説明

面光源装置及び透過型画像表示装置

【課題】光源からの光を面状に均一分散可能な面光源装置及び透過型画像表示装置を提供する。
【解決手段】面光源装置は、所定配光特性を有する光源と、板厚方向に設けられた第1〜第3の光制御板301〜303とを備え、各光制御板は上面に1方向に延びる複数の凸状部331〜333を有し、互いに平行な凸状部33,333と凸状部331の延在方向とは略直交し、凸状部333の断面形状は三角形で、各凸状部331,332の延在方向に直交する断面において各凸状部331,332の両端を通る軸線をu軸とした各々独立したuv座標系で、各凸状部331,332の幅をwa、-0.475wa≦u≦0.475waとしたとき、凸状部331は、所定の式を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源装置及び透過型画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
透過型画像表示装置の一例である直下型画像表示装置40として、例えば図16に示すように、透過型画像表示部50の背面側に光源43が配置されたものが広く用いられている。透過型画像表示部50としては、例えば液晶セル51の両面に直線偏光板52,53が配置された液晶表示パネルが挙げられる。光源43としては、直管型の冷陰極線管などのような線状光源が複数本、互いに平行に配置されて用いられている。
【0003】
かかる直下型画像表示装置40としては、光源43からの光を均一に分散させて透過型画像表示部50を均一に照明できることが望ましく、このため光源43と透過型画像表示部50との間には、光源43側から入射した光を、その向きを変えて反対側の透過型画像表示部50側から出射させる機能を有する一枚の光拡散板といった光制御板42が配置されて用いられている(例えば特許文献1:特開平7−198913号公報参照)。なお、光源43から出力された光は光制御板42により面状の光として出射されるため、光源43と光制御板42は面光源装置41を構成していることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−198913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、直管型冷陰極線管に代えて、省エネルギーの観点から、発光ダイオードを光源として用いることが検討されている。発光ダイオードは通常、点状光源であり、これを離散的に配置して用いられる。
【0006】
しかし、従来の面光源装置は、発光ダイオードのような点状光源と組み合わせて直下型画像表示装置に用いると、点状光源からの光を十分に均一なものとすることができず、透過型画像表示部によって表示される画像は、点状光源の近傍と、点状光源から離れた位置とで明るさが異なるものになるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、点状光源からの光を均一に分散して、面状の光として出射することが可能な面光源装置及び透過型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る面光源装置は、複数の点状光源と、複数の前記点状光源上に設けられる光制御板ユニットと、を備え、点状光源は、光の出射角度が65°以上75°以下の範囲に最大出射光強度Imaxを有する配光特性であって、出射角度が0°の場合の出射光強度Iが、0.22×Imax≦I≦0.30×Imaxを満たし、出射光強度が(I+Imax)/2となる出射角度が45°以上55°以下であり、及び、出射光強度が(I+Imax)/4となる出射角度が20°以上30°以下である、配光特性を有し、光制御板ユニットは、第1の面から入射された光を第1の面と反対側に位置する第2の面から出射可能であり、且つ、一方向に延在しており一方向に略直交する方向に並列配置された複数の凸状部が第2の面に形成されている第1〜第3の光制御板を有し、第1の光制御板、第2の光制御板及び第3の光制御板は、第3の光制御板が第2の光制御板の上側に位置するように、板厚方向に設けられており、第3の光制御板の第1の面が、第2の光制御板の第2の面側に位置し、第2の光制御板が有する凸状部の延在方向と第3の光制御板が有する凸状部の延在方向とが略平行であり、第1の光制御板が有する凸状部の延在方向と第2又は第3の光制御板が有する凸状部の延在方向とが略直交しており、第1及び第2の光制御板が有する各々の凸状部は、延在方向に直交する断面形状が以下に定義される形状に形成されており、第3の光制御板が有する凸状部は、延在方向に直交する断面形状が三角形に形成されている。
【0009】
第1の光制御板が有する凸状部の断面形状:第1の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第1の光制御板が有する凸状部の並列する並列方向に対する両端を通る軸線をu軸とし、当該u軸上において当該両端の中心を通り当該u軸に直交する軸線をv軸とし、当該第1の光制御板が有する凸状部のu軸方向の長さをwIaとしたとき、−0.475wIa≦u≦0.475wIaの範囲において、式(1)
【数1】


〔式(1)において、vI0(u)は、式(2)
【数2】


(式(2)において、hIaは0.40wIa以上1.60wIa以下であり、kIaは−1.0以上−0.15以下である。)
で定義される。〕
を満たしているv(u)で表される形状。
【0010】
第2の光制御板が有する凸状部の断面形状:第2の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第2の光制御板が有する凸状部の並列する並列方向に対する両端を通る軸線をuII軸とし、当該uII軸上において当該両端の中心を通り当該uII軸に直交する軸線をvII軸とし、第2の光制御板が有する凸状部のuII軸方向の長さをwIIaとしたとき、−0.475wIIa≦uII≦0.475wIIaの範囲において、式(3)
【数3】


