説明

面格子取付具

【課題】面格子を取付けるサッシ側の取付部を小さくできる面格子取付具の提供を目的とする。
【解決手段】ブラケットは面格子取付板部と、面格子取付板部の躯体側に位置し且つ面格子取付板部より短い躯体側板部と、両板部を外周側で繋ぐ外周側板部と、躯体側板部の内周側から面格子取付板部側に向けて突設した内周側板部とを有し、内周側板部はサッシ枠の見付け板部から躯体側に向けて突設した見込み板部の内周側に位置し、面格子取付板部をサッシ枠の見付け板部に固定ネジで固定し、そのネジ軸部が内周側板部の内周側に位置し、取付ネジを用いて、面格子の取付片及び面格子取付板部の取付ネジ挿通孔を挿通して躯体側板部の取付ネジ孔に螺合して内周側板部をサッシ枠の見付け板部側に引き寄せ、面格子取付板部と内周側板部の先端部とでサッシ枠の見付け板部を挟持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシ枠に面格子を取付ける取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
躯体に取付けたサッシ枠に面格子を取付ける方法として、金具等の取付具を用いる方法は公知である。
この種の取付方法として、従来は図6(イ)に示すようにサッシ枠101の外周側に見付け板部102を形成し、取付具110に形成した面格子取付板部111と躯体側板部112とでサッシ枠の見付け板部とを挟み込むようにして、面格子から突設した取付片120と取付具110とサッシ枠の見付け板部102を取付ネジ113にて締結していた。
従って、面格子を強固に支えるにはサッシ枠の見付け板部102と取付具110を強固に固定する必要があり、図6(ロ)に示すようにサッシ枠の見付け板部の幅L2寸法が大きくならざるを得なかった。
しかし、サッシ枠の見付け板部の幅が大きくなると、それだけ外観上の見映えが悪くなるだけでなく、サッシ枠101と躯体側の外装材103等との間をシール剤104等でコーキングする際に、サッシ枠の見付け板部が邪魔になりシール剤の充填作業がしづらかった。
【0003】
【非特許文献1】三協アルミニウム工業株式会社 カタログNo.HHJO367A,ノイスタR装飾スクリーン,845ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑みて面格子を取付けるサッシ枠側の取付部を小さくできる面格子取付具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る面格子取付具は、ブラケットと、取付ネジと、固定ネジとを備え、ブラケットは、躯体と平行で面格子側に位置する面格子取付板部と、躯体と平行で面格子取付板部の躯体側に位置し且つ面格子取付板部より短い躯体側板部と、面格子取付板部と躯体側板部とを面格子の外周側で繋ぐ外周側板部と、躯体側板部の内周側から面格子取付板部側に向けて突設した内周側板部とを有し、面格子取付板部は、取付ネジを通す取付ネジ挿通孔と、固定ネジを通す固定ネジ挿通孔とを有し、取付ネジ挿通孔は固定ネジ挿通孔よりも外周側に位置し、躯体側板部は、取付ネジを螺合する取付ネジ孔を有し、内周側板部は、サッシ枠の見付け板部の外周側から躯体側に向けて突設した見込み板部の内周側に位置し、面格子取付板部の面格子側面を面格子に設けた取付片に重合してあるとともに、面格子取付板部のサッシ枠側面をサッシ枠の見付け板部に重合してあり、固定ネジは、固定ネジ挿通孔を挿通してサッシ枠の見付け板部に螺合してブラケットをサッシ枠に固定するものであり、且つネジ軸部が内周側板部の内周側に位置し、取付ネジは、面格子の取付片及び取付ネジ挿通孔を挿通して躯体側板部の取付ネジ孔に螺合して面格子をブラケットに取り付けるとともに、内周側板部をサッシ枠の見付け板部側に引き寄せるものであり、面格子取付板部と内周側板部の先端部とでサッシ枠の見付け板部を挟持していることを特徴とする。
また、面格子取付板部は、固定ネジの締結によりサッシ枠の見付け板部に食い込む係止部を有していると固定性が向上する。
【0006】
ここで、取付ネジを面格子側の取付片からブラケットの面格子取付板部の取付ネジ挿通孔に挿通し、躯体側板部の取付ネジ孔に螺合するように締結すると、ブラケットの躯体側板部が面格子側に倒れ込むように引き寄せ変形し、ブラケットの内周側板部の先端と面格子取付板部とでサッシ枠の見込み板部を確実に挟持する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明においては、ブラケットの面格子取付板部に設けた固定ネジ挿通孔から固定ネジを挿通してサッシ枠に形成した見付け板部に固定するとともに、取付ネジを用いてサッシ枠の見込み板部の外周側で面格子側に設けた取付片とブラケットとを取付け、且つ、取付ネジの螺合にてブラケットの面格子取付板部と内周側板部の先端とでサッシ枠側を挟持するようにしたので、取付具を小さくできて且つサッシ枠の見付け板部の幅寸法が従来に比較して小さくできるので、サッシ枠の外観見映えが向上しサッシ枠と躯体側との間のシール作業がしやすくなる。
また、ブラケットの内周側板部が、サッシ枠の見付け板部の外周側から躯体側に向けて突設した見込み板部の内周側に位置しているので、仮に固定ネジが緩んでも内周側板部がサッシ枠の見込み板部に引っかかり面格子は外れない。
請求項2記載の発明においては、ブラケットの面格子取付板部に係止部を設けたので、固定ネジで締結する際にサッシ枠の見付け板部に係止部が食い込み、固定が強固になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図4に、本発明に係る取付具1を用いて躯体側に取付けたサッシ枠10に面格子50を連結した斜視図を示す。
