説明

非鉄廃材選別装置およびこれを用いた非鉄廃材選別システム

【課題】 他の廃材と絡みやすい形状の銅線やハーネス、シート状の樹脂等が混在する非鉄廃材を精度良く選別回収することができる非鉄廃材選別装置およびこれを用いた非鉄廃材選別システムを提供すること。
【解決手段】 混合廃材を液体中の比重差により選別するための選別槽5と、この選別槽5内の液体を上下方向に脈動させる気室61を備えた上下脈動手段6と、前記選別槽5内を上下に仕切るとともに、前記上下脈動手段6の脈動によって上方側に押し上げられる液体の通過水量を回収口13からの距離に応じて任意に制限し、回収口13側よりも投入口11側の水流を強くする選別スクリーン部7と、この選別スクリーン部7の下方に設けられ、この選別スクリーン部7に押し上げられる液体の進行方向を任意の傾斜方向に変える可変翼8とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非鉄廃材の選別装置およびこれを用いた非鉄廃材選別システムに係り、特に、家電製品や廃自動車等を破砕して得られるシュレッダーダストのように、様々な物品や素材が混在する混合廃材を精度良く選別して回収するのに好適な非鉄廃材選別装置およびこれを用いた非鉄廃材選別システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、家電製品や廃自動車等を破砕した混合廃材は、埋め立てられたり焼却処理されていたが、近年、これら混合廃材を原料ごとに分離、選別して有効にリサイクルする技術が提案されている。例えば、プリント基板のように樹脂に固着した金属材料を回収する技術として、樹脂部分のみを燃焼させ、銅などの金属類を分離回収する方法が知られている。しかしながら、樹脂を燃焼させると、人体や地球環境に有害なガスが発生するという問題がある。
【0003】
一方、前記混合廃材を破砕し、石炭や骨材等を比重選別する際に用いられる比重選別装置により分離、選別する方法が考えられる。この比重選別装置は、一般に、仕切網を備えた水槽と、この水槽内の水を上下に脈動させる脈動手段とを有している。そして、仕切網上に投入した破砕物を水中で脈動させることにより、比重の大きいものを下層に沈殿させ、比重の小さいものを上層に沈殿させることで分離、回収するようになっている。
【0004】
しかしながら、上述した比重選別装置では、比重差だけによる分離であり、選別物の形状については考慮されていない。このため、様々な形状の廃材が混在している混合廃材を選別する場合、目的とする選別対象に他の廃材が混入してしまうおそれがある。すなわち、比重が同じであっても形状が異なる廃材や比重が異なっても他の廃材と絡みやすい形状の廃材を選別する場合には、選別できずに選別精度が低下してしまうという問題がある。
【0005】
また、上述した比重選別装置では、単に水を上下に脈動させるだけなので、ゴムシート等のようにシート状の廃材が最初に投入されると水中に潜り込んでしまったり、他の廃材を包み込んでしまうため、選別精度が低減してしまう。その一方で、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂のように比重が小さいものや樹脂系統は水流の影響を受けやすいため、なるべく均一に上下動させないと分離して沈殿させられないという問題もある。
【0006】
ところで、廃材の選別技術に関する発明には、例えば特開2002−355661号公報に記載されたものがある。この発明は、樹脂と金属からなる廃材を破砕機により破砕し、この破砕物を磁選機により磁性物と非磁性物に分離し、この非磁性物をジグ選別機(比重選別機)により分離することで樹脂と金属を選別するようになっている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−355661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特開2002−355661号公報に記載された発明においても、ジグ選別機では、比重差による選別しか行っておらず、形状差を考慮した選別が行われていないため、選別精度に限界がある。また、前記ジグ選別機では、単に水槽の水を上下動させているだけであるため、混合廃材にシート状の廃材が混入している場合、選別精度が低下するという問題も解消されていない。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、他の廃材と絡みやすい形状の銅線やハーネス、シート状の樹脂等が混在する非鉄廃材を精度良く選別回収することができる非鉄廃材選別装置およびこれを用いた非鉄廃材選別システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る非鉄廃材選別装置の特徴は、混合廃材を液体中の比重差により選別するための選別槽と、この選別槽内の液体を上下方向に脈動させる気室を備えた上下脈動手段と、前記選別槽内を上下に仕切るとともに、前記上下脈動手段の脈動によって上方側に押し上げられる液体の通過水量を回収口からの距離に応じて任意に制限し、回収口側よりも投入口側の水流を強くする選別スクリーン部と、この選別スクリーン部の下方に設けられ、この選別スクリーン部に押し上げられる液体の進行方向を任意の傾斜方向に変える可変翼とを有している点にある。
【0011】
また、本発明において、選別スクリーン部は、下面に配置される床網と、この床網上を複数の区画に仕切る仕切壁と、前記各区画に敷かれる複数の粒状物とを有しており、回収口側よりも投入口側の区画に敷設される粒状物の粒径がより小さく形成されていることが好ましい。
【0012】
あるいは、本発明において、選別スクリーン部は、下面に配置される床網と、この床網上を複数の区画に仕切る仕切壁と、前記各区画に敷かれる複数の粒状物とを有しており、回収口側よりも投入口側の区画に敷設される粒状物の敷設密度が小さくされていてもよい。
【0013】
また、本発明において、前記選別スクリーン部の各区画のうち、前記気室の屋根と対向する位置にある床網の区画面積が、投入口側および回収口側の区画面積よりも大きく仕切られていることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明において、前記上下脈動手段は、混合廃材の沈降速度差を大きくするために、上下脈動サイクルの液体下降時において前記気室内の空気を断続的に排気するとともに、単位時間当たりの排気量を液体上昇時における単位時間当たりの給気量よりも大きくすることが望ましい。
【0015】
また、本発明に係る非鉄廃材選別システムの特徴は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置とこの後に続く他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、これらの各床網上の区画に敷設された粒状物の粒径は、最先の非鉄廃材選別装置におけるものより他の非鉄廃材選別装置におけるものの方が相対的に小さくされている点にある。
【0016】
