靴履き支援具
【課題】 靴を履く人が靴ベラを靴の内部から抜き出す動作を行なわずに靴を履くことが可能な靴履き支援具を提供する。
【解決手段】 靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bは、凸部7を有する鉄鋼板20に形成される。降下部2A,2Bは、その一方端が、それぞれ、靴設置部1A,1Bに蝶番によって連結される。そして、降下部2A,2Bは、靴設置部1A,1Bに連結された一方端を中心にして他方端が重力方向に上下する。靴ベラ支持部4A,4Bは、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに対応して設けられ、靴ベラ3A,3Bを支持する。1対の靴が靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに設置され、靴ベラ3A,3Bが1対の靴に入れられると、靴を履く人は、足を靴に入れ、重心を踵に印加する。そうすると、降下部2A,2Bが重力方向に降下し、靴ベラ3A,3Bが靴から抜ける。
【解決手段】 靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bは、凸部7を有する鉄鋼板20に形成される。降下部2A,2Bは、その一方端が、それぞれ、靴設置部1A,1Bに蝶番によって連結される。そして、降下部2A,2Bは、靴設置部1A,1Bに連結された一方端を中心にして他方端が重力方向に上下する。靴ベラ支持部4A,4Bは、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに対応して設けられ、靴ベラ3A,3Bを支持する。1対の靴が靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに設置され、靴ベラ3A,3Bが1対の靴に入れられると、靴を履く人は、足を靴に入れ、重心を踵に印加する。そうすると、降下部2A,2Bが重力方向に降下し、靴ベラ3A,3Bが靴から抜ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、靴を履くときの靴履き支援具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、靴履き動作補助具が知られている(特許文献1)。この靴履き動作補助具は、踏み台と、一対の靴ベラ支持部と、一対の靴ベラとを備える。踏み台は、水平板と、垂下板とからなり、水平板および垂下板は、断面形状が略L字形状になるように一体的に形成されている。
【0003】
一対の靴ベラ支持部は、踏み台の垂下板に所定の間隔で取り付けられている。一対の靴ベラは、上下方向に摺動可能に一対の靴ベラ支持部に取り付けられている。
【0004】
この靴履き動作補助具を使用して靴を履くとき、一対の靴ベラを上方向に摺動させた状態で靴の踵が靴ベラ支持部に最も近づくように一対の靴を設置する。そして、一対の靴ベラを下方向に摺動させ、一対の靴ベラの先端部を靴の踵の内部に入れる。
【0005】
この状態で、靴を履く人は、一対の靴ベラを利用して靴を履き、踵が靴に入った後に、一対の靴ベラを上方向に摺動させる。これによって、靴を履く動作が終了する。
【0006】
このように、靴履き動作補助具は、踏み台に備え付けられた一対の靴ベラを用いて人が靴を履く動作を補助するものである。
【特許文献1】実用新案登録第3082924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の靴履き動作補助具では、人が靴を履いた後、一対の靴ベラを上方向へ摺動させて一対の靴ベラを靴の内部から抜き出す必要があり、靴を履く動作が煩雑になるという問題がある。
【0008】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、靴を履く人が靴ベラを靴の内部から抜き出す動作を行なわずに靴を履くことが可能な靴履き支援具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、靴履き支援具は、空洞部と、靴設置部とを備える。空洞部は、靴の踵部に対応して設けられ、靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて靴の踵部が略重力方向に降下するための空洞である。靴設置部は、靴の踵部以外の部位に対応して設けられる。
【0010】
好ましくは、靴設置部および空洞部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる。
【0011】
また、この発明によれば、靴履き支援具は、降下部と、靴設置部とを備える。降下部は、靴の踵部に対応して設けられ、靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて靴の踵部を略重力方向に降下させる。靴設置部は、靴の踵部以外の部位に対応して設けられる。
【0012】
好ましくは、靴設置部および降下部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる。
【0013】
好ましくは、靴履き支援具は、靴ベラと、靴ベラ支持部とをさらに備える。靴ベラ支持部は、靴ベラの少なくとも先端部が靴設置部に設置された靴の踵部の内部に入るように靴ベラを支持する。
【0014】
好ましくは、靴ベラ支持部は、靴の踵部が略重力方向へ降下すると、靴ベラが靴の踵部から抜けるように靴ベラを支持する。
【0015】
好ましくは、靴設置部、降下部、靴ベラおよび靴ベラ支持部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる。
【0016】
好ましくは、靴履き支援具は、靴ベラ設定手段をさらに備える。靴ベラ設定手段は、靴が靴設置部に設置されると、靴ベラの少なくとも先端部を靴の踵部の内部へ入れる。
【0017】
好ましくは、降下部および靴設置部の各々は、平板部材からなる。そして、降下部は、蝶番によって靴設置部に連結される。
【0018】
好ましくは、靴履き支援具は、上昇手段をさらに備える。上昇手段は、靴の踵部が略重力方向へ降下し、かつ、靴が靴設置部から離れると、降下部の面内方向が靴設置部の面内方向に略一致するように降下部を上昇させる。
【0019】
好ましくは、降下部は、靴設置部と一体的に設けられる。そして、降下部および靴設置部は、弾力性を有する金属板からなる。
【0020】
好ましくは、靴履き支援具は、滑り防止部材をさらに備える。滑り防止部材は、靴設置部および降下部の表面に設けられ、靴の滑りを防止する。
【0021】
好ましくは、靴履き支援具は、手摺部をさらに備える。手摺部は、人がつかまるためのものである。
【0022】
好ましくは、手摺部は、重力方向において、上下方向へ移動可能である。
【発明の効果】
【0023】
この発明においては、靴ベラを用いて靴を履くとき、足の先を靴の内部に入れた後、足の踵を靴ベラを用いて滑らせて足全体を靴の内部に入れる。そして、踵を靴の内部に入れると同時に、重心を靴の踵部に印加する。そうすると、靴の踵部に対応して設けられた降下部は、重心が踵部に印加されたことに応じて、重力方向に降下し、それに伴って靴の踵部も降下する。そして、靴ベラが靴の内部から抜ける。
【0024】
したがって、この発明によれば、人は、靴ベラを靴から抜く動作をしなくても靴を容易に履くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による靴履き支援具の斜視図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による靴履き支援具10は、靴設置部1と、降下部2と、靴ベラ3と、靴ベラ支持部4とを備える。
【0027】
靴設置部1は、1対の靴に対応して1対の靴設置部1A,1Bからなる。降下部2は、1対の靴に対応して1対の降下部2A,2Bからなる。靴ベラ3は、1対の靴に対応して1対の靴ベラ3A,3Bからなる。靴ベラ支持部4は、1対の靴ベラ3A,3Bに対応して1対の靴ベラ支持部4A,4Bからなる。
【0028】
1対の靴設置部1A,1Bは、鉄鋼板20に設けられる。1対の降下部2A,2Bは、鉄鋼板20の一部を略四角形に切断することにより作製され、1対の靴設置部1A,1Bに連結される。1対の降下部2A,2Bを1対の靴設置部1A,1Bに連結する方法については、後述する。
【0029】
1対の靴ベラ支持部4A,4Bは、1対の降下部2A,2Bに対向するように鉄鋼板20に固定される。そして、1対の靴ベラ支持部4A,4Bは、1対の降下部2A,2Bに対向するように1対の靴ベラ3A,3Bをそれぞれリング6A,6B;6C,6Dによって支持する。このように、靴ベラ3A,3Bは、それぞれ、リング6A,6B;6C,6Dによって靴ベラ支持部4A,4Bに取り付けられるので、靴ベラ支持部4A,4Bの周りに回転可能である。
【0030】
鉄鋼板20は、その表面20Aに複数の凸部7を有する。複数の凸部7は、たとえば、碁盤目状に設けられる。したがって、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bも、その表面に凸部7を有する。
【0031】
なお、鉄鋼板20は、靴履き支援具10の設置面30に対して所定の角度に傾くように、その一方端が略L字状に曲がっている。したがって、降下部2A,2Bと設置面30との間は、空間になっている。
【0032】
図2は、図1に示す靴履き支援具10を設置面30側から見たときの平面図である。図2を参照して、靴履き支援具10は、蝶番5A〜5Dと、ゴム部材6とをさらに備える。降下部2Aは、蝶番5A,5Bによって靴設置部1Aに連結され、降下部2Bは、蝶番5C,5Dによって靴設置部1Bに連結される。そして、降下部2A,2Bは、鉄鋼板20との間に、それぞれ、空間部8A,8Bを有する。
【0033】
ゴム部材6は、所定の幅を有し、降下部2A,2Bの一部を覆うように鉄鋼板20の裏面20Bに取り付けられる。そして、ゴム部材6は、降下部2A,2Bの表面(=凸部7が設けられた面)がそれぞれ靴設置部1A,1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に略一致するように降下部2A,2Bを支持する。
【0034】
図3は、図1に示すA方向から見た靴履き支援具10の側面図である。図3を参照して、降下部2Bは、設置面30に向かう方向(=重力方向の下方向)に力を受けないとき、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致するようにゴム部材6によって支持されている(図3の(a)参照)。
【0035】
そして、降下部2Bは、設置面30に向かう方向に力を受けると、蝶番5D(5C)によって靴設置部1Bに連結された一方端を中心とした円運動を行ない、その他方端が矢印9の方向へ移動して設置面30に接する。これに伴って、ゴム部材6は、伸びる(図3の(b)参照)。
【0036】
その後、降下部2Bに印加された力が除去されると、降下部2Bは、他方端がゴム部材6の収縮力によって矢印11の方向へ移動し、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致するようにゴム部材6によって支持される(図3の(a)参照)。
【0037】
降下部2Aも、降下部2Bと同じように移動する。
【0038】
このように、降下部2A,2Bは、力の印加および力の除去によって、蝶番5A,5B;5C,5Dによって連結された一方端を中心とした円運動を行ない、他方端が重力方向において上下に移動する。
【0039】
図4は、図1に示す靴履き支援具10を鉄鋼板20の表面20A側から見た平面図である。図4を参照して、1対の靴40A,40Bは、1つの靴設置部1A,1Bおよび1対の降下部2A,2Bに設置される。
【0040】
この場合、靴40Aの踵部41Aは、降下部2A上に配置され、踵部41A以外の本端部42Aは、靴設置部2A上に配置される。また、靴40Bの踵部41Bは、降下部2B上に配置され、踵部41B以外の本体部42Bは、靴設置部2B上に配置される。このように、靴設置部1A,1Bは、靴40A,40Bの本体部42A,42Bに対応して設けられ、降下部2A,2Bは、靴40A,40Bの踵部41A,41Bに対応して設けられる。
【0041】
図5は、図1に示す靴履き支援具10を用いて靴を履く動作を説明するための図である。図5を参照して、靴40A,40Bを履く人は、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aに配置し、靴40Bを靴設置部1Bおよび降下部2Bに配置すると、靴ベラ3A,3Bを矢印12の方向へ回転させる(図5の(a)参照)。