〔式(3)において、vII0(uII)は、式(4)
【数4】


(式(4)において、C=0.762469824257553、C=0.298075662262927、C=−0.559629338153661、C=0.896468280253265、C10=−0.657164166213715、C12=−0.615726418495985、C14=1.245151353938560、C16=−0.520559083769482であるか、
=0.828034790338647、C=0.322164108625275、C=−0.683409388408353、C=1.221645232748140、C10=−1.204381259337210、C12=−0.140913871787724、C14=1.033110858219420、C16=−0.475388345540708であるか、または、
=0.908743053413473、C=0.412136074245729、C=−1.052244441109330、C=1.939746214284020、C10=−2.013300115231620、C12=0.074678489261357、C14=1.376932293623570、C16=−0.680081068815946である。)
で定義される。〕
を満たしているvII(uII)で表される形状。
【0011】
この構成では、第1の光制御板の凸状部が上述した断面形状を有するので、第1の光制御板は、上述した配光特性を有する点状光源からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。また、第2の光制御板の凸状部が上述した断面形状を有するので、第2の光制御板は、上述した配光特性を有する点状光源からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。さらに、第2の光制御板の凸状部が形成された面側には、上述した断面形状を有する第3の光制御板が配置されているので、輝度がより均一な線状の光に変換できる。そして、本発明に係る面光源装置では、第1の光制御板の凸状部の延在方向と、第2又は第3の光制御板の凸状部の延在方向とが略直交するように、第1の光制御板と、第2及び第3の光制御板の組とが配置されている。そのため、光制御板ユニットに入射された点状光源の光は、第1の光制御板と、第2及び第3の光制御板の組とによって、互いに略直交する方向にそれぞれ輝度が均一な線状の光に変換される。その結果、上記面光源装置は、点状光源の光を、均一に分散し、面状の光であって板厚方向に直交する面での輝度均斉度が高い面状の光として出射することが可能である。
【0012】
本発明に係る面光源装置では、第3の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状は、頂角が略直角の二等辺三角形とすることができる。
【0013】
この構成では、上述したように配置された第2及び第3の光制御板の1つの組みによって、点状光源からの光を輝度が均一な線状の光により確実に変換することができる。
【0014】
本発明に係る面光源装置では、第1〜第3の光制御板の各々が有する第1の面は略平坦とすることができる。
【0015】
本発明に係る透過型画像表示装置は、上記に記載の面光源装置と、面光源装置から出力される光が照射される透過型画像表示部と、を備えることができる。
【0016】
この構成では、上述した面光源装置を備えているので、点状光源の光を、均一に分散し、板厚方向に直交する面での輝度均斉度が高い面状の光を生成し、透過型画像表示部を照明することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る面光源装置、及び透過型画像表示装置によれば、点状光源からの光を均一に分散して、面状の光として出射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る透過型画像表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】点状光源の配置の一例を示す図面である。
【図3】点状光源の配置の他の例を示す図面である。
【図4】図1に示した透過型画像表示装置に用いられる点状光源の配光分布を示す図面である。
【図5】図1に示した光制御板ユニットの一実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5に示した光制御板ユニットの第1の光制御板が有する凸状部の断面形状の例を示す図面である。
【図7】第1の光制御板が有する凸状部の断面形状が満たす条件を示す図面である。
【図8】図1に示した光制御板ユニットの第2の光制御板が有する凸状部の断面形状の例を示す図面である。
【図9】第2の光制御板の凸状部の断面形状を示すvII(uII)を規定する係数の一例、他の例、及び更に他の例をそれぞれ示す図表である。
【図10】第2の光制御板が有する凸状部の断面形状が満たす条件を示す図面である。
【図11】図1に示した光制御板ユニットの第2の光制御板が有する凸状部の断面形状の他の例を示す図面である。
【図12】図1に示した光制御板ユニットの第2の光制御板が有する凸状部の断面形状の更に他の例を示す図面である。
【図13】図1に示した光制御板ユニットの第3の光制御板が有する凸状部の断面形状を説明するための図面である。
【図14】光制御板ユニットの他の実施形態を示す斜視図である。
【図15】光制御板ユニットの更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図16】従来の透過型画像表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同一または相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る透過型画像表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図1は、透過型画像表示装置1を分解して示している。
【0021】
透過型画像表示装置1は、透過型画像表示部10と、図1において透過型画像表示部10の背面側に配置された面光源装置20とを備えている。以下の説明では、図1に示すように、面光源装置20と透過型画像表示部10の配列方向をz方向(板厚方向)と称し、z方向に直交する2方向であって互いに直交する2方向をx方向及びy方向と称す。
【0022】
透過型画像表示部10としては、例えば液晶セル11の両面に直線偏光板12,13が配置された液晶表示パネルが挙げられる。この場合、透過型画像表示装置1は液晶表示装置(又は液晶テレビ)である。液晶セル11及び偏光板12,13は、従来の液晶表示装置等の透過型画像表示装置1で用いられているものを用いることができる。液晶セル11としてはTFT型、STN型等の公知の液晶セルが例示される。
【0023】
面光源装置20は、いわゆる直下型の面光源装置である。面光源装置20は、光制御板ユニット21Aと、図1においてその背面側に配置された複数の点状光源22と、を含む。
【0024】
光制御板ユニット21Aは、板厚方向(z方向)に順に配置された第1の光制御板30、第2の光制御板30、及び第3の光制御板30を備える。
【0025】
光制御板ユニット21Aを構成する第1〜第3の光制御板30〜30の平面視形状(z方向からみた形状)はほぼ同一であり、通常、長方形である。第1〜第3の光制御板30〜30の平面視形状、換言すれば、光制御板ユニット21Aの平面視形状のサイズは、目的とする透過型画像表示装置1の画面サイズに適合するように選択されるが、通常は250mm×440mm以上、好ましくは1020mm×1800mm以下である。第1〜第3の光制御板30〜30の平面視形状は、長方形に限らず、正方形としてもよいが、以下では、特に断らない限り、長方形として説明する。
【0026】
図2は、複数の点状光源の配置関係の一例を示す図面である。図2に示すように、複数の点状光源22は、x方向に等間隔Lx及びy方向に等間隔Lyで配置することができる。図2では、一例として、x方向の間隔Lxがy方向の間隔Lyより大きいとしているが、間隔Lyの方が間隔Lxより大きくてもよいし、間隔Lx及び間隔Lyが同じでもよい。間隔Lx及び間隔Lyは、点状光源22の発光部間の距離とすることができ、通常10mm〜150mmである。
【0027】
また、複数の点状光源22は、図3に示した千鳥格子状に配置してもよい。図3は図2の場合の変形とみなすことができるので、点状光源22間のx方向及びy方向の間隔は、図2の場合と同様とすることができる。具体的に説明する。
【0028】
図2に示した長方形格子は、x方向に配置された複数の点状光源22からなる点状光源列が、y方向に複数並列されたものとみなすことができる。この場合、図3の千鳥格子状の配置は、y方向に配列された複数の点状光源列のうち隣接する点状光源列をx方向に半周期ずらして配置しているものとなる。よって、図3に示した配置においても、y方向の間隔Lyは、図2に示した場合と同様、すなわち、y方向に並列された上記点状光源列の間の間隔とすることができる。図3では、一例として、y方向に並列された上記点状光源列のうち隣接する点状光源列がx方向に半周期ずれているとしたが、上記説明においてx方向及びy方向が反対であってもよい。
【0029】
図4は、面光源装置が有する点状光源の配光分布の一例を示す図面である。図4の横軸は出射角度θ(°)を示しており、縦軸は、最大の出射光強度で規格化した規格化出射光強度を示している。本実施形態において、θ=0は、図1におけるz方向に対応する。
【0030】
点状光源22は、いわゆるサイドエミッティング型の光源であり、点状光源22の例は、発光ダイオードである。点状光源22は、次の条件を満たす配光特性(指向特性)を有する。
・出射光強度が最大である最大出射光強度Imaxの出射角度θ(以下、ピーク角度θと称す)が65°以上75°以下の範囲内にある。
・正面方向(出射角度θが0°方向)からピーク角度θまで出射光強度が略単調増加している。
・正面方向の出射光強度をIとしたとき、Iは、
0.22×Imax≦I≦0.30×Imax
を満たす。
・出射光強度が(Imax+I)/2となる出射角度θが、45°以上55°以下の範囲にある。
・出射光強度が(Imax+I)/4となる出射角度θが20°以上30°以下の範囲にある。
【0031】
図4に例示した配光特性では、縦軸が規格化出射光強度であることから、Imax=1.00000であり、対応する出射角度θは70.0°である。Iは0.265である。この場合、(Imax+I)/2=0.634であり、対応する出射角度θは49.0°である。また、(Imax+I)/4=0.317であり、対応する出射角度θは25.0°である。よって、図4に示した点状光源22の配光特性は、上述した条件を満たしている。
【0032】
図5は、光制御板ユニットの一実施形態の構成を示すための斜視図である。図5を参照して、光制御板ユニット21Aを構成する第1〜第3の光制御板30,30,30について説明する。図5では、説明のために、第1〜第3の光制御板30〜30を離して配置しているが、後述するように、第1の光制御板30上に第2及び第3の光制御板30,30を隣接する2枚が接するように設けてもよい。
【0033】
[第1の光制御板]
第1の光制御板30は、略平坦な下面(第1の光制御板の第1の面)31と、第2の光制御板30側に凸である凸状部(第1の光制御板が有する凸状部)33が複数形成された上面(第1の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。
【0034】
第1の光制御板30は、例えば凸状部33からの光の出射位置の違いにより光を分散させる光拡散板である。また、第1の光制御板30は、凸状部33からの光の出射位置により光の出射方向を偏向しているので、光の偏向を調整する形状が付与された偏向構造板ともいえる。ここでは、「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0035】
凸状部33は、y方向に略平行なY1方向(第1の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、Y1方向に略直交するX1方向(第1の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X1方向及びY1方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a,33aは、X1方向において同じ位置にある。第1の光制御板30の厚さdは、下面31と凸状部33の頂部33bとのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0036】
[第2の光制御板]
第2の光制御板30は、略平坦な下面(第2の光制御板の第2の面)31と、第3の光制御板30側に凸である凸状部(第2の光制御板が有する凸状部)33が複数形成された上面(第2の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。
【0037】
第2の光制御板30は、例えば凸状部33からの光の出射位置の違いにより光を分散させる光制御板である。また、第2の光制御板30は、凸状部33からの光の出射位置により光の出射方向を偏向しているので、光の偏向を調整する形状が付与された偏向構造板ともいえる。ここでは、「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0038】
凸状部33は、x方向に略平行なX2方向(第2の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、X2方向に略直交するY2方向(第2の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X2方向及びY2方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a,33aは、Y2方向において同じ位置にある。第2の光制御板30の厚さdは、下面31と凸状部33の頂部33bとのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0039】
[第3の光制御板]
第3の光制御板30は、略平坦な下面(第3の光制御板の第1の面)31と、外側に凸である凸状部(第3の光制御板が有する凸状部)33が複数形成された上面(第3の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。第3の光制御板30は、いわゆるプリズム板である。ここでは「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0040】
凸状部33は、x方向に略平行なX3方向(第3の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、X3方向に略直交するY3方向(第3の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X3方向及びY3方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、第1の光制御板30の場合と同様に、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a,33aはY3方向において同じ位置にある。第3の光制御板30の厚さdは、下面31と凸状部33の頂部33bとのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0041】
[第1の光制御板の凸状部]
第1の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。凸状部33は、図4を利用して説明した配光特性を有する点状光源22上に第1の光制御板30を配置した際に、点状光源22からの光を、輝度が略均一な線状の光に変換可能な断面形状を有する。凸状部33の断面形状について図6を参照して説明する。
【0042】
図6においては、凸状部33の延在方向Y1に直交する方向をu軸としてu座標系を設定している。凸状部33に対するu軸方向はx軸に対応し、v軸方向はz方向に対応する。このu座標系において、両端33a,33aはu軸上に位置する。
【0043】
凸状部33の断面形状は、下記式(5)を満足するv(u)で表される。
【数5】