さらに、本発明に係る非鉄廃材選別システムの特徴は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置とこの後に続く他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、最先の非鉄廃材選別装置における選別槽からオーバーフローする水量と、他の非鉄廃材選別装置における各選別槽で受け入れられる水量の合計量とが、ほぼ等しくなるように設定されている点にある。
【0017】
また、本発明において、最先の非鉄廃材選別装置における選別槽の平面断面積と、他の非鉄廃材選別装置における選別槽の平面断面積の合計値とが、ほぼ等しくなるように設定されていることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る非鉄廃材選別システムの特徴は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置とこの後に続く他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、最先の非鉄廃材選別装置における可変翼は回収口に対して反対方向に傾斜されており、他の非鉄廃材選別装置における可変翼は回収口方向に傾斜されている点にある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、
1.上下に脈動する水流とは別に水面上を流れる水流を形成してシート状の廃材を精度良く選別できる、
2.選別スクリーン部の投入口側と回収口側において脈動する水流の強さや流速を調整して非鉄廃材の選別精度を高めることができる、
3.液体の脈動サイクルを制御することにより比重差による混合廃材の沈降速度差を大きくして速やかに非鉄廃材の選別を行うことができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る非鉄廃材選別装置1およびこれを用いた非鉄廃材選別システム2の実施形態について図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る非鉄廃材選別システム2を適用した混合廃材の全選別工程を示すフローチャート図であり、図2は、本実施形態の非鉄廃材選別装置1を複数連設して構成される非鉄廃材選別システム2の一実施形態を示す概略模式図である。
【0022】
まず、図1を参照しつつ、全体の選別工程の流れについて説明する。本実施形態の混合廃材選別工程は、主として混合廃材破砕工程と、鉄廃材選別工程と、非鉄廃材選別工程と、線状廃材選別工程と、軽量廃材破砕工程と、浮遊物破砕工程と、第1軽量廃材選別工程と、第2軽量廃材選別工程とから構成される(ステップS1〜ステップS8)。
【0023】
まず、ステップS1の混合廃材破砕工程は、家電製品等の混合廃材をチェーンミル等の破砕機により破砕する工程である。この工程では、混合廃材を0.1mm〜40mm程度の大きさに裁断または破砕する。このとき、混合廃材には、粒状の廃材はもちろん、ゴムシート等のシート状廃材や、銅線やハーネス等からなる線状廃材など、多種多様な比重と形状とを有する廃材が混在している。なお。以下の本実施形態で選別する混合廃材には、鉄廃材と非鉄廃材が含まれており、さらにこの非鉄廃材には、銅線屑、樹脂、ハーネス、基板屑、非鉄金属類、アクロル二トリルブタジエンスチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」という)、ポリスチレン(以下、「PS」という)、ゴム類、ポリ塩化ビニル(以下、「塩ビ」という)、ポリエチレン(以下、「PE」という)、ポリプロピレン(以下、「PP」という)、ウレタン等が含まれている。
【0024】
つぎに、ステップS2の鉄廃材選別工程は、所定の磁気選別機によって混合廃材中に含まれる鉄等の磁性を有する鉄廃材を除去する工程である。具体的には、破砕した混合廃材を振動コンベアにより搬送させ、その振動コンベア近傍に配置した電磁石を強励磁することにより、鉄廃材のみを吸着し、選別するようになっている。
【0025】
つぎに、ステップS3の非鉄廃材選別工程は、鉄廃材を除去した非鉄廃材を比重差および形状差により選別する工程である。この工程では、後述する本実施形態の非鉄廃材選別装置1を3基連設して構成した非鉄廃材選別システム2が使用されている。この非鉄廃材選別システム2により、非鉄廃材は、比較的短い線状廃材(銅線屑、樹脂等)と、比較的長い線状廃材(ハーネス、銅線屑等)と、基板屑と、非鉄金属類と、軽量廃材(ABS樹脂・PS・塩ビ)およびシート状廃材(ゴム類)と、浮遊物(PE、PP、ウレタン等)とに選別される。
【0026】
つぎに、ステップS4の線状廃材選別工程は、ステップS3で選別された比較的短い線状廃材を、さらに比重差および形状差により選別する工程である。この工程では、後述する本実施形態の線状廃材選別装置3が使用されている。この線状廃材選別装置3により、形状の小さい線状廃材は、銅線屑と、高比重の樹脂Aと、低比重の樹脂Bとに選別される。
【0027】
つぎに、ステップS5の軽量廃材破砕工程は、ステップS3で選別された軽量廃材をプラスチック破砕機等の破砕機により破砕する工程である。この工程では、軽量廃材をさらに細かく裁断または破砕する。
【0028】
つぎに、ステップS6の浮遊物破砕工程は、ステップS3で選別された浮遊物をプラスチック破砕機等の破砕機により破砕する工程である。この工程では、浮遊物をさらに細かく裁断または破砕した後、脱水スクリーン等により脱水して回収する。
【0029】
つぎに、ステップS7の第1軽量廃材選別工程は、ステップS5で破砕された軽量廃材を、さらに比重差により選別する工程である。この工程では、後述する本実施形態の軽量廃材選別装置4が使用されている。この軽量廃材選別装置4により、軽量廃材は、塩ビ・ゴム類と、ABS樹脂と、PSとに選別される。
【0030】
つぎに、ステップS8の第2軽量廃材選別工程は、ステップS7で破砕された軽量廃材を、さらに比重差により選別する工程である。この工程では、ステップS7と同様、後述する本実施形態の軽量廃材選別装置4が使用されている。この軽量廃材選別装置4により、軽量廃材は、塩ビと、ゴム類とに選別される。
【0031】
以上の工程により、比重や形状の異なる多種多様な混合廃材が、各原料ごとに分離されるようになっている。
【0032】
以下、各ステップにおいて使用される選別装置について詳細に説明することとし、まず、ステップS3の非鉄廃材選別工程で使用される本実施形態の非鉄廃材選別装置1および非鉄廃材選別システム2について図2を参照しつつ説明する。
【0033】
(1)非鉄廃材選別装置および非鉄廃材選別システム
本実施形態の非鉄廃材選別システム2は、非鉄廃材がまず最初に投入される第1の非鉄廃材選別装置1aと、この第1非鉄廃材選別装置1aの後に続くように連設される第2非鉄廃材選別装置1b、および第3非鉄廃材選別装置1cとから構成されている。なお、本実施形態では、各非鉄廃材選別装置1a,1b,1cの基本構造はほぼ同一の構成であるため、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cの構成のうち、第1非鉄廃材選別装置1aの構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付している。
【0034】
