説明

面発光装置および画像表示装置

【課題】輝度の均一性を向上することができる面発光装置を提供すること。
【解決手段】面発光装置100は、複数のレーザ光を出射するマルチストライプ構造の半導体レーザ光源1a〜1cと、入射面からレーザ光を導光して出射面から面発光させる導光板9と、半導体レーザ光源1a〜1cから出射されたレーザ光を遅軸方向において略平行光に変換する第1ビーム成形レンズ2a〜2cと、半導体レーザ光源1a〜1cから出射されたレーザ光を速軸方向において略平行光に変換する第2ビーム成形レンズ3a〜3cと、半導体レーザ光源1a〜1cから出射されたレーザ光の強度分布を、導光板9の入射面9aの長手方向において略均一な強度分布に変換する強度分布変換部6とを有する。導光板9の入射面9aに入射する半導体レーザ光源1a〜1cから出射したレーザ光の速軸方向は、導光板9の入射面9aの長手方向と一致している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光装置および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や情報機器などの普及に伴い、薄型で高品位な画面表示装置が要望されている。そして、そのような画面表示装置を実現するために、レーザを光源とした薄型で色再現性の良い液晶表示素子が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
特許文献1に記載されたカラー表示素子は、液晶パネルを照明するバックライトを、導光板と、この導光板の任意の面に配置される3原色の各色に対応する複数のレーザ光源と、導光板の内部に配置された乱反射粒子と、導光板の側面および底面に配置された反射板とから構成することにより、色純度の高い光でカラー表示を行うことができるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載された平面光源は、レーザ光源の出射光を所定方向に略平行に反射させる反射部材と、この反射部材で反射した反射光を略直角方向に反射させる偏光部材とから構成することにより、1個のレーザ光により簡単な構成でコリメート平面光源を得ることができるようにしている。
【特許文献1】特開平11−237631号公報
【特許文献2】特開2002−169480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたカラー表示素子においては、略点光源であるレーザを導光板の側面に配置するため、輝度ムラが生じやすいという問題がある。また、特許文献2に記載された平面光源においては、反射部材として反射型体積ホログラム用いているため、製作誤差に敏感であり、輝度の均一性を高くすることが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、輝度の均一性を向上することができる面発光装置および画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の面発光装置は、複数のレーザ光を出射するマルチストライプ構造の半導体レーザ光源と、入射面からレーザ光を導光して出射面から面発光させる導光板と、前記半導体レーザ光源から出射されたレーザ光を遅軸方向において略平行光に変換する第1の光学系と、前記半導体レーザ光源から出射されたレーザ光を速軸方向において略平行光に変換する第2の光学系と、前記半導体レーザ光源から出射されたレーザ光の強度分布を、前記導光板の入射面の長手方向において略均一な強度分布に変換する強度分布変換部と、を有し、前記導光板の入射面に入射する前記強度変換部で変換されたレーザ光の速軸方向は、前記導光板の入射面の長手方向と一致している、構成を採る。
【0008】
本発明の画像表示装置は、上記構成の面発光装置と、前記導光板の出射面側に配置された表示パネルと、を有する構成を採る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、輝度の均一性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施の形態1)
<面発光装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る面発光装置の概略構成を示す断面図である。図2は、図1の要部の概略構成を示す図1に垂直な方向の断面図である。
【0011】
図1および図2に示す面発光装置100は、レーザ光源1、第1ビーム成形レンズ2、第2ビーム成形レンズ3、色合成プリズム4、折り曲げミラー5、第1非球面レンズ6、第2非球面レンズ7、シリンドリカルレンズ8、および導光板9を有する。なお、ここでは、図1および図2に示すように、導光板9の入射端面9aの短手方向および長手方向をそれぞれX軸およびY軸とし、このX軸およびY軸に直交する方向をZ軸とする。図1は、面発光装置100のXZ平面に沿う断面図であり、図2は、図1の面発光装置100のうち第1非球面レンズ6から導光板9までのYZ平面に沿う断面図である。
【0012】