面格子は、横格子、たて格子、クロス格子、枡格子等各種格子に適用できる。
【0009】
図1にサッシ枠10と面格子取付片51との取付部を示す。
サッシ枠(たて枠)10側には、外周部に沿って見付け板部11を形成し、見付け板部の外周側端部から躯体側に向けて見込み板部12を形成してある。
取付具1は、ブラケット20と固定ネジ30と取付ネジ40とで構成している。
ブラケット20は、図2、図3に示すように、面格子側になり、躯体とほぼ平行に位置する面格子取付板部21と面格子取付板部21の躯体側に位置し、躯体とほぼ平行で且つ面格子取付板部21より内外周方向幅が短い躯体側板部22を有している。
面格子取付板部21と躯体側板部22とは、外周側を外周側板部24で繋いであり、躯体側板部22の内周側端部には面格子側に折り返して突設した内周側板部23を有している。
図1(イ)に示すように、ブラケット20の内周側板部23がサッシ枠側の見込み板部12の内周側に位置するように配置し、スクリューネジ等の固定ネジ30を面格子取付板部に形成した固定ネジ挿通孔28からサッシ枠の見付け板部11に螺進してサッシ枠にブラケット20を固定する。
この際に、ブラケット20の面格子取付板部に切り起こしした係止部25を形成してあるので、この係止部がサッシ枠に食い込む。
【0010】
次に、図1(ロ)に示すように面格子50からサッシ枠側に突設した面格子取付片51の取付部51aに形成した取付孔51bから取付ネジ40の先を挿通し、サッシ枠の見込み板部12の外周側に位置し、且つ、面格子取付板部に形成した取付ネジ挿通孔27を経由して躯体側板部に形成した取付ネジ孔26に螺合する。
この状態で取付ネジ40を締め付けると、躯体側板部22が面格子取付板部21側に引き寄せられるように変形し、内周側板部23の先端部と面格子取付板部21とでサッシ枠の見付け板部11を挟持する。なお、図1(ロ)には、分かりやすくするために実際よりも大きく変形して現してある。
この場合に、サッシ枠10の見付け板部11の幅寸法は固定ネジ30の軸部31が入り込み、ブラケット20の内周側板部23が入り込む幅があればよい。
従って、サッシ枠の見付け板部の幅寸法を小さくできるので図5に示すように、サッシ枠10と外装材(躯体側)13との間のシール剤14のコーキング作業がしやすい。
また、ブラケットの内周側板部の先端でサッシ枠の見付け板部11を押さえるようにし、サッシ枠の見込み板部12を包み込むようになるので取付具も小さくできる。
ブラケットの躯体側板部22を取付ネジ40で締め付け引き寄せる際に、引き寄せる先に内周側板部23を形成しているので大きく変形できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】サッシ枠と面格子との取付部を示す。
【図2】本発明に係る取付具を構成するブラケットを示す。
【図3】ブラケットの例を示す。
【図4】サッシ枠に面格子を取付けた例を示す。
【図5】サッシ枠外周部のシール部分を示す。
【図6】従来の取付具例を示す。
【符号の説明】
【0012】
10 サッシ枠
11 サッシ枠の見付け板部
12 サッシ枠の見込み板部
20 ブラケット
21 面格子取付板部
22 躯体側板部
23 内周側板部
24 外周側板部
25 係止部
26 取付ネジ孔
27 取付ネジ挿通孔
28 固定ネジ挿通孔
30 固定ネジ
40 取付ネジ
50 面格子
51 面格子取付片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケットと、取付ネジと、固定ネジとを備え、
ブラケットは、躯体と平行で面格子側に位置する面格子取付板部と、躯体と平行で面格子取付板部の躯体側に位置し且つ面格子取付板部より短い躯体側板部と、面格子取付板部と躯体側板部とを面格子の外周側で繋ぐ外周側板部と、躯体側板部の内周側から面格子取付板部側に向けて突設した内周側板部とを有し、
面格子取付板部は、取付ネジを通す取付ネジ挿通孔と、固定ネジを通す固定ネジ挿通孔とを有し、取付ネジ挿通孔は固定ネジ挿通孔よりも外周側に位置し、
躯体側板部は、取付ネジを螺合する取付ネジ孔を有し、
内周側板部は、サッシ枠の見付け板部の外周側から躯体側に向けて突設した見込み板部の内周側に位置し、
面格子取付板部の面格子側面を面格子に設けた取付片に重合してあるとともに、面格子取付板部のサッシ枠側面をサッシ枠の見付け板部に重合してあり、
固定ネジは、固定ネジ挿通孔を挿通してサッシ枠の見付け板部に螺合してブラケットをサッシ枠に固定するものであり、且つネジ軸部が内周側板部の内周側に位置し、
取付ネジは、面格子の取付片及び取付ネジ挿通孔を挿通して躯体側板部の取付ネジ孔に螺合して面格子をブラケットに取り付けるとともに、内周側板部をサッシ枠の見付け板部側に引き寄せるものであり、面格子取付板部と内周側板部の先端部とでサッシ枠の見付け板部を挟持していることを特徴とする面格子取付具。
【請求項2】
面格子取付板部は、固定ネジの締結によりサッシ枠の見付け板部に食い込む係止部を有していることを特徴とする請求項1記載の面格子取付具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−241865(P2006−241865A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−59897(P2005−59897)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】