説明

非水性洗濯能力を提供する方法

開示されているものは、a)非水性洗濯装置(30)を提供すること;b)非水性洗濯装置(70)を設置すること;及び/又はc)非水性洗濯装置(70)のサービスをすることを含む、非水性洗濯能力を提供する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水性洗濯能力を家庭のユーザーに提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
何世紀にもわたって、布地物品は、水系のプロセスにより洗浄されてきた。前世紀において、この雑用は自動洗濯機の開発により著しく簡素化された。しかし、洗濯プロセスは著しく簡素化されているが、自動洗濯機を使用する家庭の洗濯プロセスでさえも、依然として色及び生地によりかなりの量の布地物品を予め仕分ける必要がある。典型的には、白物は着色布地物品と分けて洗浄され、色鮮やかな布地物品(例えば、濃い赤色と青色の色物)は、色つきの少ないものと分けて洗浄される。洗濯されるべき布地物品が「ドライクリーニング専用」物品を包含する場合、更なる仕分け及び取り扱いが必要となる。
【0003】
最近になって、節水努力及び環境問題が、洗濯機製造業者及び洗剤製造業者を家庭用洗濯プロセスで必要とされる水の量を減らすようにさせている。しかし、そのような努力は、主に水系プロセスの洗浄媒質を変えるというよりも、洗浄媒質による水の消費量を減らすことに焦点を当てている。
【0004】
同時に、商業用のドライクリーニングプロセスの洗浄媒質として、「パーク」(Perc)(ペルクロロエチレンの省略)の使用についての懸念が生じている。これらの懸念は、パーク系プロセスに対する相当数の提案された代替案の開発をもたらしたが、現在までのところ他の全ての代替案は未だに広く使用されていない。これらの代替案の例には、炭化水素類及び液体二酸化炭素系洗濯プロセスが挙げられる。商業用のドライクリーニング分野でパークの代替品として最近になって提案された選択肢は、「ドライクリーニング専用」布地物品の洗浄溶液としてのシロキサン類の使用に関わる(例えば、米国特許第5,942,007号(1999年8月24日);同第6,042,617号及び同第6,042,618号(両方とも2000年3月28日);同第6,056,789号(2000年5月2日);同第6,059,845号(2000年5月9日);並びに同第6,063,135号(2000年5月16日)を参照すること)。
【0005】
洗濯プロセスの更なる簡素化及び水系家庭用洗濯プロセスのみに頼るのをやめることは、洗濯プロセスで親油系洗浄媒質を使用することにより可能であることが本発明によって発見された。例えば、家庭又はセルフサービスコインランドリーで利用される場合、このプロセスはユーザーのドライクリーニング専用布地物品のみならず、従来から水洗浄媒質で洗浄される「洗濯機洗い用」物品のパーソナルクリーニングを可能にする。更に、ユーザーがそのような物品を分けて洗浄することを依然として選択する可能性があるが、本発明のプロセスは、ユーザーが、自由に「ドライクリーニング専用」と「洗濯機洗い用」物品の混合洗濯物を洗浄することにより洗濯プロセスを著しく簡素化し、それにより予め仕分けする努力を大幅に減らすことを可能にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
存在する非水性洗濯装置は、商業用のドライクリーニング操作用に設計されており、従ってこれらの装置は、嵩高すぎて典型的な家庭用住宅内に容易に収めることができない。商業用装置の小型化は、蒸留ユニット及び他のコンポーネントが大規模操作を扱うように設計されているので困難である。従って、困難を伴わずに家庭用住宅に全体又は一部を送り届けることができる、好適に小さいコンポーネントで設計される非水性洗濯装置を有することが望ましい。
【0007】
更に、コンポーネントは使用により破損してもよいか、又は消費されてもよく、従って、コンポーネントの修理及び/又は交換は、日常保守の一部となる。加えて、コンポーネントの機能及び/又は設計の改良が実施されるとき、全く新しい装置を購入することなしに、性能が向上した装置を組み込むことができることが望ましい。従って、家庭内洗濯装置用に好適に小さいサイズを有する容易に交換可能及び/又は性能向上可能なコンポーネントから構成される、家庭内非水性洗濯装置を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様において、(a)非水性洗濯装置を提供すること;(b)非水性洗濯装置を設置すること;及び/又は(c)非水性洗濯装置のサービスをすることを含む、非水性洗濯能力を提供する方法に関する。本発明の別の態様において、(a)非水性洗濯装置を設置すること;及び(b)非水性洗濯装置のサービスをすることを含む、非水性洗濯能力を提供する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明を特に示し、明確に特許請求している請求項で明細書が終了しているが、本発明の特定の態様は、添付図面と併せることにより下記の好ましい実施形態の記載からより良く理解されると考えられ、ここで、同様の数字は、図の全体にわたって同じ要素を示し、最後の2桁が同じ数字(例えば、20及び120)は、同様又は対応する要素を示唆しており、
特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0010】
特に指定される場合を除き、分量、百分率、部分、及び比率を含む全ての量は、「約」という言葉により加減されると理解され、量は有効数字を示すことを意図していない。
【0011】
特に指定のない限り、冠詞「a」、「an」及び「the」は、「1つ又はそれ以上」を意味する。
【0012】
本明細書において、「及び/又は」は、主題X若しくは主題Y又はその両方を意味する。
【0013】
