音声ポートレット提供システム及び音声ポートレット提供方法
【課題】音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合において、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくする。
【解決手段】複数のポートレットを表示位置情報に応じた表示位置で表示装置に表示し、複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、表示位置に応じた音声の出力態様の差が大きくなるように表示位置情報を更新し、複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得し、表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定し、取得された音声の出力態様が決定された出力態様となるように、該取得された音声をユーザ端末に出力する。
【解決手段】複数のポートレットを表示位置情報に応じた表示位置で表示装置に表示し、複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、表示位置に応じた音声の出力態様の差が大きくなるように表示位置情報を更新し、複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得し、表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定し、取得された音声の出力態様が決定された出力態様となるように、該取得された音声をユーザ端末に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声ポートレット提供システム及び音声ポートレット提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニュースやスケジュール、メール等の様々な情報を表示可能なポータルシステムが一般的に用いられている。このようなポータルシステムでは、それぞれの情報は「ポートレット」と呼ばれるコンポーネントにより提供される。そして、ポートレットの中には、例えば、表示されているテキストの読み上げなど、音声出力が可能なものがある。ポータルシステムにおいて、音声出力が可能なポートレットが複数配置されている場合、音声はページを単位に出力されるため、どのポートレットから出力されている音声かを判別することが困難となる。そのため、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくするための工夫が必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、音声を出力可能な複数のアプリケーションが同時に起動されている場合に、各アプリケーションの音声を画面の位置に応じた音像位置に調整する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−270425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たしかに、特許文献1に開示されている手法を用いることにより、音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合に、その配置位置に応じた音像位置で音声を出力することは可能である。しかしながら、ポータルシステムにおいては、複数のポートレットが隣接して配置されていることが一般的である。そのため、隣り合うポートレットの音像位置が近いものとなってしまい、結局、どのポートレットから出力されている音声かを判別することは難しい場合が多い。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合において、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る音声ポートレット提供システムは、複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部と、表示位置情報によって示される表示位置となるように、複数のポートレットを表示装置に表示するポートレット表示部と、複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得する音声取得部と、表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定する出力態様決定部と、取得された音声の出力態様が決定された出力態様となるように、該取得された音声をユーザ端末に出力する音声出力部と、複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、出力態様の差が大きくなるように、表示位置記憶部に記憶されている表示位置情報を更新する表示位置調整部と、を備える。
【0008】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合において、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態であるポータルシステムの構成を示す図である。
【図2】複数のポートレットが表示されたポータル画面の一例を示す図である。
【図3】ポートレットの表示位置が調整されたポータル画面の一例を示す図である。
【図4】ポータルシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態であるポータルシステムについて説明する。
【0012】
==構成==
まず、ポータルシステムの構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるポータルシステムの構成を示す図である。ポータルシステム10は、ポータル画面と呼ばれるWebページを生成してユーザ端末20に出力する情報処理システムであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成することができる。
【0013】
図1に示すように、ユーザ端末20の表示装置には、ポータルシステム10から提供される情報に基づいて、ポータル画面30が表示される。さらに、ポータル画面30には、複数のポートレット32が表示される。ポートレットとは、Webページ上に表示されるコンポーネントであり、例えば、ニュースやスケジュール、メール等の各種情報を表示することができる。また、ポートレットの中には、表示されているテキスト情報や、表示情報に関連する情報を音声出力することが可能なものもある。ユーザ端末20の音声再生部34では、ポータルシステム10から送信される複数チャンネルの音声を受信し、ユーザ端末20のスピーカやヘッドホン等から音声を出力することができる。
【0014】
