説明

面状光源装置及び液晶表示装置組立体

【課題】光学機能シートが熱膨張によって伸びたときでも、光学機能シートにしわが発生せず、液晶表示装置と接触もせず、しかも、光学機能シートと液晶表示装置との間に存在する隙間を出来る限り狭くすることを可能とする面状光源装置を提供する。
【解決手段】前方に配置された透過型の液晶表示装置を照明する面状光源装置20は、筐体30、光源、光拡散板、及び、光拡散板の前方に配置され、筐体30の前面部の上部32から吊り下げられた状態で該前面部の上部32に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート51を備え、光学機能シート51の前方に配置され、筐体30の前面部の両側部34,35に端部が取り付けられた線状部材40を更に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型の液晶表示装置を後方から照明する面状光源装置(所謂、バックライト)、及び、係る面状光源装置を組み込んだ液晶表示装置組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置にあっては、液晶材料それ自体は発光しない。従って、例えば、液晶表示装置の表示領域を照明する直下型の面状光源装置(バックライト)を、複数の画素から構成された表示領域の後方に配置する。尚、カラー液晶表示装置において、1画素は、例えば、赤色発光副画素、緑色発光副画素及び青色発光副画素の3種の副画素から構成されている。そして、各画素あるいは各副画素を構成する液晶セルを、一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素あるいは各副画素の光透過率(開口率)を制御し、面状光源装置から出射された照明光(例えば、白色光)の光透過率を制御することで、画像を表示している。
【0003】
液晶表示装置の後方に配置され、光出射面が垂直である面状光源装置は、例えば、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えている。
【0004】
光拡散板と光学機能シートとは熱膨張率が異なるため、点灯された光源によって加熱されたとき、互いに異なる伸び量で膨張する。そして、光拡散板と光学機能シートとが部分的あるいは全面的に密着しており、光学機能シートが自由に動けない構造である場合、互いの伸び量が異なるため、光学機能シートにしわが発生する結果、液晶表示装置に影が映り、表示画面の輝度が不均一になるという問題が生じる。
【0005】
それ故、光学機能シート51を、例えば、面状光源装置120を正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図を図15の(A)に示すように、筐体30の前面部の上部(筐体上部32と呼ぶ)から吊り下げられた状態で筐体上部32に取り付け、熱膨張によって光学機能シート51が伸びたときでも、光学機能シート51にしわが発生しない構造としている。より具体的には、光学機能シート51の上端部分に複数の孔が設けられており、筐体上部32には係る孔に係合するピン38が取り付けられており、ピン38と孔を係合させることで、光学機能シート51を、筐体上部32から吊り下げられた状態とする。従って、光学機能シート51の厚さ方向に外力が加わることが無く、光学機能シート51は、光拡散板(図15の(A)においては、光学機能シート51の裏側に配置されており、光学機能シート51に隠れて見えない)に対して自由に伸縮できるように保持される。
【0006】
あるいは又、ポジショナを用いて光学機能シートをモールドフレームに取り付けることで、光学機能シートにしわが発生しない構造とする液晶表示装置が、特開平11−281966に開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−281966
【特許文献2】特開2005−258403
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
通常、光学機能シート51と液晶表示装置との間には、10mm前後の隙間が設けられている。そして、従来の技術にあっては、上述したとおり、光学機能シート51は、光拡散板に対して自由に伸縮できるように保持されているので、光学機能シート51が熱膨張によって伸びたとき、光学機能シート51にしわは発生しないものの、液晶表示装置と接触する場合がある。そして、このような現象が生じると、表示画面の輝度が不均一になるという問題が生じる。
【0009】
従来、液晶表示装置組立体における面状光源装置は、表示領域全体を、均一、且つ、一定の明るさで照明しているが、このような面状光源装置とは別の構成、即ち、複数の面状光源ユニットから構成され、複数の表示領域ユニットにおける照度の分布を変化させる構成を有する面状光源装置(部分駆動方式あるいは分割駆動方式の面状光源装置)が、例えば、特開2005−258403から周知である。そして、このような面状光源装置の制御(面状光源装置の部分駆動あるいは分割駆動とも呼ばれる)によって、液晶表示装置における白レベルの増加、黒レベルの低下によるコントラスト比の増加を図ることができる結果、画像表示の品質の向上を図ることができるし、面状光源装置の消費電力の低減を図ることができる。
【0010】
このような部分駆動方式の面状光源装置において、或る面状光源ユニット(便宜上、面状光源ユニット−Aと呼び、この面状光源ユニット−Aに対応した表示領域ユニットを表示領域ユニット−Aと呼ぶ)の輝度が高く、この面状光源ユニット−Aに隣接した面状光源ユニット(便宜上、面状光源ユニット−Bと呼び、この面状光源ユニット−Bに対応した表示領域ユニットを表示領域ユニット−Bと呼ぶ)の輝度が低い状態に、これらの面状光源ユニットが制御されている状態を想定する。このような場合、原則として、表示領域ユニット−Bにおいて表示される画像は暗くなる。然るに、表示領域ユニット−Aに隣接した表示領域ユニット−Bの部分を斜めから見たとき、光学機能シート51と液晶表示装置との間には、10mm前後の隙間が設けられているので、図15の(B)に概念図を示すように、高輝度の面状光源ユニット−Aから出射された光によって、係る表示領域ユニット−Bの部分が明るく見えてしまうといった問題が生じ得る。また、図16にシミュレーション結果を示すように、液晶表示装置に表示された画像を正面から眺めたとき(正面視)と、斜めから眺めたとき(非正面視)では、輝度に差が生じる。尚、図16において、「LCとBLの距離」とは、面状光源装置と液晶表示装置との間の距離を意味する。このような問題を、説明の便宜上、「視差問題」と呼ぶ。それ故、光学機能シート51と液晶表示装置との間に存在する隙間は、出来る限り狭いことが望ましい。
【0011】
従って、本発明の目的は、光学機能シートが熱膨張によって伸びたときでも、光学機能シートにしわが発生せず、液晶表示装置と接触もせず、しかも、光学機能シートと液晶表示装置との間に存在する隙間を出来る限り狭くすることを可能とし、視差問題が生じ難い面状光源装置、及び、係る面状光源装置を組み込んだ液晶表示装置組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の面状光源装置は、前方に配置された透過型の液晶表示装置を照明する面状光源装置であって、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備え、
(E)光学機能シートの前方に配置され、筐体の前面部の両側部に端部が取り付けられた線状部材、
を更に備えていることを特徴とする。
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る液晶表示装置組立体は、透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えており、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備え、該面状光源装置は、
(E)光学機能シートの前方に配置され、筐体の前面部の両側部に端部が取り付けられた線状部材、
を更に備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の面状光源装置あるいは本発明の第1の態様に係る液晶表示装置組立体(以下、これらを総称して、本発明の第1の態様と呼ぶ)において、線状部材(ワイヤ)は、水平方向に延びていることが好ましい。線状部材の本数は、最低、1本であればよく、2本以上の複数であってもよい。また、光学機能シートの前方に配置され、筐体の前面部の上部及び下部に端部が取り付けられた第2の線状部材を更に備えていてもよい。ここで、第2の線状部材は、垂直方向に延びていることが好ましい。第2の線状部材の本数は、最低、1本であればよく、2本以上の複数であってもよい。線状部材あるいは第2の線状部材を構成する材料として、金属や合金から成る線材、化学繊維から成る線材、プラスチックから成る線材を例示することができる。線状部材あるいは第2の線状部材の太さ(直径)は、線状部材あるいは第2の線状部材が光源からの光を受けるので、液晶表示装置の画像を見る観察者によって線状部材あるいは第2の線状部材の影が認められないような太さ(直径)、あるいは、認め難いような太さ(直径)、例えば、10μm乃至50μmとすることが望ましい。線状部材あるいは第2の線状部材と光学機能シートとが、常時、接触した状態となるように、線状部材あるいは第2の線状部材を取り付けてもよいし、面状光源装置が何らかの状態に置かれたとき、線状部材あるいは第2の線状部材と光学機能シートとが接触した状態となるように、線状部材あるいは第2の線状部材を取り付けてもよい。筐体の前面部への線状部材あるいは第2の線状部材の取り付けは、適切な方法で行えばよい。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る液晶表示装置組立体は、透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えており、
光学機能シートは、液晶表示装置に備えられた支持パネルの上部から、光学機能シート取付け手段を介して吊り下げられており、
光学機能シート取付け手段の作動によって、液晶表示装置と光学機能シートとの間の距離が制御されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様に係る液晶表示装置組立体において、
光学機能シート取付け手段は、バイメタル板から成り、
光源が発する熱によって光学機能シート取付け手段の温度が上昇する結果、光学機能シート取付け手段の形状が変化し、以て、光学機能シートを液晶表示装置から離れる方向に移動させる構成とすることができる。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る液晶表示装置組立体は、透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えており、