本明細書において、「自動家庭用洗濯プロセス」は、好ましくはユーザーの住宅内に置かれる自動洗濯機を使用するユーザーにより行われるような洗濯プロセス(本明細書においては、「家庭内」で行われるプロセスと称される)を意味するが、またユーザーがあたかも自動洗濯機が家庭内に存在するように実質的に同じ洗濯プロセスに従う共同コインランドリーも挙げられる。
【0014】
本明細書において、「含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載される追加又は任意の成分、構成要素、工程、又は制限のいずれかを含む、それらから成る、及びそれらから本質的に成ることができる。
【0015】
本明細書において、「家庭ユーザー」は、個人及び/又は家族及び/又は友人の布地物品を洗濯するための非水性洗濯装置を使用する個人を意味する。
【0016】
本明細書において、「ドライクリーニング専用の布地物品」は、従来の水性自動家庭用洗濯プロセスによる洗濯には安全でなく、代わりにパークのような従来の非水性溶媒による特殊な取り扱いが必要であることが布地業界及び消費者により容易に識別される布地物品を意味する。ここでまた消費者は、「ドライクリーニング専用」又は何らかの同様の表示により布地物品を識別する製造業者のタグ(以降、「ケアラベル」と称する)による布地物品のこの識別によって、たびたび助けられる。
【0017】
本明細書において、「布地物品」は、従来の洗濯プロセス又はドライクリーニングプロセスで慣例的に洗浄されているあらゆる物品を意味する。そのような用語は、衣類、亜麻布製品及び掛け布の物品、衣類アクセサリー、並びに敷物を包含する。この用語はまた、トートバッグ、家具カバー、防水布など、全体的に又は部分的に布で作られた他の品目も包含する。
【0018】
本明細書において、「専門ユーザー」は、1)他者への有料のサービスとして布地物品の洗濯の非水性洗濯装置を使用する、及び/又は2)他者が装置で布地物品を洗濯する目的で他者へ洗濯装置へのアクセスを(典型的には、コインランドリーの場合は料金を徴収して)提供する、個人又は存在を意味する。
【0019】
本明細書において、「機械洗濯可能な布地物品」は、従来の水性自動家庭用洗濯プロセスによる洗濯に安全であることが布地業界及びユーザーにより容易に識別される布地物品を意味する。ユーザーは、「機械洗濯可能」又は何らかの同様の表示により布地物品を識別するケアラベルによる布地物品のこの識別によって、たびたび助けられる。
【0020】
本明細書において、「洗浄媒質」は液体であり(流体及び/又は溶液及び/又は溶媒及び/又はエマルションが挙げられるが、それらには限定されない)、これは、自動家庭用洗濯プロセスの間に洗濯物中の布地物品を濡らすために使用される。
【0021】
本発明の実施形態は、次の工程の1つ以上を含む非水性洗濯能力を提供する方法に関する:a)非水性洗濯装置を提供すること、b)非水性洗濯装置を設置すること、及び非水性洗濯装置をサービスすること。好ましくは、本方法は、これらの工程のうちの2つ、より好ましくは3工程の全てを含む。
【0022】
A.非水性洗濯
本明細書において、「非水性洗濯」は、布地物品を、親油性流体を含む洗浄流体と接触させ、布地物品から洗浄流体の一部を除去することを含む、布地物品を処置及び/又は洗浄するプロセスを意味する。
【0023】
本明細書において、「非水性」は、水を実質的に含有しない親油性流体を含む洗浄流体を意味する。親油性流体は、単独で又は補助剤物質と組み合わせて使用され、消費者の衣類に適切な洗浄を提供し、同時に伝統的な水性(水)洗濯により起こされる典型的な衣類の損傷を最小限度にすることができる。本発明の方法は、a)非水性洗濯装置を提供すること;b)非水性洗濯装置を設置すること;及び/又はc)非水性洗濯装置のサービスをすることを含む、非水性洗濯能力を家庭ユーザーに提供することを対象とする。
【0024】
別個の実施形態において、自動洗濯機は、「二方式洗濯機」であることができる。本明細書において、「二方式洗濯機」は、水性洗濯サイクルを有する伝統的な水性自動洗濯機として、或いは家庭若しくは専門ユーザーのいずれかの入力又は自動決定システムに基づく非水性自動洗濯機として、のいずれかで機能する能力を有する一体成形の装置を意味する。
【0025】
本発明の方法は、非水性洗濯レジメンにおいて改良された布地洗浄を達成することを対象とし、布地物品を親油性流体に曝す工程と布地物品を特定の布地ケア活性物質に曝す工程とを含む。任意ではあるが好ましくは、これは布地物品を極性相に曝す工程を含んでもよい。
【0026】
極性相は、水、アルコール、又はこれらの混合物を包含してもよい。極性相が水を包含する場合には、好ましくは、対象布地物品の少なくとも約0.5重量%の水、対象布地物品の最大10重量%の水を含む。
【0027】
親油性流体は、直鎖シロキサン、環状シロキサン、又はその混合物を含んでもよい。好ましくは、親油性流体は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、及びこれらの混合物から成る群から選択される。さらにより好ましくは、親油性流体はデカメチルシクロペンタシロキサンを含む。最も好ましくは、親油性流体はデカメチルシクロペンタシロキサンを含み、オクタメチルシクロテトラシロキサンを実質的に含まない。前述のシロキサン類の引火点のため、本方法は好ましくは約80℃未満で行う。
【0028】
B.非水性洗濯装置の提供
本発明の実施形態は、非水性洗濯装置(「NALA])を提供する工程を包含する。NALAは家庭ユーザーに提供されてよい。NALAは家庭用住宅に適合するように設計されているが、これは制限的であることを意味せず、NALAは、また、専門又は商業ユーザー(例えば、コインランドリー経営者)にも提供されることができる。NALAは、NALAを対象のユーザーに販売又は貸出することにより提供されてよい。
【0029】
