説明

非接触充電方法及び非接触充電装置

【課題】効率良く電力を一次側回路から二次側回路へと供給することができる非接触充電方法及び非接触充電装置を提供する。
【解決手段】二次側トランスと電磁結合する一次側トランス13は、複数組のコイル16a〜16cを有していると共に、これら複数組のコイル16a〜16cは、高周波インバータ32のスイッチング素子50a〜50fを切換えることによって、交流電源12から給電されるコイルが選択される。充電制御部33は、二次側回路の充電電力に基づいて、一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように、高周波インバータ32のスイッチング状態を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触状態で一次側回路から二次側回路に設けられた二次電池に充電を行う非接触充電方法及び非接触充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な製品にモータなどの電動機が搭載されていると共に、これらの製品の中には電動機を駆動させるために充放電可能な二次電池を有しているものがある。二次電池は、電池の種類などによって様々な方法で充電されるが、高性能二次電池として知られるリチウムイオン電池、ニッケル水素電池などでは、定電流・定電圧制御(CC・CV充電)によって、急速かつ過充電を防止しつつ充電されることが知られている。
【0003】
即ち、上記定電流・定電圧制御では、二次電池は、電池残量が少ない場合には、充電電流を一定に制御して急速に充電されると共に、電池残量が一定以上になると、電池の電圧を一定に制御しながら充電されることによって、過充電が防止されている。
【0004】
ところで、自動車の分野においても、駆動源としてエンジンの他に、モータ・ジェネレータ(以下、単にモータという)を搭載すると共に、二次電池を搭載したハイブリッド自動車が案出されて普及している。このハイブリッド自動車のモータは、主に、発進時や、回生して車両の運動エネルギを電気エネルギに変換するために使用されており、二次電池への充電も、回生時に変換される電気エネルギによって行われていた。
【0005】
しかしながら、環境意識の高まりなどによって、上記ハイブリッド自動車においても、モータ走行を多くして行くことが考えられており、また駆動源としてモータのみを有する電気自動車も既に実用化されている。
【0006】
そして、このように、モータの使用が多くなると、二次電池の充電も外部電源から充電することが求められ、従来、この外部電源から二次電池へ充電する一つの方法として、電源設備と車両とを物理的に接続せずに非接触状態で二次電池に充電を行う方法が案出されている(特許文献1参照)。
【0007】
具体的には、交流電源に接続された一次コイル(一次側トランス)を駐車スペースに埋設する共に、車両側に二次コイル(二次側トランス)を設け、車両が駐車スペースに駐車した際に、一次コイルに電流を流して磁場を発生させ、一次コイルと電磁結合された二次コイルに電流を発生させて、二次電池を充電する非接触充電システムが案出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−126120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、トランスを利用して、非接触状態で二次側回路に設けられた二次電池を充電すると、一次側回路と二次側回路とを物理的に接続する必要がないため、簡単に二次電池を充電することができる。また、上述した電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両の場合においては、単に車両を駐車するだけで二次電池を充電することができ、かつ、車両側に設けられた給電部へのいたずらなども防止することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0010】
ところで、上記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率の特性は、これら一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比によって決定されると共に、その電力変換効率は、一次側回路から二次側回路へ供給される充電電力によって変化する。そして、該充電電力も、二次電池の電池残量によって変化するため、充電電力の値によっては、電力変換効率が高くない状態で二次電池を充電していることがある。
【0011】
特に、通常、一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比は、最も大きな充電電力が供給される際に電力変換効率が最大になるように設定されるため、上述した二次電池を定電流・定電圧制御によって充電する場合には、定電圧制御となって充電電力が小さくなると、これら一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が落ちるという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、一次側トランスと二次側トランスのコイル間の抵抗比を、これら一次側及び二次側トランス間の電力効率が高くなるように変更することによって、上記課題を解決した非接触充電方法及び非接触充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、交流電源(12)に接続された一次側トランス(13)のコイル(16)に交流電流を供給し、該一次側トランス(13)と電磁結合した二次側トランス(7)のコイル(10)に電流を発生させて、一次側回路(25)から二次側回路(26)に設けられた二次電池(3)に非接触状態で電力を供給する非接触充電方法において、
