説明

鞍乗型車両

【課題】車体カバー内への泥水の浸入防止
【解決手段】この鞍乗型車両1000は、インナーフェンダー402の上部の開口部402bにマッドガード600が取り付けられており、マッドガード600の上部601がキーシリンダ300に取り付けられている。このため、インナーフェンダー402の上部の開口から、車体カバーの内側に泥水が浸入し難い。さらに、この鞍乗型車両1000では、マッドガード600の上部601はキーシリンダ300に取り付けられている。このため、マッドガード600は、ハンドル周りの電装部品のケーブルやキーシリンダなどの部品を、泥水からより確実に保護できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関し、特に、フロントカバーの内側に配設されるマッドガードに関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両の車体フレームはヘッドパイプを備えている。ヘッドパイプは、ステアリングシャフトが回動可能に挿入される部位であり、ステアリングシャフトの上端には操作ハンドルが取り付けられ、ステアリングシャフトの下端にはフロントフォークが取り付けられる。ヘッドパイプの周りには、キーシリンダや、種々の電装装置や、そのケーブルハーネスなどが取り付けられている。スクータ型の自動二輪車などでは、斯かるヘッドパイプの前側にフロントカバーが配設されている。フロントカバーの下側には、前輪が跳ね上げる泥水に対する泥除けとして、アンダーカバーやインナーフェンダーが取り付けられている。
【0003】
アンダーカバーやインナーフェンダーは、例えば、特開平11−59528号公報に開示されている。同公報では、前輪が跳ね上げる泥水に対する泥除けとして、フロントカバーを上側カバーと下側カバーに上下2分割し、該上側カバーにヘッドライトを配設し、該ヘッドライトの底壁で下側カバーの開口を閉塞することが開示されている。
【特許文献1】特開平11−59528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インナーフェンダーの上部は、フロントフォークを挿通させるべく開口している。ヘッドパイプの周りには、ハンドル周りの電装部品のケーブルやキーシリンダなどの部品が集められている。インナーフェンダーの上部の開口はそれほど大きくない。しかし、前輪が跳ね上げた泥水が、斯かるインナーフェンダーの上部の開口から侵入する場合がある。車両の故障などを防止するべく、望ましくは斯かるインナーフェンダーの上部の開口から泥水が浸入することも防止し、ハンドル周りの電装部品のケーブルやキーシリンダなどの部品を、可能な限り泥水から保護したい。なお、特開平11−59528号公報では、上述したように、ヘッドライトの底壁を泥除けとして機能させることが開示されている。しかし、この場合、デザイン上、ヘッドライトの位置が制約されてしまう。本発明は、インナーフェンダーの上部の開口から泥水が浸入するのをより確実に防止し、かつ、ハンドル周りの電装部品のケーブルやキーシリンダなどの部品を、泥水からより確実に保護できる新たな手法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る鞍乗型車両は、上部にハンドルが取り付けられ、下部にフロントフォークが取り付けられるステアリングシャフトが挿通されるヘッドパイプを有する車体フレームを備えた鞍乗型車両であって、車体フレームのヘッドパイプ周りにキーシリンダが取り付けられ、ヘッドパイプの前側にフロントカバーが配設され、フロントカバーの下側において、フロントフォークが挿通し得るように上部が開口したインナーフェンダーが配設され、インナーフェンダーの上部の開口部にマッドガードが取り付けられており、マッドガードの上部がキーシリンダに取り付けられている。
【0006】
ある実施形態において、マッドガードの上部がキーシリンダの裏側を覆っていてもよい。また、マッドガードはキーシリンダに装着されていてもよい。また、ある実施形態において、マッドガードによってヘッドパイプ周りのケーブルが束ねられていてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る鞍乗型車両は、インナーフェンダーの上部の開口部にマッドガードが取り付けられており、マッドガードの上部はキーシリンダに取り付けられている。このため、インナーフェンダーの上部の開口から、車体カバーの内側に泥水が浸入し難い。さらに、この鞍乗型車両では、マッドガードの上部はキーシリンダに取り付けられている。このため、マッドガードは、ハンドル周りの電装部品のケーブルやキーシリンダなどの部品を、泥水からより確実に保護できる。
【0008】
また、マッドガードの上部がキーシリンダの裏側を覆っている場合には、キーシリンダ300をより直接的に泥水から保護できる。また、マッドガードがキーシリンダに装着されている場合には、マッドガードの上部が車体フレームから容易に外れない。
【0009】
また、マッドガードによって、ヘッドパイプ周りのケーブルが束ねられている場合には、ヘッドパイプ周りのケーブルを簡単に纏めることができ、ケーブルを束ねるために別の結束部材が必要でなくなるので、部品点数を少なくすることができ、低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両を図面に基づいて説明する。なお、図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0011】
