非接触通信装置
【課題】非接触通信装置において、当該装置の機能を妨げることなく開封を確実に検知することができる構成を提供する。
【解決手段】非接触通信装置1は、第1ケース2及び第2ケース3からなる筐体4内に回路基板10を備える。そして、第1ケース2に取り付けられる第1金属板5と、第2ケース3において第1金属板5と対向するように取り付けられる第2金属板6とを備えたコンデンサCの電気特性の変化に基づいて、検知部により筐体4の開封を検知する。
【解決手段】非接触通信装置1は、第1ケース2及び第2ケース3からなる筐体4内に回路基板10を備える。そして、第1ケース2に取り付けられる第1金属板5と、第2ケース3において第1金属板5と対向するように取り付けられる第2金属板6とを備えたコンデンサCの電気特性の変化に基づいて、検知部により筐体4の開封を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、利便性等の面から従来の接触式の磁気カードに代わり非接触式のICカードなどの非接触通信媒体が広く普及しており、それに伴い非接触通信装置が用いられている。非接触通信装置では、例えばユーザ情報や商品情報などの機密情報が取り扱われることが多いため、セキュリティ性を確保するために、不正に開封等されたことを検知する検知手段が設けられることがある。このような、セキュリティ性を必要とする装置の不正開封等を検知する技術として、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に示すものが知られている。
【0003】
特許文献1には、上蓋(4)と下蓋(3)とからなる筐体(5)の内部に制御回路が収容されており、筐体(5)外部側面の一端部に、筐体(5)の開封の有無を報知する報知手段を備えた封印装置(10)が設けられた構成が記載されている。そして、この封印装置(10)は、外部電源により充電される電気二重層コンデンサからなる内部電源、外部上蓋(8)と外部下蓋(10)との開閉を検知する検出素子(22)及び該検出素子(22)が開を検出した時に内部電源により充電される記憶用コンデンサを有し、外部電源が与えられた時に該記憶用コンデンサの電位を判定し、該判定に基づいて前記筐体の開封の有無を報知している。
【0004】
また、特許文献2には、電子回路を収納する上下の両ケース(10),(12)の内面にそれぞれ信号線(24),(26)を張り巡らして構成されるセキュリティ装置が記載されている。そして、両ケース(10),(12)に対して、穴あけ・破壊・分解工作が行われたときには信号線(24),(26)が断線状態になり、当該不正行為を検出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3102688号公報
【特許文献2】特開平6−12589公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、当該筐体の開封等を検知する封印装置(10)が筐体(5)外部の一端部に設けられているため、外部から容易に封印装置(10)の場所が確認されてしまい、封印装置(10)が設けられていない場所(即ち、封印装置(10)が感知しない部分)から筐体を切断されて、内部の制御回路等を解析される虞があった。また、封印装置(10)の数を増やすことも考えられるが、それに伴いコストが増大するといった問題があった。
【0007】
一方、上記特許文献2の構成では、不正開封等をケース全体で検知できる構成であるが、この構成を非接触通信装置に適用すると、ケースに張り巡らされた信号線(24),(26)により、非接触通信媒体との間で行われる電磁波による通信が妨害される虞があった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、非接触通信装置において、当該装置の機能を妨げることなく開封を確実に検知することができる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、を備えた非接触通信装置であって、前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第2ケースにおいて前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とを備えたコンデンサと、前記コンデンサの電気特性の変化に基づいて前記筐体の異常を検知する異常検知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、を備えた非接触通信装置であって、前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板と、前記第2ケースにおいて前記第2金属板と対向するように取り付けられる第3金属板とを備え、前記第1金属板と前記第2金属板とによって第1コンデンサが構成され、前記第2金属板と前記第3金属板とによって第2コンデンサが構成された検知部と、前記第1コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第1の異常状態を検知し、前記第2コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第2の異常状態を検知する異常検知手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板及び前記第3金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記第2ケースにおいて前記第2金属板が設けられる側とは反対側に前記電磁波を放射するアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記記憶手段は、前記回路基板に実装されると共に、前記非接触通信手段と前記非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶する構成をなしており、更に、前記異常検知手段により前記筐体の異常が検出された場合に前記記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部を消去する消去手段が設けられていること特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明に係る非接触通信装置では、第1ケースに取り付けられる第1金属板と、第2ケースにおいて第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とを備えたコンデンサの電気特性の変化に基づいて、異常検知手段により筐体の異常を検知している。
この構成によれば、2枚の金属板が互いに離されたり(コンデンサの電極間距離が広がったり)、穴が開けられたり(コンデンサの極板面積が減少したり)すると、コンデンサの容量が変化する。このコンデンサの容量変化を異常検知手段により検知することで、当該装置の開封をより確実に検知することができる。また、開封の検知を板状の金属板で行っているので、異常検知手段の数をそれほど増やすことなく、検出エリアを広く確保することができる(金属板の面積(極板面積)を大きくすることで検出エリアを広く取ることができる)。さらに、2枚の金属板によって開封検知が可能となるため、筐体全体に金属部材を張り巡らせる構成と比較すると、非接触通信の媒介となる電磁波が遮断されにくく、非接触通信が良好に行われやすくなる。
【0022】
請求項2の発明では、第1金属板及び第2金属板は、回路基板の一方面側を覆うように配置されている。この構成により、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側への不正なアクセスをより確実に検知することができる。例えば、高いセキュリティ性を必要とする部品等が一方面側に実装されている場合などにおいては、このような部品に対してより高いセキュリティ性を確保することができる。
【0023】
請求項3の発明では、第1金属板及び第2金属板は、回路基板における非接触通信手段及び記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されている。この構成により、重要な情報を扱う非接触通信手段や重要な情報を記憶する記憶手段の少なくともいずれかに対する不正なアクセスをより確実に検知することができ、非接触通信で扱われる情報に対するセキュリティ性をより強化することができる。
【0024】
請求項4の発明では、第1金属板及び第2金属板は、回路基板と同一の広さで構成、又は回路基板よりも広く構成されている。この構成により、回路基板の一方面側の領域をほぼ網羅するように異常検知手段の検出エリアが構成されるので、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側へ不正なアクセスがなされることを一層確実に検知することができる。
【0025】
請求項5の発明では、第1金属板が、第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、第2金属板が、第1金属板と略同一の大きさで構成されている。この構成により、第1ケース側からの開封を確実に検知することができる。
【0026】
請求項6の発明に係る非接触通信装置では、第1ケースに取り付けられる第1金属板と、第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とによって第1コンデンサが構成されている。また、第2金属板と、第2ケースにおいて第2金属板と対向するように取り付けられる第3金属板とによって第2コンデンサが構成されている。そして、異常検知手段は、第1コンデンサの電気特性の変化に応じて筐体の第1の異常状態を検知し、第2コンデンサの電気特性の変化に応じて筐体の第2の異常状態を検知している。
この構成により、第1コンデンサ及び第2コンデンサの内、第1コンデンサのみに異常が発生する場合(第1の異常状態)と、第2コンデンサに異常が発生する場合(第2の異常状態)とに区別することができる。従って、異常状態を詳細に把握した上で適切な対応をとりやすくなる。
【0027】
請求項7の発明では、第1金属板、第2金属板、及び第3金属板は、回路基板の一方面側を覆うように配置されている。この構成により、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側に対してなされる不正アクセスをより確実に検知することができる。例えば、高いセキュリティ性を必要とする部品等が一方面側に実装されている場合には、より高いセキュリティ性を確保することができる。
【0028】
請求項8の発明では、第1金属板、第2金属板、及び第3金属板は、回路基板における非接触通信手段及び記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されている。この構成により、重要な情報を扱う非接触通信手段や重要な情報が記憶される記憶手段の少なくともいずれかに対する不正なアクセスをより確実に検知することができ、非接触通信で扱われる情報に対するセキュリティ性をより強化することができる。
【0029】
請求項9の発明では、第1金属板、第2金属板、及び第3金属板は、回路基板と同一の広さで構成、又は回路基板よりも広く構成されている。この構成により、回路基板の一方面側の領域をほぼ網羅する状態で異常検知手段の検出エリアを構成することができるため、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側へなされる不正なアクセスを一層確実に検知することができる。
【0030】
請求項10の発明では、第1金属板が、第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、第2金属板及び第3金属板が、第1金属板と略同一の大きさで構成されている。この構成によれば、第1コンデンサ及び第2コンデンサがいずれも第1ケースの内壁面の略全体を網羅する構成で配置されるため、第1ケース側からの不正アクセス(例えば、第1ケースの開封や第1ケース側からの孔開け等)がなされたときに検出漏れがより生じにくくなる。
【0031】
請求項11の発明では、第2ケースにおいて第2金属板が設けられる側とは反対側に電磁波を放射するアンテナが配置されている。この構成によれば、開封を検知するために用いられる金属板によって、アンテナと非接触通信媒体との間で行われる電磁波による通信が妨害されにくくなる。従って、筐体の開封検知を確実に行いつつ、非接触通信も良好に行うことができる。
