非接触型携帯可能電子装置、非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステム
【課題】外部装置側の受信エラーあるいは未受信の発生がなく、データの送受信を効率よく行なうことが可能な非接触型携帯可能電子装置、非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムを提供する。
【解決手段】非接触型カードリーダ・ライタから送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、非接触型カードリーダ・ライタから送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信する非接触型ＩＣカードにおいて、コマンドに対する処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信する際、非接触型カードリーダ・ライタから受信したコマンドに対する処理に要する処理時間を求め、この求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして非接触型カードリーダ・ライタへ送信する。
【解決手段】非接触型カードリーダ・ライタから送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、非接触型カードリーダ・ライタから送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信する非接触型ＩＣカードにおいて、コマンドに対する処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信する際、非接触型カードリーダ・ライタから受信したコマンドに対する処理に要する処理時間を求め、この求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして非接触型カードリーダ・ライタへ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえば、非接触型カードリーダ・ライタから送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、非接触型カードリーダ・ライタから送信されるコマンド（命令）に対応した処理を実行して、その処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信する非接触型ＩＣカード（無線カードともいわれる）などの非接触型携帯可能電子装置および非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、この種の非接触型ＩＣカードは、非接触型カードリーダ・ライタから送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作し、非接触型カードリーダ・ライタから振幅変調方式により送信されるデータを受信し、この受信した振幅変調されたデータ波形から振幅の変化量を検出することにより受信データを復調し各種データ処理を行ない、その処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信するようになっている。
【０００３】
また、このような非接触型ＩＣカードでは、コマンド（命令）やレスポンス（応答）を用いて、非接触型カードリーダ・ライタとの間でデータのやりとりを行なうようになっている。
【０００４】
このような非接触型カードリーダ・ライタとの通信に電磁波を使用する非接触型ＩＣカードにおいて、非接触型カードリーダ・ライタへ処理結果を送信する際の送信開始時間は、通信プロトコルに準拠している場合、あらかじめ決められた最長までの時間内であればいつでもよいことになっている（たとえば、非特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００５】
【非特許文献１】国際標準化規格 ＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上述したように、通信に電磁波を使用する非接触型ＩＣカードにおいて、非接触型カードリーダ・ライタへ処理結果を送信する際の送信開始時間は、ＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３の通信プロトコルに準拠している場合、あらかじめ決められた最長までの時間内であればいつでもよいことになっているが、最近の非接触型ＩＣカードを用いたデータ通信では、秘匿、暗号化、高速化等によりデータの処理がより複雑になり、高速化が求められている。その結果、カード側の処理時間が長くなり、消費電流が増大することにより、非接触型ＩＣカードから非接触型カードリーダ・ライタへデータを送信するまでの処理時間中に、非接触型ＩＣカードの負荷変動が大きくなり、それを非接触型カードリーダ・ライタが受信信号と誤ってしまい、受信エラーが発生するという問題がある。
【０００７】
以下、具体例を基にさらに詳細に説明する。ここでは、非接触型ＩＣカードの規格として一般に広く知られているＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３ Ｔｙｐｅ−Ｂの送受信タイミングを基に説明する。
【０００８】
非接触型ＩＣカードの送信開始までの時間は、図６に示すようにＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３−３で定義されており、時間ＴＲ０、すなわち、非接触型カードリーダ・ライタの送信後から非接触型ＩＣカードの無変調副搬送波送信開始までの時間である。なお、図６において、ＥＯＦはエンドオブフレームを示し、ＳＯＦはスタートオブフレームを示している。
【０００９】
また、時間ＴＲ０の最小値は、６４／ｆｓであり、最大値は、ＡＴＱＢ（Ａｎｓｗｅｒ Ｔｏ Ｒｅｑｕｅｓｔ，Ｔｙｐｅ Ｂ）のときに２５６／ｆｓ、その他すべてのフレームについては、（２５６／ｆｓ）＊２ＦＷＩと定義されている。ＦＷＩ（Ｆｒａｍｅ Ｗａｉｔｉｎｇ ｔｉｍｅ Ｉｎｔｅｇｅｒ）の値は、０〜１４までの値をとり、ＡＴＱＢで非接触型ＩＣカードから非接触型カードリーダ・ライタへその値を返すことになっている。ＦＷＩ＝０のとき、時間ＴＲ０は最小値の３０２μｓｅｃであり、ＦＷＩ＝１４のとき、時間ＴＲ０は最大値の４９４９ｍｓｅｃである。
【００１０】