この鞍乗型車両1000は、図1に示すように、スクータ型の自動二輪車であり、車体フレーム200に、樹脂製の車体カバー400が取り付けられている。
【0012】
車体フレーム200は、この実施形態では、図2および図3に示すように、ヘッドパイプ201と、メインチューブ202と、左右のダウンチューブ203、204と、左右のシートレール205、206がそれぞれ溶接されている。車体フレーム200には、剛性を確保するため、また、車体カバー400や、シート110、エンジン、ラジエター、燃料タンクなどの鞍乗型車両の各種部材を所定の位置に取り付けるため、クロスメンバ207〜209や種々のブラケット221、222が取り付けられている。
【0013】
この実施形態では、ヘッドパイプ201は、車体フレーム200の前側において、車体の幅方向中心面c(車両センター)に沿って配設されている。ヘッドパイプ201の後ろには、メインチューブ202が溶接されている。このヘッドパイプ201は、ステアリングシャフト(図示省略)が挿通されている。ステアリングシャフトは、図1に示すように、上部にハンドル241が取り付けられ、下部にフロントフォーク242が取り付けられている。詳しくは、ステアリングシャフトはヘッドパイプ201に回動可能に装着されており、上端に操作ハンドルが取り付けられ、下端にフロントフォーク242が取り付けられている。フロントフォーク242の先端には、前輪250が取り付けられている。この実施形態では、前輪250の上側を覆うように、フロントフェンダー251が取り付けられている。
【0014】
車体フレーム200のヘッドパイプ201周りには、車体カバーの内部において、図4に示すように、キーシリンダ300が取り付けられている。図5は、この車体フレーム200のヘッドパイプ201周りを下から見た図である。この実施形態では、車体フレーム200は、ヘッドパイプ201の右側にブラケット221、222を有している。また、当該ブラケット221は、図2、図4に示すように、車体フレーム200の前後方向に延びており、後側にキーシリンダ300が取り付けられ、前側に後述するフロントカバー(図示省略)が取り付けられる。また、ブラケット222は、メインチューブ202のヘッドパイプ201近傍に取り付けられており、マッドガード600が取り付けられる。このブラケット222は、図2および図5に示すように、メインチューブ202から車体フレーム200の右側へ延びるように取り付けられている。このブラケット222には、図5に示すように、突起222aと、係止片222bを備えている。突起222aは、図4に示すように、マッドガード600を装着する部位である。なお、マッドガード600については後で詳述する。
【0015】
次に、この実施形態に係る鞍乗型車両1000の車体カバー400を説明する。車体カバー400は、車両の前側において、図6および図7に示すように、フロントカバー401と、インナーフェンダー402と、サイドパネル403、404と、アンダーカバー405と、レッグシールド406、インナーパネル407を備えている。また、インナーフェンダー402には、マッドガード600が取り付けられている。以下、斯かる車体カバー400の各部材を順に説明する。
【0016】
フロントカバー401は、図1および図7に示すように、ヘッドパイプ201の前側に配設される部材である。この実施形態では、フロントカバー401にはヘッドライト421が取り付けられ、車体フレーム200に取り付けられる。フロントカバー401の前側下部401aには、図6に示すように、インナーフェンダー402の前側上部402aが取り付けられる。フロントカバー401の両側縁部401bには、サイドパネル403、404の上縁部403a、404aが取り付けられる。
【0017】
インナーフェンダー402は、図7に示すように、フロントカバー401の下側に配設される泥除けであり、フロントカバー401の下側からフロントカバー401の内側に泥水が浸入するのを防止する部材である。この実施形態では、インナーフェンダー402は、前輪250の上方に配設される。このため、図6に示すように、インナーフェンダー402の下面は、前輪250に干渉しないように上方に窪んだ形状を有している。また、インナーフェンダー402の上部は開口しており、この開口部402bには、前輪250を支持するフロントフォーク242の上部が回動可能に配設される。
【0018】
インナーフェンダー402の前側上部402aは、上述したようにフロントカバー401の前側下部401aに取り付けられる。インナーフェンダー402の両側縁部402cには、サイドパネル403、404の前側下縁部403b、404bが取り付けられる。また、インナーフェンダー402の後側下縁部402dには、アンダーカバー405の前側上縁部405aが取り付けられる。また、インナーフェンダー402の上部の開口部402bの周縁には、マッドガード600の下縁部600aが取り付けられる。
【0019】
