説明

面光源装置及びこれを含む液晶表示装置

【課題】 面光源装置及びこれを含む液晶表示装置。
【解決手段】第1基板、第1基板の外面の両側に形成された電極、電極が形成された位置に対応する第1基板の内面の両側に形成された放電補助層、放電補助層を有する第1基板上に形成された蛍光層、及び第1基板と対向する第2基板を含む面光源装置を開示する。放電補助層は、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む。面光源装置は、蛍光層を更に含んでもよい。又、面光源装置は、放電補助層及び蛍光層の代わりに、炭素、ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光層を第1基板の内面に有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置及びこれを含む液晶表示装置に関し、より詳細には、放電開始電圧及び放電維持電圧を減少させることができる面光源装置及びこれを有する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶表示装置は、液晶を用いて画像をディスプレイする表示装置である。このような液晶表示装置は、画像を表示するためのディスプレイユニット及びバックライトアセンブリを含む。ディスプレイユニット自体は発光しない非発光性であるため、バックライトアセンブリからディスプレイユニットに光が供給される。
【0003】
従来のバックライトアセンブリとしては、円柱形状を有する冷陰極蛍光ランプ(CCFL)又はドット形状を有する発光ダイオード(LED)が主に用いられた。冷陰極蛍光ランプは、輝度が高く、寿命が長く、白熱灯に対して非常に少ない発熱量を有し、発光ダイオードはサイズが小型で、消費電力が少ないという長所を有する。しかし、従来の冷陰極蛍光ランプ又は発光ダイオードは、輝度均一性に弱いという問題点を有している。
【0004】
従って、冷陰極蛍光ランプ又は発光ダイオードを光源として有するバックライトアセンブリは、輝度均一性を増加させるために、導光板、拡散部材、及びプリズムシート等のような光学部材を必要とする。したがって、冷陰極蛍光ランプ又は発光ダイオードを用いる液晶表示装置は、光学部材による電圧、重量、及び製造原価の大幅な増加などの多数の問題点を有する。
【0005】
このような問題点を解決するために、最近では平板形状の面光源装置に関する開発が進められている。面光源装置は、放電空間が形成された光源本体と放電空間内にプラズマを発生させるための電極を含む。面光源装置は光学的特性に優れ、消費電力が少ないため、大画面液晶表示装置の面光源装置に活用されている。
【0006】
しかし、面光源装置のうち、外部電極面光源装置は、液晶表示装置が大型化されるほど、電極間の間隔が大きくなる。従って、高い放電開始電圧及び放電維持電圧が要求される。放電開始電圧及び放電維持電圧が増加すると、液晶表示装置の消費電力を上昇させて液晶表示装置の効率を低下させ、液晶表示装置の駆動時に高電圧が必要になって、リーク電流及び電磁気干渉が増加するおそれがある。
【0007】
一方、水銀を用いる面光源装置は、水銀蒸気圧が温度に依存するため、常温以下の温度で初期放電が発生し難い。これを改善するためには、面光源装置の駆動時に多くの量の電子が容易に供給されなければならない。従って、このような問題点を解決するためには、面光源装置の内部で容易に2次電子を供給することにより、放電開始電圧及び放電維持電圧を減少させなければならない。
【0008】
一般的に、このために、2次電子収率が高く、プラズマ内のイオンによる衝撃に強い金属酸化物を電極に塗布する。内部電極を採用する面光源装置では、電極の表面に誘電層を塗布した後、金属酸化物のように2次電子放出が容易な物質を塗布する。外部電極を用いる面光源装置では、面光源装置の内部表面に2次電子収率が高い酸化物を塗布する場合もある。
【0009】
特許文献1には、前面ガラス基板と背面ガラス基板によって形成される空間に配置され、その外表面が酸化膜で覆われた多数個の電極を含むバックライトアセンブリ用プラズマディスプレイパネルが開示されている。しかし、大部分の酸化物は、2次電子収率が非常に低い(<1)ため、酸化膜の塗布にもかかわらず、画期的な水準の電圧降下効果を期待することができない。
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2003−21909号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、放電開始電圧及び放電維持電圧を減少させることができる面光源装置を提供することにある。
【0011】
