して初期パスを補正することを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記コンピューティング装置は、その結果物が特定条件に到達するまでプロファイルとパスが継続的に更新されるように、前記抽出手段、前記整列手段、および前記補正手段の機能が繰り返して行われるようにする繰り返し手段をさらに含むことを特徴とする。ここで、2回目の繰り返しからは更新されたパスを入力に戻すことを特徴とする。
【0022】
好ましくは、前記モデリング手段は、スイープ(sweep)、突出(extrusion)、回転(revolve)のうち、少なくともいずれか一つの機能を行うことを特徴とする。
【0023】
好ましくは、前記抽出手段は、曲率が目立つ部分を含むようにする特定基準で入力形状上の点をサンプリングし、サンプリングされた点の周辺形状になるべく垂直に通る断面を抽出することを特徴とする。
【0024】
好ましくは、前記補正手段は、整列された断面から計算された平均形状にプロファイルを更新し、整列された断面の同一な座標点を抽出してパスを更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、抽出されたパスおよびプロファイルを整列された断面の平均形状に更新してモデリングを行うため、自由度の高い対象物の特徴形状を抽出することにおいて、既存の手動作業や測定作業を行う必要がなく、3次元スキャンデータからさらに迅速かつ正確に逆設計モデルを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置の構成を概略的に示したブロック図である。
【図2】本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法を概略的に示したフローチャートである。
【図3】本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法の一実施例を示したフローチャートであって、スイープ機能(Sweep Wizard)を実行する例を示した図である。
【図4】本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法の一実施例を示したフローチャートであって、突出機能(Extrude Wizard)を実行する例を示した図である。
【図5】本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法の一実施例を示したフローチャートであって、回転機能(Revolve Wizard)を実行する例を示した図である。
【図6a】スイープ機能の実行時にスキャンされた形状または入力された形状を説明するための図である。
【図6b】スイープ機能の作用を説明するための図である。
【図6c】スイープ機能で得られたモデリング形状を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照し、本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置および方法の好ましい実施例を説明する。
【0028】
図1は本発明による非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置の構成を概略的に示したブロック図であり、図2は本発明による非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する方法を概略的に示したフローチャートである。図面に示したように、本発明による非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する装置は、抽出手段110、整列手段120、補正手段130、およびモデリング手段140を含むコンピューティング装置100および3次元スキャナー200を含み、この装置は前記手段またはコンピューティング装置によって図2に示された段階を行う。
【0029】
スキャナー200はコンピューティング装置100と通信し、3次元対象物をスキャンして3次元対象物の形状を表す3次元スキャンデータを生成し、このスキャンデータの集合をコンピューティング装置100に提供する(S100)。
【0030】
ここで、3次元スキャンデータはコンピューティング装置100と通信する3次元スキャナー200から収集されるか、予め貯蔵されたスキャンデータの集合である。スキャナー200によって収集された3次元スキャンデータは原始データであって、点群、三角メッシュ、四角メッシュ、四面体メッシュ、または六面体メッシュである。
【0031】
また、コンピューティング装置100は、抽出手段110、整列手段120、補正手段130、およびモデリング手段140のホストの役割をし、抽出手段110、整列手段120、補正手段130、およびモデリング手段140を支援することができるワークステーション(workstation)、サーバー(server)、ラップトップ(laptop)、メインフレーム(mainframe)、PDA、共に作動する装置のクラスター(cluster)、仮想装置(virtual device)、または他のコンピューティング装置である。
【0032】
抽出手段110は、スキャナー200から収集された3次元スキャンデータの集合、または入力された形状から複数の関心地点を抽出し、それから初期断面を生成する(S110)。
【0033】
ここで、抽出手段110は、スキャンデータの集合または入力された形状の曲率が目立つ部分を含むようにする特定基準で入力形状上の点をサンプリングし、このサンプリングされた点の周辺形状になるべく垂直に通る断面を抽出するようにする。
【0034】
一方、コンピューティング装置100は3次元スキャンデータの集合、すなわち、使用者の事前入力情報にパスが存在するか否かを判断し、入力情報にパスが存在しないと判断されたら、3次元スキャンデータの形状情報から3次元対象物の曲率情報を計算し、曲率が一定基準を超えるポイントから3次元対象物の形状に垂直な断面を抽出し、最適化過程の入力として使用する。このような計算過程は、パスのサンプリング作業によって断面を抽出する作業に対応するものである。