【0032】
請求項12の発明では、記憶手段は、回路基板に実装されると共に、非接触通信手段と非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶するように構成されている。そして、異常検知手段により筐体の異常が検出された場合に、記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部を消去手段により消去するようにしている。この構成により、筐体が不正に開封されたとしても、記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部(例えば、ユーザ情報や商品情報などの機密情報)の漏洩を防止でき、当該装置のセキュリティ性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、第1実施形態に係る非接触通信装置の構成を概念的に例示する概念図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る非接触通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、図1等に示す非接触通信装置を携帯端末に適用した具体例を概略的に例示する平面図であり、図3(B)は、図3(A)の携帯端末の左側面図である。
【図4】図4は、図3の携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図3の携帯端末における決済処理の流れを説明する図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と電極間距離との関係をシミュレーションした結果を示した図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。
【図10】図10は、第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と穴の直径との関係をシミュレーションした結果を示した図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る非接触通信装置の構成概要を示す説明図である。
【図12】図12は、第2実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。
【図14】図14は、第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第1実施形態]
本発明の非接触通信装置は、例えば、決済機能を備えた決済ユニットとして構成され、携帯端末や自動販売機等に組み込んで使用することができる。以下では、まず、非接触通信装置1の構成を概説することとし、次いで、非接触通信装置1を携帯端末に適用した具体例について説明する。
【0035】
(非接触通信装置の全体構成)
まず、非接触通信装置1の全体構成について、図1、図2を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る非接触通信装置の構成を概念的に例示する概念図である。図2は、第1実施形態に係る非接触通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施形態の非接触通信装置1は、例えば樹脂材料などからなる第1ケース2及び第2ケース3からなる筐体4内に、電磁波を媒介として非接触通信媒体(例えばICカード)と非接触通信を行うアンテナ部14(図2参照)が電気的に接続された回路基板10を収容して構成されている。第1ケース2は、回路基板10を収容する筐体4の厚さ方向一方側を構成するものであり、例えば平板状に形成されていてもよく、箱状に構成されていてもよい。第2ケース3は、回路基板10を収容する筐体の厚さ方向他方側を構成するものであり、箱状に形成されていてもよく、逆に平板状に構成されていてもよい。図1の例では、第1ケース2は、第2ケース3に組み付けられた際に、第2ケース3の開口を覆う蓋として機能している。回路基板10は、これら第1ケース2及び第2ケース3によって構成される筐体4内の空間に収容されており、電子部品の実装面側が第1ケース2の上壁面(筐体4の厚さ方向一方側の壁面)へ向く態様で配置されている。
【0037】
そして、図1に示すように、第1ケース2の内面部2aには、コンデンサCの一部を構成する第1金属板5が接着剤や接着テープ、ネジ等の固定部材によって取り付けられている。この第1金属板5は、第1ケース2の内面部2aの略全体に亘る大きさで構成されている。第1金属板5には、例えば、アルミニウムなどの金属板を所定の大きさに切断加工したものや、樹脂材料等からなる板材の表面に電気メッキや電解メッキなどの湿式メッキやスパッタリングや真空蒸着など乾式メッキなどの方法を用いて金属層を形成して構成されたものを用いることができる。
【0038】
第2ケース3には、図1に示すように、回路基板10の実装面側(一方面側)を覆うように、第2金属板6が配置されている。また、第2金属板6は、第1ケース2と第2ケース3とが組み付けられた状態で、第1金属板5と対向するように(より詳しくは、第1金属板5と所定距離を隔てて略平行となるように)配置されている。そして、この第2金屋板6は、第1金属板5と共にコンデンサCを構成しており、このコンデンサCは、図1のような閉塞時に所定容量Qで構成されるようになっている。第2金属板6は、第2ケース3若しくは回路基板10に、ネジ等の固定部材によって取り付けられている。そして、第2金属板6は、第1金属板5と略同一の大きさで構成されている(すなわち、コンデンサCを形成する第1金属板5と第2金属板6の極板面積は互いに略同一の大きさで構成されている)。さらに、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10全体を網羅する構成で当該回路基板10全体を覆うように、回路基板10と同一の広さ又は回路基板10よりも広く構成されている。第2金属板6は、第1金属板5と同様に、アルミニウムなどの金属板を所定の大きさに切断加工したものや、樹脂材料等からなる板材の表面に金属層を形成して構成されたものを用いることができる。なお、第2金属板6には、第1金属板5と同じ構成のものを用いてもよく、異なる構成のものを用いてもよい。
【0039】
回路基板10は、図2に示すように、非接触式のICカード(非接触通信媒体)との間で行われる非接触通信に関する制御等を行う制御部11と、制御部11の制御に応じて非接触通信媒体と非接触通信を行う通信回路15と、非接触通信に応じて生成された情報などを記憶するメモリ12と、第1金属板5と第2金属板6とにより構成されたコンデンサCの電気特性の変化を検出する検知部13とを実装して構成されている。なお、図2の例では、制御部11、通信回路15、検知部13、メモリ12を単一の回路基板10に実装した例を示しているが、回路基板10は複数存在してもよい。例えば、これら複数の回路基板に制御部11、通信回路15、検知部13、メモリ12等が実装され、これら複数の回路基板が上記コンデンサCによって覆われていてもよい。
【0040】
制御部11は、マイコンを主体として構成されるものであり、通信回路15、検知部13、メモリ12等に接続されている。この制御部11は、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、非接触通信装置1全体の制御を行っている。また、制御部11は、検知部13からの信号に基づき、メモリ12内に記憶される情報の少なくとも一部を消去するように構成されている。
【0041】
通信回路15は、アンテナ部14及び制御部11と協働して非接触通信媒体(ICカード等)との間で電磁波による通信を行い、非接触通信媒体に記憶されるデータの読み取り、或いは非接触通信媒体へのデータの書き込みを行うように機能している。この通信回路15は、例えば、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、送信回路、受信回路、整合回路などを有している。
【0042】
送信回路は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10に接続されており、当該制御部11より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路を介してアンテナ部14に出力している。このようにしてアンテナ部14に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ部14より外部に放射される。なお、アンテナ部14は、電磁波を送受信可能な公知のアンテナであればよく、例えば導体をループ状にして形成されたループアンテナやパッチアンテナなどによって構成されている。
【0043】
一方、アンテナ部14によって受信された電波信号は、整合回路を介して受信回路に入力される。この受信回路は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ部14を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部11に出力している
【0044】
メモリ12は、ROM,RAM、不揮発性メモリ等の半導体メモリなどによって構成されており、非接触通信媒体との非接触通信で扱われる決済情報等(例えば、ユーザ情報や商品情報など)を記憶可能に構成されている。
【0045】
検知部13は、上述のコンデンサCを含んだ発振回路として構成されるものであり、後述の図6に示すように、コンデンサCと、インバータInと、抵抗Rとを有し、コンデンサCの容量と抵抗Rとに定まる発信周波数の変化に基づいて、筐体4の開封を検知するように構成されている。なお、筐体4の開封検知については後に詳述する。
【0046】
なお、本実施形態では、制御部11が「消去手段」の一例に相当する。また、メモリ12が「記憶手段」の一例に相当する。また、通信回路15が「非接触通信手段」の一例に相当する。また、検知部13が、「異常検知手段」の一例に相当する。
【0047】
本実施形態に係る非接触通信装置1は、基本的には、以上のような構成をなしている。この非接触通信装置1は、具体的には図3、図4等のような携帯端末30として構成されていてもよく、店舗などに配置される据置型の決済端末や、自動販売機などに設置される決済端末などとして構成されていてもよい。以下では、非接触通信装置1が携帯端末30として構成される例を代表例として説明する。
【0048】
(携帯端末の全体構成)
以下、本発明の非接触通信装置1を携帯端末30に適用した例を図3〜図5等を用いて説明する。
図3(A)は、第1実施形態に係る非接触通信装置を携帯端末に適用した具体例を概略的に例示する平面図であり、図3(B)は、図3(A)の携帯端末の左側面図である。図4は、図3の携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【0049】
携帯端末30は、決済機能を備えた決済端末として構成されており、例えば、図3(A)、(B)のような外観をなし、様々な場所へ携帯して使用されるようになっている。この携帯端末30は、上述の筐体4として機能する長手状のケース32によって外郭が構成されている。ケース32は、各種部品(各種電気部品等)を収容するものであり、本実施形態では、上述の第1ケース2として機能する下ケース32bと上述の第2ケース3として機能する上ケース32aとによって構成され、これらが結合した箱状形態をなしている。
【0050】
携帯端末30の上面側にはLED表示部や所定の配列でそれぞれ配置された数字キーや機能キー等の入力キーを複数有するキー操作部33が設けられている。さらに、携帯端末30の上面側には、各種情報を表示する表示部31が設けられている。また、表示部31の付近(例えば表示部31の周囲)には、電磁波を放射する上述のアンテナ部14が設けられており、ICカード等の非接触通信媒体に対する電磁波の放射や非接触通信媒体からの電磁波の受信を行うように構成されている。
【0051】
アンテナ部14は、上ケース32a(第2ケース3)において前記コンデンサCから離れた位置に配置されている。なお、図3(B)では、携帯端末30の厚さ方向(上下方向)をZ方向とし、携帯端末30の長手方向(前後方向)をX方向として示しており、アンテナ部14は携帯端末30の上方側(+Z側)に配置されている。また、コンデンサCは、厚さ方向(上下方向)の中央部付近或いは下方側(−Z側)に配置されている。より具体的には、例えば、アンテナ14が表示部31の表示面31aと平行な面上に配置されており、表示部31付近にICカード等の非接触通信媒体が翳されたときにアンテナ14と非接触通信媒体との間で電磁波の送受信が行われるようになっている。
