説明

面格子装置

【課題】視覚的な開閉と共に通風状態も選択できる面格子装置を提供する。
【解決手段】面格子部は、前記枠体の対向する辺にわたって延出する第1の立桟部10と第2の立桟部20が所定の間隔で交互に配されて構成され、第1の立桟部は枠体に沿って相対的に移動可能である第1、第2の遮蔽部1、2からなり、第1の遮蔽部は、枠体に沿った方向に実質的に所定の幅を有する正面遮蔽部11、正面遮蔽部の一方の側辺から実質的に枠体に垂直な方向に第1の幅で延出する第1の側面遮蔽部12、22、32、42及び正面遮蔽部の他方の側辺から実質的に枠体に垂直な方向に第1の幅よりも短い第2の幅で延出する第2の側遮蔽部13、23、33、43からなり、第2の遮蔽部は、第1の遮蔽部と同一の構造であると共に第1の遮蔽部に対して点対称に配置され、第2の立桟部は、第1の立桟部と同一構造で且つ線対称に配され、第3の遮蔽部3と第4の遮蔽部4とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通風及び視覚的開閉を行うことのできる武者窓式の面格子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される連動型面格子は、複数個の立桟を上下の横枠内に前後に組み込み、前列の立桟は上下枠に固定し、後列の立桟のみ左右に連動でき、前列の立桟と立桟の隙間を後列の立桟が塞ぐことを特徴とするものである。
【0003】
特許文献2に開示される面格子装置は、窓部の正面に立体状に突出して固定され、正面枠部とこれに連設された側枠部とを有する支持枠体と、正面枠部に上下側が枢着されてそれぞれ縦に平行して併設配置され、同期回動して正面枠部を縦格子状の通風状態と遮蔽状態とに選択的に変化させる複数の可動ルーバ板と、側枠部に上下側が枢着され、回動して同側枠部を通風状態と遮蔽状態に選択的に変化させる側扉と、可動ルーバ板と側扉を、それぞれ同期して回動させ、正面枠部と側枠部との通風開放状態と遮蔽状態を同時に行わせる回動連係機構とを備えるものである。
【0004】
特許文献3に開示される可動式目隠しは、枠体の内部に、一定間隔に並べて配置された複数本の固定縦桟と、固定縦桟の並び方向に移動可能となる複数本の可動縦桟を設け、この可動縦桟が、開位置で固定縦桟とラップし、閉位置で固定縦桟間に位置するようにしたものである。
【特許文献1】実開昭62−52689号公報
【特許文献2】実用新案登録第3075618号公報
【特許文献3】特開2004−19410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び3に示されるような従来から有る武者窓式のスライド機構は、二群に分かれた板の片方がずれて等ピッチの間隔、連続したスリットを形成したり、スリット全体を遮蔽状態にしたりすることで、外部から室内に入る日差しの量を調整したり、通行人の視線を適度に遮蔽したり、通風の量を調整する建具として活用されてきた。また、特許文献2に開示されるように可動ルーバ板が開閉することによって、上述した武者窓式と同様の効果を得るものであった。
【0006】
しかし、上述した構成では、視覚的遮蔽と通風の遮蔽とが同時であることから、視覚的に遮蔽され且つ通風を得たい場合には、対応できないという不具合があった。
【0007】
したがって、この発明は、視覚的な開閉と共に通風状態も選択できる面格子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
