説明

鞍乗型車両の駆動輪構造

【課題】製造コストを抑えつつ、ダンパ室内で増幅される騒音が外部に放射されるのを極力抑えることができる鞍乗型車両の駆動輪構造を提供する。
【解決手段】パワーユニット20のドライブスプロケット22と、駆動輪WRのドリブンスプロケット23と、ドライブスプロケット22とドリブンスプロケット23との間に巻き掛けられるドライブチェーン24と、ドリブンスプロケット23にボルト締結され、車幅方向に延びる爪部62を有するドリブンフランジ60と、爪部62によって押されるダンパ部材54と、を備え、駆動輪WRは、車幅方向に延びる壁部56と、壁部56により区画され、ダンパ部材54を収容するダンパ室55と、を有し、駆動輪WR又はドリブンフランジ60に、ドリブンフランジ60の外周縁部と駆動輪WRの壁部56の端部との間の隙間Sを駆動輪WRの径方向外側から覆う樹脂製又はゴム製のフランジカバー70が取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両の駆動輪構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鞍乗型車両の駆動輪構造としては、ドリブンフランジの外周端部に、このドリブンフランジより後輪側に突出してホイールハブの先端部外周面を同心状に囲繞する円筒部が一体に形成され、その円筒部の内周面とホイールハブの先端部外周面との間の対向間隙が弾性シール部材でシールされるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、上記駆動輪構造では、内側の金属リングと外側の弾性体とにより弾性シール部材が構成され、金属リングをホイールハブの先端部外周面に圧入により固定して、弾性体をドリブンフランジの円筒部内周面に摺接させることにより、ドリブンフランジとホイールハブとの間の間隙を閉塞している。そして、この構造によれば、ダンパ室内で増幅される騒音が外部に放射されることを極力抑えることができ、鞍乗型車両の騒音を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4042944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の鞍乗型車両の駆動輪構造では、ホイールのダンパ室を形成する壁部に加工を施す必要があると共に、この加工箇所に金属リングを圧入させる必要があるため、製造コストが増大してしまっていた。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストを抑えつつ、ダンパ室内で増幅される騒音が外部に放射されるのを極力抑えることができる鞍乗型車両の駆動輪構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、パワーユニットのドライブスプロケットと、駆動輪のドリブンスプロケットと、ドライブスプロケットとドリブンスプロケットとの間に巻き掛けられるドライブチェーンと、ドリブンスプロケットにボルト締結され、車幅方向に延びる爪部を有するドリブンフランジと、爪部によって押されるダンパ部材と、を備え、駆動輪は、車幅方向に延びる壁部と、壁部により区画され、ダンパ部材を収容するダンパ室と、を有する鞍乗型車両において、駆動輪又はドリブンフランジに、ドリブンフランジの外周縁部と駆動輪の壁部の端部との間の隙間を駆動輪の径方向外側から覆う樹脂製又はゴム製のフランジカバーが取り付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の構成に加えて、フランジカバーは、ドリブンフランジに車幅方向側方から取り付けられ、ドリブンフランジとフランジカバーとの取付部から、ドリブンフランジとドリブンスプロケットとの締結部に向けて周方向に延びる側方カバー部を有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の構成に加えて、ドリブンフランジは、ドリブンスプロケットの締結部となるスプロケット締結ボスと、フランジカバーの取付部となるカバー取付ボスと、スプロケット締結ボスとカバー取付ボスとの間を連結するように、ドリブンフランジの周方向に連続するリブ部と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の構成に加えて、ドリブンスプロケットには、車両側面視において、フランジカバーの取付部を外部に露出させる穴部が形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の構成に加えて、フランジカバーは、ドリブンフランジの外周及び壁部の外周の各々と径方向に所定の隙間を設けて配置される筒状のカバー本体を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、駆動輪又はドリブンフランジに、ドリブンフランジの外周縁部と駆動輪の壁部の端部との間の隙間を駆動輪の径方向外側から覆う樹脂製又はゴム製のフランジカバーが取り付けられるため、製造コストを抑えつつ、ダンパ室内で増幅される騒音が外部に放射されるのを極力抑えることができる。