NALAが家庭用の目的のため家庭ユーザーにより使用されるとき、機械は家庭に適合するのに十分な寸法でなければならない。従って、NALAは標準的な戸口を通り抜けることが望ましい。代替的な実施形態において、NALAは、ばらばらにされて送り届けられ、現地で組み立てられ、それぞれのセクションは、標準的な戸口を通り抜ける寸法を有する。別個のセクションにすることができるNALAのコンポーネントには、親油性流体、洗浄物質、又はこれらの混合物を貯蔵する1つ以上の取り外し可能な貯蔵タンク;回収タンク、1つ以上のフィルタ、又はこれらの組み合わせを含む非蒸留回収システム;スマートコントロールシステム(smart control system)、電気機械式コントロールシステム、又はその両方であってもよいコントロールシステム;アプリケータ;布地収容チャンバ、外側チャンバ及びチャンバの駆動機構が挙げられるが、それらには限定されない。
【0030】
組み立てられると、NALAは、自動洗濯機と自動衣類乾燥機を組み合わせた現行の設置面積の幅及び奥行き以下の設置面積を有することが好ましいが、そうである必要はない。従ってNALAの一つの実施形態において、NALAの全体寸法は、奥行き約68.5cm〜約137cm〔より高い範囲がデュアル・モード装置(すなわち、洗濯機と乾燥機の機能の両方を行うことができる装置)を収めるために十分である〕;幅約76cm;及び高さ約139.7cm〜約297.4cmを有する。別の実施形態において、NALAのそれぞれのセクションは、完全に組み立てられたNALAに対応する寸法以下の寸法を有する。
【0031】
加えて、NALAは、設置場所に親油性流体なしで送り届けられてもよい。
【0032】
C.非水性洗濯装置の設置
本発明の別の実施形態は、NALAの設置工程を包含する。NALAは、商業用の場所(例えば、商業用ドライクリーナー、セルフサービスコインランドリー、共同住宅の共有領域など)、又は家庭の場所(例えば、家庭ユーザーの住宅、アパート、移動住宅など)に設置されてよい。設置は、単にNALAの配達及び解梱のみに関わってもよく、それは親油性流体及び/又は補助剤物質の外部供給源を必要としないNALAである(例えば、親油性流体は、NALAに自蔵されており、補助剤物質も自蔵されている、及び/又はユーザーによりNALAに直接添加されてもよい)。あるいは、設置はNALAを次の1つ以上と接続することを更に含む:親油性流体供給源、水源、衝突ガス供給源、補助剤物質供給源、配管類、設置場所の外側への排水、及び設置場所の外側への換気。ほとんどの場合、NALAは、設置の際に又はユーザーにより設置の後で容易に電源に接続される。
【0033】
一つの実施形態において、NALAは、次の1つ以上がNALAに収容されずに設置場所に送り届けられる:親油性流体、衝突ガス、及び/又は補助剤物質。そのような実施形態において、設置工程は、設置場所でのそのような流体、ガス及び/又は補助剤物質のNALAへの添加を更に包含してよい。
【0034】
設置は、NALAが正常に作動する状態であることを確認するため、設置者によりNALAを試験することを更に包含する。
【0035】
別の実施形態において、設置は、ユーザーにNALAの使い方を訓練する資料(例えば、ハード・コピー、ビデオ、又はコンピュータ・ファイルの取扱説明書)を提供することを包含してもよい。あるいは、そのような訓練は、設置者がNALAの操作法をユーザーに物理的に実演することによって提供されてもよい。
【0036】
「二方式洗濯機」(下記で定義される)の一つの実施形態において、水性洗濯サイクルが、伝統的な水性自動家庭用洗濯プロセスに使用されることができ、非水性洗濯プロセスが、布地物品をケアするために専門的なドライクリーナーの使用を消費者に指示するケアラベルを有する布地物品に使用されることになる。この実施形態において、ユーザーは、所定の洗浄作業用に最良のサイクルを選択し、ケアラベルを考慮して全ての布地物品を洗濯する柔軟性を有することになる。
【0037】
NALAが伝統的な水性洗濯サイクルも行う追加的な能力を有するか、又は非水性洗濯サイクルのみを有するかに関わらず、ユーザーは、最適な性能を達成するために、非水性自動洗濯機の操作法を訓練される必要がある。この訓練は、非水性自動洗濯機の操作法、また非水性/水性洗濯に適切なドライクリーニング専用布地物品及び/又は機械洗濯可能布地物品の選択方法に関する指示を含む。これには、購入時の販売員による指示、設置の際の訓練、オンラインウエブサイト訓練資料、ビデオトレーニング、プロセスを通してユーザーを導く対話型(interactive)・タッチ・パネル・ディスプレーを包含する機械上の指示を挙げてもよいが、それらには限定されない。
【0038】
D.非水性洗濯装置のサービス
本発明の別の実施形態は、NALAをサービスする工程を包含する。時間とともに少量の親油性流体がNALA内で洗浄される布地物品上の保持によりNALAから漏れる可能性がある、及び/又は機械部品が摩耗する可能性がある。加えて、ユーザーは、NALAにあらゆる補助剤を全く添加する必要がないという利便性を好む可能性がある。そこでサービス工程はこれらの必要性の1つ以上に対処することを包含してもよい。
【0039】
サービスは、設置場所で行われてよいか、又はNALAを設置場所からサービス用の別個のサービスサイトに移動することを伴ってもよい。
【0040】
一つの実施形態において、サービスには、NALAの全ての機械的、電気的及び/又は化学的コンポーネントを調べること、並びに交換/機能向上の必要なそのようなコンポーネントを交換する及び/又はそのようなコンポーネントの性能を向上させることが挙げられる。
【0041】
別の実施形態において、サービスには、NALAの全てのセクションを調べること、セクションを修理すること、セクションの定期保守を行うこと、セクションを新しい同一のセクション又は性能を向上させたセクションと交換することが挙げられる。装置の全体を交換することなくNALAのセクションの性能を向上させる能力は、経済的に魅力のある特徴である。アプリケータ、蒸留システム、貯蔵タンク、コントロールシステムがそれらの例である。
