非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステム
【課題】感熱記録媒体との間隔が変化してもデータ記録の品質を低下させることなく高品質のデータ記録を行うこと。
【解決手段】半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて結像レンズ5をライン状のレーザビームの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像する。
【解決手段】半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて結像レンズ5をライン状のレーザビームの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触でリライタブルな感熱記録媒体に対してデータの記録及び消去を行う非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱書き込み方式がある。又、特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等がある。このようなリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触でデータの記録及び消去を行う技術がある。例えば、特許文献1は、非接触で可逆性の感熱材料を顕色、消色する方法として赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収層と感熱記録層とを順次基板上に積層した情報記録媒体を開示する。このうち感熱記録層は、感熱発色層又は金属薄膜層から成る。この感熱記録層は、赤外線吸収層の熱によって発色又は変色或いは溶融して除去される。又、特許文献1は、赤外線レーザの照射により赤外線吸収層を発熱させ、この熱により感熱記録層を発色又は変色或いは溶融して除去させる記録方法を開示する。
【特許文献1】特許第3266922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1は、赤外線レーザの照射することによって感熱記録媒体に対して非接触でデータの記録等を行うことができるが、感熱記録媒体上にデータを記録するときには、レーザ光源から放射される赤外線レーザが広がり角を持っていることからレーザ光源から放射された赤外線レーザを収束して感熱記録媒体上に結像させる必要がある。ところが、レーザ光源と感熱記録媒体との間隔は、常に一定に保たれていることは少なく、殆どの場合変化することが多い。
【0004】
例えば、データの記録手法としては、物体に感熱記録媒体を貼り付け、この物体を搬送機構等によって搬送しているときに、物体に貼り付けられている感熱記録媒体上にレーザビームを結像させてデータを記録することが行われる。このようなデータの記録手法では、搬送機構上に載置される物体の位置が各物体毎に異なるために、レーザ光源と感熱記録媒体との間隔が各物体毎に変化してしまう。又、物体における感熱記録媒体の貼り付けられている部分に変形等が生じたとしても、レーザ光源と感熱記録媒体との間隔が変化する。
【0005】
このようにレーザ光源と感熱記録媒体との間隔が変化すると、感熱記録媒体上に照射されるレーザビーム径が変化し、この変化によって感熱記録媒体上の単位面積当たりのエネルギー量が変化してしまい、感熱記録媒体に対するデータ記録の品質が低下する。
【0006】
本発明の目的は、感熱記録媒体との間隔が変化してもデータ記録の品質を低下させることなく高品質のデータ記録を行うことができる非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る非接触光書き込み装置は、リライタブルな感熱記録媒体に対してデータの記録及び消去を行う非接触光書き込み装置において、レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成る半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイから発光された各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、感熱記録媒体に対して半導体レーザアレイから発光された各レーザビームを結像する結像レンズとを具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係る非接触光書き込みシステムは、データの記録及び消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を貼り付けた物体を搬送する搬送機構と、レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成り、搬送機構による物体の搬送方向に対して垂直方向に設けられた半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイから発光された各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、搬送機構により搬送中の物体に貼り付けられた感熱記録媒体に対して半導体レーザアレイから発光された各レーザビームを結像する結像レンズとを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、感熱記録媒体との間隔が変化してもデータ記録の品質を低下させることなく高品質のデータ記録を行うことができる非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1乃至図3は非接触光書き込み装置の構成図を示し、図1は側面図、図2は正面図、図3は外観図を示す。非接触光書き込み装置1は、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2に対して貼り付けられている感熱記録媒体3上に対して当該物体2に関するデータ、例えば物体2内に収納されている品物等の価格、品物等に関するデータ等を記録する。
【0011】
この感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。この感熱記録媒体3は、例えば図4に示すように融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して例えば黒色等に発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化する。これにより、感熱記録媒体3は、発色状態を保てず、消色状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下の温度で一定時間加熱すると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となるものもある。消色領域の温度は、例えば約130℃〜180℃程度である。
【0012】
非接触光書き込み装置1は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを有する。このうち半導体レーザアレイ4は、例えば図3に示すようにレーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点4aをライン状に配置して成る。この半導体レーザアレイ4は、各発光点4aから各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4bを出力する。この半導体レーザアレイ4は、近赤外領域、例えば808nmに発光波長を有し、かつ数Wの高出力を有する。従って、この半導体レーザアレイ4は、例えば放熱板に固定されている。この放熱板は、強制冷却によって半導体レーザアレイ4の発熱を放熱するものとなっている。
【0013】
結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bの光軸L上に設けられ、半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像する。この結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4の両端部と中央部とでケラレの状態が相違しない程度の大きさに形成されている。
すなわち、結像レンズ5における半導体レーザアレイ14のライン方向Kに対応する方向の長さは、半導体レーザアレイ14のライン方向Kの長さよりも長くし、口径を大きくするように形成されている。又、結像レンズ5における半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向に対応する方向の長さ、すなわち結像レンズ5の厚みは、図3に示すように結像レンズ5の中央部分のみ結像に寄与することから例えばケラレを生じない程度の厚みを有する直方体状等に形成されている。
この結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の距離(物像間距離)の関係を等しく、すなわち半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との第2の距離Bとの関係が略1:1(A=B)になるように配置される。この結像レンズ5は、例えば倍率「1倍」で、第1の距離Aと第2の距離Bとの関係が略1:1(A=B)になるように配置されているときに半導体レーザアレイ4の各発光点4aの光像が感熱記録媒体3上に結像する。
【0014】
このように第1の距離Aと第2の距離Bとの関係を略1:1(A=B)に配置することは理想である。しかしながら、実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との距離の変化に伴って第1の距離Aや第2の距離Bも変化する。なお、半導体レーザアレイ4が固定ブロック6上に固定されていれば、第2の距離Bが変化する。
【0015】
しかるに、結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bの光軸Lの方向(以下、光軸方向と称する)と同一方向S1に移動可能に設けられている。具体的に距離センサ7とレンズ駆動制御部8−1とレンズ移動機構8−2とが設けられている。距離センサ7は、固定ブロック6上に設けられている。この距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。なお、距離センサ7は、ライン状のレーザビーム4bの光軸L上において半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一位置に設けられていれば、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を測定するものとなる。
レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。
【0016】
レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。このレンズ移動機構8−2は、例えばモータと、このモータの軸の回転を結像レンズ5の移動方向S1に変換する回転−直線運動変換機構とから成る。なお、回転−直線運動変換機構は、例えばラック・ピニオン機構から成る。
【0017】
具体的に、半導体レーザアレイ4は、例えば図5に示すように固定ブロック6上に設けられている。結像レンズ5は、可動ブロック10上に設けられている。そして、固定ブロック6は、ベース11上に固定されると共に、可動ブロック10は、ベース11上に半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動可能に設けられている。これにより、レンズ移動機構8−2は、モータの軸の回転を回転−直線運動変換機構によって結像レンズ5の移動方向S1への移動に変換し、可動ブロック10をベース11上において結像レンズ5の移動方向S1と同一方向に移動させる。これにより、結像レンズ5は、ライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動する。
【0018】