前記一次側回路(25)から前記二次側回路(26)に供給している充電電力(Wb)を検出する工程(S3)と、
前記検出された充電電力(Wb)に基づいて、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように、これら一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比(r1/r2)を変更する工程(S4〜S14)と、を備えた、ことを特徴とする。
【0014】
また、前記一次側及び二次側トランス(13,7)の少なくとも一方は、前記コイル(16,10)を複数組、有していると共に、これら複数組のコイルのそれぞれは、スイッチング回路(32,29)によって、前記一次側又は二次側回路(25,26)との接続を断接されるように構成されており、
前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比(r1/r2)の変更は、前記スイッチング回路(32,29)の複数のスイッチング状態の内、前記検出された充電電力(Wb)にて、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるスイッチング状態を選択することによって行われる。
【0015】
更に、具体的には、前記一次側トランス(13)は、前記複数組のコイル(16)を有していると共に、前記スイッチング回路は、これら複数組のコイルにそれぞれ対応したスイッチング素子(50a〜50f)を有した高周波インバータ(32)によって構成され、
前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比(r1/r2)の変更は、前記高周波インバータ(32)のスイッチング素子(50a〜50f)を切換えて、前記交流電源(12)から給電する前記一次側トランス(13)のコイル(16)を選択することによって行われる。
【0016】
また、本発明は、交流電源(12)と、二次側回路(26)に設けられた二次側トランス(7)と電磁結合する一次側トランス(13)と、を備え、該一次側トランス(13)に前記交流電源(12)から交流電流が供給されることによって、前記二次側トランス(7)に非接触で電流を発生させ、前記二次側回路(26)の二次電池(3)を充電する一次側非接触充電装置(22)において、
前記二次側回路(26)に前記一次側トランス(13)が設けられた一次側回路(25)から供給された充電電力(Wb)を検出する検出部(35)と、
前記検出部(35)によって検出された充電電力(Wb)に基づいて、前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比(r1/r2)を、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように変更するコイル変更部(50)と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
更に、具体的には、前記一次側トランス(13)は、磁性体からなるコア(15)に複数組のコイル(16)を巻回して形成され、
前記コイル変更部(50)は、
前記複数のコイル(16)それぞれに対応したスイッチング素子(50a〜50f)を備えた高周波インバータ(32)と、
前記スイッチング素子(50a〜50f)のスイッチング状態を、複数あるスイッチング状態の内、前記検出部(35)によって検出された充電電力(Wb)の値にて、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなる状態に選択する制御部(33)と、備えている。
【0018】
また、本発明は、充放電可能な二次電池(3)と、一次側回路(25)に設けられた一次側トランス(13)と電磁結合する二次側トランス(7)と、を備え、前記一次側トランス(13)に交流電源(12)から交流電流が供給されることによって、前記二次側トランス(7)に非接触で電流を発生させ、前記二次電池(3)を充電する二次側非接触充電装置(22)において、
前記二次側トランス(7)が二次側回路(26)に前記一次側回路(25)から供給された充電電力(Wb)を検出する検出部(30)と、
前記検出部(30)によって検出された充電電力に基づいて、前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比(r1/r2)を、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように変更するコイル変更部(80)と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によると、一次側回路から二次側回路に供給された充電電力に応じて、一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比を、これら一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が向上するように変更することによって、効率よく一次側回路から二次側回路に非接触状態で電力を供給することができる。また、トランス間での電力損失が低下するため、これら一次側及び二次側トランスによって生じる熱量が小さくなり、特別な冷却装置などを必要とせずに、大きな電力を供給することができる。
【0021】