第1非鉄廃材選別装置1aは、主として、水で満たされた選別槽5と、この選別槽5内の水を上下方向に脈動させる上下脈動手段6と、選別槽5内を上下に仕切る選別スクリーン部7と、この選別スクリーン部7の下方に設けられる可変翼8と、前記選別スクリーン部7上に沈殿された層状の廃材を回収するロータリフィーダ9と、前記選別スクリーン部7の網目から落下した線状廃材を回収するロータリバルブ10とから構成されている。
【0035】
本実施形態の第1非鉄廃材選別装置1aの各構成部についてより詳細に説明すると、選別槽5は、平面断面略正方形の直方体形状に形成されている。この選別槽5の上部には、混合廃材の投入口11が設けられており、水車式フィーダ12によって適量の混合廃材が水とともに投入されるようになっている。また、投入口11の対面側には、回収口13が設けられており、選別スクリーン部7上で最下層に沈殿された廃材、ここでは比較的長い銅線屑やハーネスをロータリフィーダ9の吸引力によって引き込む役割を果たしている。また、選別槽5の側壁には、後述する気室61に通じる給排気口62が形成されている。
【0036】
つぎに、上下脈動手段6は、主として、選別槽5内に設けられる気室61と、この気室61に給排気口62を通じて空気を給気する空気ブロワ63、およびこの空気ブロワ63からの給排気タイミングを調節する空気バルブ64とから構成されている。気室61は、下端が開口されており、上方の屋根61aは山形に形成されている。空気ブロワ63は、加圧された空気を各空気バルブ64に接続された空気タンク65に貯留する。空気バルブ64は、例えばロータリバルブにより構成されており、バルブモータ66により回転されて開閉し、気室61の給排気を行う。本実施形態では、第1非鉄廃材選別装置1aから第3非鉄廃材選別装置1cまで連続した水面の流れを安定させるため、第1非鉄廃材選別装置1aおよび第3非鉄廃材選別装置1cの給排気タイミングは同期させ、第2非鉄廃材選別装置1bの給排気タイミングは位相を半分ずらしている。
【0037】
また、本実施形態では、バルブモータ66の回転を制御することにより、図3に示すように、水の上下脈動サイクルのうち、下降時における気室61内の空気を断続的に排気し、下降を一時的に停止させる。そして、再び下降させる際には強く速く下降させる。これは、比重差の異なる物質同士の沈降速度が、静止状態から落下を開始するときに最も顕著な格差を生じるため、この原理を利用して比重差による選別を効果的に実行させるためである。
【0038】
したがって、気室61内の空気を断続的に排気して、水の下降を一時的に停止させ、再び下降を開始することにより、比重差の異なる廃材同士の沈降速度を増幅させてより精度よく選別するようになっている。
【0039】
さらに前述のように下降時に一旦排気を停止するため、この停止分の時間を取り戻すべく単位時間の排気量を多くしている。つまり、ロータリバルブ10のサイクルに合わせて脈動サイクルを繰り返す必要があるため、下降時における単位時間当たりの排気量を水の上昇時における単位時間当たりの給気量よりも大きく設定している。仮に給気時間と排気時間が等しい場合、排気を断続させることにより、給気した空気を全て排気できなくなってしまう。したがって、単位時間当たりの排気量を大きくして給気量と排気量を等しくすることにより、選別槽5内の水は一定の上下幅で脈動し安定的な比重分離が可能となる。
【0040】
選別スクリーン部7は、選別槽5内に固定される床網71と、この床網71上を複数の区画に仕切る仕切壁72と、各区画に敷かれる複数の粒状物73とを有している。床網71は、選別槽5の平面断面とほぼ同形状の略正方形に形成されており、粒状物73を落下させない程度の大きさの網目を有している。仕切壁72は、床網71上に略垂直方向に立設され、図4に示すように、前記床網71を複数の区画に分割している。粒状物73は、ステンレス球やセラミック球などの適当な比重を有する球状体により構成されており、各区画内に敷設されて水の通過量を制限する。
【0041】
本実施形態では、図4に示すように、回収口13側よりも投入口11側の区画に敷かれる粒状物73の粒径がより小さく形成されている。これは、上下脈動手段6による水の脈動によって上方に押し上げられる水が選別スクリーン部7を通過できる水量を回収口13からの距離に応じて多量になるよう任意に制限するためである。これにより、図5に示すように、回収口13側では水流が弱くて流速が小さくなり、投入口11側ではの水流が強くて流速が大きくなる。したがって、シート状廃材を含む非鉄廃材が投入されても投入口11側の強い上昇流によりシート状廃材が水中に潜り込むのを防ぐことができる。さらに水面上の流れを強くすることもできる。また、以上のように通過水量を粒状物73の粒径によって調節する構成に限らず、粒状物73の敷設密度を調整すること、つまり、回収口13側よりも投入口11側の区画に敷かれる粒状物73の敷設密度を小さくすることによって、投入口11側の水流を強くし、回収口13側の水流を均一で穏やかにするようにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態の選別スクリーン部7は、図4に示すように、各区画のうち、気室61の屋根61aと対向する位置にある区画の底面積が、投入口11側および回収口13側の区画の底面積よりも大きな面積となるように仕切られている。これは、気室61の屋根61aの上方においては、気室61の左右から押し上げられた水が合流し水流に乱れが生じているため、これを整える必要があるからである。つまり、合流点で生じた乱流を大きな底面積の区画を通過させることにより、通過条件・状況をほぼ等しくすることができ、流速方向と水流の強さを整えるのである。一方、気室61の真上から左右に離れた投入口11側および回収口13側では、水が真っ直ぐ上に押し上げられて大きな乱れが生じない。したがって、床網71の区画面積を小さく形成し、各仕切壁72により水の流れ方向を所望の水面流が生成されるように安定して方向付けるようになっている。
【0043】
さらに、選別スクリーン部7では、各区画の大きさに形成された網状容器に粒状物73を収容している。これは、選別する廃材の種類によって任意に粒状物73の粒径を変更する場合に、簡単かつ迅速に変更することができるし、網目の洗浄も容易に行うことができて、選別精度の維持に貢献するものである。
【0044】
つぎに、可変翼8は、気室61によって真上に押し上げられる水の流れ方向を変えて、水面を投入口11側から回収口13側へ水平に流れる水流を形成するものである。図2に示すように、可変翼8は、選別スクリーン部7と気室61との間で横に所定間隔を隔てて複数枚並設されている。各可変翼8は、その傾斜角度を任意に調節できるようになっている。したがって、発生する水面流と上下脈動流との微妙な関係を保持するために、各可変翼8の傾斜方向を適宜設定して、選別スクリーン部7を通過して非鉄廃材を浮上させる水流の方向を調整するようになっている。後述するように、第1非鉄廃材選別装置1aでは、上下脈動水流を投入口11側の仕切壁72にぶつけて回収口13側に反射させ、投入口11側から回収口13側への水流を発生させるようになっている。
【0045】