半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に2次元的にスキャンするためにスキャン機構9が設けられている。このスキャン機構9は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。この場合、スキャン機構9は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に感熱記録媒体3を半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させる。このスキャン機構9は、例えばモータと、このモータの軸の回転を垂直方向S2に変換する回転−直線運動変換機構とから成る。なお、回転−直線運動変換機構は、例えばラック・ピニオン機構から成る。
【0019】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビームとして出力する。結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを集光して感熱記録媒体3上に結像する。
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。
レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0020】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが略1:1(A=B)になるように配置される。このように半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあれば、結像レンズ5は、例えば倍率「1倍」であることから半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0021】
例えば、感熱記録媒体3が貼り付けられている物体2がコンベア等の搬送機構によりx方向に搬送されるものとすると、この搬送機構は、物体2を載置してx方向に搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この物体2の搬送が一時停止している状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0022】
すなわち、感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bが照射されて例えば図4に示すように融点180℃以上になると、感熱記録媒体3中における印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して例えば黒色等に発色する。これにより、感熱記録媒体3上に物体2に関するデータ、例えば物体2内に収納されている品物等の価格、品物等に関するデータ等が記録される。又、感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bが照射され、感熱記録媒体3が例えば約130℃〜180℃程度に加熱されると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となる。これにより、感熱記録媒体3上のデータが消去される。
【0023】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0024】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。
レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0025】
例えば図6に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A:B+αに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0026】
一方、図7に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが関係A:B−βに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0027】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0028】
このように上記第1の実施の形態によれば、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像する。これにより、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との物像間距離が長くなった短くなったりして相対的に変化しても、この半導体レーザアレイ4と物体2との物像間距離に応じて結像レンズ5の位置を第1の距離Aと第2の距離Bとの関係が略1:1(A=B)になるように配置することにより物体2に貼られている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像することができ、たとえ物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等が生じても、この変形等による形状に倣わしてライン状のレーザビーム4bの結像位置を感熱記録媒体3の面上に走査することができ、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去を高品質で行うことができる。又、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2に貼られている感熱記録媒体3に対して非接触でデータの記録又は消去ができるので、感熱記録媒体3の長寿命化を図ることができる。
【0029】
なお、スキャン機構9は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させるのに限らず、物体2を垂直方向S2に移動させるに伴って感熱記録媒体3を垂直方向S2に移動させるようにしてもよい。
【0030】
又、スキャン機構9は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させると共に、感熱記録媒体3を半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させることにより半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に2次元的にスキャンしてもよい。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図8乃至図10は非接触光書き込み装置の構成図を示し、図8は側面図、図9は正面図、図10は外観図を示す。シリンドリカルレンズ20が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aから発光された各レーザビーム、すなわちライン状のレーザビーム4bを半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向に結像する。具体的に説明すると、このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに平行に配置され、光軸方向の内、半導体レーザアレイKのライン方向に垂直な方向に結像する。このシリンドリカルレンズ20により結像されたレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに垂直な方向に対して結像パワーを有する。
【0032】
半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面は、半導体レーザアレイ4のライン方向Kと同一方向に形成されている。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭い。ライン状のレーザビーム4bの放射角度が広いと、当該ライン状のレーザビーム4bの中心部よりも周辺部程、ライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5によりケラレ易くなる。
しかるに、シリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減するために半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向にパワーを有し、かつ半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対応する方向の長さが当該半導体レーザアレイ4のライン方向Kの長さよりも長く形成されている。このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4の光軸上で、例えば固定ブロック6上に固定されている。
【0033】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4bとして出力する。シリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに平行に配置され、光軸方向の内、半導体レーザアレイKのライン方向に垂直な方向に結像する。このシリンドリカルレンズ20により結像されたレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに垂直な方向に対して結像パワーを有する。結像レンズ5は、シリンドリカルレンズ20により半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向に結像されたライン状のレーザビーム4bを集光して感熱記録媒体3上に結像する。
【0034】
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0035】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、図11に示すように半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが略1:1(A=B)になるように配置される。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0036】
搬送機構は、上記同様に、物体2を搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0037】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0038】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0039】
例えば図12に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A:B+αに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0040】
一方、図13に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが関係A:B−βに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0041】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0042】
このように上記第2の実施の形態によれば、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にシリンドリカルレンズ20を配置したので、上記第1の実施の形態の効果に加えて、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bが広い放射角度、すなわち半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭くても、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減できる。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図14乃至図16は非接触光書き込み装置の構成図を示し、図14は側面図、図15は正面図、図16は外観図を示す。コリメートレンズとしてのマイクロアレイレンズ30が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このマイクロアレイレンズ30は、複数のマイクロレンズ30aをライン状に配列して成る。これらマイクロレンズ30aは、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一の個数を有し、かつ半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一ピッチで設けられている。そして、マイクロアレイレンズ30は、各マイクロレンズ30aを半導体レーザアレイ4の各発光点4aとそれぞれ対応させて設けられている。これにより、マイクロアレイレンズ30は、各マイクロレンズ30aによって半導体レーザアレイ4の各発光点4aから出力される各レーザビームをそれぞれ平行光にコリメートする。