本発明の第2の目的は、前記面光源装置を含むことを特徴とする液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した本発明の第1の目的を達成するために、本発明は、第1基板、第1基板の外面に形成された電極、電極が形成された位置に対応する第1基板の内面に形成された放電補助層、放電補助層を有する第1基板上に形成された蛍光層、及び第1基板と対向する第2基板を含むことを特徴する面光源装置を提供する。
【0013】
又、前述した本発明の第1の目的を達成するために、本発明は、第1基板、第1基板の外面に形成された電極、第1基板の内面に形成され、炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光層、及び第1基板と対向する第2基板を含むことを特徴とする面光源装置を提供する。
【0014】
本発明の第2目的を達成するために、本発明は、第1基板、第1基板の外面の両側に形成された放電補助層、放電補助層を有する第1基板上に形成された蛍光層及び第1基板と対向する第2基板を含む面光源装置、面光源装置から出射される光を用いて画像を表示する液晶表示パネル、及び面光源装置と液晶表示パネルとを収納する収納容器を含むことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0015】
又、本発明の第2の目的を達成するために、本発明は、第1基板、第1基板の外面両側に形成された電極、第1基板の内面に形成された、炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光層及び第1基板と対向する第2基板を含む面光源装置、面光源装置から出射される光を用いて画像を表示する液晶表示パネル、及び面光源装置と液晶表示パネルを収納する収納容器とを含むことを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0016】
本発明によると、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む面光源装置においては、2次電子の放出量が増加して放電開始電圧及び放電維持電圧が減少させることができる。これによって、面光源装置の効率が高まるので、面光源装置を含む液晶表示装置の消費電力を減少させて液晶表示装置の輝度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例による面光源装置及びその製造方法を詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の第1の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図である。図2は図1の面光源装置をI−I’に沿って切断した断面図である。図2には、図1の面光源装置のうち、両端の密封部材を除いた残りの部分が図示されている。I−I’は、空間分割部材が存在しない部分を通過する線のため、図2には空間分割部材が図示されていない。
【0019】
図1を参照すると、本発明の第1の実施例による面光源装置100は、光源本体140及び電極150を含む。
【0020】
光源本体140は、第1基板110及び第1基板110と所定の間隔をおいて対向して配置される第2基板120とを含む。光源本体140は、第1基板110と第2基板120との間に配置され、放電ガス(discharge gas)を密封する密封部材130を更に含んでもよい。
【0021】
第1基板110及び第2基板120は、可視光線を透過させるが、紫外線は遮断するガラス基板である。密封部材130は、第1基板110及び第2基板120の両方の端の部分(edge portion)を密封して、放電空間を形成する。図1では、第1基板110及び第2基板120が平らな形状を有するが、第1基板110及び第2基板120のうち、いずれか一つが、連続的に形成される複数のセミシリンダー形状(semi−cylindrical shapes)を有してもよい。この場合、光源本体140が密封部材130を含まなくてもよいが、連続的に形成されるセミシリンダー形状を有する第1基板110又は第2基板120のいずれかが密封部材130としての役割を果たす。
【0022】
光源本体140の放電空間内には、空間分割部材170を配置してもよい。空間分割部材170は、少なくとも一つ以上が互いに平行に等間隔に配置される。この際、空間分割部材170は、第1基板110及び第2基板120と接触する。空間分割部材170は、第1基板110又は第2基板120と同時に形成されるときには、第1基板110又は第2基板120と同じ材質で形成してもよい。又、密封部材130は、空間分割部材170と互いに異なる材質で形成してもよいが、空間分割部材170と同時に形成されるときには同じ材質で形成してもよい。
【0023】
