説明

非水二次電池及びその制御方法

【課題】ハイレート放電に対する耐久性をより効果的に改善することが可能な非水二次電池及びその制御方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る非水二次電池は、第1電解液を含浸させた捲回体20と、捲回体内の抵抗値を測定する抵抗測定手段16と、抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、第1電解液より高濃度の第2電解液を捲回体内20に供給するマイクロカプセル26とを備える。閾値は、第1電解液と第2電解液をそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に抵抗値の大小が逆転する点での抵抗値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水二次電池及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池には、ハイレートでの放電を繰り返す態様で使用されることが想定されるものがある。車両の動力源として用いられるリチウムイオン電池は、このような使用態様が想定される代表例である。一般的なリチウムイオン電池は、ハイレートでの放電を繰り返す充放電パターンでは、性能劣化(内部抵抗の上昇等、以下ハイレート劣化とする)を起こしやすいことが知られていた。
【0003】
そこで、特許文献1では、捲回体の中央部のリチウム濃度が低下した場合に、電解液にリチウムイオンを供給することで、ハイレート放電の繰り返しに対する耐久性を向上させている。リチウムイオンを供給する手段としては、容器に収容された当初の電解液のリチウムイオン濃度と実質的に同一のリチウムイオン濃度を有するリチウム溶液を内包したマイクロカプセルが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−86728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この非水二次電池に関して発明者が検討したところ、以下のようなことが分かった。すなわち、非水二次電池の使用環境下の濃度範囲内において、充放電のサイクルの初期段階では電解液の濃度が低いと低抵抗であるが、サイクル回数の増加に伴いハイレート劣化が進行した段階では電解液の濃度が高いと低抵抗を保持できる。
【0006】
このように、リチウム濃度によって、充放電のサイクル数と抵抗値の上昇度は変化する。しかし、特許文献1に記載のリチウムイオン電池では、当初の電解液と同じ濃度のリチウム溶液を供給しているに過ぎない。性能劣化をさらに抑制し、耐久性を向上させるためには、単に同じ濃度のリチウム溶液を供給するだけでは不十分であることが分かった。
【0007】
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、ハイレート放電に対する耐久性をより効果的に改善することが可能な非水二次電池及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の形態に係る非水二次電池は、第1電解液を含浸させた捲回体と、前記捲回体内の抵抗値を測定する抵抗測定手段と、前記抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、前記第1電解液より高濃度の第2電解液又は支持塩を前記捲回体内に供給する供給手段とを備える。このように、当初の第1電解液より高濃度の第2電解液を供給することにより、より抵抗値の上昇を抑制することができ、耐久性を効果的に改善することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の形態に係る非水二次電池は、上記の非水二次電池において、前記閾値は、前記第1電解液と前記第2電解液をそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に抵抗値の大小が逆転する点での抵抗値であるものである。
【0010】
本発明の第3の形態に係る非水二次電池は、上記の非水二次電池において、前記第2電解液を供給する供給手段は、前記捲回体内に配置され、所定の温度で溶解する、前記第2電解液又は支持塩を内包したマイクロカプセルと、前記第1電解液の抵抗値が閾値を超えた場合に、前記捲回体が配置されるセル内の温度を前記所定の温度以上に上昇させる手段とをさらに備える。これにより、容易に第2電解液を供給することが可能となる。
【0011】
本発明の第4の形態に係る非水二次電池は、上記の非水二次電池において、前記第2電解液を供給した後の電解液の濃度は、前記第1電解液の濃度よりも高いことを特徴とする。これにより、さらに抵抗値を抑制することができ、長寿命化を実現できる。
【0012】
本発明の第5の形態に係る非水二次電池は、上記の非水二次電池において、前記供給手段は、前記捲回体内に前記第2電解液又は支持塩を供給するための注液栓を有し、前記注液栓から、シリンジを介して前記第2電解液又は支持塩を注入するものである。
【0013】
本発明の第6の形態に係る非水二次電池の制御方法は、第1電解液を含浸させた捲回体内の抵抗値を測定し、前記抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、当該第1電解液より高濃度の第2電解液又は支持塩を前記捲回体内に供給する。このように、当初の第1電解液より高濃度の第2電解液を供給することにより、より抵抗値の上昇を低減させることができ、耐久性を効果的に改善することが可能となる。