つぎに、ロータリフィーダ9は、複数枚の回収羽根91が図示しない円柱状の回転体の外周面に等間隔で放射状に配置されている。このロータリフィーダ9は各非鉄廃材選別装置1a,1b,1cの回収口13の内部に設けられ、モータ等により回転駆動自在に構成される。また、ロータリバルブ10は、選別槽5の最下部に設けられ、選別スクリーン部7を通じて落下した廃材を回収するようになっている。本実施形態のロータリバルブ10は、上下脈動手段6と連動するように制御されており、床網71から落下した銅線屑等を回収する際、気室61から空気を排気する時のタイミングに合わせて最下部を開口し、必要以上に水が排出されないようにしながら落下物を回収するようになっている。
【0046】
つぎに、非鉄廃材選別システム2を構成する第1非鉄廃材選別装置1aから第3非鉄廃材選別装置1cの構成上の相違点あるいは関連点について説明する。
【0047】
まず、選別槽5について説明する。各選別槽5a,5b,5cは、第1非鉄廃材選別装置1aからオーバーフローする水量が、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cで同時に受け入れる水量と等しくなるように設定されている。これは、各非鉄廃材選別装置1a,1b,1cの水面上を流れる水面流を滞留させることなく流れさせ続けるためである。つまり、第1非鉄廃材選別装置1aからオーバーフローする水量を第2非鉄廃材選別装置1bで受ける場合に、その一部の水量を受け入れ、残りの水量をオーバーフローさせ、さらに、第3非鉄廃材選別装置1cでも第2非鉄廃材選別装置1bからオーバーフローされた水量のうち一部を受け入れ、残りをオーバーフローさせる。このように常に受け入れる水量の一部をオーバーフローさせれば、第1〜第3の非鉄廃材選別装置1a,1b,1cのそれぞれで水面流を発生させる必要はなく、第1非鉄廃材選別装置1aで発生させた水面流を滞らせることなく、第2,第3の非鉄廃材選別装置1b,1cで連続的に水面の流れを維持できる。そして、滞ることのない水面流によって、水面上を浮遊するシート状廃材が水中に沈降することなく、つまり他の廃材を巻き込むことなくそのまま選別することができる。
【0048】
前述した水量の条件を満足させるために、本実施形態では、図6に示すように、第1非鉄廃材選別装置1aにおける選別槽5aの平面断面積が、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cにおける各選別槽5b,5cの平面断面積の和と等しくなるように設計されている。なお、上記水量の条件を満足させれば、各選別槽5a,5b,5cの平面断面積に差を設けなくてもよい。例えば上下動する水面高さを制御することによりオーバーフローさせる水量を調整することが理論上可能であるが、別途、第2,第3非鉄廃材選別装置1b,1cの選別槽5b,5cに水を補給し続けなければならず、水流の乱れが生じやすくなるという問題がある。
【0049】
つぎに床網71上に敷設された粒状物73の粒径関係について説明する。各区画に敷かれた粒状物73の粒径を比較すると、第2および第3非鉄廃材選別装置1b,1cに比べ、第1非鉄廃材選別装置1aの方が相対的に大きなものとして形成されている。つまり、第1非鉄廃材選別装置1aにおける床網71のいずれかの区画内に敷設された粒状物73は、その区画に対応する第2および第3非鉄廃材選別装置1b,1cにおける区画内に敷設された粒状物73よりも約1mm程度大きな粒径のものが使用されている。これは、第1非鉄廃材選別装置1aにおいては、床網71の網目から落下するほど細かい銅線屑や樹脂等を最初の段階で分離してしまう役割を担うからである。これに対し、第2および第3の非鉄廃材選別装置1b,1cにおいては、床網71から落下させるような銅線屑等は存在しないため、網目を細かくし、かつ粒径の小さな粒状物73を敷設してより均一な押し上げ流を床網71上に発生させる目的があるからである。
【0050】
つぎに、第1〜第3の非鉄廃材選別装置1a,1b,1cにおける可変翼8の傾斜角の違いについて説明する。図2に示すように、第1非鉄廃材選別装置1aにおける可変翼8は、回収口13に対して反対方向(投入口11方向)に傾斜されており、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cにおける可変翼8は回収口13方向に傾斜されている。いずれも上下の脈動とは別に、水面上を流れる水面流を発生させてこれを維持するための構成である。すなわち、第1非鉄廃材選別装置1aでは、押し上げられた水が可変翼8に沿って方向を変え、選別槽5の投入口11側壁面や仕切壁72に当接して反射する。一方、投入口11からは水とともに非鉄廃材が投入されるので、前述の反射された水流と投入の水流とが合流し、回収口13側方向(図2の右側方向)への水面流が発生する。この水面流とともにゴムシート等が流される。本実施形態では、第1非鉄廃材選別装置1aの可変翼8は、鉛直方向に対して投入口11側に2〜3度傾斜されている。
【0051】
一方、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cは、別途、水面流を発生させる必要はなく、既に発生している水面流の流速や方向性を維持すればよい。そこで、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cでは、可変翼8を回収口13側に傾斜させており、ここを通る水が非鉄廃材を押し上げる脈動だけでなく、水面流の流れを加勢するようになっている。第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cの可変翼8は、鉛直方向に対して回収口13側へ5〜10度傾斜されている。
【0052】
つぎに、本実施形態の非鉄廃材選別システム2を用いた非鉄廃材選別工程(ステップS3)について説明する。
【0053】
まず、上述したステップS2において磁性廃材を除去した非鉄廃材を投入口11に投入する。投入された非鉄廃材は、水車式フィーダ12により適量ずつ第1非鉄廃材選別装置1aの選別スクリーン部7上に供給される。第1非鉄廃材選別装置1aの選別槽5内では、可変翼8が押し上げられる水を投入口11側へ斜めに導き、選別スクリーン部7における粒状物73の敷設密度の差によって投入口11側ほど強く速い水流を生じさせることにより、上下脈動に加えて水面上を流れる水面流を発生させる。この水面流にシート状廃材が乗って第2非鉄廃材選別装置1bへと流出される。
【0054】
一方、水面下では、上下方向の脈動により、比重が大きい廃材は下層に沈降し、比重の小さい廃材は上方に積層してそれぞれ沈殿層を形成する。回収口13側では粒状物73の敷設密度が高いため穏やかな水流の上下脈動が生じており、投入口11側よりも静かに沈殿層が形成される。
【0055】
また、上下脈動サイクルのうちの下降工程において気室61内の空気を断続的に排気させるとともに、下降を再開する場合には排気量を大きくするため、水中の比重差による沈降速度差を増幅させてより確実に選別処理を進めている。
【0056】
第1非鉄廃材選別装置1aでは、大きな粒径の粒状物73によって、隙間から銅線屑や樹脂屑を床網71から落下させる。選別槽5の最下部に沈殿した銅線屑等は気室61からの排気動作に合わせてロータリバルブ10が開放されることにより、次の線状廃材選別工程(ステップS4)へと移送される。
【0057】