また、フランジカバーが吸音性の比較的高い樹脂製又はゴム製であるため、外部に放射される騒音を更に抑えることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、フランジカバーは、ドリブンフランジに車幅方向側方から取り付けられ、ドリブンフランジとフランジカバーとの取付部から、ドリブンフランジとドリブンスプロケットとの締結部に向けて周方向に延びる側方カバー部を有するため、ドリブンフランジとダンパ室を構成する壁部との間の隙間から放射される騒音を車幅方向外方に極力出難くすることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、ドリブンフランジは、ドリブンスプロケットの締結部となるスプロケット締結ボスと、フランジカバーの取付部となるカバー取付ボスと、スプロケット締結ボスとカバー取付ボスとの間を連結するように、ドリブンフランジの周方向に連続するリブ部と、を有するため、カバー取付ボスを、スプロケット締結ボスの剛性を向上させる部位として使用することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、ドリブンスプロケットには、車両側面視において、フランジカバーの取付部を外部に露出させる穴部が形成されるため、ドリブンスプロケットを軽量化することができる。また、フランジカバーを取り付けるボルトなどを穴部を介して確認することができるので、フランジカバーが正しく組み付けられているかを容易に確認することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、フランジカバーは、ドリブンフランジの外周及び壁部の外周の各々と径方向に所定の隙間を設けて配置される筒状のカバー本体を有するため、フランジカバーとドリブンフランジ及び壁部との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る鞍乗型車両の駆動輪構造の一実施形態が搭載された自動二輪車を説明する要部拡大左側面図である。
【図2】図1に示すホイールのハブの周辺の拡大左側面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】スプロケット取付ボス及びカバー取付ボスをドリブンフランジの径方向外側から見た図である。
【図5】図2に示すドリブンフランジからドリブンスプロケットを取り外した状態の拡大左側面図である。
【図6】図5に示すドリブンフランジからフランジカバーを取り外した状態の拡大左側面図である。
【図7】図6に示すホイールのハブからドリブンフランジを取り外した状態の拡大左側面図である。
【図8】図6のB−B線断面図である。
【図9】本発明に係る鞍乗型車両の駆動輪構造の第1変形例を説明する図3に対応する断面図である。
【図10】本発明に係る鞍乗型車両の駆動輪構造の第2変形例を説明する図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る鞍乗型車両の駆動輪構造の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとし、以下の説明において、前後、左右、上下は、操縦者から見た方向に従い、図面に車両の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0019】
本実施形態の自動二輪車(鞍乗型車両)10は、図1に示すように、車体フレーム11と、車体フレーム11に懸架されるパワーユニット20と、車体フレーム11のピボットフレーム12にピボット軸13を介して揺動可能に支持されるスイングアーム30と、スイングアーム30の後端部に車軸14を介して回転可能に支持される後輪WRと、ピボットフレーム12にスイングアーム30を懸架する後輪懸架装置40と、を備える。
