説明

非空気圧タイヤのスポーク設計方法

【課題】非空気圧タイヤのスポークの円周上配列をに起因する騒音の低減方法を提供する。
【解決手段】非空気圧タイヤのスポーク円周上配列をランダムにし騒音の分散を計る。地面に接触するトレッド1を保持する複数のスポーク2をスポーク支持円形台3を基準に3つの異なる角度で円周上に配置設計する。この3つの角度は小角a、中角b、大角cに分けられ、小角aを基準として、中角b/小角a=比率値よりも大角c/小角a=比率値が大きくなる様に設定しスポーク2を不規則な角度で配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非空気圧タイヤのスポーク設計方法に関するものであって、特にスポークの円周上配列をランダム(Random)に配置して騒音の分散を最適化できる非空気圧タイヤのスポーク設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、非空気圧タイヤは、内外部の円筒部材の間に一定の間隔を維持し、かつ一定の角度範囲を有するように配置されたスポーク部材を含むが、このような非空気圧タイヤには、スポーク部材とスポーク部材との間の支持空間が存在し、スポーク部材による支持空間が不連続的に形成されているため、車両走行時の騒音がひどいという問題があった。
【0003】
一方、非空気圧タイヤのスポーク部材の形状は、車両を支持するという大変重要な役割をするが、荷重を支持するスポークの部分が狭いため、タイヤが回転する場合、路面との接触により発生する衝撃力をそのまま車軸に伝達するという問題があった。
【0004】
従来、これらの問題を解決するために、図3と図4に示されたような非空気圧タイヤが提案されたが、この中、図3に示された非空気圧タイヤは、スポーク102の形状を2段に分けて設計し、トレッド101に接する部分である外側スポーク支持円形台103aのスポーク102の個数を、その内側に位置した内側スポーク支持円形台103bのスポークの個数よりも約2倍程度多く設計した。この場合、トレッド101を通して伝達される力を半分に低減し、タイヤの回転により発生する加振周波数を2倍に増加させることができる。
【0005】
また、図4に示された非空気圧タイヤもスポーク102の形状を2段に設計したもので、具体的には、外側及び内側スポーク支持円形台103a,103bのスポーク102の個数は同一であるが、前記外側スポーク支持円形台103aのスポーク102を横方向に3段に分けて設計することにより、地面に当たる力を周波数の側面で分散させることができる。
【0006】
このような従来の非空気圧タイヤは、地面に接地するスポークの個数を変化させて衝撃量を分散させる概念である。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、スポークの個数は維持したまま、円周上の配列角度を不規則に設計することにより、地面に当たる衝撃量を分散させた非空気圧タイヤのスポーク設計方法を提供することにその目的がある。
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明は、地面に接触するトレッドの下で、スポーク支持円形台を基準に円周方向に沿って放射状に設けられる複数のスポークを有するように設計された非空気圧タイヤのスポーク設計方法であって、前記スポークは、スポーク支持円形台で3つの角度で円周上に配置設計され、スポークの3つの角度は小角(a)、中角(b)、大角(c)に分けられ、前記小角(a)を基準として、中間(b)/小角(a)=比率値(p)よりも大角(c)/小角(a)=比率値(q)が大きく設定されてスポークが不規則な角度で配列されるように設計される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明に係る非空気圧タイヤのスポーク設計方法を説明するための概略的なタイヤの断面図である。
【図2】図2は、本発明と従来発明における騒音の分散関係を示すグラフである。
【図3】図3は、従来のスポーク部材を含む非空気圧タイヤの断面図である。
【図4】図4は、従来のスポーク部材を含む非空気圧タイヤの断面図である。
【発明を実施するための実施】
【0010】
以下、本発明を、添付した例示図面により詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る非空気圧タイヤのスポーク設計方法を説明するための図面であり、本発明は、地面に接触するトレッド1の下で、このトレッド1を保持する複数のスポーク2がスポーク支持円形台3を基準に円周方向に沿って放射状に設けられた非空気圧タイヤのスポーク設計方法であって、前記スポーク2は、スポーク支持円形台3で3つの角度で円周上に配置設計され、このスポーク2の3つの角度は小角(a)、中角(b)、大角(c)に分けられ、前記小角(a)を基準として、中角(b)/小角(a)=比率値(p)よりも大角(c)/小角(a)=比率値(q)が大きく設定されてスポーク2が不規則な角度で配列されるように設計される。
【0012】
すなわち、本発明では、スポーク2の角度を、小角(a)、中角(b)、大角(c)だけを用いてスポーク支持円形台3とトレッド1との間の円周上に適切に配列することにより、騒音の分散を最適化することができる。
【0013】
これは、タイヤのトレッド1上のピッチシーケンス(Pitch sequence)を用いてパターン(Pattern)の騒音を最適化する原理を用いたことで、スポーク2の小角(a)、中角(b)、大角(c)を適切に円周上に配列して効果を得ることができる。
【実施例】
【0014】
スポーク2の小角(a)の角度4.388°を「1」に設定し、スポーク2の中角(b)の角度5.524°を「2」に設定し、スポーク2の大角(c)の角度6.588°を「3」に設定し、円周上に総69個のスポーク2を設計した場合、騒音の分散を考慮する時、最適のスポークの配列は下記の通りであり、その効果は図2のグラフに示す。
【0015】
総69個のスポーク2の角度配列は、
「2 1 1 1 2 2 2 2 1 2 3 2 2 2 3 2 1 1 2 2 2 1 2 2 1 1 1 2 3 3 3 2 1 1 1 2 3 3 2 2 3 2 1 1 1 1 2 2 2 1 1 2 3 2 1 2 3 2 2 1 1 1 1 2 2 1 1 1 1」にして円周上に配列設計する。
【0016】
このような本発明に係る非空気圧タイヤのスポーク設計方法は、非空気圧タイヤの騒音を低減するために、スポークの円周上配列を、3つの角度を基準として不規則に配列して騒音の分散を最適化することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に接触するトレッド1の下で、このトレッド1を保持する複数のスポーク2がスポーク支持円形台3を基準に円周方向に沿って放射状に設けられた非空気圧タイヤのスポーク設計方法であって、
前記スポーク2は、スポーク支持円形台3で3つの角度で円周上に配置設計され、このスポーク2の3つの角度は、小角(a)、中角(b)、大角(c)に分けられ、前記小角(a)を基準として、中角(b)/小角(a)=比率値(p)よりも大角(c)/小角(a)=比率値(q)が大きく設定されてスポーク2が不規則な角度で配列されるように設計されることを特徴とする非空気圧タイヤのスポーク設計方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−126379(P2012−126379A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158743(P2011−158743)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(504037531)韓国タイヤ株式會社 (5)