第1非鉄廃材選別装置1aでは、選別スクリーン部7上の沈殿層のうち最下層にはハーネスや銅線屑が沈降する。この最下層がある程度沈殿するとロータリフィーダ9が回転し、選別した廃材を順次分離して回収する。一方、ハーネスや銅線屑以外の廃材は回収口13の上方を越えて第2非鉄廃材選別装置1bへと流出する。
【0058】
つぎに、第2非鉄廃材選別装置1bには、水面上をシート状廃材が流れてくるとともに、第1非鉄廃材選別装置1aによって分離されなかった非鉄廃材が流れてくる。第1非鉄廃材選別装置1aの選別槽5からオーバーフローした水は、第2非鉄廃材選別装置1bおよび第3非鉄廃材選別装置1cの各選別槽5にそれぞれ1/2量ずつ受け入れられ、同時にオーバーフローされる。さらに可変翼8による傾斜水流と選別スクリーン部7による水流の強弱調整、および前述した連続的なオーバーフローによって水面上の流れは維持され、シート状廃材は最後まで水面上を流れて回収される。
【0059】
また、第2非鉄廃材選別装置1bでは、粒状物73の粒径を第1非鉄廃材選別装置1aと比べて小さく設定しているため、各粒状物73の隙間も小さく、押し上げられた水は選別スクリーン部7を通過することでより均一化する。この均一化された水の脈動により、選別スクリーン部7上には、非鉄廃材が比重差により選別された沈殿層を形成する。第2非鉄廃材選別装置1bには樹脂間に銅が挟まれているような基板屑が最下層に沈殿している。この最下層の非鉄廃材をロータリフィーダ9によって分離し順次回収する。上層部の他の廃材は回収口13の上方を越えて第3非鉄廃材選別装置1cへと流出される。
【0060】
つぎに、第3非鉄廃材選別装置1cでは、第1非鉄廃材選別装置1aおよび第2非鉄廃材選別装置1bの水面を経てシート状廃材が流れてくるとともに、第2非鉄廃材選別装置1bによって回収されなかった非鉄廃材が流れてくる。第2非鉄廃材選別装置1bと同様、第3非鉄廃材選別装置1cでも選別スクリーン部7の流速調整と可変翼8による傾斜された水流、連続的なオーバーフローによって水面流を維持し、シート状廃材が水面下に潜り込んだり、他の廃材を包み込んでしまうことなく水面上を速やかに移送されて回収される。
【0061】
一方、選別スクリーン部7上では、上下の脈動によりステンレスやアルミなどの非鉄金属類が沈殿し、順次ロータリフィーダ9によって回収される。そして、この第3非鉄廃材選別装置1cでも回収されなかった比重の小さいABS樹脂、PS、塩ビ等の軽量廃材は回収口13の上方を越えて、シート状廃材と一緒に回収される。これら軽量廃材は、ステップS5の軽量廃材破砕工程においてさらに破砕された後、後述するステップS7の第1軽量廃材選別工程で用いられる軽量廃材選別装置4へと搬送され、さらに細かく選別される。
【0062】
また、ウレタンや、PE、PP等の浮遊物については、本非鉄廃材選別システム2に設けられたサイドトラップSにより別途回収され、ステップS6の浮遊物破砕工程において破砕された後、回収される。
【0063】
なお、本第3非鉄廃材選別装置1cと第2非鉄廃材選別装置1bとにおける粒状物73の粒径や可変翼8の傾斜角度は、等しいものに形成しているが、これに限られるものではない。第3非鉄廃材選別装置1cにおける各値が第2非鉄廃材選別装置1bの値以下であればよく、選別対象の廃材の種類により適宜設定される。
【0064】
以上、本実施形態の非鉄廃材選別装置1によれば、
1.混合廃材を比重差により選別できるとともに、形状を考慮した選別を行い、選別精度を高めることができる。
2.水面上に横方向の流れを発生させるため、シート状の廃材が水中に潜り込んでしまったり、他の廃材を包み込んでしまうのを防止して、回収することができる。
3.選別スクリーン部7を通過させることにより気室61の屋根61aの形状によって生じる乱流を均一化させられるとともに、気室61から離れた位置の流れに対しては流れ方向を整然とさせるようにし、混合廃材を適切に上下脈動させられる。
4.水の下降時に断続的に下降を停止させるため、比重差の異なる廃材同士の沈降速度に顕著な格差を付与し、比重差による選別効果を高めて選別処理時間を短縮することができる。
5.ロータリバルブ10の開閉動作を上下脈動手段6の脈動と連動させるため、脈動動作をさせながら線状廃材を回収することができる等の効果を奏する。
【0065】
また、本実施形態の非鉄廃材選別システム2によれば、
1.粒状物73の粒径を適宜設定するため、最先の選別槽5では粒状物73の隙間によって形状による選別を行うとともに、後続の選別槽5では脈動する水を均一化させ、高精度な選別を行うことができる。
2.最先の選別槽5からオーバーフローした水を、後続の選別槽5で全て受け入れるため、隣の選別槽5へ送る部分での流速が大きく、回収口13付近の流速が小さくなり各選別槽5における水の流れが安定化する。また、水面下では、選別スクリーン部7上に層を形成した選別対象廃材が乱れるのを防止でき、水面では、シート状廃材をスムーズに次の選別槽5へと流出させることができる。
3.可変翼8の傾斜角度を適宜設定するため、水面付近の横方向の流速を最終選別槽5まで維持することができ、かつ、後続の選別槽5の水面下では横方向の流速を緩和して、上下方向の脈動を確保することができる等の効果を奏する。
【0066】
(2)線状廃材選別装置
つぎに、ステップS4の線状廃材選別工程で使用される本実施形態の線状廃材選別装置3について図7を参照しつつ説明する。なお、本線状廃材選別装置3の構成のうち、上述した非鉄廃材選別装置1の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0067】
本実施形態の線状廃材選別装置3は、主として、水で満たされた選別槽5と、この選別槽5内の水を上下方向に脈動させる上下脈動手段6と、選別槽5内を上下に仕切る仕切網14と、仕切網14上に球状物を敷き詰めてなる線状廃材分離層15と、この線状廃材分離層15上で層を形成した廃材を回収するロータリフィーダ9と、線状廃材分離層15下に落下した廃材を回収するロータリバルブ10とから構成されている。
【0068】
本実施形態の線状廃材選別装置3の各構成部についてより詳細に説明すると、仕切網14は、選別槽5の平面断面とほぼ同形状の略正方形に形成されており、選別槽5内の気室61上方で水平に固定される。仕切網14の網目は線状廃材を落下させられるが、球状物を落下させない程度の大きさに形成されており、本実施形態では9mmメッシュに形成されている。
【0069】
つぎに、線状廃材分離層15は、混合廃材のうち選別対象である線状廃材の比重より小さく、かつ、残りの他の廃材の比重より大きい比重を有する球状物15aによって構成されている。本実施形態では、銅線屑よりも比重が小さく、樹脂よりも比重の大きい条件を満たすステンレス球15aを使用している。このステンレス球15aは重量および形状がほぼ同一に形成されている。線状廃材分離層15では、前述のステンレス球15aを複数個仕切網14上に敷き詰めて3段に積層させている。
【0070】
一方、選別槽5は平面断面が略正方形等の正多角形若しくは円形に形成されている必要がある。これは、敷き詰められた球状物15aと選別槽5の壁面との摩擦力を各辺でほぼ等しくすることにより、線状廃材分離層15が一体的に上下動し、線状廃材のみを下方へ案内するためである。したがって、選別槽5が断面正多角形の場合、一辺の長さが球状物15aの直径で割り切れる値(整数倍)に設定されており、図8に示すように、隣り合う他の球状物15aと接触するように敷き詰められる。本実施形態では、正方形断面の一辺が600mmに対して10mm径の球状物15aを使用している。
