説明

非接触式分与方法を使用してコンフォーマルコーティングする方法

粘性材料100を基板36に射出することにより、コンフォーマルコーティング施工のための非接触式分与方法が提供される。射出過程により分与する結果、小さい湿った面積となり、これにより、極めて個別的で且つ、選択的なコンフォーマルコーティング能力を提供することができる。選択可能性の増大は、小さい面積100及び幾何学的形態をコーティングすることを許容し且つ、基板36のコーティング面積100と非コーティング面積との間にて優れた端縁の画成状態を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、粘性材料の分与、より具体的には、電気的構成要素に対しコンフォーマルコーティング(conformal coating)を施すため微量の粘性材料を分与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンフォーマルコーティングは、例えば、プリント回路(PC)板又はプリント回路板に取り付けられたデバイスのような電気的構成要素に誘電性材料を施して該電気構成要素を水分、かび、塵、腐食、摩耗及びその他の環境上のストレスから保護する過程である。一般的なコンフォーマルコーティング材料は、単に一例として且つ、非限定的に、シリコーン、アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ合成樹脂及び各種のポリマーを含む。PC板に施したとき、溶媒が蒸発し、又は溶媒無しの材料が硬化するに伴い、全体として均一な厚さの絶縁性樹脂膜が形成される。浸漬コーティング、ブラシ施工、霧化した空気噴霧、及びその他のものを含む、コンフォーマルコーティングを施す幾つかの異なる過程が既知である。これらの方法の多くは非選択可能な性質であるため、コンフォーマルコーティング過程は、望ましくない領域でのコーティングを防止するため、マスクを板又は構成要素上に当てがう必要があることがしばしばである。マスキングは、手操作にてしばしば行われ、このことは、製造コストが増し且つ、製品の生産量が減少することとなる。より現代的な適用例は、ロボットのような自動化した過程を利用してコンフォーマルコーティングを施すものである。コンフォーマルコーティング過程における主な改良点は、コーティングをPC板及びPC板上の構成要素の選んだ領域に施し、特定の非コーティング領域にて電気的及び(又は)熱的性質を保持する自動化システムを使用することを通じて実現することができる。これらの選択的なコーティングシステムは、動き且つ、材料をPC板上の設定位置に分与するようプログラム化されたロボットに取り付けたディスペンサを有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
材料を異なる堆積精度の色々なパターンにて分与し、異なる厚さのコーティングを形成するコンフォーマルコーティングディスペンサを有する自動式の選択的なコーティングシステムが既知である。例えば、ディスペンサは、直線状ビード、湾曲し又は円形のパターンにて連続的に回転するビード、及び(又は)霧化したビードの形態にて材料を分与することができる。ビードは、霧化した噴霧よりも全体として厚いコーティングを形成する傾向となる。更に、材料の粘度及び材料/板の表面張力の相互作用に依存して、板に堆積したビードは、コーティングすることを望まない位置まで撒き広がることがある。更に、霧化した噴霧において、霧化を実現するため加圧した空気により材料供給分を噴射することは、しばしば顕著な過剰噴霧を生じさせ、これにより霧化した小滴を標的領域の外に堆積させることになる。
【0004】
これらの現在の分与方法は、一部の適用例において、望ましい最小のコーティングよりも広い面積となり、また、望ましい端縁画成能力以下であることを含んで望ましくないコーティングとなる特徴を有する。幾つかのコンフォーマルコーティングの適用例において、かなり小さい面積又は小さい幾何学的形態部分をコーティングする能力を備えることが望ましい。しかし、この能力は、主として、コーティング材料を施すために使用されるディスペンサの型式、及び多分、より具体的には、ディスペンサが分与する材料に対して提供する制御に依存するであろう。ビード又は霧化した噴霧を分与するもののような、現在のディスペンサにおいて、ビード又は噴霧の又は構成要素における湿った面積すなわち接触面積の寸法を最小にすることのできる程度には限界がある。その結果、現在のディスペンサの最小コーティング面積、すなわち、コンフォーマルコーティング適用のため、かかるディスペンサを使用することが実用的である面積が幾つかの現在の適用例にとって過大となる。このことは、板及び構成要素が益々小型化し、また、かかる板における構成要素の密度が増すに伴い、一層より顕著となる。