このとき、非接触型ＩＣカードは、時間ＴＲ０内であればどのタイミングで送信を開始してもよいので、非接触型カードリーダ・ライタは、ＦＷＩの値に応じた最長の待ち時間中のいつ返信が始まるかの判断はできず、少なくとも最長の待ち時間まで待ち続ける必要がある。そのため、待ち時間の間に非接触型ＩＣカードの消費電流が増大するなどして負荷変動が起きると、それに伴い搬送波のレベル変動が起きてしまい、非接触型カードリーダ・ライタは非接触型ＩＣカードからの返信が始まったものと誤って判断し、受信エラーが起きることがある。また、送受信を効率よく行なう意味でも望ましくない。
【００１１】
さらに、非接触型ＩＣカード側の処理時間が長くなればなるほど、そのエラー発生が起きる可能性が高まるという問題がある。さらに、非接触型カードリーダ・ライタへデータを送信するタイミングは、非接触型ＩＣカード側に委ねられているので、非接触型カードリーダ・ライタが受信するタイミングを計れないという問題がある。
【００１２】
そこで、本発明は、外部装置側の受信エラーあるいは未受信の発生がなく、データの送受信を効率よく行なうことが可能な非接触型携帯可能電子装置、非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の非接触型携帯可能電子装置は、外部装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記外部装置へ送信する非接触型携帯可能電子装置において、前記外部装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記外部装置へ送信する第２の手段と、この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを受信する第３の手段と、この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記外部装置へ送信する第４の手段とを具備したことを特徴とする。
【００１４】
また、本発明の非接触型ＩＣカードは、外部装置との間で非接触による通信を行なうためのアンテナ部と、このアンテナ部と電気的に接続され、前記外部装置から送信される電磁波を前記アンテナ部を介して受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する機能を有するＩＣチップと、前記アンテナ部および前記ＩＣチップを一体的に収納したカード本体とを具備し、前記ＩＣチップは、前記外部装置から送信されるコマンドを前記アンテナ部を介して受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第２の手段と、この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを前記アンテナ部を介して受信する第３の手段と、この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第４の手段とを具備したことを特徴とする。
【００１５】
さらに、本発明の非接触型ＩＣカードシステムは、外部機器との間で非接触で通信を行なう非接触型ＩＣカード処理装置と、この非接触型ＩＣカード処理装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する非接触型ＩＣカードとから構成される非接触型ＩＣカードシステムにおいて、前記非接触型ＩＣカード処理装置は、前記非接触型ＩＣカードに対しコマンドを送信する第１の手段を具備し、前記非接触型ＩＣカードは、前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第２の手段と、この第２の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第３の手段とを具備し、前記非接触型ＩＣカード処理装置は、さらに、前記非接触型ＩＣカードの第３の手段により送信された処理時間データを送信する第４の手段と、この第４の手段により処理時間データを送信すると、当該処理時間経過するまで受信不許可状態に設定する第５の手段と、前記処理時間経過すると、前記コマンドと同様のコマンドを前記非接触型ＩＣカードへ送信する第６の手段とを具備し、前記非接触型ＩＣカードは、さらに、前記非接触型ＩＣカード処理装置の第６の手段により送信されたコマンドを受信する第７の手段と、この第７の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第８の手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、外部装置側の受信エラーあるいは未受信の発生がなく、データの送受信を効率よく行なうことが可能な非接触型携帯可能電子装置、非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る非接触型携帯可能電子装置としての非接触型ＩＣカードの構成を概略的に示すブロック図。
【図２】非接触型ＩＣカードの外観構成を模式的に示す平面図。
【図３】要部の動作について説明するフローチャート。
【図４】コマンドに対する処理時間を表す処理時間テーブルの一例を示す図。
【図５】コマンドに対する時間Ｔ（ＨＥＸ）を算出するテーブルデータの一例を示す図。
【図６】非接触型カードリーダ・ライタから非接触型ＩＣカードへの送信データおよび非接触型ＩＣカードから非接触型カードリーダ・ライタへの返信データのタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図１は、本発明に係る非接触型ＩＣカードシステムの構成を概略的に示すものである。この非接触型ＩＣカードシステムは、外部機器との間で非接触で通信を行なう非接触型カードリーダ・ライタ（非接触型ＩＣカード処理装置）１０Ａと、この非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間で非接触で通信を行なう非接触型ＩＣカード（非接触型携帯可能電子装置）１０Ｂとから構成されている。
【００１９】