【0044】
半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面は、上記同様に、半導体レーザアレイ4のライン方向Kと同一方向に形成されている。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭い。ライン状のレーザビーム4bの放射角度が広いと、当該ライン状のレーザビーム4bの中心部よりも周辺部程、ライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5によりケラレ易くなる。
しかるに、マイクロアレイレンズ30は、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減するために半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このマイクロアレイレンズ30は、半導体レーザアレイ4の光軸L上で、例えば固定ブロック6上に固定されている。
【0045】
結像レンズ5は、マイクロアレイレンズ30によりコリメートされた各平行光をそれぞれ感熱記録媒体3上に結像する。ここで、マイクロアレイレンズ30から結像レンズ5に入射するライン状のレーザビーム4bは、平行光であるので、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aに無関係に、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bを結像レンズ5の焦点距離fに一致させるように結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動可能である。
【0046】
なお、結像レンズ5は、複数のマイクロレンズ5aをライン状に配列したマイクロアレイレンズにより構成してもよい。これらマイクロレンズ5aは、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一の個数を有し、かつ半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一ピッチで設けられる。
【0047】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4aとして出力する。マイクロアレイレンズ30の各マイクロレンズ30aは、半導体レーザアレイ4の各発光点4aから出力される各レーザビームをそれぞれ平行光にコリメートする。そして、結像レンズ5は、マイクロアレイレンズ30によりコリメートされたライン状のレーザビーム4bを集光して感熱記録媒体3上に結像する。
【0048】
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0049】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、図17に示すように上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとが関係A:B(=f)に配置される。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0050】
搬送機構は、上記同様に、物体2を搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とマイクロアレイレンズ30とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0051】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0052】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0053】
例えば図18に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A+γ:B(=f)に変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0054】
一方、図19に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが関係A−γ:B(=f)に変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0055】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0056】
このように上記第3の実施の形態によれば、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にマイクロアレイレンズ30を配置したので、上記第1の実施の形態の効果に加えて、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bが広い放射角度、すなわち半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭くても、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減できる。
【0057】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図20は非接触光書き込み装置1を適用した非接触光書き込みシステムの構成図を示す。搬送機構40は、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送する。この搬送機構40は、例えば図21(a)に示すように2つのローラ41、42間に無端のベルト43を掛け、このうちローラ41を回転駆動することによりベルト43を移動させる。これにより、物体2は、ベルト43上に載置され、ベルト43の移動によって矢印S3方向に搬送される。又、搬送機構40は、例えば図21(b)に示すように複数のローラ44を一定間隔で配置し、これらローラ44上に物体2を矢印S3方向に搬送するようにしてもよい。搬送機構40は、物体2を載置して矢印S3方向に搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。又、搬送機構40は、物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送するものでもよい。
【0058】
非接触光書き込み装置1が搬送機構40の側方に設けられている。この非接触光書き込み装置1は、搬送機構1により搬送されている物体2に対して貼り付けられている感熱記録媒体3上に当該物体2に関するデータ、例えば価格、物体2内に収納されている品物等に関するデータ等を記録する。具体的に非接触光書き込み装置1は、上記第1乃至第3の実施の形態と同様に、ベース11と、このベース11上に固定された固定ブロック6と、ベース11上に移動可能に設けられた可動ブロック10と、固定ブロック6上にz方向に立設して設けられた半導体レーザアレイ4と、可動ブロック10上にz方向に立設して設けられた結像レンズ5とを有する。
【0059】
次に、上記の如く構成されたシステムの動作について説明する。
搬送機構40は、物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送する。この搬送機構40による物体2の搬送により当該物体2における搬送方向S3の先頭側が半導体レーザアレイ4の光軸L上に到達すると、半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4bとして出力する。結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを集光して搬送中の物体2の側面に貼り付けられている感熱記録媒体3上に結像する。
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0060】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、上記図5に示すのと同様に、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが略1:1(A=B)になるように配置される。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0061】
搬送機構は、上記同様に、物体2を搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0062】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0063】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0064】
例えば上記図6に示すのと同様に、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A:B+αに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0065】
一方、上記図7に示すのと同様に、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが関係A:B−βに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0066】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0067】
このように上記第4の実施の形態によれば、搬送機構40によって例えばダンボール又はコンテナ等の物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送し、この搬送機構40の側方に非接触光書き込み装置1を設け、搬送機構1により搬送されている物体2に貼り付けられている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像する。
【0068】
これにより、例えば、搬送機構40上に載置される物体2の載置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との物像間距離が相対的に変化しても、物体2に貼られている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像することができ、又、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等が生じても、この変形等による形状に倣わして結像レンズ5を移動させることにより、物体2に貼り付けられている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像することができ、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去を高品質で行うことができる。又、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2に貼られている感熱記録媒体3に対して非接触でデータの記録又は消去ができるので、感熱記録媒体3の長寿命化を図ることができる。
【0069】
なお、上記第4の実施の形態では、非接触光書き込み装置1を搬送機構40の側方に設けているが、これに限らず、非接触光書き込み装置1は、例えば図22に示すように搬送機構40の上方側に設けてもよい。なお、図22は図示が煩雑になることから半導体レーザアレイ4及び結像レンズ5のみを示す。この場合、物体2は、搬送機構40によって搬送方向S3に一定速度で搬送され、かつライン状のレーザビーム4bは、物体2の上方から当該物体2が搬送される搬送方向S3に対して垂直方向(z方向)に照射される。これにより、物体2の搬送によってライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に対して2次元走査され、感熱記録媒体3の全面にデータの記録又は消去が行われる。