図1において、レーザ光源1は、3原色(赤、緑、青)の各色に対応する波長のレーザ光を出射する3つの半導体レーザ光源(以下単に「半導体レーザ」という)1a、1b、1cから構成されている。また、各半導体レーザ1a、1b、1cは、マルチストライプ構造であり、2つの半導体レーザから構成されている。例えば、半導体レーザ1aは、波長635nmの赤色のレーザ光を出射する半導体レーザ1a−1、1a−2で構成され、半導体レーザ1bは、波長532nmの緑色のレーザ光を出射する半導体レーザ1b−1、1b−2で構成され、半導体レーザ1cは、波長450nmの青色のレーザ光を出射する半導体レーザ1c−1、1c−2で構成されている。後述するように、半導体レーザ1a〜1cから出射されるレーザ光は、ビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)と、ビームの拡がり角が小さい方向(遅軸方向)とを有する。本実施の形態では、輝度の均一性を高くするため、導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光の速軸方向と導光板9の入射端面9aの長手方向とが一致するように半導体レーザ1a〜1cを配置している。この原理は、後で詳しく説明する。
【0013】
第1ビーム成形レンズ2は、X軸方向にのみパワーを有するビーム成形レンズである。すなわち、第1ビーム成形レンズ2は、レーザ光源1から出射されたレーザ光をX軸方向に略平行光に変換して、所定のビーム形状に成形する。レーザ光のビーム成形は、例えば、レーザ光のビーム径および発散角(波面の曲率半径)をそれぞれ所望の値に制御することによって行われる。本実施の形態では、各半導体レーザ1a、1b、1cに対応して第1ビーム成形レンズ2a、2b、2cがそれぞれ設けられている。すなわち、各第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、対応する半導体レーザ1a〜1cからのレーザ光のビーム径および発散角を所望の値に制御して、そのレーザ光を所定のビーム形状に成形する。また、各第1ビーム成形レンズ2a、2b、2cは、マルチストライプ構造の半導体レーザを構成する複数の半導体レーザに対応した数の複数のレンズ要素で構成されるアレイ状の形状を有する。具体的には、各半導体レーザ1a〜1cは、上記のように、2つの半導体レーザで構成されているため、第1ビーム成形レンズ2aは、レンズ要素2a−1、2a−2で構成されるアレイ状の形状を有し、第1ビーム成形レンズ2bは、レンズ要素2b−1、2b−2で構成されるアレイ状の形状を有し、第1ビーム成形レンズ2cは、レンズ要素2c−1、2c−2で構成されるアレイ状の形状を有する。各第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、半導体レーザ毎のレーザ光をX軸方向で略平行光に個別に変換して所定のビーム形状に成形する。第1ビーム成形レンズ2a〜2cについては、後で詳細に説明する。
【0014】
第2ビーム成形レンズ3は、Y軸方向にのみパワーを有するビーム成形レンズである。すなわち、第2ビーム成形レンズ3は、レーザ光源1から出射されたレーザ光をY軸方向で略平行光に変換して、所定のビーム形状に成形する。本実施の形態では、各半導体レーザ1a、1b、1cに対応して第2ビーム成形レンズ3a、3b、3cがそれぞれ設けられている。例えば、図1の例では、各第2ビーム成形レンズ3a〜3cは、対応する半導体レーザ1a〜1cからのレーザ光を、ビーム径がAである平行ビームに変換している(後述する図3(A)参照)。そして、各半導体レーザ1a〜1cから出射され、対応する第2ビーム成形レンズ3a〜3cによりビーム成形されたレーザ光(平行光)10a、10b、10cは、色合成プリズム4に入射される。第2ビーム成形レンズ3a〜3cについては、後で詳細に説明する。
【0015】
色合成プリズム4は、レーザ光源1(半導体レーザ1a〜1c)から出射され、第1ビーム成形レンズ2a〜2cと第2ビーム成形レンズ3a〜3cとによりビーム成形されたレーザ光10a〜10cを合成して、1本のレーザ光10を出射する。この合成されたレーザ光10は、折り曲げミラー5により光路が変更されて(図1の例では、90°折り曲げられて)、順に、第1非球面レンズ6、第2非球面レンズ7、シリンドリカルレンズ8、および導光板9に入射する。
【0016】
第1非球面レンズ6は、強度分布変換部を構成する強度分布変換素子として機能し、レーザ光源1から出射されたレーザ光(ここでは、合成されたレーザ光10)の強度分布を、導光板9の入射端面9aの長手方向において略均一な強度分布に変換する。
【0017】
具体的には、例えば、第1非球面レンズ6は、Y軸方向にのみパワーを有する非球面レンズである(図2参照)。すなわち、第1非球面レンズ6は、強度分布がガウス分布であるビーム径Aの平行ビームのY軸方向の強度分布を略均一な強度分布に変換し、第2非球面レンズ7へ入射する位置においてビーム幅を導光板9の入射端面9aの長手方向の幅Bに略等しい幅に変換する。図3(A)は、第1非球面レンズ6の入射面近傍におけるレーザ光10のY軸方向の強度分布の一例を示す図である。図3(B)は、第2非球面レンズ7へ入射する位置におけるレーザ光10のY軸方向の強度分布の一例を示す図である。図3(A)および図3(B)に示すように、第1非球面レンズ6は、レーザ光10のY軸方向の強度分布を、ビーム径Aのガウス分布から幅Bの均一な分布に変換する。