非接触型ＩＣカード１０Ｂは、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間でデータを送受信するための送受信アンテナ部１１、送受信アンテナ部１１で受信した非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからの電磁波を整流回路にて整流、平滑することにより安定化された直流電圧を生成して各機能部（後述する機能部１３〜１９）に動作電圧として供給する電源生成部１２、同じく受信した電磁波から動作クロックを生成して各機能部（後述する機能部１４〜１９）に供給するクロック（ＣＬＫ）生成部１３、受信データを復調する復調部１４、送信データを変調する変調部１５、送受信データの通信制御や各種割込み処理などを行なうとともに各種データ処理や全体的な制御を行なう制御手段としての制御部１６、制御部１６の制御プログラム等があらかじめ格納されているＲＯＭ（リード・オンリ・メモリ）１７、一時的なデータの書込み／読出しが行なわれるＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）１８、および、各種データが格納されるＥＥＰＲＯＭ（エレクトリカリ・イレーザブル・アンド・プログラマブル・リード・オンリ・メモリ）などの不揮発性メモリ１９を有して構成される。
【００２０】
送受信アンテナ部１１は、前記したように、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間で非接触による通信を行なうためのもので、アンテナコイルＬとコンデンサＣとでＬＣ共振回路を形成し、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからの電磁波（１３．５６ＭＨｚ）を効率よく受信可能な共振周波数に同調される。
【００２１】
制御部１６は、上記したように、送受信データの通信制御や各種割込み処理などを行なうとともに各種データ処理や全体的な制御を行なうもので、ＣＰＵ（セントラル・プロセッシング・ユニット）を主体に構成されている。
【００２２】
送受信アンテナ部１１を除く他の各機能部１２〜１６は、１つ（あるいは複数）のＩＣチップ２０で構成され、さらに、このＩＣチップ２０と送受信アンテナ部１１とが電気的に接続された状態で一体化されてＩＣモジュール２１とされ、このＩＣモジュール２１が図２に示すようにＩＣカード本体２２内に収納（埋設）されている。
【００２３】
次に、上記のように構成された非接触型ＩＣカードシステムの基本的な動作について簡単に説明する。
【００２４】
非接触型ＩＣカード１０Ｂと非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間のデータの送受信は、それぞれアンテナ部１１を用いて電磁誘導方式等により行なわれる。非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、非接触型ＩＣカード１０Ｂへの送信データを内部で作成し、変調信号としてアンテナ部１１を介して非接触型ＩＣカード１０Ｂへ送信する。
【００２５】
通信エリア内に存在する非接触型ＩＣカード１０Ｂは、アンテナ部１１にて変調されたデータを受信する。受信したデータは復調部１４で復調され、制御部１６へ送られる。制御部１６は、ＲＯＭ１７に格納された制御プログラムにしたがって動作し、受信データの解析や受信したデータを不揮発性メモリ１９に格納するなどの処理を行なう。なお、受信データをＲＡＭ１８内の送受信バッファに一旦書込むようにしてもよい。
【００２６】
その後、制御部１６は、受信データについて、不揮発性メモリ１９においてデータの読出し、書込み処理を行ない、応答のための送信データを作成する。この送信データは、制御部１６から変調部１５へ送られて変調され、この変調信号がアンテナ部１１から非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ送信される。
【００２７】
次に、本発明に係る要部の動作について図３に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
【００２８】
非接触型ＩＣカード１０Ｂは、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからコマンドを受信すると（ステップＳ１）、受信したコマンドに対する処理に要する処理時間を求める（ステップＳ２）。
【００２９】
すなわち、たとえば、ＲＯＭ１７内には図４に示すようなコマンドに対する最大処理時間ｔとそれを表すＴ（ＨＥＸ）のデータが格納された処理時間テーブルが格納されていて、コマンドを受信すると、制御部１６は、この処理時間テーブルを参照することにより、当該コマンドに対する処理に（応答するまでに）最大でどれだけの処理時間が必要なのかを求める。
【００３０】
次に、制御部１６は、処理時間テーブルを参照した結果、最大処理時間ｔが所定時間（たとえば、３００ｍｓｅｃ）よりも長いか否かをチェックし（ステップＳ３）、３００ｍｓｅｃよりも長い場合、コマンドに対する応答までの時間Ｔ（ＨＥＸ）のデータを含めて非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへその旨を返信し（ステップＳ４）、受信したコマンドに対する処理を開始する。
【００３１】
非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、時間Ｔ（ＨＥＸ）のデータを受信すると（ステップＳ５）、当該時間Ｔの間、受信不許可状態に設定する（ステップＳ５）。
次に、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、時間Ｔ経過後、先のコマンドと同一のコマンドを再度非接触型ＩＣカード１０Ｂ送信する（ステップＳ６）。
【００３２】
非接触型ＩＣカード１０Ｂの制御部１６は、コマンドを再度受信すると（ステップＳ７）、ステップＳ１で受信したコマンドに対する処理結果を応答として非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ返信する（ステップＳ８）。
【００３３】
この結果、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、時間Ｔ（ＨＥＸ）の間、すなわち、非接触型ＩＣカード１０Ｂがコマンドに対する処理を行なっている間、受信不許可の状態であるため、非接触型ＩＣカード１０Ｂが処理中に一時的に消費電流が増大し、負荷変動が起きた場合にも、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは誤って受信することはない。すなわち、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａ側の受信エラー、あるいは、未受信の発生がなく、データの送受信を効率良く行なうことができるようになる。
【００３４】