【0042】
そうすると、靴ベラ3A,3Bは、それぞれ、その先端部が靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部に入る(図5の(b)参照)。
【0043】
この状態で、靴を履く人は、靴ベラ3A,3Bを利用して靴40A,40Bを履く。この場合、靴を履く人は、重心を足のつま先の方へ移動させながら足を靴40A,40Bに入れ、その後、踵を靴ベラ3A,3Bで滑らせながら重心を後方へ移動させて足を靴40A,40Bの内部に入れる。
【0044】
そうすると、靴40A,40Bの踵部41A,41Bに力が印加され、降下部2A,2Bは、それぞれ、踵部41A,41Bから設置面30に向かう力を受け、図3において説明したように、その他方端が矢印9の方向へ移動して降下する。その結果、靴ベラ3A,3Bは、それぞれ、踵部41A,41Bから抜け、元の位置に戻る(図5の(c)参照)。
【0045】
これによって、人は、靴ベラ3A,3Bを靴40A,40B(踵部41A,41B)から抜き出す動作を行なわなくても靴40A,40Bを履くことができる。また、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bの表面には、複数の凸部7が形成されているので、鉄鋼板20が設置面30に対して所定の角度に傾いていても、靴40A,40Bの滑りを防止しながら靴40A,40Bを履くことができる。
【0046】
靴を履く人は、靴40A,40Bを履き終わった後、靴履き支援具10から離れると、降下部2A,2Bは、印加されていた力が除去され、ゴム部材6の収縮力によって元の位置に戻る。したがって、各人は、靴履き支援具10を繰り返し使用して靴40A,40Bを履くことができる。
【0047】
靴履き支援具10を作製する場合、略四角形からなり、かつ、複数の凸部7が形成された鉄鋼板20をレーザを用いてカッティングし、降下部2A,2Bを切り出す。そして、鉄鋼板20の一方端を略L字状に曲げる。
【0048】
その後、切り出した降下部2A,2Bを蝶番5A,5B;5C,5Dによってそれぞれ靴設置部1A,1Bに連結するとともに、鉄鋼板20の裏面20Bにゴム部材6を取り付ける。
【0049】
そして、靴ベラ3Aをリング6A,6Bによって靴ベラ支持部4Aに取り付け、靴ベラ3Bをリング6C,6Dによって靴ベラ支持部4Bに取り付ける。その後、靴ベラ3A,3Bが取り付けられた靴ベラ支持部4A,4Bを鉄鋼板20に固定する。
【0050】
これによって、靴履き支援具10が完成する。
【0051】
なお、ゴム部材6は、靴40A,40Bから靴設置部1A,1Bから離れると、降下部2A,2Bの面内方向が靴設置部1A,1Bの面内方向に略一致するように降下部2A,2Bを上昇させる「上昇手段」を構成する。
【0052】
また、凸部7は、「滑り防止部材」を構成する。
【0053】
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2による靴履き支援具の斜視図である。図6を参照して、実施の形態2による靴履き支援具10Aは、図1に示す靴履き支援具10の降下部2A,2Bをそれぞれ降下部21A,21Bに代えたものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0054】
降下部21A,21Bは、それぞれ、鉄鋼板20との間で空間部8A,8Bを有し、靴設置部1A,1Bと一体的に設けられる。靴履き支援具10Aにおいては、鉄鋼板20は、弾力性を有する鉄鋼板からなる。
【0055】
図7は、図6に示すB方向から見た靴履き支援具10Aの側面図である。図7を参照して、降下部21Bは、設置面30に向かう方向(=重力方向の下方向)に力を受けないとき、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致している(図7の(a)参照)。
【0056】
そして、降下部21Bは、設置面30に向かう方向に力を受けると、その弾力性によって靴設置部1Bとの連結部を中心とした円運動を行ない、その他方端が矢印9の方向へ移動して設置面30に接する(図7の(b)参照)。
【0057】
その後、降下部21Bに印加された力が除去されると、降下部21Bは、その弾力性によって矢印11の方向へ移動し、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致する(図7の(a)参照)。
【0058】
降下部21Aも、降下部21Bと同じように移動する。
【0059】
このように、降下部21A,21Bは、力の印加および力の除去によって、靴設置部1A,1Bに連結された一方端を中心とした円運動を行ない、他方端が重力方向において上下に移動する。
【0060】
靴履き支援具10Aにおける靴を履く動作は、図5に示す動作のうち、降下部2A,2Bが重力方向において上下動する動作を、降下部21A,21Bが上下動する動作に代えたものである。
【0061】
靴履き支援具10Aを作製する場合、略四角形からなり、かつ、複数の凸部7が形成された鉄鋼板20をレーザを用いてカッティングし、靴設置部1A,1Bに一体的に連結された降下部21A,21Bを作製する。そして、鉄鋼板20の一方端を略L字状に曲げる。
【0062】
そして、靴ベラ3Aをリング6A,6Bによって靴ベラ支持部4Aに取り付け、靴ベラ3Bをリング6C,6Dによって靴ベラ支持部4Bに取り付ける。その後、靴ベラ3A,3Bが取り付けられた靴ベラ支持部4A,4Bを鉄鋼板20に固定する。
【0063】
これによって、靴履き支援具10Aが完成する。
【0064】
靴履き支援具10Aを用いた場合にも、靴を履く人は、靴ベラ3A,3Bを踵部41A,41Bから抜き出す動作を行なわなくても靴40A,40Bを履くことができる。
【0065】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0066】
[実施の形態3]
図8は、実施の形態3による靴履き支援具10Bの斜視図である。図8を参照して、実施の形態3による靴履き支援具10Bは、図1に示す靴履き支援具10に手摺50を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0067】
手摺50は、1対の靴設置部1A,1B、降下部2A,2B、靴ベラ3A,3Bおよび靴ベラ支持部4A,4Bに対応して鉄鋼板20に固定される。
【0068】
靴履き支援具10Bを用いて靴40A,40Bを履く場合、人は、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに靴40A,40Bを設置した後、手摺50につかまりながら、足を靴40A,40Bに入れ、実施の形態1において説明した動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0069】
したがって、靴履き支援具10Bを用いれば、老人および体の不自由な人(特に下半身が不自由な人)等は、靴40A,40Bを容易に履くことができる。
【0070】
靴履き支援具10Bを作製する場合、略四角形からなり、かつ、複数の凸部7が形成された鉄鋼板20をレーザを用いてカッティングし、降下部2A,2Bを切り出す。そして、鉄鋼板20の一方端を略L字状に曲げる。
【0071】
その後、切り出した降下部2A,2Bを蝶番5A,5B;5C,5Dによってそれぞれ靴設置部1A,1Bに連結するとともに、鉄鋼板20の裏面20Bにゴム部材6を取り付ける。
【0072】
そして、靴ベラ3Aをリング6A,6Bによって靴ベラ支持部4Aに取り付け、靴ベラ3Bをリング6C,6Dによって靴ベラ支持部4Bに取り付ける。その後、靴ベラ3A,3Bが取り付けられた靴ベラ支持部4A,4Bを鉄鋼板20に固定する。さらに、手摺50を靴設置部1A,1B、降下部2A,2B、靴ベラ3A,3Bおよび靴ベラ支持部4A,4Bに対向して鉄鋼板20に固定する。
【0073】
これによって、靴履き支援具10Bが完成する。
【0074】
なお、実施の形態3による靴履き支援具は、図6に示す靴履き支援具10Aに手摺50を追加したものであってもよい。
【0075】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0076】
[実施の形態4]
図9は、実施の形態4による靴履き支援具の斜視図である。図9を参照して、実施の形態4による靴履き支援具10Cは、図1に示す靴履き支援具10の靴ベラ支持部4A,4Bをそれぞれ靴ベラ支持部14A,14Bに代え、棒部材15、支持部材16A,16B、センサー17A,17B、モータ60および制御回路70を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0077】
靴ベラ支持部14A,14Bは、それぞれ、靴ベラ3A,3Bに直接連結される。棒部材15は、一方端が支持部材16Aによって支持され、他方端が支持部材16Bによって支持されるとともに、モータ60のシャフト61に連結される。
【0078】
センサー17A,17Bは、それぞれ、靴設置部1A,1Bに配設され、制御回路70と電気的に接続される。
【0079】
図10は、図9に示す靴ベラ支持部14Aの拡大図である。図10を参照して、靴ベラ支持部14Aは、中空の円筒構造からなり、開口部141を有する。開口部141は、靴ベラ支持部14Aの一部に設けられている。より具体的には、開口部141は、靴ベラ支持部14Aに連結された靴ベラ3Aが靴ベラ支持部14Aを中心にして所定の範囲で回転運動を自由にできるように、靴ベラ支持部14Aの周方向に形成される。
【0080】
棒部材15は、靴ベラ支持部14Aの内周部を貫通するとともに、靴ベラ支持部14Aの開口部141内を移動可能な止め具151を有する。そして、靴ベラ支持部14Aは、止め具151が開口部141の端面141Aと端面141Bとの間を移動する範囲において、棒部材15に対して自由に回転可能である。
【0081】
棒部材15が矢印13の方向へ回転し、止め具151が開口部141の端面141Aに接すると、靴ベラ支持部14Aは、棒部材15の回転に伴って矢印13の方向へ回転する。これによって、靴ベラ3Aは、棒部材15の周囲を回転可能である。
【0082】
図11は、靴ベラ3Aの回転を説明するための図である。図11を参照して、棒部材15は、止め具151が重力方向において下方向を向く位置で停止されている。また、靴ベラ3Aは、重力方向において下方向を向くように靴ベラ支持部14Aに取り付けられている。
【0083】
この状態において、靴ベラ支持部14Aは、端面141A,141Bが止め具151に接する範囲で自由に回転可能であるので、靴ベラ3Aは、靴ベラ支持部14Aが回転可能な範囲において自由に回転可能である(図11の(a)参照)。
【0084】
そして、棒部材15が矢印13の方向へ回転し、止め具151が開口部141の端面141Aに接すると、靴ベラ支持部14Aは、棒部材15の回転に伴って矢印13の方向へ回転する。そして、止め具151が矢印13の方向へ1回転するように棒部材15が回転すると、靴ベラ支持部14Aは、棒部材15の回転に伴って矢印13の方向へ1回転し、靴ベラ3Aも、矢印13の方向へ1回転する(図11の(b)参照)。
【0085】
このように、靴ベラ3Aは、棒部材15の回転に伴って1回転する。
【0086】
なお、靴ベラ支持部14Bは、靴ベラ支持部14Aと同じ構造からなり、棒部材15は、靴ベラ支持部14Bの開口部を移動可能な止め具(図示せず)を有する。したがって、靴ベラ支持部14Bは、棒部材15の回転に伴って、靴ベラ支持部14Aと同じように回転可能であり、靴ベラ3Bは、靴ベラ支持部14Bの回転に伴って1回転する。
【0087】
再び、図9を参照して、センサー17Aは、靴40Aが靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置されると、靴40Aの設置を検出し、靴40Aが設置されたことを示す信号を生成して制御回路70へ出力する。また、センサー17Bは、靴40Bが靴設置部1Bおよび降下部2Bに設置されると、靴40Bの設置を検出し、靴40Bが設置されたことを示す信号を生成して制御回路70へ出力する。
【0088】
制御回路70は、センサー17A,17Bからそれぞれ靴40A,40Bが設置されたことを示す信号を受けると、シャフト61を矢印13の方向へ1回転させるようにモータ60を制御する。
【0089】
モータ60は、制御回路70からの制御に応じて、シャフト61を矢印13の方向へ1回転させる。これによって、靴ベラ3A,3Bは、上述した機構によって、それぞれ、棒部材15の周りを矢印13の方向へ1回転する。
【0090】
このように、靴履き支援具10Cにおいては、靴40A,40Bの靴設置部1A,1Bへの設置が検出されると、靴ベラ3A,3Bが自動的に棒部材15の周りに1回転する。