【0014】
本発明の第7の形態に係る非水二次電池の制御方法は、上記の方法において、前記閾値は、前記第1電解液と前記第2電解液をそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に抵抗値の大小が逆転する点での抵抗値である。
【0015】
本発明の第8の形態に係る非水二次電池の制御方法は、上記の方法において、前記第1電解液の抵抗値が閾値を超えた場合に、前記捲回体が配置されるセル内の温度を上昇させ、前記第2電解液又は支持塩を内包したマイクロカプセルを溶解させ、前記第2電解液を前記捲回体内に流出させることを特徴とする。これにより、容易に第2電解液を供給することが可能となる。
【0016】
本発明の第9の形態に係る非水二次電池の制御方法は、上記の方法において、前記第2電解液を供給した後の電解液の濃度が、前記第1電解液の濃度よりも高くなるように、前記第2電解液を供給することを特徴とする。これにより、さらに抵抗値を低減させることができ、長寿命化を実現できる。
【0017】
本発明の第10の形態に係る非水二次電池の制御方法は、上記の方法において、前記捲回体内に前記第2電解液又は支持塩を供給するための注液栓を開け、前記注液栓から前記第2電解液又は支持塩を注入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、ハイレート放電に対する耐久性をより効果的に改善することが可能な非水二次電池及びその制御方法を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態に係る非水二次電池の構成を示す模式図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】実施の形態に係る非水二次電池の捲回体の構成を示す模式図である。
【図4】実施の形態に係る非水二次電池における第2電解液の供給タイミングを決定するための閾値について説明する図である。
【図5】実施の形態に係る非水二次電池における、第2電解液の供給タイミングを説明するための図である。
【図6】第2電解液の濃度の最適値を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
【0021】
実施の形態.
本発明の実施の形態に係る非水二次電池について、図1を参照して説明する。図1は、実施の形態に係る非水二次電池10の構成の一例を示す模式図である。ここでは、非水二次電池10の一例として、扁平に捲回された電極体と電解液とが、直方体形状のセルに収容された形態のリチウムイオン電池について説明する。なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
【0022】
図1に示すように、非水二次電池10は、セル11、蓋体12、正極端子13、負極端子14、加熱手段15、抵抗測定手段16を備えている。本発明に係る非水二次電池10は、特に自動車等の車両に搭載されるモータ(電動機)用電源として好適に使用し得る。
【0023】
図2は、図1のII−II断面図である。図2に示すように、非水二次電池10では、扁平に捲回された電極体である捲回体20と図示しない第1電解液とが、予め、一端に開口部を有する直方体形状のセル11に収容されている。セル11は、蓋体12により封止されている。
【0024】
第1電解液としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。このような第1電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。また、非水二次電池10は、セル11の温度を上昇させる加熱手段15を有する。加熱手段15としては、例えば、車両用の暖機装置等を用いることができる。さらに、非水二次電池10には、捲回体20内の抵抗値を測定する抵抗測定手段16が設けられている。抵抗測定手段16は、例えば、非水二次電池10の電圧変化値を車両のエンジン始動時に流す電流値で除算することにより抵抗値を算出する。
【0025】
図3は、捲回体20の構成を示す模式図である。図3に示すように、捲回体20は、正極シート21、負極シート22、正極活物質層23、負極活物質層24、セパレータ25、マイクロカプセル26を備える。セパレータ25には、マイクロカプセル26が保持されている。
【0026】
捲回体20は、セパレータ25にマイクロカプセル26が保持されている点を除いて、通常のリチウムイオン電池の捲回体と同様である。正極活物質層23、セパレータ25、負極活物質層24がこの順で、長尺状の正極シート21と負極シート22との間に配置されている。この長尺状の積層体が、扁平に捲回されて捲回体20が構成される。
【0027】
正極シート21、負極シート22には、これらの両電極シートと活物質層、セパレータ25が捲回されたコア部分から外側にはみ出した部分がある。正極シート21のコア部分から外側にはみ出した部分には、正極端子13の一端が接続される。負極シート22のコア部分から外側にはみ出した部分には、負極端子14の一端が接続される。正極端子13、負極端子14の他端は、蓋体12から外部に引き出されている。
【0028】
なお、正極シート21、負極シート22、正極活物質層23、負極活物質層24、セパレータ25としては、従来のリチウムイオン電池に備えられる電極体と同様のものを用いることができる。
【0029】
正極シート21と負極シート22との間に配置されるセパレータ25としては、捲回体を備える従来のリチウムイオン電池のセパレータと同様の各種多孔質シートを用いることができる。本実施の形態に係る非水二次電池10では、セパレータ25には、第2電解液を内包するマイクロカプセル26が保持されている。