【0018】
なお、本実施の形態では、第1非球面レンズ6は、強度分布変換部を構成する強度分布変換素子として1枚の非球面レンズを用いているが、これに限定されない。例えば、第1非球面レンズ6は、強度分布変換部を構成する強度分布変換素子として、非球面レンズを構成要素として含む強度分布変換素子を用いてもよい。
【0019】
また、本実施の形態では、各半導体レーザ1a〜1cから出射され対応する第1ビーム成形レンズ2a〜2cおよび第2ビーム成形レンズ3a〜3cによりビーム成形されたレーザ光10a〜10cは、色合成プリズム4によって1本のレーザ光10に合成されるが、レーザ光10a〜10cのうち少なくとも一部は、1つのレーザ光に合成されることなく、独立して、対応する強度分布変換素子に入射されてもよい。
【0020】
第2非球面レンズ7は、第1非球面レンズ6と同様、Y軸方向にのみパワーを有する非球面レンズである(図2参照)。第2非球面レンズ7は、導光板9に入射するレーザ光10を導光板9の入射端面9aの長手方向において略平行光にするためのレンズである。すなわち、第2非球面レンズ7は、第1非球面レンズ6により発散光にされたレーザ光10を再び平行光に変換する機能を有する。
【0021】
一方、シリンドリカルレンズ8は、X軸方向にのみパワーを有するレンズである(図1参照)。シリンドリカルレンズ8は、導光板9の入射端面9aの短手方向における発散角を変更するためのレンズである。すなわち、シリンドリカルレンズ8は、導光板9に入射するレーザ光10のX軸方向を収束光または発散光に変換する機能を有する。
【0022】
このように、第1非球面レンズ6、第2非球面レンズ7、およびシリンドリカルレンズ8を組み合わせた光学系を設けることにより、導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光10は、Y軸方向における強度分布が略均一になるとともに、X軸方向が収束光または発散光になり、Y軸方向が略平行光になる。したがって、この光学系を最適化することにより、レーザ光源1から出射されたレーザ光10を、Y軸方向に略均一な分布で、かつ、導光板9の入射端面9aの長手方向および短手方向の各幅に合わせて効率的に、導光板9の入射端面9aに導くことができる。
【0023】
導光板9は、入射端面9aからレーザ光10を導光して出射面である前面9bからレーザ光を出射して平面状に発光する。ここで、図2に示すように導光板9の入射端面9aの長手方向の幅をBとする。導光板9は、例えば、PMMA(アクリル樹脂)やPC(ポリカーボネート)、COP(シクロオレフィンポリマー)などから形成されている。
【0024】
また、導光板9は、例えば、前面9bに光拡散層が配置され、背面9cに反射シートが配置されている。光拡散層は、光拡散材を含む透光性樹脂から形成されている。光拡散層としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートに微細凹凸を設けたものや、乱反射させる白色インクを前面9bに印刷したものが用いられる。このとき、光拡散層の拡散度合いは、微細凹凸の大きさを調整したり、白色インクによる各ドットの大きさを調整したりすることによって、変化させることができる。また、反射シートとしては、金属フィルムを用いてもよいし、背面9cに金属を蒸着させてもよい。
【0025】
ここで、導光板9の前面9bの拡散度合いの分布は、導光板9の前面9bから出射するレーザ光10の輝度が一様になるように形成されている。具体的には、導光板9の前面9bに形成される光拡散層は、Z軸方向の輝度を均一にするため、導光板9の入射端面9aからのZ軸方向の距離に応じて拡散度合いを変化させた構成を有する。例えば、ここでは、導光板9の入射端面9aから遠ざかるほど拡散度合いを大きくすることにより、Z軸方向の輝度を均一にしている。
【0026】
また、導光板9に入射したレーザ光10は、導光板9の内部を、全反射を繰り返しながら伝播しつつ、導光板9の前面9bに配置された光拡散層で拡散される。このため、拡散されたレーザ光10のうち導光板9の前面9bに臨界角よりも小さい角度で入射するレーザ光の成分が現れる。このレーザ光の成分は、導光板9の前面9bから均一に出射する。これにより、導光板9は、平面状に発光する。
【0027】
なお、本実施の形態では、拡散シートを導光板9の前面9bに配置したが、これに限定されない。例えば、拡散シートは、導光板9の背面9cに配置してもよい。ただし、この場合、光拡散層は、反射シートよりも前面9b側に配置される。
【0028】
本実施の形態では、上記のように、輝度の均一性を高くするため、導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光の速軸方向と導光板9の入射端面9aの長手方向とが一致するように半導体レーザ1a〜1cを配置している。この原理は、次の通りである。
【0029】
ここでは、まず、半導体レーザ1a〜1cの構造について説明する。図4は、マルチストライプ構造の半導体レーザの一般的な構造を示す概略図である。なお、本実施の形態では、半導体レーザ1a〜1cとして、図4に示す一般的な構造の半導体レーザをそれぞれ用いている。