【0052】
次に、携帯端末30の電気的構成について説明する。
図4に示すように、携帯端末30のケース32内には、携帯端末30全体を制御する制御部40が設けられている。この制御部40は、上述の制御部11に相当するものであり、例えばマイコンを主体として構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ41とともに情報処理装置を構成している。また、制御部40には、上述の通信回路15、表示部31、メモリ12、検知部13に加え、トリガスイッチ42、キー操作部33、外部インタフェース43などが接続されている。なお、通信回路15、メモリ12、検知部13の構成、機能については、図1、図2を参照して上述した通りである。
【0053】
トリガスイッチ42やキー操作部33は、制御部40に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部40は、これらからの操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行うようになっている。また、表示部31は、制御部40によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部40からの指令を受けて動作する構成をなしている。外部インタフェース43は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部40と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、ケース32内には、電源となるバッテリ45や電源部46が設けられており、これらによって制御部40や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0054】
次に、上述のように構成される携帯端末30において、実施される決済処理について、図5を用いて説明する。
図5は、図3の携帯端末における決済処理の流れを説明する図である。図6は、第1実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。図7は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。図8は、第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と電極間距離との関係をシミュレーションした結果を示した図である。図9は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。図10は、本第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と穴の直径との関係をシミュレーションした結果を示した図である。
【0055】
以下では、プリペイド機能付きのICカードを読み取る場合を例に挙げて説明する。図5は、制御部40とICカードとの間で行われる処理の流れをブロックで示しており、制御部40では、S1、S2、S5、S6の流れで処理が行われる。また、ICカード側では、S3、S4の処理が行われる。
【0056】
ステップS1の処理は、所定の開始条件の成立(例えば、管理者による所定操作や読み取りなどのトリガ発生等)に伴って制御部40で実行される。例えば、管理者等がキー操作部33により商品等の金額を入力したり、或いは、携帯端末30に設けられた図示しないコード読取部等によってバーコード等が読み取られたときに売上げ金額情報が入力され、制御部40に与えられる。更に、制御部40では、ICカードに対し、チャージされた金額からステップS1で入力された売上げ金額を減算する指示を与える(ステップS2)。具体的には例えば、ICカードに対して、減算指示のコマンドと共にS1で得られた売上げ金額を送信する。
【0057】
一方、ICカード側では、正規の認証相手から減算指示のコマンドを受け取ったとき、対応して送信されてきた売上げ金額をチャージされた金額から減算する処理を行う(ステップS3)。そして、ステップS3での処理結果を携帯端末30に対して通知する(ステップS4)。例えば、正常に終了した場合には、その旨のコマンドと、減算後の残金情報を携帯端末30に送信する。逆に、正常に終了しなかった場合(例えば、残金不足等の場合)には、その旨を携帯端末30に通知する。制御部40は、ステップS4での通知を取得したときに、この通知に基づいて売上げ処理の結果を表示部31に表示する処理を行い(ステップS5)、その後、図示しないプリンタからレシートを発行する(ステップS6)。
【0058】
なお、ICカードとの非接触通信で扱われる情報(例えば、カード固有情報(ユーザID、カードID、暗証番号等)、金額情報(購入金額情報、カード残金情報等)、商品情報等)は、制御部40によって適宜メモリ12に記憶されるようになっている。
【0059】
また、上記の例では、プリペイド方式のICカードを例に挙げて説明したが、ポストペイ方式のICカードの決済処理を行う構成であってもよく、クレジットカードといった他のICカードの決済処理を行う構成であってもよい。
【0060】
次に、本発明の非接触通信装置1にて、不正に開封等された場合に実施される開封検知動作について説明する。
図6に示すように、検知部13は、コンデンサCと、抵抗Rと、インバータInによって構成される発振回路からなり、発振される発信周波数Fを、周波数カウンタなどを用いて検知するように構成されている。ここで、発信周波数Fは、コンデンサCの容量(説明の便宜上「C」で表す)と、抵抗Rの抵抗値(説明の便宜上「R」で表す)の積に反比例し、F≒1/RCの関係を有している。また、コンデンサCの容量は、一般的に、極板面積S及び誘電体の誘電率εに比例し、電極間距離dに反比例し、C≒εS/dの関係を有している。すなわち、図7に示すように、第1ケース2と第2ケース3とが離されて第1金属板5と第2金属板6との距離(電極間距離d)が大きくなると、F≒1/RCの関係から発信周波数Fも大きくなる。検知部13においてこの発信周波数Fを常時(若しくは間欠的に)監視し、例えば発信周波数Fが所定の閾値を超えた場合に、筐体4の蓋が開けられたと判断することができる。
【0061】
また、図9に示すように、第1金属板5及び第2金属板6に穴が開けられて極板面積Sが小さくなると、F≒1/RCの関係から発信周波数Fも大きくなる。検知部13においてこの発信周波数Fを常時(若しくは間欠的に)監視し、例えば発信周波数Fが所定の閾値を超えた場合に、筐体4に穴が開けられたと判断することもできる。
【0062】
そして、検知部13において、筐体4の開封を検知すると、制御部11へ通知する。そして、制御部11は、検知部13からの開封信号に基づき、メモリ12内に記憶される情報(決済情報等)の少なくとも一部を消去する。このように、筐体4の開封が検知されると少なくとも一部の情報が自動的に消去されるため、セキュリティ性を確保することができる。
【0063】
図8は、第1金属板5及び第2金属板6の極板面積Sを16cm2(40mm×40mm)、誘電率εを8.9×10−12(空気の誘電率≒真空の誘電率)、抵抗値Rを1MΩ、第2ケース3が第1ケース2により密封された状態(筐体4が開封されていない状態)での第1金属板5と第2金属板6との距離d(電極間距離d)を5mmとしたときの発信周波数Fと電極間距離dとの関係をシミュレーションした結果を示した図である。例えば、670KHz以上の発信周波数Fが検知された場合に筐体4の蓋開けを検知するように設定すれば、指が入らない程度の隙間(15mm程度)が開けられると即座にこれを検知することができる。
【0064】
また、図10は、第1金属板5及び第2金属板6の極板面積Sを25cm2(50mm×50mm)、誘電率εを8.9×10−12(空気の誘電率≒真空の誘電率)、抵抗値Rを1MΩ、第2ケース3が第1ケース2により密封された状態(筐体4が開封されていない状態)での第1金属板5と第2金属板6との距離d(電極間距離d)を5mmとしたときの発信周波数Fと穴の直径との関係をシミュレーションした結果を示した図である。例えば、233KHz以上の発信周波数Fが検知された場合に筐体4の穴開けを検知するように設定すれば、回路基板10の解析に用いられるオシロスコープ等のプローブが入らない程度の穴が開けられると、即座にこれを検知することができる。
【0065】
以上説明したように、本第1実施形態に係る非接触通信装置1では、第1ケース2に取り付けられる第1金属板5と、第2ケース3において第1金属板5と対向するように取り付けられる第2金属板6とを備えたコンデンサCの電気特性の変化に基づいて、検知部13により筐体4の異常を検知している。
この構成によれば、2枚の金属板が互いに離されたり(コンデンサの電極間距離が広がったり)、穴が開けられたり(コンデンサの極板面積が減少したり)すると、コンデンサCの容量が変化する。このコンデンサCの容量変化を検知部13により検知することで、当該装置の開封をより確実に検知することができる。また、開封の検知を板状の金属板で行っているので、検知部13の数をそれほど増やすことなく、検出エリアを広く確保することができる(金属板の面積(極板面積)を大きくすることで検出エリアを広く取ることができる)。さらに、2枚の金属板によって開封検知が可能となるため、筐体全体に金属部材を張り巡らせる構成と比較すると、非接触通信の媒介となる電磁波が遮断されにくく、非接触通信が良好に行われやすくなる。
【0066】
また、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10の一方面側を覆うように配置されている。この構成により、非接触通信装置1の外部から回路基板10の一方面側への不正なアクセスをより確実に検知することができる。例えば、高いセキュリティ性を必要とする部品等が一方面側に実装されている場合などにおいては、このような部品に対してより高いセキュリティ性を確保することができる。
【0067】
また、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10における非接触通信手段(アンテナ部14及び通信回路15)及びメモリ12の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されている。この構成により、重要な情報を扱う非接触通信手段や重要な情報を記憶するメモリ12の少なくともいずれかに対する不正なアクセスをより確実に検知することができ、非接触通信で扱われる情報に対するセキュリティ性をより強化することができる。
【0068】
また、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10と同一の広さで構成、又は回路基板10よりも広く構成されている。この構成により、回路基板の10一方面側の領域をほぼ網羅するように検知部13の検出エリアが構成されるので、非接触通信装置1の外部から回路基板10の一方面側へ不正なアクセスがなされることを一層確実に検知することができる。
【0069】
また、第1金属板5が、第1ケース2の内面部2aの略全体に亘る大きさで構成され、第2金属板6が、第1金属板5と略同一の大きさで構成されている。この構成により、第1ケース2側からの開封を確実に検知することができる。
【0070】
また、第2ケース3において第2金属板6が設けられる側とは反対側に電磁波を放射するアンテナ部14が配置されている。この構成によれば、開封を検知するために用いられる金属板によって、アンテナ部14と非接触通信媒体との間で行われる電磁波による通信が妨害されにくくなる。従って、筐体4の開封検知を確実に行いつつ、非接触通信も良好に行うことができる。
【0071】
また、メモリ12は、回路基板10に実装されると共に、非接触通信手段と非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶するように構成されている。そして、検知部13により筐体4の異常が検出された場合に、メモリ12に記憶される情報の少なくとも一部を消去手段(制御部11)により消去するようにしている。この構成により、筐体4が不正に開封されたとしても、メモリ12に記憶される情報の少なくとも一部(例えば、ユーザ情報や商品情報などの機密情報)の漏洩を防止でき、当該装置のセキュリティ性を一層高めることができる。
