説明

面光源装置及び透過型画像表示装置

【課題】点状光源からの光を均一に分散して、面状の光として出射することが可能な面光源装置及び透過型画像表示装置を提供する。
【解決手段】面光源装置20では、第1及び第2の光制御板30,30の凸状部33,33の各々が上述した断面形状を有するので、上述した配光特性を有する点状光源22からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。また、第3及び第4の光制御板30,30の凸状部33,33の各々が上述した断面形状を有するので、上述した配光特性を有する点状光源22からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。これにより、光制御板ユニット21に入射された点状光源22の光は、第1及び第2の光制御板30,30の組と、第3及び第4の光制御板33,33の組とによって、互いに略直交する方向にそれぞれ輝度が均一な線状の光に変換される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源装置及び透過型画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
透過型画像表示装置の一例である直下型画像表示装置40として、例えば図15に示すように、透過型画像表示部50の背面側に光源43が配置されたものが広く用いられている。透過型画像表示部50としては、例えば液晶セル51の両面に直線偏光板52,53が配置された液晶表示パネルが挙げられる。光源43としては、直管型の冷陰極線管などのような線状光源が複数本、互いに平行に配置されて用いられている。
【0003】
かかる直下型画像表示装置40としては、光源43からの光を均一に分散させて透過型画像表示部50を均一に照明できることが望ましく、このため光源43と透過型画像表示部50との間には、光源43側から入射した光を、その向きを変えて反対側の透過型画像表示部50側から出射させる機能を有する一枚の光拡散板といった光制御板42が配置されて用いられている(例えば特許文献1:特開平7−198913号公報参照)。なお、光源43から出力された光は光制御板42により面状の光として出射されるため、光源43と光制御板42は面光源装置41を構成していることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−198913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、直管型冷陰極線管に代えて、省エネルギーの観点から、発光ダイオードを光源として用いることが検討されている。発光ダイオードは通常、点状光源であり、これを離散的に配置して用いられる。
【0006】
しかし、従来の面光源装置は、発光ダイオードのような点状光源と組み合わせて直下型画像表示装置に用いると、点状光源からの光を十分に均一なものとすることができず、透過型画像表示部によって表示される画像は、点状光源の近傍と、点状光源から離れた位置とで明るさが異なるものになるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、点状光源からの光を均一に分散して、面状の光として出射することが可能な面光源装置及び透過型画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決のため、本発明に係る面光源装置は、複数の点状光源と、複数の点状光源上に設けられる光制御板ユニットと、を備え、点状光源は、光の出射角度が70°以上80°以下の範囲に最大出射光強度Imaxを有する配光特性であって、出射角度が0°の場合の出射光強度Iが、0.075×Imax≦I≦0.175×Imaxを満たし、出射光強度が(I+Imax)/2となる出射角度が60°以上70°以下であり、出射光強度が(I+Imax)/4となる出射角度が50°以上60°以下である、配光特性を有し、光制御板ユニットは、第1の面から入射された光を第1の面と反対側に位置する第2の面から出射可能であり、且つ、一方向に延在しており一方向に略直交する方向に並列配置された複数の凸状部が第2の面に形成されている第1〜第4の光制御板を備え、第1〜第4の光制御板は、第1の光制御板又は第3の光制御板が複数の点状光源に最も近接し、第2の光制御板又は第4の光制御板が複数の点状光源から最も離間し、第1の光制御板の凸状部と第3の光制御板の凸状部とが略直交し、第2の光制御板の凸状部と第4の光制御板の凸状部とが略直交し、第1の光制御板の凸状部と第2の光制御板の凸状部とが略平行し、第3の光制御板の凸状部と第4の光制御板の凸状部とが略平行している。
【0009】
第1の光制御板が有する凸状部の断面形状:(1)第1の光制御板が有する各々の凸状部の延在方向に直交する断面において、幅wiaに対する最大高さhIaの比であるアスペクト比をhIa/wIa、基部の裾部角度をα、幅wIaに対する先端部の曲率半径Rの比をR/wIaとしたときに、0.275≦hIa/wIa≦0.625、52°≦α≦70°、0.333≦R/wIa≦1.301を満たす形状、又は(2)第1の光制御板が有する各々の凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第1の光制御板が有する凸状部の並列方向に対する両端を通る軸線をu軸とし、当該u軸上において当該両端の中心を通り当該u軸に直交する軸線をv軸とし、当該第1の光制御板が有する各々の凸状部のu軸方向の長さをwIaとしたとき、各々の−0.475wIa≦u≦0.475wIaの範囲において、式(1)を満たしているv(u)で表される形状。
【数1】


〔式(1)において、vI0(u)は、式(2)
【数2】


(式(2)において、hIaは0.275wIa以上0.625wIa以下であり、kIaは−1.0以上0.35以下である。)
で定義される。〕
【0010】
第2の光制御板が有する凸状部の断面形状:第2の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状においては、頂角が略105°の二等辺三角形。
【0011】
第3の光制御板が有する凸状部の断面形状:第3の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第3の光制御板が有する凸状部の並列方向に対する両端を通る軸線をuII軸とし、当該uII軸上において当該両端の中心を通り当該uII軸に直交する軸線をvII軸とし、第3の光制御板が有する凸状部のuII軸方向の長さをwIIaとしたとき、−0.475wIIa≦uII≦0.475wIIaの範囲において、式(3)を満たしているvII(uII)で表される形状。
【数3】