電極150は、B方向、即ち、空間分割部材170の長手方向に垂直な第1方向に第1基板110の外面の両側にそれぞれ形成される。電極150には外部から供給される放電電圧が印加され、印加された放電電圧によって放電空間内にプラズマが発生する。
【0024】
図2を参照すると、本実施例による面光源装置100は、電極150が配置される第1基板110上に放電補助層(discharge auxiliary layer)112を含む。放電補助層112は、電極150が形成された位置に対応する第1基板110の内面の両側に形成される。即ち、放電補助層112は、第1基板110を挟んで電極150と向かい合う。
【0025】
放電補助層112は、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む。一般的に、炭素ナノチューブは、一つの炭素原子が3個の他の炭素原子と結合されて、六角形の蜂の巣形状に形成される。炭素ナノチューブは与えられた電場に対応して、幾何学的向上要因(geometric enhancement factor)を有するため、2次電子収率が高い。即ち、炭素ナノチューブは非常に小さい直径を有するため、縦横比(aspect ratio)が高く、炭素ナノチューブの先端も直径が小さいため、その幾何学的効果によって低い電圧でも容易に電子を放出する。従って、炭素ナノチューブを含む面光源装置100では、2次電子収率が増加するため、放電開始電圧及び開始された放電を維持する放電維持電圧が減少し、放電効率が高まる。従って、炭素ナノチューブを含む面光源装置100の消費電力が減少し、面光源装置100を有する液晶表示装置の輝度が増加する。
【0026】
酸化物は、炭素ナノチューブを固定する結合剤(holder)の役割を果たし、プラズマ内のイオン衝撃から炭素ナノチューブを保護する役割を果たす。酸化物は、それ自体で2次電子を放出してもよい。酸化物内においては自由電子がないことにより、電子間の散乱効果が弱いため、2次電子が酸化物の表面に移動する。酸化物の表面の2次電子は、充分なエネルギーが供給されると、表面から離脱するため、酸化物の2次電子収率が増加する。このように、2次電子収率が増加するため、酸化物を含む面光源装置100の放電開始時に利用できる電子の数が増加する。それにより、炭素ナノチューブのみを含む場合よりも、面光源装置100の放電開始電圧及び放電維持電圧をより減少させてもよい。
【0027】
炭素ナノチューブと混合することができる酸化物の例としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、及び酸化アルミニウム(Al)等のような金属酸化物が挙げられる。シリコン酸化物(SiO)のような非金属酸化物も使用してもよい。
【0028】
炭素ナノチューブ及び酸化物は、ペースト状態で混合する。放電補助層112は、炭素ナノチューブ及び酸化物と基板との接着力を向上させるために、粘度調節剤及び接着剤を更に含んでもよい。
【0029】
炭素ナノチューブの一部は、酸化物上に露出されている。露出された炭素ナノチューブは、酸化物上に一定の間隔で配列されることが望ましい。この際、間隔が、露出された炭素ナノチューブ長の2倍未満であると、電場のスクリーニング効果が発生して、望ましくない。従って、間隔は、露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることが望ましい。より望ましくは、間隔は、露出された炭素ナノチューブ長の2倍乃至3倍である。
【0030】
放電補助層112は、電極150の形状と同様にB方向に沿って帯形状に塗布される。放電補助層112は、要求される放電開始電圧にしたがって電極150の面積と実質的に同じに塗布されてもよく、また、あるいは、択一的に電極150の面積より狭く、あるいは広く塗布されてもよい。
【0031】
本実施例による面光源装置100は、放電補助層112上に蛍光層114を含む。蛍光層114は、蛍光体を含み、放電空間118内のプラズマによって発生した紫外線を可視光線に変更する。蛍光層114は、空間分割部材170(図1参照)が配置された領域を除いては、第1基板110上に薄い膜形状に形成される。
【0032】
本実施例では、放電補助層112が塗布された第1基板110上にのみ蛍光層114が塗布されているが、蛍光層114は放電補助層112が塗布されていない第2基板120にのみ塗布してもよい。又、蛍光層114は、第1基板110及び第2基板120上の両方に塗布してもよい。
【0033】
放電補助層112を保護するために、放電補助層112及び蛍光層114の間には、保護層(図示せず)を形成してもよい。
【0034】