【0091】
図5の(a)に示す態様で、靴40A,40Bが靴履き支援具10Cの靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに設置されると、靴ベラ3A,3Bは、矢印13の方向へ1回転し、その先端部が靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部へ入る。つまり、靴履き支援具10Cを用いて靴40A,40Bを履く人は、靴40A,40Bを靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに設置するだけで、靴ベラ3A,3Bの先端部がそれぞれ靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部に入った状態(図5の(b)の状態)になる。
【0092】
したがって、靴40A,40Bを履く人は、その後、実施の形態1で説明したように足を靴40A,40Bに入れ、重心を踵部41A,41Bへ移動させるだけ、靴ベラ3A,3Bが踵部41A,41Bから抜け、容易に靴40A,40Bを履くことができる。
【0093】
つまり、靴を履く人は、靴履き支援具10Cを用いる場合、靴ベラ3A,3Bを靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部へ入れる動作をしなくても、靴ベラ3A,3Bを用いて足を靴40A,40Bに入れるとともに、靴ベラ3A,3Bを踵部41A,41Bから抜き出すことができる。
【0094】
なお、実施の形態4による靴履き支援具は、靴履き支援具10A,10Bの靴ベラ支持部4A、4Bを靴ベラ支持部14A,14Bに代え、棒部材15、支持部材16A,16B、センサー17A,17A、モータ60および制御回路70を追加したものであってもよい。
【0095】
また、実施の形態4においては、センサー17A,17B、制御回路70、モータ60および棒部材15は、靴40A,40Bが靴設置部1A,1Bに設置されると、靴ベラ3A,3Bの少なくとも先端部を靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部へ入れる「靴ベラ設定手段」を構成する。
【0096】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0097】
[実施の形態5]
図12は、実施の形態5による靴履き支援具の斜視図である。図12を参照して、実施の形態5による靴履き支援具10Dは、図1に示す靴履き支援具10の靴設置部1B、降下部2B、靴ベラ3Bおよび靴ベラ支持部4Bを削除したものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0098】
すなわち、靴履き支援具10Dは、1足の靴40A,40Bを片方の靴ごとに順次履くときに用いられる靴履き支援具である。
【0099】
靴履き支援具10Dを用いて靴40A,40Bを履く場合、まず、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置し、靴ベラ3Aの先端部を靴40Aの踵部41Aに入れる。そして、足の先端を靴40Aの内部に入れ、靴ベラ3Aを用いて足の踵を滑らせながら重心を踵部41Aに掛ける。
【0100】
そうすると、降下部2Aが重力方向において降下し、靴ベラ3Aが踵部41Aから抜ける。そして、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aが移動させ、靴40Bを靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置する。
【0101】
その後、靴40Aを履いた動作と同じ動作によって靴40Bを履く。これによって、靴ベラ3Aを踵部41A,41Bから抜き出す動作を行なわなくても、1足の靴40A,40Bを履くことができる。
【0102】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0103】
[実施の形態6]
図13は、実施の形態6による靴履き支援具の斜視図である。図13を参照して、実施の形態6による靴履き支援具10Eは、図12に示す靴履き支援具10Dに手摺50Aを追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Dと同じである。
【0104】
手摺50Aは、靴設置部1A、降下部2A、靴ベラ3Aおよび靴ベラ支持部4Aに対向して鉄鋼板20に固定される。
【0105】
靴履き支援具10Eを用いれば、靴40A,40Bを履く人は、手摺50Aにつかまりながら、実施の形態5において説明した動作と同じ動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0106】
その他は、実施の形態1,5と同じである。
【0107】
[実施の形態7]
図14は、実施の形態7による靴履き支援具の斜視図である。図7を参照して、実施の形態7による靴履き支援具10Fは、靴履き支援具111〜11m(mは、3以上の整数)からなる。m個の靴履き支援具111〜11mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0108】
m個の靴履き支援具111〜11mの各々は、図1に示す靴履き支援具10からなる。したがって、m個の靴履き支援具111〜11mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10を用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0109】
靴履き支援具10Fを用いれば、m人の人が同時に靴を履くことができる。
【0110】
なお、実施の形態7においては、m個の靴履き支援具111〜11mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0111】
また、実施の形態7においては、m個の靴履き支援具111〜11mの各々は、図12に示す靴履き支援具10Dからなっていてもよい。
【0112】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0113】
[実施の形態8]
図15は、実施の形態8による靴履き支援具の斜視図である。図15を参照して、実施の形態8による靴履き支援具10Gは、m個の靴履き支援具121〜12mからなる。m個の靴履き支援具121〜12mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0114】
m個の靴履き支援具121〜12mの各々は、図8に示す靴履き支援具10Bからなる。したがって、m個の靴履き支援具121〜12mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10Bを用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0115】
靴履き支援具10Gを用いれば、m人の人が手摺50につかまりながら同時に靴40A,40Bを履くことができる。
【0116】
なお、実施の形態8においては、m個の靴履き支援具121〜12mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0117】
また、実施の形態8においては、m個の靴履き支援具121〜12mの各々は、図13に示す靴履き支援具10Eからなっていてもよい。
【0118】
その他は、実施の形態1,3と同じである。
【0119】
[実施の形態9]
図16は、実施の形態9による靴履き支援具の斜視図である。図16を参照して、実施の形態9による靴履き支援具10Hは、図12に示す靴履き支援具10Dから靴ベラ3A、靴ベラ支持部4Aおよびリング6A,6Bを削除したものであり、その他は、靴履き支援具10Dと同じである。
【0120】
図17は、図16に示す靴履き支援具10Hを用いて靴を履く動作を説明するための図である。図17を参照して、靴40Aを履く人は、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aに配置する(図17の(a)参照)。
【0121】
そして、靴40Aを履く人は、靴ベラ33を靴40Aの踵部41Aの内部に入れる(図17の(b)参照)。この場合、靴40Aを履く人は、靴ベラ3A,3Bよりも長い靴ベラ33を使用するのが好ましい。
【0122】
この状態で、靴40Aを履く人は、靴ベラ33を利用して靴40Aを履く。この場合、靴40Aを履く人は、重心を足のつま先の方へ移動させながら足を靴40Aに入れ、その後、踵を靴ベラ33で滑らせながら重心を後方へ移動させて足を靴40Aの内部に入れる。
【0123】
そうすると、靴40Aの踵部41Aに力が印加され、降下部2Aは、踵部41Aから設置面30に向かう力を受け、図3において説明したように、その他方端が矢印9の方向へ移動して降下する。その結果、靴ベラ33は、踵部41Aから抜ける(図17の(c)参照)。
【0124】
これによって、人は、靴ベラ33を靴40A(踵部41A)から抜き出す動作を行なわなくても靴40Aを履くことができる。すなわち、靴を履く人は、靴ベラ33を引っ張って靴40Aから靴ベラ33を抜き出さなくても、靴ベラ33を支えるだけで靴ベラ33が靴40A(踵部41A)から抜け出す。
【0125】
そして、靴を履く人は、靴40Aを履き終わった後、靴40Aを靴履き支援具10Hから離すと、降下部2Aは、印加されていた力が除去され、ゴム部材6の収縮力によって元の位置に戻る。
【0126】
その後、靴を履く人は、靴40Bを靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置して、靴40Aを履いたときの動作と同じ動作に従って靴40Bを履く。
【0127】
したがって、各人は、靴履き支援具10Hを繰り返し使用して靴40A,40Bを履くことができる。
【0128】
その他は、実施の形態5と同じである。
【0129】
[実施の形態10]
図18は、実施の形態10による靴履き支援具の斜視図である。図18を参照して、実施の形態10による靴履き支援具10Iは、図16に示す靴履き支援具10Hに靴設置部1Bおよび降下部2Bを追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Hと同じである。
【0130】
靴履き支援具10Iを用いて靴40A,40Bを履く場合、1対の靴40A,40Bを同時に靴履き支援具10Iに設置し、図17において説明した動作を靴40A,40Bの各々について、順次、実行して1対の靴40A,40Bを履く。
【0131】
その他は、実施の形態9と同じである。
【0132】
[実施の形態11]
図19は、実施の形態11による靴履き支援具の斜視図である。図19を参照して、実施の形態11による靴履き支援具10Jは、m個の靴履き支援具131〜13mからなる。そして、m個の靴履き支援具131〜13mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0133】
m個の靴履き支援具131〜13mの各々は、図18に示す靴履き支援具10Iからなる。したがって、m個の靴履き支援具131〜13mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10Iを用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0134】
靴履き支援具10Jを用いれば、m人の人が同時に靴40A,40Bを履くことができる。
【0135】
なお、実施の形態11においては、m個の靴履き支援具131〜13mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0136】
その他は、実施の形態10と同じである。
【0137】
[実施の形態12]
図20は、実施の形態12による靴履き支援具の斜視図である。図20を参照して、実施の形態12による靴履き支援具10Kは、図16に示す靴履き支援具10Hに手摺50を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Hと同じである。
【0138】
手摺50は、靴設置部1Aおよび降下部2Aに対向して鉄鋼板20に固定される。
【0139】
靴履き支援具10Kを用いれば、靴40A,40Bを履く人は、手摺50につかまりながら、実施の形態9において説明した動作と同じ動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0140】