ステップＳ３におけるチェックの結果、最大処理時間ｔが３００ｍｓｅｃ以下の場合、従来同様、制御部１６は、受信したコマンドに対する処理結果を応答として非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ返信する（ステップＳ８）。なお、時間ｔは、仮に決めたものであって、３００ｍｓｅｃ以外でも何ら問題はない。
【００３５】
図４に示した処理時間テーブルは、本発明のコマンドに対する最大処理時間ｔ（ｍｓｅｃ）、Ｔ（ＨＥＸ）の例を示している。図４の例では、セレクト（ＳＥＬＥＣＴ）コマンド：００ Ａ４の場合は、最大処理時間ｔが１００ｍｓｅｃであるため（３００ｍｓｅｃ以下）、Ｔ（ＨＥＸ）の値はなく、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからコマンドを受信した後、従来通りコマンドに対する応答を非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ返信する。
【００３６】
また、リード・バイナリ（ＲＥＡＤ ＢＩＮＡＲＹ）コマンド：００ Ｂ０の場合は、最大処理時間ｔが１５００ｍｓｅｃであるため（３００ｍｓｅｃを超える）、Ｔ（ＨＥＸ）の値：０Ｄを含めて、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへその旨を返信する。
【００３７】
さらに、ライト・バイナリ（ＷＲＩＴＥ ＢＩＮＡＲＹ）コマンド：００ Ｃ０の場合は、最大処理時間ｔが３０００ｍｓｅｃであるため（３００ｍｓｅｃを超える）、Ｔ（ＨＥＸ）の値：０Ｅを含めて、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへその旨を返信する。他のコマンドの場合についても同様である。
【００３８】
図５は、コマンドに対する時間Ｔ（ＨＥＸ）を算出するテーブルデータの一例を示している。この例の場合、ＦＷＴ（Ｆｒａｍｅ Ｗａｉｔｉｎｇ Ｔｉｍｅ）を活用したものであるが、実際には１００ｍｓｅｃごとにＴ（ＨＥＸ）を定義しても何ら問題はない。
【００３９】
このテーブルデータは非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａ内の図示しないメモリに格納されていて、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、非接触型ＩＣカード１０Ｂから時間Ｔ（ＨＥＸ）のデータを受信すると、図５のテーブルデータを参照することにより、対応するＦＷＴ（ｍｓｅｃ）の値を取得し、その時間の間、受信不許可状態に設定する。
【符号の説明】
【００４０】
１０Ａ…非接触型カードリーダ・ライタ（非接触型ＩＣカード処理装置）、１０Ｂ…非接触型ＩＣカード（非接触型携帯可能電子装置）、１１…送受信アンテナ部、１２…電源生成部、１３…クロック（ＣＬＫ）生成部、１４…復調部、１５…変調部、１６…制御部（制御手段）、１７…ＲＯＭ、１８…ＲＡＭ、１９…不揮発性メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、２０…ＩＣチップ、２１…ＩＣモジュール、２２…ＩＣカード本体。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえば、非接触型カードリーダ・ライタから送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、非接触型カードリーダ・ライタから送信されるコマンド（命令）に対応した処理を実行して、その処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信する非接触型ＩＣカード（無線カードともいわれる）などの非接触型携帯可能電子装置および非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、この種の非接触型ＩＣカードは、非接触型カードリーダ・ライタから送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作し、非接触型カードリーダ・ライタから振幅変調方式により送信されるデータを受信し、この受信した振幅変調されたデータ波形から振幅の変化量を検出することにより受信データを復調し各種データ処理を行ない、その処理結果を非接触型カードリーダ・ライタへ送信するようになっている。
【０００３】
また、このような非接触型ＩＣカードでは、コマンド（命令）やレスポンス（応答）を用いて、非接触型カードリーダ・ライタとの間でデータのやりとりを行なうようになっている。
【０００４】
このような非接触型カードリーダ・ライタとの通信に電磁波を使用する非接触型ＩＣカードにおいて、非接触型カードリーダ・ライタへ処理結果を送信する際の送信開始時間は、通信プロトコルに準拠している場合、あらかじめ決められた最長までの時間内であればいつでもよいことになっている（たとえば、非特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【０００５】
【非特許文献１】国際標準化規格 ＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上述したように、通信に電磁波を使用する非接触型ＩＣカードにおいて、非接触型カードリーダ・ライタへ処理結果を送信する際の送信開始時間は、ＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３の通信プロトコルに準拠している場合、あらかじめ決められた最長までの時間内であればいつでもよいことになっているが、最近の非接触型ＩＣカードを用いたデータ通信では、秘匿、暗号化、高速化等によりデータの処理がより複雑になり、高速化が求められている。その結果、カード側の処理時間が長くなり、消費電流が増大することにより、非接触型ＩＣカードから非接触型カードリーダ・ライタへデータを送信するまでの処理時間中に、非接触型ＩＣカードの負荷変動が大きくなり、それを非接触型カードリーダ・ライタが受信信号と誤ってしまい、受信エラーが発生するという問題がある。
【０００７】
以下、具体例を基にさらに詳細に説明する。ここでは、非接触型ＩＣカードの規格として一般に広く知られているＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３ Ｔｙｐｅ−Ｂの送受信タイミングを基に説明する。
【０００８】
非接触型ＩＣカードの送信開始までの時間は、図６に示すようにＩＳＯ／ＩＥＣ１４４４３−３で定義されており、時間ＴＲ０、すなわち、非接触型カードリーダ・ライタの送信後から非接触型ＩＣカードの無変調副搬送波送信開始までの時間である。なお、図６において、ＥＯＦはエンドオブフレームを示し、ＳＯＦはスタートオブフレームを示している。