【0030】
図4に示す半導体レーザは、電極41、ストライプ42、酸化膜43、P型クラッド層44、活性層45、N型クラッド層46、基板47、電極48、およびレーザ出射面49をそれぞれ2つずつ有する。
【0031】
半導体レーザは、図4に示すように、バンドギャップの小さい活性層45を、バンドギャップの大きいP型クラッド層44とN型クラッド層46とで挟んだ構造を有する。この構造において、電極41、48から順方向に電圧を印加すると、活性層45に対してP型クラッド層44からは正孔が、N型クラッド層46からは電子がそれぞれ注入され、活性層45の内部に反転分布が形成される。この結果、レーザ出射面49から図4のZ軸方向にレーザ光が取り出される。
【0032】
このとき、図4のY軸方向(ストライプ42の幅方向と直交する方向)は、活性層45と各クラッド層44、46との屈折率の違いから、活性層45の中に光が閉じ込められる。このため、Y軸方向の横モードは、活性層45のY軸方向の幅で決定される。通常、活性層45のY軸方向の幅は1〜2μmに設定され、このY軸方向においてレーザ光はシングルモードである。なお、一般に、図4に示すY軸方向は、レーザ光(ビーム)の拡がり角が大きく、上記のように「速軸」と呼ばれている。
【0033】
一方、図4のX軸方向(ストライプ42の幅方向と平行な方向)においては、ストライプ42の領域にのみ反転分布が生じるため、ストライプ42の幅Cを調整することでX軸方向のレーザ光のモードをコントロールする。例えば、横モードをシングルモードにする場合は(シングルモード発振)、ストライプ42の幅は数μmに設定される。また、横モードをマルチモードにする場合は(マルチモード発振)、ストライプ42の幅は数十から数千ミクロンに設定される。なお、一般に、図4に示すX軸方向は、レーザ光(ビーム)の拡がり角が小さく、上記のように「遅軸」と呼ばれている。
【0034】
本実施の形態では、X軸方向においては、大きなレーザ出力を得るため、ストライプ42の幅を広げてマルチモード発振させる。すなわち、本実施の形態では、半導体レーザ1a〜1cから出射されるレーザ光は、Y軸(速軸)方向がシングルモード発振、X軸(遅軸)方向がマルチモード発振となる。また、一般に、マルチストライプ構造の半導体レーザを構成する複数の半導体レーザは、遅軸方向に配列される。そこで、図4に示すように、各半導体レーザ1a〜1cを構成する2つの半導体レーザのレーザ出射面49は、X軸方向に配列される。
【0035】
また、本実施の形態では、図4のY軸方向と図2のY軸方向を一致させるように、つまり、半導体レーザから出射されたレーザ光10の速軸方向と、導光板9の入射端面9aの長手方向とが、導光板9の入射端面9aにおいて一致するように、半導体レーザ1a〜1cを配置する。
【0036】
このように、半導体レーザから出射されたレーザ光10の速軸方向と導光板9の入射端面9aの長手方向とを導光板9の入射端面9aにおいて一致させる理由は、半導体レーザはシングルモードである速軸方向の強度分布が非常に安定しているからである。強度分布が非常に安定しているレーザ光10の速軸方向を導光板9の入射端面9aにおいてその長手方向と一致させることにより、非常に安定したガウス分布のレーザ光を第1非球面レンズ6に入射することができる。
【0037】
これに対し、遅軸方向をマルチモード発振させた場合、遅軸方向の強度分布は個体差が大きい。また、第1非球面レンズ6は、入射するレーザ光10の強度分布がガウス分布でない場合には、変換するレーザ光10の強度分布の均一性も劣化する。
【0038】
このため、仮に本実施の形態において、図2のY軸方向(導光板9の入射端面9aの長手方向)と図4のX軸方向(半導体レーザから出射されたレーザ光10の遅軸方向)とが導光板9の入射端面9aにおいて一致するように半導体レーザ1a〜1cを配置した場合、半導体レーザ1a〜1cの個体差に基づくレーザ光10のばらつきが生じる。これにより、第1非球面レンズ6に入射するレーザ光10の強度分布が変化し、第1非球面レンズ6はレーザ光10の強度分布を安定して均一に変換することができない。
【0039】
そこで、本実施の形態では、図2のY軸方向(導光板9の入射端面9aの長手方向)と図4のY軸方向(半導体レーザから出射されたレーザ光10の速軸方向)とが導光板9の入射端面9aにおいて一致するように半導体レーザ1a〜1cを配置する。これにより、第1非球面レンズ6に入射するレーザ光10の強度分布は、半導体レーザの個体差によるばらつきがない、非常に安定したガウス分布になる。そのため、第1非球面レンズ6は、安定してレーザ光10の強度分布を均一に変換することができる。この結果、面光源の輝度の均一性を高くすることができる。
【0040】
なお、半導体レーザ1a〜1cの配置は、図1に示すような縦方向の配置に限定されず、横方向に配置してもよい。第1非球面レンズ6に入射するレーザ光10の速軸方向と導光板9の入射端面9aの長手方向とを一致させる配置であれば、半導体レーザ1a〜1cの配置はどのような配置であってもよい。
【0041】
次に、第1ビーム成形レンズ2a〜2cの詳細について説明する。
【0042】