【0035】
整列手段120は抽出手段110から抽出された複数の断面の形状が一致するように整列する(S120)。
【0036】
このように抽出された断面を整列すると、任意の地点による断面形状の差が発生する。このような断面形状の差は補正手段130によって補正される。
【0037】
補正手段130は初期パスを構築し、初期プロファイルを生成した後、パスを補正する(S130)。具体的に、補正手段130は整列手段120によって整列された断面から同一なローカル座標を抽出し、その座標を結ぶ初期パスを構築する。
【0038】
また、補正手段130は、構築された初期パスから一定間隔の点を求め、それから再び断面を再抽出し、この断面の平均形状を求めて初期プロファイルを生成する。そして、補正手段130は先に再抽出された断面を再び整列した後、それから同一なローカル座標点を把握し、再び初期パスを補正する。
【0039】
すなわち、補正手段130は、整列された断面の平均形状を計算し、計算された断面の平均形状を用いて抽出手段110によって抽出された断面の形状を補正する。
【0040】
ここで、プロファイルの補正は整列された断面から平均断面をプロファイルに更新することであり、パスの補正は整列された断面の中心点を抽出してパスを更新することである。すなわち、パスの補正は各断面の中心点と整列された断面の中心点とを比較して新しい中心点を抽出することにより、パスを更新することである。
【0041】
一方、コンピューティング装置100は抽出手段110、整列手段120、および補正手段130がプロファイルおよびパスを抽出、整列および補正する過程を繰り返す(iteration)ようにし、抽出されたパスおよびプロファイルが漸進的に最適化されるようにする繰り返し手段150をさらに含む。すなわち、繰り返し手段150は、以前のiterationでのプロファイルとパスが次のiterationの入力になるようにし、最適化されたパスおよびプロファイルを生成する。言い換えると、繰り返し手段150はその結果物が特定条件に到達するまでプロファイルとパスが継続的に更新されるように、抽出手段110、整列手段120、および補正手段130の機能が繰り返して行われるようにする。このとき、2回目の繰り返しからは更新されたパスおよびプロファイルを入力に戻すこと、すなわちフィードバックする。
【0042】
モデリング手段140は補正手段130によって補正、すなわち更新されたパスおよびプロファイルを用いてモデリング機能を行う(S140)。ここでモデリング手段140が行うモデリング機能は、スイープ(sweep)、突出(extrusion)、回転(revolve)のうち、少なくともいずれか一つである。
【0043】
次いで、モデリング手段140は適切な公差範囲内でanalytic形状として探し出した自由曲線結果物を分解して、モデリング過程を行うことができる。すなわち、自由曲線、あるいはその一部を直線と円弧の組み合わせに変換するなどの作業によってモデリング過程を行う。
【0044】
一方、モデリング手段140によってモデリングされた逆設計モデルは、ディスプレー300を介して表示される。
【0045】
このように本発明による非定型デジタルデータから特定形状を自動抽出する装置は、抽出されたパスおよびプロファイルを整列された断面の平均形状に更新してモデリングを行うため、自由度の高い対象物の特徴形状を抽出する場合、既存の手動作業や測定作業を行う必要がないので、3次元スキャンデータからさらに正確かつ迅速に逆設計モデルを生成することができる。
【0046】
図3乃至図5は本発明による非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する方法の実施例を概略的に示したフローチャートである。
【0047】
図3は本発明による非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する方法の一実施例を示したフローチャートであって、スイープ機能(Sweep Wizard)を実行する例を示したものである。
【0048】
ここで、スイープ機能とは設計プログラムで使用される設計機能の一つであって、図6a乃至図6cに示された図面を参照して説明する。
【0049】
スキャンされた形状または入力された形状が図6aに示したように自由度の高い形状である場合、図6bに示したようにパスPを設定し、一断面をなす点を抽出して断面Aを生成した後、この断面Aを設定されたパスPに沿って移動させると、図6cに示されたモデリング形状が得られる。
【0050】
すなわち、スイープ機能とは、ある形状をパス(path)に沿ってフィーチャーを生成するための機能である。
【0051】
スイープ機能を行うと、3次元スキャナー200から収集された3次元スキャンデータの集合がコンピューティング装置100に提供され(S210)、このデータは三角メッシュ形状からなる。次いで、抽出手段110はコンピューティング装置100に提供されたスキャンデータの集合からスイープパス(sweep path)が存在するのかを判断する(S220)。この判断の結果、スイープパスが存在すると、抽出手段110はスイープパスをサンプリングし、断面(section plane)を計算する(S231)。その反面、スイープパスが存在しないと判断されると、抽出手段110により、提供された3次元スキャンデータの形状情報から3次元対象物の曲率情報を計算し、3次元対象物の形状に垂直な断面(section plane)を計算する(S232)。
【0052】
そして、抽出手段110は計算された断面(section plane)から各断面(section)を抽出する(S240)。次いで、整列手段120は抽出された断面の形状が一致するようにローカル座標上に抽出された断面を整列させる(S250)。
【0053】