【０００９】
また、時間ＴＲ０の最小値は、６４／ｆｓであり、最大値は、ＡＴＱＢ（Ａｎｓｗｅｒ Ｔｏ Ｒｅｑｕｅｓｔ，Ｔｙｐｅ Ｂ）のときに２５６／ｆｓ、その他すべてのフレームについては、（２５６／ｆｓ）＊２ＦＷＩと定義されている。ＦＷＩ（Ｆｒａｍｅ Ｗａｉｔｉｎｇ ｔｉｍｅ Ｉｎｔｅｇｅｒ）の値は、０〜１４までの値をとり、ＡＴＱＢで非接触型ＩＣカードから非接触型カードリーダ・ライタへその値を返すことになっている。ＦＷＩ＝０のとき、時間ＴＲ０は最小値の３０２μｓｅｃであり、ＦＷＩ＝１４のとき、時間ＴＲ０は最大値の４９４９ｍｓｅｃである。
【００１０】
このとき、非接触型ＩＣカードは、時間ＴＲ０内であればどのタイミングで送信を開始してもよいので、非接触型カードリーダ・ライタは、ＦＷＩの値に応じた最長の待ち時間中のいつ返信が始まるかの判断はできず、少なくとも最長の待ち時間まで待ち続ける必要がある。そのため、待ち時間の間に非接触型ＩＣカードの消費電流が増大するなどして負荷変動が起きると、それに伴い搬送波のレベル変動が起きてしまい、非接触型カードリーダ・ライタは非接触型ＩＣカードからの返信が始まったものと誤って判断し、受信エラーが起きることがある。また、送受信を効率よく行なう意味でも望ましくない。
【００１１】
さらに、非接触型ＩＣカード側の処理時間が長くなればなるほど、そのエラー発生が起きる可能性が高まるという問題がある。さらに、非接触型カードリーダ・ライタへデータを送信するタイミングは、非接触型ＩＣカード側に委ねられているので、非接触型カードリーダ・ライタが受信するタイミングを計れないという問題がある。
【００１２】
そこで、本発明は、外部装置側の受信エラーあるいは未受信の発生がなく、データの送受信を効率よく行なうことが可能な非接触型携帯可能電子装置、非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明の非接触型携帯可能電子装置は、外部装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記外部装置へ送信する非接触型携帯可能電子装置において、前記外部装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記外部装置へ送信する第２の手段と、この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを受信する第３の手段と、この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記外部装置へ送信する第４の手段とを具備したことを特徴とする。
【００１４】
また、本発明の非接触型ＩＣカードは、外部装置との間で非接触による通信を行なうためのアンテナ部と、このアンテナ部と電気的に接続され、前記外部装置から送信される電磁波を前記アンテナ部を介して受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する機能を有するＩＣチップと、前記アンテナ部および前記ＩＣチップを一体的に収納したカード本体とを具備し、前記ＩＣチップは、前記外部装置から送信されるコマンドを前記アンテナ部を介して受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第２の手段と、この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを前記アンテナ部を介して受信する第３の手段と、この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第４の手段とを具備したことを特徴とする。
【００１５】
さらに、本発明の非接触型ＩＣカードシステムは、外部機器との間で非接触で通信を行なう非接触型ＩＣカード処理装置と、この非接触型ＩＣカード処理装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する非接触型ＩＣカードとから構成される非接触型ＩＣカードシステムにおいて、前記非接触型ＩＣカード処理装置は、前記非接触型ＩＣカードに対しコマンドを送信する第１の手段を具備し、前記非接触型ＩＣカードは、前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第２の手段と、この第２の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第３の手段とを具備し、前記非接触型ＩＣカード処理装置は、さらに、前記非接触型ＩＣカードの第３の手段により送信された処理時間データを送信する第４の手段と、この第４の手段により処理時間データを送信すると、当該処理時間経過するまで受信不許可状態に設定する第５の手段と、前記処理時間経過すると、前記コマンドと同様のコマンドを前記非接触型ＩＣカードへ送信する第６の手段とを具備し、前記非接触型ＩＣカードは、さらに、前記非接触型ＩＣカード処理装置の第６の手段により送信されたコマンドを受信する第７の手段と、この第７の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第８の手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、外部装置側の受信エラーあるいは未受信の発生がなく、データの送受信を効率よく行なうことが可能な非接触型携帯可能電子装置、非接触型ＩＣカードおよび非接触型ＩＣカードシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の第１の実施の形態に係る非接触型携帯可能電子装置としての非接触型ＩＣカードの構成を概略的に示すブロック図。
【図２】非接触型ＩＣカードの外観構成を模式的に示す平面図。
【図３】要部の動作について説明するフローチャート。
【図４】コマンドに対する処理時間を表す処理時間テーブルの一例を示す図。
【図５】コマンドに対する時間Ｔ（ＨＥＸ）を算出するテーブルデータの一例を示す図。