【0072】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る非接触通信装置1について、図11〜図14を参照して説明する。本第2実施形態では、金属板を3枚用いる点が上記第1実施形態にて述べた非接触通信装置1と主に異なる。したがって、第1実施形態の非接触通信装置1と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図11は、本第2実施形態に係る非接触通信装置の構成概要を示す説明図である。図12は、本第2実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。図13は、本第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。図14は、本第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。なお、以下では、非接触通信装置1が第1実施形態と同様の携帯端末として構成されている前提で説明することとする。この構成では、検知部13の具体的構成以外は第1実施形態と同様の構成であり、例えば、図2〜図5で示した構成、処理等は第1実施形態と同様である。
【0074】
上記第1実施形態と同様に、本第2実施形態の非接触通信装置1は、図11に示すように、第1ケース2と第2ケース3とが互いに組み付けられてなる筐体4内に、回路基板10を収容して構成されている。第1ケース2は平板状に形成されていると共に、第2ケース3は箱状に形成されており、第1ケース2は第2ケース3に組み付けられた際に、第2ケース3の開口を覆う蓋として機能する。回路基板10は、第2ケース3に収容されており、電子部品の実装面側が第2ケース3の開口側へ向く態様で、第2ケース3の底部側に配置されている。
【0075】
そして、図11に示すように、第1ケース2の内面部2aには、第1ケース2の内面部2aの略全体に亘る大きさで構成される第1金属板5が取り付けられている。また、第2ケース3には、第1金属板5と対向するように第2金属板6が取り付けられている。さらに、第2ケース3には、第2金属板6と対向すると共に、回路基板10の実装面側(一方面側)を覆う位置に、第3金属板7が取り付けられている。これら、第2金属板6及び第3金属板7は、第1金属板5と略同一の大きさで構成されている。また、第1金属板5、第2金属板6、及び第3金属板7は、回路基板10と同一の広さで構成されている。そして、第1金属板5と第2金属板6とによって第1コンデンサC1が構成され、第2金属板6と第3金属板7とによって第2コンデンサC2が構成されており、これら第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2によって検知部13が主に構成されている。検知部13は、図12に示すように、インバータIn1、In2と抵抗R1、R2とを有し、コンデンサC1と抵抗R1とによって発振される発信周波数F1に基づいて筐体4の第1の異常状態を検知し、コンデンサC2と抵抗R2とによって発振される発信周波数F2に基づいて、筐体4の第2の異常状態を検知するように構成されている。
【0076】
より具体的には、第1金属板5と第2金属板6とによって構成される第1コンデンサC1は、図13に示すように、第1金属板5と第2金属板6の距離d1の変化(すなわち筐体4の蓋開け)を検知するように設定されている。また、第2金属板6と第3金属板7とによって構成される第2コンデンサC2は、図14に示すように、第1金属板5及び第2金属板6の極板面積Sの変化(すなわち筐体4の穴開け)を検知するように設定されている。
【0077】
本第2実施形態では、検知部13において発信周波数F1及び発信周波数F2を常時(若しくは間欠的に)監視し、発信周波数F1及び発信周波数F2が所定の閾値を超えた場合に、筐体4が開封されたと判断することができる。このとき、発信周波数F1及び発信周波数F2の閾値をそれぞれ異なる値に設定する(例えば、発信周波数F1の閾値を600KHz前後、発信周波数F2の閾値を200KHz前後に設定する)ことで、第1コンデンサC1では筐体4の蓋開けを確実に検出できると共に、第2コンデンサC2では筐体4の穴開けを確実に検出することができる。
【0078】
そして、検知部13において筐体4の開封を検知すると、制御部11へ通知する。そして、制御部11は、検知部13からの開封信号に基づき、メモリ12内に記憶される情報(決済情報等)の少なくとも一部を消去する。このように、筐体4の開封が検知されると少なくとも一部の情報が自動的に消去されるため、セキュリティ性を確保することができる。
【0079】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記各実施形態では、第1金属板5は第1ケース2と別体で構成される例を示したが、第1金属板5は、第1ケース2と一体的に構成することもでき、例えば、第1ケース2の内面部2aの表面にメッキなどの方法により金属層を直接形成して構成することもできる。
【0080】
上記第1実施形態では、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10と同一の広さで構成されている例を示したが、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10よりも広く構成することもできる。
【0081】
上記第2実施形態では、第1金属板5、第2金属板6、及び第3金属板7は、回路基板10と同一の広さで構成されている例を示したが、第1金属板5、第2金属板6、及び第3金属板7は、回路基板10よりも広く構成することもできる。
【0082】
上記各実施形態では、非接触通信装置1を携帯端末に適用した例を示したが、このような構成に限られない。例えば、非接触通信装置1は、店舗等に設けられる据置型の決済端末に適用されてもよく、自動販売機などに内蔵される決済端末に適用されてもよい。また、上記実施形態では、非接触通信装置1が決済端末そのものである例を示したが、非接触通信装置1が決済端末の一部を構成するものであってもよい。例えば、決済端末の筐体内に上記実施形態のような非接触通信装置1が更に内蔵されていてもよい。
【0083】
第1実施形態では、検知部として、発振回路の一例を示したが、検知部の構成は上記の例に限定されるものではなく、コンデンサCを発振回路の一部として用いたときにコンデンサCの容量変化によって周波数が変更し得るものであれば公知の様々な発振回路(例えば、他の位相型CR発振回路、ウィーンブリッジ型発振回路など)を用いることができる。第2実施形態も同様であり、第1検知部13aについては、コンデンサC1を発振回路の一部として用いたときにコンデンサC1の容量変化によって周波数が変更し得るものであれば公知の様々な発振回路(例えば、他の位相型CR発振回路、ウィーンブリッジ型発振回路など)を用いることができ、第2検知部13bについては、コンデンサC2を発振回路の一部として用いたときにコンデンサC2の容量変化によって周波数が変更し得るものであれば公知の様々な発振回路(例えば、他の位相型CR発振回路、ウィーンブリッジ型発振回路など)を用いることができる。また、コンデンサC,C1、C2の容量変化を検出し得る構成であれば、発振回路以外の他の公知構成を用いてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…非接触通信装置
2…第1ケース
2a…内面部
3…第2ケース
4…筐体
5…第1金属板
6…第2金属板
7…第3金属板
10…回路基板
11…制御部(制御手段、消去手段)
12…メモリ(記憶手段)
13…検知部(異常検知手段)
14…アンテナ部(アンテナ、非接触通信手段)
15…通信回路(非接触通信手段)
C…コンデンサ
C1…第1コンデンサ
C2…第2コンデンサ
In…インバータ
In1…第1インバータ
In2…第2インバータ
R…抵抗
R1…第1抵抗
R2…第2抵抗
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、利便性等の面から従来の接触式の磁気カードに代わり非接触式のICカードなどの非接触通信媒体が広く普及しており、それに伴い非接触通信装置が用いられている。非接触通信装置では、例えばユーザ情報や商品情報などの機密情報が取り扱われることが多いため、セキュリティ性を確保するために、不正に開封等されたことを検知する検知手段が設けられることがある。このような、セキュリティ性を必要とする装置の不正開封等を検知する技術として、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に示すものが知られている。
【0003】
特許文献1には、上蓋(4)と下蓋(3)とからなる筐体(5)の内部に制御回路が収容されており、筐体(5)外部側面の一端部に、筐体(5)の開封の有無を報知する報知手段を備えた封印装置(10)が設けられた構成が記載されている。そして、この封印装置(10)は、外部電源により充電される電気二重層コンデンサからなる内部電源、外部上蓋(8)と外部下蓋(10)との開閉を検知する検出素子(22)及び該検出素子(22)が開を検出した時に内部電源により充電される記憶用コンデンサを有し、外部電源が与えられた時に該記憶用コンデンサの電位を判定し、該判定に基づいて前記筐体の開封の有無を報知している。
【0004】
また、特許文献2には、電子回路を収納する上下の両ケース(10),(12)の内面にそれぞれ信号線(24),(26)を張り巡らして構成されるセキュリティ装置が記載されている。そして、両ケース(10),(12)に対して、穴あけ・破壊・分解工作が行われたときには信号線(24),(26)が断線状態になり、当該不正行為を検出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3102688号公報
【特許文献2】特開平6−12589公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、当該筐体の開封等を検知する封印装置(10)が筐体(5)外部の一端部に設けられているため、外部から容易に封印装置(10)の場所が確認されてしまい、封印装置(10)が設けられていない場所(即ち、封印装置(10)が感知しない部分)から筐体を切断されて、内部の制御回路等を解析される虞があった。また、封印装置(10)の数を増やすことも考えられるが、それに伴いコストが増大するといった問題があった。
【0007】
一方、上記特許文献2の構成では、不正開封等をケース全体で検知できる構成であるが、この構成を非接触通信装置に適用すると、ケースに張り巡らされた信号線(24),(26)により、非接触通信媒体との間で行われる電磁波による通信が妨害される虞があった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、非接触通信装置において、当該装置の機能を妨げることなく開封を確実に検知することができる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、を備えた非接触通信装置であって、前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第2ケースにおいて前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とを備えたコンデンサと、前記コンデンサの電気特性の変化に基づいて前記筐体の異常を検知する異常検知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、を備えた非接触通信装置であって、前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板と、前記第2ケースにおいて前記第2金属板と対向するように取り付けられる第3金属板とを備え、前記第1金属板と前記第2金属板とによって第1コンデンサが構成され、前記第2金属板と前記第3金属板とによって第2コンデンサが構成された検知部と、前記第1コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第1の異常状態を検知し、前記第2コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第2の異常状態を検知する異常検知手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9の発明は、請求項7又は請求項8に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10の発明は、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板及び前記第3金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項11の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記第2ケースにおいて前記第2金属板が設けられる側とは反対側に前記電磁波を放射するアンテナが配置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の非接触通信装置において、前記記憶手段は、前記回路基板に実装されると共に、前記非接触通信手段と前記非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶する構成をなしており、更に、前記異常検知手段により前記筐体の異常が検出された場合に前記記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部を消去する消去手段が設けられていること特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明に係る非接触通信装置では、第1ケースに取り付けられる第1金属板と、第2ケースにおいて第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とを備えたコンデンサの電気特性の変化に基づいて、異常検知手段により筐体の異常を検知している。