【0005】
PC板及び関連する構成要素の極小化は、また、1つの面積のコーティング部分と非コーティング部分との間の端縁の画成をより重要なものにする。既知のディスペンサの場合、コーティングが望まれない板の部分を被覆するためマスキングがしばしば使用される。このことは、特定の面積のコーティングを防止するための時間を消費し且つ、非効率的な方法である。選択的コーティング機械における従来のディスペンサは、マスキングの必要性を軽減するものの、コーティング面積と非コーティング面積との間の端縁の画成の明確さが不十分であることがしばしばである。上述したように、ビードディスペンサを使用するとき、コーティングの端縁の位置を正確に制御することは困難となることがある。温度に依存する粘度及び表面張力の効果は、コーティング材料の相対的に厚い層が拡がる程度を予想することを困難にする。噴霧の適用例において、霧化過程は、流れを小滴の集合体内に分散させる。この過程は、制御し難く、また、しばしば、かなりの数の周辺小滴が標的領域の外に付着する結果となる。このことは、コーティング面積と非コーティング面積との間の端縁をかなり荒い外観にする。
【0006】
このため、PC板のような基板又はその上のデバイスをコンフォーマルコーティングするため材料の堆積の精度及び選択性を不断に改良することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粘性なコンフォーマルコーティング材料を基板上に射出することにより、コンフォオーマルコーティング施工のため非接触式の分与方法を提供するものである。本発明の方法は、分与した材料の湿った面積又は接触面積が最小となり、極めて個別的で且つ選択的なコンフォーマルコーティング能力を提供し得るように分与する材料の制御性を向上させるものである。更に、分与する材料の接触面積を制御する能力が向上することは、マスキングせずに、従前の過程にてコーティング可能な場合よりもより小さい面積及び幾何学的形態部分をコーティングすることを可能にする。本発明の選択可能性が増大することは、はんだ付けマスク、すなわちはんだ継手の反対側のみをコーティングすることを許容し、これにより材料、機械加工時間、労力を著しく節減し、このため、製造コスト及び製品コストを低減することができる。
【0008】
本発明の粘性材料の非接触式の分与方法は、過剰な噴霧を解消し且つ、マスキングを必要とせずに、コーティング面積と非コーティング面積との間にて優れた端縁の画成状態を提供する。過剰噴霧を解消することは、機械の汚れを少なくし、これにより時間及び材料双方の点にて保守コストを削減することとなる。
【0009】
本発明の1つの形態において、基板は、該基板に取り付けられた電気的デバイスを有している。この方法は、射出弁を基板に対して動かすことを必要とする。また、射出弁を動かす間、射出弁が、コンフォーマルコーティング材料の流れをノズルを通して、前方モーメンタム(すなわち前方への運動量)にて、推進するのを繰り返す工程により、コンフォーマルコーティング材料の小滴を基板の表面及びデバイスに付与し、かつ、前方モーメンタムを使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成することを必要とする。
【0010】
本発明の更なる形態において、基板は、該基板上にはんだ接点を有している。この方法は、射出弁を基板に対して動かすことを更に必要とする。また、射出弁を動かす間、射出弁がコンフォーマルコーティング材料の流れをノズルを通して前方へのモーメンタムにて推進するのを繰り返す工程により、コンフォーマルコーティング材料の小滴をはんだ接点に付与し、また、前方モーメンタムを使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成することを更に必要とする。
【0011】
本発明の原理に従い且つ、説明した実施の形態に従い、本発明は、コンフォーマルコーティング材料を基板の表面に非接触式に分与する方法を提供するものである。この方法は、射出弁を支持するポジショナを使用して射出弁を基板に対して動かす。射出弁が動いている間、射出弁がコンフォーマルコーティング材料の流れをノズルを通して前方モーメンタムで推進するのを繰り返す工程により、コンフォーマルコーティング材料の小滴を基板の表面に対し付与し、また、前方モーメンタムを使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成する。