ポータルシステム10の構成について説明する。図1に示すように、ポータルシステム10は、ポートレット表示位置記憶部40、ポートレット表示部42、ポートレット表示位置取得部44、仮想音源位置決定部46、ポートレット音声取得部48、ポートレット音声記憶部50、音声プロパティ調整部52、音声出力部54、及びポートレット表示位置調整部56を含んでいる。ここで、ポートレット表示部42、ポートレット表示位置取得部44、仮想音源位置決定部46、ポートレット音声取得部48、音声プロパティ調整部52、音声出力部54、及びポートレット表示位置調整部56は、例えば、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。また、ポートレット表示位置記憶部40及びポートレット音声記憶部50は、例えば、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いることにより実現することができる。
【0015】
ポートレット表示位置記憶部40は、ポータル画面に表示される各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶している。なお、表示位置情報は、ピクセル値等の絶対値の情報であってもよいし、ポータル画面内の相対的な位置を示す情報であってもよい。例えば、ポータル画面内にポートレットを表示可能な表示領域として、縦3列、横3列の合計9個の領域が設けられている場合であれば、表示位置情報は、9個の領域のうちのいずれの領域であるかを示す情報とすることも可能である。また、表示位置情報は、その他の情報から独立した情報である必要はなく、例えば、ポータル画面を表示するためのWebページの情報に含まれていることとしてもよい。
【0016】
ポートレット表示部42は、ユーザ端末20からの要求に応じて、ユーザ端末20の表示装置にポータル画面が表示されるようにWebページの情報を出力する。このとき、ポートレット表示部42は、ポートレット表示位置記憶部40を参照し、表示位置情報によって示される位置に、各ポートレットを表示する。
【0017】
ポートレット表示位置取得部44は、ポートレット表示位置記憶部40を参照し、音声出力に対応しているポートレットの表示位置を取得する。なお、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報には、各ポートレットが音声出力に対応しているかどうかを示す情報が付与されていることとすることができる。あるいは、音声出力に対応していないポートレットの表示位置が固定の場合であれば、ポートレット表示位置記憶部40には、音声出力に対応しているポートレットの表示位置情報のみが格納されていることとしてもよい。
【0018】
仮想音源位置決定部46(出力態様決定部)は、ポートレットの表示位置に基づいて、ポートレットに関連する音声を出力する際の出力態様を決定する。なお、本実施形態においては、出力態様としては音声を出力する際の仮想音源位置を用いることとする。例えば、ポータル画面30内で左側に表示されるポートレットであれば、仮想音源位置決定部46は、このポートレットの音声がユーザの左側から聞こえてくるように仮想音源位置を決定することができる。その他の表示位置の場合についても同様である。
【0019】
ポートレット音声取得部48は、ポータル画面30に表示されるポートレット32のうち、音声出力に対応しているポートレットの音声を出力する。ここで、ポートレットの音声とは、ポートレットにおいて表示される情報に関連する音声であり、例えば、ポートレットに表示されているテキストを読み上げた音声や、ポートレットに表示されている情報に関連する情報の音声である。ポートレット音声取得部48は、例えば、ポートレットに表示されるテキストを音声に変換することによりポートレットの音声を取得してもよいし、ポートレットと対応付けてポートレット音声記憶部50に格納されている音声を取得してもよい。また、ポートレット音声記憶部50に格納される音声は、ポータルシステム10の外部から取得されるものであってもよい。なお、ポートレット音声取得部48は、ポータル画面30に表示されるポートレットのうち、音声出力に対応している全てのポートレットの音声を取得することとしてもよいし、例えばユーザによって選択された一部のポートレットの音声を取得することとしてもよい。
【0020】
音声プロパティ調整部52は、取得したポートレットの音声が、仮想音源位置決定部46によって決定された仮想音源位置で再生されるように音声プロパティを調整する。音声プロパティの調整とは、例えば、チャンネル間の位相差や音量差を調整することである。
【0021】
音声出力部54は、音声プロパティが調整された音声を、ユーザ端末20に対して出力する。
【0022】
ポートレット表示位置調整部56は、複数のポートレットの仮想音源位置の間隔が大きくなるように、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報を更新する。仮想音源位置の間隔を大きくする手法は任意で良いが、例えば、あるポートレットをポータル画面の表示領域上における空き領域に移動したり、ポータル画面の表示領域上におけるポートレットの隣接数が少なくなるようにポートレットを移動したりすることにより行うことができる。具体例を参照して説明する。
【0023】
図2は、複数のポートレットが表示されたポータル画面の一例が示されている。このポータル画面30には、縦3列、横3列の合計9個の表示領域が設けられており、各表示領域に1つのポートレットを表示可能となっている。そして、図2に示すように、ポータル画面30には、7つのポートレットが表示されており、このうち、太線で囲まれた「トップメッセージ」70、「新着メール一覧」72、「グループスケジュール」74、及び「全社通知」76の4つのポートレットが音声出力に対応している。
【0024】
そして、図2に示す状態では、ポートレット間の「隣接」が3つ存在する。すなわち、「トップメッセージ」70と「全社通知」76の隣接、「トップメッセージ」70と「新着メール一覧」72の隣接、及び「新着メール一覧」72と「グループスケジュール」74の隣接である。これら3つの隣接のうち、2つの隣接に関係しているポートレットが2つある。一つは「トップメッセージ」70、もう一つは「新着メール一覧」72である。これらのポートレットが別の位置に移動すれば、新たな隣接が生まれない限り、隣接が1つに減少することとなる。
【0025】
そこで、ポートレット表示位置調整部56は、これら2つのポートレットの移動による配置調整を検討する。ポートレット表示位置調整部56は、いずれのポートレットを移動することも可能であるが、ここでは、「新着メール一覧」72を移動すると決定したこととする。移動先の候補となる空き領域としては中央下、右下の二箇所があるが、「新着メール一覧」72を中央下に移動すると、「グループスケジュール」74との新たな隣接が生じる。一方、「新着メール一覧」72を右下の空き位置に移動すると、新たな隣接は生じない。そこで、ポートレット表示位置調整部56は、図3に示すように、右下の位置に「新着メール一覧」72を移動することに決定し、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報を更新する。そして、表示位置情報が更新されることにより、ポータル画面20上におけるポートレットの表示位置と、ポートレットを音声出力する際の仮想音源位置とが変更される。
【0026】
==動作==
