説明

非平坦状に形成された手拭片、およびその手拭片を収納するディスペンサー

本発明は収納や分配ができるよう、円錐形などの非平坦形状である三次元形状に成形された紙、布、その他の素材(10)の一般的な平坦状片からなる手拭片に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手拭片に関する。ここでいう「手拭片」とは、湿潤、含浸、または、乾燥状態にあって、エンボス、多孔、キルト、印刷、または片方が装飾加工されており、紙、布、その他の材料からなる、ティッシュ、クロス、ペーパタオル、キッチンロールなどの、周知の多様な種類の使い捨て手拭き製品に関連する用語である。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の製品、および製品を収納するためのディスペンサーは、一般的に見栄えが良いものではない。また、ディスペンサーから製品を取り出すのに、両手を必要とすることがある。本発明は、それら従来の製品の改良を目的とする。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、一般的な平坦状の素材からなる手拭片であって、前記平坦状素材がその形状で収納できるよう、三次元の非平坦形状に成形されている手拭片を提供する。
【0004】
また本発明は、多数の手拭片を収納するディスペンサーであって、前記ディスペンサーは前記手拭片の三次元形状に対応した本体を持つ、前記請求項のいずれかに記載のディスペンサーを提供する。
【0005】
さらに本発明は、一般的に平坦状の素材を作成する工程と、前記平坦状素材を三次元の非平坦形状に形成する工程と、前記非平坦形状の素材を収納する工程とからなる手拭片の作成方法を提供する。
【0006】
一例として、本発明の実施例を添付の図面を参照して以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図面に示す手拭片は、当初は、丸い平坦状のディスク材10として形成される(図1Aを参照)。手拭片は、単一層の素材、または2つ以上の層の同じか異なる素材で構成することもできる。ここで説明する手拭片は、紙などの吸湿性素材の下側層10aとグラシン紙などの防湿性素材の上側層10bとの、積層構造で形成されている。両層10a、10bの各層が、単数または複数のプライで構成される。手拭片に、たとえば香料、および/または抗菌剤を含浸させることも可能である。また、ディスク材10は適当な方法で形成可能であり、たとえば機械で連続的に作成したウェブ状素材から切断する方法がある。
【0008】
図1A、1B、1Cに示すように、手拭片はディスク材10の2本の径方向折り線14、15に沿ってプリーツ13を折り込み形成することにより、図1Aの平坦形状のディスク材10から、図1Cの三次元構造体11に形状変換させる。プリーツ13は図1Bに示すように、ディスク材10の一部を重畳させることができ、図1Cに示す円錐形状にする作用をもつ。
【0009】
その素材の性質のおかげで、折り曲げた後に手拭片を円錐形状に保持でき、複数の手拭片をその形状で互いに積み重ねることが可能となる。しかも、プリーツ13が手拭片の円錐形状から、わずかに突き出る結果となり、ユーザは積み重ねた複数の手拭片の束から1つを取り出せる効果的な手段が得られる。しかもこの動作は、片手で行えることに注意してほしい。たとえば、手拭片を台所テーブル上にこぼれた液体をふき取るのに使用するさい、プリーツ13をつまんで手拭片の束から1つを抜き出して、液体の上まで運んで上から落とすだけでよい。落とした手拭片は、折り畳んだ状態から展開し、元の平坦形状に戻ろうとする。この展開動作は、下側層10aがこぼれた液体を吸収するにつれ加速される。こぼれた全部の液体の吸収が完了すると(つまり、手拭片が液体の飽和状態となると)、手拭片を持ち上げて廃棄するだけでよい。この手順において、上側層10bのおかげでユーザの手が濡れたり汚れたりすることがない。
【0010】
図1Cの手拭片を収納するのに適したディスペンサーのいくつかの例を、図2、3、4に示す。図2に示すディスペンサーは、図1Cの円錐形状の手拭片の直径にほぼ等しい内径をもつ概略円柱状の中空筒体16からなる。中空筒体には縦スリット部17が設けられており、ユーザが手拭片の束の最上端片のプリーツ13をつかみやすくなっている。
【0011】
図3に示すディスペンサーは、自在置き型の構造であり、基部18、柱部19、ヘッド部20からなる。ヘッド部20は、その上に手拭片を配置する、手拭片の円錐形状に対応した円錐形状となっている。
【0012】
図4に示すディスペンサーは、図3のディスペンサーと同様に、手拭片の束が収納される円錐形状のヘッド部20を備える。しかしながら、ヘッド部20は、エルボ部21によりブラケット部22に取り付けられ、それによりディスペンサーを壁に据付可能となる。
【0013】
上述の手拭片の束の収納や取り出し形状は、ペーパロールという従来の形状に比べて、キッチンにおける外見的課題を解決できる。両手を必要とする、従来のキッチンペーパのロールからティシュを切り取るのではなく、この形状は片手で取り出せるため、手拭片の使用が簡単に行える。さらに前記手拭片の材質や形状は、その使用の効率や簡易性を最大限にすることができる。
【0014】
手拭片の当初の形状は幾何学形状に限らず、任意の適当な形状であってよく、後の三次元形状も同様に幾何学形状に限らず任意の形状で構わないことも理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明による手拭片の異なる工程を示す。
【図1B】本発明による手拭片の異なる工程を示す。
【図1C】本発明による手拭片の異なる工程を示す。
【図2】図1Cに示す手拭片を収納するためのディスペンサーの適切な形態を示す。
【図3】図1Cに示す手拭片を収納するためのディスペンサーの適切な形態を示す。
【図4】図1Cに示す手拭片を収納するためのディスペンサーの適切な形態を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般的な平坦状の素材からなる手拭片であって、前記平坦状素材が、その形状で収納できるよう、三次元の非平坦形状に成形されている手拭片。
【請求項2】
前記非平坦形状が、幾何学形状である請求項1記載の手拭片。
【請求項3】
前記幾何学形状が、ほぼ円錐形である請求項2記載の手拭片。
【請求項4】
前記素材が、幾何学形状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の手拭片。
【請求項5】
前記幾何学形状が、ほぼ円形である請求項4記載の手拭片。
【請求項6】
前記素材が、素材を少なくとも1回折る手段により前記非平坦形状に成形される請求項1〜5のいずれか1項に記載の手拭片。
【請求項7】
前記素材が、素材を2回折る手段により前記非平坦形状に成形され、その折目の中間にプリーツを形成し、素材を部分的に重ね折り可能にする請求項1〜6のいずれか1項に記載の手拭片。
【請求項8】
前記プリーツが、ユーザが手拭片をつまみ取れる手段となるよう、前記三次元形状の手拭片からわずかに突き出ている請求項7記載の手拭片。
【請求項9】
前記素材が、2つ以上のプライからなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の手拭片。
【請求項10】
前記素材が、2つ以上の異なる素材からなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の手拭片。
【請求項11】
前記素材が、含浸されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の手拭片。
【請求項12】
多数の手拭片を収納するディスペンサーであって、前記ディスペンサーは、前記手拭片の三次元形状に対応した本体を持つ、請求項1〜11のいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記手拭片が、互いに積み重ねられた束状態で、ディスペンサー内、またはディスペンサー上に収納される請求項12記載のディスペンサー。
【請求項14】
手拭片を作成する方法であって、一般的に平坦状の素材を作成する工程と、前記平坦状素材を三次元の非平坦形状に形成する工程と、前記非平坦形状の素材を収納する工程とからなる手拭片の作成方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−526337(P2008−526337A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549944(P2007−549944)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【国際出願番号】PCT/GB2005/004972
【国際公開番号】WO2006/072764
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(505385435)
【Fターム(参考)】