よって、この発明は、異なる2つの空間の境界線に配される枠体と、該枠体内に所定の間隔で複数配される面格子部とによって構成される面格子装置において、前記面格子部は、前記枠体の対向する辺にわたって延出する第1の立桟部と第2の立桟部が所定の間隔で交互に配されて構成されると共に、前記第1の立桟部は、枠体に沿って相対的に移動可能である第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部からなり、前記第1の遮蔽部は、枠体に沿った方向に実質的に所定の幅を有する正面遮蔽部、該正面遮蔽部の一方の側辺から実質的に枠体に垂直な方向に第1の幅で延出する第1の側面遮蔽部及び前記正面遮蔽部の他方の側辺から実質的に枠体に垂直な方向に前記第1の幅よりも短い第2の幅で延出する第2の側遮蔽部からなり、前記第2の遮蔽部は、該第1の遮蔽部と同一の構造であると共に該第1の遮蔽部に対して点対称に配置され、前記第2の立桟部は、前記第1の立桟部と同一構造で且つ線対称に配され、第1の遮蔽部と線対称である第3の遮蔽部と、前記第2の遮蔽部と線対称である第4の遮蔽部とを具備することにある。
【0009】
また、本発明は、前記第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部が、枠体に垂直方向に重なり合うことによって、通風及び視覚的開放状態が達成され、前記第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に移動し、第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部の第1の側面遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部のそれぞれの第1の側面遮蔽部が接触する共に第1の遮蔽部及び第3の遮蔽部のそれぞれの第2の側面遮蔽部且つ第2の遮蔽部及び第4の遮蔽部のそれぞれの第2の側面遮蔽部が当接することによって、通風及び視覚的遮蔽状態が達成され、前記第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に移動し、第1の遮蔽部及び第3の遮蔽部の第1の側面遮蔽部が接触すると共に、第2の遮蔽部及び第4の遮蔽部の第1の側面遮蔽部が接触するように移動して、それぞれの第2の側面遮蔽部が対峙する場所に所定の開口部を形成することによって、通風開放及び視覚的遮蔽状態が達成されるものである。
【0010】
さらに、この発明において、前記第1の立桟部は、第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部の間に、少なくとも1つの第1の中間遮蔽部を有し、該第1の中間遮蔽部は、前記第1の遮蔽部の第2の側面遮蔽部側へ延出する第1の中間側面遮蔽部と、前記第2の遮蔽部の第2の側面遮蔽部側へ延出する第2の中間側面遮蔽部とを具備し、前記第2の立桟部は、前記第1の中間遮蔽部と線対称に配置された第2の中間遮蔽部を第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部の間に有することが望ましい。
【0011】
さらにまた、前記第1の遮蔽部、第1の中間遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部、第2の中間遮蔽部及び第4の遮蔽部が、枠体に垂直方向に重なり合うことによって、通風及び視覚的開放状態が達成され、前記第1の遮蔽部、第1の中間遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部、第2の中間遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に枠体に沿って移動し、第1の遮蔽部の第2の側面遮蔽部と第2の遮蔽部の第2の側面遮蔽部が当接すると共に、第1の遮蔽部の第1の側面遮蔽部が第1の中間遮蔽部の第1の中間側面遮蔽部に当接すると共に第1の中間遮蔽部の第2の中間側面遮蔽部が前記第2の遮蔽部の第1の側面遮蔽部に当接することによって、通風及び視覚的遮蔽状態が達成され、前記第1の遮蔽部、第1の中間遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部、第2の中間遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に枠体に沿って移動し、第1の遮蔽部及び前記第3の遮蔽部のそれぞれの第1の側面遮蔽部が当接し、第2の遮蔽部及び第4の遮蔽部と第21の側面遮蔽部が当接すると共に、それぞれの第2の側面遮蔽部とそれと対峙するそれぞれの第1の中間遮蔽部との間の所定の隙間が形成されることによって、通風開放及び視覚的遮蔽状態が達成されることが望ましい。