この構成によれば、2枚の金属板が互いに離されたり(コンデンサの電極間距離が広がったり)、穴が開けられたり(コンデンサの極板面積が減少したり)すると、コンデンサの容量が変化する。このコンデンサの容量変化を異常検知手段により検知することで、当該装置の開封をより確実に検知することができる。また、開封の検知を板状の金属板で行っているので、異常検知手段の数をそれほど増やすことなく、検出エリアを広く確保することができる(金属板の面積(極板面積)を大きくすることで検出エリアを広く取ることができる)。さらに、2枚の金属板によって開封検知が可能となるため、筐体全体に金属部材を張り巡らせる構成と比較すると、非接触通信の媒介となる電磁波が遮断されにくく、非接触通信が良好に行われやすくなる。
【0022】
請求項2の発明では、第1金属板及び第2金属板は、回路基板の一方面側を覆うように配置されている。この構成により、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側への不正なアクセスをより確実に検知することができる。例えば、高いセキュリティ性を必要とする部品等が一方面側に実装されている場合などにおいては、このような部品に対してより高いセキュリティ性を確保することができる。
【0023】
請求項3の発明では、第1金属板及び第2金属板は、回路基板における非接触通信手段及び記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されている。この構成により、重要な情報を扱う非接触通信手段や重要な情報を記憶する記憶手段の少なくともいずれかに対する不正なアクセスをより確実に検知することができ、非接触通信で扱われる情報に対するセキュリティ性をより強化することができる。
【0024】
請求項4の発明では、第1金属板及び第2金属板は、回路基板と同一の広さで構成、又は回路基板よりも広く構成されている。この構成により、回路基板の一方面側の領域をほぼ網羅するように異常検知手段の検出エリアが構成されるので、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側へ不正なアクセスがなされることを一層確実に検知することができる。
【0025】
請求項5の発明では、第1金属板が、第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、第2金属板が、第1金属板と略同一の大きさで構成されている。この構成により、第1ケース側からの開封を確実に検知することができる。
【0026】
請求項6の発明に係る非接触通信装置では、第1ケースに取り付けられる第1金属板と、第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とによって第1コンデンサが構成されている。また、第2金属板と、第2ケースにおいて第2金属板と対向するように取り付けられる第3金属板とによって第2コンデンサが構成されている。そして、異常検知手段は、第1コンデンサの電気特性の変化に応じて筐体の第1の異常状態を検知し、第2コンデンサの電気特性の変化に応じて筐体の第2の異常状態を検知している。
この構成により、第1コンデンサ及び第2コンデンサの内、第1コンデンサのみに異常が発生する場合(第1の異常状態)と、第2コンデンサに異常が発生する場合(第2の異常状態)とに区別することができる。従って、異常状態を詳細に把握した上で適切な対応をとりやすくなる。
【0027】
請求項7の発明では、第1金属板、第2金属板、及び第3金属板は、回路基板の一方面側を覆うように配置されている。この構成により、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側に対してなされる不正アクセスをより確実に検知することができる。例えば、高いセキュリティ性を必要とする部品等が一方面側に実装されている場合には、より高いセキュリティ性を確保することができる。
【0028】
請求項8の発明では、第1金属板、第2金属板、及び第3金属板は、回路基板における非接触通信手段及び記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されている。この構成により、重要な情報を扱う非接触通信手段や重要な情報が記憶される記憶手段の少なくともいずれかに対する不正なアクセスをより確実に検知することができ、非接触通信で扱われる情報に対するセキュリティ性をより強化することができる。
【0029】
請求項9の発明では、第1金属板、第2金属板、及び第3金属板は、回路基板と同一の広さで構成、又は回路基板よりも広く構成されている。この構成により、回路基板の一方面側の領域をほぼ網羅する状態で異常検知手段の検出エリアを構成することができるため、非接触通信装置の外部から回路基板の一方面側へなされる不正なアクセスを一層確実に検知することができる。
【0030】
請求項10の発明では、第1金属板が、第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、第2金属板及び第3金属板が、第1金属板と略同一の大きさで構成されている。この構成によれば、第1コンデンサ及び第2コンデンサがいずれも第1ケースの内壁面の略全体を網羅する構成で配置されるため、第1ケース側からの不正アクセス(例えば、第1ケースの開封や第1ケース側からの孔開け等)がなされたときに検出漏れがより生じにくくなる。
【0031】
請求項11の発明では、第2ケースにおいて第2金属板が設けられる側とは反対側に電磁波を放射するアンテナが配置されている。この構成によれば、開封を検知するために用いられる金属板によって、アンテナと非接触通信媒体との間で行われる電磁波による通信が妨害されにくくなる。従って、筐体の開封検知を確実に行いつつ、非接触通信も良好に行うことができる。
【0032】
請求項12の発明では、記憶手段は、回路基板に実装されると共に、非接触通信手段と非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶するように構成されている。そして、異常検知手段により筐体の異常が検出された場合に、記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部を消去手段により消去するようにしている。この構成により、筐体が不正に開封されたとしても、記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部(例えば、ユーザ情報や商品情報などの機密情報)の漏洩を防止でき、当該装置のセキュリティ性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、第1実施形態に係る非接触通信装置の構成を概念的に例示する概念図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る非接触通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、図1等に示す非接触通信装置を携帯端末に適用した具体例を概略的に例示する平面図であり、図3(B)は、図3(A)の携帯端末の左側面図である。
【図4】図4は、図3の携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図3の携帯端末における決済処理の流れを説明する図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と電極間距離との関係をシミュレーションした結果を示した図である。
【図9】図9は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。
【図10】図10は、第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と穴の直径との関係をシミュレーションした結果を示した図である。
【図11】図11は、第2実施形態に係る非接触通信装置の構成概要を示す説明図である。
【図12】図12は、第2実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。
【図13】図13は、第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。
【図14】図14は、第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
[第1実施形態]
本発明の非接触通信装置は、例えば、決済機能を備えた決済ユニットとして構成され、携帯端末や自動販売機等に組み込んで使用することができる。以下では、まず、非接触通信装置1の構成を概説することとし、次いで、非接触通信装置1を携帯端末に適用した具体例について説明する。
【0035】
(非接触通信装置の全体構成)
まず、非接触通信装置1の全体構成について、図1、図2を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る非接触通信装置の構成を概念的に例示する概念図である。図2は、第1実施形態に係る非接触通信装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施形態の非接触通信装置1は、例えば樹脂材料などからなる第1ケース2及び第2ケース3からなる筐体4内に、電磁波を媒介として非接触通信媒体(例えばICカード)と非接触通信を行うアンテナ部14(図2参照)が電気的に接続された回路基板10を収容して構成されている。第1ケース2は、回路基板10を収容する筐体4の厚さ方向一方側を構成するものであり、例えば平板状に形成されていてもよく、箱状に構成されていてもよい。第2ケース3は、回路基板10を収容する筐体の厚さ方向他方側を構成するものであり、箱状に形成されていてもよく、逆に平板状に構成されていてもよい。図1の例では、第1ケース2は、第2ケース3に組み付けられた際に、第2ケース3の開口を覆う蓋として機能している。回路基板10は、これら第1ケース2及び第2ケース3によって構成される筐体4内の空間に収容されており、電子部品の実装面側が第1ケース2の上壁面(筐体4の厚さ方向一方側の壁面)へ向く態様で配置されている。
【0037】
そして、図1に示すように、第1ケース2の内面部2aには、コンデンサCの一部を構成する第1金属板5が接着剤や接着テープ、ネジ等の固定部材によって取り付けられている。この第1金属板5は、第1ケース2の内面部2aの略全体に亘る大きさで構成されている。第1金属板5には、例えば、アルミニウムなどの金属板を所定の大きさに切断加工したものや、樹脂材料等からなる板材の表面に電気メッキや電解メッキなどの湿式メッキやスパッタリングや真空蒸着など乾式メッキなどの方法を用いて金属層を形成して構成されたものを用いることができる。