上記のように、第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、X軸方向にのみパワーを有するビーム成形レンズである。図1に示す第1ビーム成形レンズ2aを構成するレンズ要素2a−1は、半導体レーザ1a−1からのレーザ光をX軸方向で略平行光に変換し、レンズ要素2a−2は、半導体レーザ1a−2からのレーザ光をX軸方向で略平行光に変換する。同様に、図1に示す第1ビーム成形レンズ2bを構成するレンズ要素2b−1は、半導体レーザ1b−1からのレーザ光をX軸方向で略平行光に変換し、レンズ要素2b−2は、半導体レーザ1b−2からのレーザ光をX軸方向で略平行光に変換する。第1ビーム成形レンズ2cについても同様である。
【0043】
ここで、仮に第1ビーム成形レンズ2a〜2cがそれぞれ1つのレンズ要素で構成されるとした場合、半導体レーザ1a〜1cからのレーザ光は、略平行光に変換されずに次の式(1)に示す発散角θを持ってしまう。
【数1】

ここで、pはマルチストライプ構造の半導体レーザの間隔であり、fは第1ビーム成形レンズを構成するレンズ要素の焦点距離である。第1ビーム成形レンズ2a〜2cから出射されるレーザ光が式(1)に示す発散角θを持つと、導光板9に入射するレーザ光10の遅軸方向(導光板9の入射端面9aの短手方向)のビーム径が太くなる。すなわち、導光板9の入射端面9aの短手方向の幅を、レーザ光10の遅軸方向のビーム径に応じて厚くする必要がある。
【0044】
これに対し、本実施の形態では、各第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、それぞれ2つのレンズ要素で構成されている。これにより、各第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、マルチストライプ構造の半導体レーザ1a〜1cの各レーザを、個別にX軸方向で略平行光に変換することができる。この結果、導光板9の幅を厚くする必要が無くなるため、面光源の輝度の均一性を保持しつつ、面発光装置100を薄型化することができる。
【0045】
次に、第2ビーム成形レンズ3a〜3cの詳細について説明する。
【0046】
上記のように、第2ビーム成形レンズ3a〜3cは、Y軸方向にのみパワーを有するビーム成形レンズである。ここで、図4に示すように、マルチストライプ構造の半導体レーザのレーザ出射面49は、X軸方向に配列されている。そのため、Y軸方向にのみパワーを有する第2ビーム成形レンズ3a〜3cは、第1ビーム成形レンズ2a〜2cのように、各レーザに対して個別にレンズ要素を配置する必要が無くなる。すなわち、第2ビーム成形レンズ3a〜3cは、1つのレンズ(例えば、シリンドリカルレンズ)で構成される場合でも、半導体レーザ1a〜1cのレーザ光をそれぞれY軸方向で略平行光に変化することができる。なお、本実施の形態では、第2ビーム成形レンズ3a〜3cがレンズ要素に分割されない場合について説明したが、第2ビーム成形レンズ3a〜3cは、レンズ要素に分割して用いてもよい。
【0047】
また、例えば、第2ビーム成形レンズ3aの焦点距離は、半導体レーザ1a−1および半導体レーザ1a−2から出射するレーザ光の第1非球面レンズ6近傍におけるY軸方向のビーム径の平均値が第1非球面レンズ6の設計入射ビーム径と略一致するように設定される。これにより、半導体レーザ1a−1および半導体レーザ1a−2から出射されるレーザ光の発散角にばらつきが生じる場合でも、導光板9の入射端面9aにおけるレーザ光10のY軸方向における強度分布を均一な分布に変換することができる。具体的には、図5に示すように、導光板9の入射直前におけるレーザ光10のY軸方向における強度分布は、半導体レーザ1a−1の強度分布を示すレーザ光強度分布1と半導体レーザ1a−2の強度分布を示すレーザ光強度分布2との合成であるレーザ光強度分布3となる。他の第2ビーム成形レンズ3b、3cについても同様である。このように、第2ビーム成形レンズ3a〜3cの焦点距離を設定することで、導光板9の入射端面9aでのレーザ光10の強度分布を均一にすることができる。
【0048】
このようにして、本実施の形態では、第1ビーム成形レンズ2a〜2cおよび第2ビーム成形レンズ3a〜3cを用いて、マルチストライプ構造の半導体レーザ1a−1〜1c−2から出射されるレーザ光がY方向のビーム径がAの平行ビームに変換(コリメート:collimate)される。
【0049】
一般に、マルチストライプ構造の半導体レーザ間の間隔(寸法)は、数十ミクロン(μm)〜数百ミクロンである。ここで、仮にビーム成形レンズ2a〜2cがX軸方向のみでなく、Y軸方向に対してもレーザ光を平行ビームに変換するとした場合、Y軸方向のビーム径は、上記半導体レーザ間の間隔以上に拡げることができなくなる。すなわち、第1非球面レンズ6に入射されるレーザ光10のビーム径は最大でも数百ミクロンとなるため、第1非球面レンズ6では、設計入射ビーム径を数百ミクロンにする必要がある。よって、第1非球面レンズ6では、調整誤差(ディセンタ誤差)およびビーム径のばらつきが強度分布変換に与える影響がより大きくなってしまう。
【0050】
一方、マルチストライプ構造の半導体レーザ間の間隔を数ミリオーダに広げると、X軸方向のビーム径が太くなってしまう。例えば、半導体レーザをX軸方向に5mm間隔で10個配列すると、50(=5mm×10)mmの幅が必要となるため、面発光装置100自体を薄型化することができなくなる。