〔式(3)において、vII0(uII)は、式(4)
【数4】


(式(4)において、C=0.762469824257553、C=0.298075662262927、C=−0.559629338153661、C=0.896468280253265、C10=−0.657164166213715、C12=−0.615726418495985、C14=1.245151353938560、C16=−0.520559083769482であるか、
【0012】
=0.828034790338647、C=0.322164108625275、C=−0.683409388408353、C=1.221645232748140、C10=−1.204381259337210、C12=−0.140913871787724、C14=1.033110858219420、C16=−0.475388345540708であるか、または、
【0013】
=0.908743053413473、C=0.412136074245729、C=−1.052244441109330、C=1.939746214284020、C10=−2.013300115231620、C12=0.074678489261357、C14=1.376932293623570、C16=−0.680081068815946である。)で定義される。〕
【0014】
第4の光制御板が有する凸状部の断面形状:(1)第4の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状においては、頂角が略90°の二等辺三角形、又は(2)第4の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状においては、頂角が略105°の二等辺三角形、(3)第4の光制御板が有する各々の凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第4の光制御板が有する凸状部の並列方向に対する両端を通る軸線をuIII軸とし、当該uIII軸上において当該両端の中心を通り当該uIII軸に直交する軸線をvIII軸とし、当該第4の光制御板が有する各々の凸状部のuIII軸方向の長さをwIIIaとしたとき、各々の−0.475wIIIa≦uIII≦0.475wIIIaの範囲において、式(5)を満たしているvIII(uIII)で表される形状。
【数5】