【図６】非接触型カードリーダ・ライタから非接触型ＩＣカードへの送信データおよび非接触型ＩＣカードから非接触型カードリーダ・ライタへの返信データのタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図１は、本発明に係る非接触型ＩＣカードシステムの構成を概略的に示すものである。この非接触型ＩＣカードシステムは、外部機器との間で非接触で通信を行なう非接触型カードリーダ・ライタ（非接触型ＩＣカード処理装置）１０Ａと、この非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間で非接触で通信を行なう非接触型ＩＣカード（非接触型携帯可能電子装置）１０Ｂとから構成されている。
【００１９】
非接触型ＩＣカード１０Ｂは、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間でデータを送受信するための送受信アンテナ部１１、送受信アンテナ部１１で受信した非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからの電磁波を整流回路にて整流、平滑することにより安定化された直流電圧を生成して各機能部（後述する機能部１３〜１９）に動作電圧として供給する電源生成部１２、同じく受信した電磁波から動作クロックを生成して各機能部（後述する機能部１４〜１９）に供給するクロック（ＣＬＫ）生成部１３、受信データを復調する復調部１４、送信データを変調する変調部１５、送受信データの通信制御や各種割込み処理などを行なうとともに各種データ処理や全体的な制御を行なう制御手段としての制御部１６、制御部１６の制御プログラム等があらかじめ格納されているＲＯＭ（リード・オンリ・メモリ）１７、一時的なデータの書込み／読出しが行なわれるＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）１８、および、各種データが格納されるＥＥＰＲＯＭ（エレクトリカリ・イレーザブル・アンド・プログラマブル・リード・オンリ・メモリ）などの不揮発性メモリ１９を有して構成される。
【００２０】
送受信アンテナ部１１は、前記したように、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間で非接触による通信を行なうためのもので、アンテナコイルＬとコンデンサＣとでＬＣ共振回路を形成し、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからの電磁波（１３．５６ＭＨｚ）を効率よく受信可能な共振周波数に同調される。
【００２１】
制御部１６は、上記したように、送受信データの通信制御や各種割込み処理などを行なうとともに各種データ処理や全体的な制御を行なうもので、ＣＰＵ（セントラル・プロセッシング・ユニット）を主体に構成されている。
【００２２】
送受信アンテナ部１１を除く他の各機能部１２〜１６は、１つ（あるいは複数）のＩＣチップ２０で構成され、さらに、このＩＣチップ２０と送受信アンテナ部１１とが電気的に接続された状態で一体化されてＩＣモジュール２１とされ、このＩＣモジュール２１が図２に示すようにＩＣカード本体２２内に収納（埋設）されている。
【００２３】
次に、上記のように構成された非接触型ＩＣカードシステムの基本的な動作について簡単に説明する。
【００２４】
非接触型ＩＣカード１０Ｂと非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａとの間のデータの送受信は、それぞれアンテナ部１１を用いて電磁誘導方式等により行なわれる。非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、非接触型ＩＣカード１０Ｂへの送信データを内部で作成し、変調信号としてアンテナ部１１を介して非接触型ＩＣカード１０Ｂへ送信する。
【００２５】
通信エリア内に存在する非接触型ＩＣカード１０Ｂは、アンテナ部１１にて変調されたデータを受信する。受信したデータは復調部１４で復調され、制御部１６へ送られる。制御部１６は、ＲＯＭ１７に格納された制御プログラムにしたがって動作し、受信データの解析や受信したデータを不揮発性メモリ１９に格納するなどの処理を行なう。なお、受信データをＲＡＭ１８内の送受信バッファに一旦書込むようにしてもよい。
【００２６】
その後、制御部１６は、受信データについて、不揮発性メモリ１９においてデータの読出し、書込み処理を行ない、応答のための送信データを作成する。この送信データは、制御部１６から変調部１５へ送られて変調され、この変調信号がアンテナ部１１から非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ送信される。
【００２７】
次に、本発明に係る要部の動作について図３に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
【００２８】
非接触型ＩＣカード１０Ｂは、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからコマンドを受信すると（ステップＳ１）、受信したコマンドに対する処理に要する処理時間を求める（ステップＳ２）。
【００２９】
すなわち、たとえば、ＲＯＭ１７内には図４に示すようなコマンドに対する最大処理時間ｔとそれを表すＴ（ＨＥＸ）のデータが格納された処理時間テーブルが格納されていて、コマンドを受信すると、制御部１６は、この処理時間テーブルを参照することにより、当該コマンドに対する処理に（応答するまでに）最大でどれだけの処理時間が必要なのかを求める。
【００３０】
次に、制御部１６は、処理時間テーブルを参照した結果、最大処理時間ｔが所定時間（たとえば、３００ｍｓｅｃ）よりも長いか否かをチェックし（ステップＳ３）、３００ｍｓｅｃよりも長い場合、コマンドに対する応答までの時間Ｔ（ＨＥＸ）のデータを含めて非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへその旨を返信し（ステップＳ４）、受信したコマンドに対する処理を開始する。
【００３１】
非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、時間Ｔ（ＨＥＸ）のデータを受信すると（ステップＳ５）、当該時間Ｔの間、受信不許可状態に設定する（ステップＳ５）。
次に、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、時間Ｔ経過後、先のコマンドと同一のコマンドを再度非接触型ＩＣカード１０Ｂ送信する（ステップＳ６）。
【００３２】
非接触型ＩＣカード１０Ｂの制御部１６は、コマンドを再度受信すると（ステップＳ７）、ステップＳ１で受信したコマンドに対する処理結果を応答として非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ返信する（ステップＳ８）。