【0020】
パワーユニット20の駆動力は、パワーユニット20のクランクケース21の左側面に設けられるドライブスプロケット22、後輪WRの左側面に設けられるドリブンスプロケット23、及びドライブスプロケット22とドリブンスプロケット23との間に巻き掛けられるドライブチェーン24を介して後輪WRに伝達される。
【0021】
後輪懸架装置40は、図1に示すように、その上端部がピボットフレーム12の上端部に揺動自在に取り付けられるリヤクッション41と、リヤクッション41の下端部とスイングアーム30の下側中間部とを揺動可能に連結する略三角形状の第1リンク42と、第1リンク42とピボットフレーム12の下端部とを揺動自在に連結する第2リンク43と、を備える。
【0022】
スイングアーム30は、図1に示すように、ピボット軸13に軸支されるピボットパイプ31と、ピボットパイプ31に取り付けられる前部ブロック32と、前部ブロック32の後部の左右側面にそれぞれ接合され、後方に延びる左右一対のアーム部33と、を備える。
【0023】
後輪WRは、図1〜図3に示すように、車軸14に回転可能に取り付けられるホイール50と、ホイール50の外周に装着されるタイヤTと、を備える。ホイール50は、車軸14上に左右一対のベアリング15を介して取り付けられるハブ51と、ハブ51の外周面から径方向外方に延び、ハブ51の周方向に略等間隔に形成される6本のスポーク部52と、6本のスポーク部52の径方向外端部間を連結する円環状のリム53と、を備える。
【0024】
また、図3に示すように、車軸14の左右一対のベアリング15間にはセンターカラー16が外嵌され、車軸14の左側のベアリング15の車幅方向外側にはサイドカラー17が外嵌されている。
【0025】
また、車軸14のサイドカラー17の車幅方向外側には、ベアリング18が取り付けられており、このベアリング18上には、ドリブンスプロケット23にボルト締結されるドリブンフランジ60が取り付けられている。
【0026】
ドリブンフランジ60は、図3及び図6に示すように、ベアリング18に支持される円板状のフランジ本体61と、フランジ本体61の車幅方向内側面から車幅方向内側に向かって延び、周方向に略等間隔に形成される5つの爪部62と、フランジ本体61の車幅方向外側面において周方向に略等間隔に形成され、ドリブンスプロケット23の締結部となる5つのスプロケット締結ボス(締結部)63と、を有する。なお、爪部62及びスプロケット締結ボス63は、周方向の同一位置に形成されている。
【0027】
また、ドリブンスプロケット23は、図2及び図3に示すように、スプロケット締結ボス63の雌ねじ部63aに螺着されるスタッドボルト81に、ナット82によって締結されている。また、ドリブンスプロケット23には、スタッドボルト81を挿通させるボルト挿通穴23aが形成されている。
【0028】
ハブ51は、図3及び図7に示すように、ドリブンフランジ60の5つの爪部62に押される5つのダンパ部材54を備えており、この5つのダンパ部材54をそれぞれ収容する5つのダンパ室55がハブ51の左側面に形成されている。
【0029】
ダンパ室55は、ハブ51の左側面から車幅方向外側に延びる壁部56により区画されており、この壁部56は、径方向内側に位置する内側環状壁57と、内側環状壁57より径方向外側に位置する外側環状壁58と、内側環状壁57と外側環状壁58との間の環状空間を周方向に5つに分割する径方向壁59を、を有する。
【0030】
そして、図3〜図5に示すように、ドリブンフランジ60には、ドリブンフランジ60のフランジ本体61の外周縁部とハブ51の外側環状壁58の端部との間の隙間Sを後輪WRの径方向外側から覆う樹脂製のフランジカバー70が取り付けられている。また、フランジカバー70はゴム製であってもよい。
【0031】
フランジカバー70は、ドリブンフランジ60に車幅方向外側から取り付けられており、ドリブンフランジ60の車幅方向外側面には、フランジカバー70の取付部となるカバー取付ボス(取付部)64が、スプロケット締結ボス63,63の周方向間の略中央部にそれぞれ形成されている。
【0032】
フランジカバー70は、上記隙間Sを覆う筒状のカバー本体71と、カバー本体71の車幅方向外端部から径方向内側に向かって延びると共に、カバー取付ボス64からスプロケット締結ボス63に向けて延びる側方カバー部72と、を有する。これにより、側方カバー部72は、カバー取付ボス64とスプロケット締結ボス63との間を側方から覆っている。また、カバー本体71は、ドリブンフランジ60の外周面及び壁部56の外周面の各々と径方向に所定の隙間を設けて配置されている。