〔式(5)において、vIII0(uIII)は、式(6)
【数6】


(式(6)において、hIIIaは0.472wIIIaであり、kIIIaは−0.152である。)で定義される。〕
【0015】
この面光源装置では、第1及び第2の光制御板の凸状部の各々が上述した断面形状を有するので、上述した配光特性を有する点状光源からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。また、第3及び第4の光制御板の凸状部の各々が上述した断面形状を有するので、上述した配光特性を有する点状光源からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。そして、この面光源装置では、第1及び第2の光制御板の凸状部の各々の延在方向と、第3及び第4の光制御板の凸状部の各々の延在方向とが略直交するように、第1及び第2の光制御板の組と第3及び第4の光制御板の組とが配置されている。これにより、光制御板ユニットに入射された点状光源の光は、第1及び第2の光制御板の組と、第3及び第4の光制御板の組とによって、互いに略直交する方向にそれぞれ輝度が均一な線状の光に変換される。その結果、この面光源装置では、点状光源の光が均一に分散され、板厚方向に直交する面での輝度均斉度が高い面状の光として出射される。
【0016】
本発明に係る面光源装置では、第1の光制御板が有する凸状部の断面形状の(1)において、裾部に向かって単調に延びる断面台形状の基部と、基部の先端から突出する曲面形状の先端部とを有し、先端部の輪郭の長さをLR、基部側面における傾斜部の輪郭の長さをLFとしたときの凸状部全体の輪郭の長さに対する傾斜部の輪郭の長さの比をf(=2×LF/(2×LF+LR))としたときに、0.187%≦f≦62.802%を更に満たすようにしてもよい。
【0017】
本発明に係る面光源装置では、第1〜第4の光制御板の各々が有する第1の面は略平坦とすることができる。
【0018】
本発明に係る透過型画像表示装置は、上記に記載の面光源装置と、面光源装置から出力される光が照射される透過型画像表示部と、を備えることができる。
【0019】
この構成では、上述した面光源装置を備えているので、点状光源の光が均一に分散され、板厚方向に直交する面での輝度均斉度が高い面状の光によって透過型画像表示部を照明することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る面光源装置及び透過型画像表示装置によれば、点状光源からの光を均一に分散して、面状の光として出射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る透過型画像表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】点状光源の配置の一例を示す図である。
【図3】点状光源の配置の他の例を示す図である
【図4】図1に示した透過型画像表示装置に用いられる点状光源の配光分布を示す図である。
【図5】図1に示した光制御板ユニットの一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図6】第1の光制御板が有する凸状部の断面形状の第1のパターンの一例を示す図である。
【図7】図6に示した凸状部が満たす条件を示す図である。
【図8】第1の光制御板が有する凸状部の断面形状の第2のパターンの一例を示す図である。
【図9】図8に示した凸状部が満たす条件を示す図である。
【図10】第2の光制御板が有する凸状部の断面形状の一例を示す図である。
【図11】第3の光制御板が有する凸状部の断面形状の一例を示す図である。
【図12】図11に示した凸状部を規定する係数の例を示す図である。
【図13】第4の光制御板が有する凸状部の断面形状の第1のパターン〜第3のパターンの一例を示す図である。
【図14】第1の制御板〜第4の制御板の配置の組み合わせを示す図である。
【図15】従来の透過型画像表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る面光源装置及び透過型画像表示装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一または相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0023】
図1は、本発明に係る透過型画像表示装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。図1では、透過型画像表示装置1を分解して示している。
【0024】
透過型画像表示装置1は、透過型画像表示部10と、図1において透過型画像表示部10の背面側に配置された面光源装置20とを備えている。以下の説明では、図1に示すように、面光源装置20と透過型画像表示部10の配列方向をz方向(板厚方向)と称し、z方向に直交する2方向であって互いに直交する2方向をx方向及びy方向と称す。
【0025】
透過型画像表示部10としては、例えば液晶セル11の両面に直線偏光板12,13が配置された液晶表示パネルが挙げられる。この場合、透過型画像表示装置1は液晶表示装置(又は液晶テレビ)である。液晶セル11,偏光板12,13は、従来の液晶表示装置等の透過型画像表示装置1で用いられているものを用いることができる。液晶セル11としてはTFT型、STN型等の公知の液晶セルが例示される。
【0026】
面光源装置20は、いわゆる直下型の面光源装置である。面光源装置20は、光制御板ユニット21と、図1においてその背面側に配置された複数の点状光源22と、を含む。
【0027】
光制御板ユニット21は、板厚方向(z方向)に順に配置された第1の光制御板30、第2の光制御板30、第3の光制御板30及び第4の光制御板30を備える。
【0028】
光制御板ユニット21を構成する第1〜第4の光制御板30〜30の平面視形状(z方向からみた形状)はほぼ同一であり、通常、長方形である。第1〜第4の光制御板30〜30の平面視形状、換言すれば、光制御板ユニット21の平面視形状のサイズは、目的とする透過型画像表示装置1の画面サイズに適合するように選択されるが、通常は250mm×440mm以上、好ましくは1020mm×1800mm以下である。第1〜第4の光制御板30〜30の平面視形状は、長方形に限らず、正方形としてもよいが、以下では、特に断らない限り、長方形として説明する。
【0029】
図2は、複数の点状光源の配置関係の一例を示す図面である。図2に示すように、複数の点状光源22は、x方向に等間隔Lx及びy方向に等間隔Lyで配置することができる。図2では、一例として、x方向の間隔Lxがy方向の間隔Lyより大きいとしているが、間隔Lyの方が間隔Lxより大きくてもよいし、間隔Lx及び間隔Lyが同じでもよい。間隔Lx及び間隔Lyは、点状光源22の発光部間の距離とすることができ、通常10mm〜150mmである。
【0030】
また、複数の点状光源22は、図3に示した千鳥格子状に配置してもよい。図3は図2の場合の変形とみなすことができるので、点状光源22間のx方向及びy方向の間隔は、図2の場合と同様とすることができる。具体的に説明する。
【0031】
図2に示した長方形格子は、x方向に配置された複数の点状光源22からなる点状光源列が、y方向に複数並列されたものとみなすことができる。この場合、図3の千鳥格子状の配置は、y方向に配列された複数の点状光源列のうち隣接する点状光源列をx方向に半周期ずらして配置しているものとなる。よって、図3に示した配置においても、y方向の間隔Lyは、図2に示した場合と同様、すなわち、y方向に並列された上記点状光源列の間の間隔とすることができる。図3では、一例として、y方向に並列された上記点状光源列のうち隣接する点状光源列がx方向に半周期ずれているとしたが、上記説明においてx方向及びy方向が反対であってもよい。
【0032】
図4は、面光源装置が有する点状光源の配光分布の一例を示す図面である。図4の横軸は出射角度θ(°)を示しており、縦軸は、最大の出射光強度で規格化した規格化出射光強度を示している。本実施形態において、θ=0は、図1におけるz方向に対応する。
【0033】
点状光源22は、いわゆるサイドエミッティング型の光源であり、点状光源22の例は、発光ダイオードである。点状光源22は、次の条件を満たす配光特性(指向特性)を有する。
・出射光強度が最大である最大出射光強度Imaxの出射角度θ(以下、ピーク角度θと称す)が70°以上80°以下の範囲内にある。
・正面方向(出射角度θが0°方向)からピーク角度θ1まで出射光強度が略単調増加している。
・正面方向の出射光強度をIとしたとき、Iは、0.075×Imax≦I≦0.175×Imaxを満たす。
・出射光強度が(Imax+I)/2となる出射角度θが、60°以上70°以下の範囲にある。
・出射光強度が(Imax+I)/4となる出射角度θが50°以上60°以下の範囲にある。
【0034】
図4に例示した配光特性では、縦軸が規格化出射光強度であることから、Imax=1.00000であり、対応する出射角度θは74°である。Iは0.125である。この場合、(Imax+I)/2=0.563であり、対応する出射角度θは約65°である。また、(Imax+I)/4=0.281であり、対応する出射角度θは約55°である。よって、図4に示した点状光源22の配光特性は、上述した条件を満たしている。
【0035】
図5は、光制御板ユニットの一実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。図5を参照して、光制御板ユニット21を構成する第1〜第4の光制御板30,30,30,30について説明する。図5では、説明のために、第1〜第4の光制御板30〜30を離して配置しているが、後述するように、第1の光制御板30上に第2〜第4の光制御板30〜30を隣接する2枚が接するように設けてもよい。
【0036】
[第1の光制御板]
第1の光制御板30は、略平坦な下面(第1の光制御板の第1の面)31と、第2の光制御板30側に凸である凸状部(第1の光制御板が有する凸状部)33が複数形成された上面(第1の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。
【0037】
第1の光制御板30は、例えば凸状部33からの光の出射位置の違いにより光を分散させる光拡散板である。また、第1の光制御板30は、凸状部33からの光の出射位置により光の出射方向を偏向しているので、光の偏向を調整する形状が付与された偏向構造板ともいえる。ここでは、「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0038】
凸状部33は、y方向に略平行なY1方向(第1の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、Y1方向に略直交するX1方向(第1の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X1方向及びY1方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a,33aはX1方向において同じ位置にある。第1の光制御板30の厚さd1は、下面31と凸状部33の頂部33b1とのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0039】
[第2の光制御板]
第2の光制御板30は、略平坦な下面(第2の光制御板の第1の面)31と、外側に凸である凸状部(第2の光制御板が有する凸状部)33が複数形成された上面(第2の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。第2の光制御板30は、第1の光制御板30と同様に光拡散板であり、偏向構造板ともいえる。ここでは、「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0040】
凸状部33は、y方向に略平行なY2方向(第2の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、Y2方向に略直交するX2方向(第2の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X2方向及びY2方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、第1の光制御板30の場合と同様に、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a2,33a2はX2方向において同じ位置にある。第2の光制御板30の厚さd2は、下面31と凸状部33の頂部33b2とのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0041】
[第3の光制御板]
第3の光制御板30は、略平坦な下面(第3の光制御板の第1の面)31と、外側に凸である凸状部(第3の光制御板が有する凸状部)33が複数形成された上面(第3の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。
【0042】
第3の光制御板30は、例えば凸状部33からの光の出射位置の違いにより光を分散させる光制御板である。また、第3の光制御板30は、凸状部33からの光の出射位置により光の出射方向を偏向しているので、光の偏向を調整する形状が付与された偏向構造板ともいえる。ここでは、「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0043】
凸状部33は、x方向に略平行なX3方向(第3の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、X3方向に略直交するY3方向(第3の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X3方向及びY3方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33
の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a3,33a3はY3方向において同じ位置にある。第3の光制御板30の厚さd3は、下面31と凸状部33の頂部33b3とのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0044】
[第4の光制御板]
第4の光制御板30は、略平坦な下面(第4の光制御板の第1の面)31と、外側に凸である凸状部(第4の光制御板の凸状部)33が複数形成された上面(第4の光制御板の第2の面)32とを有する板状体である。第4の光制御板30は、第1の光制御板30と同様に光拡散板であり、偏向構造板ともいえる。ここでは、「板」と称しているが、厚さに応じてシート状及びフィルム状であってもよい。
【0045】
凸状部33は、x方向に略平行なX4方向(第4の光制御板が有する凸状部の延在方向)に延びており、X4方向に略直交するY4方向(第4の光制御板が有する凸状部の並列方向)に並列配置されている。X4方向及びY4方向はそれぞれx方向及びy方向に平行であることが好ましいが、第1の光制御板30の場合と同様に、例えば製造誤差等により±10°程度ずれていてもよい。複数の凸状部33の断面形状は、凸状部33間でほぼ同一である。また、凸状部33の延在方向において、断面形状はほぼ均一である。隣接する2つの凸状部33,33の端33a4,33a4はY4方向において同じ位置にある。第4の光制御板30の厚さd4は、下面31と凸状部33の頂部33b4とのz方向の距離であり、通常は0.1mm〜5mmである。
【0046】
[第1の光制御板の凸状部]
第1の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。凸状部33の断面形状は、図6又は図8に示すパターンのいずれか一方が選択される。同図において、凸状部33に対するu軸方向はx軸に対応し、v軸方向はz軸に対応する。このu座標系において、凸状部33の断面形状は、両端33a,33aがu軸上に位置するように設定されている。
【0047】
(1)図6に示すパターンでは、凸状部33の断面形状は、上面32に向かって裾広がりとなる断面台形状の基部と、基部の先端から突出する曲面形状の先端部とを有している。ここで、幅wIaに対する最大高さhIaの比であるアスペクト比をhIa/wIa、基部の裾部角度をα、幅wIaに対する先端部の曲率半径Rの比をR/wIa、先端部の輪郭の長さをLR、基部側面における傾斜部の輪郭の長さをLFとしたときの凸状部全体の輪郭の長さに対する傾斜部の輪郭の長さの比をf(=2×LF/(2×LF+LR))と定義すると、凸状部33の断面形状は、0.275≦hIa/wIa≦0.625、52°≦α≦70°、0.333≦R/wIa≦1.301、0.187%≦f≦62.802%を満たす。
【0048】
また、hIa/wIa、α、R/wIa、及びfの値は、上述した範囲を満たしていればよいが、隣接する2つの点状光源22間の距離をLとし、点状光源22の発光部から光制御板ユニット21の点状光源22側の面(図1又は図5では、第1の光制御板30の下面31)までの距離をDとしたとき、L/Dに対して好ましいhIa/wIa、α、R/wIa、及びfの範囲は、図7のとおりである。なお、基部側面における傾斜部は、例えば傾斜部との連結部分における先端部の接線方向に沿って延びており、先端部と傾斜部とは滑らかに連続した状態となっている。ただし、先端部と傾斜部とは必ずしも滑らかに連続した状態でなくてもよく、角部がある状態であってもよい。
【0049】
(2)図8に示すパターンでは、凸状部33の断面形状は、v軸に対して対称な輪郭線を有すると共に、式(7)を満すv(u)で表される。このことは、凸状部33の断面形状の輪郭線が、ある幅wIaに対してvI0(u)を求めた場合に、0.95×vI0(u)で示される輪郭線と、1.05×vI0(u)で示される輪郭線の間の領域を通る輪郭線であることを意味する。
【数7】