面状光源装置と対向する液晶表示装置の面上には光拡散シートが配されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の態様に係る液晶表示装置組立体において、具体的には、例えば、面状光源装置と対向する液晶表示装置の面を構成する偏光板上に光拡散シートを接着することで、面状光源装置と対向する液晶表示装置の面上に光拡散シートを配することができる。尚、偏光板という用語には、偏光フィルムあるいは偏光シートが包含される。
【0019】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る液晶表示装置組立体は、透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えており、
面状光源装置と対向する液晶表示装置の面は偏光板から成り、
該偏光板は光拡散機能を有していることを特徴とする。尚、偏光板という用語には、偏光フィルムあるいは偏光シートが包含される。
【0020】
本発明の第4の態様に係る液晶表示装置組立体において、偏光板は光拡散機能を有しているが、具体的には、偏光板(偏光フィルム・偏光シート)の外面には光拡散材が固着されている構成を挙げることができる。ここで、光拡散材を構成する材料として、例えば、PMMA等のプラスチック材料を粒子形状にした微粒子を挙げることができ、偏光板に光拡散材を固着させる方法として、バインダーと光拡散材の混合物を偏光板上に塗布し、バインダーを固化させる方法を挙げることができる。
【0021】
上記の好ましい構成を含む本発明の面状光源装置、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る液晶表示装置組立体(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、複数の光源を、同時に、同じ駆動条件で、しかも、一定の駆動条件で駆動してもよい。あるいは又、複数の光源を部分駆動してもよい。即ち、面状光源装置を、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから構成し、P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は個別に制御される形態としてもよい。
【0022】
以上に説明した好ましい構成を含む本発明において、光源は、例えば、発光ダイオード(LED)から構成することができるが、これに限定するものではなく、冷陰極線型の蛍光ランプや、エレクトロルミネッセンス(EL)装置、冷陰極電界電子放出装置(FED)、プラズマ表示装置、通常のランプや電灯、蛍光灯を挙げることもできる。光源を発光ダイオードから構成する場合、赤色を発光する赤色発光ダイオード、緑色を発光する緑色発光ダイオード、及び、青色を発光する青色発光ダイオードを組として構成して白色光を得ることができるし、白色発光ダイオード(例えば、紫外又は青色発光ダイオードと蛍光体粒子とを組み合わせて白色を発光する発光ダイオード)の発光によって白色光を得ることもできる。場合によっては、赤色、緑色、青色以外の第4番目の色、第5番目の色・・・を発光する発光ダイオードを更に備えていてもよい。
【0023】
光源を発光ダイオードから構成する場合、例えば、波長640nmの赤色を発光する赤色発光ダイオード、例えば波長530nmの緑色を発光する緑色発光ダイオード、及び、例えば波長450nmの青色を発光する青色発光ダイオードを組として構成するとき、これらの組合せとして、具体的には、(1つの赤色発光ダイオード,1つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)、(1つの赤色発光ダイオード,2つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)、(2つの赤色発光ダイオード,2つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)等の組合せを挙げることができるが、これらに限定するものではない。
【0024】
光源を構成する発光ダイオードは、所謂フェイスアップ構造を有していてもよいし、フリップチップ構造を有していてもよい。即ち、発光ダイオードは、基板、及び、基板上に形成された発光層から構成されており、発光層から光が外部に出射される構造としてもよいし、発光層からの光が基板を通過して外部に出射される構造としてもよい。より具体的には、発光ダイオード(LED)は、例えば、基板上に形成された第1導電型(例えばn型)を有する第1化合物半導体層、第1化合物半導体層上に形成された活性層、活性層上に形成された第2導電型(例えばp型)を有する第2化合物半導体層の積層構造を有し、第1化合物半導体層に電気的に接続された第1電極、及び、第2化合物半導体層に電気的に接続された第2電極を備えている。発光ダイオードを構成する層は、発光波長に依存して、周知の化合物半導体材料から構成すればよい。
【0025】
本発明の面状光源装置、本発明の第1の態様、第3の態様、第4の態様に係る液晶表示装置組立体において、光学機能シートは、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で前面部の上部に取り付けられているが、光学機能シートは、更に、上下左右方向に移動自在に、筐体の前面部の下部に取り付けられていてもよいし、上下左右方向に移動自在に、筐体の前面部の両側部に取り付けられていてもよいし、上下左右方向に移動自在に、筐体の前面部の両側部及び下部に取り付けられていてもよい。例えば、筐体の前面部の上部にピンを取り付け、光学機能シートに孔を設け、ピンと孔を係合させることで、光学機能シートを、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態とすることができるが、このような方法に限定するものではない。
【0026】
また、本発明において、面状光源装置に備えられた光学機能シートとして、光拡散シート、プリズムシート、多層構造を有する反射型偏光性フィルムを含む偏光変換シートを挙げることができ、これらのシートの少なくとも1種類を取り付ければよい。本発明の面状光源装置、本発明の第1の態様、第3の態様、第4の態様に係る液晶表示装置組立体において、光学機能シートは、光拡散板と接触状態にあってもよいし、非接触状態にあってもよい。筐体の内部表面には、反射シートを取り付けてもよい。光拡散板や光拡散シートを構成する材料として、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン系樹脂(PS)、メタクリル樹脂を挙げることができる。
【0027】
筐体は、例えばプラスチックや金属から作製すればよく、全体として、一種の開口部を有し、4つの側面と1つの底面を有する箱状(直方体状)の部材である。そして、この開口部が液晶表示装置と対向し、この開口部の周縁部が筐体の前面部に相当し、4つの側面が、筐体の上部、下部、2つの側部に該当する。底面に相当する基部に光源を取り付ければよい。支持パネルも、例えばプラスチックや金属から作製すればよい。
【0028】
面状光源ユニットと面状光源ユニットとの間に隔壁を配設してもよい。隔壁を構成する材料として、具体的には、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ガラスを挙げることができ、面状光源ユニットに備えられた光源から出射された光に対して透明な構成あるいは不透明な構成とすることができる。隔壁表面に光拡散反射機能を付与してもよいし、鏡面反射機能を付与してもよい。隔壁表面に光拡散反射機能を付与するためには、サンドブラスト法に基づき隔壁表面に凹凸を形成したり、凹凸を有するフィルム(光拡散フィルム)を隔壁表面に貼り付ければよい。また、隔壁表面に鏡面反射機能を付与するためには、光反射フィルムを隔壁表面に貼り付けたり、例えばメッキによって隔壁表面に光反射層を形成すればよい。
【0029】
透過型の液晶表示装置は、例えば、透明第1電極を備えたフロント・パネル、透明第2電極を備えたリア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶材料から成る。尚、液晶表示装置は、モノクロ液晶表示装置であってもよいし、カラー液晶表示装置であってもよい。
【0030】
フロント・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第1の基板と、第1の基板の内面に設けられた透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第1の基板の外面に設けられた偏光板(偏光フィルム・偏光シート)とから構成されている。更には、透過型のカラー液晶表示装置においては、第1の基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。カラーフィルターの配置パターンとして、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。そして、フロント・パネルは、更に、オーバーコート層上に透明第1電極が形成された構成を有している。尚、透明第1電極上には配向膜が形成されている。一方、リア・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第2の基板と、第2の基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第2の基板の外面に設けられた偏光板(偏光フィルム・偏光シート)とから構成されている。透明第2電極を含む全面には配向膜が形成されている。これらの透過型のカラー液晶表示装置を含む液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができる。スイッチング素子として、単結晶シリコン半導体基板に形成されたMOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といった3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。
【0031】