請求項2に係る発明によると、一次側及び二次側トランスの少なくとも一方を、複数のコイルを巻回して設けると共に、これら複数のコイルのそれぞれの接続を、スイッチング回路によって断接可能に構成し、このスイッチング回路のスイッチング状態によって、使用コイルを変更するように構成したことによって、簡単な構成で一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比を変更することができる。
【0022】
請求項3に係る発明によると、スイッチング回路を、高周波インバータによって構成すると共に、制御部によって上記高周波インバータのスイッチング素子を切換えてトランスの使用コイルを変更することによって、一次及び二次トランスのコイル間の抵抗比を、容易かつコンパクトな構成で変更することができる。
【0023】
請求項4に係る発明によると、一次側回路から二次側回路に供給された充電電力を検出する検出部と、この検出された充電電力に基づいて一次及び二次トランスのコイル間の抵抗比を変更するコイル変更部とを設けたことによって、該トランスの使用コイルを、トランス間の電力変換効率が向上するように変更することができる。また、これら検出部及びコイル変更部を、一次側非接触充電装置に設けたことによって、二次側非接触充電装置をコンパクトに構成することができる。
【0024】
請求項5に係る発明によると、一次側トランスを複数組のコイルを巻回して設け、これら複数のコイルの内、交流電源から給電されるコイルを、スイッチング素子を設けた高周波インバータによって切換えることによって、容易かつコンパクトな構成でトランスのコイル間の抵抗比を変更することができる。
【0025】
請求項6に係る発明によると、一次側回路から二次側回路に供給された充電電力を検出する検出部と、この検出された充電電力に基づいて一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比を変更するコイル変更部を設けたことによって、該トランスの使用コイルを、トランス間の電力変換効率が向上するように変更することができる。また、これら検出部及びコイル変更部を、二次側非接触充電装置に設けたことによって、一次側非接触充電装置の構成によらず高い電力変換効率にて二次電池を充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)本発明の実施形態に係る電動車両を示す模式図、(b)本発明の実施形態に係るトランスを示す模式図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る非接触充電システムを示す模式図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池の充電制御を説明するためのグラフ。
【図4】本発明の第1実施形態に係るコイル変更部を示す模式図。
【図5】(a)本発明の第1実施形態に係る電力変換効率と充電電力との関係を示すグラフ,(b)本発明の第1実施形態に係る一次コイルと二次コイルとの抵抗比と電力変換効率との関係を示すグラフ、(c)本発明の第1実施形態に係る一次電流と充電電力との関係を示すグラフ。
【図6】本発明の第1実施形態に係る二次電池の充電時の制御を示すフローチャート図。
【図7】本発明の第2実施形態に係るコイル変更部を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る非接触充電方法及び装置について図面に基づいて説明をする。なお、以下の説明において、モータとは、単に電力が供給されて駆動する狭義のモータではなく、回生して運動エネルギを電気エネルギに変換して回収する広義のモータ(モータ・ジェネレータ)を意味する。また、交流電源が設けられた電源設備側を一次側、負荷(充電回路、モータ)を備えた車両側を二次側というものとする。
【0028】
[第1実施形態]
[電動車両の概要]
図1及び図2に示すように、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車などに代表される電動車両1は、駆動源としてモータ(電動機)2を有していると共に、充放電可能な二次電池3と、該二次電池3から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ2の巻線に供給する三相インバータ5と、この三相インバータ5を制御する制御部6と、を備えている。
【0029】
また、上記電動車両1の底部には、二次側トランス7が設けられており、この二次側トランス7は、フェライト(磁性体)からなるコア9にコイル(以下、二次コイルともいう)10を巻回し、このコイル10が巻回されたコア9がケース11に収納されて構成されている。
【0030】
上記二次側トランス7は、車両が駐車場に停車すると、交流電源12に接続されていると共に駐車場に埋設された一次側トランス13と電磁結合するように構成されており、これによって、電動車両1は、駐車場に車両を駐車すると、非接触状態で二次電池3を外部電源から充電することが出来る非接触充電システム20を構成している。
【0031】
なお、上記一次側トランス13は、二次側トランス7と同様に、フェライトからなるコア15にコイル(以下、一次コイルともいう)16を巻回し、このコイル16を巻回されたコア15がケース17に収納されて構成されている。
【0032】
[非接触充電システムの構成]
ついで、上記車両1に設けられた二次電池3に非接触状態で充電を行う非接触充電システム20について説明を行う。
【0033】