【0033】
また、フランジカバー70は、図3及び図5に示すように、カバー取付ボス64の雌ねじ部64aに、ボルト83によって締結されている。また、フランジカバー70の側方カバー部72には、ボルト83を挿通させるボルト挿通穴72aが形成されている。なお、フランジカバー70の表面は、全体に亘ってシボ加工されているが、側部カバー72のボルト挿通穴72aの周辺は、ボルト83の座面となるので、シボ加工されていない。
【0034】
また、図6及び図8に示すように、ドリブンフランジ60の車幅方向外側面のスプロケット締結ボス63とカバー取付ボス64との間には、スプロケット締結ボス63とカバー取付ボス64との間を連結するように、ドリブンフランジ60の周方向に連続するリブ部65がそれぞれ形成されている。
【0035】
また、図2に示すように、ドリブンスプロケット23には、車両側面視において、フランジカバー70を取り付けるボルト83を外部に露出させる穴部23bが、カバー取付ボス64に対応する位置に形成されている。
【0036】
また、図4及び図8に示すように、カバー取付ボス64は、ドリブンフランジ60の車幅方向寸法において、スプロケット締結ボス63より低く形成されている。これにより、ボルト83とドリブンスプロケット23との干渉を防止することができ、また、フランジカバー70の車幅方向の大きさを極力小さくすることができる。
【0037】
また、図6に示すように、5つのカバー取付ボス64は、それぞれが側面視略台形状に形成されると共に、車両側面視において、星型を形成するように配置されている。これにより、各国の仕様により、フランジカバー70が必要ない場合でも、ドリブンフランジ60の外観性を向上することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の駆動輪構造によれば、ドリブンフランジ60に、ドリブンフランジ60の外周縁部とハブ51の壁部56の端部との間の隙間Sを後輪WRの径方向外側から覆う樹脂製のフランジカバー70が取り付けられるため、製造コストを抑えつつ、ダンパ室55内で増幅される騒音が外部に放射されるのを極力抑えることができる。また、フランジカバー70が吸音性の比較的高い樹脂製であるため、外部に放射される騒音を更に抑えることができる。
【0039】
また、本実施形態の駆動輪構造によれば、フランジカバー70は、ドリブンフランジ60に車幅方向側方から取り付けられ、カバー取付ボス64からスプロケット締結ボス63に向けて周方向に延びる側方カバー部72を有するため、上記隙間Sから放射される騒音を車幅方向外方に極力出難くすることができる。
【0040】
また、本実施形態の駆動輪構造によれば、ドリブンフランジ60は、スプロケット締結ボス63とカバー取付ボス64との間を連結するように、ドリブンフランジ60の周方向に連続するリブ部65を有するため、カバー取付ボス64をスプロケット締結ボス63の剛性を向上させる部位として使用することができる。
【0041】
また、本実施形態の駆動輪構造によれば、ドリブンスプロケット23には、車両側面視において、フランジカバー70を取り付けるボルト83を外部に露出させる穴部23bが形成されるため、ドリブンスプロケット23を軽量化することができる。また、フランジカバー70を取り付けるボルト83などを穴部23bを介して確認することができるので、フランジカバー70が正しく組み付けられているかを容易に確認することができる。
【0042】
また、本実施形態の駆動輪構造によれば、フランジカバー70のカバー本体71は、ドリブンフランジ60の外周面及び壁部56の外周面の各々と径方向に所定の隙間を設けて配置されるため、フランジカバー70とドリブンフランジ60及び壁部56との干渉を防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態の第1変形例として、図9に示すように、ホイール50のハブ51にカバー取付ボス64を形成して、ハブ51にフランジカバー70を取り付けるようにしてもよい。この場合、フランジカバー70は、カバー取付ボス64に取り付けられる取付部91と、取付部91の径方向内端部から車幅方向外側に向かって延び、上記隙間Sを覆う筒状のカバー本体92と、カバー本体92の車幅方向外端部から径方向内側に向かって延びると共に、カバー取付ボス64からスプロケット締結ボス63に向けて延びる側方カバー部93と、を有する。