【0012】
本発明の上記及びその他の目的並びに有利な効果は、図面と共に参照したとき、以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、例えば、カリフォルニア州、カールスバッドのアシムテック(Asymtek)から商業的に入手可能な「AXIOM」X−1020シリーズのようなコンピュータ制御の非接触式粘性材料射出システム10の概略図である。小滴発生器12が既知の要領にてX、Yポジショナ14から懸架されたZ軸線駆動装置に取り付けられている。X、Yポジショナ14は、フレーム11に取り付けられ且つ、第一及び第二の非平行な動作軸線を画成する。X、Yポジショナは、1対の独立的に制御可能なスッテパモータ(図示せず)に既知の要領にて連結されたケーブル駆動装置を有している。ビデオカメラ及びLED光リング組立体16はX、Y及びZ軸線に沿って動き、点を検査し、参考基準点を探知すべく小滴発生器12に接続されている。ビデオカメラ及び光リング組立体16は、その開示内容の全体を参考として引用し、本明細書に含めた「加工物表面上方の一定の高さにて粘性材料を分与する装置(APPARATUS FOR DISPENSING VISCOUS MATERIALS A CONSTANT HEIGHT ABOVE A WORKPIECE SURFACE)」という名称の米国特許明細書5,052,338号に記載された型式とすることができる。
【0014】
コンピュータ18は、全体的なシステムの制御を提供し且つ、プログラマブル論理コントローラ(「PLC」)又はその他のマイクロプロセッサ利用のコントローラ、パーソナルコンピュータ又は当業者により理解されるように本明細書に記載した機能を実行することのできるその他の従来の制御装置とすることができる。ユーザはキーボード(図示せず)及びビデオモニタ20を介してコンピュータ18とインタフェースする。コンピュータ18には、基板の製造組立てラインにて利用されるその他の自動型装置の多くの型式のものと適合可能な標準型のRS−232及びSMEMA CIM通信バス50が設けられている。
【0015】
デバイスが取り付けられていてシリコーン、アクリル樹脂又はポリウレタン樹脂のようなコンフォーマルコーティング材料が施される基板(図示せず)は、小滴発生器12の真下に配置されている。基板は、手で装填し又は自動型コンベア22により搬送することができる。コンベア22は従来の設計のものであり、また、異なる寸法のPC板を受容し得るよう調節可能な幅を有している。コンベア22は、空気圧作動のリフト及び係止機構も有している。この実施の形態は、ノズルプライミングステーション24と、ノズル較正設定ステーション26とを更に有している。制御盤28がコンベア22の高さの真下にてフレーム11に取り付けられ、また、設定、較正を行い且つ、粘性材料を装填する間、特定の機能を手動にて開始するための複数の押しボタンを有している。
【0016】
図2を参照すると、例えば、半導体チップ又はダイ等のような電気的構成要素39を支持するPC板のような基板36にコンフォーマルコーティング材料の小滴37を射出する小滴発生器12が示されている。PC板36は、該PC板に取り付けられた構成要素の面を有する設計とされた型式のものである。PC板はコンベア22により所望の位置まで動く。
【0017】
軸駆動装置38は、射出ディスペンサすなわち分注装置40をそれぞれX、Y及びZ軸線77、78、79に沿ってPC板36に対して迅速に動かすことのできるX、Yポジショナ14(図1)と、Z軸駆動システムとをしばしば有している。小滴発生器12は、コンフォーマルコーティング材料の小滴を1つの一定のZ高さから射出することができ、又は小滴発生器12は、作動工程の間、プログラム制御の下、上昇させてその他のZ高さにて分与するか、又は板に取り付けられたその他の構成要素を避けることができる。
【0018】