図2に示すように、非接触充電システム20は、交流電源側の一次側非接触充電装置(一次側非接触充電装置)21と、車両側の二次側非接触充電装置(二次側非接触充電装置)22とが、上記一次側トランス13及び二次側トランス7からなるトランス部23において、非接触状態で電源側回路(一次側回路)25から車両側回路(二次側回路)26に電力を供給することによって構成されている。
【0034】
具体的には、上記二次側非接触充電装置22は、二次側トランス7の他に、二次電池3と、交流電流周波数において二次側トランス7の自己インダクタンスと共振させるための共振コンデンサ27と、二次側回路26に供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路29と、この整流回路29によって変換された直流電力を調整して二次電池3を充電するための充電回路30と、を有している。
【0035】
また、当然ながら上記二次側回路26は、上述したモータ2、三相インバータ5及び制御部6をも有していると共に、充電回路30は、上記二次電池3に接続されている。
【0036】
一方、一次側非接触充電装置21は、一次側トランス13の他に、商用交流電力が供給される交流電源12と、この交流電源12から供給された交流電力を直流電力に変換する整流装置31と、整流装置31によって整流された直流電力を、交流電力に変換して一次側トランス13に供給する高周波インバータ(スイッチング回路)32と、この高周波インバータ32を制御する充電制御部(制御部)33と、一次コイル16に流れる一次電流Icを検出する電流センサ35と、交流電源の力率を1とするための直列共振コンデンサ調整回路36と、を備えて構成されている。
【0037】
そのため、上記二次電池3を充電する場合、充電制御部33は、まず、一次側トランス13と二次側トランス7とが正対したことを検出し、これら一次側及び二次側トランス13,7が正対すると、高周波インバータ32を制御して、一次コイル16に一次電流Icを流す。そして、一次コイル16に一次電流Icが流れると磁場が発生すると共に、一次コイル16と電磁結合した二次コイル10には、この磁場によって電流が発生する。二次電池3は、この二次コイル10に発生した交流電力が整流回路29によって直流電力に変換され、充電回路30を介して供給されることで充電される。
【0038】
[二次電池の充電方法]
ついで、充電回路30による二次電池3の充電方法について詳しく説明をする。上記二次電池3は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの高性能二次電池によって構成されていると共に、該二次電池3の充電を制御する充電回路30は、二次電池3の電圧を検出する電圧センサ37と、二次電池3に供給される二次充電電流Ibを検出する電流センサ39と、これら電圧センサ37及び電流センサ39と接続した充電IC40と、を有している。
【0039】
上記充電IC40は、検出された二次充電電流Ibの値及び二次電池3の電圧Vbによって、二次電池3の電池残量SOCを算出していると共に、この二次電池3の電池残量SOCに応じて、二次電池3の充電制御を、定電流制御から定電圧制御に切換えている(定電流・定電圧制御)。
【0040】
具体的には、図3に示すように、充電IC40は、二次電池3の電池残量SOCが少なく、二次電池3の電圧Vbが低い場合には、上記二次充電電流Ibを所定の一定電流Isに制御しながら二次電池3を充電する(定電流制御)。
【0041】
また、二次電池3が充電されて、その電圧Vbが所定の電圧Vsまで上昇すると、充電IC40は、充電制御を定電流制御から定電圧制御に切換えて、二次電池3の電圧が上記所定電圧Vsに保たれるように制御しながら充電を行う(定電圧制御)。
【0042】
そのため、定電流制御中は、二次充電電流Ibが一定でかつ、二次電池3の電圧Vbも上昇して行くため、一次側回路25から二次側回路26へ多くの充電電力Wbが供給されるが、定電圧制御中は、流れる二次充電電流Ibが急速に少なくなるため、それに応じて一次側回路25から二次側回路26へ供給される充電電力Wbも少なくなる。
【0043】
即ち、充電IC40は、充電初期の定電力制御中は、充電電力Wbを大きくして急速に二次電池3を充電すると共に、充電終期の定電圧制御中は、充電電力Wbを小さくして過充電を防止している。
【0044】
[インダクタンス変更部の構成]
ついで、上記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比r1/r2を変更させるコイル変更部50の構成について説明をする。
【0045】
図2及び図4に示すように、インダクタンス変更部50は、上記一次側トランス13、高周波インバータ32及び充電制御部33を有して構成されており、一次コイル16の抵抗値を変化させることによって、一次側及び二次側トランスの抵抗比r1/r2を変えるように構成されている。
【0046】
より詳しくは、一次側トランス13は、図4に示すように、コア15に複数組(本実施形態では3組)の一次コイル16a,16b,16cが巻回されて構成されていると共に、これら複数組の一次コイル16a,16b,16cは、並列に接続されている。
【0047】
また、高周波インバータ32は、上述した複数組のコイル16a,16b,16cのそれぞれに対応したスイッチング素子50a〜50fを有しており、これら複数のスイッチング素子50a〜50fの内、作動(入切)されるスイッチング素子50a〜50f(スイッチング状態)によって、交流電源12から電流が供給される一次コイル16a,16b,16cが決まるように構成されている。言い換えると、高周波インバータ32は、一次側トランス13のコイル16のそれぞれの一次側回路25との接続を断接するスイッチング回路となっている。
