説明

非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池

【課題】特に電池のサイクル特性が向上したリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、該非水電解液がさらに下記式(I):
【化1】


(式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数1〜12のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基を示す。ただし、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも一つがハロゲン原子または炭素原子数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。)で表わされるペンタフルオロフェニルオキシ化合物、そしてビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンを含む非水電解液を用いたリチウム二次電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクル特性や電気容量、保存特性などの電池特性にも優れたリチウム二次電池を提供することができる非水電解液、およびそれを用いたリチウム二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウム二次電池は小型電子機器などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム二次電池は、主に正極、非水電解液および負極から構成されており、特に、LiCoOなどのリチウム複合酸化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極としたリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、そのリチウム二次電池用の非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が好適に使用されている。
【0003】
しかしながら、電池のサイクル特性および電気容量などの電池特性について、さらに優れた特性を有する二次電池が求められている。
正極として、例えばLiCoO、LiMn、LiNiOなどを用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に局部的に一部酸化分解することにより、該分解物が電池の望ましい電気化学的反応を阻害するために電池性能の低下を生じる。これは正極材料と非水電解液との界面における溶媒の電気化学的酸化に起因するものと思われる。
また、負極として例えば天然黒鉛や人造黒鉛などの高結晶化した炭素材料を用いたリチウム二次電池は、非水電解液中の溶媒が充電時に負極表面で還元分解し、非水電解液溶媒として一般に広く使用されているECにおいても充放電を繰り返す間に一部還元分解が起こり、電池性能の低下が起こる。
【0004】
特許文献1には、リチウム二次電池の電池特性を向上させるために、非水電解液に2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソールなどの電子供与基を有するペンタフルオロベンゼン化合物を添加する発明が記載されているが、コイン電池において200サイクルで容量維持率が80%と必ずしも十分とはいえない。
特許文献2には、化学的過充電保護手段として、非水電解液に2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソールを酸化還元試薬として添加することが可能という記載があるが、サイクル特性に関する記載はない。
特許文献3には、リチウム二次電池のサイクル特性、電気容量、保存特性等の電池特性を向上させるために、非水電解液に特定のペンタフルオロベンゼン誘導体を含有させることの記載がある。
特許文献4には、リチウム二次電池の保存安定性を向上させるために、非水電解液にビニレンカーボネートを含有させることの記載がある。
特許文献5には、リチウム二次電池のサイクル特性、電気容量、保存特性等の電池特性そして低温特性を向上させるために、非水電解液に1,3−プロパンスルトン及び/又は1,4−ブタンスルトンを含有させることの記載がある。
【特許文献1】米国特許公開第2002/0110735号公報
【特許文献2】特開平7−302614号公報
【特許文献3】特開平11−329490号公報
【特許文献4】米国特許第5626981号明細書
【特許文献5】米国特許第6033809号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特に電池の長期にわたるサイクル特性が向上したリチウム二次電池、およびそのサイクル特性が向上したリチウム二次電池を製造するために有用な非水電解液を提供することを目的とする。
本発明者は、先に、非水電解液中にペンタフルオロフェニルメタンスルホネート等のペンタフルオロフェニルオキシ化合物(後記の式(I)の化合物)を含有させることにより、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供できることを見出して発明を完成させた。そして、この発明は既に特許出願されている(PCT/JP03/02991)。
本発明者は、さらにサイクル特性が向上したリチウム二次電池を提供することを目的に検討を重ねた結果、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、該非水電解液がさらに下記式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数1〜12(特に、炭素原子数1〜6)のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基を示す。ただし、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも一つがハロゲン原子または炭素原子数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。)で表わされるペンタフルオロフェニルオキシ化合物、そしてビニレンカーボネート(VC)および/または1,3−プロパンスルトン(PS)を含むことを特徴とする非水電解液にある。
【0009】