サイドパネル403、404は、フロントカバー401の両側縁部401b及びインナーフェンダー402の両側縁部402cに取り付けられる部材である。この実施形態では、サイドパネル403、404には、フロントフラッシャー422、423(turning signal)が取り付けられる。サイドパネル403、404の後側下縁部403c、404cにはアンダーカバー405の前側両側縁部405b、405cが取り付けられる。サイドパネル403、404の後側縁部403d、404dには、レッグシールド406の前側両側縁部406aおよびインナーパネル407の前側両側縁部407aが取り付けられる。
【0020】
アンダーカバー405は、図7に示すように、車両前部において、車体フレーム200の下側を覆う部材である。この実施形態では、アンダーカバー405は、図6に示すように、上述したインナーフェンダー402の後側下縁部402d、および、サイドパネル403、404の後側下縁部403c、404cに取り付けられる。
【0021】
レッグシールド406は、ヘッドパイプ201及びメインチューブ202の後側に配設される部材であり、図7に示すように、ライダー(運転者)が運転する姿勢において、ライダーの足の前側を覆う部材である。この実施形態では、レッグシールド406は、車幅方向の中央部に車体フレーム200が配設されるため、車幅方向の両側部406b、406cに比べて中央部406dが後側に窪んでいる。また、車幅方向の両側部406b、406cは、後側に窪んでおらず、当該部位に足載せスペースが確保されている。レッグシールド406の上部内側には、インナーパネル407が取り付けられる。
【0022】
インナーパネル407は、上述したように、レッグシールド406の上部内側に取り付けられる部材である。インナーパネル407の上部は、図7に示すように、レッグシールド406の上部から露出しており、上述したように車体フレーム200に取り付けられたキーシリンダ300のキー挿入口が露出する開口部407bを備えている。インナーパネル407およびレッグシールド406は、車体フレーム200のヘッドパイプ201およびメインチューブ202の後側に配設される。そして、レッグシールド406およびインナーパネル407の前側両側縁部406a、407aが、左右のサイドパネル403、404の後側縁部403d、404dに取り付けられる。
【0023】
このように、この実施形態では、車体フレーム200のヘッドパイプ201およびメインチューブ202の回りに、フロントカバー401と、インナーフェンダー402と、サイドパネル403、404と、アンダーカバー405と、レッグシールド406、インナーパネル407が配設されている。
【0024】
上述したように、インナーフェンダー402の上部は、フロントフォーク242の上部が挿通し得るように開口している。インナーフェンダー402の上部の開口部402bにはマッドガード600が取り付けられている。
【0025】
マッドガード600は、この実施形態では、所要の可撓性を有するゴム片であり、ゴムを成形して作られている。なお、マッドガード600はフラップとも称されることがある。この実施形態では、マッドガード600の下縁部600aは、インナーフェンダー402の上部の開口部402bの上縁部に沿った形状を有し、複数箇所でインナーフェンダー402の上部の開口部402bに取り付けられている。このマッドガード600は、図4に示すように、ヘッドパイプ201下部の後ろ側に配設される。
【0026】
この実施形態では、マッドガード600の上部601は、図4に示すように、キーシリンダ300に取り付けられている。また、この実施形態では、マッドガード600の上部601は、キーシリンダ300の裏側を覆っている。すなわち、図4に示すように、マッドガード600の上部601は、キーシリンダ300まで延びており、キーシリンダ300の裏側を覆っている。
【0027】
また、このマッドガード600は、キーシリンダ300に装着されている。すなわち、この実施形態では、マッドガード600は、図8に示すように、上部601にキーシリンダ300を挿通させる挿通孔602を有している。また、キーシリンダ300は、図4に示すように、キー挿入口310から延びる部分301に対して中間部分302が太くなっており、斯かる中間部分302がヘッドパイプ201に取り付けられたブラケット221に取り付けられている。マッドガード600は、挿通孔602を、斯かるキーシリンダ300のキー挿入口310側から、キーシリンダ300の上部に挿通している。マッドガード600の挿通孔602は、キーシリンダ300をブラケット221に取り付ける金具223によって、所定の位置で止められる。キーシリンダ300の上部には、マッドガード600を挿通させた後、キー孔を保護するシャッター320が取り付けられる。このように、この実施形態では、マッドガード600は、キーシリンダ300に装着されており、キーシリンダ300からは容易に抜けない。
【0028】
また、この実施形態では、ヘッドパイプ201の周りには、キーシリンダ300や、種々の電装装置やヘッドライト421やフロントフラッシャー422、423(turning signal)のケーブルハーネスなどが取り付けられている。この実施形態では、マッドガード600は、図4に示すように、ヘッドパイプ201周りのケーブル224、225を束ねている。
【0029】