【0048】
更に、充電制御部33は、上記高周波インバータ32の作動されるスイッチング素子50a〜50fの組み合わせを選択するように構成されており、該充電制御部33によって、複数ある高周波インバータ32のスイッチング状態を切換えることによって、給電される一次コイル16a,16b,16cの組み合わせが変更されて、一次側トランス13の使用コイルが変更されるようになっている。
【0049】
次に、充電制御部33がどのように高周波インバータ32のスイッチング状態を決定するかを説明する。
【0050】
上述したトランス部(一次側及び二次側トランス間)23の電力変換効率は、図5(a)に示すように、一次側回路25から二次側回路26へ供給された充電電力Wbの値によって変化するようになっていると共に、これら電力変換効率と充電電力Wbとの関係、即ち、充電変換効率の特性(充電効率曲線)は、図5(b)に示すように、トランス部23の一次コイル16と二次コイル10との抵抗比r1/r2によって変化する。
【0051】
より具体的には、二次電池3の充電を行う際、一次側及び二次側トランス間の距離及びコイル周辺の物質の透磁率などは略一定であるため、一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が最も高くなる際の充電電力である最大効率充電電力Wmaxは、上記抵抗比r1/r2によって変化する。即ち、この抵抗比r1/r2の値が高くなると、上述した最大効率充電電力Wmaxの値が低くなる(負の相関関係)。
【0052】
そのため、充電制御部33は、充電制御の段階を検出する充電段階検出手段51と、一次側回路25から二次側回路26に供給された充電電力Wbに基づいて高周波インバータ32のスイッチング状態を選択するスイッチング状態選択手段52と、該スイッチング状態選択手段52からの信号に基づいて、高周波インバータ32のスイッチング素子を切換える切換え手段53と、を備えており、検出された充電電力Wbにて、上記トランス部23の電力変換効率が高くなるように高周波インバータ32のスイッチング状態を切換えるように構成されている。
【0053】
即ち、上記一次側回路25から二次側回路26に供給された充電電力Wbは、図5(c)に示すように、一次電流Icと正の相関関係を有しているため、充電制御部33は、電流センサ35が検出した一次電流Icの値に基づいて二次側回路26の充電電力Wbを検出することができる。
【0054】
そして、上記スイッチング状態選択手段52は、図5(c)に示すような、一次電流Icと二次側回路26に供給された充電電力Wbとの関係を示す切換えマップを有しており、この切換えマップに各スイッチング状態における一次コイル16と二次コイル10との抵抗比r1/r2に対応した閾値I,Iを設定して、どのスイッチング状態に高周波インバータ32を設定するか選択している。
【0055】
更に詳しくは、本実施形態では、一次側トランス13は、抵抗の同じ3つの一次コイル16a〜16cを並列に配列しており、これら3つの一次コイル16a〜16cから給電する一次コイル16a〜16cを選択するために、スイッチング状態選択手段52は、少なくとも2つの閾値I,Iを有している。そして、電流センサ35が検知した一次電流Icが、高い側の第2閾値Iよりも大きい場合(Ic>I)、二次側回路26に供給されている充電電力Wbが大きいと判断して、3つの一次コイル16全てに給電するスイッチング状態を選択するようになっている。
【0056】
また、スイッチング状態選択手段52は、一次電流Icが、第2閾値Iよりも小さく、低い側の第1閾値Iよりも大きい場合(I<Ic<I)は、二次側回路26に供給されている充電電力Wbが中程度と判断して、2つの一次コイル16に給電するスイッチング状態を選択する。
【0057】
更に、スイッチング状態選択手段52は、一次電流Icが、第1閾値Iよりも小さい場合(Ic<I)には、充電電力Wbが小さいと判断し、1つの一次コイル16に給電するスイッチング状態を選択する。
【0058】
次に、上記閾値I,Iの設定方法について説明する。
【0059】
上述した二次電池3の非接触充電システム20においては、二次電池3の仕様などによって、充電回路30の充電最大能力が決定される。
【0060】
また、上記トランス部23のコイル間の抵抗比r1/r2は、この充電回路30の最大許容充電電力が、これら一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が最も高くなる最大効率充電電力Wmaxとなるようにトランス部23のコイル間の抵抗比r1/r2を決定する。
【0061】
上記相互インダクタンスが決定されると、二次コイル10のインダクタンスは、一定であるため、一次側トランス13のコイル16の合成インダクタンスが決定される。そして、この一次コイル16の合成インダクタンスが決定されると、複数の一次コイル16a〜16cそれぞれのインダクタンスも決定する。
【0062】
上記閾値I,Iは、図5(a)に示すように、各スイッチング状態における充電効率曲線の交点に設定され、スイッチング状態選択手段52は、一次電流Icを介して検出された充電電力Wbの際に、電力変換効率が最も高くなるスイッチング状態を選択するように構成されている。
【0063】
なお、本実施系形態では、上記第1乃至第3一次コイル16a〜16cの抵抗を全て同じに構成したが、一次側トランス13の合成抵抗値が設計値を満たすようにして、これら複数の一次コイルそれぞれの抵抗値を変更して、より一次コイル16と二次コイル10との間の抵抗比の変更の幅を広げても良い。この場合、上記閾値の数は、スイッチング状態の数に応じて当然に増える。