【0038】
第2ケース3には、図1に示すように、回路基板10の実装面側(一方面側)を覆うように、第2金属板6が配置されている。また、第2金属板6は、第1ケース2と第2ケース3とが組み付けられた状態で、第1金属板5と対向するように(より詳しくは、第1金属板5と所定距離を隔てて略平行となるように)配置されている。そして、この第2金屋板6は、第1金属板5と共にコンデンサCを構成しており、このコンデンサCは、図1のような閉塞時に所定容量Qで構成されるようになっている。第2金属板6は、第2ケース3若しくは回路基板10に、ネジ等の固定部材によって取り付けられている。そして、第2金属板6は、第1金属板5と略同一の大きさで構成されている(すなわち、コンデンサCを形成する第1金属板5と第2金属板6の極板面積は互いに略同一の大きさで構成されている)。さらに、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10全体を網羅する構成で当該回路基板10全体を覆うように、回路基板10と同一の広さ又は回路基板10よりも広く構成されている。第2金属板6は、第1金属板5と同様に、アルミニウムなどの金属板を所定の大きさに切断加工したものや、樹脂材料等からなる板材の表面に金属層を形成して構成されたものを用いることができる。なお、第2金属板6には、第1金属板5と同じ構成のものを用いてもよく、異なる構成のものを用いてもよい。
【0039】
回路基板10は、図2に示すように、非接触式のICカード(非接触通信媒体)との間で行われる非接触通信に関する制御等を行う制御部11と、制御部11の制御に応じて非接触通信媒体と非接触通信を行う通信回路15と、非接触通信に応じて生成された情報などを記憶するメモリ12と、第1金属板5と第2金属板6とにより構成されたコンデンサCの電気特性の変化を検出する検知部13とを実装して構成されている。なお、図2の例では、制御部11、通信回路15、検知部13、メモリ12を単一の回路基板10に実装した例を示しているが、回路基板10は複数存在してもよい。例えば、これら複数の回路基板に制御部11、通信回路15、検知部13、メモリ12等が実装され、これら複数の回路基板が上記コンデンサCによって覆われていてもよい。
【0040】
制御部11は、マイコンを主体として構成されるものであり、通信回路15、検知部13、メモリ12等に接続されている。この制御部11は、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、非接触通信装置1全体の制御を行っている。また、制御部11は、検知部13からの信号に基づき、メモリ12内に記憶される情報の少なくとも一部を消去するように構成されている。
【0041】
通信回路15は、アンテナ部14及び制御部11と協働して非接触通信媒体(ICカード等)との間で電磁波による通信を行い、非接触通信媒体に記憶されるデータの読み取り、或いは非接触通信媒体へのデータの書き込みを行うように機能している。この通信回路15は、例えば、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、送信回路、受信回路、整合回路などを有している。
【0042】
送信回路は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10に接続されており、当該制御部11より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路を介してアンテナ部14に出力している。このようにしてアンテナ部14に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ部14より外部に放射される。なお、アンテナ部14は、電磁波を送受信可能な公知のアンテナであればよく、例えば導体をループ状にして形成されたループアンテナやパッチアンテナなどによって構成されている。
【0043】
一方、アンテナ部14によって受信された電波信号は、整合回路を介して受信回路に入力される。この受信回路は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ部14を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部11に出力している
【0044】
メモリ12は、ROM,RAM、不揮発性メモリ等の半導体メモリなどによって構成されており、非接触通信媒体との非接触通信で扱われる決済情報等(例えば、ユーザ情報や商品情報など)を記憶可能に構成されている。
【0045】
検知部13は、上述のコンデンサCを含んだ発振回路として構成されるものであり、後述の図6に示すように、コンデンサCと、インバータInと、抵抗Rとを有し、コンデンサCの容量と抵抗Rとに定まる発信周波数の変化に基づいて、筐体4の開封を検知するように構成されている。なお、筐体4の開封検知については後に詳述する。
【0046】
なお、本実施形態では、制御部11が「消去手段」の一例に相当する。また、メモリ12が「記憶手段」の一例に相当する。また、通信回路15が「非接触通信手段」の一例に相当する。また、検知部13が、「異常検知手段」の一例に相当する。
【0047】
本実施形態に係る非接触通信装置1は、基本的には、以上のような構成をなしている。この非接触通信装置1は、具体的には図3、図4等のような携帯端末30として構成されていてもよく、店舗などに配置される据置型の決済端末や、自動販売機などに設置される決済端末などとして構成されていてもよい。以下では、非接触通信装置1が携帯端末30として構成される例を代表例として説明する。
【0048】
(携帯端末の全体構成)
以下、本発明の非接触通信装置1を携帯端末30に適用した例を図3〜図5等を用いて説明する。
図3(A)は、第1実施形態に係る非接触通信装置を携帯端末に適用した具体例を概略的に例示する平面図であり、図3(B)は、図3(A)の携帯端末の左側面図である。図4は、図3の携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
【0049】
携帯端末30は、決済機能を備えた決済端末として構成されており、例えば、図3(A)、(B)のような外観をなし、様々な場所へ携帯して使用されるようになっている。この携帯端末30は、上述の筐体4として機能する長手状のケース32によって外郭が構成されている。ケース32は、各種部品(各種電気部品等)を収容するものであり、本実施形態では、上述の第1ケース2として機能する下ケース32bと上述の第2ケース3として機能する上ケース32aとによって構成され、これらが結合した箱状形態をなしている。
【0050】
携帯端末30の上面側にはLED表示部や所定の配列でそれぞれ配置された数字キーや機能キー等の入力キーを複数有するキー操作部33が設けられている。さらに、携帯端末30の上面側には、各種情報を表示する表示部31が設けられている。また、表示部31の付近(例えば表示部31の周囲)には、電磁波を放射する上述のアンテナ部14が設けられており、ICカード等の非接触通信媒体に対する電磁波の放射や非接触通信媒体からの電磁波の受信を行うように構成されている。
【0051】
アンテナ部14は、上ケース32a(第2ケース3)において前記コンデンサCから離れた位置に配置されている。なお、図3(B)では、携帯端末30の厚さ方向(上下方向)をZ方向とし、携帯端末30の長手方向(前後方向)をX方向として示しており、アンテナ部14は携帯端末30の上方側(+Z側)に配置されている。また、コンデンサCは、厚さ方向(上下方向)の中央部付近或いは下方側(−Z側)に配置されている。より具体的には、例えば、アンテナ14が表示部31の表示面31aと平行な面上に配置されており、表示部31付近にICカード等の非接触通信媒体が翳されたときにアンテナ14と非接触通信媒体との間で電磁波の送受信が行われるようになっている。
【0052】
次に、携帯端末30の電気的構成について説明する。
図4に示すように、携帯端末30のケース32内には、携帯端末30全体を制御する制御部40が設けられている。この制御部40は、上述の制御部11に相当するものであり、例えばマイコンを主体として構成され、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ41とともに情報処理装置を構成している。また、制御部40には、上述の通信回路15、表示部31、メモリ12、検知部13に加え、トリガスイッチ42、キー操作部33、外部インタフェース43などが接続されている。なお、通信回路15、メモリ12、検知部13の構成、機能については、図1、図2を参照して上述した通りである。
【0053】
トリガスイッチ42やキー操作部33は、制御部40に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部40は、これらからの操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行うようになっている。また、表示部31は、制御部40によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部40からの指令を受けて動作する構成をなしている。外部インタフェース43は、外部(例えばホスト装置)との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部40と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、ケース32内には、電源となるバッテリ45や電源部46が設けられており、これらによって制御部40や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0054】
次に、上述のように構成される携帯端末30において、実施される決済処理について、図5を用いて説明する。
図5は、図3の携帯端末における決済処理の流れを説明する図である。図6は、第1実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。図7は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。図8は、第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と電極間距離との関係をシミュレーションした結果を示した図である。図9は、第1実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。図10は、本第1実施形態に係る非接触通信装置における発信周波数と穴の直径との関係をシミュレーションした結果を示した図である。
【0055】
以下では、プリペイド機能付きのICカードを読み取る場合を例に挙げて説明する。図5は、制御部40とICカードとの間で行われる処理の流れをブロックで示しており、制御部40では、S1、S2、S5、S6の流れで処理が行われる。また、ICカード側では、S3、S4の処理が行われる。
【0056】
ステップS1の処理は、所定の開始条件の成立(例えば、管理者による所定操作や読み取りなどのトリガ発生等)に伴って制御部40で実行される。例えば、管理者等がキー操作部33により商品等の金額を入力したり、或いは、携帯端末30に設けられた図示しないコード読取部等によってバーコード等が読み取られたときに売上げ金額情報が入力され、制御部40に与えられる。更に、制御部40では、ICカードに対し、チャージされた金額からステップS1で入力された売上げ金額を減算する指示を与える(ステップS2)。具体的には例えば、ICカードに対して、減算指示のコマンドと共にS1で得られた売上げ金額を送信する。
【0057】
一方、ICカード側では、正規の認証相手から減算指示のコマンドを受け取ったとき、対応して送信されてきた売上げ金額をチャージされた金額から減算する処理を行う(ステップS3)。そして、ステップS3での処理結果を携帯端末30に対して通知する(ステップS4)。例えば、正常に終了した場合には、その旨のコマンドと、減算後の残金情報を携帯端末30に送信する。逆に、正常に終了しなかった場合(例えば、残金不足等の場合)には、その旨を携帯端末30に通知する。制御部40は、ステップS4での通知を取得したときに、この通知に基づいて売上げ処理の結果を表示部31に表示する処理を行い(ステップS5)、その後、図示しないプリンタからレシートを発行する(ステップS6)。