【0070】
又、非接触光書き込み装置1は、例えば図23に示すように搬送機構40の下方側に設けてもよい。なお、図23も図示が煩雑になることから半導体レーザアレイ4及び結像レンズ5のみを示す。この場合、搬送機構40は、例えば図21(b)に示すように複数のローラ44を一定間隔で配置し、これらローラ44上に物体2を矢印S3方向に搬送する。非接触光書き込み装置1は、各ローラ44の間を通してライン状のレーザビームを感熱記録媒体3に照射する。
しかるに、物体2は、搬送機構40によって搬送方向S3に一定速度で搬送され、かつライン状のレーザビーム4bは、各ローラ44の間を通して物体2の下方から当該物体2が搬送される搬送方向S3に対して垂直方向(z方向)に照射される。これにより、物体2の搬送によってライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に対して2次元走査され、感熱記録媒体3の全面にデータの記録又は消去が行われる。
【0071】
さらに、非接触光書き込みシステムに適用する非接触光書き込み装置1は、上記第2の実施の形態と同様に、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にシリンドリカルレンズ20を配置してもよし、上記第3の実施の形態と同様に、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にマイクロアレイレンズ30を配置してもよい。
これにより、非接触光書き込みシステムにおいて、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bが広い放射角度、すなわち半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向に狭くても、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減できる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る非接触光書き込み装置の第1の実施の形態を示す側面構成図。
【図2】同装置の正面構成図。
【図3】同装置における半導体レーザアレイと結像レンズと示す外観構成図。
【図4】同装置によりデータの記録・消去を行う感熱記録媒体の記録・消去特性を示す図。
【図5】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図6】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図7】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図8】本発明に係る非接触光書き込み装置の第2の実施の形態を示す側面構成図。
【図9】同装置の正面構成図。
【図10】同装置における半導体レーザアレイとシリンドリカルレンズと結像レンズと示す外観構成図。
【図11】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図12】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図13】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図14】本発明に係る非接触光書き込み装置の第3の実施の形態を示す側面構成図。
【図15】同装置の正面構成図。
【図16】同装置における半導体レーザアレイとマイクロレンズと結像レンズと示す外観構成図。
【図17】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図18】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図19】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図20】本発明に係る非接触光書き込み装置を適用した非接触光書き込みシステムの第4の実施の形態を示す構成図。
【図21】同システムにおける搬送機構の具体例を示す構成図。
【図22】同システムにおける搬送機構の上方に設けた非接触光書き込み装置を示す図。
【図23】同システムにおける搬送機構の下方に設けた非接触光書き込み装置を示す図。
【符号の説明】
【0074】
1:非接触光書き込み装置、2:物体、3:感熱記録媒体、4:半導体レーザアレイ、4a:発光点4a、5:結像レンズ、6:固定ブロック、7:距離センサ、8−1:レンズ駆動制御部、8−2:レンズ移動機構、9:スキャン機構、20:シリンドリカルレンズ、30:マイクロアレイレンズ、40:搬送機構、41,42:ローラ、43:ベルト、44:ローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触でリライタブルな感熱記録媒体に対してデータの記録及び消去を行う非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱書き込み方式がある。又、特定温度で発色と消色とを繰り返すことを可能とする可逆性の感熱記録紙等がある。このようなリライタブルな感熱記録媒体に対して非接触でデータの記録及び消去を行う技術がある。例えば、特許文献1は、非接触で可逆性の感熱材料を顕色、消色する方法として赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収層と感熱記録層とを順次基板上に積層した情報記録媒体を開示する。このうち感熱記録層は、感熱発色層又は金属薄膜層から成る。この感熱記録層は、赤外線吸収層の熱によって発色又は変色或いは溶融して除去される。又、特許文献1は、赤外線レーザの照射により赤外線吸収層を発熱させ、この熱により感熱記録層を発色又は変色或いは溶融して除去させる記録方法を開示する。
【特許文献1】特許第3266922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1は、赤外線レーザの照射することによって感熱記録媒体に対して非接触でデータの記録等を行うことができるが、感熱記録媒体上にデータを記録するときには、レーザ光源から放射される赤外線レーザが広がり角を持っていることからレーザ光源から放射された赤外線レーザを収束して感熱記録媒体上に結像させる必要がある。ところが、レーザ光源と感熱記録媒体との間隔は、常に一定に保たれていることは少なく、殆どの場合変化することが多い。
【0004】
例えば、データの記録手法としては、物体に感熱記録媒体を貼り付け、この物体を搬送機構等によって搬送しているときに、物体に貼り付けられている感熱記録媒体上にレーザビームを結像させてデータを記録することが行われる。このようなデータの記録手法では、搬送機構上に載置される物体の位置が各物体毎に異なるために、レーザ光源と感熱記録媒体との間隔が各物体毎に変化してしまう。又、物体における感熱記録媒体の貼り付けられている部分に変形等が生じたとしても、レーザ光源と感熱記録媒体との間隔が変化する。
【0005】
このようにレーザ光源と感熱記録媒体との間隔が変化すると、感熱記録媒体上に照射されるレーザビーム径が変化し、この変化によって感熱記録媒体上の単位面積当たりのエネルギー量が変化してしまい、感熱記録媒体に対するデータ記録の品質が低下する。
【0006】
本発明の目的は、感熱記録媒体との間隔が変化してもデータ記録の品質を低下させることなく高品質のデータ記録を行うことができる非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主要な局面に係る非接触光書き込み装置は、リライタブルな感熱記録媒体に対してデータの記録及び消去を行う非接触光書き込み装置において、レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成る半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイから発光された各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、感熱記録媒体に対して半導体レーザアレイから発光された各レーザビームを結像する結像レンズとを具備する。
【0008】
本発明の主要な局面に係る非接触光書き込みシステムは、データの記録及び消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を貼り付けた物体を搬送する搬送機構と、レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成り、搬送機構による物体の搬送方向に対して垂直方向に設けられた半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイから発光された各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、搬送機構により搬送中の物体に貼り付けられた感熱記録媒体に対して半導体レーザアレイから発光された各レーザビームを結像する結像レンズとを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、感熱記録媒体との間隔が変化してもデータ記録の品質を低下させることなく高品質のデータ記録を行うことができる非接触光書き込み装置及び非接触光書き込みシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1乃至図3は非接触光書き込み装置の構成図を示し、図1は側面図、図2は正面図、図3は外観図を示す。非接触光書き込み装置1は、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2に対して貼り付けられている感熱記録媒体3上に対して当該物体2に関するデータ、例えば物体2内に収納されている品物等の価格、品物等に関するデータ等を記録する。
【0011】
この感熱記録媒体3は、特定温度の加熱制御により発色と消色とを繰り返し、感熱記録、感熱消去を可能とするリライタブルな可逆性の媒体である。この感熱記録媒体3は、例えば図4に示すように融点180℃以上をかけると印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して例えば黒色等に発色する。一方、感熱記録媒体3は、ゆっくり冷却すると、染料と顕色剤とがそれぞれ結晶化する。これにより、感熱記録媒体3は、発色状態を保てず、消色状態になる。さらに、感熱記録媒体3は、染料と顕色剤との融点以下の温度で一定時間加熱すると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となるものもある。消色領域の温度は、例えば約130℃〜180℃程度である。
【0012】
非接触光書き込み装置1は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを有する。このうち半導体レーザアレイ4は、例えば図3に示すようにレーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点4aをライン状に配置して成る。この半導体レーザアレイ4は、各発光点4aから各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4bを出力する。この半導体レーザアレイ4は、近赤外領域、例えば808nmに発光波長を有し、かつ数Wの高出力を有する。従って、この半導体レーザアレイ4は、例えば放熱板に固定されている。この放熱板は、強制冷却によって半導体レーザアレイ4の発熱を放熱するものとなっている。
【0013】
結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bの光軸L上に設けられ、半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像する。この結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4の両端部と中央部とでケラレの状態が相違しない程度の大きさに形成されている。