小滴発生器12は、コンフォーマルコーティング材料のような微量の粘性材料を射出するよう特に設計された非接触式ディスペンサであるオン/オフディスペンサ40を有している。ディスペンサ40は、シリンダ43内に配置されたピストン41を有する射出弁44を備えている。ピストン41は、材料チャンバ47を通って該ピストンから延在する下方ロッド45を有している。下方ロッド45の末端部の下端は、戻りばね46により座部49に対して偏倚されている。ピストン41は、末端部の上端がマイクロメータ55のねじ53の端部の停止面に隣接する位置に配置された、該ピストンから延在する上方ロッド51を更に有している。マイクロメータのねじ53を調節すると、ピストン41のストロークの上方限界点が変化する。ディスペンサ40は、既知の要領にてコンフォーマルコーティング材料35の供給部分と流体的に接続された注射器型供給装置42を有することができる。小滴発生器のコントローラ70は、例えば、加圧された流体源に接続された空気圧ソレノイドのような、電圧対圧力変換器72に出力信号を提供する一方、該空気圧ソレノイドは、加圧された空気を供給装置42に供給する。このように、供給装置42は、加圧されたコンフォーマルコーティング材料をチャンバ47に供給することができる。
【0019】
射出工程は、小滴発生器コントローラ70に対し命令信号を提供するコンピュータ18により開始され、この命令信号によりコントローラ70は、例えば、加圧された流体源に接続された空気圧ソレノイドのような、電圧対圧力変換器76に対し出力パルスを提供する。変換器76のパルス式作動により加圧された空気のパルスがシリンダ43内に供給され、ピストン41の急激な上昇動作生じさせる。ピストンの下方ロッド45を座部49から上昇させると、チャンバ47内のコンフォーマルコーティング材料は、ピストンの下方ロッド45と座部49との間の位置に吸引される。出力パルスの終了時、変換器76は、その当初の状態に復帰し、これによりシリンダ43内の加圧された空気を解放し、戻しばね46は、ピストンの下方ロッド45を急激に座部49に対して下降させて戻す。この過程中、コンフォーマルコーティング材料の小滴37は、ノズル48の開口部又は分与オリフィス49を通って急速に押し出され又は射出される。図2に誇張した形態にて概略図にて示すように、極めて小さいコンフォーマルコーティング材料の小滴37は、それ自体の前方モーメンタムの結果として潰れて、基板36の上にコンフォーマルコーティング材料の点として堆積する。シリンダ43が引き続いて作動することにより、材料37のそれぞれの小滴が提供される。本明細書にて使用するように、「射出」という語は、コンフォーマルコーティング材料の小滴37を形成する上述した過程を意味する。ディスペンサ40は、例えば、100小滴/秒又はそれ以上の極めて高速度にて小滴をノズル48から射出することができる。コンフォーマルコーティング材料の点の線パターンは、ディスペンサ40が迅速に連続的に複数の小滴を射出する間、ポジショナ14がディスペンサ40を直線状に動かすことにより、基板上に形成される。小滴発生器コントローラ70により制御可能なモータ61は、マイクロメータのねじ53に機械的に連結され、これによりピストン41のストロークを自動的に調節することを許容し、このことは、小滴の各々を形成するコンフォーマルコーティング材料の量を変化させることになる。
【0020】
小滴発生器12及び該小滴発生器に接続されたカメラ、光リング組立体16の動きは、動作コントローラ62によって管理される。動作コントローラ62は、X、Y、Z軸線モータに対する個別の駆動回路に対し命令信号を提供する。コンベアコントローラ66は、基板コンベア22に接続されている。コンベアコントローラ66は、動作コントローラ62とコンベア22との間を相互接続し、コンベア22の幅の調節及び上昇/係止機構を制御する。コンベアコントローラ66は、基板36のシステムへの導入及び点の堆積(dot deposition)が完了したときのシステムからの離脱も制御する。一部の適用例において、基板の加熱システム68及び(又は)ノズル加熱/冷却システム56は、既知の仕方にて作用し、基板及び(又は)ノズルを加熱して基板がシステムを通じて移送されるとき、コンフォーマルコーティング材料の点の所望の温度特性を維持する。
【0021】