透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域が、1画素(ピクセル)あるいは1副画素(サブピクセル)に該当する。そして、透過型のカラー液晶表示装置においては、各画素(ピクセル)を構成する赤色発光副画素(副画素[R]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと赤色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、緑色発光副画素(副画素[G]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと緑色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、青色発光副画素(副画素[B]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと青色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成されている。副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の配置パターンは、上述したカラーフィルターの配置パターンと一致する。尚、画素は、副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の3種の副画素[R,G,B]を1組として構成される構成に限定されず、例えば、これらの3種の副画素[R,G,B]に更に1種類あるいは複数種類の副画素を加えた1組(例えば、輝度向上のために白色光を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するために補色を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエローを発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエロー及びシアンを発光する副画素を加えた1組)から構成することもできる。
【0032】
ここで、画素あるいは副画素の光透過率(開口率とも呼ばれる)Lt、画素あるいは副画素に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度)y、及び、面状光源ユニットの輝度(光源輝度)Yを、以下のとおり、定義する。
【0033】
1・・・・光源輝度の、例えば最高輝度であり、以下、光源輝度・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt1・・・表示領域ユニットにおける画素あるいは副画素の光透過率(開口率)の、例えば最大値であり、以下、光透過率・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt2・・・表示領域ユニットを構成する全ての画素を駆動するために駆動回路に入力される入力信号の値の内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定したときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)であり、以下、光透過率・第2規定値と呼ぶ場合がある。尚、0≦Lt2≦Lt1
2・・・・光源輝度が光源輝度・第1規定値Y1であり、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第2規定値Lt2であると仮定したときに得られる表示輝度であり、以下、表示輝度・第2規定値と呼ぶ場合がある。
2・・・・表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定し、しかも、このときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第1規定値Lt1に補正されたと仮定したとき、画素あるいは副画素の輝度を表示輝度・第2規定値(y2)とするための面状光源ユニットの光源輝度。但し、光源輝度Y2には、各面状光源ユニットの光源輝度が他の面状光源ユニットの光源輝度に与える影響を考慮した補正が施される場合がある。
【0034】
面状光源装置の部分駆動時、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、表示領域ユニットに対応する面状光源ユニットを構成する光源の輝度を駆動回路によって制御するが、具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニットの光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
【0035】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
【0036】
2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、(M0,N0)の値として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。また、(M0,N0)の値と(P,Q)の値との関係として、限定するものではないが、以下の表1に例示することができる。1つの表示領域ユニットを構成する画素の数として、20×20乃至320×240、好ましくは、50×50乃至200×200を例示することができる。表示領域ユニットにおける画素の数は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。
【0037】

【0038】
液晶表示装置及び面状光源装置を駆動するための駆動回路は、例えば、発光ダイオード(LED)駆動回路、演算回路、記憶装置(メモリ)等から構成された面状光源装置制御回路及び面状光源ユニット駆動回路、並びに、タイミングコントローラ等の周知の回路から構成された液晶表示装置駆動回路を備えている。表示領域の部分の輝度(表示輝度)及び面状光源ユニットの輝度(光源輝度)の制御は、1画像表示フレーム毎に行われる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
【発明の効果】
【0039】
本発明の面状光源装置、本発明の第1の態様、第3の態様、第4の態様に係る液晶表示装置組立体において、光学機能シートは、光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態でこの前面部の上部に取り付けられている。従って、光学機能シートは、光拡散板に対して自由に伸縮できるように保持されており、光学機能シートが熱膨張によって伸びたとき、光学機能シートにしわが発生することはない。
【0040】
しかも、本発明の面状光源装置、本発明の第1の態様にあっては、線状部材が、光学機能シートの前方に配置され、筐体の前面部の両側部に端部が取り付けられている。従って、光源が発する熱によって光学機能シートが熱膨張によって伸びたときであっても、光学機能シートが液晶表示装置と接触することが線状部材によって防止され、表示画面の輝度が不均一になるという問題の発生を確実に防止することができる。しかも、線状部材が配置されているので、光学機能シートと液晶表示装置との間に存在する隙間を出来る限り狭くすることができるので、視差問題が生じ難い構造を得ることができる。
【0041】
本発明の第2の態様に係る液晶表示装置組立体においては、光学機能シート取付け手段の作動によって、液晶表示装置と光学機能シートとの間の距離が制御されるので、光源が発する熱によって光学機能シートが熱膨張によって伸びたときであっても、光学機能シートが液晶表示装置と接触することを防止することができ、表示画面の輝度が不均一になるという問題の発生を確実に防止することができるし、光学機能シートと液晶表示装置との間に存在する隙間を出来る限り狭くすることができるので、視差問題が生じ難い構造を得ることができる。
【0042】
本発明の第3の態様あるいは第4の態様に係る液晶表示装置組立体においては、面状光源装置と対向する液晶表示装置の面上には光拡散シートが配されており、あるいは又、面状光源装置と対向する液晶表示装置の面を構成する偏光板は光拡散機能を有している。従って、見掛けの光源を液晶表示装置に接して配した状態を得ることができる結果、視差問題が生じ難い構造を得ることができる。
【0043】
更には、本発明において、部分駆動方式(分割駆動方式)を採用し、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、表示領域ユニットに対応する面状光源ユニットを構成する光源の輝度を駆動回路によって制御すれば、面状光源装置の消費電力の低減を図ることができるばかりか、白レベルの増加や黒レベルの低下を図り、高いコントラスト比(液晶表示装置の画面表面における、外光反射等を含まない、全黒表示部と全白表示部の輝度比)を得ることができ、所望の表示領域の明るさを強調することが可能となるので、画像表示の品質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【実施例1】
【0045】
実施例1は、本発明の面状光源装置、及び、本発明の第1の態様に係る液晶表示装置組立体に関する。実施例1の面状光源装置を正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図を図1に示し、図1の矢印A−Aに沿った模式的な一部断面図を図2に示す。
【0046】
実施例1の液晶表示装置組立体、あるいは、後述する実施例2、実施例4、実施例5の液晶表示装置組立体は、透過型のカラー液晶表示装置10、及び、面状光源装置20を備えている。面状光源装置20は、
(A)筐体30、
(B)筐体30の内部に配置された光源22、
(C)筐体30の前面部に固定され、光源22から出射された光を拡散・透過させる光拡散板50、及び、
(D)光拡散板50の前方に配置され、筐体30の前面部の上部から吊り下げられた状態でこの前面部の上部32に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート51、
を備えている。
【0047】
そして、実施例1の面状光源装置20にあっては、更に、
(E)光学機能シート51の前方に配置され、筐体30の前面部の両側部34,35に端部が取り付けられた線状部材40、
を備えている。
【0048】
尚、透過型のカラー液晶表示装置10の詳細は、実施例2にて説明する。
【0049】
実施例1において、線状部材(ワイヤ)40は、水平方向に延びており、線状部材40の本数は、最低、1本であればよく、実施例1においては、2本とした。線状部材40は、ステンレス鋼線から成り、カラー液晶表示装置10の画像を見る観察者によって線状部材40の影が認められないような太さ(直径)、具体的には、20μmである。線状部材40の両端は、筐体30の前面部の両側部34,35に取り付けられたピンから成る取付部41に巻き付けられ、溶接されて、固定されている。また、垂直に光学機能シート51が垂れ下がっている状態にあっては、光学機能シート51と線状部材40との間には僅かではあるが、隙間SPが設けられている。
【0050】
実施例1にあっては、光源22は、複数の冷陰極線型の蛍光ランプから成り筐体30の内部に水平方向に取り付けられている。そして、複数の光源22は、同時に、同じ駆動条件で、しかも、一定の駆動条件で駆動される。
【0051】
筐体30は、金属(具体的には、電気亜鉛メッキ鋼板)から作製されており、全体として、一種の開口部を有し、4つの側面と1つの底面を有する箱状(直方体状)の部材である。そして、この開口部がカラー液晶表示装置10と対向し、この開口部の周縁部が筐体30の前面部に相当し、4つの側面が、筐体30の上部32、下部33、2つの側部34,35に該当する。尚、以下の説明において、筐体30の上部32、下部33、2つの側部34,35を、それぞれ、筐体上部32、筐体下部33、筐体側部34,35と表現する場合がある。また、底面に相当する筐体基部31には反射シート55が備えられており、光源22は、反射シート55の上方に、図示しない取付け用部材を介して取り付けられている。ここで、この反射シート55は、その反射面が光拡散板50と対向するように配置され、筐体30の基部31に図示しない取付け用部材を介して取り付けられている。反射シート55は、例えば、シート基材上に、銀反射膜、低屈折率膜、高屈折率膜を順に積層された構造を有する銀増反射膜から構成することができる。反射シート55は、複数の光源22から出射された光や、筐体上部32、筐体下部33、筐体側部34,35、あるいは、後述する実施例2にあっては更に隔壁25によって反射された光を反射する。