本発明はまた、正極、負極および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液が、さらに上記式(I)で表わされるペンタフルオロフェニルオキシ化合物、そしてビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンを含むことを特徴とする非水電解液であるリチウム二次電池にもある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電池特性、特に電池のサイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において、非水電解液中にビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンと共に併用して含有されるペンタフルオロフェニルオキシ化合物の含有量は、非水電解液の重量に対して0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.3重量%以上が最も好ましい。また、ペンタフルオロフェニルオキシ化合物の含有量は非水電解液の重量に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が最も好ましい。
【0012】
次に、非水電解液中に含有される前記式(I)で表わされる化合物の具体例について以下に詳述する。
【0013】
前記式(I)において、Rが炭素原子数2〜12のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、ヘプチルカルボニル基、オクチルカルボニル基、ノニルカルボニル基、デシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基のような置換基が挙げられる。また、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基のような分枝したアルキルカルボニル基が挙げられる。さらに、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも一つがハロゲン原子または炭素原子数6〜18のアリール基で置換された置換基が挙げられ、その具体例として、トリフルオロメチルカルボニル基、1,2−ジクロロエチルカルボニル基、ペンタフルオロエチルカルボニル基、ヘプタフルオロプロピルカルボニル基あるいは、ベンジルカルボニル基のようなアルキルカルボニル基が挙げられる。また、メチレン基(CH=)やアリル基(CH=CH−CH−)のような不飽和結合を有するアルキル基が置換したアルキルカルボニル基が挙げられる。その具体例としてビニルカルボニル基、1−メチルビニルカルボニル基が挙げられる。
【0014】
具体的なアルキルカルボニル基を有するペンタフルオロフェニルオキシ化合物としては、酢酸ペンタフルオロフェニル、プロピオン酸ペンタフルオロフェニル、ブタン酸ペンタフルオロフェニル、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロプロピオン酸ペンタフルオロフェニル、アクリル酸ペンタフルオロフェニル、メタクリル酸ペンタフルオロフェニル等が好適に挙げられる。
【0015】
また、Rが炭素原子数2〜12のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基のような置換基が挙げられる。また、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基のような分枝したアルコキシカルボニル基が挙げられる。さらに、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子または炭素原子数6〜18のアリール基で置換された置換基が挙げられ、その具体例として、1−クロロエトキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、あるいは、ベンジルオキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0016】
具体的なアルコキシカルボニル基を有するペンタフルオロフェニルオキシ化合物としては、メチルペンタフルオロフェニルカーボネート、エチルペンタフルオロフェニルカーボネート、tert−ブチルペンタフルオロフェニルカーボネート、9−フルオレニルメチルペンタフルオロフェニルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルペンタフルオロフェニルカーボネート等が好適に挙げられる。
【0017】
また、Rが炭素原子数7〜18のアリールオキシカルボニル基としては、フェニルオキシカルボニル、o−,m−又はp−トリルオキシカルボニル基などの置換基が挙げられる。
【0018】
具体的なアリールオキシカルボニル基を有するペンタフルオロフェニルオキシ化合物としては、フェニルペンタフルオロフェニルカーボネート、ジペンタフルオロフェニルカーボネート等が好適に挙げられる。
【0019】
また、Rが炭素原子数1〜12のアルカンスルホニル基としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基、ヘプタンスルホニル基、オクタンスルホニル基、ノナンスルホニル基、デカンスルホニル基、ドデカンスルホニル基にような置換基が挙げられる。また、2−プロパンスルホニル基のような分枝したアルカンスルホニル基が挙げられる。さらに、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも1つがハロゲン原子で置換された置換基が挙げられ、その具体例として、トリフルオロメタンスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル基が挙げられる。
【0020】
具体的なアルカンスルホニル基を有するペンタフルオロフェニルオキシ化合物としては、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネート、ペンタフルオロフェニルエタンスルホネート、ペンタフルオロフェニルプロパンスルホネート、ペンタフルオロフェニルトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロフェニル−2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート等が好適に挙げられる。
【0021】
本発明において、非水電解液中にペンタフルオロフェニルオキシ化合物と共に併用して含有されるビニレンカーボネート及び/又は1,3−プロパンスルトンの含有量は、非水電解液の重量に対して0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上が最も好ましい。また、ビニレンカーボネートの含有量は、非水電解液の重量に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が最も好ましい。
【0022】