その他は、実施の形態9と同じである。
【0141】
[実施の形態13]
図21は、実施の形態13による靴履き支援具の斜視図である。図21を参照して、実施の形態13による靴履き支援具10Lは、図18に示す靴履き支援具10Iに手摺50を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Iと同じである。
【0142】
手摺50は、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに対向して鉄鋼板20に固定される。
【0143】
靴履き支援具10Lを用いれば、靴40A,40Bを履く人は、手摺50につかまりながら、実施の形態10において説明した動作と同じ動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0144】
その他は、実施の形態10と同じである。
【0145】
[実施の形態14]
図22は、実施の形態14による靴履き支援具の斜視図である。図22を参照して、実施の形態14による靴履き支援具10Mは、m個の靴履き支援具161〜16mからなる。m個の靴履き支援具161〜16mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0146】
m個の靴履き支援具161〜16mの各々は、図21に示す靴履き支援具10Lからなる。したがって、m個の靴履き支援具161〜16mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10Lを用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0147】
靴履き支援具10Mを用いれば、m人の人が手摺50につかまりながら靴40A,40Bを履くことができる。
【0148】
なお、実施の形態14においては、m個の靴履き支援具161〜16mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0149】
その他は、実施の形態13と同じである。
【0150】
[実施の形態15]
図23は、実施の形態15による靴履き支援具の斜視図である。図23を参照して、実施の形態15による靴履き支援具10Nは、図16に示す靴履き支援具10Hの降下部2Aを降下部221Aに代え、ゴム部材6を削除したものであり、その他は、靴履き支援具10Hと同じである。
【0151】
降下部221Aは、図2に示す態様で蝶番5A,5Bによって靴設置部1Aに連結される。
【0152】
靴履き支援具10Nにおいては、ゴム部材6(図2参照)が削除されているので、降下部221Aは、蝶番5A,5Bによって連結された一方端と異なる他方端が常に設置面30に接触している。
【0153】
靴履き支援具10Nを用いて靴40Aを履く場合、靴40Aを靴設置部1Aに設置する。この場合、靴40Aの踵部41Aと降下部221Aとの間には、空洞部が形成されている。すなわち、空洞部は、靴40Aの踵部41Aに対応して設けられている。
【0154】
この状態で、靴ベラ33を靴40Aの踵部41Aの内部に入れる。そして、靴40Aを履く人は、重心を足のつま先の方へ移動させながら足を靴40Aに入れ、その後、踵を靴ベラ33で滑らせながら重心を後方へ移動させて足を靴40Aの内部に入れる。
【0155】
そうすると、靴40Aの踵部41Aに力が印加され、踵部41Aは、降下部221Aとの間の空洞を降下部221の方へ移動して降下する。その結果、靴ベラ33は、踵部41Aから抜ける(図17の(c9)参照)。
【0156】
これによって、人は、靴ベラ33を靴40A(踵部41A)から抜き出す動作を行なわなくても靴40Aを履くことができる。すなわち、靴を履く人は、靴ベラ33を引っ張って靴40Aから靴ベラ33を抜き出さなくても、靴ベラ33を支えるだけで靴ベラ33が靴40A(踵部41A)から抜け出す。
【0157】
そして、靴を履く人は、靴40Aを履き終わった後、靴40Aを靴履き支援具10Nから離し、靴40Bを靴設置部1Aに設置して、靴40Aを履いたときの動作と同じ動作に従って靴40Bを履く。
【0158】
したがって、各人は、靴履き支援具10Nを繰り返し使用して靴40A,40Bを履くことができる。
【0159】
実施の形態15による靴履き支援具は、複数の靴履き支援具10Nを直線状等に配列した構造からなっていてもよいし、靴履き支援具10Nに手摺50を追加したものであってもよいし、靴ベラ3Aおよび靴ベラ支持部4Aを靴履き支援具10Nに追加したものであってもよいし、靴ベラ3A、靴ベラ支持部4Aおよび手摺50を靴履き支援具10Nに追加したものであってもよい。
【0160】
また、実施の形態15による靴履き支援具は、実施の形態4において説明したように、靴40A(または40B)を靴設置部1Aに設置すると、靴ベラ3Aが自動的に靴40Aの踵部41Aに入る機構を靴履き支援具10Nに追加したものであってもよいし、靴ベラ3Aが自動的に靴40Aの踵部41Aに入る機構と手摺50とを靴履き支援具10Nに追加したものであってもよい。
【0161】
このように、実施の形態15においては、上述した実施の形態1〜実施の形態14を適宜組み合わせて靴履き支援具を構成してもよい。
【0162】
なお、上述した実施の形態5〜実施の形態14においては、降下部2Aまたは降下部2A,2Bに代えて降下部21Aまたは降下部21A,21Bを用いてもよい。この場合、ゴム部材6は、削除される。
【0163】
また、上記においては、鉄鋼板20,110を用いて靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nを作製すると説明したが、この発明においては、これに限らず、鉄鋼板以外の材料、たとえば、プラスチック等を用いて靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nを作製してもよい。
【0164】
さらに、上記においては、鉄鋼板20,110の表面には、凸部7が形成されていると説明したが、この発明においては、これに限らず、凸部7以外の滑り防止部材が鉄鋼板20,110の表面に形成されていてもよい。
【0165】
さらに、この発明においては、凸部7が形成されていない鉄鋼板を用いて靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nを作製してもよい。
【0166】
さらに、この発明においては、上述した手摺50,50Aを上下方向へ伸縮可能にしてもよい。これにより、子供および大人等、身長の異なる人が靴履き支援具を用いる場合、その人の身長に合わせて手摺50,50Aの高さを調整して靴履き支援具を用いることができる。
【0167】
さらに、この発明による靴履き支援具は、一般的に、n(nは正の整数)対の靴設置部1A,1Bと、n対の降下部2A,2B(または降下部21A,21Bまたは降下部221A,221B)とから構成されていればよい。
【0168】
さらに、この発明による靴履き支援具は、一般的に、n個の靴設置部1Aと、n個の降下部2A(または降下部21Aまたは降下部221A)とから構成されていればよい。
【0169】
上述した靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nは、家庭、会合場所、福祉施設、および病院等に設置される。
【0170】
その結果、各場所において、各人がスムーズに靴を履くことができる。特に、高齢者および体の不自由な人は、負担を軽減して靴を履くことができる。
【0171】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0172】
この発明は、靴を履く人が靴ベラを靴の内部から抜き出す動作を行なわずに靴を履くことが可能な靴履き支援具に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】この発明の実施の形態1による靴履き支援具の斜視図である。
【図2】図1に示す靴履き支援具を設置面側から見たときの平面図である。
【図3】図1に示すA方向から見た靴履き支援具の側面図である。
【図4】図1に示す靴履き支援具を鉄鋼板の表面側から見た平面図である。
【図5】図1に示す靴履き支援具を用いて靴を履く動作を説明するための図である。
【図6】実施の形態2による靴履き支援具の斜視図である。
【図7】図6に示すB方向から見た靴履き支援具の側面図である。
【図8】実施の形態3による靴履き支援具の斜視図である。
【図9】実施の形態4による靴履き支援具の斜視図である。
【図10】図9に示す靴ベラ支持部の拡大図である。
【図11】靴ベラの回転を説明するための図である。
【図12】実施の形態5による靴履き支援具の斜視図である。
【図13】実施の形態6による靴履き支援具の斜視図である。
【図14】実施の形態7による靴履き支援具の斜視図である。
【図15】実施の形態8による靴履き支援具の斜視図である。
【図16】実施の形態9による靴履き支援具の斜視図である。
【図17】図16に示す靴履き支援具を用いて靴を履く動作を説明するための図である。
【図18】実施の形態10による靴履き支援具の斜視図である。
【図19】実施の形態11による靴履き支援具の斜視図である。
【図20】実施の形態12による靴履き支援具の斜視図である。
【図21】実施の形態13による靴履き支援具の斜視図である。
【図22】実施の形態14による靴履き支援具の斜視図である。
【図23】実施の形態15による靴履き支援具の斜視図である。
【符号の説明】
【0174】
1,1A,1B 靴設置部、2,2A,2B,21A,21B,221A 降下部、3,3A,3B,33 靴ベラ、4,4A,4B,14A,14B 靴ベラ支持部、5A,5B,5C,5D 蝶番、6 ゴム部材、6A,6B,6C,6D リング、7 凸部、8A,8B 空間部、9,11〜13 矢印、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10N,111〜11m,121〜12m,131〜13m,161〜16m 靴履き支援具、15 棒部材、16A,16B 支持部材、17A,17B センサー、20 鉄鋼板、20A 表面、20B 裏面、30 設置面、40A,40B 靴、41A,41B 踵部、42A,42B 本体部、50,50A 手摺、60 モータ、61 シャフト、70 制御回路、141 開口部、141A,141B 端面、151 止め具。
【技術分野】
【0001】
この発明は、靴を履くときの靴履き支援具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、靴履き動作補助具が知られている(特許文献1)。この靴履き動作補助具は、踏み台と、一対の靴ベラ支持部と、一対の靴ベラとを備える。踏み台は、水平板と、垂下板とからなり、水平板および垂下板は、断面形状が略L字形状になるように一体的に形成されている。
【0003】
一対の靴ベラ支持部は、踏み台の垂下板に所定の間隔で取り付けられている。一対の靴ベラは、上下方向に摺動可能に一対の靴ベラ支持部に取り付けられている。
【0004】
この靴履き動作補助具を使用して靴を履くとき、一対の靴ベラを上方向に摺動させた状態で靴の踵が靴ベラ支持部に最も近づくように一対の靴を設置する。そして、一対の靴ベラを下方向に摺動させ、一対の靴ベラの先端部を靴の踵の内部に入れる。
【0005】
この状態で、靴を履く人は、一対の靴ベラを利用して靴を履き、踵が靴に入った後に、一対の靴ベラを上方向に摺動させる。これによって、靴を履く動作が終了する。
【0006】
このように、靴履き動作補助具は、踏み台に備え付けられた一対の靴ベラを用いて人が靴を履く動作を補助するものである。
【特許文献1】実用新案登録第3082924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の靴履き動作補助具では、人が靴を履いた後、一対の靴ベラを上方向へ摺動させて一対の靴ベラを靴の内部から抜き出す必要があり、靴を履く動作が煩雑になるという問題がある。
【0008】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、靴を履く人が靴ベラを靴の内部から抜き出す動作を行なわずに靴を履くことが可能な靴履き支援具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明によれば、靴履き支援具は、空洞部と、靴設置部とを備える。空洞部は、靴の踵部に対応して設けられ、靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて靴の踵部が略重力方向に降下するための空洞である。靴設置部は、靴の踵部以外の部位に対応して設けられる。