【0052】
厚さ2mmのポリカーボネート(PC)樹脂板から作製された光拡散板50は、筐体上部32に取り付けられた内側フレーム36Aと筐体上部32との間にスペーサ36Bを介して挟まれた状態で、筐体30の前面部に固定されている。また、透過型のカラー液晶表示装置10の端部は、筐体上部32に取り付けられた支持パネル37と筐体上部32とによって、スペーサ36C,36Dを介して挟み込まれるように保持されている。
【0053】
光学機能シート51は、具体的には、光拡散シート52、プリズムシート53、偏光変換シート54を重ねた構成を有する。そして、筐体上部32にはピン38が取り付けられており、光学機能シート51には孔が設けられており、ピン38と孔を係合させることで、光学機能シート51を、筐体上部32から吊り下げられた状態とする。これによって、光学機能シート51の厚さ方向には圧力が加えられることが無く、光学機能シート51は、その縦横方向に自在に移動可能である。そして、光源22からの照明光は、光拡散板50を介して出射され、光拡散シート52、プリズムシート53、偏光変換シート54といった光学機能シート51を通過し、カラー液晶表示装置10を後方から照明する。
【0054】
実施例1にあっては、光学機能シート51は、光拡散板50の前方に配置され、筐体上部32から吊り下げられた状態で筐体上部32に取り付けられている。従って、光学機能シート51は、光拡散板50に対して自由に伸縮できるように保持されており、光学機能シート51が熱膨張によって伸びたとき、光学機能シート51にしわが発生することはない。しかも、線状部材40が、光学機能シート51の前方に配置され、筐体側部34,35に端部が取り付けられている。従って、光学機能シート51が熱膨張によって伸びたときであっても、光学機能シート51が液晶表示装置10と接触することが線状部材40によって防止され、表示画面の輝度が不均一になるという問題の発生を確実に防止することができる。しかも、線状部材40が配置されているので、光学機能シート51と液晶表示装置10との間に存在する隙間SPは、線状部材40を配置しない場合を1としたとき、約0.6と、狭くすることができた。その結果、液晶表示装置組立体全体の厚さを薄くすることができた。更には、従来にあっては、光学機能シート51が液晶表示装置10と接触しないように、光学機能シート51の厚さを厚くしていたが、実施例1にあっては、光学機能シート51が液晶表示装置10と接触しないので、光学機能シート51の厚さを薄くすることができた。
【実施例2】
【0055】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2にあっては、光源を、発光素子、具体的には、発光ダイオードから構成した。実施例2の液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を図3に示すが、この一部断面図は、図1の矢印A−Aに沿ったと同様の一部断面図である。また、実施例2の面状光源装置を正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図は、図1と同様である。実施例2の面状光源装置において、光学機能シート51及び光拡散板50を取り外して正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図を図4に示す。また、実施例2、あるいは、後述する実施例3〜実施例5(以下、これらを総称して、実施例2等と呼ぶ場合がある)での使用に適したカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の概念図を図5に示し、実施例2等での使用に適した駆動回路の一部分の概念図を図6に示し、カラー液晶表示装置の模式的な一部断面図を図7に示す。
【0056】
実施例2等の液晶表示装置組立体は、
(a)2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11を有する透過型のカラー液晶表示装置10、並びに、
(b)このカラー液晶表示装置10の表示領域11を、第1の方向にP個、第1の方向と直角に延びる第2の方向にQ個、合計、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニット12に対応し、それぞれが光源23を備えたP×Q個の面状光源ユニット21から成り、カラー液晶表示装置10を後方から照明する面状光源装置20、
を備えている。
【0057】
即ち、実施例2等の面状光源装置20は、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11を有する透過型のカラー液晶表示装置10を後方から照明する面状光源装置であって、液晶表示装置10の表示領域11を、第1の方向にP個、第1の方向と直角に延びる第2の方向にQ個、合計、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニット12に対応し、それぞれが光源23を備えたP×Q個の面状光源ユニット21から成る。尚、実施例2等の面状光源装置20あるいは液晶表示装置組立体にあっては、面状光源ユニット21に備えられた光源23の発光状態は個別に制御される。即ち、部分駆動方式あるいは分割駆動方式が採用されている。
【0058】
尚、面状光源装置20が面状光源ユニット21から成る点、光源23が、発光素子、具体的には、発光ダイオード23R,23G,23Bから成る点を除き、液晶表示装置組立体、面状光源装置の構成、構造は、実質的に実施例1において説明した液晶表示装置組立体、面状光源装置の構成、構造と同じとすることができるので、以下、実施例1との相違点について、説明を行う。
【0059】
具体的には、図5に概念図を示すように、実施例2等における透過型のカラー液晶表示装置10は、第1の方向に沿ってM0個、第2の方向に沿ってN0個の、合計M0×N0個の画素が2次元マトリクス状に配列された表示領域11を備えている。ここで、実施例2等にあっては、表示領域11を、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定する。各表示領域ユニット12は複数の画素から構成されている。具体的には、例えば、画像表示用解像度としてHD−TV規格を満たすものであり、2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、例えば、(1920,1080)である。また、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11(図5において、一点鎖線で示す)がP×Q個の仮想の表示領域ユニット12(境界を点線で示す)に分割されている。(P,Q)の値は、例えば、(19,12)である。但し、図面の簡素化のため、図4や図5における表示領域ユニット12及び面状光源ユニット21の数は、この値と異なる。各表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されており、1つの表示領域ユニット12を構成する画素の数は、例えば、約1万である。各画素は、それぞれが異なる色を発光する複数の副画素を1組として構成されている。より具体的には、各画素は、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)から構成されている。この透過型のカラー液晶表示装置10は、線順次駆動される。より具体的には、カラー液晶表示装置10は、マトリクス状に交差する走査電極(第1の方向に沿って延びている)とデータ電極(第2の方向に沿って延びている)とを有し、走査電極に走査信号を入力して走査電極を選択、走査し、データ電極に入力されたデータ信号(制御信号に基づく信号である)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する。
【0060】
尚、実施例1における液晶表示装置も、実質的に、上述した構成、構造を有するが、部分駆動されないので、表示領域11を、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定するといった概念を導入することは不要である。
【0061】
カラー液晶表示装置10は、図7に模式的な一部断面図を示すように、透明第1電極64を備えたフロント・パネル60、透明第2電極74を備えたリア・パネル70、及び、フロント・パネル60とリア・パネル70との間に配された液晶材料から成る。
【0062】
フロント・パネル60は、例えば、ガラス基板から成る第1の基板61と、第1の基板61の外面に設けられた偏光板(偏光フィルム・偏光シート)66とから構成されている。第1の基板61の内面には、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層63によって被覆されたカラーフィルター62が設けられ、オーバーコート層63上には、透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)64が形成され、透明第1電極64上には配向膜65が形成されている。一方、リア・パネル70は、より具体的には、例えば、ガラス基板から成る第2の基板71と、第2の基板71の内面に形成されたスイッチング素子(具体的には、薄膜トランジスタ、TFT)72と、スイッチング素子72によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)74と、第2の基板71の外面に設けられた偏光板(偏光フィルム・偏光シート)76とから構成されている。透明第2電極74を含む全面には配向膜75が形成されている。フロント・パネル60とリア・パネル70とは、それらの外周部で封止材(図示せず)を介して接合されている。尚、スイッチング素子72は、TFTに限定されず、例えば、MIM素子から構成することもできる。また、図面における参照番号77は、スイッチング素子72とスイッチング素子72との間に設けられた絶縁層である。
【0063】
これらの透過型のカラー液晶表示装置を構成する各種の部材や、液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