【0012】
さらにまた、前記中間遮蔽部が複数配されることが望ましい。これによって、第1の立桟部と第2の立桟部の間を大きくすることが可能となる。また、第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部の間、さらには第2の遮蔽部及び第3の遮蔽部の間、第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部の間、第4の遮蔽部と第1の遮蔽部の間に、中間遮蔽部を連続的に噛み合わせて延出させることによって、第1、第2、第3及び第4の遮蔽部の位置によって、通風及び視覚的遮蔽状態、又は通風開放及び視覚的遮蔽状態を達成することが可能となるものである。さらにまた、第1、第2、第3及び第4の遮蔽部の当接位置又は状態、さらには中間遮蔽部の位置によって、開放状態を変化させることも可能となるものである。
【0013】
また、前記第1,第2、第3及び第4の遮蔽部の正面遮蔽部は、前記枠体の沿った方向に対して傾斜している者であっても良い。さらに、前記第1,第2、第3及び第4の遮蔽部は、断面円弧形状に形成され、実質的に枠体の沿った方向の成分からなる正面遮蔽部と、実質的に該正面遮蔽部の一方に位置する枠体の垂直方向の成分からなる第1の側面遮蔽部と、実質的に該正面遮蔽部の他方に位置する枠体の垂直方向の成分からなる第2の側面遮蔽部とをそれぞれ具備するものであっても良い。
【発明の効果】
【0014】
よって、この発明によれば、少なくとも通風及び視覚的開放状態、通風及び視覚的遮断状態の他に、通風開放及び視覚的遮断状態を確保できるという効果を奏する。また、中間遮蔽部を設けることによって、第1及び第2の立桟部の間隔を広く取ることができるという効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施例について図面により説明する。
【実施例1】
【0016】
本願発明に係る面格子装置100は、例えば2つの空間、室外と室内又は隣の部屋同士等の境界である開口に設けられる窓、扉101に設けられるものである。この実施例では、室内用扉101に設けた状態が図1に示される。
【0017】
前記面格子装置100は、室内用扉101の周囲を構成する枠体102によって画成される開口部50に所定の間隔で対向する枠体102の辺102A,102Bに沿って交互に配される第1の立桟部10と第2の立桟部20と、これら第1の立桟部10と第2の立桟部20とを前記枠体の辺102A,102Bに沿って移動させる図示しない移動機構とによって構成される。この移動機構は手動、電動のどちらでもよく、手動、電動による動力によって下記する構成要素が必要に応じて移動するものである。
【0018】
第1の立桟部10は、第1の遮蔽部1と、この第2の遮蔽部と断面的に点対称である第2の遮蔽部2とによって構成される。実施例1では、図2(a),(b),(c)に示すように、前記第1の遮蔽部1は、前記開口部50に対して所定の間隔の幅を有する正面遮蔽部11と、この正面遮蔽部11の一方の縁辺から枠体102の垂直方向(以下、垂直方向)に所定の幅で延出する第1の側面遮蔽部12と、前記正面遮蔽部11の他方の縁辺から前記垂直方向に前記第1の側面遮蔽部12よりも短い幅で延出する第2の側面遮蔽部13とによって構成される。また、前記第2の遮蔽部2は、前記第1の遮蔽部1と断面形状が点対称に構成されるもので、前記第1の遮蔽部の正面遮蔽部11に対応する正面遮蔽部21と、前記第1の遮蔽部1の第1の側面遮蔽部12と対応する第1の側面遮蔽部22と、第1の遮蔽部1の第2の側面遮蔽部12と対応する第2の側面遮蔽部23とを有する。
