説明

鞄用持ち手

【課題】鞄用持ち手を厚さの厚い鞄から薄い鞄にまで取付けることができる汎用性の広い構造とし、鞄内の収納物の重量バランスを均等に保つことができ、さらに鞄に対する横からの衝撃を緩和することができるようにした鞄用持ち手を提供する。
【解決手段】鞄2を左右に開く開口部3の左右各側2a、2bに別体で設けられた第1のハンドル4と第2のハンドル5が夫々、把持部7、8と、該把持部の両端に設けられた脚部6、6…とから構成され、夫々の把持部が互いに着脱自在に結合されることによって合体する構造の鞄用持ち手1において、各脚部6、6…の途中にヒンジ構造による接続部31が設けられ、該接続部31の下方に、鞄2の厚さ方向へ自在に回動する下脚部9、9…が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞄を左右に開く開口部の各側に持ち手が別体に設けられ、この左右の持ち手を結合して合体し、又は結合を解除するようにした鞄用持ち手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、鞄を左右に開く開口部の各側に持ち手を別体で設け、この持ち手を合体した状態で握るようにした鞄用持ち手が知られている。このような鞄用持ち手に関連する従来技術として、特許文献1に記載されている鞄用把手を参照する。その構造は、鞄を左右に開く開口部の各側に設けられた持ち手と連結部材とからなり、持ち手は鞄の開口部のそれぞれの左右両側に設けられた連結部材の一端部に一定範囲で回動可能に取り付けられている。
【0003】
また、連結部材の他端部は、一方の持ち手の内側面に設けられた凸部と、他方の持ち手の内側面に設けられた凹部とが係合すると共に、一方の持ち手に磁石を備え、この磁石によって一方の持ち手を他方の持ち手に付着させるようにしている。
【0004】
ところが、上記のように磁石を用いて一方の持ち手を他方の持ち手に結合する構造では、その結合力に限界があり、磁石による結合状態を解除するような強い力が作用したとき、鞄の開口部が開いてしまうという不都合が生じる。
【0005】
そこで、このような不都合を解消するために、本出願人は、特許文献2に示す鞄用持ち手を案出した。その構造は、夫々別体に形成した第1のハンドルの内側面と第2のハンドルの内側面とを対面して合体することにより、第1のハンドルの内側面に設けられた凸部が第2のハンドルの内側面に設けられた嵌合穴に嵌合される。このとき、第1のハンドルの内側面に設けられた移動片の爪が第2のハンドルの内側面に設けられた溝に係止されることによって、第1のハンドルと第2のハンドルとの結合状態が維持される。また、第1のハンドルの内側面の移動片に形成されたボタンを押し込むと、第1のハンドルの爪が第2のハンドルの溝から解除され、第1のハンドルと第2のハンドルとの結合状態が離脱される。
【0006】
このような特許文献2の鞄用持ち手は、第1のハンドルと第2のハンドルとを嵌め込む操作とボタンを押込む操作によって、第1のハンドルと第2のハンドルとを合体し、又は解除を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3093160号公報
【特許文献2】特開2008−142117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の特許文献2の鞄用持ち手の改良に係るものである。即ち、特許文献2の鞄用持ち手のように、鞄を左右に開く開口部の各側に設けられた別体のハンドルを合体する構造の場合、ハンドル幅を鞄の厚さの変化に対応し得る構造とするのが望ましい。また、鞄の内部に収容した荷物の重さに偏りがある場合、ハンドルを手で持ったときの鞄の重両バランスが取り難いという不都合が生じる。さらには、ハンドルを手で持った状態で鞄の側方から衝撃が加えられた場合、この衝撃を緩和し得る構造とするのが望ましい。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、鞄用持ち手を厚さの厚い鞄から薄い鞄にまで取付けることができる汎用性の広い構造とし、鞄内の収納物の重量バランスを均等に保つことができ、さらに鞄に対する横からの衝撃を緩和することができるようにした鞄用持ち手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載された鞄用持ち手は、鞄を左右に開く開口部の左右各側に別体で設けられた第1のハンドルと第2のハンドルが夫々、把持部と、該把持部の両端に設けられた脚部とから構成され、夫々の把持部が互いに着脱自在に結合されることによって合体する構造の鞄用持ち手において、各脚部の途中にヒンジ構造による接続部が設けられ、該接続部の下方に、鞄の厚さ方向へ自在に回