直下型の面状光源装置(バックライト)20は、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に対応したP×Q個の面状光源ユニット21から成り、各面状光源ユニット21は、面状光源ユニット21に対応する表示領域ユニット12を後方から白色光にて照明する。面状光源ユニット21は、隔壁25によって区画されている。面状光源ユニット21に備えられた光源23は、個別に制御される。但し、面状光源ユニット21の光源輝度は、他の面状光源ユニット21に備えられた光源23の発光状態等による影響を受けない。尚、カラー液晶表示装置10の後方に面状光源装置20が位置しているが、図5においては、カラー液晶表示装置10と面状光源装置20とを別々に表示した。光源23は、パルス幅変調(PWM)制御方式に基づき駆動される発光ダイオード23R,23G,23Bから成る。面状光源ユニット21の輝度の増減は、面状光源ユニット21を構成する発光ダイオード23R,23G,23Bのパルス幅変調制御におけるデューティ比の増減制御によって行う。こうして、例えば波長640nmの赤色を発光する赤色発光ダイオード23R、例えば波長530nmの緑色を発光する緑色発光ダイオード23G、及び、例えば波長450nmの青色を発光する青色発光ダイオード23Bから出射された赤色光、緑色光、及び、青色光が混色され、色純度の高い白色光を照明光として得ることができる。この白色光の照明光は、面状光源ユニット21から光拡散板50を介して出射され、光拡散シート52、プリズムシート53、偏光変換シート54といった光学機能シート51を通過し、カラー液晶表示装置10を後方から照明する。尚、発光ダイオード23R,23G,23Bを纏めて光源23で示す場合がある。
【0065】
筐体基部31近傍には、光センサーであるフォトダイオード24R,24G,24Bが配置されている。尚、フォトダイオード24Rは、赤色光の光強度を測定するために赤色フィルターが取り付けられたフォトダイオードであり、フォトダイオード24Gは、緑色光の光強度を測定するために緑色フィルターが取り付けられたフォトダイオードであり、フォトダイオード24Bは、青色光の光強度を測定するために青色フィルターが取り付けられたフォトダイオードである。ここで、1個の面状光源ユニット21に1組の光センサー(フォトダイオード24R,24G,24B)が配置されている。尚、図4には、フォトダイオード24R,24G,24Bの図示を省略した。
【0066】
図5及び図6に示すように、外部(ディスプレイ回路)からの入力信号に基づき面状光源装置20及びカラー液晶表示装置10を駆動するための駆動回路は、パルス幅変調制御方式に基づき、面状光源装置20を構成する赤色発光ダイオード23R、緑色発光ダイオード23G、及び、青色発光ダイオード23Bのオン/オフ制御を行う面状光源装置制御回路80及び面状光源ユニット駆動回路90、並びに、液晶表示装置駆動回路85から構成されている。
【0067】
面状光源装置制御回路80は、演算回路81及び記憶装置(メモリ)82から構成されている。一方、面状光源ユニット駆動回路90は、演算回路91、記憶装置(メモリ)92、LED駆動回路93、フォトダイオード制御回路94、FETから成るスイッチング素子95R,95G,95B、発光ダイオード駆動電源(定電流源)96から構成されている。面状光源装置制御回路80及び面状光源ユニット駆動回路90を構成するこれらの回路等は、周知の回路等とすることができる。一方、カラー液晶表示装置10を駆動するための液晶表示装置駆動回路85は、タイミングコントローラ86といった周知の回路から構成されている。カラー液晶表示装置10には、液晶セルを構成するTFTから成るスイッチング素子72を駆動するための、ゲート・ドライバ、ソース・ドライバ等(これらは図示せず)が備えられている。
【0068】
発光ダイオード23R,23G,23Bの下流には電流検出用の抵抗体rR,rG,rBが、発光ダイオード23R,23G,23Bと直列に挿入されており、抵抗体rR,rG,rBを流れる電流が電圧に変換され、抵抗体rR,rG,rBにおける電圧降下が所定の値となるように、LED駆動回路93の制御下、発光ダイオード駆動電源96の動作が制御される。ここで、図6には、発光ダイオード駆動電源(定電流源)96を1つで描写しているが、実際には、発光ダイオード23R,23G,23Bのそれぞれを駆動するための発光ダイオード駆動電源96が配されている。
【0069】
そして、或る画像表示フレームにおける発光ダイオード23R,23G,23Bの発光状態は、フォトダイオード24R,24G,24Bによって測定され、フォトダイオード24R,24G,24Bからの出力はフォトダイオード制御回路94に入力され、フォトダイオード制御回路94、演算回路91において、発光ダイオード23R,23G,23Bの例えば輝度及び色度としてのデータ(信号)とされ、係るデータがLED駆動回路93に送られ、次の画像表示フレームにおける発光ダイオード23R,23G,23Bの発光状態が制御されるといったフィードバック機構が形成される。
【0070】
2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11がP×Q個の表示領域ユニットに分割されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、Q行×P列の表示領域ユニットに分割されていると云える。また、表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、N行×M列の画素から構成されていると云える。更には、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])を一括して纏めて『副画素[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、副画素[R,G,B]の動作の制御(具体的には、例えば、光透過率(開口率)の制御)のために副画素[R,G,B]に入力される赤色発光副画素・制御信号、緑色発光副画素・制御信号、及び、青色発光副画素・制御信号を一括して纏めて『制御信号[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、表示領域ユニットを構成する副画素[R,G,B]を駆動するために駆動回路に外部から入力される赤色発光副画素・入力信号、緑色発光副画素・入力信号、及び、青色発光副画素・入力信号を一括して纏めて『入力信号[R,G,B]』と呼ぶ場合がある。
【0071】
各画素は、前述したように、赤色発光副画素(赤色発光サブピクセル,副画素[R])、緑色発光副画素(緑色発光サブピクセル,副画素[G])、及び、青色発光副画素(青色発光サブピクセル,副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)を1組として構成されている。以下の実施例の説明においては、副画素[R,G,B]のそれぞれの輝度の制御(階調制御)を8ビット制御とし、0〜255の28段階にて行うとする。従って、各表示領域ユニット12を構成する各画素における副画素[R,G,B]のそれぞれを駆動するために液晶表示装置駆動回路85に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとる。また、各面状光源ユニットを構成する赤色発光ダイオード23R、緑色発光ダイオード23G、及び、青色発光ダイオード23Bのそれぞれの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBも、0〜255の28段階の値をとる。但し、これに限定するものではなく、例えば、10ビット制御とし、0〜1023の210段階にて行うこともでき、この場合には、8ビットの数値での表現を、例えば4倍すればよい。
【0072】
副画素のそれぞれに、副画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が駆動回路から供給される。具体的には、副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が液晶表示装置駆動回路85から供給される。即ち、液晶表示装置駆動回路85においては、入力された入力信号[R,G,B]から制御信号[R,G,B]が生成され、この制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給(出力)される。尚、面状光源ユニット21の輝度である光源輝度Y2を1画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、例えば、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBを2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値XR-corr,XG-corr,XB-corrを有する。そして、液晶表示装置駆動回路85を構成するタイミングコントローラ86から、カラー液晶表示装置10のゲート・ドライバ及びソース・ドライバに、制御信号[R,G,B]が周知の方法で送出され、制御信号[R,G,B]に基づき各副画素を構成するスイッチング素子72が駆動され、液晶セルを構成する透明第1電極64及び透明第2電極74に所望の電圧が印加されることで、各副画素の光透過率(開口率)Ltが制御される。ここで、制御信号[R,G,B]の値XR-corr,XG-corr,XB-corrが大きいほど、副画素[R,G,B]の光透過率(開口率)Ltが高くなり、副画素[R,G,B]に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度y)の値が高くなる。即ち、副画素[R,G,B]を通過する光によって構成される画像(通常、一種、点状である)は明るい。
【0073】
表示輝度y及び光源輝度Y2の制御は、カラー液晶表示装置10の画像表示における1画像表示フレーム毎、表示領域ユニット毎、面状光源ユニット毎に行われる。また、1画像表示フレーム内におけるカラー液晶表示装置10の動作と面状光源装置20の動作とは同期させられる。尚、駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
【0074】
実施例2にあっては、実施例1において説明した効果に加え、図15の(B)、図16に示した視差問題の発生を抑制することができた。
【実施例3】
【0075】
実施例3は、本発明の第2の態様に係る液晶表示装置組立体に関する。実施例3の液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を図8に示すが、この一部断面図は、図1の矢印A−Aに沿ったと同様の一部断面図である。また、実施例3の面状光源装置において、光学機能シート51及び光拡散板50を取り外して正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図は、ピン38、取付部41が設けられていないことを除き、図4と同様である。また、実施例3、あるいは、後述する実施例4〜実施例5での使用に適したカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の概念図、実施例3での使用に適した駆動回路の一部分の概念図、カラー液晶表示装置の模式的な一部断面図は、それぞれ、図5、図6、図7に示したと同様である。