【0058】
なお、ICカードとの非接触通信で扱われる情報(例えば、カード固有情報(ユーザID、カードID、暗証番号等)、金額情報(購入金額情報、カード残金情報等)、商品情報等)は、制御部40によって適宜メモリ12に記憶されるようになっている。
【0059】
また、上記の例では、プリペイド方式のICカードを例に挙げて説明したが、ポストペイ方式のICカードの決済処理を行う構成であってもよく、クレジットカードといった他のICカードの決済処理を行う構成であってもよい。
【0060】
次に、本発明の非接触通信装置1にて、不正に開封等された場合に実施される開封検知動作について説明する。
図6に示すように、検知部13は、コンデンサCと、抵抗Rと、インバータInによって構成される発振回路からなり、発振される発信周波数Fを、周波数カウンタなどを用いて検知するように構成されている。ここで、発信周波数Fは、コンデンサCの容量(説明の便宜上「C」で表す)と、抵抗Rの抵抗値(説明の便宜上「R」で表す)の積に反比例し、F≒1/RCの関係を有している。また、コンデンサCの容量は、一般的に、極板面積S及び誘電体の誘電率εに比例し、電極間距離dに反比例し、C≒εS/dの関係を有している。すなわち、図7に示すように、第1ケース2と第2ケース3とが離されて第1金属板5と第2金属板6との距離(電極間距離d)が大きくなると、F≒1/RCの関係から発信周波数Fも大きくなる。検知部13においてこの発信周波数Fを常時(若しくは間欠的に)監視し、例えば発信周波数Fが所定の閾値を超えた場合に、筐体4の蓋が開けられたと判断することができる。
【0061】
また、図9に示すように、第1金属板5及び第2金属板6に穴が開けられて極板面積Sが小さくなると、F≒1/RCの関係から発信周波数Fも大きくなる。検知部13においてこの発信周波数Fを常時(若しくは間欠的に)監視し、例えば発信周波数Fが所定の閾値を超えた場合に、筐体4に穴が開けられたと判断することもできる。
【0062】
そして、検知部13において、筐体4の開封を検知すると、制御部11へ通知する。そして、制御部11は、検知部13からの開封信号に基づき、メモリ12内に記憶される情報(決済情報等)の少なくとも一部を消去する。このように、筐体4の開封が検知されると少なくとも一部の情報が自動的に消去されるため、セキュリティ性を確保することができる。
【0063】
図8は、第1金属板5及び第2金属板6の極板面積Sを16cm2(40mm×40mm)、誘電率εを8.9×10−12(空気の誘電率≒真空の誘電率)、抵抗値Rを1MΩ、第2ケース3が第1ケース2により密封された状態(筐体4が開封されていない状態)での第1金属板5と第2金属板6との距離d(電極間距離d)を5mmとしたときの発信周波数Fと電極間距離dとの関係をシミュレーションした結果を示した図である。例えば、670KHz以上の発信周波数Fが検知された場合に筐体4の蓋開けを検知するように設定すれば、指が入らない程度の隙間(15mm程度)が開けられると即座にこれを検知することができる。
【0064】
また、図10は、第1金属板5及び第2金属板6の極板面積Sを25cm2(50mm×50mm)、誘電率εを8.9×10−12(空気の誘電率≒真空の誘電率)、抵抗値Rを1MΩ、第2ケース3が第1ケース2により密封された状態(筐体4が開封されていない状態)での第1金属板5と第2金属板6との距離d(電極間距離d)を5mmとしたときの発信周波数Fと穴の直径との関係をシミュレーションした結果を示した図である。例えば、233KHz以上の発信周波数Fが検知された場合に筐体4の穴開けを検知するように設定すれば、回路基板10の解析に用いられるオシロスコープ等のプローブが入らない程度の穴が開けられると、即座にこれを検知することができる。
【0065】
以上説明したように、本第1実施形態に係る非接触通信装置1では、第1ケース2に取り付けられる第1金属板5と、第2ケース3において第1金属板5と対向するように取り付けられる第2金属板6とを備えたコンデンサCの電気特性の変化に基づいて、検知部13により筐体4の異常を検知している。
この構成によれば、2枚の金属板が互いに離されたり(コンデンサの電極間距離が広がったり)、穴が開けられたり(コンデンサの極板面積が減少したり)すると、コンデンサCの容量が変化する。このコンデンサCの容量変化を検知部13により検知することで、当該装置の開封をより確実に検知することができる。また、開封の検知を板状の金属板で行っているので、検知部13の数をそれほど増やすことなく、検出エリアを広く確保することができる(金属板の面積(極板面積)を大きくすることで検出エリアを広く取ることができる)。さらに、2枚の金属板によって開封検知が可能となるため、筐体全体に金属部材を張り巡らせる構成と比較すると、非接触通信の媒介となる電磁波が遮断されにくく、非接触通信が良好に行われやすくなる。
【0066】
また、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10の一方面側を覆うように配置されている。この構成により、非接触通信装置1の外部から回路基板10の一方面側への不正なアクセスをより確実に検知することができる。例えば、高いセキュリティ性を必要とする部品等が一方面側に実装されている場合などにおいては、このような部品に対してより高いセキュリティ性を確保することができる。
【0067】
また、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10における非接触通信手段(アンテナ部14及び通信回路15)及びメモリ12の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されている。この構成により、重要な情報を扱う非接触通信手段や重要な情報を記憶するメモリ12の少なくともいずれかに対する不正なアクセスをより確実に検知することができ、非接触通信で扱われる情報に対するセキュリティ性をより強化することができる。
【0068】
また、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10と同一の広さで構成、又は回路基板10よりも広く構成されている。この構成により、回路基板の10一方面側の領域をほぼ網羅するように検知部13の検出エリアが構成されるので、非接触通信装置1の外部から回路基板10の一方面側へ不正なアクセスがなされることを一層確実に検知することができる。
【0069】
また、第1金属板5が、第1ケース2の内面部2aの略全体に亘る大きさで構成され、第2金属板6が、第1金属板5と略同一の大きさで構成されている。この構成により、第1ケース2側からの開封を確実に検知することができる。
【0070】
また、第2ケース3において第2金属板6が設けられる側とは反対側に電磁波を放射するアンテナ部14が配置されている。この構成によれば、開封を検知するために用いられる金属板によって、アンテナ部14と非接触通信媒体との間で行われる電磁波による通信が妨害されにくくなる。従って、筐体4の開封検知を確実に行いつつ、非接触通信も良好に行うことができる。
【0071】
また、メモリ12は、回路基板10に実装されると共に、非接触通信手段と非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶するように構成されている。そして、検知部13により筐体4の異常が検出された場合に、メモリ12に記憶される情報の少なくとも一部を消去手段(制御部11)により消去するようにしている。この構成により、筐体4が不正に開封されたとしても、メモリ12に記憶される情報の少なくとも一部(例えば、ユーザ情報や商品情報などの機密情報)の漏洩を防止でき、当該装置のセキュリティ性を一層高めることができる。
【0072】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る非接触通信装置1について、図11〜図14を参照して説明する。本第2実施形態では、金属板を3枚用いる点が上記第1実施形態にて述べた非接触通信装置1と主に異なる。したがって、第1実施形態の非接触通信装置1と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図11は、本第2実施形態に係る非接触通信装置の構成概要を示す説明図である。図12は、本第2実施形態に係る非接触通信装置における検知部の電気的構成を示す回路図である。図13は、本第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(蓋開け)された様子を示す説明図である。図14は、本第2実施形態に係る非接触通信装置が開封(穴開け)された様子を示す説明図である。なお、以下では、非接触通信装置1が第1実施形態と同様の携帯端末として構成されている前提で説明することとする。この構成では、検知部13の具体的構成以外は第1実施形態と同様の構成であり、例えば、図2〜図5で示した構成、処理等は第1実施形態と同様である。
【0074】
上記第1実施形態と同様に、本第2実施形態の非接触通信装置1は、図11に示すように、第1ケース2と第2ケース3とが互いに組み付けられてなる筐体4内に、回路基板10を収容して構成されている。第1ケース2は平板状に形成されていると共に、第2ケース3は箱状に形成されており、第1ケース2は第2ケース3に組み付けられた際に、第2ケース3の開口を覆う蓋として機能する。回路基板10は、第2ケース3に収容されており、電子部品の実装面側が第2ケース3の開口側へ向く態様で、第2ケース3の底部側に配置されている。
【0075】
そして、図11に示すように、第1ケース2の内面部2aには、第1ケース2の内面部2aの略全体に亘る大きさで構成される第1金属板5が取り付けられている。また、第2ケース3には、第1金属板5と対向するように第2金属板6が取り付けられている。さらに、第2ケース3には、第2金属板6と対向すると共に、回路基板10の実装面側(一方面側)を覆う位置に、第3金属板7が取り付けられている。これら、第2金属板6及び第3金属板7は、第1金属板5と略同一の大きさで構成されている。また、第1金属板5、第2金属板6、及び第3金属板7は、回路基板10と同一の広さで構成されている。そして、第1金属板5と第2金属板6とによって第1コンデンサC1が構成され、第2金属板6と第3金属板7とによって第2コンデンサC2が構成されており、これら第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2によって検知部13が主に構成されている。検知部13は、図12に示すように、インバータIn1、In2と抵抗R1、R2とを有し、コンデンサC1と抵抗R1とによって発振される発信周波数F1に基づいて筐体4の第1の異常状態を検知し、コンデンサC2と抵抗R2とによって発振される発信周波数F2に基づいて、筐体4の第2の異常状態を検知するように構成されている。
【0076】
より具体的には、第1金属板5と第2金属板6とによって構成される第1コンデンサC1は、図13に示すように、第1金属板5と第2金属板6の距離d1の変化(すなわち筐体4の蓋開け)を検知するように設定されている。また、第2金属板6と第3金属板7とによって構成される第2コンデンサC2は、図14に示すように、第1金属板5及び第2金属板6の極板面積Sの変化(すなわち筐体4の穴開け)を検知するように設定されている。
【0077】
本第2実施形態では、検知部13において発信周波数F1及び発信周波数F2を常時(若しくは間欠的に)監視し、発信周波数F1及び発信周波数F2が所定の閾値を超えた場合に、筐体4が開封されたと判断することができる。このとき、発信周波数F1及び発信周波数F2の閾値をそれぞれ異なる値に設定する(例えば、発信周波数F1の閾値を600KHz前後、発信周波数F2の閾値を200KHz前後に設定する)ことで、第1コンデンサC1では筐体4の蓋開けを確実に検出できると共に、第2コンデンサC2では筐体4の穴開けを確実に検出することができる。
【0078】
そして、検知部13において筐体4の開封を検知すると、制御部11へ通知する。そして、制御部11は、検知部13からの開封信号に基づき、メモリ12内に記憶される情報(決済情報等)の少なくとも一部を消去する。このように、筐体4の開封が検知されると少なくとも一部の情報が自動的に消去されるため、セキュリティ性を確保することができる。