【0050】
この式(7)において、vI0(u)は、式(8)を満たす。
【数8】

【0051】
Iaは、凸状部33のu軸方向の長さである。hIaは、凸状部33をvI0(u)で示される形状とした場合における凸状部33の両端33a,33a間における最大高さに対応する。ここで、hIaは0.275wIa以上0.625wIa以下を満たす定数である。すなわち、hIa/wIaが0.275以上0.625以下を満たす定数である。kIaは−1.0以上0.35以下を満たす定数である。
【0052】
凸状部33の両端部近傍での製造誤差及び強度分布に与える影響を考慮すれば、凸状部33の断面形状は、−0.475wIa≦u≦0.475wIaにおいて、式(7)を満たすv(u)で表されていればよい。凸状部33の裾付近(端部近傍)では成形誤差が比較的大きくなる傾向にある一方、裾付近の形状が光の拡散性に与える影響は小さいからである。
【0053】
また、hIa/wIa及びkIaの値は、上述した範囲を満たしていればよいが、隣接する2つの点状光源22間の距離をLとし、点状光源22の発光部から光制御板ユニット21の点状光源22側の面(図1又は図5では、第1の光制御板30の下面31)までの距離をDとしたとき、L/Dに対して好ましいhIa/wIa及びkIaの範囲は、図9のとおりである。
【0054】
なお、上述した(1)(2)のいずれのパターンにおいても、凸状部33の幅wIaは、凸状部33の形成が容易であることから、通常40μm以上、好ましくは250μm以上である。また、凸状部33に起因する模様が肉眼で視認されにくいことから、通常800μm以下、好ましくは450μm以下である。幅wIaとしては、例えばw=410μm、400μm、325μm、330μmが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
[第2の光制御板の凸状部]
第2の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。凸状部33の断面形状は、図10に示すように、頂角βが略105°で、両辺の長さがほぼ等しい直角二等辺三角形状である。頂角βは、105°であることが好ましいが、例えば95°〜115°の範囲であればよい。隣接する2つの凸状部33,33のピッチは、10μm〜1000μmが例示でき、好ましくは20μm〜500μm、更に好ましくは40μm〜250μmである。凸状部33の幅は、凸状部33のピッチが上記範囲を満たすように適宜設定すればよい。
【0056】
[第3の光制御板の凸状部]
第3の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。凸状部33の断面形状は、図11に示すパターンが選択される。図11では、凸状部33の延在方向に直交する方向をuII軸としてuIIII座標系を設定している。凸状部33に対するuII軸方向はY3方向に対応し、vII軸方向はz方向である。このuIIII座標系において、凸状部33の断面形状は、両端33a3,33a3がuII軸上に位置するように設定されている。
【0057】
図11に示すパターンでは、凸状部33の断面形状は、vII軸に対して対称な輪郭線を有すると共に、式(9)を満すvII(uII)で表される。このことは、凸状部33の断面形状の輪郭線が、ある幅wIIaに対してvII0(uII)を求めた場合に、0.95×vI0(u)で示される輪郭線と、1.05×vI0(u)で示される輪郭線の間の領域を通る輪郭線であることを意味する。
【数9】