【0064】
ついで、本発明の実施形態に係る作用について図1,図2,図4及び図6に基づいて説明をする。運転者は、図1に示すように、電動車両1を駐車場に駐車して、二次側トランス7を一次側トランス13に正対させると、一次側非接触充電装置21に充電を開始させる。
【0065】
上記一次側非接触充電装置20は、充電制御部33に充電開始信号が入力されると、まず、スイッチング状態選択手段52によって、複数ある一次コイル16a〜16cの内、全ての一次コイルを使用するスイッチング状態が選択され、これら3つの一次コイル16a〜16cに一次電流Icが供給される(図6のS1〜S2)。
【0066】
一次電流Icが一次コイル16a〜16cに流れると、二次側トランス7の二次コイル10にも電流が発生すると共に、この一次側回路25から二次側回路26に供給された電力Wbは、二次側回路26の整流回路29によって直流電力に変換されて充電回路30に入力される。
【0067】
この時、一次側回路25の電流センサ35には、二次側回路26で二次電池3に充電された電力に応じた一次電流Icの電流値が検出され(S3)、この電流センサ35が検出した一次電流Icの電流値が充電制御部33に入力されると、充電制御部33のスイッチング状態選択手段52によって、一次電流Icの電流値を第1及び第2閾値I,Iと比較する(S4)。
【0068】
通常、充電初期の段階では、二次電池3の電池残量SOCが少なく、二次電池3の電圧Vbも低いため、二次電池3は定電流制御によって充電される。そのため、一次側回路25から二次側回路22へと供給される充電電力Wbも大きく、一次側回路25の電流センサ35によって検出される一次電流Icの値は、高い側の第2閾値Iよりも大きくなる(Ic>I)。
【0069】
スイッチング状態選択手段52は、一次電流Icの値が高い側の第2閾値Iよりも大きいと、二次側回路26に供給された充電電力Wbが大きいと判断し(S5)、全ての一次コイル16a〜16cに給電する高周波インバータ32のスイッチング状態を選択する(S7)。
【0070】
具体的には、図4に示すように、高周波インバータ32の第1乃至第6スイッチング素子50a〜50fは、それぞれプラス側及びマイナス側のスイッチング素子が対となって、1つの一次コイル16a〜16fに対応しており、スイッチング状態選択手段52は、第1一次コイル16aに対応する第1スイッチング素子対50a,50b、第2一次コイル16bに対応する第2スイッチング素子対50c,50d、第3一次コイル16cに対応する第3スイッチング素子対50e,50fを作動状態にするスイッチング状態を選択する。
【0071】
そして、上記スイッチング状態選択手段52によって、高周波インバータ32のスイッチング状態が選択されると、切換え手段53は、これら第1乃至第3スイッチング素子対50a〜50fのプラス側とマイナス側のスイッチング素子を交互に入切させて、第1乃至第3一次コイル16a〜16cに一次電流Icを供給する。
【0072】
一方、充電が進んで充電終期に近づき、充電制御が定電圧制御へと切り換えられると、二次充電電流Ibの量が減少して充電電力Wbの値もそれに応じて小さくなるため、一次側回路25の電流センサ35が検出する一次電流Icの値も小さくなる。
【0073】
そして、上記電流センサ35によって検出される一次電流Icの値が、第2閾値Iよりも小さく、低い側の第1閾値Iよりも大きくとなると(I<Ic<I)、スイッチング状態選択手段52は、充電電力Wbが中程度になったと判断し(S9)、使用する一次コイル16が2つになるスイッチング状態を選択する(S10)。
【0074】
具体的には、スイッチング状態選択手段52は、上記第1及び第2スイッチング素子対50a,50b、50c,50dを作動させ、第3スイッチング素子対50e,50fをオフにするスイッチング状態を選択し、切換え手段53は、これら第1及び第2スイッチング素子対50a,50b、50a,50bのプラス側及びマイナス側のスイッチング素子を交互に入切して、第1及び第2一次コイル16a,16bに一次電流Icを供給する(S11)。
【0075】
また、二次電池3への充電が更に進んで、充電終期へと入り、一次側回路25の電流センサ35によって検出される一次電流Icが上記第1閾値Iよりも小さくなると(Ic<I)、スイッチング状態選択手段52は、充電電力Wbが小さくなったと判断し(S12)、給電する一次コイル16が1つのスイッチング状態を選択する(13)。
【0076】
具体的には、スイッチング状態選択手段52は、上記第1スイッチング素子対50a,50bを作動させ、第2及び第3スイッチング素子対50a,50b、50e,50fをオフにするスイッチング状態を選択する。そして、切換え手段53は、第1スイッチング素子対50a,50bのプラス側及びマイナス側のスイッチング素子を交互に入切して、第1一次コイル26aに一次電流Icを供給する(S14)。
【0077】
上述したように、非接触充電システム20を構成すると、一次側回路25から二次側回路26に供給された充電電力Wbに応じて、一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比r1/r2を、これら一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が向上するように変更することができ、効率よく一次側回路25から二次側回路26に非接触状態で電力を供給することができる。
【0078】
また、トランス間での電力変換効率が向上し、電力損失(銅損)が低下するため、これら一次側及び二次側トランスによって生じるジュール熱が小さくなり、特別な冷却装置などを必要とせずに、大きな電力を供給することができる。