【0019】
第2の立桟部20は、前記第1の立桟部10と断面形状が線対称に配置されるもので、第1の遮蔽部1と線対称である第3の遮蔽部3と、第2の遮蔽部2と線対称である第4の遮蔽部4とによって構成される。したがって、第3の遮蔽部3は、正面遮蔽部31と、正面遮蔽部31の他方の側であって前記枠体102に沿った方向(以下、横方向)において前記第1の側面遮蔽部12と対峙する位置に形成される第1の側面遮蔽部32と、正面遮蔽部31の一方の側であって前記横方向において前記第2の側面遮蔽部13と対峙する位置に形成される第2の側面遮蔽部33とによって構成され、第4の遮蔽部4は、前記第3の遮蔽部3と点対称、前記第2の遮蔽部2と線対称に形成され、正面遮蔽部41と、正面遮蔽部41の他方の側であって前記横方向において前記第1の側面遮蔽部22と対峙する位置に形成される第1の側面遮蔽部42と、正面遮蔽部41の一方の側であって前記横方向において前記第2の側面遮蔽部23と対峙する位置に形成される第2の側面遮蔽部43とによって構成される。
【0020】
以上の構成の面格子装置100において、図2(a)で示すように、第1の遮蔽部1と第2の遮蔽部2、第3の遮蔽部3と第4の遮蔽部4が前記垂直方向において重複する位置に移動することによって、開口部50が所定の間隔で開放され、通風及び視覚的開放状態を得ることができるものである。
【0021】
また、図2(b)で示すように、第1の遮蔽部1の第1の側面遮蔽部12と第2の遮蔽部2の第1の側面遮蔽部22を当接させ、第1の遮蔽部1の第2の側面遮蔽部13と第3の遮蔽部3の第2の側面遮蔽部33とを当接させ、さらに第3の遮蔽部3の第1の側面遮蔽部32と第4の遮蔽部4の第1の側面遮蔽部32を当接させ、第2の遮蔽部2の第2の側面遮蔽部23と第4の遮蔽部4の第2の側面遮蔽部43とを当接させるように、前記第1、第2、第3及び第4の遮蔽部1,2,3,4を移動させることによって、前記開口部50を全て閉塞することができるため、通風及び視覚的遮蔽状態を得ることができるものである。
【0022】
さらに、図3(b)で示すように、第1の遮蔽部1の第1の側面遮蔽部12と第3の遮蔽部3の第1の側面遮蔽部32とを当接させ、さらに第2の遮蔽部2の第1の側面遮蔽部22と第4の遮蔽部4の第2の側面遮蔽部42とを当接させるように、前記第1、第2、第3及び第4の遮蔽部1,2,3,4を移動させることによって、それぞれの遮蔽部の第2の側面遮蔽部13,23及び33,43の間に、開口部51を画成することができることから、通風開放及び視覚的遮蔽状態を得ることができるものである。
【0023】
尚、それぞれの遮蔽部が完全に移動した状態について説明したが、その途中で移動を停止させることによって、通風及び視覚的状態を線形で変化させることが可能なることはもちろんである。
【実施例2】
【0024】
図3(a),(b),(c)で示される実施例2に係る面格子装置は、上述した実施例1と同様の構造を有する第1の遮蔽部1と第2の遮蔽部2の間に、第1の中間遮蔽部6を配し、この第1の中間遮蔽部6と線対称な断面を有する第2の中間遮蔽部7を、前記第3の遮蔽部3と第4の遮蔽部4の間に配したことを特徴とするものである。
【0025】
この第1の中間遮蔽部6は、前記正面遮蔽部11,21と同一の幅を有する中間正面遮蔽部61と、この中間正面遮蔽部61の他方の縁辺から前記垂直方向に延出して前記第1の遮蔽部1の第2の側面遮蔽部13と第2の遮蔽部2の第1の側面遮蔽部22の間に延出する第1の中間側面遮蔽部62と、前記中間正面遮蔽部61の一方の縁辺から前記垂直方向に延出して前記第1の遮蔽部1の第1の側面遮蔽部12と第2の遮蔽部2の第2の側面遮蔽部23の間に延出する第2の中間側面遮蔽部63とによって構成される。