次に、ポータルシステムの動作について説明する。図4は、ポータルシステム10の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ポートレット表示位置取得部44は、ポートレット表示位置記憶部40を参照し、音声出力に対応しているポートレットの現在の表示位置を取得する(S401)。そして、仮想音源位置決定部46は、取得された表示位置に応じて、音声出力に対応している各ポートレットの仮想音源位置を決定する(S402)。
【0027】
ポートレット表示位置調整部56は、音声出力に対応している複数のポートレットのうち、少なくとも2つのポートレット間における仮想音源位置の間隔が現在よりも大きくなるように、各ポートレットに対応する表示位置情報を更新する(S403)。そして、ポートレット表示部42は、更新された表示位置情報に従って、各ポートレットの表示位置を変更する(S404)。
【0028】
ポートレット音声取得部48は、音声出力の対象となっているポートレットの音声を取得する(S405)。なお、音声出力の対象となるポートレットは、音声出力に対応している全てのポートレットである必要はなく、その一部であってもよい。そして、音声プロパティ調整部52は、取得された音声を仮想音源位置決定部46で決定された仮想音源位置に従って調整する(S406)。最後に、音声出力部54は、調整された音声をユーザ端末20に対して出力する(S407)。
【0029】
上述したように、ポータルシステム10では、音声出力に対応しているポートレット間において、ポートレットの表示位置に応じた仮想音源位置の間隔が大きくなるように、ポートレットの表示位置が調整される。これは、どのポートレットから出力されている音声かを把握しやすくなるように各ポートレットの仮想音源位置を決定したうえで、決定された仮想音源位置に対応する位置に各ポートレットの表示位置を調整していると言うこともできる。
【0030】
これにより、ポータルシステム10によれば、複数のポートレットが隣接して表示されるようなポータルシステムであっても、ポートレットの表示位置が調整されることにより、どのポートレットから出力されている音声かを判別することが容易になる。換言すると、出力音声の源である仮想音源位置と、画面上の位置が対応するため、音声で出力されている内容と、画面に表示されている内容を対応づけて理解することが容易になる。
【0031】
また、複数のポートレットからの音声出力が同時に行われた場合でも、それぞれを分離して聞き分けることが容易となる。これは、ページ全体の内容を急いで把握したい場合などに有用である。
【0032】
また、仮想音源位置が適切に分離されるため、異なるポートレットからの音声出力を聞き分けることが容易になるだけでなく、画面上のポートレット配置が仮想音源位置に対応して調整されるため、画面上において対応するポートレットを容易に見つけることができるようになる。
【0033】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0034】
例えば、図2及び図3を参照して説明した例では、ポートレットの表示位置を調整する際に、表示領域上の空き領域にポートレットを移動することとしたが、表示位置の調整手法はこれに限られない。例えば、音声出力に対応していないポートレットを含めて、複数のポートレットの表示位置を入れ替えることとしてもよい。
【0035】
例えば、ポートレット表示位置記憶部40には、各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報がユーザごとに記憶されていることとしてもよい。そして、ポートレット表示位置取得部44は、ユーザ端末20からユーザ識別子を受け付けて、該ユーザ識別子に対応する表示位置情報に基づいて各ポートレットの表示位置を取得することとしてもよい。また、ポータル画面30に表示されるポートレットがユーザごとに異なることとしてもよい。さらに、ポートレット表示部42は、ユーザ端末20でのユーザ操作を受け付けてポートレットの表示位置を変更するとともに、変更された表示位置に応じて、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報を更新することとしてもよい。
【0036】
また、例えば、複数チャンネルの音声は、2チャンネルのステレオ音声に限られず、5.1チャンネル等、2チャンネルより多い音声であってもよい。また、音声の空間的な位置は左右に限られず、上下が含まれることとしてもよい。例えば、ユーザ端末20から音声出力を行うスピーカがユーザの上下左右に配置され、上下の位置の違いも仮想音源位置として反映させるように実施することも可能である。例えば、ポートレットの画面上の上下位置を仮想音源位置に反映させることにより、図2に示した「トップメッセージ」70の音声が左上から、「グループスケジュール」74の音声が左下から聞こえてくるように実施することも可能である。このためには、仮想音源位置決定部46が、ポートレットの上下位置をも勘案して仮想音源位置を決定し、音声プロパティ調整部52が、仮想音源位置の上下も考慮するように音声プロパティを調整すればよい。
【0037】
また、上述の実施形態では、ポートレットの表示位置に応じた音声の出力態様として仮想音源位置を用いることとしたが、表示位置に応じた出力態様はこれに限られず、ポートレットの表示位置と音声との相関関係を把握しやすくするものであれば任意の態様でよい。例えば、ポータル画面の表示領域における上下の位置に応じて音声の高低が決定されることとしてもよい。この場合、ポートレット表示位置調整部56は、複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間において、音声の高低差が大きくなるように、表示位置情報を更新すればよい。
【0038】
本実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部と、前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示するポートレット表示部と、前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得する音声取得部と、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定する出力態様決定部と、前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力する音声出力部と、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する表示位置調整部と、を備える音声ポートレット提供システム。