ただし、式(5)において、vI0(u)は、
【数6】


を満たす。
【0044】
Iaは、上記のとおり凸状部33のu軸方向の長さである。hIaは、凸状部33をvI0(u)で示される形状とした場合における凸状部33の両端33a,33a間における最大高さに対応する。ここで、hIaは0.40wIa以上1.60wIa以下を満たす定数である。すなわち、hIa/wIaが0.40以上1.60以下を満たす定数である。kIaは−1.00以上−0.15以下を満たす定数である。
【0045】
図6では、hIaが0.55wIaであり、kIa=−0.25であって、v(u)=vI0(u)の場合を示している。ただし、当該輪郭線は、図7に示すように、ある幅wIaに対してvI0(u)を求めた場合に、0.95vI0(u)で示される輪郭線と、1.05vI0(u)で示される輪郭線との間の領域を通る輪郭線であればよい。換言すれば、式(5)において、任意の位置unに対するv(un)は、位置unにおける凸状部33の高さに対応する。よって、任意の位置unに対するv(un)が、0.95vI0(un)以上1.05vI0(un)以下を満たしていればよい。なお、図7に示したvI0(u)においても、hIa=0.55wIaであり、kIa=−0.25である。
【0046】
なお、凸状部33の両端部近傍での製造誤差及び強度分布に与える影響を考慮すれば、凸状部33の断面形状は、−0.475wIa≦u≦0.475wIaにおいて式(5)を満たすv(u)で表されていればよい。凸状部33の裾付近(端部近傍)では成形誤差が比較的大きくなる傾向にある一方、裾付近の形状が光の拡散性に与える影響は小さいからである。
【0047】
凸状部33の幅wIaは、凸状部33の形成が容易であることから、通常40μm以上、好ましくは250μm以上であり、凸状部33に起因する模様が肉眼で視認されにくいことから、通常800μm以下、好ましくは450μm以下である。幅wIaとして具体的には、wIa=410μm、wIa=400μmおよびwIa=325μmが例示できるが、wIaの値はこれに限定されるものではない。
【0048】
また、hIa/wIa及びkIaの範囲は上述した範囲を満たしていればよいが、隣接する2つの点状光源22間の距離をLとし、点状光源22の発光部から光制御板ユニット21Aの点状光源22側の面(図1又は図5では、第1の光制御板30の下面31)までの距離をDとしたとき、L/Dに対して好ましいhIa/wIa及びkIaの範囲は、以下の表1のとおりである。表1に記載のLは、凸状部33の輪郭線形状に対してはLxに対応するものとする。
【表1】

【0049】
[第2の光制御板の凸状部]
第2の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。図8では、凸状部33の延在方向に直交する方向をuII軸としてuIIII座標系を設定している。凸状部33に対するuII軸方向はY2方向に対応し、vII軸方向はz方向である。
【0050】
このuIIII座標系のuIIII面において、凸状部33の両端33a2,33a2はuII軸上に位置し、凸状部33の断面での輪郭形状(断面形状)は、式(7)を満たすvII(uII)で表される。
【数7】