【0076】
実施例3の液晶表示装置組立体は、実質的に、実施例2において説明した液晶表示装置組立体と以下に説明する点が相違しているだけであるので、相違点のみを説明する。
【0077】
即ち、実施例3において、光学機能シート51は、光拡散板50の前方に配置され、光拡散板50から出射された光を通過させるが、実施例2と異なり、光学機能シート51は、カラー液晶表示装置10に備えられた支持パネル37の上部から、光学機能シート取付け手段39を介して吊り下げられている。そして、光学機能シート取付け手段39の作動によって、液晶表示装置10と光学機能シート51との間の距離が制御される。
【0078】
より具体的には、光学機能シート取付け手段39は、バイメタル板から成る。光学機能シート取付け手段39の一端部は、支持パネル37に、例えば、ネジ(図示せず)によって取り付けられている。また、光学機能シート取付け手段39の他端部は、自由であり、光学機能シート取付け手段39の他端部には、ピン38’が取り付けられている。光学機能シート51には孔が設けられており、ピン38’と孔を係合させることで、光学機能シート51を、支持パネル37の上部から、光学機能シート取付け手段39を介して吊り下げられた状態とする。
【0079】
液晶表示装置組立体の動作時、光源23が発する熱によって光学機能シート取付け手段39であるバイメタル板の温度が上昇する結果、光学機能シート取付け手段39の形状が変化する。具体的には、光学機能シート取付け手段39の他端部が、液晶表示装置10の本体部から離れる方向に反る(図9の液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を参照)。その結果、光学機能シート51を液晶表示装置10から離れる方向に移動させる。これによって、光源23が発する熱によって光学機能シート51が熱膨張に起因して伸びたときであっても、光学機能シート51が液晶表示装置10と接触することを防止することができ、表示画面の輝度が不均一になるという問題の発生を確実に防止することができる。また、光学機能シート51と液晶表示装置10との間に存在する隙間を出来る限り狭くすることができるので、視差問題が生じ難い構造を達成することができる。
【実施例4】
【0080】
実施例4は、本発明の第3の態様に係る液晶表示装置組立体に関する。実施例4の液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図は図3に示したと同様であり、この一部断面図は、図1の矢印A−Aに沿ったと同様の一部断面図である。また、実施例4の面状光源装置において、光学機能シート51及び光拡散板50を取り外して正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図は、図4と同様である。即ち、実施例4の液晶表示装置組立体は、実質的に、実施例2の液晶表示装置組立体を改良したものであるが、線状部材40及び取付部41を除いた構成、構造の液晶表示装置組立体とすることもできる。
【0081】
実施例4の液晶表示装置組立体は、概念図を図10の(A)に示すように、面状光源装置20と対向する液晶表示装置10の面上には光拡散シート13が配されている。具体的には、図7に示した偏光板(偏光フィルム・偏光シート)76の上には、光拡散シート13が接着剤を用いて接着されている。この光拡散シート13は、具体的には、PET基材にバインダーとしてアクリル樹脂と光拡散材としてPMMA粒子との混合物を塗布し、バインダーを固化させたものから構成されている。
【0082】
このように面状光源装置20と対向する液晶表示装置10の面上には光拡散シート13が配されているので、あたかも、液晶表示装置10に密接した光拡散シート13全体で液晶表示装置10を照明しているように見える結果、視差問題が生じ難い。
【0083】
尚、図10の(B)に概念図を示すように、光学機能シート51を、光拡散シート52及びプリズムシート53を重ねた構成とし、偏光変換シート54を、光拡散シート13と偏光板76との間に挟んだ構成とすることもできる。
【実施例5】
【0084】
実施例5は、本発明の第4の態様に係る液晶表示装置組立体に関する。実施例5の液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図は図3に示したと同様であり、この一部断面図は、図1の矢印A−Aに沿ったと同様の一部断面図である。また、実施例5の面状光源装置において、光学機能シート51及び光拡散板50を取り外して正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図は、図4と同様である。即ち、実施例5の液晶表示装置組立体は、実質的に、実施例2の液晶表示装置組立体を改良したものであるが、線状部材40及び取付部41を除いた構成、構造の液晶表示装置組立体とすることもできる。
【0085】
実施例5の液晶表示装置組立体にあっては、概念図を図11に示すように、面状光源装置20と対向する液晶表示装置10の面を構成する偏光板(偏光フィルム・偏光シート)76’は、光拡散機能を有している。具体的には、この偏光板76’の外面には光拡散材が固着されている。光拡散材は、例えば、PMMA粒子から成り、例えばアクリル樹脂から成るバインダーと光拡散材の混合物を偏光板76’上に塗布し、バインダーを固化させることで、偏光板76’に光拡散材を固着することができる。
【0086】
このように面状光源装置20と対向する液晶表示装置10の面を構成する偏光板76’は、光拡散機能を有しているので、あたかも、液晶表示装置10に密接した光拡散シート全体で液晶表示装置10を照明しているように見える結果、視差問題が生じ難い。
【0087】
以下、実施例2〜実施例5における液晶表示装置組立体の駆動方法を、図5、図6及び図12を参照して説明する。尚、図12は、実施例2〜実施例5における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
【0088】
実施例2〜実施例5にあっては、副画素のそれぞれに、副画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が駆動回路から供給される。より具体的には、各画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が駆動回路90から供給される。そして、面状光源ユニット21のそれぞれにおいて、各表示領域ユニット12を構成する全ての画素(副画素[R,G,B])を駆動するために駆動回路80,90,85に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が副画素に供給されたと想定したときの画素(副画素[R,G,B])の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、この表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット21を構成する光源23の輝度を、面状光源装置制御回路80及び面状光源ユニット駆動回路90によって制御する。具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニット21の光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
【0089】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
【0090】
[ステップ−100]
スキャンコンバータ等の周知のディスプレイ回路から送出された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]及びクロック信号CLKは、面状光源装置制御回路80及び液晶表示装置駆動回路85に入力される(図5参照)。尚、入力信号[R,G,B]は、例えば撮像管への入力光量をy’としたとき、撮像管からの出力信号であり、例えば放送局等から出力され、副画素の光透過率Ltを制御するために液晶表示装置駆動回路85にも入力される入力信号であり、入力光量y’の0.45乗の関数で表すことができる。そして、面状光源装置制御回路80に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBは、面状光源装置制御回路80を構成する記憶装置(メモリ)82に、一旦、記憶される。また、液晶表示装置駆動回路85に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBも、液晶表示装置駆動回路85を構成する記憶装置(図示せず)に、一旦、記憶される。
【0091】
[ステップ−110]
次いで、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81においては、記憶装置82に記憶された入力信号[R,G,B]の値を読み出し、第(p,q)番目[但し、先ず、p=1,q=1]の表示領域ユニット12において、この第(p,q)番目の表示領域ユニット12を構成する全ての画素における副画素[R,G,B]を駆動するための入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、演算回路81において求める。そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置82に記憶する。このステップを、m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,Nの全てに対して、即ち、M×N個の画素に対して、実行する。
【0092】
例えば、xRが「110」に相当する値であり、xGが「150」に相当する値であり、xBが「50」に相当する値である場合、xU-maxは「150」に相当する値である。
【0093】
この操作を、(p,q)=(1,1)から(P,Q)まで繰り返し、全ての表示領域ユニット12における表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置82に記憶する。
【0094】
[ステップ−120]
そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給されたと想定したときの輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が面状光源ユニット21によって得られるように、表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット21を構成する光源23の輝度(光源輝度Y2)を、面状光源ユニット駆動回路90の制御下、増減する。具体的には、以下の式(1)を満足するように、1画像表示フレーム毎、1面状光源ユニット毎に光源輝度Y2を制御すればよい。より具体的には、光源輝度制御関数g(xnol-max)である式(2)に基づき光源23(発光ダイオード23R,23G,23B)の輝度を制御し、且つ、式(1)を満足するように光源輝度Y2を制御すればよい。このような制御の概念図を、図14の(A)及び(B)に示す。但し、後述するように、他の面状光源ユニット21の影響に基づいた補正を、光源輝度Y2に対して、必要に応じて施す。尚、光源輝度Y2の制御に関するこれらの関係、即ち、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-max、この最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号の値、このような制御信号が画素(副画素)に供給されたと想定したときの表示輝度・第2規定値y2、このときの各副画素の光透過率(開口率)[光透過率・第2規定値Lt2]、各副画素の光透過率(開口率)を光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度・第2規定値y2が得られるような面状光源ユニット21における輝度制御パラメータの関係等を、予め求めておき、記憶装置82等に記憶しておけばよい。
【0095】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
g(xnol-max)=a1・(xnol-max2.2+a0 (2)
【0096】
ここで、画素(あるいは、画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれ)を駆動するために液晶表示装置駆動回路85に入力される入力信号(入力信号[R,G,B])の最大値をxmaxとしたとき、
nol-max≡xU-max/xmax
であり、a1,a0は定数であり、
1+a0=1
0<a0<1,0<a1<1
で表すことができる。例えば、
1=0.99
0=0.01
とすればよい。また、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとるので、xmaxの値は「255」に相当する値である。
【0097】
ところで、面状光源装置20にあっては、例えば、(p,q)=(1,1)の面状光源ユニット21の輝度制御を想定した場合、他のP×Q個の面状光源ユニット21からの影響を考慮する必要がある場合がある。このような面状光源ユニット21が他の面状光源ユニット21から受ける影響は、各面状光源ユニット21の発光プロファイルによって予め判明しているので、逆算によって差分を計算でき、その結果、補正が可能である。演算の基本形を以下に説明する。
【0098】
式(1)及び式(2)の要請に基づくP×Q個の面状光源ユニット21に要求される輝度(光源輝度Y2)を行列[LPxQ]で表す。また、或る面状光源ユニットのみを駆動し、他の面状光源ユニットは駆動していないときに得られる或る面状光源ユニットの輝度を、P×Q個の面状光源ユニット21に対して予め求めておく。係る輝度を行列[L’PxQ]で表す。更には、補正係数を行列[αPxQ]で表す。すると、これらの行列の関係は、以下の式(3−1)で表すことができる。補正係数の行列[αPxQ]は、予め求めておくことができる。
[LPxQ]=[L’PxQ]・[αPxQ] (3−1)
よって、式(3−1)から行列[L’PxQ]を求めればよい。行列[L’PxQ]は、逆行列の演算から求めることができる。即ち、
[L’PxQ]=[LPxQ]・[αPxQ-1 (3−2)
を計算すればよい。そして、行列[L’PxQ]で表された輝度が得られるように、各面状光源ユニット21に備えられた光源23(発光ダイオード23R,23G,23B)を制御すればよく、具体的には、係る操作、処理は、記憶装置(メモリ)82に記憶された情報(データテーブル)を用いて行えばよい。尚、発光ダイオード23R,23G,23Bの制御にあっては、行列[L’PxQ]の値は負の値を取れないので、演算結果は正の領域にとどめる必要があることは云うまでもない。従って、式(3−2)の解は厳密解ではなく、近似解となる場合がある。
【0099】
このように、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81において得られた式(1)及び式(2)の値に基づき得られた行列[LPxQ]、補正係数の行列[αPxQ]に基づき、上述したとおり、面状光源ユニットを単独で駆動したと想定したときの輝度の行列[L’PxQ]を求め、更には、記憶装置82に記憶された変換テーブルに基づき、0〜255の範囲内の対応する整数(パルス幅変調出力信号の値)に変換する。こうして、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81において、面状光源ユニット21における赤色発光ダイオード23Rの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR、緑色発光ダイオード23Gの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SG、青色発光ダイオード23Bの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SBを得ることができる。
【0100】
[ステップ−130]
次に、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81において得られたパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBは、面状光源ユニット21に対応して設けられた面状光源ユニット駆動回路90の記憶装置92に送出され、記憶装置92において記憶される。また、クロック信号CLKも面状光源ユニット駆動回路90に送出される(図6参照)。
【0101】
[ステップ−140]
そして、パルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBに基づき、面状光源ユニット21を構成する赤色発光ダイオード23Rのオン時間tR-ON及びオフ時間tR-OFF、緑色発光ダイオード23Gのオン時間tG-ON及びオフ時間tG-OFF、青色発光ダイオード23Bのオン時間tB-ON及びオフ時間tB-OFFを演算回路91は決定する。尚、
R-ON+tR-OFF=tG-ON+tG-OFF=tB-ON+tB-OFF=一定値tConst
である。また、発光ダイオードのパルス幅変調に基づく駆動におけるデューティ比は、
ON/(tON+tOFF)=tON/tConst
で表すことができる。
【0102】
そして、面状光源ユニット21を構成する赤色発光ダイオード23R、緑色発光ダイオード23G、青色発光ダイオード23Bのオン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号が、LED駆動回路93に送られ、このLED駆動回路93から、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号の値に基づき、スイッチング素子95R,95G,95Bが、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけオン状態となり、発光ダイオード駆動電源96からのLED駆動電流が、各発光ダイオード23R,23G,23Bに流される。その結果、各発光ダイオード23R,23G,23Bは、1画像表示フレームにおいて、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけ発光する。こうして、各表示領域ユニット12を、所定の照度において照明する。
【0103】
こうして得られた状態を、図13の(A)及び(B)に実線で示すが、図13の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路85に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図13の(B)は、副画素の光透過率Ltを制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
【0104】
[ステップ−150]
一方、液晶表示装置駆動回路85に入力された入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBはタイミングコントローラ86へ送られ、タイミングコントローラ86にあっては、入力された入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]を、副画素[R,G,B]に供給(出力)する。液晶表示装置駆動回路85のタイミングコントローラ86において生成され、液晶表示装置駆動回路85から副画素[R,G,B]に供給される制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBと、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBとは、以下の式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)の関係にある。但し、b1_R,b0_R,b1_G,b0_G,b1_B,b0_Bは定数である。また、面状光源ユニット21の光源輝度Y2を画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、基本的に、入力信号[R,G,B]の値を2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値を有する。即ち、実施例2〜実施例5にあっては、1画像表示フレーム毎に光源輝度Y2が変化するので、光源輝度Y2(≦Y1)において表示輝度・第2規定値y2が得られるように制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBを決定、補正(補償)して、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)Ltを制御している。ここで、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)の関数fR,fG,fBは、係る補正(補償)を行うための予め求められた関数である。
【0105】
R=fR(b1_R・xR2.2+b0_R) (4−1)
G=fG(b1_G・xG2.2+b0_G) (4−2)
B=fB(b1_B・xB2.2+b0_B) (4−3)
【0106】
こうして、1画像表示フレームにおける画像表示動作が完了する。
【0107】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した透過型のカラー液晶表示装置や面状光源装置、面状光源ユニット、液晶表示装置組立体、駆動回路の構成、構造は例示であるし、これらを構成する部材、材料等も例示であり、適宜、変更することができる。発光ダイオードの温度を温度センサーで監視し、その結果を、面状光源ユニット駆動回路にフィードバックすることで、面状光源ユニットの輝度補償(補正)や温度制御を行ってもよい。実施例においては、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定して説明を行ったが、場合によっては、透過型の液晶表示装置は、P×Q個の実際の表示領域ユニットに分割された構造を有していてもよい。また、実施例3〜実施例5にあっては、光源を、発光ダイオード23R,23G,23Bから構成する代わりに、例えば、複数の冷陰極線型の蛍光ランプから構成してもよい。