【0058】
この式(9)において、vII0(uII)は、式(10)を満たす。
【数10】

【0059】
式(10)中、wIIaは凸状部33のuII軸方向の長さである。また、式(10)において、k=1〜8の各々に対するC,C,C,C,C10,C12,C14及びC16の組み合わせは、図12(a)、図12(b)及び図12(c)にそれぞれ示す図表の何れかとすることができる。
【0060】
凸状部33の幅wIIaとしては、凸状部33の形成が容易であることから、通常40μm以上、好ましくは80μm以上であり、凸状部33に起因する模様が肉眼で視認されにくいことから、通常800μm以下、好ましくは450μm以下である。幅wIIaとしては、例えば410μm、400μm、325μm、280μm、及び100μmが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
凸状部33の両端部近傍での製造誤差及び強度分布に与える影響を考慮すれば、凸状部33の断面形状は、−0.475wIIa≦uII≦0.475wIIaにおいて、式(9)を満たすvII(uII)で表されていればよい。凸状部33の裾付近(端部近傍)では成形誤差が比較的大きくなる傾向にある一方、裾付近の形状が光の拡散性に与える影響は小さいからである。
【0062】
[第4の光制御板の凸状部]
第4の光制御板30が有する凸状部33の形状について説明する。凸状部33の断面形状は、図13に示すパターンのいずれか一つが選択される。図13では、凸状部33の延在方向に直交する方向をuIII軸としてuIIIIII座標系を設定している。凸状部33に対するuIII軸方向はY4方向に対応し、vIII軸方向はz方向である。このuIIIIII座標系において、凸状部33の断面形状は、両端33a4,33a4がuIII軸上に位置するように設定されている。
【0063】
(1)図13に示すパターン(1)は、頂角γが略90°で、両辺の長さがほぼ等しい直角二等辺三角形状である。頂角γは、90°であることが好ましいが、例えば80°〜100°の範囲であればよい。
【0064】
(2)図13に示すパターン(2)は、凸状部33と略同形状であり、頂角δが略105°で、両辺の長さがほぼ等しい直角二等辺三角形状である。頂角δは、105°であることが好ましいが、例えば95°〜115°の範囲であればよい。
【0065】
(3)図13に示すパターン(3)は、vIII軸に対して対称な輪郭線を有すると共に、式(11)を満すvIII(uIII)で表される。このことは、凸状部33の断面形状の輪郭線が、ある幅wIIIaに対してvIII0(uIII)を求めた場合に、0.95×vIII0(uIII)で示される輪郭線と、1.05×vIII0(uIII)で示される輪郭線の間の領域を通る輪郭線であることを意味する。
【数11】