【0010】
好ましくは、靴設置部および空洞部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる。
【0011】
また、この発明によれば、靴履き支援具は、降下部と、靴設置部とを備える。降下部は、靴の踵部に対応して設けられ、靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて靴の踵部を略重力方向に降下させる。靴設置部は、靴の踵部以外の部位に対応して設けられる。
【0012】
好ましくは、靴設置部および降下部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる。
【0013】
好ましくは、靴履き支援具は、靴ベラと、靴ベラ支持部とをさらに備える。靴ベラ支持部は、靴ベラの少なくとも先端部が靴設置部に設置された靴の踵部の内部に入るように靴ベラを支持する。
【0014】
好ましくは、靴ベラ支持部は、靴の踵部が略重力方向へ降下すると、靴ベラが靴の踵部から抜けるように靴ベラを支持する。
【0015】
好ましくは、靴設置部、降下部、靴ベラおよび靴ベラ支持部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる。
【0016】
好ましくは、靴履き支援具は、靴ベラ設定手段をさらに備える。靴ベラ設定手段は、靴が靴設置部に設置されると、靴ベラの少なくとも先端部を靴の踵部の内部へ入れる。
【0017】
好ましくは、降下部および靴設置部の各々は、平板部材からなる。そして、降下部は、蝶番によって靴設置部に連結される。
【0018】
好ましくは、靴履き支援具は、上昇手段をさらに備える。上昇手段は、靴の踵部が略重力方向へ降下し、かつ、靴が靴設置部から離れると、降下部の面内方向が靴設置部の面内方向に略一致するように降下部を上昇させる。
【0019】
好ましくは、降下部は、靴設置部と一体的に設けられる。そして、降下部および靴設置部は、弾力性を有する金属板からなる。
【0020】
好ましくは、靴履き支援具は、滑り防止部材をさらに備える。滑り防止部材は、靴設置部および降下部の表面に設けられ、靴の滑りを防止する。
【0021】
好ましくは、靴履き支援具は、手摺部をさらに備える。手摺部は、人がつかまるためのものである。
【0022】
好ましくは、手摺部は、重力方向において、上下方向へ移動可能である。
【発明の効果】
【0023】
この発明においては、靴ベラを用いて靴を履くとき、足の先を靴の内部に入れた後、足の踵を靴ベラを用いて滑らせて足全体を靴の内部に入れる。そして、踵を靴の内部に入れると同時に、重心を靴の踵部に印加する。そうすると、靴の踵部に対応して設けられた降下部は、重心が踵部に印加されたことに応じて、重力方向に降下し、それに伴って靴の踵部も降下する。そして、靴ベラが靴の内部から抜ける。
【0024】
したがって、この発明によれば、人は、靴ベラを靴から抜く動作をしなくても靴を容易に履くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による靴履き支援具の斜視図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による靴履き支援具10は、靴設置部1と、降下部2と、靴ベラ3と、靴ベラ支持部4とを備える。
【0027】
靴設置部1は、1対の靴に対応して1対の靴設置部1A,1Bからなる。降下部2は、1対の靴に対応して1対の降下部2A,2Bからなる。靴ベラ3は、1対の靴に対応して1対の靴ベラ3A,3Bからなる。靴ベラ支持部4は、1対の靴ベラ3A,3Bに対応して1対の靴ベラ支持部4A,4Bからなる。
【0028】
1対の靴設置部1A,1Bは、鉄鋼板20に設けられる。1対の降下部2A,2Bは、鉄鋼板20の一部を略四角形に切断することにより作製され、1対の靴設置部1A,1Bに連結される。1対の降下部2A,2Bを1対の靴設置部1A,1Bに連結する方法については、後述する。
【0029】
1対の靴ベラ支持部4A,4Bは、1対の降下部2A,2Bに対向するように鉄鋼板20に固定される。そして、1対の靴ベラ支持部4A,4Bは、1対の降下部2A,2Bに対向するように1対の靴ベラ3A,3Bをそれぞれリング6A,6B;6C,6Dによって支持する。このように、靴ベラ3A,3Bは、それぞれ、リング6A,6B;6C,6Dによって靴ベラ支持部4A,4Bに取り付けられるので、靴ベラ支持部4A,4Bの周りに回転可能である。
【0030】
鉄鋼板20は、その表面20Aに複数の凸部7を有する。複数の凸部7は、たとえば、碁盤目状に設けられる。したがって、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bも、その表面に凸部7を有する。
【0031】
なお、鉄鋼板20は、靴履き支援具10の設置面30に対して所定の角度に傾くように、その一方端が略L字状に曲がっている。したがって、降下部2A,2Bと設置面30との間は、空間になっている。
【0032】
図2は、図1に示す靴履き支援具10を設置面30側から見たときの平面図である。図2を参照して、靴履き支援具10は、蝶番5A〜5Dと、ゴム部材6とをさらに備える。降下部2Aは、蝶番5A,5Bによって靴設置部1Aに連結され、降下部2Bは、蝶番5C,5Dによって靴設置部1Bに連結される。そして、降下部2A,2Bは、鉄鋼板20との間に、それぞれ、空間部8A,8Bを有する。
【0033】
ゴム部材6は、所定の幅を有し、降下部2A,2Bの一部を覆うように鉄鋼板20の裏面20Bに取り付けられる。そして、ゴム部材6は、降下部2A,2Bの表面(=凸部7が設けられた面)がそれぞれ靴設置部1A,1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に略一致するように降下部2A,2Bを支持する。
【0034】
図3は、図1に示すA方向から見た靴履き支援具10の側面図である。図3を参照して、降下部2Bは、設置面30に向かう方向(=重力方向の下方向)に力を受けないとき、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致するようにゴム部材6によって支持されている(図3の(a)参照)。
【0035】
そして、降下部2Bは、設置面30に向かう方向に力を受けると、蝶番5D(5C)によって靴設置部1Bに連結された一方端を中心とした円運動を行ない、その他方端が矢印9の方向へ移動して設置面30に接する。これに伴って、ゴム部材6は、伸びる(図3の(b)参照)。
【0036】
その後、降下部2Bに印加された力が除去されると、降下部2Bは、他方端がゴム部材6の収縮力によって矢印11の方向へ移動し、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致するようにゴム部材6によって支持される(図3の(a)参照)。
【0037】
降下部2Aも、降下部2Bと同じように移動する。
【0038】
このように、降下部2A,2Bは、力の印加および力の除去によって、蝶番5A,5B;5C,5Dによって連結された一方端を中心とした円運動を行ない、他方端が重力方向において上下に移動する。
【0039】
図4は、図1に示す靴履き支援具10を鉄鋼板20の表面20A側から見た平面図である。図4を参照して、1対の靴40A,40Bは、1つの靴設置部1A,1Bおよび1対の降下部2A,2Bに設置される。
【0040】
この場合、靴40Aの踵部41Aは、降下部2A上に配置され、踵部41A以外の本端部42Aは、靴設置部2A上に配置される。また、靴40Bの踵部41Bは、降下部2B上に配置され、踵部41B以外の本体部42Bは、靴設置部2B上に配置される。このように、靴設置部1A,1Bは、靴40A,40Bの本体部42A,42Bに対応して設けられ、降下部2A,2Bは、靴40A,40Bの踵部41A,41Bに対応して設けられる。
【0041】
図5は、図1に示す靴履き支援具10を用いて靴を履く動作を説明するための図である。図5を参照して、靴40A,40Bを履く人は、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aに配置し、靴40Bを靴設置部1Bおよび降下部2Bに配置すると、靴ベラ3A,3Bを矢印12の方向へ回転させる(図5の(a)参照)。
【0042】
そうすると、靴ベラ3A,3Bは、それぞれ、その先端部が靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部に入る(図5の(b)参照)。
【0043】
この状態で、靴を履く人は、靴ベラ3A,3Bを利用して靴40A,40Bを履く。この場合、靴を履く人は、重心を足のつま先の方へ移動させながら足を靴40A,40Bに入れ、その後、踵を靴ベラ3A,3Bで滑らせながら重心を後方へ移動させて足を靴40A,40Bの内部に入れる。
【0044】
そうすると、靴40A,40Bの踵部41A,41Bに力が印加され、降下部2A,2Bは、それぞれ、踵部41A,41Bから設置面30に向かう力を受け、図3において説明したように、その他方端が矢印9の方向へ移動して降下する。その結果、靴ベラ3A,3Bは、それぞれ、踵部41A,41Bから抜け、元の位置に戻る(図5の(c)参照)。
【0045】
これによって、人は、靴ベラ3A,3Bを靴40A,40B(踵部41A,41B)から抜き出す動作を行なわなくても靴40A,40Bを履くことができる。また、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bの表面には、複数の凸部7が形成されているので、鉄鋼板20が設置面30に対して所定の角度に傾いていても、靴40A,40Bの滑りを防止しながら靴40A,40Bを履くことができる。
【0046】
靴を履く人は、靴40A,40Bを履き終わった後、靴履き支援具10から離れると、降下部2A,2Bは、印加されていた力が除去され、ゴム部材6の収縮力によって元の位置に戻る。したがって、各人は、靴履き支援具10を繰り返し使用して靴40A,40Bを履くことができる。
【0047】
靴履き支援具10を作製する場合、略四角形からなり、かつ、複数の凸部7が形成された鉄鋼板20をレーザを用いてカッティングし、降下部2A,2Bを切り出す。そして、鉄鋼板20の一方端を略L字状に曲げる。
【0048】
その後、切り出した降下部2A,2Bを蝶番5A,5B;5C,5Dによってそれぞれ靴設置部1A,1Bに連結するとともに、鉄鋼板20の裏面20Bにゴム部材6を取り付ける。
【0049】
そして、靴ベラ3Aをリング6A,6Bによって靴ベラ支持部4Aに取り付け、靴ベラ3Bをリング6C,6Dによって靴ベラ支持部4Bに取り付ける。その後、靴ベラ3A,3Bが取り付けられた靴ベラ支持部4A,4Bを鉄鋼板20に固定する。
【0050】
これによって、靴履き支援具10が完成する。
【0051】
なお、ゴム部材6は、靴40A,40Bから靴設置部1A,1Bから離れると、降下部2A,2Bの面内方向が靴設置部1A,1Bの面内方向に略一致するように降下部2A,2Bを上昇させる「上昇手段」を構成する。
【0052】
また、凸部7は、「滑り防止部材」を構成する。
【0053】
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2による靴履き支援具の斜視図である。図6を参照して、実施の形態2による靴履き支援具10Aは、図1に示す靴履き支援具10の降下部2A,2Bをそれぞれ降下部21A,21Bに代えたものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0054】
降下部21A,21Bは、それぞれ、鉄鋼板20との間で空間部8A,8Bを有し、靴設置部1A,1Bと一体的に設けられる。靴履き支援具10Aにおいては、鉄鋼板20は、弾力性を有する鉄鋼板からなる。
【0055】
図7は、図6に示すB方向から見た靴履き支援具10Aの側面図である。図7を参照して、降下部21Bは、設置面30に向かう方向(=重力方向の下方向)に力を受けないとき、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致している(図7の(a)参照)。
【0056】
そして、降下部21Bは、設置面30に向かう方向に力を受けると、その弾力性によって靴設置部1Bとの連結部を中心とした円運動を行ない、その他方端が矢印9の方向へ移動して設置面30に接する(図7の(b)参照)。
【0057】
その後、降下部21Bに印加された力が除去されると、降下部21Bは、その弾力性によって矢印11の方向へ移動し、その表面(=凸部7が設けられた面)が靴設置部1Bの表面(=凸部7が設けられた面)に一致する(図7の(a)参照)。
【0058】