【0026】
前記第2の中間遮蔽部7は、前記正面遮蔽部31,41と同一の幅を有する中間正面遮蔽部71と、この中間正面遮蔽部71の一方の縁辺から前記垂直方向に延出して前記第3の遮蔽部1の第2の側面遮蔽部33と第4の遮蔽部4の第1の側面遮蔽部42の間に延出する第1の中間側面遮蔽部72と、前記中間正面遮蔽部71の他方の縁辺から前記垂直方向に延出して前記第3の遮蔽部3の第1の側面遮蔽部32と第4の遮蔽部4の第2の側面遮蔽部43の間に延出する第2の中間側面遮蔽部73とによって構成される。
【0027】
以上の構成の面格子装置100において、図3(a)で示すように、第1の遮蔽部1、第1の中間遮蔽部6及び第2の遮蔽部2且つ第3の遮蔽部3、第2の中間遮蔽部7及び第4の遮蔽部4が前記垂直方向において重複する位置に移動することによって、開口部50が所定の間隔で開放され、通風及び視覚的開放状態を得ることができるものである。
【0028】
また、図3(b)で示すように、前記第1の中間遮蔽部6を中心として第1の遮蔽部1の第1の側面遮蔽部12が第1の中間遮蔽部6の第1の中間側面遮蔽部62に当接するように移動すると共に第1の遮蔽部1の第2の側面遮蔽部13が第3の遮蔽部3の第2の側面遮蔽部33と当接し、また第2の遮蔽部2の第1の側面遮蔽部22が前記第1の中間遮蔽部6の第2の中間側面遮蔽部63と当接するように移動すると共に第2の遮蔽部2の第2の側面遮蔽部23が第4の遮蔽部4の第2の側面遮蔽部43と当接し、また第3の遮蔽部3及び第4の遮蔽部4が上記状態を達成するように移動することによって、前記開口部50の垂直方向を全閉することができ、通風及び視覚的遮蔽状態を得ることができるものである。
【0029】
また、図3(c)で示すように、第1、第2、第3及び第4の遮蔽部1,2,3,4を前記第1及び第2の中間遮蔽部6,7に対して、図3(b)で示す方向と逆方向に移動させ、第1及び第3の遮蔽部1,3の第1の側面遮蔽部12,32を当接させ、第2及び第4の遮蔽部2,4の第1の側面遮蔽部22,42を当接させることによって、第1の遮蔽部1の第2の側面遮蔽部13と第1の中間遮蔽部6と間、第2の遮蔽部2の第2の側面遮蔽部23と第1の中間遮蔽部6との間、第3の遮蔽部3の第2の側面遮蔽部33と第2の中間遮蔽部7と間、第4の遮蔽部4の第2の側面遮蔽部43と第2の中間遮蔽部7との間に、開口部52を形成できるため、通風開放及び視覚的遮蔽状態を得ることができるものである。
【0030】
尚、この実施例2において、移動を途中で停止させることによって、開口状態を自由に可変することができるものである。
【実施例3】
【0031】
図4(a),(b),(c),(d)に示すように、実施例3に係る面格子装置は、実施例2に係る面格子装置の第1及び第2の中間遮蔽部6,7の数を2としたことを特徴とするものである。
【0032】
よって、図4(a)で示すように、第1の遮蔽部1、2つの第1の中間遮蔽部6、第2の遮蔽部2、及び第3の遮蔽部3,2つの第2の中間遮蔽部7及び第4の遮蔽部4をそれぞれ垂直方向に重複させるように配置させることによって、開口部50が開放させるので、通風及び視覚的開放状態を得ることができるものである。
【0033】
また、図4(b)で示すように、隣り合う第1の遮蔽部1及び第3の遮蔽部3を、それぞれの第2の側面遮蔽部13,33が当接するように移動させ、隣り合う第2の遮蔽部2及び第4の遮蔽部4を、それぞれの第2の側面遮蔽部23,43が当接するように移動させ、それぞれの第1の中間遮蔽部6,6及び第2の中間遮蔽部7,7の第1及び第2の中間側面遮蔽部62,63,72,73が、対応するそれぞれの第1の側面遮蔽部12,22,32,42と当接して移動し、開口部50を完全に閉塞する。これによって、通風及び視覚的遮断状態を得ることができるものである。
【0034】