抽出された断面の整列が完了すると、補正手段130は整列された断面から平均断面を計算し、これを用いてスイーププロファイル(sweep profile)を更新する(S260)。また、補正手段130は整列された断面の同一点、すなわち、中心点を抽出してスイープパス(sweep path)を更新する(S270)。すなわち、スイープパスの補正は各断面の中心点と整列された断面の中心点とを比較し、新しい中心点を抽出することによりスイープパスを更新することである。この更新過程は繰り返し手段150により、特定基準で最適化されるまで繰り返して行われる。
【0054】
次いで、コンピューティング装置100は前記段階が特定基準を満たすのかを判断する(S280)。すなわち、更新されたパスと入力形状との偏差や、繰り返し過程における変化率の減少などが特定基準を満たすのかを判断することである。
【0055】
特定基準を満たす場合、モデリング手段140は更新されたプロファイルとパスを用いてスイープ機能が行われるようにする(S290)。
【0056】
従って、自由度の高いスイープ機能でモデリングを行う場合にも、プロファイルとパスを実際対象物の形状に近接するように補正してモデリングを行うため、手動で各種媒介変数を調節しながら試行錯誤を行うことなく、正確にモデリングすることができる。
【0057】
図4は本発明による非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する方法の一実施例を示したフローチャートであって、突出機能(Extrude Wizard)を実行する例を示した図である。
【0058】
突出機能を実行すると、3次元スキャンデータの集合がコンピューティング装置に提供され(S310)、このデータは三角メッシュ形状からなる。次いで、抽出手段110はコンピューティング装置100に提供されたスキャンデータの集合から得た形状情報に基づいて対象物の突出方向(extrusion direction)および勾配(draft angle)を計算し(S320)、形状の領域に亘って突出方向に垂直な断面(section plane)を計算する(S330)。そして、計算された断面(section plane)から断面を抽出する(S340)。
【0059】
次いで、整列手段120は抽出された断面の形状が一致するようにローカル座標を基準に抽出された断面を整列させる(S350)。ここで、整列手段120は形状が一致する勾配が存在する場合、勾配率による断面の大きさ比率を補正した形状に整列する。
【0060】
抽出された断面の整列が完了すると、補正手段130は整列された断面から平均断面を計算し、これを用いて突出プロファイル(extrusion profile)を更新する(S360)。
【0061】
次いで、モデリング手段140は更新されたプロファイルと方向を用いて突出機能を行い、3次元対象物をモデリングする(S370)。
【0062】
従って、自由度の高い突出機能でモデリングを行う場合にも、プロファイルと方向を実際対象物の形状に近接するように補正してモデリングを行うため、手動で各種媒介変数を調節しながら試行錯誤を行うことなく、正確にモデリングをすることができる。
【0063】
図5は本発明による非定型デジタルデータから特徴形状を自動抽出する方法の一実施例を示したフローチャートであって、回転機能(Revolve Wizard)を実行する例を示した図である。
【0064】
回転機能を実行すると、3次元スキャンデータの集合がコンピューティング装置100に提供され(S410)、このデータは三角メッシュ形状からなる。次いで、抽出手段110はコンピューティング装置100に提供されたスキャンデータの集合から得た形状情報に基づいて対象物の回転軸(revolution axis)および回転角(rotation angle)を計算し(S420)、形状の領域に亘って回転軸に対する断面(section plane)を計算する(S430)。そして、計算された断面(section plane)から断面を抽出する(S440)。
【0065】
次いで、整列手段120は抽出された断面をローカル座標を基準にして整列させる(S450)。
【0066】
抽出された断面の整列が完了すると、補正手段130は整列された断面から平均断面を計算し、これを用いて回転プロファイル(revolve profile)を更新する(S460)。
【0067】
次いで、モデリング手段140は更新されたプロファイルと回転を用いて回転機能を行い、3次元対象物をモデリングする(S470)。
【0068】
従って、自由度の高い回転機能でモデリングを行う場合にも、プロファイルおよび回転軸、回転角を実際対象物の形状に近接するように補正してモデリングを行うため、手動で各種媒介変数を調節しながら試行錯誤を行うことなく、正確にモデリングをすることができる。
【0069】
以上説明した本発明の実施例は本発明の技術思想を例示的に示したものに過ぎなく、本発明の保護範囲は特許請求範囲によって解釈されなければならない。また、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者なら、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能であり、本発明と同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0070】
100…コンピューティング装置、110…抽出手段、120…整列手段、130…補正手段、140…モデリング手段、200…3次元スキャナー、300…ディスプレー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)3次元対象物をスキャンして3次元対象物の形状を表す3次元スキャンデータの集合を提供する段階と、
b)前記3次元スキャンデータの集合から複数の関心地点を抽出し、それから初期断面を生成する段階と、
c)前記複数の断面の形状が一致するように整列する段階と、
d)初期パスを構築し、初期プロファイルを生成した後、パスを補正する段階と、
e)前記補正されたパスおよびプロファイルを用いてモデリング機能を行う段階とを含むことを特徴とする非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項2】