本発明の非水電解液で使用される非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルビニレンカーボネート(DMVC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)などの環状カーボネート類や、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトンなどのラクトン類、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロパルギルカーボネート(MPC)、エチルプロパルギルカーボネート(EPC)、ジプロパルギルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸ブチル(PAB)、ピバリン酸ヘキシル、ピバリン酸オクチルなどの鎖状エステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、メタンスルホン酸プロパルギル、グリコールサルファイト、ジプロパルギルサルファイト、メチルプロパルギルサルファイト、ジビニルスルホンなどのS=O含有化合物などが挙げられる。
【0023】
これらの非水溶媒の組み合わせは、例えば、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせ、環状カーボネート類とラクトン類との組み合わせ、環状カーボネート類とラクトン類と鎖状エステル類との組み合わせ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とラクトン類との組み合わせ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類とエーテル類の組み合わせ、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類と鎖状エステル類との組み合わせなど種々の組み合わせが挙げられるが、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせ、あるいは環状カーボネート類とラクトン類と鎖状エステル類との組み合わせが好ましい。
【0024】
これらの非水溶媒のうち、メチルプロパルギルカーボネート(MPC)、エチルプロパルギルカーボネート(EPC)、ジプロパルギルカーボネート(DPC)、シュウ酸ジプロパルギル(DPO)、メタンスルホン酸プロパルギル、ジプロパルギルサルファイト、メチルプロパルギルサルファイトなどの三重結合含有化合物を1種以上併用することが好ましい。特に、高容量電池において電池の電極合剤密度を大きくすると、サイクル特性の低下がみられるが、本発明のペンタフルオロフェニルオキシ化合物とともに前記三重結合含有化合物を併用して使用するとサイクル特性が向上するので好ましい。
【0025】
併用される前記三重結合含有化合物の含有量は非水電解液全体の重量に対して0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上が最も好ましい。また、前記三重結合含有化合物の含有量は、非水電解液の重量に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が最も好ましい。
【0026】
本発明で使用される電解質塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClOなどが挙げられる。また、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CF、LiPF(iso−C、LiPF(iso−C)などの鎖状のアルキル基を含有するリチウム塩や、(CF(SONLi、(CF(SONLiなどの環状のアルキレン鎖を含有するリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は、1種類で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質塩の濃度は、前記の非水溶媒に通常0.3M以上が好ましく、0.5M以上がより好ましく、0.7M以上が最も好ましい。また、これら電解質塩の濃度は、2.5M以下が好ましく、1.5M以下がより好ましく、0.9M以下が最も好ましい。
【0027】
本発明の電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩を溶解し、前記ペンタフルオロフェニルオキシ化合物を溶解し、ビニレンカーボネート及び/または1,3−プロパンスルトンを溶解することにより得られる。
【0028】
また、本発明の非水電解液に、例えば、空気や二酸化炭素を含ませることにより、電解液の分解によるガス発生の抑制や、サイクル特性や保存特性などの電池性能を向上させることができる。
【0029】
本発明において、非水電解液中に二酸化炭素または空気を含有(溶解)させる方法としては、(1)あらかじめ非水電解液を電池内に注液する前に空気または二酸化炭素含有ガスと接触させて含有させる方法、(2)注液後、電池封口前または後に空気または二酸化炭素含有ガスを電池内に含有させる方法のいずれでもよく、またこれらを組み合わせて使用することもできる。空気や二酸化炭素含有ガスは、極力水分を含まないものが好ましく、露点−40℃以下であることが好ましく、露点−50℃以下であることが特に好ましい。
【0030】
さらに、本発明の電解液において、例えば、シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、o−ターフェニルの部分水素化物(1,2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル、以下m−体、p−体の場合も同様)、m−ターフェニルの部分水素化物、p−ターフェニルの部分水素化物等の芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種を非水電解液の重量に対して0.1〜5重量%使用することにより過充電時の電池の安全性を確保することができる。
【0031】
本発明の非水電解液は、二次電池、特にリチウム二次電池の構成部材として使用される。二次電池を構成する非水電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来使用されている種々の構成部材を使用できる。
【0032】
例えば、正極活物質としては、コバルトまたはニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、一種類だけを選択して使用しても良いし、二種類以上を組み合わせて用いても良い。このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiCo1−xNi(0.01<x<1)、LiMnOなどが挙げられる。また、LiCoOとLiMn、LiCoOとLiNiO、LiMnとLiNiOのように適当に混ぜ合わせて使用しても良い。
【0033】