点の寸法の較正を実現し、分与された小滴37の重量又は寸法を正確に制御し、また、移動する間、すなわち小滴発生器12が基板36に対して動く間、分与されるコンフォーマルコーティング材料の点を正確に配置するため点の位置の較正を実現する較正目的のためノズル設定ステーション26が使用される。更に、現在の材料の分与特性、すなわち小滴が堆積される率及び点のパターンにて分与されるコンフォーマルコーティング材料の所望の全体量の関数として、小滴発生器12の速度を正確に制御する材料容積の較正を実現するため、ノズル設定ステーションが使用される。ノズル設定ステーション26は、静止加工面74と、測定装置52とを備えており、該測定装置は、例えば、スケール52により計量した材料の重量を表現するフィードバック信号をコンピュータ18に提供する重量スケールである。重量スケール52は、コンピュータ18と作用可能に接続されており、該コンピュータは、コンフォーマルコーティング材料の重量と、例えばコンピュータ記憶装置54内に記憶させたコンフォーマルコーティング材料の重量設定値のようなそれ以前に決定された所定の値とを比較することができる。重量スケール24に代えてその他の型式の装置を使用することができ、その他の型式の装置は、例えば、カメラ、LED又は分与された材料の直径、面積及び(又は)容積を測定する光トランジスタを含む、視覚システムのようなその他の点寸法測定装置を有することができる。作動する前、流体流路内の気泡を除去する設計とされた既知の使い捨て型であることがしばしばであるノズル組立体が取り付けられる。かかる分与システムは、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、2003年5月23日付けて出願された、「粘性材料の非接触式分与システム(Viscous Material Noncontact Dispensing System)」という名称の係属中の仮特許出願明細書60/473,1616号により詳細に記載されている。
【0022】
作動時、コンピュータ18は、ユーザの仕様又は構成要素のライブラリに基づいてディスク又はコンピュータ統合生産(「CIM」)コントローラからのCADデータを利用して点の寸法を特定の構成要素に自動的に割り当てる。次に、コンピュータ18は、動作コントローラ62に命令して小滴発生器12を動かす。このことは、微細な点のコンフォーマルコーティング材料が所望の位置にて基板36に正確に配置されることを保証する。CADデータが利用できない適用例において、コンピュータ18が利用するソフトウェアは、点の位置を直接プログラム化することを許容する。既知の要領にて、コンピュータ18は、X及びY位置、構成要素の型式及び構成要素の向きを利用して基板36の上面80にコンフォーマルコーティング材料の点を堆積すべき箇所及びその量を決定する。
【0023】
図3を参照すると、選択的なコンフォーマルコーティングのため電気的デバイス39aないし39dが取り付けられたPC板36が示されている。コンピュータ18は、コンピュータ18により決定された板/デバイスの形態に基づいて動作コントローラ62に信号を送る。動作コントローラ62は、X、Yポジショナ14に信号を送り、射出ディスペンサ40をX方向77のような第一の動作軸線に対し平行な経路に沿って動かす。ディスペンサ40が動いている間、小滴発生器コントローラ70は、射出弁44を作動させてコンフォーマルコーティング材料の小滴37を直線状パターンにて、例えば、デバイス39bのようなデバイスの1つに射出する。コンフォーマルコーティングを第一の経路に沿って射出した後、動作コントローラ62は、ディスペンサ40をY方向78のような第二の動作軸線内で漸増させ、次に、Y軸線に沿って戻り動作を開始させる。これと同時に、動作コントローラ62は、射出弁を作動させ、第一の直線状パターンに隣接し且つ、該第一の直線状パターンと連続するコンフォーマルコーティング材料の第二の直線状パターンを施す。次に、このコンフォーマルコーティング材料の直線状パターンを施す過程を繰り返してデバイス39bの上方に沿ってコーティング面積100を提供する。上記の過程を更に繰り返して基板36の残りのデバイス39a、39c、39dに対しコンフォーマルコーティングを射出する。
【0024】
軸駆動装置38は、X、Y、Z駆動装置をしばしば有するが、理解し得るように、別の実施の形態において、ディスペンサ40は、C軸線96内にて回動可能であるように、すなわち、Z軸線79の回りにて回転可能なZ軸線ポジショナに取り付けることができる。更なる実施の形態において、射出ディスペンサは、A軸線の回りにて回動可能に、すなわちX軸線77の回りにて回転可能に、又は、B軸線の回りにて回動可能に、すなわちY軸線78の回りにて回転可能であるように取り付けることができる。このように、射出ディスペンサは、手動で角度を設定することができる。これと代替的に、その他の実施の形態において、電気モータ又は流体モータを使用して1つ又はより多数の回転角度を作動させることができる。更に、電気モータ及び流体モータは、コンピュータ16又は動作コントローラ26のプログラム制御の下に置くことができる。プログラム化可能な角度動作軸線を有する分与システムの例は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許明細書6,447,847号及び米国特許明細書5,141,165号に示され且つ記載されている。