【0066】
この式(11)において、vIII0(uIII)は、式(12)を満たす。
【数12】

【0067】
IIIaは、凸状部33のuIII軸方向の長さである。hIIIaは、凸状部33をvIII0(uIII)で示される形状とした場合における凸状部33の両端33a,33a間における最大高さに対応する。ここで、hIIIaは0.472wIIIaを満たす定数である。また、kIIIaは−0.152である。隣接する2つの凸状部33,33のピッチは、10μm〜1000μmが例示でき、好ましくは20μm〜500μm、更に好ましくは40μm〜250μmである。凸状部33の幅は、凸状部33のピッチが上記範囲を満たすように適宜設定すればよい。
【0068】
凸状部33の両端部近傍での製造誤差及び強度分布に与える影響を考慮すれば、凸状部33の断面形状は、−0.475wIIIa≦uIII≦0.475wIIIaにおいて、式(11)を満たすvIII(uIII)で表されていればよい。凸状部33の裾付近(端部近傍)では成形誤差が比較的大きくなる傾向にある一方、裾付近の形状が光の拡散性に与える影響は小さいからである。
【0069】
第1〜第4の光制御板30〜30は、単独の透明材料で構成された単層板であってもよいし、互いに異なる透明材料で構成された層が積層された多層構造の多層板であってもよい。第1〜第4の光制御板30〜30が多層板である場合、第1〜第4の光制御板30〜30の片面または両面は、通常10μm〜200μm、好ましくは20μm〜100μmの厚みのスキン層が形成された構造とし、このスキン層を構成する透明樹脂材料として紫外線吸収剤が添加されたものを用いることが好ましい。
【0070】
かかる構成とすることにより、点状光源22や外部からの光に含まれることのある紫外線による第1〜第4の光制御板30〜30の劣化を防止することができる。特に、点状光源22として紫外線の占める割合が比較的大きいものを用いた場合には、紫外線による劣化を防止できることから、下面31〜31にスキン層が形成されていることが好ましく、このとき上面32〜32にはスキン層が形成されていないことが、コストの面でさらに好ましい。スキン層を構成する透明樹脂材料として紫外線吸収剤が添加されたものを用いる場合、その含有量は、透明樹脂材料を基準として通常0.5質量%以上5質量%以下、好ましくは1質量%以上2.5質量%以下である。
【0071】
第1〜第4の光制御板30〜30は、片面または両面に帯電防止剤が塗布されていてもよい。帯電防止剤を塗布することにより、静電気によるホコリの付着などを防止して、ホコリの付着による光線透過率の低下を防止することができる。
【0072】
また、モアレ低減のために点状光源22側の面を、光拡散性を有する面とすることもできる。例えば、マット化剤と呼ばれる微細な粒子を含むスキン層で前述したように点状光源22側の面を構成してもよいし、点状光源22側の面にエンボス加工、ブラスト加工を施してもよいし、マット化剤およびバインダーを含む塗布液を塗布してマット層を形成してもよい。
【0073】
[構成材料]
第1〜第4の光制御板30〜30は透明材料からなる。透明材料の屈折率は、通常1.46〜1.62である。透明材料としては、透明樹脂材料、透明ガラス材料が例示でき、透明樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.59)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、ポリスチレン樹脂(屈折率:1.59)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)(屈折率:1.56〜1.59)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)(屈折率1.49)、シクロオレフィン樹脂(屈折率1.51〜1.55)などが例示され、コストの面および吸湿率が低い点で、好ましくはポリスチレン樹脂である。
【0074】
透明材料として透明樹脂材料を用いる場合、この透明樹脂材料に紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、加工安定剤、難燃剤、滑剤などの添加剤を添加することもできる。これらの添加剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0075】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられ、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤である。
【0076】
透明樹脂材料は通常、添加剤として光拡散剤を添加することなく用いられるが、本発明の目的を損なわない僅かな量であれば、光拡散剤を添加して用いてもよい。
【0077】
光拡散剤として通常は、第1〜第4の光制御板30〜30を主に構成する上述したような透明材料とは屈折率が異なる粉末が用いられ、これを透明材料中に分散させて用いられる。かかる光拡散剤としては、例えばスチレン樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子などの有機粒子、炭酸カリウム粒子、シリカ粒子、シリコーン樹脂粒子などの無機粒子が用いられ、その粒子径は通常0.8μm〜50μmである。
【0078】
[第1〜第4の光制御板の製造方法]
第1〜第4の光制御板30〜30は、例えば透明材料から削り出す方法により製造することができる。また、透明材料として透明樹脂材料を用いる場合は、例えば射出成形法、押出成形法、フォトポリマー法、プレス成形法などの通常の方法により製造することができる。
【0079】
[第1〜第4の光制御板の配置関係]
第1〜第4の光制御板30〜30は、z方向に以下の条件を満たし且つ下面31,31,31,31側から光が入射されるように設けられている。
(i)第1の光制御板30又は第3の光制御板30が点状光源22に最も近接して配置される。
(ii)第2の光制御板30又は第4の光制御板30が点状光源22から最も離間して配置される。
(iii)第1の光制御板30の凸状部33と第3の光制御板30の凸状部33とが略直交する。
(iv)第2の光制御板30の凸状部33と第4の光制御板30の凸状部33とが略直交する。
(v)第1の光制御板30の凸状部33と第2の光制御板30の凸状部33とが略平行する。
(vi)第3の光制御板30の凸状部33と第4の光制御板30の凸状部33とが略平行する。
【0080】
図5に示した形態では、第1〜第4の光制御板30〜30は、点状光源22側から見て、第1の光制御板30、第2の光制御板30、第3の光制御板30、第4の光制御板30の順にz方向に設けられている。また、第1の光制御板30の凸状部33と第2の光制御板30の凸状部33とがそれぞれy方向に延在しているのに対し、第3の光制御板30の凸状部33と第4の光制御板30の凸状部33とがそれぞれx方向に延在している。
【0081】
第1及び第2の光制御板30,30の間の距離d12は、第1の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第2の光制御板30の下面31との間のz方向の距離である。同様に、第2及び第3の光制御板30,30の間の距離d23は、第2の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第3の光制御板30の下面31との間のz方向の距離である。また、第3及び第4の光制御板30,30の間の距離d34は、第3の光制御板30の凸状部33の頂部33bと第4の光制御板30の下面31との間のz方向の距離である。d12、d23及びd34は、例えば5mm以下である。
【0082】
光制御板ユニット21をコンパクトなものとする観点から、d12は、0mmであり、第1の光制御板30の凸状部33上に第2の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。同様の観点から、d23は、0mmであり、第2の光制御板30の凸状部33上に第3の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。また、同様の観点から、d34は、0mmであり、第3の光制御板30の凸状部33上に第4の光制御板30が配置され、上段の下面31が下段の凸状部33の頂部33bに接するように配置されていてもよい。
【0083】
このように、光制御板ユニット21において最も点状光源22側に位置する第1の光制御板30上に第2〜第4の光制御板30〜30を互いに接するように設ける場合には、第2〜第4の光制御板30〜30の厚さd,d,dを、第1の光制御板30の厚さdより薄いものとすることが好適である。例えば、第2〜第4の光制御板30〜30をフィルム状といったより薄いものとした場合、第1の光制御板30を第2〜第4の光制御板30〜30の支持台として用いることができるからである。