【0042】
別の実施形態において、サービスには、サービスの前に使用中に失われた可能性のあらゆる親油性流体を交換すること及び/又は補充することが挙げられる。あるいは、サービスには、NALAからの親油性流体の完全な除去及び新たな親油性流体との交換を挙げてもよい。別の実施形態において、親油性流体は、サービス技術者によりサービスする場所で除去及び洗浄され(すなわち、NALAにおける使用で取り込んだ可能性のある皮脂のようなあらゆる不純物が除去される)、新しくなった親油性流体がNALAに戻される。サービスする場所が設置場所でもある場合は(例えば、ユーザーの家)、サービス技術者は、親油性流体のそのような洗浄用の携帯型洗浄システムを持ってきてもよい。
【0043】
サービスには、また、消費される物質(例えば、衝突ガス及び/又は補助洗浄物質)をNALAに加えること及び/又は交換することを挙げてもよい。サービスには、また、相対的に耐久性のある物質(例えば、フィルタ)を交換すること及び/又は新品同様にすることが挙げられる。これらの物質のうちの幾つかは、1サイクル、好ましくは1サイクルを超えた後でサービスを受ける必要があり、他の材料は、複数回のサイクルの後でのみサービスを受ける必要がある。
【0044】
サービスには、更に、NALAをユーザーが使用してきた同一のモデルと、又は性能を向上させたモデルと交換することを挙げてもよい。
【0045】
NALAの特定の実施形態は、1回を超える自動洗濯プロセスのために親油性流体を洗浄及び再使用する能力を含んでもよい。複数回の使用のために親油性流体を洗浄する好ましい手段は、交換フィルタである。そのようなフィルタには、好ましくは、自動家庭用洗濯プロセスの間に布地物品から除去された少なくとも体の汚れを除去及び収集することができるフィルタ物質が挙げられる。活性炭、シリカ類、モレキュラーシーブ類、及び/又は疎水変性紙類が、そのようなフィルタ類のほんの幾つかの任意構成成分である。NALAへの取付けは、好ましくはユーザーが定期的な間隔で容易に交換できるような方法によってである。しかし、サービスには、また、サービス技術者によるそのようなフィルタ類の洗浄及び/又は交換を挙げることができる。
【0046】
サービスは、必要に応じて提供されてもよい。例えば、ユーザーは消費される物質の状況及び/若しくはサービスを受けるコンポーネントの状態を調べてもよいか、又は装置のセンサーにより知らされてもよく、修理及び交換を包含するサービスのためにサービスセンターに通知してもよい。装置は、いつサービスが必要かを示す自己診断能力を備えたスマートマシーン(smart machine)であってもよく、サービス情報が送信され、ユーザーの介入なしにサービスが通知できるようにサービスセンターに接続されていてよい。サービスは、また、サービス技術者が定期的に検査、保守及び/又は修理作業を行うように、例えばサービス及び/又は保守契約により定期的な間隔で提供されてもよい。サービスは、上記の組み合わせとして提供されてもよい。
【0047】
E.非水性洗濯装置(NALA)
本発明に有用なNALAは、布地物品を受け取ることができるチャンバ、チャンバに添加できる洗浄物質(例えば、親油性流体を包含する)、及びチャンバから洗浄物質を除去する手段を包含する。適切な例はPCT国際公開特許WO01/94675に記載されている。別の好適な例は、EP1 103 646:PCT国際公開特許WO02/08510;米国特許第5,940,988号;米国特許第4,765,161号;米国特許第5,652,194号;及び米国特許第6,346,126号に記載されている。
【0048】
NALAシステム70の一つの好ましい実施形態が図1に示されており、処理される布地物品及び洗浄物質(示されていないが、本明細書下記で記載される)を受け取ることができる布地収容チャンバ1を含み、処置される布地物品が布地収容チャンバ1に存在する場合、洗浄物質は、布地収容チャンバ1に導入されてよい。NALA70は、布地収容チャンバ1に保持されない洗浄物質を布地収容チャンバ1から受け取ることができる外側チャンバ2を更に含む。外側チャンバ2は好ましくは、布地収容チャンバ1を収容する。布地収容チャンバ1及び外側チャンバ2は、好ましくは円筒形の構造であり、図2で示されるように水平出入開口部58及び59をそれぞれ有する。好ましくは布地収容チャンバ1に対して静止している外側チャンバ2の水平中心線は、外側チャンバ2内に移動可能に取り付けられている移動可能な布地収容チャンバ1の回転100の軸線と一致する。外側チャンバ2は、好ましくは出口又はドレン7を含み、それを通して外側チャンバ2により受け取られる洗浄物質が外側チャンバ2から出る。布地収容チャンバ1は、好ましくは駆動軸49により外側チャンバ2に回転可能に固定されている(図2)。図2の断面図では、外側チャンバ2は、外側端縁を有する円形の扉59を有してもよく、扉59は、開閉することが可能であり、NALA70から布地物品を取り出すために使用されてもよい。布地収容チャンバ1は、NALA70から布地物品を取り出すために使用される出入開口部58を有してもよく、それは好ましくは外側チャンバ2の扉59の外側端縁と同心円状に揃っている。NALA70が作動中の場合、扉59は閉鎖位置にあり、NALA70が作動中の場合は好ましくは固定手段(図示せず)により固定されている。
【0049】
少なくとも1つの大型貯蔵タンク19が洗浄物質を収容してよい。別の実施形態において、洗浄物質は、また、1つの大型の貯蔵タンク20に存在していてもよい。これは、大型貯蔵タンク19又は20の内容物を、好ましくはスプレーノズルであるアプリケータ26を介して布地収容チャンバ1に放出する前に混合する必要性を省くことができる。あるいは、大型貯蔵タンク19からの洗浄物質は、小型の貯蔵タンク27及び28に貯蔵されていてもよい他の洗浄物質(例えば、補助剤物質)と混合されてもよい。これらの小型の貯蔵タンク27及び28は、NALA70の布地収容チャンバ1に存在する布地物品上に適用されることが意図される、1つ以上の洗浄物質を収容する。