蛍光層114が塗布された第1基板110及び第2基板120の間には、密封部材130(図1参照)によって囲まれた放電空間118が形成され、放電空間118には水銀(Hg)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等の放電ガスが混合して存在してもよい。電極150に印加された電圧によって発生する電場によって放電補助層112から2次電子が放出される。2次電子は、放電空間118に存在する放電ガスを励起させ、励起された放電ガスは基底状態から励起状態になって光を発生するため、面光源装置100がその役割を果たすことになる。
【0035】
本実施例による面光源装置100は、電極150が形成された位置に対応する第1基板110の内面の両側に炭素ナノチューブ及び酸化物を含む放電補助層112を有する。炭素ナノチューブ及び酸化物の2次電子収率が高いため、面光源装置100は、放電開始電圧及び放電維持電圧を減少させることができ、これによって、面光源装置100の消費電力が減少する。
【実施例2】
【0036】
図3は本発明の第2の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図で、図4は図3の面光源装置をII−II’に沿って切断した断面図である。図4には、図3の面光源装置のうち、両端の密封部材を除いた残りの部分が図示されている。
【0037】
図3を参照すると、本発明の第2の実施例による面光源装置200は、光源本体240、第1電極250、及び第2電極260を含む。
【0038】
光源本体240は、第1基板210、及び第1基板210と所定の間隔をおいて対向して配置された第2基板220とを含む。光源本体240は、第1基板210と第2基板220との間に配置され、放電空間を形成する密封部材230を更に含んでもよい。光源本体240の放電空間内には、空間分割部材270が配置されてもよい。
【0039】
本発明の第2の実施例による面光源装置200は、第2電極260を有する第2基板220の構造を除くと、第1の実施例で説明した面光源装置100と同じであるため、重複する部分についての説明は省略する。
【0040】
図4を参照すると、本発明の第2の実施例による面光源装置200は、第1電極250が配置される第1基板210上に第1放電補助層212及び蛍光層214を有する。第1放電補助層212は、第1の実施例の放電補助層112と同様に炭素ナノチューブ及び酸化物を含む。炭素ナノチューブ及び酸化物は第1の実施例において前述した通りである。炭素ナノチューブは、酸化物上に一定の間隔で露出されている。間隔は、露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは2倍〜3倍である。
【0041】
第1放電補助層212を有する面光源装置200は、放電開始電圧及び放電維持電圧が減少され、面光源装置200の放電効率が改善される。従って、面光源装置200を含む液晶表示装置は、輝度が増加し、消費電力が減少する。
【0042】
又、面光源装置200は、第2電極260が配置される第2基板220上に第2放電補助層216を含む。第2電極260は、第2基板220の外面の両側に形成され、第1基板210の第1電極250に対応する。第2放電補助層216は、第2基板220の内面の両側に形成され、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む。従って、第2放電補助層216は、第1放電補助層212と同じ機能を果たす。
【0043】
本実施例では、第1放電補助層212が塗布された第1基板210上にのみ蛍光層214が塗布しているが、蛍光層214は、第2放電補助層216が塗布された第2基板220にも塗布してもよい。
【0044】
第1放電補助層212及び蛍光層214の間には、第1放電補助層212を保護するために、保護層(図示せず)が形成してもよい。第2基板220上に蛍光層が塗布される場合にも、第2放電補助層216を保護するために、保護層を形成してもよい。
【0045】
第1基板210及び第2基板220の間には放電空間218が形成され、放電空間218内の放電ガスによって面光源装置200が発光する。
【0046】
本実施例による面光源装置200は第1電極250及び第2電極260を有して、各電極に対応する第1放電補助層212及び第2放電補助層216を有する。第1電極250及び第2電極260によって面光源装置200に高い電圧が印加される。それにより、第1及び第2放電補助層212、216内の炭素ナノチューブ及び酸化物の混合物によって電極に印加される電圧により2次電子が容易に放出される。
【実施例3】
【0047】
図5は本発明の第3の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図で、図6は図5の面光源装置をIII−III’に沿って切断した断面図である。図6には、図5の面光源装置のうち、両端の密封部材を除いた残りの部分が図示されている。
【0048】
図5を参照すると、本発明の第3の実施例による面光源装置300は、光源本体340及び電極350を含む。
【0049】