(付記2)付記1に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記出力態様決定部は、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた仮想音源位置となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の仮想音源位置を決定し、前記音声出力部は、前記取得された音声の仮想音源位置が前記決定された仮想音源位置となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力し、前記表示位置調整部は、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記仮想音源位置の間隔が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記3)付記1または2に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記表示位置調整部は、前記少なくとも2つのポートレットのうちの1つの表示位置が前記表示装置の表示領域上における空き領域に移動されるように、前記表示位置情報を更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記4)付記1〜3の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記表示位置調整部は、前記表示装置の表示領域上における、前記複数のポートレット間での隣接数が少なくなるように、前記表示位置情報を更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記5)付記1〜4の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記表示位置記憶部は、ユーザを識別するユーザ識別子と対応付けて前記表示位置情報を記憶し、前記表示位置取得部は、前記ユーザ識別子を前記ユーザ端末から受け付け、該ユーザ識別子に対応する前記表示位置情報に基づいて、各ポートレットの表示位置を取得する、音声ポートレット提供システム。
(付記6)付記5に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記ポートレット表示部は、前記ユーザ端末におけるユーザ操作に基づいて前記ポートレットの表示位置を更新し、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を該更新された表示位置に応じて更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記7)複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部を参照し、前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示することと、前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得することと、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定することと、前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力することと、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新することと、を含む、音声ポートレット提供方法。
【符号の説明】
【0039】
10 ポータルシステム
20 ユーザ端末
30 ポータル画面
32 ポートレット
40 ポートレット表示位置記憶部
42 ポートレット表示部
44 ポートレット表示位置取得部
46 仮想音源位置決定部
48 ポートレット音声取得部
50 ポートレット音声記憶部
52 音声プロパティ調整部
54 音声出力部
56 ポートレット表示位置調整部
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声ポートレット提供システム及び音声ポートレット提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニュースやスケジュール、メール等の様々な情報を表示可能なポータルシステムが一般的に用いられている。このようなポータルシステムでは、それぞれの情報は「ポートレット」と呼ばれるコンポーネントにより提供される。そして、ポートレットの中には、例えば、表示されているテキストの読み上げなど、音声出力が可能なものがある。ポータルシステムにおいて、音声出力が可能なポートレットが複数配置されている場合、音声はページを単位に出力されるため、どのポートレットから出力されている音声かを判別することが困難となる。そのため、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくするための工夫が必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、音声を出力可能な複数のアプリケーションが同時に起動されている場合に、各アプリケーションの音声を画面の位置に応じた音像位置に調整する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−270425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たしかに、特許文献1に開示されている手法を用いることにより、音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合に、その配置位置に応じた音像位置で音声を出力することは可能である。しかしながら、ポータルシステムにおいては、複数のポートレットが隣接して配置されていることが一般的である。そのため、隣り合うポートレットの音像位置が近いものとなってしまい、結局、どのポートレットから出力されている音声かを判別することは難しい場合が多い。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合において、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る音声ポートレット提供システムは、複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部と、表示位置情報によって示される表示位置となるように、複数のポートレットを表示装置に表示するポートレット表示部と、複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得する音声取得部と、表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定する出力態様決定部と、取得された音声の出力態様が決定された出力態様となるように、該取得された音声をユーザ端末に出力する音声出力部と、複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、出力態様の差が大きくなるように、表示位置記憶部に記憶されている表示位置情報を更新する表示位置調整部と、を備える。
【0008】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、音声出力可能なポートレットが複数配置されている場合において、どのポートレットから出力されている音声かを判別しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態であるポータルシステムの構成を示す図である。