【0084】
図5に示した形態を含め、上記の配置条件(i)〜(vi)を満たす第1〜第4の光制御板30〜30の配置の組み合わせのパターンは、図14に示すとおりである。図14では、点状光源22側から見て近いほうから順に配置位置1〜4を定義している。配置のパターン1〜6は、配置位置1〜4の配置される光制御板の種類と凸状部の延在方向とによって表されている。この場合、上述した光制御板同士の間隔、及び光制御板の厚さの関係をいずれのパターンの場合にも適用することができる。
【0085】
[光制御板ユニットの配置]
上記構成の第1〜第4の光制御板30〜30を有する光制御板ユニット21は、点状光源22から最も近接する光制御板(図1に示す例では第1の光制御板30)までの距離Dが、通常3mm〜50mmとなるように、点状光源22上に対して配置される。透過型画像表示装置1又は面光源装置20では、Lx,Ly及びDは、Lx/D及びLy/Dがそれぞれ2以上、さらには2.5以上である値であることが、面光源装置20を薄くすることができる点で、好ましい。
【0086】
以上説明したように、面光源装置20では、第1及び第2の光制御板30,30の凸状部33,33の各々が上述した断面形状を有するので、上述した配光特性を有する点状光源22からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。また、第3及び第4の光制御板30,30の凸状部33,33の各々が上述した断面形状を有するので、上述した配光特性を有する点状光源22からの光を輝度が均一な線状の光に変換できる。
【0087】
そして、この面光源装置20では、第1及び第2の光制御板30,30の凸状部33,33の各々の延在方向と、第3及び第4の光制御板30,30の凸状部33,33の各々の延在方向とが略直交するように、第1及び第2の光制御板30,30の組と第3及び第4の光制御板30,30の組とが配置されている。これにより、光制御板ユニット21に入射された点状光源22の光は、第1及び第2の光制御板30,30の組と、第3及び第4の光制御板33,33の組とによって、互いに略直交する方向にそれぞれ輝度が均一な線状の光に変換される。その結果、この面光源装置20では、点状光源22の光が均一に分散され、板厚方向に直交する面での輝度均斉度が高い面状の光として出射される。
【0088】
また、透過型画像表示装置1は、上記の面光源装置20と、面光源装置20から出力される光が照射される透過型画像表示部10とを備えているので、点状光源22の光が均一に分散され、板厚方向に直交する面での輝度均斉度が高い面状の光によって透過型画像表示部10を照明することができる。その結果、より高品質な画像を表示することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0090】
上記実施形態では、複数の点状光源22の配置例を図2及び図3に示したが、例えば、正方格子、すなわち、前述したようにx方向及びy方向に隣接する点状光源22間の間隔が同じであってもよい。また、隣接する凸状部33の断面形状における端33a1,33a1は凸状部331の配列方向において重なっているとして説明したが、隣接する凸状部331の端33a1間に僅かな平坦部(例えば製造誤差により生じる程度のもの)などが生じていてもよい。これは、凸状部332〜334のそれぞれの配置についても同様である。
【0091】
また、光制御板ユニット21は、透過型画像表示部10側(例えば、液晶パネル側)に、拡散フィルム、マイクロレンズフィルム、反射型偏光フィルム等の光学フィルムを更に有していてもよい。また、透過型画像表示装置1は、光制御板ユニット21と、透過型画像表示部10との間に、上述した拡散フィルム、マイクロレンズフィルム、反射型偏光フィルム等の光学フィルムを更に有する構成とすることもできる。
【0092】
更に、面光源装置20や透過型画像表示装置1は、点状光源22から出力された光を光制御板ユニット21側に反射する反射板といった反射手段を備えていても良い。反射手段は、図1に示した模式図において、点状光源22に対して光制御板ユニット21と反対側に設ければよく、例えば、点状光源22を保持するための保持部材の光源載置面を反射面とすることができる。
【0093】
また、凸状部33の断面形状が直角二等辺三角形として説明したが、これに限定されるものでなく、三角形であればよい。第1〜第4の光制御板30〜30は、第1及び第2の光制御板30,30の組み合わせと、第3及び第4の光制御板30,30の組み合わせとでそれぞれ複数の点状光源22から出力された光をより均一に分散させて線状の光を生成するために、光の出射側に凸状部33、凸状部33、凸状部333、及び凸状部33がそれぞれ賦形された板状の光学部品であればよい。この場合、光制御板ユニット21は、4つの上記光学部品を図14で示した関係で配置したものとすることができる。なお、板状として説明したが、厚さに応じてフィルム状及びシート状のものも含む。
【0094】
また、最も点状光源22側に近接して配置される光制御板は、厚さが1.0mm以上のシート状のものとすることができる。この場合、光制御板の製造に押出成形法を用いることができる。当該光制御板の材料としては、屈折率1.56〜1.62程度のポリスチレン、ポリカーボネート樹脂、MS樹脂、AS樹脂を用いることができる。
【0095】
また、最も点状光源22側に近接して配置される光制御板以外の光制御板は、厚さが1.0mm未満のフィルム状のものとすることができる。この場合、凸状部の賦形にフォトポリマー法を用いることができる。当該光制御板の材料としては、屈折率1.46〜1.58のアクリル系紫外線硬化樹脂を用いることができ、コストの面やフィルムの黄変劣化防止の観点で、屈折率1.51程度の低屈折率樹脂が用いられることが好ましい。
【0096】
最も点状光源22側に近接して配置される光制御板は、厚さが1mm以上5mm以下のシート状のものが好ましく、これ以外の光制御板は、厚さが1mm未満のフィルム状のものが好ましい。
【符号の説明】
【0097】
1…透過型画像表示装置、10…透過型画像表示部、20…面光源装置、21A…光制御板ユニット、22…点状光源、30〜30…第1〜第4の光制御板、31〜31…第1〜第4の光制御板の下面(第1〜第4の光制御板の第1の面)、32〜32…第1〜第4の光制御板の上面(第1〜第4の光制御板の第2の面)、33〜33…第1〜第4の光制御板の凸状部(第1〜第4の光制御板が有する凸状部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の点状光源と、
前記複数の点状光源上に設けられる光制御板ユニットと、を備え、
前記点状光源は、
光の出射角度が70°以上80°以下の範囲に最大出射光強度Imaxを有する配光特性であって、
前記出射角度が0°の場合の出射光強度Iが、0.075×Imax≦I≦0.175×Imaxを満たし、
出射光強度が(I+Imax)/2となる出射角度が60°以上70°以下であり、
出射光強度が(I+Imax)/4となる出射角度が50°以上60°以下である、配光特性を有し、
前記光制御板ユニットは、
第1の面から入射された光を前記第1の面と反対側に位置する第2の面から出射可能であり、且つ、一方向に延在しており前記一方向に略直交する方向に並列配置された複数の凸状部が前記第2の面に形成されている第1〜第4の光制御板を備え、
前記第1〜第4の光制御板は、
前記第1の光制御板又は前記第3の光制御板が前記複数の点状光源に最も近接し、
前記第2の光制御板又は前記第4の光制御板が前記複数の点状光源から最も離間し、
前記第1の光制御板の前記凸状部と前記第3の光制御板の前記凸状部とが略直交し、
前記第2の光制御板の前記凸状部と前記第4の光制御板の前記凸状部とが略直交し、
前記第1の光制御板の前記凸状部と前記第2の光制御板の前記凸状部とが略平行し、
前記第3の光制御板の前記凸状部と前記第4の光制御板の前記凸状部とが略平行している面光源装置。
第1の光制御板が有する凸状部の断面形状:
(1)第1の光制御板が有する各々の凸状部の延在方向に直交する断面において、幅wiaに対する最大高さhIaの比であるアスペクト比をhIa/wIa、基部の裾部角度をα、幅wIaに対する先端部の曲率半径Rの比をR/wIaとしたときに、0.275≦hIa/wIa≦0.625、52°≦α≦70°、0.333≦R/wIa≦1.301を満たす形状、又は、
(2)第1の光制御板が有する各々の凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第1の光制御板が有する凸状部の並列方向に対する両端を通る軸線をu軸とし、当該u軸上において当該両端の中心を通り当該u軸に直交する軸線をv軸とし、当該第1の光制御板が有する各々の凸状部のu軸方向の長さをwIaとしたとき、各々の−0.475wIa≦u≦0.475wIaの範囲において、式(1)を満たしているv(u)で表される形状。
【数1】