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウム箔やステンレス製のラス板に圧延して、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製される。
【0034】
負極(負極活物質)としては、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維〕、スズやスズ化合物、ケイ素やケイ素化合物が使用される。炭素材料においては、特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm以下であることが好ましく、0.335〜0.340nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することがより好ましい。これらの負極活物質は、1種類だけを選択して使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して負極合剤として使用される。負極の製造方法は、特に限定されず、上記の正極の製造方法と同様な方法により製造することができる。
【0035】
本発明の添加化合物の添加効果は、電池の電極合剤密度が高いほど大きい。特に、アルミニウム箔上に形成される正極合剤層の密度は3.2g/cm以上が好ましく、3.3g/cm以上がより好ましく、3.4g/cm以上が最も好ましい。また、正極合剤層の密度は4.0g/cmを超えて大きくなると、実質上、作製が困難となるため、4.0g/cm以下が好ましく、3.9g/cm以下がより好ましく、3.8g/cm以下が最も好ましい。一方、銅箔上に形成される負極合剤層の密度は、1.3g/cm以上が好ましく、1.4g/cmがより好ましく、1.5g/cmが最も好ましい。負極合剤層の密度が2.0g/cmを超えて大きくなると、実質上、作製が困難となるため、負極合剤層の密度は、2.0g/cm以下が好ましく、1.9g/cm以下がより好ましく、1.8g/cm以下が最も好ましい。
【0036】
また、本発明のリチウム二次電池における好適な前記正極の電極層の厚さ(集電体片面当たり)は、電極材料層の厚みが薄すぎると、電極材料層での活物質量が低下するために電池容量が小さくなる。したがって、正極の電極層の厚さは、30μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。また、正極の電極層の厚さは厚すぎると、サイクル特性やレート特性が低下するので好ましくない。したがって、120μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。前記負極の電極層の厚さ(集電体片面当たり)は薄すぎると、電極材料層での活物質量が低下するために電池容量が小さくなる。したがって、1μm以上が好ましく、3μmがより好ましい。また、負極の電極層の厚さは厚すぎると、サイクル特性やレート特性が低下するので好ましくない。したがって、負極の電極層の厚さは100μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましい。
【0037】
リチウム二次電池の構造は特に限定されるものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレータを有するコイン型電池、さらに、正極、負極およびロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池などが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが使用される。
【0038】
本発明のリチウム二次電池は、充電終止電圧が4.2Vより大きい場合であっても、長期間にわたり優れたサイクル特性を示し、特に充電終止電圧が4.3Vのような場合であっても優れたサイクル特性を示す。放電終止電圧は、2.5V以上とすることができ、さらに2.8V以上とすることができる。電流値については特に限定されるものではないが、通常0.1〜3Cの定電流放電で使用される。また、本発明のリチウム二次電池は、−40〜100℃と広い範囲で充放電することができるが、好ましくは0〜80℃である。
【0039】
本発明のリチウム二次電池の内圧上昇の対策として、封口板に安全弁を用いることができる。その他、電池缶やガスケットなどの部材に切り込みを入れる方法も利用することができる。この他、従来から知られている種々の安全素子(過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子の少なくとも1種以上)を備えつけても良い。
【0040】
本発明のリチウム二次電池は、必要に応じて複数本を直列および/または並列に組み電池パックに収納される。電池パックには、PTC素子、温度ヒューズ、ヒューズおよび/または電流遮断素子などの安全素子のほか、安全回路(各電池および/または組電池全体の電圧、温度、電流などをモニターし、電流を遮断する機能を有する回路)を設けても良い。
【実施例】
【0041】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
〔非水電解液の調製〕
EC:PC:MEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これに電解質塩としてLiPFを0.9Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した後、さらに非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを0.5重量%、ビニレンカーボネート(VC)を5重量%となるように加えた。
【0042】
〔リチウム二次電池の作製および電池特性の測定〕
LiCoO(正極活物質)を90重量%、アセチレンブラック(導電剤)を5重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを、アルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。格子面(002)の面間隔(d002)が0.335nmである黒鉛型結晶構造を有する人造黒鉛(負極活物質)を95重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入後、電池封口前に露点−60℃の二酸化炭素を電池内に含有させて、18650サイズの円筒電池(直径18mm、高さ65mm)を作製した。電池には、圧力開放口および内部電流遮断装置(PTC素子)を設けた。この時、正極の電極密度は3.6g/cmであり、負極の電極密度は1.7g/cmであった。正極の電極層の厚さ(集電体片面当たり)は60μmであり、負極の電極層の厚さ(集電体片面当たり)は60μmであった。
【0043】