降下部21Aも、降下部21Bと同じように移動する。
【0059】
このように、降下部21A,21Bは、力の印加および力の除去によって、靴設置部1A,1Bに連結された一方端を中心とした円運動を行ない、他方端が重力方向において上下に移動する。
【0060】
靴履き支援具10Aにおける靴を履く動作は、図5に示す動作のうち、降下部2A,2Bが重力方向において上下動する動作を、降下部21A,21Bが上下動する動作に代えたものである。
【0061】
靴履き支援具10Aを作製する場合、略四角形からなり、かつ、複数の凸部7が形成された鉄鋼板20をレーザを用いてカッティングし、靴設置部1A,1Bに一体的に連結された降下部21A,21Bを作製する。そして、鉄鋼板20の一方端を略L字状に曲げる。
【0062】
そして、靴ベラ3Aをリング6A,6Bによって靴ベラ支持部4Aに取り付け、靴ベラ3Bをリング6C,6Dによって靴ベラ支持部4Bに取り付ける。その後、靴ベラ3A,3Bが取り付けられた靴ベラ支持部4A,4Bを鉄鋼板20に固定する。
【0063】
これによって、靴履き支援具10Aが完成する。
【0064】
靴履き支援具10Aを用いた場合にも、靴を履く人は、靴ベラ3A,3Bを踵部41A,41Bから抜き出す動作を行なわなくても靴40A,40Bを履くことができる。
【0065】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0066】
[実施の形態3]
図8は、実施の形態3による靴履き支援具10Bの斜視図である。図8を参照して、実施の形態3による靴履き支援具10Bは、図1に示す靴履き支援具10に手摺50を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0067】
手摺50は、1対の靴設置部1A,1B、降下部2A,2B、靴ベラ3A,3Bおよび靴ベラ支持部4A,4Bに対応して鉄鋼板20に固定される。
【0068】
靴履き支援具10Bを用いて靴40A,40Bを履く場合、人は、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに靴40A,40Bを設置した後、手摺50につかまりながら、足を靴40A,40Bに入れ、実施の形態1において説明した動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0069】
したがって、靴履き支援具10Bを用いれば、老人および体の不自由な人(特に下半身が不自由な人)等は、靴40A,40Bを容易に履くことができる。
【0070】
靴履き支援具10Bを作製する場合、略四角形からなり、かつ、複数の凸部7が形成された鉄鋼板20をレーザを用いてカッティングし、降下部2A,2Bを切り出す。そして、鉄鋼板20の一方端を略L字状に曲げる。
【0071】
その後、切り出した降下部2A,2Bを蝶番5A,5B;5C,5Dによってそれぞれ靴設置部1A,1Bに連結するとともに、鉄鋼板20の裏面20Bにゴム部材6を取り付ける。
【0072】
そして、靴ベラ3Aをリング6A,6Bによって靴ベラ支持部4Aに取り付け、靴ベラ3Bをリング6C,6Dによって靴ベラ支持部4Bに取り付ける。その後、靴ベラ3A,3Bが取り付けられた靴ベラ支持部4A,4Bを鉄鋼板20に固定する。さらに、手摺50を靴設置部1A,1B、降下部2A,2B、靴ベラ3A,3Bおよび靴ベラ支持部4A,4Bに対向して鉄鋼板20に固定する。
【0073】
これによって、靴履き支援具10Bが完成する。
【0074】
なお、実施の形態3による靴履き支援具は、図6に示す靴履き支援具10Aに手摺50を追加したものであってもよい。
【0075】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0076】
[実施の形態4]
図9は、実施の形態4による靴履き支援具の斜視図である。図9を参照して、実施の形態4による靴履き支援具10Cは、図1に示す靴履き支援具10の靴ベラ支持部4A,4Bをそれぞれ靴ベラ支持部14A,14Bに代え、棒部材15、支持部材16A,16B、センサー17A,17B、モータ60および制御回路70を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0077】
靴ベラ支持部14A,14Bは、それぞれ、靴ベラ3A,3Bに直接連結される。棒部材15は、一方端が支持部材16Aによって支持され、他方端が支持部材16Bによって支持されるとともに、モータ60のシャフト61に連結される。
【0078】
センサー17A,17Bは、それぞれ、靴設置部1A,1Bに配設され、制御回路70と電気的に接続される。
【0079】
図10は、図9に示す靴ベラ支持部14Aの拡大図である。図10を参照して、靴ベラ支持部14Aは、中空の円筒構造からなり、開口部141を有する。開口部141は、靴ベラ支持部14Aの一部に設けられている。より具体的には、開口部141は、靴ベラ支持部14Aに連結された靴ベラ3Aが靴ベラ支持部14Aを中心にして所定の範囲で回転運動を自由にできるように、靴ベラ支持部14Aの周方向に形成される。
【0080】
棒部材15は、靴ベラ支持部14Aの内周部を貫通するとともに、靴ベラ支持部14Aの開口部141内を移動可能な止め具151を有する。そして、靴ベラ支持部14Aは、止め具151が開口部141の端面141Aと端面141Bとの間を移動する範囲において、棒部材15に対して自由に回転可能である。
【0081】
棒部材15が矢印13の方向へ回転し、止め具151が開口部141の端面141Aに接すると、靴ベラ支持部14Aは、棒部材15の回転に伴って矢印13の方向へ回転する。これによって、靴ベラ3Aは、棒部材15の周囲を回転可能である。
【0082】
図11は、靴ベラ3Aの回転を説明するための図である。図11を参照して、棒部材15は、止め具151が重力方向において下方向を向く位置で停止されている。また、靴ベラ3Aは、重力方向において下方向を向くように靴ベラ支持部14Aに取り付けられている。
【0083】
この状態において、靴ベラ支持部14Aは、端面141A,141Bが止め具151に接する範囲で自由に回転可能であるので、靴ベラ3Aは、靴ベラ支持部14Aが回転可能な範囲において自由に回転可能である(図11の(a)参照)。
【0084】
そして、棒部材15が矢印13の方向へ回転し、止め具151が開口部141の端面141Aに接すると、靴ベラ支持部14Aは、棒部材15の回転に伴って矢印13の方向へ回転する。そして、止め具151が矢印13の方向へ1回転するように棒部材15が回転すると、靴ベラ支持部14Aは、棒部材15の回転に伴って矢印13の方向へ1回転し、靴ベラ3Aも、矢印13の方向へ1回転する(図11の(b)参照)。
【0085】
このように、靴ベラ3Aは、棒部材15の回転に伴って1回転する。
【0086】
なお、靴ベラ支持部14Bは、靴ベラ支持部14Aと同じ構造からなり、棒部材15は、靴ベラ支持部14Bの開口部を移動可能な止め具(図示せず)を有する。したがって、靴ベラ支持部14Bは、棒部材15の回転に伴って、靴ベラ支持部14Aと同じように回転可能であり、靴ベラ3Bは、靴ベラ支持部14Bの回転に伴って1回転する。
【0087】
再び、図9を参照して、センサー17Aは、靴40Aが靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置されると、靴40Aの設置を検出し、靴40Aが設置されたことを示す信号を生成して制御回路70へ出力する。また、センサー17Bは、靴40Bが靴設置部1Bおよび降下部2Bに設置されると、靴40Bの設置を検出し、靴40Bが設置されたことを示す信号を生成して制御回路70へ出力する。
【0088】
制御回路70は、センサー17A,17Bからそれぞれ靴40A,40Bが設置されたことを示す信号を受けると、シャフト61を矢印13の方向へ1回転させるようにモータ60を制御する。
【0089】
モータ60は、制御回路70からの制御に応じて、シャフト61を矢印13の方向へ1回転させる。これによって、靴ベラ3A,3Bは、上述した機構によって、それぞれ、棒部材15の周りを矢印13の方向へ1回転する。
【0090】
このように、靴履き支援具10Cにおいては、靴40A,40Bの靴設置部1A,1Bへの設置が検出されると、靴ベラ3A,3Bが自動的に棒部材15の周りに1回転する。
【0091】
図5の(a)に示す態様で、靴40A,40Bが靴履き支援具10Cの靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに設置されると、靴ベラ3A,3Bは、矢印13の方向へ1回転し、その先端部が靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部へ入る。つまり、靴履き支援具10Cを用いて靴40A,40Bを履く人は、靴40A,40Bを靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに設置するだけで、靴ベラ3A,3Bの先端部がそれぞれ靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部に入った状態(図5の(b)の状態)になる。
【0092】
したがって、靴40A,40Bを履く人は、その後、実施の形態1で説明したように足を靴40A,40Bに入れ、重心を踵部41A,41Bへ移動させるだけ、靴ベラ3A,3Bが踵部41A,41Bから抜け、容易に靴40A,40Bを履くことができる。
【0093】
つまり、靴を履く人は、靴履き支援具10Cを用いる場合、靴ベラ3A,3Bを靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部へ入れる動作をしなくても、靴ベラ3A,3Bを用いて足を靴40A,40Bに入れるとともに、靴ベラ3A,3Bを踵部41A,41Bから抜き出すことができる。
【0094】
なお、実施の形態4による靴履き支援具は、靴履き支援具10A,10Bの靴ベラ支持部4A、4Bを靴ベラ支持部14A,14Bに代え、棒部材15、支持部材16A,16B、センサー17A,17A、モータ60および制御回路70を追加したものであってもよい。
【0095】
また、実施の形態4においては、センサー17A,17B、制御回路70、モータ60および棒部材15は、靴40A,40Bが靴設置部1A,1Bに設置されると、靴ベラ3A,3Bの少なくとも先端部を靴40A,40Bの踵部41A,41Bの内部へ入れる「靴ベラ設定手段」を構成する。
【0096】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0097】
[実施の形態5]
図12は、実施の形態5による靴履き支援具の斜視図である。図12を参照して、実施の形態5による靴履き支援具10Dは、図1に示す靴履き支援具10の靴設置部1B、降下部2B、靴ベラ3Bおよび靴ベラ支持部4Bを削除したものであり、その他は、靴履き支援具10と同じである。
【0098】
すなわち、靴履き支援具10Dは、1足の靴40A,40Bを片方の靴ごとに順次履くときに用いられる靴履き支援具である。
【0099】
靴履き支援具10Dを用いて靴40A,40Bを履く場合、まず、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置し、靴ベラ3Aの先端部を靴40Aの踵部41Aに入れる。そして、足の先端を靴40Aの内部に入れ、靴ベラ3Aを用いて足の踵を滑らせながら重心を踵部41Aに掛ける。
【0100】
そうすると、降下部2Aが重力方向において降下し、靴ベラ3Aが踵部41Aから抜ける。そして、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aが移動させ、靴40Bを靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置する。
【0101】
その後、靴40Aを履いた動作と同じ動作によって靴40Bを履く。これによって、靴ベラ3Aを踵部41A,41Bから抜き出す動作を行なわなくても、1足の靴40A,40Bを履くことができる。
【0102】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0103】
[実施の形態6]
図13は、実施の形態6による靴履き支援具の斜視図である。図13を参照して、実施の形態6による靴履き支援具10Eは、図12に示す靴履き支援具10Dに手摺50Aを追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Dと同じである。
【0104】
手摺50Aは、靴設置部1A、降下部2A、靴ベラ3Aおよび靴ベラ支持部4Aに対向して鉄鋼板20に固定される。