動する下脚部が設けられたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2の鞄用持ち手は、請求項1において、各脚部における下脚部の下端に挿通孔が形成され、該挿通孔に帯状連結部材を装着し、該帯状連結部材の下端を鞄の左右各側に結合したことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の請求項3の鞄用持ち手は、請求項1又は2において、第1のハンドルの内側面に設けられた凸部を第2のハンドルの内側面に設けられた嵌合穴に嵌合することによって各ハンドルが位置合わせされた状態で合体され、第1のハンドルの内側に形成された横長凹溝に移動片が摺動自在に嵌合され、該移動片の一端がバネで横長凹溝の長手方向に付勢されると共に、移動片の他端に形成されたボタンが第1のハンドルの端部からバネの付勢力に抗して押し込み自在に突出され、第1のハンドルの移動片の面内に爪を有する穴部が形成されると共に、第2のハンドルの内側板に溝付き凸部が設けられ、穴部の爪が溝付き凸部の溝に係止されることによって第1のハンドルと第2のハンドルとの結合状態が維持される一方、移動片のボタンをバネの付勢力に抗して押し込むことによって穴部の爪が溝付き凸部の溝に係止された状態から解除されるように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の鞄用持ち手は、各脚部の途中に設けられたヒンジ構造による接続部の下方の下脚部が鞄の厚さ方向へ自在に回動するように構成されている。このような構成によって、各脚部における下脚部が鞄の厚さに応じて柔軟に回動するため、鞄の開口部の左右各側に別体で設けられた第1のハンドルと第2のハンドルが鞄の開口部の左右各側の広がり具合に応じて自在に開脚する。従って、本発明の鞄用持ち手は、厚さの厚い鞄から薄い鞄にまで広い範囲で取付けることができ、また鞄の内部に収納した物のために鞄の開口部が左右に広がっても柔軟に対応することができ、汎用性の広い鞄用持ち手として利用することが可能となる。
【0014】
また、本発明の鞄用持ち手は、鞄内に収容した物の重量バランスに偏りが生じた場合でも、各脚部の下脚部が鞄の厚さ方向へ自在に回動するため、各下脚部が鞄内の重量の偏りに応じて回動することにより、鞄内の重量の偏りを緩和することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の鞄用持ち手は、上記のように各脚部の下脚部が鞄の厚さ方向へ自在に回動するため、第1のハンドルと第2のハンドルの各把持部を合体した状態でこの把持部を手で握り持ったとき、鞄に対して横から衝撃が加えられた場合でも、この衝撃を緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による鞄用持ち手を鞄に取付けた状況を示す斜視図である。
【図2】本発明による鞄用持ち手の側面図である。
【図3】(a)は本発明による鞄用持ち手の正面図であり、(b)は上面図であり、(c)は左右の第1のハンドルと第2のハンドルに分離した状態を示す上面図である。
【図4】(a−1)は本発明による鞄用持ち手の第1のハンドルの内側面を示す図であり、(a−2)は第1のハンドルの部分断面図であり、(b−1)は第2のハンドルの内側面を示す図であり、(b−2)は第2のハンドルの部分断面図である。
【図5】(a)は本発明による鞄用持ち手の第1のハンドルの分解図であり、(b)は第1のハンドルの組立て後の内側面を示す図であり、移動片のボタンを押圧する前の状況を示す。
【図6】(a)は本発明による鞄用持ち手の第2のハンドルの分解図であり、(b)は第2のハンドルの組立て後の内側面を示す図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明による鞄用持ち手の第1のハンドルと第2のハンドルを結合し合体する操作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0018】
本実施例の鞄用持ち手1は、図1に示すように、鞄2を左右に開く開口部3の左右各側02a、2bに別体で設けられた第1のハンドル4と第2のハンドル5とから構成され、各ハンドル4、5は把持部7、8とその両端に脚部6、6…が形成されている。このような第1のハンドル4と第2のハンドル5は、金属又は合成樹脂材料等によって形成することが可能である。また、図2に示すように、第1のハンドル4と第2のハンドル5は、夫々外形がほぼ対称形状に形成されると共に、図4(a−2)、(b−2)に示すように夫々の把持部7、8の断面形状が略半円形に形成されている。このような構成により、図3(b)に示すように各ハンドル4、5の内側面を合致させることによって、図2に示すように手で握りやすい略円形断面の把持部7、8となる。