上記の電池を用いて、常温(20℃)下、2.2A(1C)の定電流で4.2Vまで充電した後、終止電圧4.2Vとして定電圧下に合計3時間充電した。次に2.2A(1C)の定電流下、終止電圧2.8Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを添加しない0.9M LiPF−EC:PC:MEC(容量比)=30:5:65を非水電解液として用いた場合(比較例1)とほぼ同等であり、200サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は84.9%であった。18650電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0044】
[実施例2]
添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は85.1%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0045】
[実施例3]
添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%、シュウ酸ジプロパルギルを0.5重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は86.6%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0046】
[実施例4]
添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを5重量%、ビニレンカーボネートを1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は85.5%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0047】
[実施例5]
添加剤として、非水電解液に対して酢酸ペンタフルオロフェニルを1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は84.9%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0048】
[実施例6]
添加剤として、非水電解液に対してメチルペンタフルオロフェニルカーボネートを1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は84.5%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0049】
[実施例7]
添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを1重量%、1,3−プロパンスルトン(PS)を1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は87.0%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0050】
[実施例8]
添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを1重量%、1,3−プロパンスルトンを1重量%、シクロヘキシルベンゼンを1重量%、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼンを1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は86.8%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0051】
[実施例9]
添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを1重量%、1,3−プロパンスルトンを1重量%、シクロヘキシルベンゼンを1重量%、tert−ペンチルベンゼンを1重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は86.7%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0052】
[実施例10]
正極活物質として、LiCoOに代えてLiMnを使用し、非水溶媒として、EC/DEC(容量比30/70)を使用し、添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、1,3−プロパンスルトンを2重量%使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は81.2%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0053】
[参考例1]
非水溶媒として、EC/PC/MEC(容量比30/5/65)を調製し、これにLiPFを0.9Mの濃度になるように溶解した。ペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを2重量%添加し、ビニレンカーボネート、1,3−プロパンスルトンは全く添加しなかった。この非水電解液を使用して実施例1と同様に18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は67.3%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0054】
[比較例1]
非水溶媒として、EC/PC/MEC(容量比30/5/65)を調製し、これにLiPFを0.9Mの濃度になるように溶解した。添加剤として、ビニレンカーボネートを2重量%添加したほかは、実施例1と同様に18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は68.9%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0055】
[比較例2]
非水溶媒として、EC/PC/MEC(容量比30/5/65)を調製し、これにLiPFを0.9Mの濃度になるように溶解した。添加剤として、1,3−プロパンスルトンを2重量%添加したほかは実施例1と同様に18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は66.9%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0056】
[比較例3]
非水溶媒として、EC/PC/MEC(容量比30/5/65)を調製し、これにLiPFを0.9Mの濃度になるように溶解した。添加剤として、ペンタフルオロアニソール1重量%、ビニレンカーボネートを2重量%添加したほかは実施例1と同様に18650電池を作製し、200サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は70.1%であった。この電池の作製条件および電池特性を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