すなわち、結像レンズ5における半導体レーザアレイ14のライン方向Kに対応する方向の長さは、半導体レーザアレイ14のライン方向Kの長さよりも長くし、口径を大きくするように形成されている。又、結像レンズ5における半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向に対応する方向の長さ、すなわち結像レンズ5の厚みは、図3に示すように結像レンズ5の中央部分のみ結像に寄与することから例えばケラレを生じない程度の厚みを有する直方体状等に形成されている。
この結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の距離(物像間距離)の関係を等しく、すなわち半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との第2の距離Bとの関係が略1:1(A=B)になるように配置される。この結像レンズ5は、例えば倍率「1倍」で、第1の距離Aと第2の距離Bとの関係が略1:1(A=B)になるように配置されているときに半導体レーザアレイ4の各発光点4aの光像が感熱記録媒体3上に結像する。
【0014】
このように第1の距離Aと第2の距離Bとの関係を略1:1(A=B)に配置することは理想である。しかしながら、実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との距離の変化に伴って第1の距離Aや第2の距離Bも変化する。なお、半導体レーザアレイ4が固定ブロック6上に固定されていれば、第2の距離Bが変化する。
【0015】
しかるに、結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bの光軸Lの方向(以下、光軸方向と称する)と同一方向S1に移動可能に設けられている。具体的に距離センサ7とレンズ駆動制御部8−1とレンズ移動機構8−2とが設けられている。距離センサ7は、固定ブロック6上に設けられている。この距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。なお、距離センサ7は、ライン状のレーザビーム4bの光軸L上において半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一位置に設けられていれば、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を測定するものとなる。
レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。
【0016】
レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。このレンズ移動機構8−2は、例えばモータと、このモータの軸の回転を結像レンズ5の移動方向S1に変換する回転−直線運動変換機構とから成る。なお、回転−直線運動変換機構は、例えばラック・ピニオン機構から成る。
【0017】
具体的に、半導体レーザアレイ4は、例えば図5に示すように固定ブロック6上に設けられている。結像レンズ5は、可動ブロック10上に設けられている。そして、固定ブロック6は、ベース11上に固定されると共に、可動ブロック10は、ベース11上に半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動可能に設けられている。これにより、レンズ移動機構8−2は、モータの軸の回転を回転−直線運動変換機構によって結像レンズ5の移動方向S1への移動に変換し、可動ブロック10をベース11上において結像レンズ5の移動方向S1と同一方向に移動させる。これにより、結像レンズ5は、ライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動する。
【0018】
半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に2次元的にスキャンするためにスキャン機構9が設けられている。このスキャン機構9は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。この場合、スキャン機構9は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に感熱記録媒体3を半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させる。このスキャン機構9は、例えばモータと、このモータの軸の回転を垂直方向S2に変換する回転−直線運動変換機構とから成る。なお、回転−直線運動変換機構は、例えばラック・ピニオン機構から成る。
【0019】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビームとして出力する。結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを集光して感熱記録媒体3上に結像する。
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。
レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0020】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが略1:1(A=B)になるように配置される。このように半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあれば、結像レンズ5は、例えば倍率「1倍」であることから半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0021】
例えば、感熱記録媒体3が貼り付けられている物体2がコンベア等の搬送機構によりx方向に搬送されるものとすると、この搬送機構は、物体2を載置してx方向に搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この物体2の搬送が一時停止している状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0022】
すなわち、感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bが照射されて例えば図4に示すように融点180℃以上になると、感熱記録媒体3中における印字層中に存在する染料と顕色剤とが溶け合った状態になり、この状態から急冷することにより染料と顕色剤とが混ざり合ったまま結晶化して例えば黒色等に発色する。これにより、感熱記録媒体3上に物体2に関するデータ、例えば物体2内に収納されている品物等の価格、品物等に関するデータ等が記録される。又、感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bが照射され、感熱記録媒体3が例えば約130℃〜180℃程度に加熱されると、染料と顕色剤とが徐々に分離して結晶化し、消色状態となる。これにより、感熱記録媒体3上のデータが消去される。
【0023】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0024】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。
レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0025】
例えば図6に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A:B+αに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0026】
一方、図7に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが関係A:B−βに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0027】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0028】
このように上記第1の実施の形態によれば、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像する。これにより、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との物像間距離が長くなった短くなったりして相対的に変化しても、この半導体レーザアレイ4と物体2との物像間距離に応じて結像レンズ5の位置を第1の距離Aと第2の距離Bとの関係が略1:1(A=B)になるように配置することにより物体2に貼られている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像することができ、たとえ物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等が生じても、この変形等による形状に倣わしてライン状のレーザビーム4bの結像位置を感熱記録媒体3の面上に走査することができ、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去を高品質で行うことができる。又、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2に貼られている感熱記録媒体3に対して非接触でデータの記録又は消去ができるので、感熱記録媒体3の長寿命化を図ることができる。
【0029】
なお、スキャン機構9は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させるのに限らず、物体2を垂直方向S2に移動させるに伴って感熱記録媒体3を垂直方向S2に移動させるようにしてもよい。
【0030】
又、スキャン機構9は、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させると共に、感熱記録媒体3を半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向S2に移動させることにより半導体レーザアレイ4から発光されるライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に2次元的にスキャンしてもよい。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図8乃至図10は非接触光書き込み装置の構成図を示し、図8は側面図、図9は正面図、図10は外観図を示す。シリンドリカルレンズ20が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4の各発光点4aから発光された各レーザビーム、すなわちライン状のレーザビーム4bを半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向に結像する。具体的に説明すると、このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに平行に配置され、光軸方向の内、半導体レーザアレイKのライン方向に垂直な方向に結像する。このシリンドリカルレンズ20により結像されたレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに垂直な方向に対して結像パワーを有する。
【0032】
半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面は、半導体レーザアレイ4のライン方向Kと同一方向に形成されている。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭い。ライン状のレーザビーム4bの放射角度が広いと、当該ライン状のレーザビーム4bの中心部よりも周辺部程、ライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5によりケラレ易くなる。