【図2】複数のポートレットが表示されたポータル画面の一例を示す図である。
【図3】ポートレットの表示位置が調整されたポータル画面の一例を示す図である。
【図4】ポータルシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態であるポータルシステムについて説明する。
【0012】
==構成==
まず、ポータルシステムの構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態であるポータルシステムの構成を示す図である。ポータルシステム10は、ポータル画面と呼ばれるWebページを生成してユーザ端末20に出力する情報処理システムであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成することができる。
【0013】
図1に示すように、ユーザ端末20の表示装置には、ポータルシステム10から提供される情報に基づいて、ポータル画面30が表示される。さらに、ポータル画面30には、複数のポートレット32が表示される。ポートレットとは、Webページ上に表示されるコンポーネントであり、例えば、ニュースやスケジュール、メール等の各種情報を表示することができる。また、ポートレットの中には、表示されているテキスト情報や、表示情報に関連する情報を音声出力することが可能なものもある。ユーザ端末20の音声再生部34では、ポータルシステム10から送信される複数チャンネルの音声を受信し、ユーザ端末20のスピーカやヘッドホン等から音声を出力することができる。
【0014】
ポータルシステム10の構成について説明する。図1に示すように、ポータルシステム10は、ポートレット表示位置記憶部40、ポートレット表示部42、ポートレット表示位置取得部44、仮想音源位置決定部46、ポートレット音声取得部48、ポートレット音声記憶部50、音声プロパティ調整部52、音声出力部54、及びポートレット表示位置調整部56を含んでいる。ここで、ポートレット表示部42、ポートレット表示位置取得部44、仮想音源位置決定部46、ポートレット音声取得部48、音声プロパティ調整部52、音声出力部54、及びポートレット表示位置調整部56は、例えば、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。また、ポートレット表示位置記憶部40及びポートレット音声記憶部50は、例えば、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いることにより実現することができる。
【0015】
ポートレット表示位置記憶部40は、ポータル画面に表示される各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶している。なお、表示位置情報は、ピクセル値等の絶対値の情報であってもよいし、ポータル画面内の相対的な位置を示す情報であってもよい。例えば、ポータル画面内にポートレットを表示可能な表示領域として、縦3列、横3列の合計9個の領域が設けられている場合であれば、表示位置情報は、9個の領域のうちのいずれの領域であるかを示す情報とすることも可能である。また、表示位置情報は、その他の情報から独立した情報である必要はなく、例えば、ポータル画面を表示するためのWebページの情報に含まれていることとしてもよい。
【0016】
ポートレット表示部42は、ユーザ端末20からの要求に応じて、ユーザ端末20の表示装置にポータル画面が表示されるようにWebページの情報を出力する。このとき、ポートレット表示部42は、ポートレット表示位置記憶部40を参照し、表示位置情報によって示される位置に、各ポートレットを表示する。
【0017】
ポートレット表示位置取得部44は、ポートレット表示位置記憶部40を参照し、音声出力に対応しているポートレットの表示位置を取得する。なお、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報には、各ポートレットが音声出力に対応しているかどうかを示す情報が付与されていることとすることができる。あるいは、音声出力に対応していないポートレットの表示位置が固定の場合であれば、ポートレット表示位置記憶部40には、音声出力に対応しているポートレットの表示位置情報のみが格納されていることとしてもよい。
【0018】
仮想音源位置決定部46(出力態様決定部)は、ポートレットの表示位置に基づいて、ポートレットに関連する音声を出力する際の出力態様を決定する。なお、本実施形態においては、出力態様としては音声を出力する際の仮想音源位置を用いることとする。例えば、ポータル画面30内で左側に表示されるポートレットであれば、仮想音源位置決定部46は、このポートレットの音声がユーザの左側から聞こえてくるように仮想音源位置を決定することができる。その他の表示位置の場合についても同様である。
【0019】
ポートレット音声取得部48は、ポータル画面30に表示されるポートレット32のうち、音声出力に対応しているポートレットの音声を出力する。ここで、ポートレットの音声とは、ポートレットにおいて表示される情報に関連する音声であり、例えば、ポートレットに表示されているテキストを読み上げた音声や、ポートレットに表示されている情報に関連する情報の音声である。ポートレット音声取得部48は、例えば、ポートレットに表示されるテキストを音声に変換することによりポートレットの音声を取得してもよいし、ポートレットと対応付けてポートレット音声記憶部50に格納されている音声を取得してもよい。また、ポートレット音声記憶部50に格納される音声は、ポータルシステム10の外部から取得されるものであってもよい。なお、ポートレット音声取得部48は、ポータル画面30に表示されるポートレットのうち、音声出力に対応している全てのポートレットの音声を取得することとしてもよいし、例えばユーザによって選択された一部のポートレットの音声を取得することとしてもよい。
【0020】
音声プロパティ調整部52は、取得したポートレットの音声が、仮想音源位置決定部46によって決定された仮想音源位置で再生されるように音声プロパティを調整する。音声プロパティの調整とは、例えば、チャンネル間の位相差や音量差を調整することである。
【0021】
音声出力部54は、音声プロパティが調整された音声を、ユーザ端末20に対して出力する。
【0022】
ポートレット表示位置調整部56は、複数のポートレットの仮想音源位置の間隔が大きくなるように、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報を更新する。仮想音源位置の間隔を大きくする手法は任意で良いが、例えば、あるポートレットをポータル画面の表示領域上における空き領域に移動したり、ポータル画面の表示領域上におけるポートレットの隣接数が少なくなるようにポートレットを移動したりすることにより行うことができる。具体例を参照して説明する。
【0023】