【0051】
これに対し、本実施の形態に係る面発光装置100では、第1ビーム成形レンズ2a〜2cおよび第2ビーム成形レンズ3a〜3cを用いてX軸方向とY軸方向とで個別にビーム成形を行う。これにより、面発光装置100では、マルチストライプ構造の半導体レーザを用いる場合でも、X軸方向の自装置の幅が増加することを防ぎ、かつ、Y軸方向へのビーム径の拡がりに制限を受けることを防ぎつつ、ビーム成形を行うことができる。
【0052】
また、第1ビーム成形レンズ2a〜2cの両面をシリンドリカル面で構成(レーザ光源1側の面をX軸方向のシリンドリカル面、出口側の面をY軸方向のシリンドリカル面で構成)することで、上記したマルチストライプ構造の半導体レーザ間の寸法に関する問題を解決することができる。ただし、X軸方向のシリンドリカル面およびY軸方向のシリンドリカル面の光軸を軸とした回転方向の誤差を、正常に動作するために問題ないレベルまで抑えることが非常に困難であることが知られている。このため、両面がシリンドリカル面で構成されるビーム成形レンズを実際に使用することは非常に困難となる。
【0053】
これに対し、本実施の形態に係る面発光装置100では、第1ビーム成形レンズ2a〜2cと第2ビーム成形レンズ3a〜3cとでX軸方向およびY軸方向のビーム成形を個別に行う。これにより、面発光装置100では、第1ビーム成形レンズ2a〜2cと第2ビーム成形レンズ3a〜3cとを用いる容易な構成により、上記レンズ両面をシリンドリカル面で構成する場合に生じる問題を考慮することなく、X軸方向およびY軸方向のビーム成形を行うことができる。
【0054】
<面発光装置の動作>
次に、上記の構成を有する面発光装置100の動作について説明する。
【0055】
まず、半導体レーザ1a〜1cは、赤色、緑色、および青色のレーザ光10a〜10cをそれぞれ出射する。半導体レーザ1a〜1cから出射されたレーザ光10a〜10cは、対応する第1ビーム成形レンズ2a〜2cと第2ビーム成形レンズ3a〜3cにより、ビーム径Aの平行ビームに変換(ビーム成形)される。ビーム成形後のレーザ光10a〜10cは、色合成プリズム4により、1本のレーザ光10に合成される。合成後のレーザ光10は、折り曲げミラー5により折り曲げられて、第1非球面レンズ6に入射する。
【0056】
第1非球面レンズ6に入射したレーザ光10は、第1非球面レンズ6により、強度分布がガウス分布であるビーム径Aの平行ビームのY軸方向の強度分布が略均一な強度分布に変換された後、第2非球面レンズ7に入射する。このとき、本実施の形態では、導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光10の速軸方向と導光板9の入射端面9aの長手方向とが一致するように半導体レーザ1a〜1cを配置する。このため、第1非球面レンズ6に入射するレーザ光10の強度分布は、半導体レーザの個体差によるばらつきがない、非常に安定したガウス分布になる。このため、第1非球面レンズ6は、安定してレーザ光10の強度分布を均一に変換することができる。これは、面光源の輝度の均一性の向上に大きく寄与する。
【0057】
その後、第2非球面レンズ7では、第1非球面レンズ6により発散光とされたレーザ光10を再び平行光に変換する。
【0058】
その後、シリンドリカルレンズ8は、レーザ光10のX軸方向の平行光を収束光または発散光に変換する。したがって、導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光10は、Y軸方向における強度分布が略均一になるとともに、X軸方向が収束光または発散光になり、Y軸方向が略平行光になる。
【0059】
その後、シリンドリカルレンズ8から出射したレーザ光10は、導光板9の入射端面9aから導光板9に入射する。導光板9に入射したレーザ光10は、導光板9の内部を全反射を繰り返しながら伝播しつつ、導光板9の前面9bに配置された光拡散層で拡散される。このとき、拡散されたレーザ光10のうち導光板9の前面9bに臨界角よりも小さい角度で入射するレーザ光の成分が現れる。そして、このレーザ光の成分が、導光板9の前面9bから均一に出射する。これにより、導光板9は、平面状に発光する。
【0060】
このように、本実施の形態によれば、導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光の速軸方向と導光板9の入射端面9aの長手方向とが一致するように半導体レーザ1a〜1cを配置する。これにより、第1非球面レンズ6に入射するレーザ光10の強度分布は、半導体レーザの個体差によるばらつきがない、非常に安定したガウス分布になる。このため、第1非球面レンズ6は、安定してレーザ光10の強度分布を均一に変換することができる。この結果、面光源の輝度の均一性の向上を図ることができる。
【0061】
さらに、本実施の形態によれば、各第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、マルチストライプ構造の半導体レーザ1a〜1cに対応した数のレンズ要素に分割して構成されている。これにより、第1ビーム成形レンズ2a〜2cは、マルチストライプ構造の半導体レーザ1a〜1cから出射される各レーザ光を、発散角を持たすことなく略平行光に個別に変換することができる。この結果、導光板9の入射端面9aでのレーザ光10の強度分布が均一になるため、面光源の輝度の均一性の向上を図ることができる。