【0019】
さらに本実施例の鞄用持ち手においては、図2に示すように、左右のハンドル、即ち第1のハンドル4と第2のハンドル5の各脚部6、6…が鞄2の厚さ方向へ互いに開脚状態に形成されると共に、各脚部6、6…の途中に設けられたヒンジ構造による接続部31の下方の下脚部9、9…が鞄2の厚さ方向へ自在に回動するように構成されている。
【0020】
このような構造をより詳細に説明すると、図3(a)に示すように、例えば第1のハンドル4の把持部7の両端から脚部6、6が湾曲を成しながら垂下状に形成されている。各脚部6、6は夫々同様の構成を有し、接続部31を境にして上方の上脚部6aと下方の下脚部9とがヒンジ構造による接続部31により接続され、下脚部9が接続部31によって鞄2の厚さ方向へ自在に回動する構造とされている。
【0021】
接続部31の具体的構造としては、図3(a)に示すように、下脚部9の上端に凸部40が形成され、該凸部40が上脚部6aの下端に形成された凹部41に嵌合され、これらの凸部40と凹部41が貫通孔43に挿着されたピン42により連結されている。このような構成によって、図2に示すように、接続部31のピン42を中心に、下脚部9が鞄2の厚さ方向へ自在に回動することが可能となる。
【0022】
なお、図3(a)に示す各下脚部9の凸部40の両側に形成された平端部9a、9aは、図2に示すように、上脚部6aの下端湾曲部6bに接する傾斜状に形成され、下脚部9が回動したとき、傾斜状の平坦部9aが下端湾曲形状6bに当ることによって、下脚部9の回動角度を規制するようにしている。
【0023】
また、図3〜図6に示すように、各ハンドル4、5の夫々の脚部6の下端、即ち下脚部9の下端は横長の幅広部39に形成され、この幅広部39に帯状連結部材10(図1参照)を挿着する挿通穴11が形成されている。このような構成により、図1に示すように、各ハンドル4、5の夫々の幅広部39における挿通穴11に帯状連結部材10を挿入して下方へ折曲する。この帯状連結部材10の両端を鞄2の開口部3の左右各側2a、2bに縫着又は鋲等、さらにその他の手段で固着することにより、夫々の脚部6、6…の下端、即ち下脚部9の下端が鞄2の左右各側2a、2bに固定される。このような構成において、鞄2の左右各側2a、2bに固定された各帯状連結部材10、10…に対して、各脚部9、9…の下脚部6、6…は自在に回動することが可能である。
【0024】
上記の構成により、各脚部6、6…における下脚部9、9…が鞄2の厚さに応じて柔軟に回動するため、鞄2の左右各側2a、2bの広がり具合に応じて自在に開脚する。また、鞄2内に収容した物の重量バランスに偏りが生じた場合でも、各脚部6、6…の下脚部9、9…が鞄2の厚さ方向へ自在に回動するため、各下脚部9、9…が鞄2内の重量の偏りに応じて回動することにより、鞄2内の重量の偏りを緩和することが可能となる。
【0025】
また、本実施例の鞄用持ち手1は、各脚部6、6…の下脚部6、6…が鞄2の厚さ方向へ自在に回動するため、第1のハンドル4と第2のハンドル5の各把持部7、8を合体した状態でこの把持部7、8を手で握り持ったとき、鞄2に対して横から衝撃が加えられた場合でも、この衝撃を緩和することが可能となる。
【0026】
次に本実施例における鞄用持ち手1の内部構造について説明する。図5(a)、(b)に示すように、第1のハンドル4の内側面には、その内側板12aを支持する段差溝13aと、この段差溝13aの内側に移動片14を摺動自在に支持する凹溝15aと、その中央に中溝16aとが形成されている。また、図5(a)の左側端部に示すように、凹溝15aには移動片14のボタン17を挿通するための案内溝18が形成されている。さらに、段差溝13aの右側端部にはコイルバネ19の一端を挿着するバネ溝20が形成されている。
【0027】
このような構造において、横長の凹溝15aは移動片14の本体部14aよりも長手方向にやや長形に形成され、図5(b)に示すように、凹溝15aに移動片14の本体部14aを嵌合したとき、該本体部14aを凹溝15aの長手方向に沿って小幅だけ移動することが可能とされている。
【0028】
上記の移動片14は、図5(a)に示すように、長方形状の本体部14aと該本体部14aの左端から細幅の板形状に延長されてなるボタン17とから成り、本体部14aの右端には上記のコイルバネ19の他端を係止するバネ係止部21が設けられている。また、この移動片14の本体部14aの面内には、矩形の穴部22と該穴部22の右端に形成された爪23との組み合わせ構造が左右に離間して2組設けられ、爪23は、図7(a)に示すように、第1のハンドル4の内側面から外側へ突出する形状とされ、また爪23の先端部には傾斜辺23aが形成されている。