さらに、図4(c)で示すように、図4(b)で示す状態と反対方向に、第1の遮蔽部1、第2の遮蔽部2、第3の遮蔽部3、第4の遮蔽部4、第1の中間遮蔽部6及び第2の中間遮蔽部7を移動させることによって、第1の遮蔽部1及び第2の遮蔽部2と2つの第1の中間遮蔽部6,6の間、且つ第3の遮蔽部3及び第4の遮蔽部4と2つの第2の中間遮蔽部7,7との間に空間53が形成され、これによって通風開放及び視覚的遮断状態を得ることができるものである。
【0035】
またこの実施例3では、図4(d)で示すように、図4(b)で示すような第1及び第2の中間遮蔽部6,6,7,7の配置に対して、第1の遮蔽部1及び第2の遮蔽部2、第3の遮蔽部3及び第4の遮蔽部4をそれぞれ反対側に移動させることによって、第1の遮蔽部1と連続する第1の中間遮蔽部6,6の間、連続した第1の中間遮蔽部6,6と第2の遮断部2との間、第3の遮蔽部3と連続する第2の中間遮蔽部7,7の間、連続した第2の中間遮蔽部7,7と第4の遮断部4との間に開口部54が画成され、図4(c)で示した状態よりも広い開口面積を確保することができる。これによって、前述した状態よりも広い通風開放が得られるものである。
【実施例4】
【0036】
図5(a),(b),(c),(d)では、実施例4に係る面格子装置が開示される。この面格子装置は、前述した実施例3に係る面格子装置に対して、第1及び第2の中間遮蔽部6、7がそれぞれ3つずつ配置されることを特徴とするものである。このように、実施例1の面格子装置における第1及び第2の立桟部10,20の間隔に対して、第1及び第2の中間遮蔽部6,7の数を増やすことによって、第1及び第2の立桟部10,20の間隔を大きくすることができるものである。
【0037】
図5(a),(b),(c),(d)に示される実施例4に係る面格子装置は、その動作においては図4(a),(b),(c),(d)に示される実施例3に係る面格子装置と第1及び第2の中間遮蔽部の数を除いて同一である。このため、実施例3における第1及び第2の立桟部10,20の間隔よりも中間遮蔽部1つ分広い間隔を達成することができる。また、中間遮蔽部の数によって図4(c)で示す開口部55の数を増やすことができ、さらに図4(d)で示す開口部56の幅を大きくすることができるものである。
【実施例5】
【0038】
図6(a),(b),(c)に示される実施例5に係る面格子装置は、実施例1に係る面格子装置において、第1、第2、第3及び第4の遮蔽装置1,2,3,4のそれぞれの正面遮蔽部11,21,31,41を横方向に対して傾斜させたことを特徴とするものである。これによって実施例1の面格子装置と同一の動作によって、図6(a)で示される通風及び視覚的開放状態、図6(b)で示される通風及び視覚的遮蔽状態、図6(c)で示される通風開放及び視覚的遮蔽状態を得ることができるものである。尚、同一箇所又は同一の効果を奏する箇所には実施例1と同一の符号を付してその説明を省略する。
【実施例6】
【0039】
図7(a),(b),(c),(d)に示される実施例6に係る面格子装置は、第1、第2、第3及び第4の遮蔽部1,2,3,4がそれぞれ円弧状に形成され、実質的に横方向の成分を有する実質的正面遮蔽部11,21,31,41と、実質的正面遮蔽部11,21,31,41の一方の縁辺から垂直方向に延出する成分を有する第1の実質的側面遮蔽部12,22,32,42と、この第1の実質的側面遮蔽部12,22,32,42よりも短い幅で前記実質的正面遮蔽部11,21,31,41の他方の縁辺から垂直方向に延出する成分を有する第2の実質的側面遮蔽部13,23,33,43を具備するものである。
【0040】
これによって実施例1の面格子装置と同一の動作によって、図7(a)で示される通風及び視覚的開放状態、図7(b)で示される通風及び視覚的遮蔽状態、図7(c)で示される通風開放及び視覚的遮蔽状態を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本願発明に係る面格子装置が設けられた室内扉を示した説明図である。