【0079】
更に、一次コイル16を並列に接続して複数設け、これら複数の一次コイル16と交流電源12との接続を、高周波インバータ32のスイッチング素子50a〜50fにより断接可能に設けたことによって、使用するコイルを、容易かつコンパクトな構成で変更することができる。
【0080】
また、電流センサ35及びインダクタンス変更部50を、一次側非接触充電装置25に設けたことによって、電動車両側の二次側非接触充電装置22をコンパクトに構成することができる。
【0081】
なお、本実施形態において、一次側回路25から二次側回路26に供給された充電電力Wbを検出する検出部として、一次側回路25に一次電流Icを検出する電流センサ35を設けたが、この充電電力Wbは、必ずしも一次電流Icによって検出される必要はない。即ち、充電電力Wbは、二次側回路26に設けられた充電回路30などで直接計測されても良く、これを充電制御部33に通信によって入力しても良い。
【0082】
また、本実施形態においては、一次電流Icの値に応じて使用する一次コイルの組み合わせが決まっていたが、一次コイル16の抵抗値が同じの場合、各一次コイル16の使用率が平準化されるようにしても良い。
【0083】
更に、各一次コイル16の抵抗値がそれぞれ違う場合においても、電動効率の向上が小さい場合には、一次コイル16の使用率の平準化を優先するようにしても良い。即ち、電動効率が向上すれば、必ずしも最も電動効率が高くなるトランス部23のコイル間の抵抗比r1/r2にしなくても良く、例えば、使用率が低く、検出された充電電力Wbにて電動効率が2番目に良い抵抗比r1/r2にトランス部23を設定しても良い。
【0084】
また、本実施形態では、充電初期の定電流制御中は、第2閾値Iよりも一次電流Icが大きい場合について説明したが、当然に定電流制御中であろうと一次電流Icの電流値、閾値の値によっては、トランス部23の使用コイルを変更しても良い。
【0085】
更に、必要以上に抵抗比r1/r2を変更しないように、充電段階検出手段51や、充電IC40などによって、二次電池3の充電状態を検出し、例えば、定電流充電時は、トランス部23のコイル間の抵抗比r1/r2を固定し、定電圧制御に移行した際にこの抵抗比r1/r2を変更するようにしても良い。
【0086】
[第2実施形態]
ついで、本発明に係る第2実施形態について説明をする。この第2実施形態は、上記検出部及びコイル変更部を車両側である二次側回路26に設けたものであり、その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0087】
図6に示すように、二次側トランス7は、複数組(本実施形態においては3組)の2次コイル10a〜10cをコア9に巻回して構成されていると共に、これら複数の2次コイル10a〜10cは、それぞれ並列に接続されている。
【0088】
また、整流装置(スイッチング回路)29は、上記複数組の二次コイル10a〜10cのそれぞれに対応したスイッチング素子60a〜60fを有しており、これら複数の整流回路29のスイッチング素子60a〜60fのスイッチング状態によって、二次コイル10a〜10cは二次側回路26(充電回路30)との接続を断接されるように構成されている。
【0089】
更に、電動車両1の制御部(ECU)6は、上記整流回路29のスイッチング状態を制御する充電制御部70を有しており、この充電制御部70は、充電回路(検出部)30によって検出された充電電力Wbに基づいて、トランス部23の電力変換効率が高くなるように、上記整流回路29のスイッチング状態を選択するようになっている。
【0090】
具体的には、上記充電制御部70は、整流回路29のスイッチング状態を選択するスイッチング状態選択手段71と、該スイッチング状態選択手段71が選択したスイッチング状態に上記整流回路29のスイッチング素子60a〜60fに切換える切換え手段72と、を備えている。
【0091】
即ち、上記スイッチング状態選択手段71は、第1実施形態の一次コイル16を切換える場合とは逆に、充電電力Wbが大きい場合には、充電回路30と接続する二次コイル10の数を少なくする。そして、充電電力Wbが小さくなると、充電回路と接続する二次コイル10の数を増やして行く。
【0092】
なお、閾値の設定や制御の方法などは、上記充電電力Wbと使用する二次コイル10の数との関係が一次側回路25に設けられた場合と逆になること以外、第1実施形態の場合と同じであるため、その説明は省略する。
【0093】
このように、電圧センサ37、電流センサ39及び充電IC40を有する充電回路30を、充電電力Wbを検出する検出部とすると共に、二次側トランス7、整流回路29及び充電制御部70によってコイル変更部80を構成することによって、二次側回路26からトランス部23のコイル間の抵抗値r1/r2を変更することができる。
【0094】
これにより、トランス間の電力変換効率を向上させることはもちろんのこと、検出部及びコイル変更部を、二次側非接触充電装置22に設けたことによって、一次側非接触充電装置21の構成によらず高い電力変換効率にて二次電池を充電することができる。
【0095】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、一次側非接触充電装置21もしくは、二次側非接触充電装置22のいずれか一方に、検出部及びコイル変更部を設けたが、これら検出部及びコイル変更部は、一次側及び二次側非接触充電装置21,22の少なくとも一方に設けられていれば良く、一次側及び二次側非接触充電装置21,22の両方に設けられても良い。