図2は、複数のポートレットが表示されたポータル画面の一例が示されている。このポータル画面30には、縦3列、横3列の合計9個の表示領域が設けられており、各表示領域に1つのポートレットを表示可能となっている。そして、図2に示すように、ポータル画面30には、7つのポートレットが表示されており、このうち、太線で囲まれた「トップメッセージ」70、「新着メール一覧」72、「グループスケジュール」74、及び「全社通知」76の4つのポートレットが音声出力に対応している。
【0024】
そして、図2に示す状態では、ポートレット間の「隣接」が3つ存在する。すなわち、「トップメッセージ」70と「全社通知」76の隣接、「トップメッセージ」70と「新着メール一覧」72の隣接、及び「新着メール一覧」72と「グループスケジュール」74の隣接である。これら3つの隣接のうち、2つの隣接に関係しているポートレットが2つある。一つは「トップメッセージ」70、もう一つは「新着メール一覧」72である。これらのポートレットが別の位置に移動すれば、新たな隣接が生まれない限り、隣接が1つに減少することとなる。
【0025】
そこで、ポートレット表示位置調整部56は、これら2つのポートレットの移動による配置調整を検討する。ポートレット表示位置調整部56は、いずれのポートレットを移動することも可能であるが、ここでは、「新着メール一覧」72を移動すると決定したこととする。移動先の候補となる空き領域としては中央下、右下の二箇所があるが、「新着メール一覧」72を中央下に移動すると、「グループスケジュール」74との新たな隣接が生じる。一方、「新着メール一覧」72を右下の空き位置に移動すると、新たな隣接は生じない。そこで、ポートレット表示位置調整部56は、図3に示すように、右下の位置に「新着メール一覧」72を移動することに決定し、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報を更新する。そして、表示位置情報が更新されることにより、ポータル画面20上におけるポートレットの表示位置と、ポートレットを音声出力する際の仮想音源位置とが変更される。
【0026】
==動作==
次に、ポータルシステムの動作について説明する。図4は、ポータルシステム10の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ポートレット表示位置取得部44は、ポートレット表示位置記憶部40を参照し、音声出力に対応しているポートレットの現在の表示位置を取得する(S401)。そして、仮想音源位置決定部46は、取得された表示位置に応じて、音声出力に対応している各ポートレットの仮想音源位置を決定する(S402)。
【0027】
ポートレット表示位置調整部56は、音声出力に対応している複数のポートレットのうち、少なくとも2つのポートレット間における仮想音源位置の間隔が現在よりも大きくなるように、各ポートレットに対応する表示位置情報を更新する(S403)。そして、ポートレット表示部42は、更新された表示位置情報に従って、各ポートレットの表示位置を変更する(S404)。
【0028】
ポートレット音声取得部48は、音声出力の対象となっているポートレットの音声を取得する(S405)。なお、音声出力の対象となるポートレットは、音声出力に対応している全てのポートレットである必要はなく、その一部であってもよい。そして、音声プロパティ調整部52は、取得された音声を仮想音源位置決定部46で決定された仮想音源位置に従って調整する(S406)。最後に、音声出力部54は、調整された音声をユーザ端末20に対して出力する(S407)。
【0029】
上述したように、ポータルシステム10では、音声出力に対応しているポートレット間において、ポートレットの表示位置に応じた仮想音源位置の間隔が大きくなるように、ポートレットの表示位置が調整される。これは、どのポートレットから出力されている音声かを把握しやすくなるように各ポートレットの仮想音源位置を決定したうえで、決定された仮想音源位置に対応する位置に各ポートレットの表示位置を調整していると言うこともできる。
【0030】
これにより、ポータルシステム10によれば、複数のポートレットが隣接して表示されるようなポータルシステムであっても、ポートレットの表示位置が調整されることにより、どのポートレットから出力されている音声かを判別することが容易になる。換言すると、出力音声の源である仮想音源位置と、画面上の位置が対応するため、音声で出力されている内容と、画面に表示されている内容を対応づけて理解することが容易になる。
【0031】
また、複数のポートレットからの音声出力が同時に行われた場合でも、それぞれを分離して聞き分けることが容易となる。これは、ページ全体の内容を急いで把握したい場合などに有用である。
【0032】
また、仮想音源位置が適切に分離されるため、異なるポートレットからの音声出力を聞き分けることが容易になるだけでなく、画面上のポートレット配置が仮想音源位置に対応して調整されるため、画面上において対応するポートレットを容易に見つけることができるようになる。
【0033】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0034】
例えば、図2及び図3を参照して説明した例では、ポートレットの表示位置を調整する際に、表示領域上の空き領域にポートレットを移動することとしたが、表示位置の調整手法はこれに限られない。例えば、音声出力に対応していないポートレットを含めて、複数のポートレットの表示位置を入れ替えることとしてもよい。
【0035】
例えば、ポートレット表示位置記憶部40には、各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報がユーザごとに記憶されていることとしてもよい。そして、ポートレット表示位置取得部44は、ユーザ端末20からユーザ識別子を受け付けて、該ユーザ識別子に対応する表示位置情報に基づいて各ポートレットの表示位置を取得することとしてもよい。また、ポータル画面30に表示されるポートレットがユーザごとに異なることとしてもよい。さらに、ポートレット表示部42は、ユーザ端末20でのユーザ操作を受け付けてポートレットの表示位置を変更するとともに、変更された表示位置に応じて、ポートレット表示位置記憶部40に記憶されている表示位置情報を更新することとしてもよい。
【0036】
また、例えば、複数チャンネルの音声は、2チャンネルのステレオ音声に限られず、5.1チャンネル等、2チャンネルより多い音声であってもよい。また、音声の空間的な位置は左右に限られず、上下が含まれることとしてもよい。例えば、ユーザ端末20から音声出力を行うスピーカがユーザの上下左右に配置され、上下の位置の違いも仮想音源位置として反映させるように実施することも可能である。例えば、ポートレットの画面上の上下位置を仮想音源位置に反映させることにより、図2に示した「トップメッセージ」70の音声が左上から、「グループスケジュール」74の音声が左下から聞こえてくるように実施することも可能である。このためには、仮想音源位置決定部46が、ポートレットの上下位置をも勘案して仮想音源位置を決定し、音声プロパティ調整部52が、仮想音源位置の上下も考慮するように音声プロパティを調整すればよい。
【0037】