【0108】
実施例1あるいは実施例2にあっては、光学機能シート51の前方に配置され、筐体30の前面部の上部32及び下部に端部が取り付けられた第2の線状部材を更に備えていてもよい。ここで、第2の線状部材は、垂直方向に延びていることが好ましい。第2の線状部材の本数は、最低、1本であればよく、2本以上の複数であってもよい。場合によっては、線状部材を省略し、第2の線状部材のみを設けてもよい。また、実施例においては、光学機能シート51は、筐体上部32から吊り下げられた状態で前面部の上部32に取り付けられている構成としたが、光学機能シート51は、更に、移動自在に(即ち、光学機能シート51の厚さ方向に圧力が加えられること無く)、筐体下部33に取り付けられていてもよいし、移動自在に、筐体側部34,35に取り付けられていてもよいし、移動自在に、筐体側部34,35及び筐体下部33に取り付けられていてもよい。
【0109】
実施例3にあっては、光学機能シート取付け手段39の作動によって、液晶表示装置10と光学機能シート51との間の距離を制御したが、その代わりに、光学機能シート51の近傍に配置した温度測定手段によって雰囲気温度を測定し、一定温度以上になったときには、モータ等のアクチュエータによって光学機能シート51を移動させることで、あるいは又、光学機能シート51と面状光源装置20とを移動させることで、液晶表示装置10と光学機能シート51との間の距離を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、実施例1の面状光源装置を正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図である。
【図2】図2は、実施例1の液晶表示装置組立体の図1の矢印A−Aに沿った模式的な一部断面図である。
【図3】図3は、実施例2の液晶表示装置組立体の図1の矢印A−Aに沿ったと同様の模式的な一部断面図である。
【図4】図4は、実施例2の面状光源装置を正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図であるが、光学機能シート及び光拡散板を取り外した状態を示す。
【図5】図5は、実施例での使用に適したカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の概念図である。
【図6】図6は、実施例での使用に適した駆動回路の一部分の概念図である。
【図7】図7は、カラー液晶表示装置の模式的な一部断面図である。
【図8】図8は、実施例3の液晶表示装置組立体の図1の矢印A−Aに沿ったと同様の模式的な一部断面図である。
【図9】図9は、実施例3の液晶表示装置組立体の図1の矢印A−Aに沿ったと同様の模式的な一部断面図(但し、光源は動作状態にある)である。
【図10】図10の(A)及び(B)は、実施例4の液晶表示装置組立体の概念図である。
【図11】図11は、実施例5の液晶表示装置組立体の概念図である。
【図12】図12は、実施例2〜実施例5における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
【図13】図13の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図13の(B)は、副画素の光透過率を制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの表示輝度・第2規定値y2が面状光源ユニットによって得られるように、面状光源ユニットの光源輝度Y2を、面状光源ユニット駆動回路の制御下、増減する状態を説明するための概念図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、それぞれ、従来の面状光源装置を正面(液晶表示装置側)から眺めた模式図、及び、従来の液晶表示装置組立体における問題点を説明するための液晶表示装置組立体の概念図である。
【図16】図16は、液晶表示装置に表示された画像を正面から眺めたときと、斜めから眺めたときで、輝度に差が生じることを示すシミュレーション結果である。
【符号の説明】
【0111】
10・・・カラー液晶表示装置、11・・・表示領域、12・・・表示領域ユニット、20・・・面状光源装置、21・・・面状光源ユニット、22・・・光源、23,23R,23G,23B・・・発光ダイオード、24R,24G,24B・・・フォトダイオード、25・・・隔壁、30・・・筐体、31・・・筐体基部、32・・・筐体上部、33・・・筐体下部、34,35・・・筐体側部、36A・・・内側フレーム、36B,36C,36D・・・スペーサ、37・・・支持パネル、38・・・ピン、39・・・光学機能シート取付け手段(バイメタル板)、40・・・線状部材、41・・・取付部、50・・・光拡散板、51・・・光学機能シート、52・・・光拡散シート、53・・・プリズムシート、54・・・偏光変換シート、55・・・反射シート、60・・・フロント・パネル、61・・・第1の基板、62・・・カラーフィルター、63・・・オーバーコート層、64・・・透明第1電極(共通電極)、65・・・配向膜、66・・・偏光板(偏光フィルム・偏光シート)、70・・・リア・パネル、71・・・第2の基板、72・・・スイッチング素子、74・・・透明第2電極、75・・・配向膜、76,76’・・・偏光板(偏光フィルム・偏光シート)、77・・・絶縁層、80・・・面状光源装置制御回路、81・・・演算回路、82・・・記憶装置(メモリ)、85・・・液晶表示装置駆動回路、86・・・タイミングコントローラ、90・・・面状光源ユニット駆動回路、91・・・演算回路、92・・・記憶装置(メモリ)、93・・・LED駆動回路、94・・・フォトダイオード制御回路、95R,95G,95B・・・スイッチング素子、96・・・発光ダイオード駆動電源(定電流源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に配置された透過型の液晶表示装置を照明する面状光源装置であって、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備え、
(E)光学機能シートの前方に配置され、筐体の前面部の両側部に端部が取り付けられた線状部材、
を更に備えていることを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
線状部材は、水平方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項3】
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御されることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項4】
透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備え、該面状光源装置は、
(E)光学機能シートの前方に配置され、筐体の前面部の両側部に端部が取り付けられた線状部材、
を更に備えていることを特徴とする液晶表示装置組立体。
【請求項5】
線状部材は、水平方向に延びていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置組立体。
【請求項6】
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御されることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置組立体。
【請求項7】
透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えており、
光学機能シートは、液晶表示装置に備えられた支持パネルの上部から、光学機能シート取付け手段を介して吊り下げられており、
光学機能シート取付け手段の作動によって、液晶表示装置と光学機能シートとの間の距離が制御されることを特徴とする液晶表示装置組立体。
【請求項8】
光学機能シート取付け手段は、バイメタル板から成り、
光源が発する熱によって光学機能シート取付け手段の温度が上昇する結果、光学機能シート取付け手段の形状が変化し、以て、光学機能シートを液晶表示装置から離れる方向に移動させることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置組立体。
【請求項9】
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御されることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置組立体。
【請求項10】
透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えており、
面状光源装置と対向する液晶表示装置の面上には光拡散シートが配されていることを特徴とする液晶表示装置組立体。
【請求項11】
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置組立体。
【請求項12】
透過型の液晶表示装置、及び、面状光源装置を備えた液晶表示装置組立体であって、
該面状光源装置は、
(A)筐体、
(B)筐体の内部に配置された光源、
(C)筐体の前面部に固定され、光源から出射された光を拡散・透過させる光拡散板、及び、
(D)光拡散板の前方に配置され、筐体の前面部の上部から吊り下げられた状態で該前面部の上部に取り付けられ、光拡散板から出射された光を通過させる光学機能シート、
を備えており、
面状光源装置と対向する液晶表示装置の面は偏光板から成り、
該偏光板は光拡散機能を有していることを特徴とする液晶表示装置組立体。
【請求項13】
偏光板の外面には光拡散材が固着されていることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置組立体。
【請求項14】
液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときの該P×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから成り、
P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は、個別に制御されることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−21037(P2009−21037A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180998(P2007−180998)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】