[実施例11]
非水溶媒として、EC/GBL/ピバリン酸ブチル(PAB)(容量比20/75/5)を使用し、これにLiPFおよびLiBFをそれぞれ0.9M、0.1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調整し、さらに添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを3重量%を使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、100サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は80.2%であった。この電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0059】
[実施例12]
非水溶媒として、EC/GBL/PAB(容量比20/75/5)を使用し、これにLiPFおよびLiBFをそれぞれ0.9M、0.1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調整し、さらに添加剤として、非水電解液に対してペンタフルオロフェニルメタンスルホネートを1重量%、ビニレンカーボネートを3重量%、1,3−プロパンスルトンを0.5重量%を使用したほかは実施例1と同様に非水電解液を調製して18650電池を作製し、100サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は81.3%であった。この電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0060】
[比較例4]
非水溶媒として、EC/GBL/PAB(容量比20/75/5)を使用し、これにLiPFおよびLiBFをそれぞれ0.9M、0.1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調整した。添加剤として、非水電解液に対してビニレンカーボネートを3重量%使用したほかは実施例1と同様に18650電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、100サイクル後の放電容量維持率は30.7%であった。この電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0061】
【表2】

【0062】
なお、本発明は記載の実施例に限定されず、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせが可能である。特に、上記実施例の溶媒の組み合わせは限定されるものではない。更には、上記実施例は18650電池に関するものであるが、本発明は円筒形、角柱形の電池にも適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液であって、該非水電解液がさらに下記式(I):
【化1】

(式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数1〜12のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基を示す。ただし、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも一つがハロゲン原子または炭素原子数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。)で表わされるペンタフルオロフェニルオキシ化合物、そしてビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンを含むことを特徴とする非水電解液。
【請求項2】
式(I)のRが、炭素原子数1〜12のアルカンスルホニル基である請求項1に記載の非水電解液。
【請求項3】
式(I)のRが、炭素原子数1〜6のアルカンスルホニル基である請求項1に記載の非水電解液。
【請求項4】
式(I)のRが、メタンスルホニル基である請求項1に記載の非水電解液。
【請求項5】
式(I)のペンタフルオロフェニルオキシ化合物を0.01〜10重量%の範囲の量にて含む請求項1に記載の非水電解液。
【請求項6】
式(I)のペンタフルオロフェニルオキシ化合物を0.1〜5重量%の範囲の量にて含む請求項1に記載の非水電解液。
【請求項7】
ビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンを0.01〜10重量%の範囲の量にて含む請求項1に記載の非水電解液。
【請求項8】
ビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンを0.1〜5重量%の範囲の量にて含む請求項1に記載の非水電解液。
【請求項9】
さらに、シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、o−ターフェニル、tert−ブチルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、o−ターフェニルの部分水素化物、m−ターフェニルの部分水素化物、p−ターフェニルの部分水素化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む請求項1に記載の非水電解液。
【請求項10】
正極、負極および非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液が、さらに下記式(I):
【化2】

(式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜18のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数1〜12のアルカンスルホニル基からなる群から選ばれる置換基を示す。ただし、該置換基が有する水素原子のうち少なくとも一つがハロゲン原子または炭素原子数6〜18のアリール基で置換されていてもよい。)で表わされるペンタフルオロフェニルオキシ化合物、そしてビニレンカーボネートおよび/または1,3−プロパンスルトンを含むことを特徴とする非水電解液であるリチウム二次電池。

【国際公開番号】WO2005/029631
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514069(P2005−514069)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013687
【国際出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】