この実施形態では、マッドガード600は、図4に示すように、バンド部604を有している。当該マッドガード600の背面図を図10に示し、左側面図を図11に示す。この実施形態では、バンド部604は、マッドガード600の後面600cに一体成形したものである。バンド部604は、図9に示すように、マッドガード600に取り付けられる基部604aと、マッドガード600から延びる部分604b(バンド部)とを備えている。基部604aは、マッドガード600の後面600cに重なり、当該重なった部分の周縁部の複数個所(この実施形態では、3箇所604c〜604e)がマッドガード600の後面600cに連続するように成形されている。そして、マッドガード600の後面600cと当該基部604aとの間に、ブラケット222を挿通させる挿通孔604fを形成している。また、バンド部604の先端にも装着穴604gが形成されている。ブラケット222は、図5に示すように、バンド部604の基端の挿通孔604fが装入される突起222aと、バンド部604の先端の装着穴604gが引っ掛けられる係止片222bとを備えている。
【0030】
このマッドガード600は、図9に示すように、斯かる挿通孔604fにブラケット222の突起222aを通して、ブラケット222に取り付けられる。そして、図4に示すように、マッドガード600から延びる部分604b(バンド部)によって、ヘッドパイプ201周りのケーブル224、225を束ね、バンド部604の先端の装着穴604gをブラケット222の係止片222bに引っ掛けている。
【0031】
この鞍乗型車両1000は、インナーフェンダー402の上部の開口部402bにマッドガード600が取り付けられており、マッドガード600の上部601がキーシリンダ300に取り付けられている。このため、インナーフェンダー402の上部の開口から、車体カバーの内側に泥水が浸入し難い。さらに、この鞍乗型車両1000では、マッドガード600の上部601はキーシリンダ300に取り付けられている。このため、マッドガード600は、ハンドル周りの電装部品のケーブルやキーシリンダなどの部品を、泥水からより確実に保護できる。
【0032】
また、マッドガード600の上部601は、キーシリンダ300に取り付けられており、インナーフェンダー402の上部の開口部402bから車体カバー400内部を完全に隠すことができる。これにより、インナーフェンダー402の上部の開口部402bから車体カバー400内部を隠し、また、簡単には手や工具を入れることができなくなるので、インナーフェンダー402の上部の開口部402bから車体カバー400内部へのいたずらを抑制することができる。
【0033】
また、この実施形態では、マッドガード600の上部がキーシリンダ300の裏側を覆っているので、キーシリンダ300をより直接的に泥水から保護できる。さらに、この実施形態では、マッドガード600はキーシリンダ300に装着されているので、マッドガード600の上部が車体フレーム200から容易に外れない。
【0034】
また、この実施形態では、マッドガード600によって、ヘッドパイプ201周りのケーブル224、225が束ねられているので、ヘッドパイプ201周りのケーブル224、225を簡単に纏めることができる。また、ケーブル224、225を束ねるために別の結束部材が必要でなくなるので、部品点数を少なくすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0035】
特に、この実施形態では、マッドガード600は、バンド部604を有し、車体フレーム200は、ヘッドパイプ201周りに、バンド部604の基部604aが取り付けられるブラケット222を有し、ブラケット222がバンド部604の先端部を係止する部位222bを有している。このため、マッドガード600をブラケット222に取り付けた後、斯かるバンド部604によって、ヘッドパイプ201周りのケーブル224、225を束ねることができ、マッドガード600によってケーブル224、225を束ねる作業が簡単になる。
【0036】
以上のように、この実施形態では、マッドガード600が、インナーフェンダー402の上部の開口部402bからの泥水の浸入を防止するとともに、キーシリンダ300等の車体カバー内部の部品を保護し、かつ、ヘッドパイプ201周りに配設されるケーブル224、225を纏めることができる。このように、マッドガード600が複数の機能を奏する。これにより、例えば、キーシリンダ裏側を保護する保護部材や、ケーブルを纏める結束部品などの部品を廃止したり、部品点数を減らしたりすることができ、これにより、製造コストを低減させることができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両を説明したが、本発明に係る鞍乗型車両は、上記の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、鞍乗型車両の構造、例えば、車体フレームや車体カバーについて、形状および構造等について、本発明に係る鞍乗型車両の一例を示すに過ぎず、種々の変更が可能である。また、マッドガードの形状および構造等についても同様である。
【0039】
また、本発明は、フロントカバーやインナーフェンダーを備えた種々の鞍乗型車両に適用可能である。
【0040】