【0062】
さらに、本実施の形態によれば、マルチストライプ構造の半導体レーザ1a〜1cから出射されるレーザ光に対して、第1ビーム成形レンズ2a〜2cがX軸方向でビーム成形して、第2ビーム成形レンズ3a〜3cがY軸方向でビーム成形する。これにより、レーザ光10は、X軸方向およびY軸方向に対して、それぞれ個別にビーム径を制御してビーム成形されることができる。具体的には、レーザ光10のX軸方向に対しては、遅軸方向のビーム径が太くならないようにビーム径を制御することができ、レーザ光10のY軸方向に対しては、導光板9の入射端面9aでのレーザ光10の強度分布が均一になるようにビーム径を制御することができる。この結果、面光源の輝度の均一性の向上を図ることができる。
【0063】
なお、本実施の形態における光学系は、いろいろ変更が可能である。
【0064】
例えば、第2非球面レンズ7の代わりに、第1非球面レンズ6により発散光とされたレーザ光10を再び略平行光に変換する光学系として、Y軸方向にのみパワーを持つ非球面フレネルレンズを用いることができる。非球面フレネルレンズは、通常の非球面レンズに比べて、レンズの厚さを薄くすることができる。したがって、非球面フレネルレンズを用いた場合は、レンズの厚さを薄くすることができ、面発光装置の小型化を図ることができる。
【0065】
また、例えば、シリンドリカルレンズ8の代わりに、シリンドリカルフレネルレンズを用いることができる。シリンドリカルフレネルレンズは、X軸方向にのみパワーを持ち、レーザ光10を収束光に変換する。シリンドリカルフレネルレンズは、シリンドリカルレンズ8に比べて、レンズの厚さを薄くすることができる。したがって、シリンドリカルフレネルレンズを用いた場合は、レンズの厚さを薄くすることができ、面発光装置の小型化を図ることができる。
【0066】
さらには、例えば、Y軸方向にのみパワーを持つ上記の非球面フレネルレンズおよびX軸方向にのみパワーを持つ上記のシリンドリカルフレネルレンズを同時に用いてもよい。これにより、2つのレンズの厚さを薄くすることができるため、面発光装置の小型化をより一層図ることができる。
【0067】
また、例えば、シリンドリカルレンズ8の代わりに、拡散板を用いることもできる。拡散板は、第2非球面レンズ7を透過した後のレーザ光10に発散性を与える点で、シリンドリカルレンズ8と同様の機能を有する。しかも、拡散板は、シリンドリカルレンズ8に比べて、厚さを薄くすることができる。したがって、拡散板を用いた場合は、厚さを薄くすることができ、結果として面発光装置をコンパクトにすることができる。また、拡散板は、シリンドリカルレンズ8よりもX軸方向のパワーが強いため、Z軸方向の輝度を均一にすることができる。
【0068】
なお、第1非球面レンズ6からのレーザ光10を拡散板に直接入射するように構成してもよい。これにより、第2非球面レンズ7を省略することができるため、面発光装置をさらにコンパクトにすることができる。
【0069】
また、拡散板と上記したX軸方向にのみパワーを持つシリンドリカルフレネルレンズとを同時に用いてもよい。これにより、シリンドリカルフレネルレンズを単独で用いる場合に比べて導光板9の入射端面9aに入射するレーザ光10の発散角をより大きくすることができ、Z軸方向の輝度の均一性をさらに上げることができる。
【0070】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る画像表示装置について説明する。図6は、本実施の形態に係る画像表示装置の概略構成を示す断面図である。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
図6に示す画像表示装置600は、図1に示す実施の形態1に対応する面発光装置100と、表示パネル61とを有する。
【0072】
表示パネル61は、導光板9の前面9bと対向する位置に配置されている。表示パネル61は、例えば、公知の液晶パネルであり、図示しない偏光板や液晶セル、カラーフィルタなどから構成されている。
【0073】
画像表示装置600は、導光板9の前面9bから出射したレーザ光10を表示パネル61に入射し、表示パネル61による光の遮断および透過現象を利用して画像を表示する。
【0074】
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1で説明した輝度の均一性が高い面発光装置100を光源として用いるため、輝度ムラを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係る面発光装置および画像表示装置は、輝度の均一性を向上することができる面発光装置および画像表示装置として有用である。また、本発明に係る面発光装置および画像表示装置は、高画質化、小型化、および低消費電力化が望まれる液晶テレビや液晶モニタなどに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1に係る面発光装置の概略構成を示す断面図