【0050】
ユーザーの利便性のために、大型貯蔵タンク19及び20、並びに小型貯蔵タンク27及び28は、所望によりNALA70から取り外し可能であってよい。次に貯蔵タンク19、20、27及び28は、再生利用(recycle)されてよいか、又は補充され、装置に再び取り付けられることができる。あるいは、貯蔵タンク19、20、27及び28は、例えば、交換カートリッジとして交換又は使い捨てされてもよい。一つの好適な操作様式において、大型貯蔵タンク19及び20は、再生利用可能であるか、NALA70に恒久的に固着されているか、又は訓練されたサービス技術者によってのみ取り外し可能であるが、小型貯蔵タンク27及び28は、別個に販売されているか、又は本明細書下記で考察されているキットの一部として、ユーザーによって交換可能なカートリッジである。
【0051】
一つの様式において、貯蔵タンク19、20、27及び28の内容物が消費されると、空の貯蔵タンク19、20、27及び28は取り外され、所望の洗浄物質を収容する同様の貯蔵タンク19、20、27及び28と交換され、又は異なる利益、例えば、洗浄利益、帯電防止利益、家庭用耐水性などを提供するように、その中に収容される洗浄物質が異なる貯蔵タンク19、20、27及び28と交換される。一つの実施形態において、貯蔵タンク19、20、27及び28はユーザーにより廃棄されるか、又はサービス技術者、小売業者、卸売業者、若しくは製造者のような第三者により所望の洗浄物質の必要量で補充されるために返却されるかのいずれかであってよい。あるいは、大型貯蔵タンク19又は20の一方のみが取り外し可能であってよく、大型貯蔵タンク19又は20の他方は、NALA70に恒久的に取り付けられていてもよい。同様に、別の可能な代替案は、小型貯蔵タンク27又は28の一方のみが取り外し可能であってよく、小型貯蔵タンク28又は29の他方は、NALA70に恒久的に取り付けられていてもよい。NALA70に恒久的に取り付けられている大型貯蔵タンク19及び20又は小型貯蔵タンク28及び29のいずれも、再密閉可能な蓋のような閉鎖手段(図示せず)を有してもよい。
【0052】
所望の洗浄物質が、好ましくはポンプ24によりポンプで送られることによりアプリケータ26に送達される。大型貯蔵タンク19及び20に貯蔵されている洗浄物質は、ポンプにより、ライン22及び21をそれぞれ通って、最初にバルブ23を通り、次にポンプ24を通り、最後にライン25を通ってアプリケータ26へ送られる。
【0053】
ひとたび洗浄物質が布地物品チャンバ1に入ると、外側チャンバ2に収集される。洗浄物質は、ドレン7を使用して外側チャンバ2から出て、次に回収タンク8に入る。洗浄物質を回収タンク8に送達する前に、洗浄物質はフィルタ6で濾過される。好ましくは、空気圧縮機(図示せず)が大型貯蔵タンク19及び20、並びに小型貯蔵タンク27及び28のそれぞれに圧縮ラインにより接続されている。洗浄物質を運ぶ他の手段には、重力、遠心力、ダイアフラム、ピストン、又は蠕動ポンプを挙げてもよい。
【0054】
フィルタ6は、糸屑、布地繊維及び大きい粒子状の汚れを、それらが回収タンク8の底に沈殿して下流のラインを詰まらせないように除去する。また、ポンプ10が一般に固形物でより容易に損傷を受けるタイプである典型的な高圧ポンプであるので、フィルタ6はポンプ10の信頼性のある操作を確実にする。
【0055】
好ましい実施形態において、NALAは幾つかのタイプのコントロールシステムを収容する。そのようなコントロールシステムには、いわゆるスマートコントロールシステム(smart control system)、並びにより伝統的な電気機械システムのような電気システムが挙げられる。コントロールシステムによって、ユーザーは、洗浄される洗濯物の量、汚れの種類、汚れの程度、洗浄サイクルの時間を選択することが可能になる。あるいは、ユーザーは、予め設定された洗浄及び/又はリフレッシュサイクルを用いることができるか、又は装置は、確認可能なあらゆる数のパラメータに基づいてサイクルの長さを制御することができる。このことは、電気コントロールシステムについて特にあてはまる。例えば、親油性流体の回収率が定常の率に達したとき、装置は定められた時間の後で自らを停止させるか、又は親油性流体の別のプロセスを開始することができる。
【0056】
電気コントロールシステムの場合、1つの選択肢はコントロールデバイスをいわゆる「スマートデバイス」にすることである。このことは、自己診断システム、洗濯物の種類及びサイクルの選択、機械をインターネットに接続してユーザーが装置を遠隔的に始動させ、装置が布地物品を洗浄したら知らせること、又は装置が故障した場合、供給元が遠隔的に問題を診断することを包含することを意味するが、これらに限定されない。そのうえ、本発明の装置が単に洗浄システムの一部であるならば、いわゆる「スマートシステム」は、洗濯機や乾燥機のような洗浄工程の残りを完了するのに用いられるその他の洗浄装置と連通することができる。
【0057】
本発明のプロセスに有用なNALAの他の例には下記が挙げられる。
【0058】
米国特許第6,059,845号(2000年5月9日発行)及び米国特許第6,063,135号(2000年5月16日発行)で記載された浸漬型商業用ドライクリーニングプロセスのために定義された種々のコンポーネントを有する装置が、家庭用のサイズ及びユーザー保守用に変更された場合、本発明のプロセスの実施に使用することができるが、本発明にとって浸漬プロセスは、好ましくない。理由には、洗濯する場所での、特に洗浄する場所が家庭内である場合での大量の親油性流体を供給、貯蔵及び洗浄することに関わる制約(商業用ドライクリーナーのサイズ及びこれらの特許において教示される操作に対する)が挙げられる。