ただし、式(7)において、vII0(uII)は、
【数8】


を満たす。
【0051】
式(8)中、wIIaは凸状部33のuII軸方向の長さである。また、式(8)においてk=1〜8の各々に対するC,C,C,C,C10,C12,C14及びC16の組み合わせは、図9(a)、図9(b)及び図9(c)にそれぞれ示す図表の何れかとすることができる。
【0052】
図10では、図9(a)に示したC,C,C,C,C10,C12,C14及びC16の組み合わせに対応するvII(uII)を示している。図8に示した凸状部33の断面形状は、式(7)を満たす範囲内でvII0(uII)をvII方向に所定倍(例えば1倍)だけ伸縮した形状を例示している。この場合、凸状部33はvII軸に対して対称な断面形状を有する。
【0053】
凸状部33の断面形状は、vII0(uII)をvII方向に所定倍(例えば1倍)だけ伸縮した形状に限定されず、式(7)を満たしていればよい。具体的には、凸状部33の断面形状は、図10に示すように、ある幅wIIaに対してvII0(uII)を決定した際に、0.95×vII0(uII)で表される輪郭線と、1.05×vII0(uII)で表される輪郭線との間の領域を通る輪郭線で表されるものであればよい。換言すれば、式(7)において、任意の位置uIInに対するvII(uIIn)は、位置uIInにおける凸状部33の高さに対応する。よって、任意の位置uIInに対するvII(uIIn)が、0.95vII0(uIIn)以上1.05vII0(uIIn)以下を満たしていればよい。
【0054】
前述したように式(8)のk=1〜8の各々に対するC,C,C,C,C10,C12,C14及びC16の組み合わせは、図9(a)に示したものに限定されず、図9(b)及び図9(c)に示したものとすることができる。
【0055】
図11は、図9(b)に示したC〜C16の組み合わせに対するvII(uII)の一例を示す図面である。図11では、vII(uII)が満たす条件を示すために、図10と同様に、0.95×vII0(uII)で表される輪郭線と、1.05×vII0(uII)で表される輪郭線も一点鎖線で示している。図9(b)に示したC〜C16の組み合わせに基づく輪郭線も、0.95×vII0(uII)で表される輪郭線と、1.05×vII0(uII)で表される輪郭線との間の領域を通る輪郭線で表されるものであればよい。
【0056】
図12は、図9(c)に示したC〜C16の組み合わせに対するvII(uII)の一例を示す図面である。図12では、vII(uII)が満たす条件を示すために、図10と同様に、0.95×vII0(uII)で表される輪郭線と、1.05×vII0(uII)で表される輪郭線も一点鎖線で示している。図9(c)に示したC〜C16の組み合わせに基づく輪郭線も、0.95×vII0(uII)で表される輪郭線と、1.05×vII0(uII)で表される輪郭線との間の領域を通る輪郭線で表されるものであればよい。
【0057】
凸状部33の幅wIIaとしては、凸状部33の形成が容易であることから、通常40μm以上、好ましくは80μm以上であり、凸状部33に起因する模様が肉眼で視認されにくいことから、通常800μm以下、好ましくは450μm以下である。幅wIIaとして具体的には、410μm、400μm、325μm、280μm及び100μmが例示できる。ただし、wIIaの値はこれに限定されない。
【0058】
上記説明では、凸状部wIIaの断面形状が式(7)を満たすvII(uII)で表されるとした。ただし、凸状部33の断面形状は、−0.475×wIIa≦uII≦0.475×wIIaにおいて式(7)を満たすvII(uII)で表されていればよい。凸状部33の裾付近(端部近傍)では成形誤差が比較的大きくなる傾向にある一方、裾付近の形状が光の拡散性に与える影響は小さいからである。
【0059】
[第3の光制御板の凸状部]
第3の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。図13は、凸状部33の形状を説明するための図面であり、凸状部33の延在方向からみた第3の光制御板30の側面図である。凸状部33は、延在方向に略均一な形状であるため、図13に示すように、延在方向から見た側面形状は、凸状部33の延在方向に略直交する断面形状に対応する。
【0060】
図13に示すように、凸状部33の側面形状(或いは、断面形状)は、頂角αが略直角で、両辺の長さがほぼ等しい略直角二等辺三角形である。ここで、頂角αは、90°が好ましいが、80°〜100°の範囲であればよい。隣接する2つの凸状部33,33のピッチPは、10μm〜1000μmが例示でき、好ましくは、20μm〜500μm、更に好ましくは、40μm〜250μmである。凸状部33の幅は、凸状部33のピッチPが上記範囲の所定の値になるように設定すればよい。
【0061】
〔第1〜第3の光制御板の層構成〕
第1〜第3の光制御板30〜30は、単独の透明材料で構成された単層板であってもよいし、互いに異なる透明材料で構成された層が積層された多層構造の多層板であってもよい。第1〜第3の光制御板30〜30が多層板である場合、第1〜第3の光制御板30〜30の片面または両面は、通常10μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μmの厚みのスキン層が形成された構造とし、このスキン層を構成する透明樹脂材料として紫外線吸収剤が添加されたものを用いることが好ましい。かかる構成とすることにより、点状光源22や外部からの光に含まれることのある紫外線による第1〜第3の光制御板30〜30の劣化を防止することができ、特に点状光源22として紫外線の占める割合が比較的大きいものを用いた場合には、紫外線による劣化を防止できることから、下面31〜31にスキン層が形成されていることが好ましく、このとき上面32〜32にはスキン層が形成されていないことが、コストの面でさらに好ましい。スキン層を構成する透明樹脂材料として紫外線吸収剤が添加されたものを用いる場合、その含有量は、透明樹脂材料を基準として通常0.5質量%以上5質量%以下、好ましくは1質量%以上2.5質量%以下である。
【0062】
第1〜第3の光制御板30〜30は、片面または両面に帯電防止剤が塗布されていてもよい。帯電防止剤を塗布することにより、静電気によるホコリの付着などを防止して、ホコリの付着による光線透過率の低下を防止することができる。
【0063】
また、モアレ低減のために点状光源22側の面を、光拡散性を有する面とすることもできる。例えば、マット化剤と呼ばれる微細な粒子を含むスキン層で前述したように点状光源22側の面を構成してもよいし、点状光源22側の面にエンボス加工、ブラスト加工を施してもよいし、マット化剤及びバインダーを含む塗布液を塗布してマット層を形成してもよい。
【0064】
〔構成材料〕
第1〜第3の光制御板30〜30は透明材料からなる。透明材料の屈折率は、通常1.46〜1.62である。透明材料としては、透明樹脂材料、透明ガラス材料が例示でき、透明樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.59)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、ポリスチレン樹脂(屈折率:1.59)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、アクリル系紫外線硬化樹脂(屈折率:1.46〜1.58)PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)(屈折率1.49)、シクロオレフィン樹脂(屈折率1.51〜1.55)などが例示され、コストの面および吸湿率が低い点で、好ましくはポリスチレン樹脂である。