【００３３】
この結果、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、時間Ｔ（ＨＥＸ）の間、すなわち、非接触型ＩＣカード１０Ｂがコマンドに対する処理を行なっている間、受信不許可の状態であるため、非接触型ＩＣカード１０Ｂが処理中に一時的に消費電流が増大し、負荷変動が起きた場合にも、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは誤って受信することはない。すなわち、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａ側の受信エラー、あるいは、未受信の発生がなく、データの送受信を効率良く行なうことができるようになる。
【００３４】
ステップＳ３におけるチェックの結果、最大処理時間ｔが３００ｍｓｅｃ以下の場合、従来同様、制御部１６は、受信したコマンドに対する処理結果を応答として非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ返信する（ステップＳ８）。なお、時間ｔは、仮に決めたものであって、３００ｍｓｅｃ以外でも何ら問題はない。
【００３５】
図４に示した処理時間テーブルは、本発明のコマンドに対する最大処理時間ｔ（ｍｓｅｃ）、Ｔ（ＨＥＸ）の例を示している。図４の例では、セレクト（ＳＥＬＥＣＴ）コマンド：００ Ａ４の場合は、最大処理時間ｔが１００ｍｓｅｃであるため（３００ｍｓｅｃ以下）、Ｔ（ＨＥＸ）の値はなく、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａからコマンドを受信した後、従来通りコマンドに対する応答を非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへ返信する。
【００３６】
また、リード・バイナリ（ＲＥＡＤ ＢＩＮＡＲＹ）コマンド：００ Ｂ０の場合は、最大処理時間ｔが１５００ｍｓｅｃであるため（３００ｍｓｅｃを超える）、Ｔ（ＨＥＸ）の値：０Ｄを含めて、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへその旨を返信する。
【００３７】
さらに、ライト・バイナリ（ＷＲＩＴＥ ＢＩＮＡＲＹ）コマンド：００ Ｃ０の場合は、最大処理時間ｔが３０００ｍｓｅｃであるため（３００ｍｓｅｃを超える）、Ｔ（ＨＥＸ）の値：０Ｅを含めて、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａへその旨を返信する。他のコマンドの場合についても同様である。
【００３８】
図５は、コマンドに対する時間Ｔ（ＨＥＸ）を算出するテーブルデータの一例を示している。この例の場合、ＦＷＴ（Ｆｒａｍｅ Ｗａｉｔｉｎｇ Ｔｉｍｅ）を活用したものであるが、実際には１００ｍｓｅｃごとにＴ（ＨＥＸ）を定義しても何ら問題はない。
【００３９】
このテーブルデータは非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａ内の図示しないメモリに格納されていて、非接触型カードリーダ・ライタ１０Ａは、非接触型ＩＣカード１０Ｂから時間Ｔ（ＨＥＸ）のデータを受信すると、図５のテーブルデータを参照することにより、対応するＦＷＴ（ｍｓｅｃ）の値を取得し、その時間の間、受信不許可状態に設定する。
【符号の説明】
【００４０】
１０Ａ…非接触型カードリーダ・ライタ（非接触型ＩＣカード処理装置）、１０Ｂ…非接触型ＩＣカード（非接触型携帯可能電子装置）、１１…送受信アンテナ部、１２…電源生成部、１３…クロック（ＣＬＫ）生成部、１４…復調部、１５…変調部、１６…制御部（制御手段）、１７…ＲＯＭ、１８…ＲＡＭ、１９…不揮発性メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、２０…ＩＣチップ、２１…ＩＣモジュール、２２…ＩＣカード本体。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外部装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記外部装置へ送信する非接触型携帯可能電子装置において、
前記外部装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、
この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記外部装置へ送信する第２の手段と、
この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを受信する第３の手段と、
この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記外部装置へ送信する第４の手段と、
を具備したことを特徴とする非接触型携帯可能電子装置。
【請求項２】
外部装置との間で非接触による通信を行なうためのアンテナ部と、
このアンテナ部と電気的に接続され、前記外部装置から送信される電磁波を前記アンテナ部を介して受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する機能を有するＩＣチップと、
前記アンテナ部および前記ＩＣチップを一体的に収納したカード本体とを具備し、
前記ＩＣチップは、
前記外部装置から送信されるコマンドを前記アンテナ部を介して受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、
この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第２の手段と、
この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを前記アンテナ部を介して受信する第３の手段と、
この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第４の手段と、
を具備したことを特徴とする非接触型ＩＣカード。
【請求項３】
外部機器との間で非接触で通信を行なう非接触型ＩＣカード処理装置と、この非接触型ＩＣカード処理装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する非接触型ＩＣカードとから構成される非接触型ＩＣカードシステムにおいて、
前記非接触型ＩＣカード処理装置は、
前記非接触型ＩＣカードに対しコマンドを送信する第１の手段を具備し、