【0044】
また、本実施形態の第2変形例として、図10に示すように、ホイール50の外側環状壁58の外周面に、嵌合穴58aを周方向に沿って複数形成して、その複数の嵌合穴58aにフランジカバー70を取り付けるようにしてもよい。この場合、フランジカバー70は、ゴム製であり、複数の嵌合穴58aにそれぞれ嵌合する嵌合突部95aを内周面に有する円環状の取付部95と、取付部95の軸方向外端部から車幅方向外側に向かって延び、上記隙間Sを覆う筒状のカバー本体96と、を有する。なお、嵌合穴58aは、周方向に沿って形成される1本の嵌合溝であってよい。この場合、嵌合突部95aは、1本の嵌合突条であってもよい。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 自動二輪車(鞍乗型車両)
20 パワーユニット
22 ドライブスプロケット
23 ドリブンスプロケット
23b 穴部
24 ドライブチェーン
50 ホイール
51 ハブ
54 ダンパ部材
55 ダンパ室
56 壁部
57 内側環状壁
58 外側環状壁
59 径方向壁
60 ドリブンフランジ
61 フランジ本体
62 爪部
63 スプロケット締結ボス(締結部)
64 カバー取付ボス(取付部)
65 リブ部
70 フランジカバー
71 カバー本体
72 側方カバー部
WR 後輪(駆動輪)
S ドリブンフランジとハブとの間の隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーユニット(20)のドライブスプロケット(22)と、
駆動輪(WR)のドリブンスプロケット(23)と、
前記ドライブスプロケットと前記ドリブンスプロケットとの間に巻き掛けられるドライブチェーン(24)と、
前記ドリブンスプロケットにボルト締結され、車幅方向に延びる爪部(62)を有するドリブンフランジ(60)と、
前記爪部によって押されるダンパ部材(54)と、を備え、
前記駆動輪は、車幅方向に延びる壁部(56)と、前記壁部により区画され、前記ダンパ部材を収容するダンパ室(55)と、を有する鞍乗型車両(10)において、
前記駆動輪又は前記ドリブンフランジに、前記ドリブンフランジの外周縁部と前記駆動輪の前記壁部の端部との間の隙間(S)を前記駆動輪の径方向外側から覆う樹脂製又はゴム製のフランジカバー(70)が取り付けられることを特徴とする鞍乗型車両の駆動輪構造。
【請求項2】
前記フランジカバー(70)は、前記ドリブンフランジ(60)に車幅方向側方から取り付けられ、
前記ドリブンフランジと前記フランジカバーとの取付部から、前記ドリブンフランジと前記ドリブンスプロケット(23)との締結部に向けて周方向に延びる側方カバー部(72)を有することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両(10)の駆動輪構造。
【請求項3】
前記ドリブンフランジ(60)は、
前記ドリブンスプロケット(23)の締結部となるスプロケット締結ボス(63)と、
前記フランジカバー(70)の取付部となるカバー取付ボス(64)と、
前記スプロケット締結ボスと前記カバー取付ボスとの間を連結するように、前記ドリブンフランジの周方向に連続するリブ部(65)と、を有することを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両(10)の駆動輪構造。
【請求項4】
前記ドリブンスプロケット(23)には、車両側面視において、前記フランジカバー(70)の取付部を外部に露出させる穴部(23b)が形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗型車両(10)の駆動輪構造。
【請求項5】
前記フランジカバー(70)は、前記ドリブンフランジ(60)の外周及び前記壁部(56)の外周の各々と径方向に所定の隙間を設けて配置される筒状のカバー本体(71)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両(10)の駆動輪構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−148738(P2012−148738A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10728(P2011−10728)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)