【0065】
透明材料として透明樹脂材料を用いる場合、この透明樹脂材料に紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、加工安定剤、難燃剤、滑剤などの添加剤を添加することもできる。これらの添加剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0066】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤である。
【0067】
透明樹脂材料は通常、添加剤として光拡散剤を添加することなく用いられるが、本発明の目的を損なわない僅かな量であれば、光拡散剤を添加して用いてもよい。
【0068】
光拡散剤として通常は、第1〜第3の光制御板30〜30を主に構成する上述したような透明材料とは屈折率が異なる粉末が用いられ、これを透明材料中に分散させて用いられる。かかる光拡散剤としては、例えばスチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子などの有機粒子、炭酸カリウム粒子、シリカ粒子、シリコーン樹脂粒子などの無機粒子が用いられ、その粒子径は通常0.8μm〜50μmである。
【0069】
[第1〜第3の光制御板の製造方法]
第1〜第3の光制御板30〜30は、例えば透明材料から削り出す方法により製造することができる。また、透明材料として透明樹脂材料を用いる場合は、例えば射出成形法、押出成形法、フォトポリマー法、プレス成形法などの通常の方法により製造することができる。
【0070】
[第1〜第3の光制御板の配置関係]
第1〜第3の光制御板30〜30は、z方向に以下の条件を満たし且つ下面31,31,31側から光が入射されるように設けられている。
(i)第3の光制御板30が第2の光制御板30の上側に位置している。
(ii)第3の光制御板30の下面31が第2の光制御板30の上面32側に位置している。
(iii)凸状部33,33の延在方向が略平行である。
(iv)凸状部33の延在方向と、凸状部33又は凸状部33の延在方向とが略直交している。なお、凸状部33の延在方向と凸状部33(又は凸状部33)とのなす角度は、80°〜100°が例示され、好ましくは、90°である。
【0071】
本実施形態では、第1〜第3の光制御板30〜30は、上記配置条件(i)〜(iv)を満たして、第1の光制御板30、第2の光制御板30及び第3の光制御板30の順にz方向に設けられている。
【0072】
第1及び第2の光制御板30,30の間の距離d12は、第1の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第2の光制御板30の下面31との間のz方向の距離であり、5mm以下が例示できる。同様に、第2及び第3の光制御板30,30の間の距離d23は、第2の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第3の光制御板30の下面31との間のz方向の距離であり、5mm以下が例示できる。
【0073】
光制御板ユニット21Aをコンパクトなものとする観点から、d12は、0mmであり、第1の光制御板30の凸状部33上に第2の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。同様の観点から、d23は、0mmであり、第2の光制御板30の凸状部33上に第3の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。このように、光制御板ユニット21Aにおいて最も点状光源22側に位置する第1の光制御板30上に第2及び第3の光制御板30,30を互いに接するように設ける場合には、第2及び第3の光制御板30,30の厚さd,dを、第1の光制御板30の厚さdより薄いものとすることが好適である。例えば、第2及び第3の光制御板30,30をフィルム状といったより薄いものとした場合、第1の光制御板30を第2及び第3の光制御板30,30の支持台として用いることができるからである。
【0074】
[光制御板ユニットの配置]
上記構成の第1〜第3の光制御板30〜30を有する光制御板ユニット21Aは、点状光源22から第1の光制御板30の下面31までの距離Dが、通常3mm〜50mmとなるように、点状光源22上に対して配置される。透過型画像表示装置1又は面光源装置20では、Lx,Ly及びDは、Lx/D及びLy/Dがそれぞれ2以上、さらには2.5以上である値であることが、面光源装置20を薄くすることができる点で、好ましい。
【0075】
また、光制御板ユニット21Aは、透過型画像表示装置1において、凸状部33の延在方向が画面の縦方向になるように配置されてもよいし、横方向になるように配置してもよい。
【0076】
次に、光制御板ユニット21Aの作用効果について、図1に示したように、光制御板ユニット21Aを含む面光源装置20が透過型画像表示装置1に適用されている場合を例にして説明する。ここでは、X1方向,X2方向及びX3方向はx方向に平行であるとし、Y1方向,Y2方向及びY3方向はy方向に平行であるとする。
【0077】
第1の光制御板30の凸状部33は、上記式(5)を満たす、v(u)で表される断面形状を有するので、点状光源22上に第1の光制御板30を配置した場合、第1の光制御板30は、点状光源22から出力された光を、輝度が均一な線状の光に変換して出射できる。また、第2の光制御板30の凸状部33が、式(7)を満たす、vII(uII)で表される断面形状を有し、第3の光制御板30の凸状部33が、前述したような三角形状の断面を有するので、点状光源22上に、第2及び第3の光制御板30,30を凸状部33,33の延在方向が略平行になるように配置した場合、第2及び第3の光制御板30,30は、点状光源22から出力された光を、輝度が均一な線状の光に変換して出射できる。
【0078】
そして、光制御板ユニット21Aでは、上記のように、点状光源22からの光を輝度がほぼ均一な線状の光に変換可能な第1の光制御板30と、第2及び第3の光制御板30,30の組とが、z方向において、凸状部33の延在方向と凸状部33(又は凸状部33)の延在方向とが略直交するように配置されている。そのため、点状光源22からの光は、第1の光制御板30と、第2及び第3の光制御板30,30の組とにより、輝度が均一で互いに略直交する線状の光に変換される。その結果、光制御板ユニット21Aは、複数の点状光源22からの光を均一に分散し、z方向に直交する面において輝度均斉度がより高い面状の光として出射可能である。
【0079】
面光源装置20は、上記光制御板ユニット21Aを備えているので、複数の点状光源22からの光を均一に分散し、z方向に直交する面における輝度均斉度がより高い面状の光を出射することができる。また、透過型画像表示装置1は、上記光制御板ユニット21Aを備えているので、複数の点状光源22からの光が均一に分散されてz方向に直交する面における輝度均斉度がより高い面状の光によって、透過型画像表示部10を照射することが可能である。その結果、より高品質な画像を表示することができる。
【0080】
本実施形態では、z方向に第1〜第3の光制御板30〜30が順に設けられているとしたが、第1〜第3の光制御板30〜30は、配置条件(i)〜(iv)を満たすようにz方向に設けられていればよい。このような、第1〜第3の光制御板30〜30の配置の変形例に応じた光制御板ユニットの他の実施形態を第2及び第3の実施形態として説明する。