また、上述の実施形態では、ポートレットの表示位置に応じた音声の出力態様として仮想音源位置を用いることとしたが、表示位置に応じた出力態様はこれに限られず、ポートレットの表示位置と音声との相関関係を把握しやすくするものであれば任意の態様でよい。例えば、ポータル画面の表示領域における上下の位置に応じて音声の高低が決定されることとしてもよい。この場合、ポートレット表示位置調整部56は、複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間において、音声の高低差が大きくなるように、表示位置情報を更新すればよい。
【0038】
本実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部と、前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示するポートレット表示部と、前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得する音声取得部と、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定する出力態様決定部と、前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力する音声出力部と、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する表示位置調整部と、を備える音声ポートレット提供システム。
(付記2)付記1に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記出力態様決定部は、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた仮想音源位置となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の仮想音源位置を決定し、前記音声出力部は、前記取得された音声の仮想音源位置が前記決定された仮想音源位置となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力し、前記表示位置調整部は、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記仮想音源位置の間隔が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記3)付記1または2に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記表示位置調整部は、前記少なくとも2つのポートレットのうちの1つの表示位置が前記表示装置の表示領域上における空き領域に移動されるように、前記表示位置情報を更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記4)付記1〜3の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記表示位置調整部は、前記表示装置の表示領域上における、前記複数のポートレット間での隣接数が少なくなるように、前記表示位置情報を更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記5)付記1〜4の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記表示位置記憶部は、ユーザを識別するユーザ識別子と対応付けて前記表示位置情報を記憶し、前記表示位置取得部は、前記ユーザ識別子を前記ユーザ端末から受け付け、該ユーザ識別子に対応する前記表示位置情報に基づいて、各ポートレットの表示位置を取得する、音声ポートレット提供システム。
(付記6)付記5に記載の音声ポートレット提供システムであって、前記ポートレット表示部は、前記ユーザ端末におけるユーザ操作に基づいて前記ポートレットの表示位置を更新し、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を該更新された表示位置に応じて更新する、音声ポートレット提供システム。
(付記7)複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部を参照し、前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示することと、前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得することと、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定することと、前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力することと、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新することと、を含む、音声ポートレット提供方法。
【符号の説明】
【0039】
10 ポータルシステム
20 ユーザ端末
30 ポータル画面
32 ポートレット
40 ポートレット表示位置記憶部
42 ポートレット表示部
44 ポートレット表示位置取得部
46 仮想音源位置決定部
48 ポートレット音声取得部
50 ポートレット音声記憶部
52 音声プロパティ調整部
54 音声出力部
56 ポートレット表示位置調整部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部と、
前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示するポートレット表示部と、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得する音声取得部と、
前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定する出力態様決定部と、
前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力する音声出力部と、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する表示位置調整部と、
を備える音声ポートレット提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記出力態様決定部は、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた仮想音源位置となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の仮想音源位置を決定し、
前記音声出力部は、前記取得された音声の仮想音源位置が前記決定された仮想音源位置となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力し、