しかるに、シリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減するために半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向にパワーを有し、かつ半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対応する方向の長さが当該半導体レーザアレイ4のライン方向Kの長さよりも長く形成されている。このシリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4の光軸上で、例えば固定ブロック6上に固定されている。
【0033】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4bとして出力する。シリンドリカルレンズ20は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに平行に配置され、光軸方向の内、半導体レーザアレイKのライン方向に垂直な方向に結像する。このシリンドリカルレンズ20により結像されたレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4のライン方向Kに垂直な方向に対して結像パワーを有する。結像レンズ5は、シリンドリカルレンズ20により半導体レーザアレイ4のライン方向Kに対して垂直方向に結像されたライン状のレーザビーム4bを集光して感熱記録媒体3上に結像する。
【0034】
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0035】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、図11に示すように半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aと、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bとの関係A:Bが略1:1(A=B)になるように配置される。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0036】
搬送機構は、上記同様に、物体2を搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0037】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0038】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0039】
例えば図12に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A:B+αに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0040】
一方、図13に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが関係A:B−βに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0041】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0042】
このように上記第2の実施の形態によれば、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にシリンドリカルレンズ20を配置したので、上記第1の実施の形態の効果に加えて、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bが広い放射角度、すなわち半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭くても、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減できる。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図14乃至図16は非接触光書き込み装置の構成図を示し、図14は側面図、図15は正面図、図16は外観図を示す。コリメートレンズとしてのマイクロアレイレンズ30が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このマイクロアレイレンズ30は、複数のマイクロレンズ30aをライン状に配列して成る。これらマイクロレンズ30aは、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一の個数を有し、かつ半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一ピッチで設けられている。そして、マイクロアレイレンズ30は、各マイクロレンズ30aを半導体レーザアレイ4の各発光点4aとそれぞれ対応させて設けられている。これにより、マイクロアレイレンズ30は、各マイクロレンズ30aによって半導体レーザアレイ4の各発光点4aから出力される各レーザビームをそれぞれ平行光にコリメートする。
【0044】
半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面は、上記同様に、半導体レーザアレイ4のライン方向Kと同一方向に形成されている。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bは、半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭い。ライン状のレーザビーム4bの放射角度が広いと、当該ライン状のレーザビーム4bの中心部よりも周辺部程、ライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5によりケラレ易くなる。
しかるに、マイクロアレイレンズ30は、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減するために半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間に配置されている。このマイクロアレイレンズ30は、半導体レーザアレイ4の光軸L上で、例えば固定ブロック6上に固定されている。
【0045】
結像レンズ5は、マイクロアレイレンズ30によりコリメートされた各平行光をそれぞれ感熱記録媒体3上に結像する。ここで、マイクロアレイレンズ30から結像レンズ5に入射するライン状のレーザビーム4bは、平行光であるので、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと結像レンズ5との間の第1の距離Aに無関係に、結像レンズ5と感熱記録媒体3との間の第2の距離Bを結像レンズ5の焦点距離fに一致させるように結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動可能である。
【0046】
なお、結像レンズ5は、複数のマイクロレンズ5aをライン状に配列したマイクロアレイレンズにより構成してもよい。これらマイクロレンズ5aは、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一の個数を有し、かつ半導体レーザアレイ4の各発光点4aと同一ピッチで設けられる。
【0047】
次に、上記の如く構成された装置の動作について説明する。
半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4aとして出力する。マイクロアレイレンズ30の各マイクロレンズ30aは、半導体レーザアレイ4の各発光点4aから出力される各レーザビームをそれぞれ平行光にコリメートする。そして、結像レンズ5は、マイクロアレイレンズ30によりコリメートされたライン状のレーザビーム4bを集光して感熱記録媒体3上に結像する。
【0048】
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0049】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、図17に示すように上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとが関係A:B(=f)に配置される。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0050】
搬送機構は、上記同様に、物体2を搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とマイクロアレイレンズ30とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0051】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0052】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0053】
例えば図18に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A+γ:B(=f)に変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0054】
一方、図19に示すように半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが関係A−γ:B(=f)に変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0055】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0056】
このように上記第3の実施の形態によれば、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にマイクロアレイレンズ30を配置したので、上記第1の実施の形態の効果に加えて、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bが広い放射角度、すなわち半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向Kに狭くても、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減できる。
【0057】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図20は非接触光書き込み装置1を適用した非接触光書き込みシステムの構成図を示す。搬送機構40は、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送する。この搬送機構40は、例えば図21(a)に示すように2つのローラ41、42間に無端のベルト43を掛け、このうちローラ41を回転駆動することによりベルト43を移動させる。これにより、物体2は、ベルト43上に載置され、ベルト43の移動によって矢印S3方向に搬送される。又、搬送機構40は、例えば図21(b)に示すように複数のローラ44を一定間隔で配置し、これらローラ44上に物体2を矢印S3方向に搬送するようにしてもよい。搬送機構40は、物体2を載置して矢印S3方向に搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。又、搬送機構40は、物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送するものでもよい。
【0058】
非接触光書き込み装置1が搬送機構40の側方に設けられている。この非接触光書き込み装置1は、搬送機構1により搬送されている物体2に対して貼り付けられている感熱記録媒体3上に当該物体2に関するデータ、例えば価格、物体2内に収納されている品物等に関するデータ等を記録する。具体的に非接触光書き込み装置1は、上記第1乃至第3の実施の形態と同様に、ベース11と、このベース11上に固定された固定ブロック6と、ベース11上に移動可能に設けられた可動ブロック10と、固定ブロック6上にz方向に立設して設けられた半導体レーザアレイ4と、可動ブロック10上にz方向に立設して設けられた結像レンズ5とを有する。
【0059】
次に、上記の如く構成されたシステムの動作について説明する。