【0081】
(第2の実施形態)
図14は、本発明に係る光制御板ユニットの第2の実施形態を示す斜視図である。光制御板ユニット21Bは、第1の実施形態の場合と同様に、第1〜第3の光制御板30,30,30を有する。光制御板ユニット21Bは、第1〜第3の光制御板30〜30の配置の順番において、光制御板ユニット21Aと相違する。この相違点を中心にして説明する。
【0082】
光制御板ユニット21Bでは、第2の光制御板30、第1の光制御板30及び第3の光制御板30の順にz方向に設けられている。なお、第1の実施形態においては、第1の光制御板30が光制御板ユニット21Aにおいて最も点状光源22側に位置するとし、第1の光制御板30の下面31と点状光源22との間の距離をDとした。これに対して、本実施形態の第1〜第3の光制御板30〜30の配置の順番では、第2の光制御板30が最も点状光源22側に位置する。よって、第1の実施形態における説明における距離Dは、本実施形態では、第2の光制御板30の下面31と点状光源22との間の距離とする。
【0083】
光制御板ユニット21Bにおいても、凸状部33の延在方向と凸状部33の延在方向とは略平行である。また、凸状部33の延在方向と凸状部33(又は凸状部33)の延在方向とは略直交している。凸状部33の延在方向と凸状部33(又は凸状部33)とのなす角度は、80°〜100°が例示され、好ましくは、90°である。
【0084】
この構成では、第1〜第3の光制御板30〜30は、第1の実施形態で述べた配置条件(i)〜(iv)を満たしている。
【0085】
第2及び第1の光制御板30,30の間の距離d21は、第2の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第1の光制御板30の下面31との間のz方向の距離であり、5mm以下が例示できる。同様に、第1及び第3の光制御板30,30の間の距離d13は、第1の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第3の光制御板30の下面31との間のz方向の距離であり、5mm以下が例示できる。
【0086】
光制御板ユニット21Bをコンパクトなものとする観点から、d21は、0mmであり、第2の光制御板30の凸状部33上に第1の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。d13は、0mmであり、第1の光制御板30の凸状部33上に第3の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。また、第1〜第3の光制御板30〜30のうち最も点状光源22側に位置する第2の光制御板30を第1及び第3の光制御板30,30より厚くすることが好ましく、その場合に、例えば第1及び第3の光制御板30,30をフィルム状とすることができることも第1の実施形態の場合と同様である。
【0087】
図14に示した光制御板ユニット21Bは、図1における光制御板ユニット21Aに代えて面光源装置20及び透過型画像表示装置1に適用することができる。この際、透過型画像表示装置1において、光制御板ユニット21Bは、凸状部33の延在方向が画面の縦方向になるように配置されてもよいし、横方向になるように配置してもよい。
【0088】
光制御板ユニット21Bにおいても、第2及び第3の光制御板30,30が配置条件(i)〜(iii)を満たして設けられている。この配置では、第2及び第3の光制御板30,30は、点状光源22からの光を輝度がほぼ均一な線状の光に変換できる。そして、本実施形態では、第2及び第3の光制御板30,30の間に、点状光源22からの光を輝度が均一な光に変換可能な第1の光制御板30が、配置条件(iv)を満たして設けられている。
【0089】
そのため、光制御板ユニット21Bを、図1の光制御板ユニット21Aに代えて用いた場合、複数の点状光源22からの光は、第1の実施形態の場合と同様に、光制御板ユニット21Bを通過することによって、均一に分散され、結果として、z方向に直交する面における輝度均斉度がより高い面状の光を生成することができる。
【0090】
従って、上記光制御板ユニット21Bと複数の点状光源22とを備えた面光源装置20及び透過型画像表示装置1においても、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏する。
【0091】
また、光制御板ユニット21Bでは、第1〜第3の光制御板30〜30が、z方向において凸状部33,33,33の延在方向が交互に略直交するように配置されている。そのため、第3の光制御板30から出射される面状の光にモアレ縞が生じにくい。よって、光制御板ユニット21Bと複数の点状光源22を備えた面光源装置20においても、モアレ縞が抑制された面状の光を出射できる。更に、光制御板ユニット21Bと複数の点状光源22を備えた透過型画像表示装置1では、より高品質な画像を表示することが可能である。
【0092】
(第3の実施形態)
図15は、本発明に係る光制御板ユニットの第3の実施形態を示す斜視図である。光制御板ユニット21Cは、第1の実施形態の場合と同様に、第1〜第3の光制御板30,30,30を有する。光制御板ユニット21Cは、第1〜第3の光制御板30〜30の配置の順番において、光制御板ユニット21Aと相違する。この相違点を中心にして説明する。
【0093】
光制御板ユニット21Cでは、第2の光制御板30、第3の光制御板30及び第1の光制御板30の順に、第1の実施形態で説明した配置関係(i)〜(iv)を満たしてz方向に設けられている。なお、本実施形態においても、第2の実施形態の場合と同様に、第1の実施形態における距離Dは、第2の光制御板30の下面31と、点状光源22との間の距離とする。
【0094】
第3及び第1の光制御板30,30の間の距離d31は、第3の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第1の光制御板30の下面31との間のz方向の距離であり、5mm以下が例示できる。第2及び第3の光制御板30,30の間の距離d23は、第1の実施形態の場合と同じなので説明を省略する。
【0095】
光制御板ユニット21Cをコンパクトなものとする観点から、d23は、0mmであり、第2の光制御板30の凸状部33上に第3の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。d31は、0mmであり、第3の光制御板30の凸状部33上に第1の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。また、第1〜第3の光制御板30〜30のうち最も点状光源22側に位置する第2の光制御板30を第3及び第1の光制御板30,30より厚くすることが好ましく、その場合に、例えば第3及び第1の光制御板30,30をフィルム状とすることができることも第1の実施形態の場合と同様である。
【0096】
図15に示した光制御板ユニット21Cは、図1における光制御板ユニット21Aに代えて面光源装置20及び透過型画像表示装置1に適用することができる。この際、透過型画像表示装置1において、光制御板ユニット21Cは、凸状部33の延在方向が画面の縦方向になるように配置されてもよいし、横方向になるように配置してもよい。
【0097】