前記非接触型ＩＣカードは、
前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第２の手段と、
この第２の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第３の手段とを具備し、
前記非接触型ＩＣカード処理装置は、さらに、
前記非接触型ＩＣカードの第３の手段により送信された処理時間データを送信する第４の手段と、
この第４の手段により処理時間データを送信すると、当該処理時間経過するまで受信不許可状態に設定する第５の手段と、
前記処理時間経過すると、前記コマンドと同様のコマンドを前記非接触型ＩＣカードへ送信する第６の手段とを具備し、
前記非接触型ＩＣカードは、さらに、
前記非接触型ＩＣカード処理装置の第６の手段により送信されたコマンドを受信する第７の手段と、
この第７の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第８の手段と、
を具備したことを特徴とする非接触型ＩＣカードシステム。
【請求項１】
外部装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記外部装置へ送信する非接触型携帯可能電子装置において、
前記外部装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、
この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記外部装置へ送信する第２の手段と、
この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを受信する第３の手段と、
この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記外部装置へ送信する第４の手段と、
を具備したことを特徴とする非接触型携帯可能電子装置。
【請求項２】
外部装置との間で非接触による通信を行なうためのアンテナ部と、
このアンテナ部と電気的に接続され、前記外部装置から送信される電磁波を前記アンテナ部を介して受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記外部装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する機能を有するＩＣチップと、
前記アンテナ部および前記ＩＣチップを一体的に収納したカード本体とを具備し、
前記ＩＣチップは、
前記外部装置から送信されるコマンドを前記アンテナ部を介して受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第１の手段と、
この第１の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第２の手段と、
この第２の手段により送信された処理時間経過後、前記外部装置から再度送信される前記コマンドと同様のコマンドを前記アンテナ部を介して受信する第３の手段と、
この第３の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記アンテナ部を介して前記外部装置へ送信する第４の手段と、
を具備したことを特徴とする非接触型ＩＣカード。
【請求項３】
外部機器との間で非接触で通信を行なう非接触型ＩＣカード処理装置と、この非接触型ＩＣカード処理装置から送信される電磁波を受信し、この受信した電磁波により動作電圧を生成して動作するもので、前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドに対応した処理を実行して、その処理結果を前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する非接触型ＩＣカードとから構成される非接触型ＩＣカードシステムにおいて、
前記非接触型ＩＣカード処理装置は、
前記非接触型ＩＣカードに対しコマンドを送信する第１の手段を具備し、
前記非接触型ＩＣカードは、
前記非接触型ＩＣカード処理装置から送信されるコマンドを受信すると、当該コマンドに対する処理に要する処理時間を求める第２の手段と、
この第２の手段により求めた処理時間があらかじめ定められた所定時間よりも長い場合、前記求めた処理時間をデータとして前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第３の手段とを具備し、
前記非接触型ＩＣカード処理装置は、さらに、
前記非接触型ＩＣカードの第３の手段により送信された処理時間データを送信する第４の手段と、
この第４の手段により処理時間データを送信すると、当該処理時間経過するまで受信不許可状態に設定する第５の手段と、
前記処理時間経過すると、前記コマンドと同様のコマンドを前記非接触型ＩＣカードへ送信する第６の手段とを具備し、
前記非接触型ＩＣカードは、さらに、
前記非接触型ＩＣカード処理装置の第６の手段により送信されたコマンドを受信する第７の手段と、
この第７の手段によりコマンドを受信すると、前記コマンドに対する処理結果を応答として前記非接触型ＩＣカード処理装置へ送信する第８の手段と、
を具備したことを特徴とする非接触型ＩＣカードシステム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１０−２２４６９０（Ｐ２０１０−２２４６９０Ａ）
【公開日】平成２２年１０月７日（２０１０．１０．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−６９０４２（Ｐ２００９−６９０４２）
【出願日】平成２１年３月１９日（２００９．３．１９）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＥＥＰＲＯＭ
【出願人】（０００００３０７８）株式会社東芝 (54,554)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１０月７日（２０１０．１０．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年３月１９日（２００９．３．１９）
【公序良俗違反の表示】
（特許庁注：以下のものは登録商標）
１．ＥＥＰＲＯＭ
【出願人】（０００００３０７８）株式会社東芝 (54,554)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]