光源本体340は、第1基板310及び第1基板310と所定の間隔をおいて対向して配置された第2基板320とを含む。光源本体340は、第1基板310と第2基板320との間に配置され、放電空間318を形成する密封部材330を更に含んでもよい。光源本体340の放電空間318内には、空間分割部材370を配置してもよい。
【0050】
本実施例による面光源装置300は、第1基板310の構造を除くと、第1の実施例において説明した面光源装置100と実質的に同じであるため、重複する部分についての説明は省略する。
【0051】
図6を参照すると、本実施例による面光源装置300は、電極350が配置される第1基板310上に放電蛍光層313を有する。放電蛍光層313は、炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む。炭素ナノチューブ及び酸化物は、実施例1で説明した通りである。炭素ナノチューブは、酸化物及び蛍光体上に一定の間隔に露出されている。間隔は、露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは2倍〜3倍である。放電蛍光層313は、第1の実施例において説明した蛍光層の役割及び放電補助層の役割を同時に果たす。従って、放電空間318内のプラズマによって発生した紫外線を可視光線に変更させると同時に、放電開始電圧及び放電維持電圧を低くして、面光源装置300の放電効率を増加させる。これによって面光源装置300を含む液晶表示装置の輝度及び消費電力を減少させることができる。
【0052】
第1基板310及び第2基板320の間には放電空間318が形成され、放電空間318内の放電ガスによって面光源装置300が発光する。
【実施例4】
【0053】
図7は本発明の第4の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図で、図8は図7の面光源装置をIV−IV’に沿って切断した断面図である。図8には、図7の面光源装置のうち、両端の密封部材を除いた残りの部分が図示されている。
【0054】
図7を参照すると、本発明の第4の実施例による面光源装置400は、光源本体440、第1電極450、及び第2電極460を含む。
【0055】
光源本体440は、第1基板410及び第1基板410と所定の間隔をおいて対向して配置された第2基板420とを含む。光源本体440は、第1基板410と第2基板420との間に配置され、放電空間418を形成する密封部材430を更に含んでもよい。光源本体440の放電空間418内には、空間分割部材470を配置してもよい。
【0056】
本発明の他の実施例による面光源装置400は、第2基板420の構造を除くと、第3の実施例において説明した面光源装置300と実質的に同じであるため、重複する部分についての説明は省略する。
【0057】
図8を参照すると、本実施例による面光源装置400は、第1電極450が配置される第1基板410の内面に第1放電蛍光層413を含む。第1放電蛍光層413は、実施例3の放電蛍光層313と同様に炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む。前記炭素ナノチューブ及び酸化物は、実施例1で説明したとおりである。炭素ナノチューブは、酸化物及び蛍光体上に一定の間隔で露出されている。間隔は、露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることが望ましく、より望ましくは、2倍〜3倍である。第1放電蛍光層413を有する面光源装置400は、放電開始電圧及び放電維持電圧が減少され、面光源装置400の放電効率が改善される。従って、面光源装置400を含む液晶表示装置は、輝度が増加し、消費電力が減少する。
【0058】
又、面光源装置400は、第2電極460が配置される第2基板420上に第2放電蛍光層417を含む。第2電極460は第2基板420の外面の両側に形成され、第1基板410の第1電極450に対応する。第2放電蛍光層417は第2基板420上に形成され、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む。従って、第2放電蛍光層417は、第1放電蛍光層413と同じ機能を果たす。
【0059】
第1基板410及び第2基板420の間には放電空間418が形成され、放電空間418内の放電ガスによって面光源装置400が発光する。
【0060】
本実施例による面光源装置400は第1電極450及び第2電極460を有し、各電極に対応して第1放電蛍光層413及び第2放電蛍光層417を有する。第1電極450及び第2電極460によって面光源装置400に高い電圧が印加され、第1及び第2放電蛍光層413、417内の炭素ナノチューブ及び酸化物の混合物によって電極に印加される電圧から2次電子が容易に放出される。