また、上述した実施形態では、マッドガード600の上部が、キーシリンダ300の裏側を覆っている実施形態を例示したが、マッドガード600の上部は、キーシリンダ300に取り付けられていればよい。なお、マッドガード600の上部がキーシリンダ300の裏側を覆っている形態では、キーシリンダ300をより直接的に泥水から保護できる。また、上述した実施形態では、マッドガード600の上部に挿通孔602を形成し、斯かる挿通孔602を挿通させてマッドガード600をキーシリンダ300に装着している。斯かる構造は、マッドガード600の上部をキーシリンダ300に取り付ける一例を例示するものであり、必ずしも斯かる構造を採用する必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、例えば、フロントカバーやインナーフェンダーを備えた鞍乗型車両に利用される。鞍乗型車両としては、フロントカバーやインナーフェンダーを備えた種々の自動二輪車、自動三輪車、四輪バギーなどがある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両を示す側面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の車体フレームを示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の車体フレームを示す左側面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のマッドガードの使用状態を示す右側面図。
【図5】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のヘッドパイプを示す底面図。
【図6】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の前部の車体カバーの構造を示す斜視図。
【図7】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両を示す側面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のマッドガードを示す斜視図。
【図9】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のマッドガードのバンド部を示す平面図。
【図10】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のマッドガードを示す背面図。
【図11】本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両のマッドガードを示す左側面図。
【符号の説明】
【0043】
1000 鞍乗型車両
110 シート
200 車体フレーム
201 ヘッドパイプ
202 メインチューブ
203 ダウンチューブ
205 シートレール
221 ブラケット
222 ブラケット
222a 突起
222b 係止片
224、225 ケーブル
242 フロントフォーク
251 フロントフェンダー
300 キーシリンダ
310 キー挿入口
320 シャッター
400 車体カバー
401 フロントカバー
402 インナーフェンダー
403 サイドパネル
405 アンダーカバー
406 レッグシールド
407 インナーパネル
421 ヘッドライト
422 フロントフラッシャー
600 マッドガード
601 上部
602 挿通孔
604 バンド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部にハンドルが取り付けられ、下部にフロントフォークが取り付けられるステアリングシャフトが挿通されるヘッドパイプを有する車体フレームを備えた鞍乗型車両であって、
前記車体フレームのヘッドパイプ周りにキーシリンダが取り付けられ、
前記ヘッドパイプの前側にフロントカバーが配設され、
前記フロントカバーの下側において、前記フロントフォークが挿通し得るように上部が開口したインナーフェンダーが配設され、
前記インナーフェンダーの上部の開口部にマッドガードが取り付けられており、
前記マッドガードの上部が前記キーシリンダに取り付けられた鞍乗型車両。
【請求項2】
前記マッドガードの上部が前記キーシリンダの裏側を覆っている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記マッドガードは前記キーシリンダに装着されている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記マッドガードによって前記ヘッドパイプ周りのケーブルが束ねられている、請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記マッドガードは、バンド部を有し、
前記車体フレームは、前記ヘッドパイプ周りに、前記バンド部の基部が取り付けられるブラケットを有し、
前記ブラケットは前記バンド部の先端部を係止する部位を有し、
前記ヘッドパイプ周りのケーブルが前記バンド部によって束ねられている、請求項4に記載の鞍乗型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−23515(P2009−23515A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188874(P2007−188874)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)