【図2】図1の要部の概略構成を示す図1に垂直な方向の断面図
【図3】(A)は、図1の第1非球面レンズの入射面近傍におけるレーザ光のY軸方向の強度分布の一例を示す図、(B)は、図1の第2非球面レンズへ入射する位置におけるレーザ光のY軸方向の強度分布の一例を示す図
【図4】図1の半導体レーザの一般的な構造を示す概略図
【図5】図1の導光板の入射端面におけるレーザ光のY軸方向の強度分布の一例を示す図
【図6】本発明の実施の形態2に係る画像表示装置の概略構成を示す断面図
【符号の説明】
【0077】
1a 赤色半導体レーザ
1b 緑色半導体レーザ
1c 青色半導体レーザ
2a、2b、2c 第1ビーム成形レンズ
3a、3b、3c 第2ビーム成形レンズ
4 色合成プリズム
5 折り曲げミラー
6 第1非球面レンズ
7 第2非球面レンズ
8 シリンドリカルレンズ
9 導光板
9a 導光板の入射端面
9b 導光板の前面
9c 導光板の背面
10a 赤色半導体レーザから出射したレーザ光
10b 緑色半導体レーザから出射したレーザ光
10c 青色半導体レーザから出射したレーザ光
10 色合成プリズムにより合成されたレーザ光
41 電極
42 ストライプ
43 酸化膜
44 P型クラッド層
45 活性層
46 N型クラッド層
47 基板
48 電極
49 レーザ出射面
100 面発光装置
600 画像表示装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレーザ光を出射するマルチストライプ構造の半導体レーザ光源と、
入射面からレーザ光を導光して出射面から面発光させる導光板と、
前記半導体レーザ光源から出射されたレーザ光を遅軸方向において略平行光に変換する第1の光学系と、
前記半導体レーザ光源から出射されたレーザ光を速軸方向において略平行光に変換する第2の光学系と、
前記半導体レーザ光源から出射されたレーザ光の強度分布を、前記導光板の入射面の長手方向において略均一な強度分布に変換する強度分布変換部と、を有し、
前記導光板の入射面に入射する前記強度変換部で変換されたレーザ光の速軸方向は、前記導光板の入射面の長手方向と一致している、
面発光装置。
【請求項2】
前記第1の光学系は、前記マルチストライプ構造の半導体レーザ光源を構成する複数の半導体レーザに対応した数の複数のレンズ要素で構成されるアレイ状の形状を有し、
前記複数のレンズ要素は、それぞれ、対応する半導体レーザから出射されたレーザ光を遅軸方向において略平行光に変換する、
請求項1記載の面発光装置。
【請求項3】
前記半導体レーザ光源は、
出射するレーザ光の波長が互いに異なる複数のマルチストライプ構造の半導体レーザ光源から構成され、
前記導光板の入射面に入射する各レーザ光の速軸方向は、前記導光板の入射面の長手方向と一致している、
請求項1記載の面発光装置。
【請求項4】
前記複数のマルチストライプ構造の半導体レーザ光源から出射された複数のレーザ光を合成する光合成部、をさらに有し、
前記強度分布変換部は、
前記光合成部によって合成されたレーザ光の強度分布を、前記導光板の入射面の長手方向において略均一な強度分布に変換する、
請求項3記載の面発光装置。
【請求項5】
前記強度分布変換部と前記導光板との間に配置され、前記導光板に入射するレーザ光を前記導光板の入射面の長手方向に対する略平行光に変換し、および/または、前記導光板の入射面の短手方向における発散角を変更する第3の光学系、
をさらに有する請求項1記載の面発光装置。
【請求項6】
前記半導体レーザ光源は、
3原色の各色に対応する波長のレーザ光を出射する複数のマルチストライプ構造の半導体レーザ光源を有する、
請求項1記載の面発光装置。
【請求項7】
前記強度分布変換部は、
少なくとも1つ以上の非球面レンズ素子または非球面ミラーから構成されている、
請求項1記載の面発光装置。
【請求項8】
前記第3の光学系は、
1つのレンズ素子を用いて、前記導光板に入射するレーザ光を前記導光板の入射面の長手方向において略平行光に変換する、
請求項7記載の面発光装置。
【請求項9】
前記第3の光学系は、
1つのレンズ素子を用いて、前記導光板の入射面の短手方向における発散角を制御する、
請求項7記載の面発光装置。
【請求項10】
前記第3の光学系は、
1つの拡散板を用いて、前記導光板の入射面の短手方向における発散角を変更する、
請求項7記載の面発光装置。
【請求項11】
前記第3の光学系は、
1つのレンズ素子および1つの拡散板を用いて、前記導光板の入射面の短手方向における発散角を変更する、
請求項7記載の面発光装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかに記載の面発光装置と、
前記導光板の出射面側に配置された表示パネルと、
を有する画像表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−181753(P2009−181753A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18319(P2008−18319)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】