【0030】
非水二次電池10は、捲回体20内の抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、第1電解液より高濃度の第2電解液を捲回体20内に供給することを特徴としている。本実施の形態に示す例では、マイクロカプセル26が第2電解液の供給手段となる。
【0031】
マイクロカプセル26の外殻は、60〜80℃の所定の温度で溶解、分解するものが用いられる。このような外殻を構成し得る材料としては、例えば、高分子材料、脂肪族炭化水素化合物、アルコール、エステル、脂肪酸等があげられる。非水二次電池10が車両に適用される場合において、通常の車両の使用時には、非水二次電池10が60℃以上となることはないため、マイクロカプセル26は溶解しない。
【0032】
マイクロカプセル26には、第1電解液のリチウム濃度よりも濃度が高い第2電解液が内包されている。第2電解液として、捲回体20に予め含浸された第1電解液と実質的に同組成のものを用いることができる。また、第2電解液の溶媒としては、例えば、第1電解液の構成成分として用いられる各種の非水溶媒のうちの一種以上を採用することができる。第2電解液を構成する支持塩としては、電解液の支持塩として例示した各種の支持塩が挙げられる。
【0033】
ここで、図4を参照して、第2電解液の供給タイミングを決定する閾値について説明する。図4は、非水二次電池10における第2電解液の供給タイミングを決定するための閾値について説明する図である。図4は、異なるリチウム濃度の電解液A、Bをそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合の抵抗値の変化を示している。
【0034】
図4において、横軸はハイレートでの充放電のサイクル数(cyc)を示しており、縦軸は捲回体20内の抵抗値を示している。電解液Bのほうが電解液Aよりもリチウム濃度が高いものとする。
【0035】
図4の鎖線円中に示すように、初期の段階では、低濃度の電解液Aを用いた場合のほうが高濃度の電解液Bを用いた場合よりも抵抗値が小さい。しかし、サイクル試験を繰り返し行うと、図4中矢印で示すように、電解液Aと電解液Bの抵抗値の大小が逆転する点が存在する。
【0036】
さらにサイクル試験を繰り返した場合、低濃度の電解液Aと比較すると、高濃度の電解液Bでは抵抗値の上昇が緩やかになる。このことから、高濃度の電解液のほうがハイレート耐性に優れているということが分かる。
【0037】
そこで、本実施の形態では、濃度の異なる電解液をそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に捲回体内の抵抗値の大小が逆転する点での抵抗値を閾値とする。
【0038】
ここで、図5を参照して、第2電解液の供給タイミングについて説明する。図5は、非水二次電池10における、第2電解液の供給タイミングを説明するための図である。図5において、横軸はハイレートでの充放電のサイクル数(cyc)を示しており、縦軸は捲回体20内の抵抗値を示している。
【0039】
図5中、破線は第2電解液を注入しなかった場合の抵抗値の変化を示しており、実践は第2電解液を注入した場合の抵抗値の変化を示している。上述の通り、図5における閾値は、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に抵抗値の大小が逆転する点である。
【0040】
まず、第1電解液を含浸させた捲回体20内の抵抗値を抵抗測定手段16により測定する。その抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、当該第1電解液より高濃度の第2電解液を捲回体20内に供給する。図5からわかるように、第2電解液を注入した場合、注入しなかった場合と比較すると、抵抗値の上昇を抑制することができる。これにより、ハイレート劣化耐性を向上させることができ、電池の長寿命化を実現できる。
【0041】
第2電解液を供給した後の電解液の濃度が、初期の第1電解液の濃度よりも高くなることが好ましい。これにより、さらに効果的に、ハイレート劣化耐性を向上させることが可能となる。
【0042】
本実施の形態では、第2電解液の供給手段として、所定の温度で溶解するマイクロカプセル26を用いている。捲回体20の抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、加熱手段15によりセル11を加熱する。セル11内の温度がマイクロカプセル26の外殻が溶解する温度に達すると、マイクロカプセル26が溶解し、捲回体20内に第1電解液よりも高濃度の第2電解液が供給される。
【0043】
このように、本実施の形態では、セル11の温度を上昇させることによって、捲回体20内に高濃度の第2電解液を供給している。このため、注液栓を開けることなく、容易に第2電解液を供給して、電解液濃度を高めることができる。
【0044】
ここで、捲回体20内に供給する第2電解液の濃度について、図6を参照して説明する。図6は、異なるリチウム濃度の電解液A、B、Cをそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合の抵抗値の変化を示している。電解液濃度は、電解液A<電解液B<電解液Cであるものとする。
【0045】
図6に示すように、電解液のリチウム濃度が高くなると、ハイレート劣化耐性が向上する。しかし、ある値を超えるとそれ以上ハイレート劣化耐性は向上しなくなる。また、電解質濃度が高いと初期の抵抗値が高くなり、第2電解液を供給する際の捲回体20の抵抗値の閾値が大きくなる。