前記d)段階は、整列された初期断面から同一なローカル座標を抽出し、その座標を結ぶ初期パスを構築することを特徴とする請求項1に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項3】
前記d)段階は、初期パスから一定間隔の点を求め、それから再び断面を再抽出し、この断面の平均断面を求めて初期プロファイルを生成することを特徴とする請求項2に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項4】
前記d)段階は、再抽出された断面を再び整列した後、同一なローカル座標点を把握して初期パスを補正することを特徴とする請求項3に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項5】
結果物が特定条件に到達するまでプロファイルとパスが継続的に更新されるように、前記b)、c)、d)段階が繰り返して行われるようにする段階をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項6】
前記b)、c)、d)段階を繰り返して行う段階において、2回目の繰り返しからは更新されたパスを入力に戻すことを特徴とする請求項5に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項7】
前記モデリング機能は、スイープ(sweep)、突出(extrusion)、回転(revolve)のうち、少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項8】
前記b)段階は、曲率が目立つ部分を含むようにする特定基準で入力形状上の点をサンプリングし、サンプリングされた点の周辺形状になるべく垂直に通る断面を抽出することを特徴とする請求項1に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項9】
前記d)段階は、整列された断面から計算された平均形状にプロファイルを更新し、整列された断面の同一な座標点を抽出してパスを更新することを特徴とする請求項1に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する方法。
【請求項10】
3次元対象物をスキャンして3次元対象物の形状を表す3次元スキャンデータの集合を提供するスキャナー、および前記スキャナーから収集された3次元スキャンデータの集合から特徴形状を抽出するコンピューティング装置を含み、
前記コンピューティング装置は、
前記3次元スキャンデータの集合から複数の関心地点を抽出し、それから初期断面を生成する抽出手段と、
前記複数の断面の形状が一致するように整列する整列手段と、
初期パスを構築し、初期プロファイルを生成した後、パスを補正する補正手段と、
前記補正されたパスおよびプロファイルを用いてモデリング機能を行うモデリング手段とを含むことを特徴とする非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項11】
前記補正手段は、整列された初期断面から同一なローカル座標を抽出し、その座標を結ぶ初期パスを構築することを特徴とする請求項10に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項12】
前記補正手段は、初期パスから一定間隔の点を求め、それから再び断面を再抽出し、この断面の平均断面を求めて初期プロファイルを生成することを特徴とする請求項11に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項13】
前記補正手段は、再抽出された断面を再び整列した後、同一なローカル座標点を把握して初期パスを補正することを特徴とする請求項12に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項14】
前記コンピューティング装置は、結果物が特定条件に到達するまでプロファイルとパスが継続的に更新されるように、前記抽出手段、前記整列手段、および前記補正手段の機能が繰り返して行われるようにする繰り返し手段をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項15】
前記繰り返し手段は、2回目の繰り返しからは更新されたパスを入力に戻すことを特徴とする請求項14に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項16】
前記モデリング手段は、スイープ(sweep)、突出(extrusion)、回転(revolve)のうち、少なくともいずれか一つの機能を行うことを特徴とする請求項10に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項17】
前記抽出手段は、曲率が目立つ部分を含むようにする特定基準で入力形状上の点をサンプリングし、サンプリングされた点の周辺形状になるべく垂直に通る断面を抽出することを特徴とする請求項10に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。
【請求項18】
前記補正手段は、整列された断面から計算された平均形状にプロファイルを更新し、整列された断面の同一な座標点を抽出してパスを更新することを特徴とする請求項10に記載の非定型デジタルデータから断面の軌跡からなる特徴形状を自動抽出する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2013−20603(P2013−20603A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234475(P2011−234475)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(505440996)株式会社 アイナス技術 (12)
【Fターム(参考)】