光制御板ユニット21Cにおいても、第2及び第3の光制御板30,30が、配置条件(i)〜(iii)を満たして設けられている。この配置では、第2及び第3の光制御板30,30は、点状光源22からの光を輝度がほぼ均一な線状の光に変換できる。そして、光制御板ユニット21Cでは、第3の光制御板30上に第1の光制御板30が、配置条件(iv)を満たして配置されている。すなわち、凸状部33の延在方向と凸状部33(又は凸状部33)の延在方向とが略直交するように配置されている。
【0098】
そのため、光制御板ユニット21Cを、図1の光制御板ユニット21Aに代えて用いた場合、複数の点状光源22からの光は、第1の実施形態の場合と同様に、光制御板ユニット21Cを通過することによって、均一に分散され、結果として、z方向に直交する面における輝度均斉度がより高い面状の光を生成することができる。
【0099】
従って、上記光制御板ユニット21Cと複数の点状光源22を備えた面光源装置20及び透過型画像表示装置1においても、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏する。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態では、複数の点状光源22の配置例を図2及び図3に示したが、例えば、正方格子、すなわち、前述したようにx方向及びy方向に隣接する点状光源22間の間隔が同じであってもよい。また、隣接する凸状部33の断面形状における端33aは凸状部33の配列方向において重なっているとして説明したが、隣接する凸状部33の端33a1間に僅かな平坦部(例えば製造誤差により生じる程度のもの)などが生じていてもよい。これは、凸状部33a,33aのそれぞれの配置についても同様である。また、光制御板ユニット21A〜21Cは、透過型画像表示部10側(例えば、液晶パネル側)に、拡散フィルム、マイクロレンズフィルム又は反射型偏光フィルム等の光学フィルムを更に有していてもよい。また、透過型画像表示装置1は、光制御板ユニット21A〜21Cと、透過型画像表示部10との間に、上述した拡散フィルム、マイクロレンズフィルム又は反射型偏光フィルム等の光学フィルムを更に有する構成とすることもできる。
【0101】
更に、面光源装置20や透過型画像表示装置1は、点状光源22から出力された光を光制御板ユニット21A〜21C側に反射する反射板といった反射手段を備えていても良い。反射手段は、図1に示した模式図において、点状光源22に対して光制御板ユニット21A〜21Cと反対側に設ければよく、例えば、点状光源22を保持するための保持部材の光源載置面を反射面とすることができる。
【0102】
また、凸状部33の断面形状が直角二等辺三角形として説明したが、これに限定されるものでなく、三角形であればよい。
【0103】
また、第1〜第3の光制御板30〜30は、第1の光制御板30と、第2及び第3の光制御板30,30の組み合わせでそれぞれ複数の点状光源から出力された光をより均一に分散させて線状の光を生成するために、光の出射側に凸状部33、凸状部33及び凸状部33がそれぞれ賦形された板状の光学部品であればよい。この場合、光制御板ユニットは、3つの上記光学部品を、光制御板ユニット21A,21B,21Cを利用して説明したような関係で配置したものとすることができる。なお、板状として説明したが、厚さに応じてフィルム状及びシート状のものも含む。
【0104】
また、最も点状光源側に位置する光制御板は、厚さが1.0mm以上のシート状のものとすることができる。この場合、光制御板の製造に押出成形法を用いることができる。当該光制御板の材料としては、屈折率1.56〜1.62程度のポリスチレン、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂、AS樹脂を用いることができる。
【0105】
また、最も点状光源側に位置する光制御板以外の光制御板は、厚さが1.0mm未満のフィルム状のものとすることができる。この場合、凸状部の賦形にフォトポリマー法を用いることができる。当該光制御板の材料としては、屈折率1.46〜1.58のアクリル系紫外線硬化樹脂を用いることができ、コストの面やフィルムの黄変劣化防止の観点で、屈折率1.51程度の低屈折率樹脂が用いられることが好ましい。
【0106】
最も点状光源側に位置する光制御板は、厚さが1mm以上5mm以下のシート状のものが好ましく、最も点状光源側に位置する光制御板以外の光制御板は、厚さが1mm未満のフィルム状のものが望ましい。
【符号の説明】
【0107】
1…透過型画像表示装置、10…透過型画像表示部、11…液晶セル、12,13…偏光板、20…面光源装置、21A〜21C…光制御板ユニット、22…点状光源、30〜30…第1〜第3の光制御板、31〜31…第1〜第3の光制御板の下面(第1〜第3の光制御板の第1の面)、32〜32…第1〜第3の光制御板の上面(第1〜第3の光制御板の第2の面)、33〜33…第1〜第3の光制御板の凸状部(第1〜第3の光制御板が有する凸状部)、33a〜33a…凸状部の端、33b〜33b…凸状部の頂部、Y1…第1の光制御板の凸状部の延在方向、X1…Y1方向に略直交する方向、X2…第2の光制御板の凸状部の延在方向、Y2…X2方向に略直交する方向、X3…第3の光制御板の凸状部の延在方向、Y3…X3方向に略直交する方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の点状光源と、
複数の前記点状光源上に設けられる光制御板ユニットと、
を備え、
前記点状光源は、
光の出射角度が65°以上75°以下の範囲に最大出射光強度Imaxを有する配光特性であって、
前記出射角度が0°の場合の出射光強度Iが、
0.22×Imax≦I≦0.30×Imaxを満たし、
出射光強度が(I+Imax)/2となる前記出射角度が45°以上55°以下であり、及び、
前記出射光強度が(I+Imax)/4となる前記出射角度が20°以上30°以下である、
前記配光特性を有し、
前記光制御板ユニットは、
第1の面から入射された光を前記第1の面と反対側に位置する第2の面から出射可能であり、且つ、一方向に延在しており前記一方向に略直交する方向に並列配置された複数の凸状部が前記第2の面に形成されている第1〜第3の光制御板を有し、
前記第1の光制御板、前記第2の光制御板及び前記第3の光制御板は、第3の光制御板が前記第2の光制御板の上側に位置するように、板厚方向に設けられており、
前記第3の光制御板の前記第1の面が、前記第2の光制御板の前記第2の面側に位置し、
前記第2の光制御板が有する前記凸状部の延在方向と前記第3の光制御板が有する前記凸状部の延在方向とが略平行であり、
前記第1の光制御板が有する前記凸状部の延在方向と前記第2又は第3の光制御板が有する前記凸状部の延在方向とが略直交しており、
前記第1及び第2の光制御板が有する各々の前記凸状部は、前記延在方向に直交する断面形状が以下に定義される形状に形成されており、
前記第3の光制御板が有する前記凸状部は、前記延在方向に直交する断面形状が三角形に形成されている、
面光源装置。
第1の光制御板が有する凸状部の断面形状:前記第1の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第1の光制御板が有する凸状部の並列する並列方向に対する両端を通る軸線をu軸とし、当該u軸上において当該両端の中心を通り当該u軸に直交する軸線をv軸とし、当該第1の光制御板が有する凸状部のu軸方向の長さをwIaとしたとき、−0.475wIa≦u≦0.475wIaの範囲において、式(1)
【数1】