【0105】
靴履き支援具10Eを用いれば、靴40A,40Bを履く人は、手摺50Aにつかまりながら、実施の形態5において説明した動作と同じ動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0106】
その他は、実施の形態1,5と同じである。
【0107】
[実施の形態7]
図14は、実施の形態7による靴履き支援具の斜視図である。図7を参照して、実施の形態7による靴履き支援具10Fは、靴履き支援具111〜11m(mは、3以上の整数)からなる。m個の靴履き支援具111〜11mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0108】
m個の靴履き支援具111〜11mの各々は、図1に示す靴履き支援具10からなる。したがって、m個の靴履き支援具111〜11mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10を用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0109】
靴履き支援具10Fを用いれば、m人の人が同時に靴を履くことができる。
【0110】
なお、実施の形態7においては、m個の靴履き支援具111〜11mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0111】
また、実施の形態7においては、m個の靴履き支援具111〜11mの各々は、図12に示す靴履き支援具10Dからなっていてもよい。
【0112】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0113】
[実施の形態8]
図15は、実施の形態8による靴履き支援具の斜視図である。図15を参照して、実施の形態8による靴履き支援具10Gは、m個の靴履き支援具121〜12mからなる。m個の靴履き支援具121〜12mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0114】
m個の靴履き支援具121〜12mの各々は、図8に示す靴履き支援具10Bからなる。したがって、m個の靴履き支援具121〜12mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10Bを用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0115】
靴履き支援具10Gを用いれば、m人の人が手摺50につかまりながら同時に靴40A,40Bを履くことができる。
【0116】
なお、実施の形態8においては、m個の靴履き支援具121〜12mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0117】
また、実施の形態8においては、m個の靴履き支援具121〜12mの各々は、図13に示す靴履き支援具10Eからなっていてもよい。
【0118】
その他は、実施の形態1,3と同じである。
【0119】
[実施の形態9]
図16は、実施の形態9による靴履き支援具の斜視図である。図16を参照して、実施の形態9による靴履き支援具10Hは、図12に示す靴履き支援具10Dから靴ベラ3A、靴ベラ支持部4Aおよびリング6A,6Bを削除したものであり、その他は、靴履き支援具10Dと同じである。
【0120】
図17は、図16に示す靴履き支援具10Hを用いて靴を履く動作を説明するための図である。図17を参照して、靴40Aを履く人は、靴40Aを靴設置部1Aおよび降下部2Aに配置する(図17の(a)参照)。
【0121】
そして、靴40Aを履く人は、靴ベラ33を靴40Aの踵部41Aの内部に入れる(図17の(b)参照)。この場合、靴40Aを履く人は、靴ベラ3A,3Bよりも長い靴ベラ33を使用するのが好ましい。
【0122】
この状態で、靴40Aを履く人は、靴ベラ33を利用して靴40Aを履く。この場合、靴40Aを履く人は、重心を足のつま先の方へ移動させながら足を靴40Aに入れ、その後、踵を靴ベラ33で滑らせながら重心を後方へ移動させて足を靴40Aの内部に入れる。
【0123】
そうすると、靴40Aの踵部41Aに力が印加され、降下部2Aは、踵部41Aから設置面30に向かう力を受け、図3において説明したように、その他方端が矢印9の方向へ移動して降下する。その結果、靴ベラ33は、踵部41Aから抜ける(図17の(c)参照)。
【0124】
これによって、人は、靴ベラ33を靴40A(踵部41A)から抜き出す動作を行なわなくても靴40Aを履くことができる。すなわち、靴を履く人は、靴ベラ33を引っ張って靴40Aから靴ベラ33を抜き出さなくても、靴ベラ33を支えるだけで靴ベラ33が靴40A(踵部41A)から抜け出す。
【0125】
そして、靴を履く人は、靴40Aを履き終わった後、靴40Aを靴履き支援具10Hから離すと、降下部2Aは、印加されていた力が除去され、ゴム部材6の収縮力によって元の位置に戻る。
【0126】
その後、靴を履く人は、靴40Bを靴設置部1Aおよび降下部2Aに設置して、靴40Aを履いたときの動作と同じ動作に従って靴40Bを履く。
【0127】
したがって、各人は、靴履き支援具10Hを繰り返し使用して靴40A,40Bを履くことができる。
【0128】
その他は、実施の形態5と同じである。
【0129】
[実施の形態10]
図18は、実施の形態10による靴履き支援具の斜視図である。図18を参照して、実施の形態10による靴履き支援具10Iは、図16に示す靴履き支援具10Hに靴設置部1Bおよび降下部2Bを追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Hと同じである。
【0130】
靴履き支援具10Iを用いて靴40A,40Bを履く場合、1対の靴40A,40Bを同時に靴履き支援具10Iに設置し、図17において説明した動作を靴40A,40Bの各々について、順次、実行して1対の靴40A,40Bを履く。
【0131】
その他は、実施の形態9と同じである。
【0132】
[実施の形態11]
図19は、実施の形態11による靴履き支援具の斜視図である。図19を参照して、実施の形態11による靴履き支援具10Jは、m個の靴履き支援具131〜13mからなる。そして、m個の靴履き支援具131〜13mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0133】
m個の靴履き支援具131〜13mの各々は、図18に示す靴履き支援具10Iからなる。したがって、m個の靴履き支援具131〜13mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10Iを用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0134】
靴履き支援具10Jを用いれば、m人の人が同時に靴40A,40Bを履くことができる。
【0135】
なお、実施の形態11においては、m個の靴履き支援具131〜13mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0136】
その他は、実施の形態10と同じである。
【0137】
[実施の形態12]
図20は、実施の形態12による靴履き支援具の斜視図である。図20を参照して、実施の形態12による靴履き支援具10Kは、図16に示す靴履き支援具10Hに手摺50を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Hと同じである。
【0138】
手摺50は、靴設置部1Aおよび降下部2Aに対向して鉄鋼板20に固定される。
【0139】
靴履き支援具10Kを用いれば、靴40A,40Bを履く人は、手摺50につかまりながら、実施の形態9において説明した動作と同じ動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0140】
その他は、実施の形態9と同じである。
【0141】
[実施の形態13]
図21は、実施の形態13による靴履き支援具の斜視図である。図21を参照して、実施の形態13による靴履き支援具10Lは、図18に示す靴履き支援具10Iに手摺50を追加したものであり、その他は、靴履き支援具10Iと同じである。
【0142】
手摺50は、靴設置部1A,1Bおよび降下部2A,2Bに対向して鉄鋼板20に固定される。
【0143】
靴履き支援具10Lを用いれば、靴40A,40Bを履く人は、手摺50につかまりながら、実施の形態10において説明した動作と同じ動作によって靴40A,40Bを履くことができる。
【0144】
その他は、実施の形態10と同じである。
【0145】
[実施の形態14]
図22は、実施の形態14による靴履き支援具の斜視図である。図22を参照して、実施の形態14による靴履き支援具10Mは、m個の靴履き支援具161〜16mからなる。m個の靴履き支援具161〜16mは、凸部7が形成された鉄鋼板110に直線状に形成される。
【0146】
m個の靴履き支援具161〜16mの各々は、図21に示す靴履き支援具10Lからなる。したがって、m個の靴履き支援具161〜16mの各々を用いて靴40A,40Bを履く動作は、靴履き支援具10Lを用いて靴40A,40Bを履く動作と同じである。
【0147】
靴履き支援具10Mを用いれば、m人の人が手摺50につかまりながら靴40A,40Bを履くことができる。
【0148】
なお、実施の形態14においては、m個の靴履き支援具161〜16mは、直線状に配列されていなくてもよく、たとえば、ループ状に配列されていてもよく、碁盤目状に配列されていてもよい。
【0149】
その他は、実施の形態13と同じである。
【0150】
[実施の形態15]
図23は、実施の形態15による靴履き支援具の斜視図である。図23を参照して、実施の形態15による靴履き支援具10Nは、図16に示す靴履き支援具10Hの降下部2Aを降下部221Aに代え、ゴム部材6を削除したものであり、その他は、靴履き支援具10Hと同じである。
【0151】
降下部221Aは、図2に示す態様で蝶番5A,5Bによって靴設置部1Aに連結される。
【0152】
靴履き支援具10Nにおいては、ゴム部材6(図2参照)が削除されているので、降下部221Aは、蝶番5A,5Bによって連結された一方端と異なる他方端が常に設置面30に接触している。
【0153】
靴履き支援具10Nを用いて靴40Aを履く場合、靴40Aを靴設置部1Aに設置する。この場合、靴40Aの踵部41Aと降下部221Aとの間には、空洞部が形成されている。すなわち、空洞部は、靴40Aの踵部41Aに対応して設けられている。
【0154】
この状態で、靴ベラ33を靴40Aの踵部41Aの内部に入れる。そして、靴40Aを履く人は、重心を足のつま先の方へ移動させながら足を靴40Aに入れ、その後、踵を靴ベラ33で滑らせながら重心を後方へ移動させて足を靴40Aの内部に入れる。
【0155】
そうすると、靴40Aの踵部41Aに力が印加され、踵部41Aは、降下部221Aとの間の空洞を降下部221の方へ移動して降下する。その結果、靴ベラ33は、踵部41Aから抜ける(図17の(c9)参照)。
【0156】
これによって、人は、靴ベラ33を靴40A(踵部41A)から抜き出す動作を行なわなくても靴40Aを履くことができる。すなわち、靴を履く人は、靴ベラ33を引っ張って靴40Aから靴ベラ33を抜き出さなくても、靴ベラ33を支えるだけで靴ベラ33が靴40A(踵部41A)から抜け出す。
【0157】
そして、靴を履く人は、靴40Aを履き終わった後、靴40Aを靴履き支援具10Nから離し、靴40Bを靴設置部1Aに設置して、靴40Aを履いたときの動作と同じ動作に従って靴40Bを履く。
【0158】
したがって、各人は、靴履き支援具10Nを繰り返し使用して靴40A,40Bを履くことができる。
【0159】
実施の形態15による靴履き支援具は、複数の靴履き支援具10Nを直線状等に配列した構造からなっていてもよいし、靴履き支援具10Nに手摺50を追加したものであってもよいし、靴ベラ3Aおよび靴ベラ支持部4Aを靴履き支援具10Nに追加したものであってもよいし、靴ベラ3A、靴ベラ支持部4Aおよび手摺50を靴履き支援具10Nに追加したものであってもよい。
【0160】
また、実施の形態15による靴履き支援具は、実施の形態4において説明したように、靴40A(または40B)を靴設置部1Aに設置すると、靴ベラ3Aが自動的に靴40Aの踵部41Aに入る機構を靴履き支援具10Nに追加したものであってもよいし、靴ベラ3Aが自動的に靴40Aの踵部41Aに入る機構と手摺50とを靴履き支援具10Nに追加したものであってもよい。
【0161】