【0046】
従って、供給される第2電解液のリチウム濃度は、充放電を繰り返した際に抵抗値の上昇が抑制されるように設定される。また、第1電解液のリチウム濃度は、初期の抵抗が低くなるように設定される。
【0047】
図6において、電解液Aのリチウム濃度は1.0mol/Lであり、電解液Cのリチウム濃度は2.0mol/Lである。従って、第2電解液を供給した後の塩濃度範囲を、例えば1.0mol/Lより大きく、2.0mol/Lより小さい範囲とすることにより、充放電を繰り返した際に抵抗値の上昇を抑制することが可能となる。
【0048】
以上説明したように、本発明では、第1電解液を含浸させた捲回体20内の抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、第1電解液より高濃度の第2電解液を捲回体20内に供給する。これにより、抵抗値の上昇を抑制することができ、ハイレート劣化耐性を向上させることができ、電池の長寿命化を実現できる。
【0049】
なお、上述の実施の形態では、供給手段としてマイクロカプセルを用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、注液栓を開け、注射器等で第2電解液を補充してもよい。また、マイクロカプセル内に第2電解液を内包する例に限らず、マイクロカプセル内に第1電解液に含まれる支持塩と同一のものを内包してもよい。
【0050】
上述の実施の形態では、セパレータ25にマイクロカプセル26が保持されている例を示したが、これに限定されない。マイクロカプセル26が捲回体20内のいずれの場所に保持されていても、同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0051】
10 非水二次電池
11 セル
12 蓋体
13 正極端子
14 負極端子
15 加熱手段
16 抵抗測定手段
20 捲回体
21 正極シート
22 負極シート
23 正極活物質層
24 負極活物質層
25 セパレータ
26 マイクロカプセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電解液を含浸させた捲回体と、
前記捲回体内の抵抗値を測定する抵抗測定手段と、
前記抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、前記第1電解液より高濃度の第2電解液又は支持塩を前記捲回体内に供給する供給手段と、
を備える非水二次電池。
【請求項2】
前記閾値は、前記第1電解液と前記第2電解液をそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に抵抗値の大小が逆転する点での抵抗値である請求項1に記載の非水二次電池。
【請求項3】
前記第2電解液を供給する供給手段は、
前記捲回体内に配置され、所定の温度で溶解する、前記第2電解液又は支持塩を内包したマイクロカプセルと、
前記第1電解液の抵抗値が閾値を超えた場合に、前記捲回体が配置されるセル内の温度を前記所定の温度以上に上昇させる手段と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の非水二次電池。
【請求項4】
前記第2電解液を供給した後の電解液の濃度は、前記第1電解液の濃度よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水二次電池。
【請求項5】
前記供給手段は、
前記捲回体内に前記第2電解液又は支持塩を供給するための注液栓を有し、
前記注液栓から、シリンジを介して前記第2電解液又は支持塩を注入する請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池。
【請求項6】
第1電解液を含浸させた捲回体内の抵抗値を測定し、
前記抵抗値が所定の閾値を超えた場合に、当該第1電解液より高濃度の第2電解液又は支持塩を前記捲回体内に供給する、
非水二次電池の制御方法。
【請求項7】
前記閾値は、前記第1電解液と前記第2電解液をそれぞれ電解液として用いた非水二次電池において、充放電を繰り返すサイクル試験を実施した場合に抵抗値の大小が逆転する点での抵抗値である請求項6に記載の非水二次電池の制御方法。
【請求項8】
前記第1電解液の抵抗値が閾値を超えた場合に、前記捲回体が配置されるセル内の温度を上昇させ、前記第2電解液又は支持塩を内包したマイクロカプセルを溶解させ、前記第2電解液を前記捲回体内に流出させることを特徴とする請求項6又は7に記載の非水二次電池の制御方法。
【請求項9】
前記第2電解液を供給した後の電解液の濃度が、前記第1電解液の濃度よりも高くなるように、前記第2電解液を供給することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の非水二次電池の制御方法。
【請求項10】
前記捲回体内に前記第2電解液又は支持塩を供給するための注液栓を開け、前記注液栓から前記第2電解液又は支持塩を注入する請求項6〜9のいずれか1項に記載の非水二次電池の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−98064(P2013−98064A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240835(P2011−240835)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】