搬送機構40は、物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送する。この搬送機構40による物体2の搬送により当該物体2における搬送方向S3の先頭側が半導体レーザアレイ4の光軸L上に到達すると、半導体レーザアレイ4は、各発光点4aからそれぞれ各レーザビームを発光することによりライン状のレーザビーム4bとして出力する。結像レンズ5は、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bを集光して搬送中の物体2の側面に貼り付けられている感熱記録媒体3上に結像する。
このとき、距離センサ7は、感熱記録媒体3までの距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させる。これにより、ライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に結像する。
【0060】
ここで、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと物体2における感熱記録媒体3との間隔が初期設定間隔にあると想定すると、結像レンズ5は、上記図5に示すのと同様に、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが略1:1(A=B)になるように配置される。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、結像レンズ5により集光されて感熱記録媒体3上に結像する。
【0061】
搬送機構は、上記同様に、物体2を搬送し、物体2が半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを通る光軸Lと交わる所定位置に到達すると、物体2の搬送を一時停止する。この状態に、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。これにより、半導体レーザアレイ4から出力されたライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に2次元走査され、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0062】
実際には、例えば、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との距離が長くなった短くなったりして相対的に変化し、この半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に伴って上記関係A:Bも変化し、かつ半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離の変化に応じて結像レンズ5の結像位置が決まる。これにより、結像レンズ5による倍率は、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離に応じて僅かに大きくなったり小さくなったりする。
【0063】
距離センサ7は、物体2の配置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等に応じて変化する半導体レーザアレイ4と物体2との距離を測定し、その距離測定信号を出力する。レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号を入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させてライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力する。レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5をライン状のレーザビーム4bの光軸方向と同一方向S1に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0064】
例えば上記図6に示すのと同様に、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が離れて、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが例えば関係A:B+αに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0065】
一方、上記図7に示すのと同様に、半導体レーザアレイ4と物体2との間の物像間距離が短くなり、上記第1の距離Aと上記第2の距離Bとの関係A:Bが関係A:B−βに変化すると、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7から出力される距離測定信号入力し、感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を半導体レーザアレイ4側である移動方向S12に移動させてライン状のレーザビームを感熱記録媒体3上に結像させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。
【0066】
しかるに、スキャン機構9は、上記同様に、半導体レーザアレイ4の各発光点4aと感熱記録媒体3との間の物像間距離を維持しながら半導体レーザアレイ4と結像レンズ5とを一体的に半導体レーザアレイ4のライン方向に対して垂直方向S2に例えば一定の速度で移動させる。このとき、レンズ駆動制御部8−1は、距離センサ7による感熱記録媒体3までの距離の測定結果に基づいて結像レンズ5を物体2側である移動方向S11又はS12に移動させるための移動制御信号を出力し、レンズ移動機構8−2は、レンズ駆動制御部8−1から出力される移動制御信号を入力し、この移動制御信号に従って結像レンズ5を上記移動方向S11又はS12に移動させ、ライン状のレーザビーム4bを感熱記録媒体3上に結像させる。これにより、ライン状のレーザビームの結像位置は、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等による形状に倣って半導体レーザアレイ4のライン方向に移動し、ライン状のレーザビームが感熱記録媒体3上に2次元走査される。これにより、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去が行われる。
【0067】
このように上記第4の実施の形態によれば、搬送機構40によって例えばダンボール又はコンテナ等の物体2を例えば一定速度で矢印S3方向に搬送し、この搬送機構40の側方に非接触光書き込み装置1を設け、搬送機構1により搬送されている物体2に貼り付けられている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像する。
【0068】
これにより、例えば、搬送機構40上に載置される物体2の載置位置の違いや物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等により半導体レーザアレイ4と物体2との物像間距離が相対的に変化しても、物体2に貼られている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像することができ、又、物体2における感熱記録媒体3の貼り付けられている部分の変形等が生じても、この変形等による形状に倣わして結像レンズ5を移動させることにより、物体2に貼り付けられている感熱記録媒体3上にライン状のレーザビーム4bを結像することができ、感熱記録媒体3上にデータの記録又は消去を高品質で行うことができる。又、例えばダンボール又はコンテナ等の物体2に貼られている感熱記録媒体3に対して非接触でデータの記録又は消去ができるので、感熱記録媒体3の長寿命化を図ることができる。
【0069】
なお、上記第4の実施の形態では、非接触光書き込み装置1を搬送機構40の側方に設けているが、これに限らず、非接触光書き込み装置1は、例えば図22に示すように搬送機構40の上方側に設けてもよい。なお、図22は図示が煩雑になることから半導体レーザアレイ4及び結像レンズ5のみを示す。この場合、物体2は、搬送機構40によって搬送方向S3に一定速度で搬送され、かつライン状のレーザビーム4bは、物体2の上方から当該物体2が搬送される搬送方向S3に対して垂直方向(z方向)に照射される。これにより、物体2の搬送によってライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に対して2次元走査され、感熱記録媒体3の全面にデータの記録又は消去が行われる。
【0070】
又、非接触光書き込み装置1は、例えば図23に示すように搬送機構40の下方側に設けてもよい。なお、図23も図示が煩雑になることから半導体レーザアレイ4及び結像レンズ5のみを示す。この場合、搬送機構40は、例えば図21(b)に示すように複数のローラ44を一定間隔で配置し、これらローラ44上に物体2を矢印S3方向に搬送する。非接触光書き込み装置1は、各ローラ44の間を通してライン状のレーザビームを感熱記録媒体3に照射する。
しかるに、物体2は、搬送機構40によって搬送方向S3に一定速度で搬送され、かつライン状のレーザビーム4bは、各ローラ44の間を通して物体2の下方から当該物体2が搬送される搬送方向S3に対して垂直方向(z方向)に照射される。これにより、物体2の搬送によってライン状のレーザビーム4bは、感熱記録媒体3上に対して2次元走査され、感熱記録媒体3の全面にデータの記録又は消去が行われる。
【0071】
さらに、非接触光書き込みシステムに適用する非接触光書き込み装置1は、上記第2の実施の形態と同様に、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にシリンドリカルレンズ20を配置してもよし、上記第3の実施の形態と同様に、半導体レーザアレイ4と結像レンズ5との間にマイクロアレイレンズ30を配置してもよい。
これにより、非接触光書き込みシステムにおいて、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bが広い放射角度、すなわち半導体レーザアレイ4に形成されているpn接合面に対して垂直方向に広く、かつライン方向に狭くても、半導体レーザアレイ4から出力されるライン状のレーザビーム4bの放射方向を狭めて結像レンズ5におけるケラレ等によるロス分を極力低減できる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る非接触光書き込み装置の第1の実施の形態を示す側面構成図。
【図2】同装置の正面構成図。
【図3】同装置における半導体レーザアレイと結像レンズと示す外観構成図。
【図4】同装置によりデータの記録・消去を行う感熱記録媒体の記録・消去特性を示す図。
【図5】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図6】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図7】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図8】本発明に係る非接触光書き込み装置の第2の実施の形態を示す側面構成図。
【図9】同装置の正面構成図。
【図10】同装置における半導体レーザアレイとシリンドリカルレンズと結像レンズと示す外観構成図。
【図11】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図12】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図13】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図14】本発明に係る非接触光書き込み装置の第3の実施の形態を示す側面構成図。
【図15】同装置の正面構成図。
【図16】同装置における半導体レーザアレイとマイクロレンズと結像レンズと示す外観構成図。
【図17】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図18】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図19】同装置における半導体レーザアレイと物体との間の物像間距離に応じた結像レンズの移動を示す図。
【図20】本発明に係る非接触光書き込み装置を適用した非接触光書き込みシステムの第4の実施の形態を示す構成図。