【0059】
これらの理由により、本明細書前記で記載された低量の洗浄媒質により布地物品を完全に濡らす均一スプレープロセスを利用するような低量洗浄プロセスを提供する装置が、極めて好ましい。例えば、水洗浄媒質ではなく低レベルの親油性流体を含有する洗浄媒質を放出するための従来の低水洗浄器具の変更が考慮されるべきであり、そのような従来の水洗浄器具は、例えば、米国特許第4,489,574号、同第4,489,455号、同第5,191,669号、同第5,191,668号、同第5,233,718号、及び同第5,671,494号で記載されている。そのような低量洗浄に有用なより好ましい自動洗濯機は、米国特許出願60/209468(2000年6月5日出願)で詳細に記載されている。更に好ましいものは、断続的なスピン及びスプレー、続く全ての洗浄媒質が噴霧されるまでのランダムな混転によって、親油性流体を含有する洗浄媒質で布地物品を均質に覆うことを保証する洗濯装置である。また好ましいものは、迅速な再使用/再生利用作動を介して、例えば、布地物品からの抽出の後で洗浄媒質を粒子除去フィルタに通し、直ちに布地物品上に再び噴霧することにより、親油性流体含有洗浄媒質を再使用するそのような装置である。
【0060】
本発明のプロセスでの使用に更に好ましい洗濯装置は、また、同一の装置で布地物品を乾燥するように設計されている。これは、ユーザーが濡れた布地物品を取り扱わなくてすむ利便性を可能にするばかりか、全ての親油性流体の再使用又は洗浄のための回収を可能にする。
【0061】
別の実施形態において、NALAは「二方式洗濯機」であることができる。本明細書において、「二方式洗濯機」は、水性洗濯サイクルを有する伝統的な水性自動洗濯機として、或いは家庭若しくは専門ユーザーのいずれかの入力又は自動決定システムに基づく非水性自動洗濯機として、のいずれかで機能する能力を有する一体成形の装置を意味する。
【0062】
F.親油性流体
本明細書で使用する時、「親油性流体」は、水の20重量%まで水に不混和性であるあらゆる液体又は液体の混合物を意味する。一般に、好適な親油性流体は、周囲温度及び圧力で完全に液体であることができ、容易に溶融する固体であることができる、例えば、約0℃〜約60℃の範囲の温度で液体になるものであることができるか、又は周囲温度及び圧力、例えば、25℃及び1気圧で液体と蒸気相の混合物を含むことができる。
【0063】
本明細書の親油性流体は、可燃性であるか、又は既知の従来型ドライクリーニング流体の特性に等しいか、好ましくはこれを超える相対的に高い引火点及び/又は低いVOC特性を有することが好ましく、ここでこれらの用語は、ドライクリーニング産業で使用される従来の意味を有する。
【0064】
好適な親油性流体物質の非限定例には、シロキサン類、他のシリコーン類、炭化水素類、グリコールエーテル類、グリセリンエーテル類のようなグリセリン誘導体、ペルフッ素化アミン類、ペルフッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、他の環境に優しい溶媒及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
本明細書で使用する時、「シロキサン」は、非極性で水中又は低級アルコール類中で不溶性であるシリコーン流体を意味する。直鎖シロキサン類(例えば、米国特許第5,443,747号及び同第5,977,040号を参照)及び環状シロキサン類が本明細書に有用であり、オクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)、及び好ましくはデカメチルシクロペンタシロキサン(ペンタマー、一般に「D5」と呼ばれる)から成る群より選択される環状シロキサン類が挙げられる。好ましいシロキサンは、約50%を超える環状シロキサンペンタマーを、より好ましくは約75%を超える環状シロキサンペンタマーを、最も好ましくは少なくとも約90%の環状シロキサンペンタマーを含む。また本明細書に用いるのに好ましいものは、少なくとも約90%(好ましくは少なくとも約95%)のペンタマー、並びに約10%未満(好ましくは約5%未満)のテトラマー及び/又はヘキサマーを有する環状シロキサンの混合物のシロキサンである。
【0066】
親油性流体には、ドライクリーニング溶媒、特にフッ素化溶媒又はペルフッ素化アミン類を含むより新しいタイプのあらゆる留分を挙げることができる。ペルフルオロトリブチルアミン類のような一部のペルフッ素化アミン類は、親油性流体として使用するには不適当であるが、親油性流体含有組成物に存在する多くの可能な補助剤の1つとして存在してよい。
【0067】
他の好適な親油性流体には、ジオール溶媒系、例えば、C若しくはC以上の高級ジオールのような高級ジオール類、環状及び非環状型のオルガノシリコーン溶媒など、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0068】
低揮発性の非フッ素化有機溶媒の非限定例には、例えばオレアン(OLEAN)(登録商標)及び他のポリオールエステル類、又は特定の相対的に不揮発性の生分解性中鎖分枝状石油留分が挙げられる。
【0069】
グリコールエーテル類の非限定例には、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられる。
【0070】
シロキサン類に加えて他のシリコーン溶媒の非限定例は、文献で周知であり〔例えば、カーク・オスマー(Kirk Othmer)の「工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」を参照すること〕、GEシリコーンズ(GE Silicones)、東芝シリコーン(Toshiba Silicone)、バイエル(Bayer)、及びダウコーニング(Dow Corning)を含む多数の販売元から入手可能である。例えば、1つの好適なシリコーン溶媒として、GEシリコーンズ(GE Silicones)から入手可能なSF−1528がある。