〔式(1)において、vI0(u)は、式(2)
【数2】


(式(2)において、hIaは0.40wIa以上1.60wIa以下であり、kIaは−1.0以上−0.15以下である。)
で定義される。〕
を満たしているv(u)で表される形状。
第2の光制御板が有する凸状部の断面形状:前記第2の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第2の光制御板が有する凸状部の並列する並列方向に対する両端を通る軸線をuII軸とし、当該uII軸上において当該両端の中心を通り当該uII軸に直交する軸線をvII軸とし、前記第2の光制御板が有する凸状部のuII軸方向の長さをwIIaとしたとき、−0.475wIIa≦uII≦0.475wIIaの範囲において、式(3)
【数3】


〔式(3)において、vII0(uII)は、式(4)
【数4】


(式(4)において、C=0.762469824257553、C=0.298075662262927、C=−0.559629338153661、C=0.896468280253265、C10=−0.657164166213715、C12=−0.615726418495985、C14=1.245151353938560、C16=−0.520559083769482であるか、
=0.828034790338647、C=0.322164108625275、C=−0.683409388408353、C=1.221645232748140、C10=−1.204381259337210、C12=−0.140913871787724、C14=1.033110858219420、C16=−0.475388345540708であるか、または、
=0.908743053413473、C=0.412136074245729、C=−1.052244441109330、C=1.939746214284020、C10=−2.013300115231620、C12=0.074678489261357、C14=1.376932293623570、C16=−0.680081068815946である。)
で定義される。〕
を満たしているvII(uII)で表される形状。
【請求項2】
前記第3の光制御板が有する前記凸状部の延在方向に直交する前記断面形状は、頂角が略直角の二等辺三角形である、請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記第1〜第3の光制御板の各々が有する前記第1の面は略平坦である、請求項1または2に記載の面光源装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の面光源装置と、
前記面光源装置から出力される光が照射される透過型画像表示部と、
を備える、透過型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−124065(P2012−124065A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274909(P2010−274909)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】