【0025】
コンフォーマルコーティング材料を基板に射出することは、既存のコンフォーマルコーティング方法に優る幾つかの有利な効果をもたらす。1つの有利な効果は、例えば、射出は噴出する小滴の容積を正確に制御することを通じて小さい湿った面積を提供する点である。コンフォーマルコーティング点の小さい湿った面積は、小さい面積を正確にコーティングし、これによりコンフォーマルコーティングシステムの選択可能性を向上させることを許容する。過剰噴霧せずに基板にコンフォーマルコーティングを正確に配置し且つ選択的に配置することにより、コーティング面積と非コーティング面積との間の端縁の画成が向上する。更に、過剰噴霧を解消することにより、基板の所望の面積のみがコーティングされ、望ましくない機械の汚れは実質的に減少する。このため、マスキングの必要性は実質的に解消され、これにより、製造コスト及びメンテナンスコストを削減することになる。更に、コンフォーマルコーティング材料を射出することは、はんだマスクの反対側すなわちはんだ継手のみをコーティングすることを許容する。正味結果は、使用されるコンフォーマルコーティング材料を実質的に節約し、これにより更なるコストの節約効果をもたらすことである。
【0026】
本発明は1つの実施の形態の説明により示し、また、この実施の形態をかなり詳細に説明したが、これは、特許請求の範囲をかかる詳細にのみ制限し又は何らかの意味にて限定することを意図するものではない。当該技術分野の当業者には、更なる有利な効果及び形態変更例が容易に明らかであろう。例えば、説明した実施の形態にて、単一のディスペンサ40のみが示されているが、理解し得るように、その他の実施の形態において、1つ又はより多数のポジショナにて多数のディスペンサを使用して共通の又は異なるコンフォーマルコーティング材料を順次に又は同時に射出することができる。
【0027】
このため、本発明は、そのより広い形態において、図示し且つ説明した特定の詳細にのみ限定されるものではない。従って、当該出願人の特許請求の範囲又は精神から逸脱せずに、かかる詳細からの変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の原理に従ってコンフォーマル材料を射出する、コンピュータ制御、非接触式の粘性材料の射出システムを示す概略図である。
【図2】図1のコンピュータ制御、非接触式の粘性材料の射出システムを示す概略ブロック図である。
【図3】PC板に取り付けられた構成要素に対する選択的なコンフォーマルコーティングを示す、PC板の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンフォーマルコーティング材料を基板の表面に非接触式に分与する方法において、
ノズルを有する射出弁を支持し且つ、射出弁を動かすよう作動可能であるポジショナを提供するステップと、
射出弁を基板に対して動かすステップと、
射出弁を動かす間、次のステップ、すなわち、
射出弁によりコンフォーマルコーティング材料の流れを前方への運動量にてノズルを通じて推進させるステップと、
前方への運動量を使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成するステップとを繰り返すことにより、
コンフォーマルコーティング材料の小滴を基板の表面に付与するステップとを備える、方法。
【請求項2】
基板が該基板に取り付けられた電気的デバイスを有する、請求項1に記載の方法において、
射出弁を基板に対して動かすステップと、
射出弁を動かす間、次のステップ、すなわち、
射出弁によりコンフォーマルコーティング材料の流れを前方への運動量にてノズルを通じて推進させるステップと、
前方への運動量を使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成するステップとを繰り返すことにより、
コンフォーマルコーティング材料の小滴を基板の表面及びデバイスに付与するステップとを備える、方法。
【請求項3】
コンフォーマルコーティング材料を基板の表面のはんだ接点に非接触式に分与する方法において、