このように、実施の形態15においては、上述した実施の形態1〜実施の形態14を適宜組み合わせて靴履き支援具を構成してもよい。
【0162】
なお、上述した実施の形態5〜実施の形態14においては、降下部2Aまたは降下部2A,2Bに代えて降下部21Aまたは降下部21A,21Bを用いてもよい。この場合、ゴム部材6は、削除される。
【0163】
また、上記においては、鉄鋼板20,110を用いて靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nを作製すると説明したが、この発明においては、これに限らず、鉄鋼板以外の材料、たとえば、プラスチック等を用いて靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nを作製してもよい。
【0164】
さらに、上記においては、鉄鋼板20,110の表面には、凸部7が形成されていると説明したが、この発明においては、これに限らず、凸部7以外の滑り防止部材が鉄鋼板20,110の表面に形成されていてもよい。
【0165】
さらに、この発明においては、凸部7が形成されていない鉄鋼板を用いて靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nを作製してもよい。
【0166】
さらに、この発明においては、上述した手摺50,50Aを上下方向へ伸縮可能にしてもよい。これにより、子供および大人等、身長の異なる人が靴履き支援具を用いる場合、その人の身長に合わせて手摺50,50Aの高さを調整して靴履き支援具を用いることができる。
【0167】
さらに、この発明による靴履き支援具は、一般的に、n(nは正の整数)対の靴設置部1A,1Bと、n対の降下部2A,2B(または降下部21A,21Bまたは降下部221A,221B)とから構成されていればよい。
【0168】
さらに、この発明による靴履き支援具は、一般的に、n個の靴設置部1Aと、n個の降下部2A(または降下部21Aまたは降下部221A)とから構成されていればよい。
【0169】
上述した靴履き支援具10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10Nは、家庭、会合場所、福祉施設、および病院等に設置される。
【0170】
その結果、各場所において、各人がスムーズに靴を履くことができる。特に、高齢者および体の不自由な人は、負担を軽減して靴を履くことができる。
【0171】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0172】
この発明は、靴を履く人が靴ベラを靴の内部から抜き出す動作を行なわずに靴を履くことが可能な靴履き支援具に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】この発明の実施の形態1による靴履き支援具の斜視図である。
【図2】図1に示す靴履き支援具を設置面側から見たときの平面図である。
【図3】図1に示すA方向から見た靴履き支援具の側面図である。
【図4】図1に示す靴履き支援具を鉄鋼板の表面側から見た平面図である。
【図5】図1に示す靴履き支援具を用いて靴を履く動作を説明するための図である。
【図6】実施の形態2による靴履き支援具の斜視図である。
【図7】図6に示すB方向から見た靴履き支援具の側面図である。
【図8】実施の形態3による靴履き支援具の斜視図である。
【図9】実施の形態4による靴履き支援具の斜視図である。
【図10】図9に示す靴ベラ支持部の拡大図である。
【図11】靴ベラの回転を説明するための図である。
【図12】実施の形態5による靴履き支援具の斜視図である。
【図13】実施の形態6による靴履き支援具の斜視図である。
【図14】実施の形態7による靴履き支援具の斜視図である。
【図15】実施の形態8による靴履き支援具の斜視図である。
【図16】実施の形態9による靴履き支援具の斜視図である。
【図17】図16に示す靴履き支援具を用いて靴を履く動作を説明するための図である。
【図18】実施の形態10による靴履き支援具の斜視図である。
【図19】実施の形態11による靴履き支援具の斜視図である。
【図20】実施の形態12による靴履き支援具の斜視図である。
【図21】実施の形態13による靴履き支援具の斜視図である。
【図22】実施の形態14による靴履き支援具の斜視図である。
【図23】実施の形態15による靴履き支援具の斜視図である。
【符号の説明】
【0174】
1,1A,1B 靴設置部、2,2A,2B,21A,21B,221A 降下部、3,3A,3B,33 靴ベラ、4,4A,4B,14A,14B 靴ベラ支持部、5A,5B,5C,5D 蝶番、6 ゴム部材、6A,6B,6C,6D リング、7 凸部、8A,8B 空間部、9,11〜13 矢印、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M,10N,111〜11m,121〜12m,131〜13m,161〜16m 靴履き支援具、15 棒部材、16A,16B 支持部材、17A,17B センサー、20 鉄鋼板、20A 表面、20B 裏面、30 設置面、40A,40B 靴、41A,41B 踵部、42A,42B 本体部、50,50A 手摺、60 モータ、61 シャフト、70 制御回路、141 開口部、141A,141B 端面、151 止め具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴の踵部に対応して設けられ、前記靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて前記靴の踵部が前記略重力方向に降下するための空洞部と、
前記靴の踵部以外の部位に対応して設けられた靴設置部とを備える靴履き支援具。
【請求項2】
前記靴設置部および前記空洞部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる、請求項1に記載の靴履き支援具。
【請求項3】
靴の踵部に対応して設けられ、前記靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて前記靴の踵部を前記略重力方向に降下させる降下部と、
前記靴の踵部以外の部位に対応して設けられた靴設置部とを備える靴履き支援具。
【請求項4】
前記靴設置部および前記降下部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる、請求項3に記載の靴履き支援具。
【請求項5】
靴ベラと、
前記靴ベラの少なくとも先端部が前記靴設置部に設置された靴の踵部の内部に入るように前記靴ベラを支持する靴ベラ支持部とをさらに備える、請求項3に記載の靴履き支援具。
【請求項6】
前記靴ベラ支持部は、前記靴の踵部が前記略重力方向へ降下すると、前記靴ベラが前記靴の踵部から抜けるように前記靴ベラを支持する、請求項5に記載の靴履き支援具。
【請求項7】
前記靴設置部、前記降下部、前記靴ベラおよび前記靴ベラ支持部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる、請求項5または請求項6に記載の靴履き支援具。
【請求項8】
前記靴が前記靴設置部に設置されると、前記靴ベラの少なくとも先端部を前記靴の踵部の内部へ入れる靴ベラ設定手段をさらに備える、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項9】
前記降下部および前記靴設置部の各々は、平板部材からなり、
前記降下部は、蝶番によって前記靴設置部に連結される、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項10】
前記靴の踵部が前記略重力方向へ降下し、かつ、前記靴が前記靴設置部から離れると、前記降下部の面内方向が前記靴設置部の面内方向に略一致するように前記降下部を上昇させる上昇手段をさらに備える、請求項9に記載の靴履き支援具。
【請求項11】
前記降下部は、前記靴設置部と一体的に設けられ、
前記降下部および前記靴設置部は、弾力性を有する金属板からなる、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項12】
前記靴設置部および前記降下部の表面に設けられ、前記靴の滑りを防止する滑り防止部材をさらに備える、請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項13】
人がつかまるための手摺部をさらに備える請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項14】
前記手摺部は、重力方向において、上下方向へ移動可能である、請求項13に記載の靴履き支援具。
【請求項1】
靴の踵部に対応して設けられ、前記靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて前記靴の踵部が前記略重力方向に降下するための空洞部と、
前記靴の踵部以外の部位に対応して設けられた靴設置部とを備える靴履き支援具。
【請求項2】
前記靴設置部および前記空洞部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる、請求項1に記載の靴履き支援具。
【請求項3】
靴の踵部に対応して設けられ、前記靴の踵部に略重力方向の力が印加されることに応じて前記靴の踵部を前記略重力方向に降下させる降下部と、
前記靴の踵部以外の部位に対応して設けられた靴設置部とを備える靴履き支援具。
【請求項4】
前記靴設置部および前記降下部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる、請求項3に記載の靴履き支援具。
【請求項5】
靴ベラと、
前記靴ベラの少なくとも先端部が前記靴設置部に設置された靴の踵部の内部に入るように前記靴ベラを支持する靴ベラ支持部とをさらに備える、請求項3に記載の靴履き支援具。
【請求項6】
前記靴ベラ支持部は、前記靴の踵部が前記略重力方向へ降下すると、前記靴ベラが前記靴の踵部から抜けるように前記靴ベラを支持する、請求項5に記載の靴履き支援具。
【請求項7】
前記靴設置部、前記降下部、前記靴ベラおよび前記靴ベラ支持部の各々は、n(nは正の整数)対の靴に対応して設けられる、請求項5または請求項6に記載の靴履き支援具。
【請求項8】
前記靴が前記靴設置部に設置されると、前記靴ベラの少なくとも先端部を前記靴の踵部の内部へ入れる靴ベラ設定手段をさらに備える、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項9】
前記降下部および前記靴設置部の各々は、平板部材からなり、
前記降下部は、蝶番によって前記靴設置部に連結される、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項10】
前記靴の踵部が前記略重力方向へ降下し、かつ、前記靴が前記靴設置部から離れると、前記降下部の面内方向が前記靴設置部の面内方向に略一致するように前記降下部を上昇させる上昇手段をさらに備える、請求項9に記載の靴履き支援具。
【請求項11】
前記降下部は、前記靴設置部と一体的に設けられ、
前記降下部および前記靴設置部は、弾力性を有する金属板からなる、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項12】
前記靴設置部および前記降下部の表面に設けられ、前記靴の滑りを防止する滑り防止部材をさらに備える、請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項13】
人がつかまるための手摺部をさらに備える請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の靴履き支援具。
【請求項14】
前記手摺部は、重力方向において、上下方向へ移動可能である、請求項13に記載の靴履き支援具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−136038(P2007−136038A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336843(P2005−336843)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(505057288)株式会社ナカハラ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(505057288)株式会社ナカハラ (5)
【Fターム(参考)】
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