【0071】
グリセリン誘導体溶媒の非限定例には、次の構造を有する物質が挙げられ、
【化1】

式中、R、R、及びRは、それぞれH;分枝状又は直鎖、置換又は非置換の、C〜C30アルキル、C〜C30アルケニル、C〜C30アルコキシカルボニル、C〜C30アルキレンオキシアルキル、C〜C30アシルオキシ、C〜C30アルキレンアリール;C〜C30シクロアルキル;C〜C30アリール、及びこれらの混合物から独立して選択される。R、R、及びRの2つ以上は、一緒になって、C〜C芳香族又は非芳香族、複素環式又は非複素環式の環を形成することができる。
【0072】
好適なグリセリン誘導体溶媒の非限定例には、2,3−ビス(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロパノール;2,3−ジメトキシ−1−プロパノール;3−メトキシ−2−シクロペントキシ−1−プロパノール;3−メトキシ−1−シクロペントキシ−2−プロパノール;炭酸(2−ヒドロキシ−1−メトキシメチル)エチルエステルメチルエステル;グリセロールカーボネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0073】
他の環境に優しい溶媒の非限定例には、約0〜約0.31のオゾン形成ポテンシャルを有する親油性流体、約0〜約13Pa(約0〜約0.1mmHg)の蒸気圧を有する親油性流体、及び/又は13Pa(0.1mmHg)を超える蒸気圧を有するが、約0〜約0.31のオゾン形成ポテンシャルを有する親油性流体が挙げられる。これまでに説明していないそのような親油性流体の非限定例には、炭酸塩溶媒類(すなわち、炭酸メチル類、炭酸エチル類、炭酸エチレン類、炭酸プロピレン類、炭酸グリセリン類)及び/又はコハク酸塩溶媒(すなわち、コハク酸ジメチル類)が挙げられる。
【0074】
本明細書で使用する時、「オゾン反応性」は、大気中でオゾンを形成するVOCの能力の測定値である。それは、揮発性有機物1グラム当たり形成されるオゾンのグラム数として測定される。オゾン反応性を決定するための方法論は、W.P.L.カーター(Carter)、「揮発性有機化合物のオゾン反応性スケールの開発」(Development of Ozone Reactivity Scales of Volatile Organic Compounds)、大気・廃棄物管理学会ジャーナル(Journal of the Air & Waste Management Association)、第44巻、881頁〜899頁、1994年において更に考察されている。使用する時、「蒸気圧」は、カリフォルニア大気資源局(California Air Resources Board)の方法310に定義される技術によって測定することができる。
【0075】
好ましくは、親油性流体は、親油性流体の50重量%を超えるシクロペンタシロキサン類(「D5])及び/又はほぼ同様の揮発性を有し、所望により他のシリコーン溶媒で補足されている直鎖状の類似体を含む。
【0076】
G.補助剤物質
また、ユーザーの所望により布地物品を洗浄する及び/又は処置する補助剤は、非水性洗濯のプロセスに包含されてもよいことが想定される。従ってNALAは、好ましくはそのような補助剤を、所望の時に洗浄媒質とともに又はそれと別に非水性洗濯プロセスにおいて受け取るための及び/又は分配するための容器を包含する。また、器械に取り外し可能に取り付けられている、そのような補助剤を収容するカートリッジ(補助剤を補充するか、又は補助剤と共に購入するかのいずれかにより)も任意の手法である。好適な補助剤物質には、摩耗防止剤、研磨剤、アルカリ性供給源、抗菌剤、クロッキング防止剤、退色防止剤、抗微生物剤、酸化防止剤、再付着防止剤、静電気防止剤、変色防止剤、漂白活性化剤、漂白増進剤、漂白剤触媒、漂白剤、増白剤、ビルダー類、キレート剤、着色剤、カラーケア剤(color care agents)、組成物着色剤、組成物悪臭制御剤、腐食防止剤、結晶成長防止剤、ジアミン類若しくはポリアミン類及び/又はそれらのアルコキシレート類、二価又は三価イオン、パーマネントプレス剤、染料摩耗防止剤、染料固着剤、電解質、酵素、酵素安定剤、布地柔軟化剤、仕上げ助剤、重金属イオン封鎖剤、ヒドロトロープ類、石灰石鹸分散剤、金属イオン塩、臭気制御剤、臭気中和剤、蛍光漂白剤、香料、pH調節剤、光漂白剤、極性溶媒、加工助剤、芳香促進剤、高分子移染防止剤、再生剤、柔軟化剤、汚れ放出ポリマー類、汚れ懸濁剤溶媒、安定剤ポリマー類、泡立ち又は泡促進剤、泡立ち又は泡抑制剤、日焼け止め剤、界面活性剤、増粘剤、防水剤、皺低減剤、皺取り剤、防皺剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0077】
これらの補助剤物質は、別個に又は極性相、親油性流体、及び/若しくは特定の布地ケア活性物質の中に含有される結果としてのいずれかにより適用されることができる。
【0078】
布地物品は、また、別個に又は極性相、親油性流体、及び/若しくは漂白剤系の中に含有される結果としてのいずれかにより、乳化剤及び/又は界面活性剤に曝されてもよい。
【0079】
水が補助剤物質として使用される場合、溶媒系の50重量%未満、好ましくは20重量%未満、最も好ましくは0.5〜10重量%で使用される。
【0080】
H.衝突ガス
特定の実施形態において、米国特許出願公開2002/0054202A1A1(2001年5月4日公開)及び米国特許出願公開2002/0133885A1(2002年9月26日公開)で記載されているように、NALAは、NALA中の布地物品の洗浄の間のいずれかの時点で布地物品を衝突ガスと接触させる。
【0081】