【0061】
以下、本発明の実施例による面光源装置を含む液晶表示装置を説明する。
【0062】
図9は、本発明による面光源装置を有する液晶表示装置を示す分解斜視図である。
【0063】
図9を参照すると、液晶表示装置1000は、面光源装置100、ディスプレイユニット700、及び収納容器800を含む。
【0064】
面光源装置100は、第1基板110、第1基板110と所定の間隔をおいて対向配置された第2基板120、第1基板110と第2基板120との間に配置され、放電空間を形成する密封部材130及び第1基板110の両側に形成された電極150を含む。本実施例において採用された面光源装置100は、図1に図示された面光源装置と同じであるため、重複する説明は省略する。図9では、第1の実施例の面光源装置を採用したが、第2の実施例乃至第4の実施例において説明した面光源装置を液晶表示装置1000の面光源装置として用いることできるということは当業者にとって自明である。従って、面光源装置は、電極150が形成された位置に対応する第1基板110の内面の両側に放電補助層を有し、放電補助層を有する第1基板110上に蛍光層を有してもよい。放電補助層は、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む。又、面光源装置は、放電補助層及び蛍光層を有する代わりに、第1基板110の内面に形成された炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光層を有してもよい。
【0065】
ディスプレイユニット700は、画像を表示する液晶表示パネル710、液晶表示パネル710を駆動するための駆動信号を提供するデータ配線基板(PCB)720、及びゲート配線基板730を含む。データ及びゲート配線基板720、730は、それぞれデータテープキャリアパッケージ(data tape carrier package)(以下、TCPと称する)740及びゲートTCP750を通して液晶表示パネル710と電気的に接続される。
【0066】
液晶表示パネル710は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する)基板712、TFT基板712対向して結合したカラーフィルター基板714、及び2つの基板712、714の間に介在する液晶716を含む。
【0067】
TFT基板712は、スイッチング素子であるTFT(図示せず)がマトリックス状に形成された透明なガラス基板である。TFTのソース及びゲート端子には、それぞれデータ及びゲートラインが接続され、ドレイン端子には透明な導電性材質からなる画素電極(図示せず)が接続される。
【0068】
カラーフィルター基板714は、色画素である赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)画素(図示せず)が薄膜工程によって形成される。カラーフィルター基板714には、透明な導電性材質からなる共通電極(図示せず)が形成される。
【0069】
収納容器800は、底面810及び底面810のエッジ部に収納空間を形成するために形成された複数の側面820で構成される。収納容器800は、面光源装置100及び液晶表示パネル710が動かないように固定させる。
【0070】
底面810は、面光源装置100が装着されるのに充分な底面積を有し、面光源装置100と同じ形状を有することが望ましい。本実施例で底面810は、面光源装置100と同様に四角プレート形状を有する。側面820は、面光源装置100が外部に離脱しないように、底面810のエッジ部から垂直に延長される。底面810上には、電極150を底面810から絶縁させる絶縁部材を形成してもよい。
【0071】
本発明の一実施例による液晶表示装置1000は、インバータ600及びトップシャーシ900を更に含む。
【0072】
インバータ600は収納容器800の外部に配置され、面光源装置100を駆動するための放電電圧を発生する。インバータ600から発生した放電電圧は、第1及び第2電源印加線630、6640を通して面光源装置100に印加される。第1及び第2電源印加線630、640は、面光源装置100の両側に形成された電極150にそれぞれ接続される。この際、第1及び第2電源印加線630、640は、電極150に直接接続してもよい、別の接続部材(図示せず)を用いて電極150に接続してもよい。
【0073】
トップシャーシ(top chassis)900は、液晶表示パネル710のエッジ部分を囲みながら、収納容器800に結合する。トップシャーシ900は、外部衝撃による液晶表示パネル710の破損を防止し、液晶表示パネル710が収納容器800から離脱することを防止する。
【0074】