〔式(1)において、vI0(u)は、式(2)
【数2】


(式(2)において、hIaは0.275wIa以上0.625wIa以下であり、kIaは−1.0以上0.35以下である。)
で定義される。〕
第2の光制御板が有する凸状部の断面形状:第2の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状においては、頂角が略105°の二等辺三角形。
第3の光制御板が有する凸状部の断面形状:第3の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第3の光制御板が有する凸状部の並列方向に対する両端を通る軸線をuII軸とし、当該uII軸上において当該両端の中心を通り当該uII軸に直交する軸線をvII軸とし、第3の光制御板が有する凸状部のuII軸方向の長さをwIIaとしたとき、−0.475wIIa≦uII≦0.475wIIaの範囲において、式(3)を満たしているvII(uII)で表される形状。
【数3】


〔式(3)において、vII0(uII)は、式(4)
【数4】


(式(4)において、C=0.762469824257553、C=0.298075662262927、C=−0.559629338153661、C=0.896468280253265、C10=−0.657164166213715、C12=−0.615726418495985、C14=1.245151353938560、C16=−0.520559083769482であるか、
=0.828034790338647、C=0.322164108625275、C=−0.683409388408353、C=1.221645232748140、C10=−1.204381259337210、C12=−0.140913871787724、C14=1.033110858219420、C16=−0.475388345540708であるか、または、
=0.908743053413473、C=0.412136074245729、C=−1.052244441109330、C=1.939746214284020、C10=−2.013300115231620、C12=0.074678489261357、C14=1.376932293623570、C16=−0.680081068815946である。)で定義される。〕
第4の光制御板が有する凸状部の断面形状:
(1)第4の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状においては、頂角が略90°の二等辺三角形、又は
(2)第4の光制御板が有する凸状部の延在方向に直交する断面形状においては、頂角が略105°の二等辺三角形、又は
(3)第4の光制御板が有する各々の凸状部の延在方向に直交する断面において、当該第4の光制御板が有する凸状部の並列方向に対する両端を通る軸線をuIII軸とし、当該uIII軸上において当該両端の中心を通り当該uIII軸に直交する軸線をvIII軸とし、当該第4の光制御板が有する各々の凸状部のuIII軸方向の長さをwIIIaとしたとき、各々の−0.475wIIIa≦uIII≦0.475wIIIaの範囲において、式(5)を満たしているvIII(uIII)で表される形状。
【数5】


〔式(5)において、vIII0(uIII)は、式(6)
【数6】


(式(6)において、hIIIaは0.472wIIIaであり、kIIIaは−0.152である。)で定義される。〕
【請求項2】
前記第1の光制御板が有する凸状部の断面形状の(1)において、裾部に向かって単調に延びる断面台形状の基部と、基部の先端から突出する曲面形状の先端部とを有し、先端部の輪郭の長さをLR、基部側面における傾斜部の輪郭の長さをLFとしたときの凸状部全体の輪郭の長さに対する傾斜部の輪郭の長さの比をf(=2×LF/(2×LF+LR))としたときに、0.187%≦f≦62.802%を更に満たす請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記第1〜第4の光制御板の各々が有する前記第1の面は略平坦である、請求項1又は2に記載の面光源装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の面光源装置と、
前記面光源装置から出力される光が照射される透過型画像表示部と、
を備える、透過型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−230828(P2012−230828A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98492(P2011−98492)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】