【図21】同システムにおける搬送機構の具体例を示す構成図。
【図22】同システムにおける搬送機構の上方に設けた非接触光書き込み装置を示す図。
【図23】同システムにおける搬送機構の下方に設けた非接触光書き込み装置を示す図。
【符号の説明】
【0074】
1:非接触光書き込み装置、2:物体、3:感熱記録媒体、4:半導体レーザアレイ、4a:発光点4a、5:結像レンズ、6:固定ブロック、7:距離センサ、8−1:レンズ駆動制御部、8−2:レンズ移動機構、9:スキャン機構、20:シリンドリカルレンズ、30:マイクロアレイレンズ、40:搬送機構、41,42:ローラ、43:ベルト、44:ローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リライタブルな感熱記録媒体に対してデータの記録及び消去を行う非接触光書き込み装置において、
レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成る半導体レーザアレイと、
前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、前記感熱記録媒体に対して前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームを結像する結像レンズと、
を具備することを特徴とする非接触光書き込み装置。
【請求項2】
前記感熱記録媒体までの距離を測定する距離センサと、
前記距離センサによる前記距離の測定結果に基づいて前記結像レンズを前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動させて前記各レーザビームを前記感熱記録媒体上に結像させるレンズ駆動制御部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項3】
前記結像レンズは、少なくとも前記半導体レーザアレイのライン方向に対応する長さが当該半導体レーザアレイのライン方向の長さよりも長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項4】
前記結像レンズは、前記半導体レーザアレイの前記各発光点と前記感熱記録媒体との各距離の関係を等しくして前記各レーザビームを前記感熱記録媒体上に結像することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項5】
前記結像レンズを前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動させる調整機構を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項6】
前記半導体レーザアレイ又は前記感熱記録媒体のうち一方又は両方を移動させて前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームを当該各レーザビームの配列方向に対して垂直方向に移動させて前記感熱記録媒体上に照射し、前記感熱記録媒体上に前記データの記録及び消去を行わせる移動機構を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項7】
前記半導体レーザアレイと前記結像レンズとの間に配置され、前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームを前記半導体レーザアレイのライン方向に平行に配置され光軸方向の内、前記半導体レーザアレイのライン方向に垂直な方向に対して結像パワーを有するシリンドリカルレンズを備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項8】
前記シリンドリカルレンズは、少なくとも前記半導体レーザアレイのライン方向に対応する長さが当該半導体レーザアレイのライン方向の長さよりも長く形成されていることを特徴とする請求項7記載の非接触光書き込み装置。
【請求項9】
前記半導体レーザアレイと前記結像レンズとの間に配置され、前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームを平行光にコリメートするコリメートレンズを備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項10】
前記コリメートレンズは、前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームをそれぞれ各平行光にコリメートする複数のマイクロレンズから成ることを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み装置。
【請求項11】
前記結像レンズは、前記コリメートレンズによりコリメートされた前記各平行光をそれぞれ前記感熱記録媒体上に結像する複数のマイクロレンズから成ることを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み装置。
【請求項12】
データの記録及び消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を貼り付けた物体を搬送する搬送機構と、
レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成り、前記搬送機構による前記物体の搬送方向に対して垂直方向に設けられた半導体レーザアレイと、
前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、前記搬送機構により搬送中の前記物体に貼り付けられた前記感熱記録媒体に対して前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームを結像する結像レンズと、
を具備することを特徴とする非接触光書き込みシステム。
【請求項13】
前記半導体レーザアレイは、前記搬送機構により搬送中の前記物体に対して上方側、下方側又は側方側のうち少なくとも一方向側に設けられることを特徴とする請求項12記載の非接触光書き込みシステム。
【請求項14】
前記感熱記録媒体までの距離を測定する距離センサと、
前記距離センサによる前記距離の測定結果に基づいて前記結像レンズを前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動させて前記各レーザビームを前記感熱記録媒体上に結像させるレンズ駆動制御部と、
を有することを特徴とする請求項12記載の非接触光書き込みシステム。
【請求項1】
リライタブルな感熱記録媒体に対してデータの記録及び消去を行う非接触光書き込み装置において、
レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成る半導体レーザアレイと、
前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、前記感熱記録媒体に対して前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームを結像する結像レンズと、
を具備することを特徴とする非接触光書き込み装置。
【請求項2】
前記感熱記録媒体までの距離を測定する距離センサと、
前記距離センサによる前記距離の測定結果に基づいて前記結像レンズを前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動させて前記各レーザビームを前記感熱記録媒体上に結像させるレンズ駆動制御部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項3】
前記結像レンズは、少なくとも前記半導体レーザアレイのライン方向に対応する長さが当該半導体レーザアレイのライン方向の長さよりも長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項4】
前記結像レンズは、前記半導体レーザアレイの前記各発光点と前記感熱記録媒体との各距離の関係を等しくして前記各レーザビームを前記感熱記録媒体上に結像することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項5】
前記結像レンズを前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動させる調整機構を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項6】
前記半導体レーザアレイ又は前記感熱記録媒体のうち一方又は両方を移動させて前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームを当該各レーザビームの配列方向に対して垂直方向に移動させて前記感熱記録媒体上に照射し、前記感熱記録媒体上に前記データの記録及び消去を行わせる移動機構を有することを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項7】
前記半導体レーザアレイと前記結像レンズとの間に配置され、前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームを前記半導体レーザアレイのライン方向に平行に配置され光軸方向の内、前記半導体レーザアレイのライン方向に垂直な方向に対して結像パワーを有するシリンドリカルレンズを備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項8】
前記シリンドリカルレンズは、少なくとも前記半導体レーザアレイのライン方向に対応する長さが当該半導体レーザアレイのライン方向の長さよりも長く形成されていることを特徴とする請求項7記載の非接触光書き込み装置。
【請求項9】
前記半導体レーザアレイと前記結像レンズとの間に配置され、前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームを平行光にコリメートするコリメートレンズを備えたことを特徴とする請求項1記載の非接触光書き込み装置。
【請求項10】
前記コリメートレンズは、前記半導体レーザアレイから出力される前記各レーザビームをそれぞれ各平行光にコリメートする複数のマイクロレンズから成ることを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み装置。
【請求項11】
前記結像レンズは、前記コリメートレンズによりコリメートされた前記各平行光をそれぞれ前記感熱記録媒体上に結像する複数のマイクロレンズから成ることを特徴とする請求項9記載の非接触光書き込み装置。
【請求項12】
データの記録及び消去を可能とするリライタブルな感熱記録媒体を貼り付けた物体を搬送する搬送機構と、
レーザビームをそれぞれ発光する複数の発光点をライン状に配置して成り、前記搬送機構による前記物体の搬送方向に対して垂直方向に設けられた半導体レーザアレイと、
前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動可能に設けられ、前記搬送機構により搬送中の前記物体に貼り付けられた前記感熱記録媒体に対して前記半導体レーザアレイから発光された前記各レーザビームを結像する結像レンズと、
を具備することを特徴とする非接触光書き込みシステム。
【請求項13】
前記半導体レーザアレイは、前記搬送機構により搬送中の前記物体に対して上方側、下方側又は側方側のうち少なくとも一方向側に設けられることを特徴とする請求項12記載の非接触光書き込みシステム。
【請求項14】
前記感熱記録媒体までの距離を測定する距離センサと、
前記距離センサによる前記距離の測定結果に基づいて前記結像レンズを前記各レーザビームの光軸方向と同一方向に移動させて前記各レーザビームを前記感熱記録媒体上に結像させるレンズ駆動制御部と、
を有することを特徴とする請求項12記載の非接触光書き込みシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−5987(P2010−5987A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170272(P2008−170272)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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