【0096】
また、上記第1及び第2実施形態に記載された発明は、どのように組わされても良いと共に、車両の充電だけではなく、種々の電動機を使用した製品にも応用することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0097】
3 二次電池
7 二次側トランス
10 コイル(二次コイル)
12 交流電源
13 一次側トランス
16 コイル(一次コイル)
22 一次側非接触充電装置
25 一次側回路
26 二次側回路
32,29 スイッチング回路(高周波インバータ、整流回路)
33,70 制御部(充電制御部)
35,30 検出部(電流センサ、充電回路)
50,80 コイル変更部
50a〜50f スイッチング素子
Wb 充電電力
r1/r2 一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源に接続された一次側トランスのコイルに交流電流を供給し、該一次側トランスと電磁結合した二次側トランスのコイルに電流を発生させて、一次側回路から二次側回路に設けられた二次電池に非接触状態で電力を供給する非接触充電方法において、
前記一次側回路から前記二次側回路に供給している充電電力を検出する工程と、
前記検出された充電電力に基づいて、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように、これら一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比を変更する工程と、を備えた、
ことを特徴とする非接触充電方法。
【請求項2】
前記一次側及び二次側トランスの少なくとも一方は、前記コイルを複数組有していると共に、これら複数組のコイルのそれぞれは、スイッチング回路によって、前記一次側又は二次側回路との接続を断接されるように構成されており、
前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比の変更は、前記スイッチング回路の複数のスイッチング状態の内、前記検出された充電電力にて、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるスイッチング状態を選択することによって行われる、
請求項1記載の非接触充電方法。
【請求項3】
前記一次側トランスは、前記複数組のコイルを有していると共に、前記スイッチング回路は、これら複数組のコイルにそれぞれ対応したスイッチング素子を有した高周波インバータによって構成され、
前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比の変更は、前記高周波インバータのスイッチング素子を切換えて、前記交流電源から給電する前記一次側トランスのコイルを選択することによって行われる、
請求項2記載の非接触充電方法。
【請求項4】
交流電源と、二次側回路に設けられた二次側トランスと電磁結合する一次側トランスと、を備え、該一次側トランスに前記交流電源から交流電流が供給されることによって、前記二次側トランスに非接触で電流を発生させ、前記二次側回路の二次電池を充電する一次側非接触充電装置において、
前記二次側回路に前記一次側トランスが設けられた一次側回路から供給された充電電力を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された充電電力に基づいて、前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比を、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように変更するコイル変更部と、
を備えたことを特徴とする一次側非接触充電装置。
【請求項5】
前記一次側トランスは、磁性体からなるコアに複数組のコイルを巻回して形成され、
前記コイル変更部は、
前記複数のコイルそれぞれに対応したスイッチング素子を備えた高周波インバータと、
前記スイッチング素子のスイッチング状態を、複数あるスイッチング状態の内、前記検出部によって検出された充電電力の値にて、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなる状態に選択する制御部と、備えた、
請求項4記載の一次側非接触充電装置。
【請求項6】
充放電可能な二次電池と、一次側回路に設けられた一次側トランスと電磁結合する二次側トランスと、を備え、前記一次側トランスに交流電源から交流電流が供給されることによって、前記二次側トランスに非接触で電流を発生させ、前記二次電池を充電する二次側非接触充電装置において、
前記二次トランスが設けられた二次側回路に前記一次側回路から供給された充電電力を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された充電電力に基づいて、前記一次側及び二次側トランスのコイル間の抵抗比を、前記一次側及び二次側トランス間の電力変換効率が高くなるように変更するコイル変更部と、
を備えたことを特徴とする二次側非接触充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182887(P2012−182887A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42918(P2011−42918)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(591206887)株式会社テクノバ (20)
【Fターム(参考)】