【0071】
なお、球状物15aとしてステンレス球15a以外であっても、上記条件を満たせば他の材料を使用してよい。また、本実施形態では試行錯誤の結果、球状物15aを3層に積層させているが、これに限定されるものではない。
【0072】
つぎに、本実施形態の線状廃材選別装置3を用いた線状廃材選別工程(ステップS4)について説明する。
【0073】
まず、上述したステップS3において選別された銅線屑等の線状廃材が投入口11から投入され、線状廃材分離層15上に落下する。この線状廃材分離層15は、上下脈動手段6による水の上下脈動に伴って上下動する。その一方で、選別槽5は平面断面略正方形状に形成されており、かつ、重量および形状が同一の球状物15aを使用しているため、線状廃材分離層15と選別槽5の内壁面と接触面に発生する摩擦抵抗はほぼ等しくなる。これにより、線状廃材分離層15を構成する各球状物15aはほぼ一体的に上下動を繰り返す。線状廃材分離層15は、図8に示すように、各球状物15a間に適度な隙間を備えているため、当該球状物15aより比重の大きい銅線屑等は前記隙間から徐々に下方へと案内され、最終的には仕切網14から排出口へと落下される。
【0074】
銅線屑は絡みやすいので塊になってそのままでは球状物15a間を通れない場合もあるが、線状廃材分離層15の各球状物15aが一体的に上下動することにより塊を下から突き上げて塊をほぐし、隙間から落下できるようにする。さらに、銅線屑が仕切網14の網目に引っかかってしまう場合もあるが、各球状物15aが引っ掛かっている銅線屑を上から押し込むように衝突を繰り返すため、仕切網14から外れて落下させられる。以上のようにして選別分離された銅線屑は選別槽5の最下部からロータリバルブ10により排出される。
【0075】
一方、線状廃材分離層15上では、樹脂屑うち、比重の大きい樹脂(樹脂Aとする)が比重差によって下層に積層されており、これをロータリフィーダ9が回収する。比重の小さいその他の樹脂(樹脂Bとする)は、回収口13を乗り越えて別途回収される。
【0076】
以上、本実施形態の線状廃材選別装置3によれば、
1.絡みやすく比重差によっては選別しにくい銅線屑を精度良く選別することができる。
2.選別槽5の形状、球状物15aの比重、重量および形状を限定することにより、線状廃材分離層15の上下脈動が乱れ過ぎないように抑制でき、絡み合った銅線屑をほぐして分離したり、仕切網14に引っ掛かった銅線屑を網下に分離することができる。
3.ロータリバルブ10の開閉動作を上下脈動手段6の上下方向の脈動と連動させて気室61の排気動作の際に銅線屑を回収するため、排水を極力抑えることができる等の効果を奏する。
【0077】
(3)軽量廃材選別装置
つぎに、ステップS7の第1軽量廃材選別工程で使用される本実施形態の軽量廃材選別装置4について図9を参照しつつ説明する。なお、本軽量廃材選別装置4の構成のうち、上述した非鉄廃材選別装置1および線状廃材選別装置3の構成と同一若しくは相当する構成については同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0078】
本実施形態の軽量廃材選別装置4は、樹脂等の軽量な廃材であって脈動の影響を大きく受けやすい、しかも比重差が小さい廃材を選別するための装置である。例えば、高分子化合物の比重を挙げれば、塩ビは1.35〜1.55、PSは1.04〜1.06、PEは0.94〜0.97、PPは0.90〜0.91、ABSは1.05〜1.22であり、いずれも比重が小さく、各比重差は小さいため、沈殿層を形成しにくく、比重差による選別が難しい。そこで、本軽量廃材選別装置4は、主として、水で満たされた選別槽5と、この選別槽5内の水を上下方向に脈動させる上下脈動手段6と、選別槽5内を上下に仕切る傾斜選別スクリーン部16と、この傾斜選別スクリーン部16上で層を形成した廃材を回収するロータリフィーダ9とから構成されている。
【0079】
本実施形態の軽量廃材選別装置4の各構成部についてより詳細に説明すると、傾斜選別スクリーン部16は、選別槽5内を上下に仕切る床網71と、この床網71の上方に配置される天井網16aと、この天井網16aと床網71との隙間に積層される複数の粒状物73とを備えている。天井網16aは、床網71と同様、選別槽5の平面断面とほぼ同形状の略正方形に形成されており、粒状物73が通過しない程度の網目を有している。また、図9に示すように、天井網16aは回収口13側へ下降傾斜されており、軽量な軽量廃材がゆっくり傾斜面に沿って回収口13へと移送されるようになっている。また、回収口13に近いほど粒状物73の数を減らして傾斜選別スクリーン部16の厚さを薄くしている。これは、樹脂を回収する場合、回収口13近くでの積層厚さが厚いほど選別品位がよくなるためであり、回収口13近くでは樹脂を押し上げる水の強さを強くしている。このような傾斜選別スクリーン部16による選別効果は比重差が0.001以上、より好ましくは0.5以上の場合によりよく発揮される。
【0080】
また、図10に示すように、回収口13の内部には、ロータリフィーダ9が設けられており、回収口13の上側端部からロータリフィーダ9の外周へ引いた接線の傾斜角βが、天井網16aの傾斜角α以上の大きさになるように設定されている。これは、投入された軽量廃材をロータリフィーダ9が淀みなく回収するためである。もし、傾斜角度を逆の関係にすると、回収口13の上側端部がロータリフィーダ9に引き込まれる廃材の進路を妨害し、投入した廃材の回収量が低下するため選別槽5内に選別した廃材が滞留してしまう。
【0081】
さらに、回収口13の内部には、隣の選別槽5に廃材を流出させる流出板17の下面から脈動減衰板18が垂下されている。この脈動減衰板18は、上下の脈動が回収口13内に伝播するのを防ぐためのものであり、脈動の振幅が変化しても選別・分離した軽量廃材が噴出しないように振幅を減衰させる。脈動減衰板18はロータリフィーダ9上に設けられており、脈動の振幅に応じて任意の長さに設定される。例えば脈動サイクルが速い、換言すれば振幅が小さい場合には脈動減衰板18の長さを短くすればよく、逆に脈動サイクルが遅い、換言すれば振幅が大きい場合には脈動減衰板18の長さを長く形成しなければならない。なお、この脈動減衰板18の下端は、前述した回収口13とロータリフィーダ9とを結ぶ接線上となるように設定されており、回収量に影響を与えないようにされている。なお、脈動減衰板18の下端は前記接線より下方に突設していなければよい。回収される廃材の進路を確保するためである。
【0082】
また、回収口13と脈動減衰板18との間には、回収される軽量廃材が上下に動く幅を抑制するための廃材上下動抑制板19が設けられている。この廃材上下動抑制板19は、ロータリフィーダ9による回収方向へ上方傾斜されており、回収口13内に伝わる波をロータリフィーダ9側へ反射させるようになっている。もし、廃材上下動抑制板19が回収方向へ下方傾斜させると、回収口13内に浸入した水が反射してしまい、脈動減衰板18によって減衰させた波が選別槽5内に逆流してしまう。廃材上下動抑制板19の傾斜度は上下脈動によって任意に設定され、例えば脈動サイクルが速くて振幅が小さい場合には、傾斜度は小さく水平に近くてもよいが、脈動サイクルが遅くて振幅が大きい場合には、傾斜度は大きくしなければならない。