布地物品は、少なくとも親油性流体を適用する前に衝突ガスにより接触されることが望ましい。衝突ガスは、布地物品からの粒子状の汚れの除去を容易にする。粒子状の汚れは、ガス流を利用してうまく除去されることができる。粒子状の汚れには、離散粒子から構成されるあらゆる汚れが挙げられる。そのような粒子状汚れの非限定例には、粘土、埃、乾燥泥、砂、猫の毛、皮膚の薄片又は鱗屑、皮あか、ふけ、ヒト又はペットの毛、草の実、花粉、イガ及び/又は水に不溶性である同様の動物、無機物若しくは植物質が挙げられる。
【0082】
衝突ガスを利用することで、このような粒子状の汚れを除去するプロセスにおいて化学物質に対する「需要」は削減される。
【0083】
好ましくは、衝突ガスは空気、窒素、オゾン、酸素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、及びこれらの混合物、より好ましくは空気、窒素、オゾン、酸素、アルゴン、ヘリウム、及びこれらの混合物、さらにより好ましくは静止空気、オゾン、窒素、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0084】
発明を実施するための最良の形態で引用された全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの承認として解釈されるべきではない。
【0085】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が実施できることは、当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正は添付の特許請求の範囲で扱われることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明で使用される非水性洗濯装置の概略図。
【図2】本発明で使用される非水性洗濯装置の切欠側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水性洗濯能力を提供する方法であって、
a.非水性洗濯装置を提供すること;
b.非水性洗濯装置を設置すること;及び
c.所望により、非水性洗濯装置のサービスをすること;を含み、
前記非水性洗濯能力が、洗濯プロセスにおいて親油性流体を利用することを含む、非水性洗濯能力を提供する方法。
【請求項2】
前記非水性洗濯装置が、販売、貸出、又はこれらの組み合わせによりユーザーに提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記非水性洗濯装置が、家庭内の場所に設置される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記非水性洗濯装置が、商業用の場所に設置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非水性洗濯装置が、137cm×76cm以下の寸法を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記非水性洗濯装置が、2つ以上のセクションを備え、それぞれが137cm×76cm以下の寸法を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記セクションが、別個の部品として送り届けられ、設置の際に現地で組み合わされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記非水性洗濯装置が、二方式自動洗濯機である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記非水性洗濯装置が、2つ以上のセクションを備え、それぞれが137cm×76cm以下の寸法を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記セクションが、別個の部品として送り届けられ、設置の際に現地で組み合わされる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記サービス工程が、洗浄すること又は前記非水性洗濯装置中の親油性流体を取り換えることを包含する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記サービス工程が、前記非水性洗濯装置のセクションを同一のセクション又は性能が向上したセクションと代えることを包含する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記セクションが、
(1)アプリケータ;
(2)親油性流体を貯蔵する、洗浄物質を貯蔵する、又はこれらの混合物を貯蔵する、1つ以上の取り外し可能な貯蔵タンク;
(3)回収タンク、1つ以上のフィルタ、又はこれらの組み合わせを含む非蒸留回収システム;
(4)スマートコントロールシステム、電気機械式コントロールシステム、又はこれらの組み合わせを含むコントロールシステム;又は
(5)これらの組み合わせである、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記サービスが、定期的な間隔で、必要に応じて、又はその両方で提供される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−521078(P2007−521078A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517754(P2006−517754)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020792
【国際公開番号】WO2005/003430
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】