液晶表示装置1000は、面光源装置100から出射する光の特性を向上させるための少なくとも一つの光学部材950を更に含んでもよい。光学部材950は、拡散板及び各種の光学シートを含んでもよい。光学シートは、光の拡散のための拡散シート又は光の集光のためのプリズムシートを含んでもよい。
【0075】
又、液晶表示装置1000は、光学部材950及び面光源装置100の間に配置されて光学部材950を支持するモールドフレーム(mold frame)を更に含んでもよい。
【0076】
上記では、面光源装置として実施例1で説明した面光源装置100のみを例として挙げたが、本発明による液晶表示装置は、実施例2乃至実施例4の面光源装置を含んでもよい。
【0077】
炭素ナノチューブ及び酸化物を含む面光源装置では、2次電子の放出量が増加することにより、放電開始電圧及び放電維持電圧が減少することができる。これによって、面光源装置の効率が増加するので、面光源装置を含む液晶表示装置の消費電力を減少させ、液晶表示装置の輝度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
前述したように、本発明による面光源装置及びこれを有する液晶表示装置は、炭素ナノチューブ及び酸化物を放電補助層として単独で含むか、蛍光体と混合して蛍光層内に含む。これにより、面光源装置の放電開始電圧及び放電維持電圧を減少させて面光源装置の発光効率を増加させることができる。
【0079】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図である。
【図2】図1の面光源装置をI−I’に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図である。
【図4】図3の面光源装置をII−II’に沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図である。
【図6】図5の面光源装置をIII−III’に沿って切断した断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例による面光源装置を示す部分切開斜視図である。
【図8】図7の面光源装置をIV−IV’に沿って切断した断面図である。
【図9】本発明による面光源装置を有する液晶表示装置を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
100、200、300、400 面光源装置
110、210、310、410 第1基板
112、212、216 放電補助層
313、413、417 放電蛍光層
114、214 蛍光層
118、218、318、418 放電空間
120、220、320、420 第2基板
130、230、330、430 密封部材
140、240、340、440 光源本体
150、250、260、350、450、460 電極
170、270、370、470 空間分割部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板の外面に形成された電極と、
前記電極が形成された位置に対応する前記第1基板の内面に形成された放電補助層と、
前記放電補助層を有する第1基板上に形成された蛍光層と、
前記第1基板と対向する第2基板と、を含むことを特徴とする面光源装置。
【請求項2】
前記放電補助層は、炭素ナノチューブ及び酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の面光源装置。
【請求項3】
前記酸化物は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アルミニウム(Al)及びそれらの混合からなるグループから選択された少なくとも1つから構成される金属酸化物であることを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項4】
前記酸化物は、シリコン酸化物(SiO)であることを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項5】
前記炭素ナノチューブ及び前記酸化物は、ペースト状態で混合することを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項6】
前記放電補助層は、粘度調節剤及び接着剤を更に含むことを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項7】
前記炭素ナノチューブは、前記酸化物上に露出されていることを特徴とする請求項2記載の面光源装置。
【請求項8】
前記炭素ナノチューブは、前記酸化物上に一定の間隔に露出されており、前記間隔が露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることを特徴とする請求項7記載の面光源装置。
【請求項9】