【0083】
つぎに、本実施形態の軽量廃材選別装置4を用いた第1軽量廃材選別工程(ステップS7)について図9を参照しつつ説明する。
【0084】
まず、上述したステップS3において選別された後、ステップS5において破砕されたABS樹脂やPS、ゴム類等の軽量廃材を投入口11に投入する。投入された軽量廃材のうち微粉末化した樹脂は、別途、微粉末回収部20で回収され、残りの樹脂は、水車式フィーダ12を介して傾斜選別スクリーン部16上に供給される。選別槽5内では、上下脈動手段6が水を上下方向に脈動させているため、この脈動に伴って軽量廃材は比重差により選別される。
【0085】
比重差によって下層に沈降する軽量廃材は、上下動を繰り返しながら天井網16aの傾斜面に沿って回収口13側へと移送される。したがって、投入口11側で沈降する軽量廃材も回収口13へと導いてムラなく回収される。一方、傾斜選別スクリーン部16上には軽量廃材が回収口13側ほど厚く積層しているが、図10に示すように、選別スクリーン内の粒状物73が回収口13側ほど薄く積層されているため、回収口13近くを通過する水の流速は減速することなく、沈降した廃材を均一に上下動させる。
【0086】
最下層には塩ビおよびゴム類が沈殿し、その上にABS樹脂が積層している。このうち塩ビおよびゴム類をロータリフィーダ9により回収する。回収口13内では、選別槽5内の脈動が伝播するが、脈動減衰板18が回収口13内の水の脈動を減衰するとともに、廃材上下動抑制板19が回収される軽量廃材の上下動を抑制するため、分離回収した軽量廃材が高い選別精度で回収される。
【0087】
また、回収口13付近では、下層に沈殿する軽量廃材が回収口13内に引き込まれる際、上層の軽量廃材が崩れて混入してしまうおそれがあるが、廃材上下動抑制板19が、回収口13内の軽量廃材の上下動幅を低減するため、穏やかに軽量廃材を回収し、上層の廃材が混入するのを防止する。
【0088】
回収された塩ビおよびゴム類は、ステップS8の第2軽量廃材選別工程で用いられる軽量廃材選別装置4へと搬送され、この装置によってさらに塩ビとゴム類とに選別される。
【0089】
本軽量廃材選別装置4においても、上述した非鉄廃材選別装置1と同様に、各選別槽5の上下脈動サイクルの水の下降時において気室61内の空気を断続的に排気し、しかも水の下降時における単位時間当たりの排気量を水の上昇時における単位時間当たりの給気量よりも大きく設定して、強く力を加えて下降させている。したがって、一時的に下降を停止された水が、再び下降する際に比重差の異なる廃材同士の沈降速度を増幅し、より比重格差を大きくする。
【0090】
なお、本軽量廃材選別装置4においては、傾斜選別スクリーン部16内の粒状物73を回収口13側で薄く積層させているが、これに限られるものではなく、分離させる廃材の比重差が0.5以下のような場合には、一定の厚さで積層した傾斜選別スクリーン部16を使用してもよい。
【0091】
以上のような本実施形態の軽量廃材選別装置4によれば、
1.樹脂のような軽量で比重差の小さいものが混在する混合廃材を穏やかな上下脈動によって精度良く選別することができる。
2.天井網16aを傾斜させることにより投入口11側に沈殿する軽量廃材も確実に回収することができるし、回収口13側に軽量廃材を厚く積層させて選別品位を高めることができる。
3.回収口13内の環境を穏やかに維持することができ、一旦回収された軽量廃材が逆流したり、沈殿層を崩したりするのを防止することができる等の効果を奏する。
【0092】
以上のように、本実施形態の混合廃材の選別工程によれば、比重や形状の異なる多種多様な混合廃材を高精度に選別して分離回収することができる。
【0093】
なお、本発明に係る非鉄廃材選別装置1およびこれを用いた非鉄廃材選別システム2は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0094】
例えば、本実施形態では、非鉄廃材選別装置1を3基連設させて非鉄廃材選別システム2を構成しているがこれに限られるものではなく、選別しようとする混合廃材の種類数に応じて増減させてよい。
【0095】
また、本実施形態では、水を用いて比重差による選別をさせているがこれに限らず、選別対象が軽量物の場合には、塩水を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係る非鉄廃材選別システムを適用した混合廃材の選別工程を示すフローチャート図である。
【図2】本実施形態における非鉄廃材選別装置を備えた非鉄廃材選別システムの実施形態を示す模式図である。
【図3】本実施形態の上下脈動手段による給気および排気時の気室内空気量と時間との関係を示すグラフである。
【図4】本実施形態の選別スクリーン部の平面図である。
【図5】本実施形態の非鉄廃材選別装置を示す拡大模式図である。
【図6】本実施形態の各非鉄廃材選別装置の選別槽の関係を示す平面図である。
【図7】本実施形態の線状廃材選別装置の模式図である。
【図8】本実施形態の線状廃材分離槽の平面図である。
【図9】本実施形態の軽量廃材選別装置の模式図である。
【図10】本実施形態の軽量廃材選別装置を示す拡大模式図である。
【符号の説明】
【0097】
1,1a,1b,1c 非鉄廃材選別装置
2 非鉄廃材選別システム
3 線状廃材選別装置
4 軽量廃材選別装置
5,5a,5b,5c 選別槽
6 上下脈動手段
7 選別スクリーン部
8 可変翼
9 ロータリフィーダ
10 ロータリバルブ
11 投入口
12 水車式フィーダ
13 回収口
14 仕切網
15 線状廃材分離層
15a 球状物(ステンレス球)
16 傾斜選別スクリーン部
16a 天井網
17 流出板
18 脈動減衰板
19 廃材上下動抑制板
20 微粉末回収部
61 気室
61a 屋根
62 給排気口
63 空気ブロワ
64 空気バルブ
65 空気タンク
66 バルブモータ
71 床網
72 仕切壁
73 粒状物
91 回収羽根
S サイドトラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非鉄廃材を液体中の比重差により選別するための選別槽と、
この選別槽内の液体を上下方向に脈動させる気室を備えた上下脈動手段と、
前記選別槽内を上下に仕切るとともに、前記上下脈動手段の脈動によって上方側に押し上げられる液体の通過水量を回収口からの距離に応じて任意に制限し、回収口側よりも投入口側の水流を強くする選別スクリーン部と、
この選別スクリーン部の下方に設けられ、この選別スクリーン部に押し上げられる液体の進行方向を任意の傾斜方向に変える可変翼と
を有していることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項2】
請求項1において、選別スクリーン部は、下面に配置される床網と、この床網上を複数の区画に仕切る仕切壁と、前記各区画に敷かれる複数の粒状物とを有しており、回収口側よりも投入口側の区画に敷設される粒状物の粒径がより小さく形成されていることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項3】