ノズルを有する射出弁を支持し且つ、射出弁を少なくとも2つの動作軸線内にて動かすよう作動可能であるポジショナを提供するステップと、
射出弁を基板に対して動かすステップと、
射出弁を動かす間、次のステップ、すなわち、
射出弁によりコンフォーマルコーティング材料の流れを前方への運動量にてノズルを通じて推進させるステップと、
前方への運動量を使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成するステップとを繰り返すことにより、
コンフォーマルコーティング材料の小滴をはんだ接点に付与するステップとを備える、方法。
【請求項4】
コンフォーマルコーティング材料を表面に施す方法において、
ノズルを有する射出弁を支持し且つ、射出弁をX、Y、Z動作軸線に沿って動かすよう作動可能であるポジショナを提供するステップと、
射出弁をX、Y動作軸線の一方に沿って動かすステップと、
射出弁を動かす間、次のステップ、すなわち、
射出弁によりコンフォーマルコーティング材料の流れを前方への運動量にてノズルを通じて推進させるステップと、
前方への運動量を使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成するステップと、
前記コンフォーマルコーティング材料の前記小滴を基板の表面に付与するステップとを繰り返すことにより、
コンフォーマルコーティング材料の小滴を表面上に第一の直線状パターンにて形成するステップとを備える、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、射出弁をX、Y、Z動作軸線の1つの回りにて第一の動作角度軸線内で動かすステップを更に備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、射出弁をX、Y、Z動作軸線の別の軸線の回りにて第二の動作角度軸線内で動かすステップを更に備える、方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法において、
(a)射出弁をX、Y動作軸線の他方に沿って漸増量だけ動かすステップと、
(b)射出弁をX、Y動作軸線の一方に沿って動かすステップと、
(c)射出弁を動かす間、次のステップ、すなわち、
射出弁によりコンフォーマルコーティング材料の流れを前方への運動量にてノズルを通じて推進させるステップと、
前方への運動量を使用してコンフォーマルコーティング材料の流れを停止させ、コンフォーマルコーティング材料の小滴を形成するステップと、
前記コンフォーマルコーティング材料の前記小滴を基板の表面に付与するステップとを繰り返すことにより、
コンフォーマルコーティング材料の小滴を基板上に第一の直線状パターンと隣接する第二の直線状パターンにて形成するステップとを備える、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、ステップ(a)ないしステップ(c)を繰り返すことにより、表面の面積をコーティングするステップを更に備える、方法。
【請求項9】
請求項4に記載の方法において、コンフォーマルコーティング材料の小滴を付与するステップは5ナノリットルの最大容積を有する、方法。
【請求項10】
請求項4に記載の方法において、コンフォーマルコーティング材料の流れを前方への運動量にてノズルを通じて推進させるステップと、コンフォーマルコーティング材料の流れを停止させるステップと、約100小滴/秒の率にて施してコンフォーマルコーティング材料の第一の直線状パターンを基板に連続的に施すステップとを繰り返す工程を更に備える、方法。
【請求項11】
請求項4に記載の方法において、基板の約200平方μmの最大面積をコーティングするため小滴を付与するステップを更に備える、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−524506(P2007−524506A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538060(P2006−538060)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/033992
【国際公開番号】WO2005/046298
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】