前記表示位置調整部は、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記仮想音源位置の間隔が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記表示位置調整部は、前記少なくとも2つのポートレットのうちの1つの表示位置が前記表示装置の表示領域上における空き領域に移動されるように、前記表示位置情報を更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記表示位置調整部は、前記表示装置の表示領域上における、前記複数のポートレット間での隣接数が少なくなるように、前記表示位置情報を更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記表示位置記憶部は、ユーザを識別するユーザ識別子と対応付けて前記表示位置情報を記憶し、
前記表示位置取得部は、前記ユーザ識別子を前記ユーザ端末から受け付け、該ユーザ識別子に対応する前記表示位置情報に基づいて、各ポートレットの表示位置を取得する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項6】
請求項5に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記ポートレット表示部は、前記ユーザ端末におけるユーザ操作に基づいて前記ポートレットの表示位置を更新し、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を該更新された表示位置に応じて更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項7】
複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部を参照し、前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示することと、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得することと、
前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定することと、
前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力することと、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新することと、
を含む、音声ポートレット提供方法。
【請求項1】
複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部と、
前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示するポートレット表示部と、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得する音声取得部と、
前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定する出力態様決定部と、
前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力する音声出力部と、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する表示位置調整部と、
を備える音声ポートレット提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記出力態様決定部は、前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた仮想音源位置となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の仮想音源位置を決定し、
前記音声出力部は、前記取得された音声の仮想音源位置が前記決定された仮想音源位置となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力し、
前記表示位置調整部は、前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記仮想音源位置の間隔が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記表示位置調整部は、前記少なくとも2つのポートレットのうちの1つの表示位置が前記表示装置の表示領域上における空き領域に移動されるように、前記表示位置情報を更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記表示位置調整部は、前記表示装置の表示領域上における、前記複数のポートレット間での隣接数が少なくなるように、前記表示位置情報を更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記表示位置記憶部は、ユーザを識別するユーザ識別子と対応付けて前記表示位置情報を記憶し、
前記表示位置取得部は、前記ユーザ識別子を前記ユーザ端末から受け付け、該ユーザ識別子に対応する前記表示位置情報に基づいて、各ポートレットの表示位置を取得する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項6】
請求項5に記載の音声ポートレット提供システムであって、
前記ポートレット表示部は、前記ユーザ端末におけるユーザ操作に基づいて前記ポートレットの表示位置を更新し、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を該更新された表示位置に応じて更新する、
音声ポートレット提供システム。
【請求項7】
複数のポートレットをユーザ端末の表示装置に表示する際の各ポートレットの表示位置を示す表示位置情報を記憶する表示位置記憶部を参照し、前記表示位置情報によって示される表示位置となるように、前記複数のポートレットを前記表示装置に表示することと、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも1つのポートレットに関連する情報の音声を取得することと、
前記表示位置情報によって示される表示位置に応じた出力態様となるように、各ポートレットに関連する情報を音声出力する際の出力態様を決定することと、
前記取得された音声の出力態様が前記決定された出力態様となるように、該取得された音声を前記ユーザ端末に出力することと、
前記複数のポートレットのうちの少なくとも2つのポートレットの間における、前記出力態様の差が大きくなるように、前記表示位置記憶部に記憶されている前記表示位置情報を更新することと、
を含む、音声ポートレット提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−195661(P2012−195661A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56442(P2011−56442)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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