請求項1において、選別スクリーン部は、下面に配置される床網と、この床網上を複数の区画に仕切る仕切壁と、前記各区画に敷かれる複数の粒状物とを有しており、回収口側よりも投入口側の区画に敷設される粒状物の敷設密度が小さくされていることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、前記選別スクリーン部の各区画のうち、前記気室の屋根と対向する位置にある床網の区画面積が、投入口側および回収口側の区画面積よりも大きく仕切られていることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかにおいて、前記上下脈動手段は、非鉄廃材の沈降速度差を大きくするために、上下脈動サイクルの液体下降時において前記気室内の空気を断続的に排気するとともに、単位時間当たりの排気量を液体上昇時における単位時間当たりの給気量よりも大きくすることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置とこの後に続く他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、これらの各床網上の区画に敷設された粒状物の粒径は、最先の非鉄廃材選別装置におけるものより他の非鉄廃材選別装置におけるものの方が相対的に小さくされていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置とこの後に続く他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、最先の非鉄廃材選別装置における選別槽からオーバーフローする水量と、他の非鉄廃材選別装置における各選別槽で受け入れられる水量の合計量とが、ほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【請求項8】
請求項7において、最先の非鉄廃材選別装置における選別槽の平面断面積と、他の非鉄廃材選別装置における選別槽の平面断面積の合計値とが、ほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【請求項9】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置とこの後に続く他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、最先の非鉄廃材選別装置における可変翼は回収口に対して反対方向に傾斜されており、他の非鉄廃材選別装置における可変翼は回収口方向に傾斜されていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非鉄廃材を液体中において、その比重差により選別するための選別槽と、
この選別槽内の液体を上下方向に脈動させる気室を備えた上下脈動手段と、
前記選別槽内を上下に仕切るとともに、前記上下脈動手段の脈動によって上方側に押し上げられる液体の通過水量を回収口からの距離に応じて任意に制限し、回収口側よりも投入口側の水流を強くする選別スクリーン部と、
この選別スクリーン部の下方に設けられ、この選別スクリーン部に押し上げられる液体の進行方向を任意の傾斜方向に変える可変翼と
を有していることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項2】
請求項1において、選別スクリーン部は、下面に配置される床網と、この床網上を複数の区画に仕切る仕切壁と、前記各区画に敷かれる数の粒状物とを有しており、回収口側よりも投入口側の区画に敷設される粒状物の粒径がより小さく形成されていることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項3】
請求項1において、選別スクリーン部は、下面に配置される床網と、この床網上を複数の区画に仕切る仕切壁と、前記各区画に敷かれる数の粒状物とを有しており、回収口側よりも投入口側の区画に敷設される粒状物の敷設密度が小さくされていることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、前記選別スクリーン部の各区画のうち、前記気室の屋根と対向する位置にある区画の区画面積が、投入口側および回収口側の区画の区画面積よりも大きく仕切られていることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかにおいて、前記上下脈動手段は、非鉄廃材の沈降速度差を大きくするために、上下脈動サイクルの液体下降時において前記気室内の空気を断続的に排気するとともに、単位時間当たりの排気量を液体上昇時における単位時間当たりの給気量よりも大きくすることを特徴とする非鉄廃材選別装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置と他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、各非鉄廃材選別装置のそれぞれの床網上に敷設された粒状物の粒径は、最先の非鉄廃材選別装置におけるものより他の非鉄廃材選別装置におけるものの方が相対的に小さくされていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置と他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、最先の非鉄廃材選別装置における選別槽からオーバーフローする水量と、他の非鉄廃材選別装置における各選別槽で受け入れられる水量の合計量とが、ほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【請求項8】
請求項7において、最先の非鉄廃材選別装置における選別槽の平面断面積と、他の非鉄廃材選別装置における選別槽の平面断面積の合計値とが、ほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。
【請求項9】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の非鉄廃材選別装置を複数連設して構成される非鉄廃材選別システムであって、最先の非鉄廃材選別装置と他の非鉄廃材選別装置とを比較した場合、最先の非鉄廃材選別装置における可変翼は回収口に対して反対方向に傾斜されており、他の非鉄廃材選別装置における可変翼は回収口方向に傾斜されていることを特徴とする非鉄廃材選別システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−297169(P2006−297169A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−3331(P2004−3331)
【出願日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【特許番号】特許第3612325号(P3612325)
【特許公報発行日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(504011494)日本資源技術株式会社 (3)
【Fターム(参考)】