【0029】
このような形状の移動片14の本体部14aが、図5(b)に示すように第1のハンドル4の凹溝15aに嵌合されることにより、移動片14はコイルバネ19の弾性力によって案内溝18の方向へ付勢され、通常の状態で、移動片14のボタン17は、第1のハンドル4の端部からやや突出した状況を呈する状態となる。
【0030】
なお、図7(a)に示すように、第1のハンドル4の案内溝18には段部18aが形成され、移動片14のボタン17との境界に形成された折曲部17aがコイルバネ19の不勢力によって段部18aに当接することにより、移動片14が案内溝18方向へ移動する量を規制するように構成されている。
【0031】
さらに、図5(a)に示すように、第1のハンドル4の内側板12aは、第1のハンドル4の段差溝13aに嵌合される長方形状を有し、その面内には、上記の移動片14の左右の穴部22、22と爪23、23とが形成された位置に対応して、案内穴24、24と各案内穴24の左端に連続して開口した案内凹部25、25とが離間して2組形成されている。また、これら2組の案内穴24と案内凹部25との形成位置から夫々図示の右方に離間して、2個の角形の凸部26、26が外側へ向けて突出形成されている(図3(c)参照)。
【0032】
この第1のハンドル4の内側板12aは、その四方に設けられた貫通穴に挿通されたネジ27、27…を上記の段差溝13aの四方に形成されたネジ穴28、28…に螺入することによって、図5(b)に示すように、内側板12aが段差溝13aを閉塞すると共に、上記の移動片14を凹溝15a内に摺動自在に覆う構造となる。このように内側板12aを段差溝13aに固定した状態において、第1のハンドル4の内側板12aに離間した2組の案内穴24、24に、移動片14の穴部22、22が合致した状態で位置合せされることとなる。また、夫々の移動片14の爪23、23が案内凹部25、25から突出した状態となる。
【0033】
一方、第2のハンドル5の内側面は、図6(a)、(b)に示すように、その内側面の面内に内側板12bを支持する段差溝13bと、該段差溝13bの内側に板バネ29、29を取り付けるための長尺溝30とが形成されている。各板バネ29は、図7(a)乃至(c)に示すように、両端が湾曲状に形成された弾性構造を有し、長尺溝30内において内側板12bの左右の嵌合穴34、34に対応する位置に嵌合される。
【0034】
また、図6(a)に示すように、第2のハンドル5の内側板12bには、2個の溝付き凸部32、32(図3(c)参照)と、2個の嵌合穴34、34が形成されている。これらの溝付き凸部32、32と嵌合穴34、34は、図7(b)に示すように、第1のハンドル4と第2のハンドル5を結合したとき、第2のハンドル5の溝付き凸部32、32が第1のハンドル4の左右の案内穴24、24に夫々嵌合し、また第2のハンドル5の嵌合穴34、34が第1のハンドル4の左右の凸部26、26に嵌合する位置関係に形成されている。
【0035】
さらに、第2のハンドル5の上記の2個の溝付き凸部32、32に設けられた溝33、33(図4(b−2)参照)は、図6(a)、(b)に示す左方向に向けて穿設された形状とされ、第2のハンドル5の内側面を第1のハンドル4の内側面に対面して合致したとき、第1のハンドル4の左右の爪23、23が第2のハンドル5における左右の溝付き凸部32、32の溝33、33に係止される関係とされている。
【0036】
また、図6(a)に示すように、第2のハンドル5の内側板12bは、その四方に設けられた貫通穴に挿通されたネジ35、35…を把持部8側の段差溝13aの四方に形成されたネジ穴36、36…に螺入することによって、図6(b)に示すように、内側板12bが段差溝13aを閉塞する。
【0037】
上記のように構成された鞄用持ち手の第1のハンドル4と第2のハンドル5とを結合して合体するには、図7(a)に示すように、分離状態の第1のハンドル4と第2のハンドル5の夫々の内側を対面して、図7(b)に示すように合致する。これによって、第1のハンドル4の左右の凸部26、26が第2のハンドル5の左右の嵌合穴34、34に嵌合される。これによって、第1のハンドル4と第2のハンドル5との夫々の内側面が位置合わせされた状態で合致される。
【0038】
このとき、第2のハンドル5の夫々の溝付き凸部32、32の端部が第1のハンドル4の夫々の爪23、23の傾斜辺23a、23aを押圧することによって、移動片14がコイルバネ19の付勢力に抗して案内溝18の方向へ移動する。また、第2のハンドル5の夫々の溝付き凸部32、32の溝33、33に第1のハンドル4の夫々の爪23、23が係止された状態となり、第1のハンドル4と第2のハンドル5とが結合された状態が維持される。
【0039】