【図2】本願発明の実施例1に係る面格子装置の説明図であり、(a)はその通風及び視覚的開放状態、(b)は通風及び視覚的遮蔽状態、(c)は通風開放及び視覚的遮蔽状態を示した図である。
【図3】本願発明の実施例2に係る面格子装置の説明図であり、(a)はその通風及び視覚的開放状態、(b)は通風及び視覚的遮蔽状態、(c)は通風開放及び視覚的遮蔽状態を示した図である。
【図4】本願発明の実施例3に係る面格子装置の説明図であり、(a)はその通風及び視覚的開放状態、(b)は通風及び視覚的遮蔽状態、(c)は第1の通風開放及び視覚的遮蔽状態、(d)は第2の通風開放及び視覚的遮蔽状態を示した図である。
【図5】本願発明の実施例4に係る面格子装置の説明図であり、(a)はその通風及び視覚的開放状態、(b)は通風及び視覚的遮蔽状態、(c)は第1の通風開放及び視覚的遮蔽状態、(d)は第2の通風開放及び視覚的遮蔽状態を示した図である。
【図6】本願発明の実施例5に係る面格子装置の説明図であり、(a)はその通風及び視覚的開放状態、(b)は通風及び視覚的遮蔽状態、(c)は通風開放及び視覚的遮蔽状態を示した図である。
【図7】本願発明の実施例6に係る面格子装置の説明図であり、(a)はその通風及び視覚的開放状態、(b)は通風及び視覚的遮蔽状態、(c)は通風開放及び視覚的遮蔽状態を示した図である。
【符号の説明】
【0042】
1 第1の遮蔽部
2 第2の遮蔽部
3 第3の遮蔽部
4 第4の遮蔽部
6 第1の中間遮蔽部
7 第2の中間遮蔽部
10 第1の立桟部
11,21,31,41 正面遮蔽部
12,22,32,42 第1の側面遮蔽部
13,23,33,43 第2の側面遮蔽部
20 第2の立桟部
50 開口部
51,52,53,54,55,56 開口部
61,71 中間正面遮蔽部
62,72 第1の中間側面遮蔽部
63,73 第2の中間側面遮蔽部
100 面格子装置
101 扉
102 枠体
102A,102B 辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる2つの空間の境界線に配される枠体と、該枠体内に所定の間隔で複数配される面格子部とによって構成される面格子装置において、
前記面格子部は、前記枠体の対向する辺にわたって延出する第1の立桟部と第2の立桟部が所定の間隔で交互に配されて構成されると共に、
前記第1の立桟部は、枠体に沿って相対的に移動可能である第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部からなり、
前記第1の遮蔽部は、枠体に沿った方向に実質的に所定の幅を有する正面遮蔽部、該正面遮蔽部の一方の側辺から実質的に枠体に垂直な方向に第1の幅で延出する第1の側面遮蔽部及び前記正面遮蔽部の他方の側辺から実質的に枠体に垂直な方向に前記第1の幅よりも短い第2の幅で延出する第2の側遮蔽部からなり、
前記第2の遮蔽部は、該第1の遮蔽部と同一の構造であると共に該第1の遮蔽部に対して点対称に配置され、
前記第2の立桟部は、前記第1の立桟部と同一構造で且つ線対称に配され、第1の遮蔽部と線対称である第3の遮蔽部と、前記第2の遮蔽部と線対称である第4の遮蔽部とを具備することを特徴とする面格子装置。
【請求項2】
前記第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部が、枠体に垂直方向に重なり合うことによって、通風及び視覚的開放状態が達成され、
前記第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に移動し、第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部の第1の側面遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部のそれぞれの第1の側面遮蔽部が接触すると共に第1の遮蔽部及び第3の遮蔽部のそれぞれの第2の側面遮蔽部且つ第2の遮蔽部及び第4の遮蔽部のそれぞれの第2の側面遮蔽部が当接することによって、通風及び視覚的遮蔽状態が達成され、