前記第1基板及び第2基板の間に配置され、放電ガスを密封する密封部材を更に含むことを特徴とする請求項1記載の面光源装置。
【請求項10】
前記第2基板上に形成された蛍光層を更に含むことを特徴とする請求項1記載の面光源装置。
【請求項11】
前記電極は前記第1基板の外面の両側に形成され、前記放電補助層は前記電極が形成された位置に対応する前記第1基板の内面の両側に形成されることを特徴とする請求項1記載の面光源装置。
【請求項12】
前記第2基板の外面に形成された電極と、
前記第2基板の内面に形成され、炭素ナノチューブ及び酸化物を含む放電補助層と、を更に含むことを特徴とする請求項1記載の面光源装置。
【請求項13】
前記電極は前記第2基板の外面の両側に形成され、前記放電補助層は前記第2基板の内面の両側に形成されることを特徴とする請求項12記載の面光源装置。
【請求項14】
第1基板と、
前記第1基板の外面に形成された電極と、
前記第1基板の内面に形成され、炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光層と、
前記第1基板と対向する第2基板と、を含むことを特徴とする面光源装置。
【請求項15】
前記炭素ナノチューブ及び前記酸化物は、ペースト状態で混合することを特徴とする請求項14記載の面光源装置。
【請求項16】
前記第1基板及び前記第2基板の間に配置され、放電ガスを密封する密封部材を更に含むことを特徴とする請求項14記載の面光源装置。
【請求項17】
前記第2基板上に形成された蛍光層を更に含むことを特徴とする請求項14記載の面光源装置。
【請求項18】
前記電極は、前記第1基板の外面の両側に形成されることを特徴とする請求項14記載の面光源装置。
【請求項19】
前記第2基板の外面に形成された電極と、
前記第2基板の内面に形成され、炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光体と、を更に含むことを特徴とする請求項14記載の面光源装置。
【請求項20】
前記電極は、前記第2基板の外面の両側に形成されることを特徴とする請求項19記載の面光源装置。
【請求項21】
前記炭素ナノチューブは、前記酸化物及び前記蛍光体上に一定の間隔で露出されており、前記間隔は露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることを特徴とする請求項14記載の面光源装置。
【請求項22】
第1基板、前記第1基板の外面の両側に形成された電極、前記電極が形成された位置に対応する前記第1基板の内面の両側に形成された放電補助層、前記放電補助層を有する第1基板上に形成された蛍光層及び前記第1基板と対向する第2基板とを含む面光源装置と、
前記面光源装置から出射される光を用いて画像を表示する液晶表示パネルと、
前記面光源装置及び前記液晶表示パネルを収納する収納容器と、を含む液晶表示装置。
【請求項23】
前記放電補助層は、炭素ナノチューブ及び酸化物を含むことを特徴とする請求項22記載の液晶表示装置。
【請求項24】
前記炭素ナノチューブ及び前記酸化物は、ペースト状態で混合することを特徴とする請求項23記載の液晶表示装置。
【請求項25】
前記炭素ナノチューブは、前記酸化物上に一定の間隔で露出されており、前記間隔は露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることを特徴とする請求項22記載の液晶表示装置。
【請求項26】
第1基板、前記第1基板の外面の両側に形成された電極、前記第1基板の内面に形成され、炭素ナノチューブ、酸化物、及び蛍光体を含む放電蛍光層並びに前記第1基板に対向する第2基板を含む面光源装置と、
前記面光源装置から出射される光を用いて画像を表示する液晶表示パネルと、
前記面光源装置及び前記液晶表示パネルを収納する収納容器と、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項27】
前記炭素ナノチューブは、前記酸化物及び蛍光体上に一定の間隔で露出されており、前記間隔は露出された炭素ナノチューブ長の2倍以上であることを特徴とする請求項26記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−523449(P2007−523449A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549104(P2006−549104)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【国際出願番号】PCT/KR2004/003429
【国際公開番号】WO2005/067003
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】