また、図7(b)に示すように、第1のハンドル4と第2のハンドル5とが結合された状態において、移動片14のボタン17は第1のハンドル4と第2のハンドル5の端部から外方へ突出した状況にある。そこで、図7(c)に示すように、ボタン17をコイルバネ19の付勢力に抗して押し込むことにより、夫々の案内穴24、24の爪23、23が溝付き凸部32、32の溝33、33に係止された状態から開放される。同時に、第2のハンドル5の内部に設けられた板バネ29、29が第1のハンドル4の左右の凸部26、26を外方へ弾発することにより、第1のハンドル4を第2のハンドル5から付勢状態で分離することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の鞄用持ち手は、鞄用持ち手を厚さの厚い鞄から薄い鞄にまで取付けることができる汎用性の広い構造とし、鞄内の収納物の重量バランスを均等に保つことができ、さらに鞄に対する横からの衝撃を緩和することができるようにした鞄用持ち手として利用可能である。
【0041】
また、鞄の左右各側に別体で設けられた持ち手がワンタッチで合体する構造を有し、鞄の開口部を左右に開く力が作用した場合でも、合体した状態の持ち手が分離しないようにロックすることができ、またワンタッチで合体した持ち手を別体に分離することができるようにした鞄用持ち手として利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 鞄用持ち手
2 鞄
2a、2b 鞄の開口部の左右各側
3 開口部
4 第1のハンドル
5 第2のハンドル
6 脚部
6a 上脚部
6b 下端湾曲部
7 第1のハンドルの把持部
8 第2のハンドルの把持部
9 下脚部
9a 平端部
10 連結部材
11 挿通穴
12a 第1のハンドルの内側板
12b 第2のハンドルの内側板
13a 第1のハンドルの段差溝
13b 第2のハンドルの段差溝
14 移動片
14a 本体部
15a 第1のハンドルの凹溝
16a 第1のハンドルの中溝
16b 第2のハンドルの中溝
17 ボタン
17a 屈曲部
18 案内溝
18a 段差
19 コイルバネ
20 バネ溝
21 バネ係止部
22 穴部
23 爪
23a 傾斜辺
24 案内穴
25 案内凹部
26 凸部
27 ネジ
28 ネジ穴
29 板バネ
30 長尺溝
31 接続部
32 溝付き凸部
33 溝
34 嵌合穴
35 ネジ
36 ネジ穴
39 幅広部
40 凸部
41 凹部
42 ピン
43 貫通孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞄を左右に開く開口部の左右各側に別体で設けられた第1のハンドルと第2のハンドルが夫々、把持部と、該把持部の両端に設けられた脚部とから構成され、夫々の把持部が互いに着脱自在に結合されることによって合体する構造の鞄用持ち手において、
各脚部の途中にヒンジ構造による接続部が設けられ、該接続部の下方に、鞄の厚さ方向へ自在に回動する下脚部が設けられたことを特徴とする鞄用持ち手。
【請求項2】
各脚部における下脚部の下端に挿通孔が形成され、該挿通孔に帯状連結部材を装着し、該帯状連結部材の下端を鞄の左右各側に結合したことを特徴とする請求項1記載の鞄用持ち手。
【請求項3】
第1のハンドルの内側面に設けられた凸部を第2のハンドルの内側面に設けられた嵌合穴に嵌合することによって各ハンドルが位置合わせされた状態で合体され、
第1のハンドルの内側に形成された横長凹溝に移動片が摺動自在に嵌合され、該移動片の一端がバネで横長凹溝の長手方向に付勢されると共に、移動片の他端に形成されたボタンが第1のハンドルの端部からバネの付勢力に抗して押し込み自在に突出され、
第1のハンドルの移動片の面内に爪を有する穴部が形成されると共に、第2のハンドルの内側板に溝付き凸部が設けられ、穴部の爪が溝付き凸部の溝に係止されることによって第1のハンドルと第2のハンドルとの結合状態が維持される一方、移動片のボタンをバネの付勢力に抗して押し込むことによって穴部の爪が溝付き凸部の溝に係止された状態から解除されるように構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の鞄用持ち手。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−207430(P2010−207430A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57404(P2009−57404)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(301061229)有限会社ロサード (2)
【Fターム(参考)】