前記第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に移動し、第1の遮蔽部及び第3の遮蔽部の第1の側面遮蔽部が接触すると共に、第2の遮蔽部及び第4の遮蔽部の第1の側面遮蔽部が接触するように移動して、それぞれの第2の側面遮蔽部が対峙する場所に所定の開口部を形成することによって、通風開放及び視覚的遮蔽状態が達成されることを特徴とする請求項1記載の面格子装置。
【請求項3】
前記第1の立桟部は、第1の遮蔽部及び第2の遮蔽部の間に、少なくとも1つの第1の中間遮蔽部を有し、該第1の中間遮蔽部は、前記第1の遮蔽部の第2の側面遮蔽部側へ延出する第1の中間側面遮蔽部と、前記第2の遮蔽部の第2の側面遮蔽部側へ延出する第2の中間側面遮蔽部とを具備し、前記第2の立桟部は、前記第1の中間遮蔽部と線対称に配置された第2の中間遮蔽部を第3の遮蔽部及び第4の遮蔽部の間に有することを特徴とする請求項1記載の面格子装置。
【請求項4】
前記第1の遮蔽部、第1の中間遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部、第2の中間遮蔽部及び第4の遮蔽部が、枠体に垂直方向に重なり合うことによって、通風及び視覚的開放状態が達成され、
前記第1の遮蔽部、第1の中間遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部、第2の中間遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に枠体に沿って移動し、第1の遮蔽部の第2の側面遮蔽部と第2の遮蔽部の第2の側面遮蔽部が当接すると共に、第1の遮蔽部の第1の側面遮蔽部が第1の中間遮蔽部の第1の中間側面遮蔽部に当接すると共に第1の中間遮蔽部の第2の中間側面遮蔽部が前記第2の遮蔽部の第1の側面遮蔽部に当接することによって、通風及び視覚的遮蔽状態が達成され、
前記第1の遮蔽部、第1の中間遮蔽部及び第2の遮蔽部且つ第3の遮蔽部、第2の中間遮蔽部及び第4の遮蔽部が相対的に枠体に沿って移動し、第1の遮蔽部及び前記第3の遮蔽部のそれぞれの第1の側面遮蔽部が当接し、第2の遮蔽部及び第4の遮蔽部と第21の側面遮蔽部が当接すると共に、それぞれの第2の側面遮蔽部とそれと対峙するそれぞれの第1の中間遮蔽部との間の所定の隙間が形成されることによって、通風開放及び視覚的遮蔽状態が達成されることを特徴とする請求項3記載の面格子装置。
【請求項5】
前記中間遮蔽部が複数配されることを特徴とする請求項3記載の面格子装置。
【請求項6】
前記第1,第2、第3及び第4の遮蔽部の正面遮蔽部は、前記枠体の沿った方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は2記載の面格子装置。
【請求項7】
前記第1,第2、第3及び第4の遮蔽部は、断面円弧形状に形成され、実質的に枠体の沿った方向の成分からなる正面遮蔽部と、実質的に該正面遮蔽部の一方に位置する枠体の垂直方向の成分からなる第1の側面遮蔽部と、実質的に該正面遮蔽部の他方に位置する枠体の垂直方向の成分からなる第2の側面遮蔽部とをそれぞれ具備することを特徴とする請求項1又は2記載の面格子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−57785(P2009−57785A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227460(P2007−227460)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(500550522)有限会社ネクストプラン (7)
【Fターム(参考)】