【0079】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記各実施形態では、第1金属板5は第1ケース2と別体で構成される例を示したが、第1金属板5は、第1ケース2と一体的に構成することもでき、例えば、第1ケース2の内面部2aの表面にメッキなどの方法により金属層を直接形成して構成することもできる。
【0080】
上記第1実施形態では、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10と同一の広さで構成されている例を示したが、第1金属板5及び第2金属板6は、回路基板10よりも広く構成することもできる。
【0081】
上記第2実施形態では、第1金属板5、第2金属板6、及び第3金属板7は、回路基板10と同一の広さで構成されている例を示したが、第1金属板5、第2金属板6、及び第3金属板7は、回路基板10よりも広く構成することもできる。
【0082】
上記各実施形態では、非接触通信装置1を携帯端末に適用した例を示したが、このような構成に限られない。例えば、非接触通信装置1は、店舗等に設けられる据置型の決済端末に適用されてもよく、自動販売機などに内蔵される決済端末に適用されてもよい。また、上記実施形態では、非接触通信装置1が決済端末そのものである例を示したが、非接触通信装置1が決済端末の一部を構成するものであってもよい。例えば、決済端末の筐体内に上記実施形態のような非接触通信装置1が更に内蔵されていてもよい。
【0083】
第1実施形態では、検知部として、発振回路の一例を示したが、検知部の構成は上記の例に限定されるものではなく、コンデンサCを発振回路の一部として用いたときにコンデンサCの容量変化によって周波数が変更し得るものであれば公知の様々な発振回路(例えば、他の位相型CR発振回路、ウィーンブリッジ型発振回路など)を用いることができる。第2実施形態も同様であり、第1検知部13aについては、コンデンサC1を発振回路の一部として用いたときにコンデンサC1の容量変化によって周波数が変更し得るものであれば公知の様々な発振回路(例えば、他の位相型CR発振回路、ウィーンブリッジ型発振回路など)を用いることができ、第2検知部13bについては、コンデンサC2を発振回路の一部として用いたときにコンデンサC2の容量変化によって周波数が変更し得るものであれば公知の様々な発振回路(例えば、他の位相型CR発振回路、ウィーンブリッジ型発振回路など)を用いることができる。また、コンデンサC,C1、C2の容量変化を検出し得る構成であれば、発振回路以外の他の公知構成を用いてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…非接触通信装置
2…第1ケース
2a…内面部
3…第2ケース
4…筐体
5…第1金属板
6…第2金属板
7…第3金属板
10…回路基板
11…制御部(制御手段、消去手段)
12…メモリ(記憶手段)
13…検知部(異常検知手段)
14…アンテナ部(アンテナ、非接触通信手段)
15…通信回路(非接触通信手段)
C…コンデンサ
C1…第1コンデンサ
C2…第2コンデンサ
In…インバータ
In1…第1インバータ
In2…第2インバータ
R…抵抗
R1…第1抵抗
R2…第2抵抗
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、
電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、
前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、
を備えた非接触通信装置であって、
前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第2ケースにおいて前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とを備えたコンデンサと、
前記コンデンサの電気特性の変化に基づいて前記筐体の異常を検知する異常検知手段と、
を備えたことを特徴とする非接触通信装置。
【請求項2】
前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触通信装置。
【請求項3】
前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする請求項2に記載の非接触通信装置。
【請求項4】
前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の非接触通信装置。
【請求項5】
前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項6】
第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、
電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、
前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、
を備えた非接触通信装置であって、
前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板と、前記第2ケースにおいて前記第2金属板と対向するように取り付けられる第3金属板とを備え、前記第1金属板と前記第2金属板とによって第1コンデンサが構成され、前記第2金属板と前記第3金属板とによって第2コンデンサが構成された検知部と、
前記第1コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第1の異常状態を検知し、前記第2コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第2の異常状態を検知する異常検知手段と、
を備えることを特徴とする非接触通信装置。
【請求項7】
前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の非接触通信装置。
【請求項8】
前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする請求項7に記載の非接触通信装置。
【請求項9】
前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の非接触通信装置。
【請求項10】
前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板及び前記第3金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項11】
前記第2ケースにおいて前記第2金属板が設けられる側とは反対側に前記電磁波を放射するアンテナが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項12】
前記記憶手段は、前記回路基板に実装されると共に、前記非接触通信手段と前記非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶する構成をなしており、
更に、前記異常検知手段により前記筐体の異常が検出された場合に前記記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部を消去する消去手段が設けられていること特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項1】
第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、
電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、
前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、
を備えた非接触通信装置であって、
前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第2ケースにおいて前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板とを備えたコンデンサと、
前記コンデンサの電気特性の変化に基づいて前記筐体の異常を検知する異常検知手段と、
を備えたことを特徴とする非接触通信装置。
【請求項2】
前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触通信装置。
【請求項3】
前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする請求項2に記載の非接触通信装置。
【請求項4】
前記第1金属板及び前記第2金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の非接触通信装置。
【請求項5】
前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項6】
第1ケースと第2ケースとが互いに組み付けられてなる筐体と、
電磁波を媒介として非接触通信媒体と非接触通信を行う非接触通信手段と、
前記非接触通信手段及びデータを記憶する記憶手段の少なくともいずれかが実装された回路基板と、
を備えた非接触通信装置であって、
前記第1ケースに取り付けられる第1金属板と、前記第1金属板と対向するように取り付けられる第2金属板と、前記第2ケースにおいて前記第2金属板と対向するように取り付けられる第3金属板とを備え、前記第1金属板と前記第2金属板とによって第1コンデンサが構成され、前記第2金属板と前記第3金属板とによって第2コンデンサが構成された検知部と、
前記第1コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第1の異常状態を検知し、前記第2コンデンサの電気特性の変化に応じて前記筐体の第2の異常状態を検知する異常検知手段と、
を備えることを特徴とする非接触通信装置。
【請求項7】
前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板の一方面側を覆うように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の非接触通信装置。
【請求項8】
前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板における前記非接触通信手段及び前記記憶手段の少なくともいずれかが実装された実装面側を覆う構成で配置されていることを特徴とする請求項7に記載の非接触通信装置。
【請求項9】
前記第1金属板、前記第2金属板、及び前記第3金属板は、前記回路基板と同一の広さで構成、又は前記回路基板よりも広く構成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の非接触通信装置。
【請求項10】
前記第1金属板は、前記第1ケースの内面部の略全体に亘る大きさで構成され、前記第2金属板及び前記第3金属板は、前記第1金属板と略同一の大きさで構成されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項11】
前記第2ケースにおいて前記第2金属板が設けられる側とは反対側に前記電磁波を放射するアンテナが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【請求項12】
前記記憶手段は、前記回路基板に実装されると共に、前記非接触通信手段と前記非接触通信媒体との間で行われる非接触通信に応じて生成された情報を記憶する構成をなしており、
更に、前記異常検知手段により前記筐体の異常が検出された場合に前記記憶手段に記憶される情報の少なくとも一部を消去する消去手段が設けられていること特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の非接触通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−113458(P2012−113458A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260829(P2010−260829)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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